JP2017115021A - ポリカーボネート樹脂およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
これら脂肪族ジヒドロキシ化合物からなるポリカーボネート樹脂は通常溶融重合法により製造されるが、芳香族ポリカーボネート樹脂と比較して、熱安定性に劣るため、高温で重合することが出来ないことや、脂肪族ジヒドロキシ化合物の反応性が高いため、副生成物である芳香族モノヒドロキシ化合物が残存しやすい。また、特殊な反応機を用いて脱気する方法や押出機を用いて脱気する方法が提案されているが(特許文献4)、専用の高価な設備が必要であり、また更なる低減が求められていた。
すなわち、本発明によれば、発明の課題は、下記により達成される。
2.脂肪族ジヒドロキシ化合物から誘導されるカーボネート構成単位は、全カーボネート構成単位の50〜100モル%である前項1記載のポリカーボネート樹脂。
3.脂肪族ジヒドロキシ化合物は、下記式(3)で表される脂肪族ジヒドロキシ化合物を含む前項1記載のポリカーボネート樹脂。
4.前記式(1)または前記式(2)で表される末端基が全末端基の10〜90モル%である前項1記載のポリカーボネート樹脂。
5.20℃の塩化メチレン溶液で測定された比粘度が0.18〜0.5である前項1記載のポリカーボネート樹脂。
6.脂肪族ジヒドロキシ化合物を含むジヒドロキシ化合物、炭酸ジエステルおよび下記式(a)または下記式(b)で表されるアルコール化合物を反応させる前項1記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
7.全ジヒドロキシ化合物に対して、アルコール化合物を0.1〜5モル%反応させる前項6記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
8.アルコール化合物は、常圧での沸点が180〜300℃である前項6記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明のポリカーボネート樹脂は、脂肪族ジヒドロキシ化合物から誘導されるカーボネート構成単位を有するポリカーボネート樹脂である。脂肪族ジヒドロキシ化合物から誘導されるカーボネート構成単位が全繰り返し単位を基準として好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは70モル%以上であり、さらに好ましくは80モル%以上であり、特に好ましくは90モル%以上である。
脂肪族ジヒドロキシ化合物から誘導されるカーボネート構成単位としては、下記(A−1)〜(A−2)のモノマーから誘導されるカーボネート構成単位や(A−3)〜(A−4)で表されるカーボネート構成単位が好ましく使用される。
カーボネート構成単位(A−1)は、脂肪族ジオール化合物及び脂環式ジオール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物から誘導されるカーボネート単位である。
脂肪族ジオール化合物としては、直鎖脂肪族ジオール化合物や分岐脂肪族ジオール化合物が挙げられ、直鎖脂肪族ジオール化合物が好ましい。好ましくは炭素原子数2〜30、より好ましくは炭素原子数6〜20、さらに好ましくは炭素原子数8〜12の直鎖脂肪族ジオール化合物が使用される。
脂環式ジオール化合物として、好ましくは炭素原子数6〜30、より好ましくは炭素原子数6〜20の脂環式ジオール化合物が使用される。
これらの脂肪族ジオール化合物及び脂環式ジオール化合物は、1種もしくは2種類以上併用して用いても良い。
カーボネート構成単位(A−2)は、下記式で表されるジヒドロキシ化合物から誘導されるカーボネート単位である。
また、下記式(A−3)で表されるカーボネート単位も好ましく用いられる。
さらに、下記式(A−4)で表されるエステル単位も好ましく用いられる。この場合、ポリエステルカーボネートとなる。
上記一般式(A−4)を誘導する化合物の具体例として、ビス[9−(2−エトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、1,2−ビス[9−(2−エトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]エタン、1,2−ビス[9−(2−メトキシカルボニルプロピル)フルオレン−9−イル]エタン、ビス[9−(2−メトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、1,2−ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]エタンが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂においては、下記式(1)または下記式(2)で表される末端基を含む。末端基量としては、全末端基に対して10〜90モル%が好ましく、15〜80モル%がより好ましく、20〜70モル%がさらに好ましく、30〜60モル%が特に好ましい。末端基が下限以上であれば芳香族モノヒドロキシ化合物の留去効果が高くなり、上限以下であれば重合度が高くなり好ましい。
R1としては置換されてもよい炭素原子数6〜15のアルキル基が好ましく、R1のアルキル基の炭素原子数は、好ましくは7〜14、より好ましくは8〜12である。アルキル基として、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。
R4は水素原子、置換されてもよい炭素原子数1〜12のアルキル基、置換されてもよい炭素原子数6〜12のアリール基、置換されてもよい炭素原子数1〜12のアルケニル基、または置換されてもよい炭素原子数7〜12のアラルキル基を表す。
本発明のポリカーボネート樹脂に残存する芳香族モノヒドロキシ量は0.1〜500ppmであり、0.1〜300ppmが好ましく、0.1〜200ppmがより好ましく、0.1〜100ppmが特に好ましい。500ppmより多いと成形安定性や色相が悪化し好ましくない。芳香族モノヒドロキシ量は少なければ少ないほうが好ましいが、0.1ppm以上はポリマー中に残存する。
本発明のポリカーボネート樹脂の比粘度(ηSP)は、0.18〜0.5が好ましく、0.21〜0.47がより好ましく、0.24〜0.45がさらに好ましく、0.26〜0.42がよりさらに好ましく、0.27〜0.40が特に好ましく、0.27〜0.38がもっとも好ましい。ポリカーボネート樹脂の比粘度が、0.18以上であれば強度が充分高く、0.5以下であれば成形性が良好であり好ましい。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
なお、具体的な比粘度の測定としては、例えば次の要領で行うことができる。まず、ポリカーボネート樹脂をその20〜30倍重量の塩化メチレンに溶解し、可溶分をセライト濾過により採取した後、溶液を除去して十分に乾燥し、塩化メチレン可溶分の固体を得る。かかる固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から20℃における比粘度を、オストワルド粘度計を用いて求める。
本発明のポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは70〜150℃、より好ましくは90〜140℃、さらに好ましくは100〜135℃、特に好ましくは110〜130℃である。
ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)が70℃以上であると、光学成形体として使用した際に耐熱性が十分となり好ましい。また、ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)が150℃以下であると、射出成形の際の成形加工性が良好となり好ましい。
ガラス転移温度(Tg)はティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製2910型DSCを使用し、昇温速度20℃/minにて測定する。
本発明のポリカーボネート樹脂の光弾性係数は、好ましくは30×10−12Pa−1以下、より好ましくは28×10−12Pa−1以下、特に好ましくは20×10−12Pa−1以下である。30×10−12Pa−1以下であると、応力による光学ひずみが発生し難いため、ディスプレイ用途として好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂は、鉛筆硬度が好ましくはHB以上である。耐傷性に優れるという点で、F以上がより好ましく、H以上がさらに好ましい。鉛筆硬度とは、本発明の樹脂を特定の鉛筆硬度を有する鉛筆で樹脂を擦過した場合に擦過しても擦過痕が残らない硬さのことであり、JIS K−5600に従って測定できる塗膜の表面硬度試験に用いる鉛筆硬度を指標とする。鉛筆硬度は、9H、8H、7H、6H、5H、4H、3H、2H、H、F、HB、B、2B、3B、4B、5B、6Bの順で柔らかくなり、最も硬いものが9H、最も軟らかいものが6Bである。
本発明のポリカーボネート樹脂から形成される成形品における厚み1mmの全光線透過率は好ましくは80%以上、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは91%以上である。80%以上であると、ディスプレイ用途のシートやフィルムとして使用した際の視認性が優れ好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂は、通常のポリカーボネート樹脂を製造するそれ自体公知の反応手段、例えばジヒドロキシ成分に炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を反応させる方法により製造される。次にこれらの製造方法について基本的な手段を簡単に説明する。
本発明で使用されるアルコール化合物はその他原料と同時に仕込んでも良いし、反応中期段階、反応後期段階で仕込んでも良い。
このような化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の、有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコキシド、4級アンモニウムヒドロキシド等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
含窒素化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類が挙げられる。また、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。また、アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート等の塩基あるいは塩基性塩等が例示される。
これらの重合触媒の使用量は、ジオール成分1モルに対し好ましくは1×10−9〜1×10−2当量、好ましくは1×10−8〜1×10−5当量、より好ましくは1×10−7〜1×10−3当量の範囲で選ばれる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、用途や必要に応じて熱安定剤、可塑剤、光安定剤、重合金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、離型剤等の添加剤を配合することができる。
また、本発明のポリカーボネート樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で他の樹脂と併用してもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂は、押出・成形時の分子量低下や色相の悪化を抑制するために、とくに熱安定剤を含有することが好ましい。熱安定剤としてはリン系安定剤を含有することが好ましい。さらにリン系安定剤として、ペンタエリスリトール型ホスファイト化合物、または、二価フェノール類と反応し環状構造を有するホスファイト化合物を配合することがより好ましい。
ホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ジエチルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−iso−プロピルフェニル)ホスファイト、トリス(ジ−n−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、およびトリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどが挙げられる。
上記のリン系安定剤は、単独でまたは2種以上を併用して使用することができ、少なくともペンタエリスリトール型ホスファイト化合物、または、環状構造を有するホスファイト化合物を有効量配合することが好ましい。リン系安定剤はポリカーボネート樹脂100重量部当たり、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.01〜0.3重量部配合される。
ヒンダードフェノール系安定剤としては、例えば、酸化防止機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス{メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン、ジステアリル(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルベンジル)マロネート、トリエチレグリコール−ビス{3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、1,6−ヘキサンジオール−ビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、ペンタエリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,2−チオジエチレンビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、2,4−ビス{(オクチルチオ)メチル}−o−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,5,7,8−テトラメチル−2(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クロマン−6−オール、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−t−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール等が挙げられる。
これらのヒンダードフェノール系安定剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても用いても良い。
ヒンダードフェノール系安定剤はポリカーボネート樹脂100重量部当たり、好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部、さらに好ましくは0.01〜0.3重量部配合される。
本発明のポリカーボネート樹脂は、溶融成形時の金型からの離型性をより向上させるために、本発明の目的を損なわない範囲で離型剤を配合することも可能である。
かかる離型剤としては、一価または多価アルコールの高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸、パラフィンワックス、蜜蝋、オレフィン系ワックス、カルボキシ基および/またはカルボン酸無水物基を含有するオレフィン系ワックス、シリコーンオイル、オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸が好ましい。かかる脂肪酸としては、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などが挙げられる。
これらの離型剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。かかる離型剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂は、紫外線吸収剤を含むことができる。紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、環状イミノエステル系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げられ、なかでもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
かかる紫外線吸収剤の割合は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して好ましくは0.03〜2.5重量部、より好ましくは0.05〜2.0重量部、さらに好ましくは0.1〜1.0重量部である。
日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて各繰り返し単位を測定し、ポリマー末端比(モル比)を算出した。
20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
ポリカーボネート樹脂1.5gを塩化メチレン15mlに溶解させた後、アセトニトリル135mlを加え攪拌し、エバポレーターで濃縮した後、0.2μmフィルターでろ過し、この測定溶液10μlを野村化学製Develosil ODS−7のカラムにて溶離液アセトニトリル/0.2%酢酸水とアセトニトリルとの混合液を用いて、カラム温度30℃、検出器277nmでグラジエントプログラムにてHPLC分析した。
ポリカーボネート樹脂5gを試験管に入れ、窒素下で280℃15分間加熱した後に比粘度を測定した。初期の比粘度から5%以内の低下であった場合を○、5%超から8%未満の低下であった場合を△、8%以上の低下であった場合を×とした。
ポリカーボネート樹脂を110℃、6h乾燥後、射出成形機(日本製鋼所(株)製 JSWJ−75EIII)により、シリンダー温度290℃で10分滞留後に金型温度80℃、2mm板の試験片を成形した。成形した2.0mm板を日本電色(株)製色差計Z−1001DP型を用いて透過光を測定したX,YおよびZ値からASTME1925に基づき、下記式を用いて算出した。YI値が大きいほど成形板の黄色味が強いことを示す。
YI=[100(1.28X−1.06Z)]/Y
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(以下BPEFと略す)1503部、ジフェニルカーボネート(以下DPCと略す)750部、フェノキシエタノール9.5部および触媒として炭酸水素ナトリウム0.3×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、60℃/hrの速度で240℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行い、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度、フェノール量、熱安定性を評価した。また、該ペレットを使用して得られた成型品の色相を評価した。その結果を表1に記載した。
BPEF750部、フェノキシエタノール14.2部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
BPEF750部、フェノキシエタノール2.4部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
BPEF750部、トリデカノール13.8部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
BPEF750部、デカノール21.7部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
BPEF750部、1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下CHDMと略す)247部、フェノキシエタノール9.5部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
BPEF750部、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール(以下TCDDMと略す)339部、フェノキシエタノール9.5部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
BPEF750部、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(以下SPGと略す)522部、フェノキシエタノール9.5部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
SPG730部、TCDDM202部、フェノキシエタノール9.5部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
BPEF1503部、DPC750部を原料として用い、フェノキシエタノールを使用しなかった他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
BPEF1503部、フェノキシエタノール0.95部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
BPEF1503部、ヘキサノール7.0部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
BPEF1503部、ステアリルアルコール18.5部、DPC750部を原料として用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、同様の評価を行った。その結果を表1に記載した。
Claims (8)
- 脂肪族ジヒドロキシ化合物から誘導されるカーボネート構成単位を有するポリカーボネート樹脂であって、下記式(1)または下記式(2)で表される末端基を含み、芳香族モノヒドロキシ化合物を0.1〜500ppm含有するポリカーボネート樹脂。
- 脂肪族ジヒドロキシ化合物から誘導されるカーボネート構成単位は、全カーボネート構成単位の50〜100モル%である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
- 脂肪族ジヒドロキシ化合物は、下記式(3)で表される脂肪族ジヒドロキシ化合物を含む請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
- 前記式(1)または前記式(2)で表される末端基が全末端基の10〜90モル%である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
- 20℃の塩化メチレン溶液で測定された比粘度が0.18〜0.5である請求項1記載のポリカーボネート樹脂。
- ジヒドロキシ化合物に対して、アルコール化合物を0.1〜5モル%反応させる請求項6記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- アルコール化合物は、常圧での沸点が180〜300℃である請求項6記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
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