JPH0829564B2 - 釣り竿の製造法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は釣り竿の製造法、詳しくは内周面に多数の軸
方向突条を設けた釣り糸ガイドを挿嵌して固定する如く
成した釣り竿の製造法に関する。

（ 従 来 技 術 ） 一般にこの種の釣り竿にあっては、例えば実公昭58−
2222号公報に示されているごとく、外周面に軸方向突条
を多数刻設した係止パイプを、ロッド本体のガイド固定
部位外面に挿嵌して接着剤で固定すると共に、内周面に
多数の軸方向突条を設けた釣り糸ガイドを前記係止パイ
プの外周に挿嵌し、該ガイドの回動を前記係止パイプを
介して阻止するようにしたものが知られている。

（発明が解決しようとする問題点） ところで以上の釣り竿では、外周面に軸方向突条を形
成する関係上、前記係止パイプの肉圧が厚くなり、従っ
てかかる厚肉の係止パイプを前記ロッド本体に挿嵌固定
すると、釣り竿全体の重量が重くなるばかりか、釣り竿
の調子が狂うと云う不具合がある。

本発明は以上の実情に鑑みて開発したもので、目的と
するところは、釣り糸ガイドの回動を阻止することが出
来、しかもガイド固定部位の肉厚が薄くて、釣り竿全体
の軽量化を図ることの出来る釣り竿の製造法を提供する
にある。

（問題点を解決するための手段） しかして本発明は、内周面の多数の軸方向突条を設け
た釣り糸ガイドを挿嵌して固定するごとく成した釣り竿
の製造法であって、ロッド本体（１）のガイド固定部位
外面に未硬化の合成樹脂を備えた大径部（２）を形成し
て、この大径部（２）の外周面に、内周面に多数の軸方
向突条（３）をもった熱収縮チューブ（４）を挿通した
後、このチューブ（４）を加熱収縮させて、前記大径部
（２）の合成樹脂を硬化させると共に、該大径部（２）
の外周面に多数の凹凸条（５）を形成し、しかる後、前
記チューブ（４）を剥離したことを特徴とするものであ
る。

（作用） 本発明によれば、前記チューブ（４）の剥離により、
該大径部（２）の外周面に多数の凹凸条（５）が形成さ
れるのであって、従って前記大径部（２）に、内周面に
多数の軸方向突条を設けた釣り糸ガイドを挿嵌するだけ
で、前記大径部（２）の凹凸状（５）の凹部に前記ガイ
ドにおける軸方向突条が嵌合して、前記釣り糸ガイドを
前記ロッド本体（１）に対し回動不能に組付けられるの
である。

（ 実 施 例 ） 以下本発明を図に示す実施例に従って説明する。

図において（１）は、カーボン繊維などの高強度繊維
に未硬化の熱硬化性合成樹脂を含浸したプリプレグを中
空状に巻装した上で加圧焼成して形成するロッド本体で
あって、図に示す実施例では、加圧焼成する以前の前記
ロッド本体（１）のガイド固定部位外面に、未硬化の合
成樹脂を備えた大径部（２）を形成するのである。

具体的には、前記ロッド本体（１）を形成するプリプ
レグと同一材質からなる細幅のプリプレグを形成して、
この細幅プリプレグを、加圧焼成する以前の前記ロッド
本体（１）におけるガイド固定部位外面に２〜３プライ
巻装して、前記ロッド本体（１）に、該ロッド本体
（１）における一般面の外径よりも大径とした大径部
（２）を形成するのである。

一方、前記大径部（２）の挿通可能で且つ内周面に多
数の軸方向突条（３）を形成した熱収縮チューブ（４）
を形成して、この熱収縮チューブ（４）を第２図及び第
３図に示すごとく前記大径部（２）の外周に挿嵌した
後、前記ロッド本体（１）及び前記熱収縮チューブ
（４）の外周にセロファンテープ（図示せず）を巻き付
けて、前記ロッド本体（１）を緊縛した上で、前記ロッ
ド本体（１）全体を加熱炉で加圧焼成するのである。

しかしてかかる加圧焼成に伴い、前記熱収縮チューブ
（４）が熱収縮して、第４図に示すごとく、該チューブ
（４）の内周面に形成している軸方向突条（３）が、今
だ未硬化である前記大径部（２）を構成する細幅プリプ
レグ内に突入した後、前記ロッド本体（１）及び大径部
（２）を構成するプリプレグの合成樹脂が硬化するので
ある。

斯くして以上のごとく、前記ロッド本体（１）全体の
加圧焼成が終えたならば、まず前記セロファンテープを
剥離した後、前記熱収縮チューブ（４）をも前記大径部
（２）から剥離すると、第５図に示すごとく、該大径部
（２）の外周面には、該熱収縮チューブ（４）における
軸方向突条（３）の突入により、軸方向に延びる多数の
凹凸条（５）が形成されるのである。

そして斯くのごとく凹凸条（５）を形成した前記大径
部（２）に、内周面に多数の軸方向突条（３）を設けた
釣り糸ガイド（７）を挿嵌するのであって、該釣り糸ガ
イド（７）の挿嵌により、第７図に示すごとく、前記大
径部（２）の凹凸条（５）の凹部に前記ガイド（７）に
おける軸方向突条（５）が嵌合し、前記釣り糸ガイド
（４）は前記ロッド本体（１）に対し回動不能に組付け
られるのであり、また前記大径部（２）は、前記ガイド
（４）の軸方向突条（３）間に形成される凹所の深さと
ほぼ同じ薄い肉厚でよく、従って釣り竿の重量の増大を
ほとんど招くことがなく、そのため釣り竿の調子が狂う
ようなこともないのである。

以上の実施例では、加圧焼成する以前の前記ロッド本
体（１）に未硬化の細幅プリプレグを巻回して、大径部
（２）を形成した後、前記ロッド本体（１）と前記大径
部（２）とを同時に加熱炉で加圧焼成したが、あらかじ
め加圧焼成したロッド本体（１）のガイド固定部位外面
に前記未硬化の細幅プリプレグを巻回して大径部（２）
を形成し、この大径部（２）の外周面に前記熱収縮チュ
ーブ（４）を挿通し、加圧焼成して前記凹凸条（５）を
形成するようにしてもよい。

（発明の効果） 以上のごとく本発明は、ロッド本体（１）のガイド固
定部位外面に未硬化の合成樹脂を備えた大径部（２）を
形成して、この大径部（２）の外周面に、内周面に多数
の軸方向突条（３）をもって熱収縮チューブ（４）を挿
通した後、このチューブ（４）を加熱収縮させて、前記
大径部（２）の合成樹脂を硬化させると共に、該大径部
（２）の外周面に多数の凹凸条（５）を形成し、しかる
後、前記チューブ（４）を剥離することにより、前記大
径部（２）に、内周面に多数の軸方向突条を設けた釣り
糸ガイドを挿嵌するだけで、前記大径部（２）の凹凸状
（５）の凹部に前記ガイドにおける軸方向突条が嵌合し
て、前記釣り糸ガイドが前記ロッド本体に対し回動不能
に組付けることが出来るのは勿論のこと、前記大径部
（２）は、前記ガイドの軸方向突条間に形成される凹所
の深さとほぼ同じ薄い肉厚でよく、従って釣り竿の重量
を従来よりも軽量とすることが出来、しかも釣り竿の調
子が狂うようなこともないのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示し、第１図はロッド本体の
外面に大径部を形成した状態を示す側面図、第２図は前
記大径部に熱収縮チューブを挿嵌した状態を示す側面
図、第３図は同拡大縦断面図、第４図は加圧焼成により
熱収縮チューブを収縮させた状態を示す要部の拡大断面
図、第５図は加圧焼成後に前記熱収縮チューブを剥離し
た状態を示す要部の拡大断面図、第６図は外周面に多数
の凹凸条を形成した大径部にガイドを挿嵌固定した状態
を示す側面図、第７図は第６図Ａ−Ａ線拡大断面図であ
る。 （１）……ロッド本体 （２）……大径部 （３）……軸方向突条 （４）……熱収縮チューブ （５）……凹凸条

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内周面に多数の軸方向突条を設けた釣り糸
   ガイドを挿嵌して固定するごとく成した釣り竿の製造法
   であって、ロッド本体（１）のガイド固定部位外面に未
   硬化の合成樹脂を備えた大径部（２）を形成して、この
   大径部（２）の外周面に、内周面に多数の軸方向突条
   （３）をもった熱収縮チューブ（４）を挿通した後、こ
   のチューブ（４）を加熱収縮させて、前記大径部（２）
   の合成樹脂を硬化させると共に、該大径部（２）の外周
   面に多数の凹凸条（５）を形成し、しかる後、前記チュ
   ーブ（４）を剥離したことを特徴とする釣り竿の製造
   法。