JPH08292301A - 親水性ガラス及びその製造方法 - Google Patents

親水性ガラス及びその製造方法

Info

Publication number
JPH08292301A
JPH08292301A JP7249252A JP24925295A JPH08292301A JP H08292301 A JPH08292301 A JP H08292301A JP 7249252 A JP7249252 A JP 7249252A JP 24925295 A JP24925295 A JP 24925295A JP H08292301 A JPH08292301 A JP H08292301A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
hydrophilic
weight
water
metal oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7249252A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoko Sugawara
聡子 菅原
Yasuaki Kai
康朗 甲斐
Ichiro Nakamura
一郎 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP7249252A priority Critical patent/JPH08292301A/ja
Publication of JPH08292301A publication Critical patent/JPH08292301A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/006Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with materials of composite character
    • C03C17/008Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with materials of composite character comprising a mixture of materials covered by two or more of the groups C03C17/02, C03C17/06, C03C17/22 and C03C17/28
    • C03C17/009Mixtures of organic and inorganic materials, e.g. ormosils and ormocers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面に水滴が付着することによる光の乱反射
によって視認性が低下することを防止することのできる
親水性ガラス及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 ガラス基板の一面に反射性のコーティン
グを施したガラスにおいて、前記ガラス基板のコーティ
ング面と反対側の表面に、膜厚が0.01〜0.5μm
の範囲にある金属酸化物膜が形成されており、該金属酸
化物膜中に脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、硫酸エス
テル、リン酸エステル及びサルフェート類の親水性の有
機化合物から成る群から選ばれた少なくとも1種が金属
酸化物100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲
で含有されている親水性膜を有することを特徴とする親
水性ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は親水性ガラス及びそ
の製造方法に関し、特に自動車のドアミラーやウィンド
ウ表面に水滴が付着することによる光の乱反射によって
視認性が低下することを防止することのできる親水性ガ
ラス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、降雨時に自動車のドアガラスに水
滴が付着することによる光の乱反射によって後方視認性
が著しく低下することを防止すると共に、ウィンドウの
室内側が曇ったり、外側に雨滴がムラになって付着する
ことによって視界が低下することによる不快感を防止す
るため、例えば界面活性剤や親水性官能基を持つ有機高
分子をガラスやウィンドウに塗布して表面を親水性にす
る方法がとられてきた。
【0003】また、ガラスの裏面に組み込んだヒータに
よってガラスを加熱して表面の水滴を蒸発させたり、ガ
ラス表面の撥水処理と裏面の圧電振動子やヒータとによ
って水滴の飛散効果及び蒸発効果を組み合わせたものな
ども実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、界面活
性剤をスプレーなどにより塗布するいわゆる曇り止め処
理は、界面活性剤が水溶性であるので容易に脱離してし
まい、比較的短時間にその効果が失われてしまうという
欠点があった(特開昭53−58492号公報)。
【0005】また、親水性高分子をガラスに塗布して表
面を親水性にする方法では、表面硬度と水滴付着防止効
果との両立が困難であり、十分な水滴防止効果のあるも
のでは耐擦傷性が不十分であった。
【0006】親水性有機高分子として吸水性高分子を用
いる方法もあるが、吸水能力を高めるためには架橋度を
低くする必要があり、また耐擦傷性を高めるためには架
橋度を高めねばならないという問題点があった。この場
合は、吸水性が飽和すると水滴防止効果が小さくなると
いう問題点もあった。
【0007】また、親水性膜が傷つき易いという問題点
を克服するために、吸水性有機高分子と有機シラン化合
物やシリカ微粒子とを組み合わせた例もある(特開昭5
7−72856号公報)が、十分な耐擦傷性を得るには
至っていない。
【0008】一方、ガラスを裏面のヒータで加熱する方
法は、通常のガラスでは水滴のガラス表面との接触面積
が小さいために水滴を除去するのに時間がかかるという
問題点があった。
【0009】また、ガラス表面の撥水処理と裏面のヒー
タ及び圧電振動子とを組み合わせる方法においては、テ
フロン処理した表面の撥水性が水の接触角120°程度
であるため、圧電振動子で完全に水滴を除去することは
困難であり、また残存する水分もガラス面との接触面積
が小さくなるため、ヒータの熱の伝導が悪く、なかなか
除去することができないという問題点を有していた。
【0010】更に、この方法は圧電振動子が高価な上、
駆動回路が必要となるなど全体のシステムが複雑にな
り、コスト的にかなり高いものとなってしまうという問
題点もあった。
【0011】従って本発明は、上記従来技術における問
題点を解決するためのものであり、迅速な水滴除去効果
を有し、かつ十分な耐擦傷性と持続性とを併せ持った親
水性ガラス及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
ガラス基板の一面に反射性のコーティングを施したガラ
スにおいて、前記ガラス基板のコーティング面と反対側
の表面に、膜厚が100〜5000Åの範囲にある金属
酸化物膜が形成されており、該金属酸化物膜中に脂肪酸
エステル、脂肪酸エーテル、硫酸エステル、リン酸エス
テル及びサルフェート類の親水性の有機化合物から成る
群から選ばれた少なくとも1種が金属酸化物100重量
部に対して0.1〜30重量部の範囲で含有されている
ことを特徴とする親水性ガラス及びその製造方法により
達成された。
【0013】また、本発明の上記の目的は、ガラス基板
の片面又は両面に金属酸化物100重量部に対して、ス
ルホン酸ナトリウム系化合物を5〜50重量部の範囲で
含有させた親水性膜が形成されていることを特徴とする
親水性ガラス及びその製造方法により達成された。
【0014】本発明において用いられるガラス基板とし
ては、公知のガラス基板の中から適宜選択して使用する
ことができ、例えばソーダライムガラスなどが挙げられ
る。
【0015】金属酸化物のゾル溶液は、公知の方法の中
から適宜選択して作成することができ、例えば金属アル
コキシド系化合物や金属アセチルアセトネート等を調製
して作成することができる。金属アルコキシド系化合物
としては、金属に全てアルコキシ基のみが結合したも
の、例えばメトキシド、エトキシド、イソプロポキシド
等のみならず、その一部がメチル基やエチル基等によっ
て置換されたもの、例えばモノメチルアルコキシドやモ
ノエチルアルコキシド等を含むものが挙げられる。
【0016】また、金属アセチルアセトネート系化合物
としては、金属に全てアセチルアセトン基のみが結合し
たもののみならず、その一部がメチルアルコシキ基やエ
チルアルコキシ基等によって置換されたものを含むもの
が挙げられる。
【0017】更に、上述した金属としてはSi、Ti、
Zr及びAlから成る群から選ばれた少なくとも1種を
必要に応じて適宜選択することができる。具体的なもの
としては、例えばテトラメトキシシラン[Si(OMe)4
Me :CH3 (以下Me はCH3 である)、テトラエト
キシシラン[Si (OEt)4 Et :C2 5 ](以下E
t はC2 5 である)、メチルトリエトキシシラン[M
e Si(OEt)3 ]、エチルトリメトキシシラン[Et S
i(OMe)3 ]、チタンテトライソポロキシド[Ti(O−
iso −Pr)4 Pr :C3 7 ](以下PrはC3 7
ある)、チタンアセチルアセトネート[Ti(CH2
OCH2 COCH3)4 ]、ジルコニウムノルマルブトキ
シド[Zr(O−n−Bu)4Bu:C4 9 ](以下B
uはC49 である)、ジルコニウムアセチルアセトネ
ート[Zr(CH2 COCH2 COCH3)4 ]等が好適
なものとして挙げられ、他に例えばジメチルエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、チタンテトラノルマ
ルブトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、
ジルコニウムテトラオクチレート等が挙げられる。
【0018】また、市販されているシリカゾル溶液とし
ては、スーパーセラ(大八化学工業所製の商品名)、セ
ラミカ(日板研究所製の商品名)、HAS(コルコート
社製の商品名)、アトロン(日本曹達株式会社製の商品
名)、CGS−D1−0600(チッソ株式会社製の商
品番号)などが挙げられる。
【0019】多成分系とするために用いるTi、Zr、
Alの化合物としては、上述した各金属のアルコキシド
やアセチルアセトネートの他にも、Ti、Zr、Alの
各種の塩化物、硝酸塩及び硫酸塩から成る群から選ばれ
た少なくとも1種、又はそれらの縮重合物などが挙げら
れる。また、市販されているゾル溶液としては、TA−
10、TA−15(日産化学工業株式会社製の商品番
号)などのチタニアゾル、NZS−30A、NZS−3
0B(日産化学工業株式会社製の商品番号)やAZS−
A、AZS−NB、AZS−B(日本触媒化学工業株式
会社製の商品番号)などのジルコニアゾルなどを例示す
ることができる。
【0020】上記金属酸化物は、シリカを単独で用いて
も良いが、チタニア、ジルコニア及びアルミナから成る
群から選ばれた少なくとも1種との多成分系にすること
によって、更に優れた耐擦傷性が得られる。
【0021】親水膜に分散させる有機化合物としては、
例えばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル又は
エーテル、ソルビトールエチレンオキシド付加物の脂肪
酸エステル、高級アルコールオキシカルボン酸エステ
ル、多価アルコール類の脂肪酸エステルのシアノエチル
化物又はカルバモイルエチル化物、ソルビタン高級脂肪
酸エステルのエチレンオキシド付加物、アルキルサルフ
ェート、アルキルアリルサルフェート及びアルキルアミ
ンサルフェートから成る群から選ばれた少なくとも1種
などが挙げられる。
【0022】上記有機化合物の金属酸化物のゾル液への
添加量としては、金属酸化物100重量部に対して0.
1〜30重量部の範囲であることが好ましい。添加量が
0.1重量部未満になると、十分な親水性が得られず、
逆に30重量部を超えると、膜硬化が低減し、耐擦傷性
が不十分となる。
【0023】また、本発明においては、親水性膜を形成
させる成分として、上記した親水性の有機化合物に代え
てスルホン酸ナトリウム系化合物を用いることができ
る。スルホン酸ナトリウム系化合物としては下記化2よ
り選ばれた少なくとも1種の化合物を用いるのが好まし
い。
【0024】
【化2】
【0025】上記化2に示したスルホン酸化合物として
は、例えばペレックス(花王株式会社製の商品名)、ラ
テムル(花王株式会社製の商品名)、NIKKOL C
MT,NIKKOL LMT,NIKKOL MMT,
NIKKOL PMT,NIKKOL SMT,NIK
KOL OTP,NIKKOL LSA,NIKKOL
OS(日光ケミカルズ株式会社製の商品名)等が挙げ
られる。
【0026】上記スルホン酸化合物の金属酸化物への添
加量としては、金属酸化物100重量部に対して5〜5
0重量部の比率が良い。添加量が5重量部未満になると
十分な親水性が得られず、逆に50重量部を超えると、
膜硬度が低減し、耐擦傷性が不十分となる。また、金属
酸化物のゾル液には上記化合物の他に各種の界面活性剤
を添加することもできる。
【0027】ガラス基板表面を親水処理するに際して
は、上記組成物をそのまま使用しても良いが、上記比率
で配合した組成物を固形分濃度が0.5〜5重量%の範
囲となるように水及び/又は有機溶媒で希釈したコーテ
ィング溶液を用いても良い。コーティング溶液の組成と
しては、金属酸化物が0.3〜5重量%、スルホン酸ナ
トリウム系化合物が0.02〜2重量%、水及び/又は
有機溶媒が95〜99.5重量%の範囲となることが好
ましい。
【0028】ここで用いる有機溶媒としては、金属酸化
物、スルホン酸ナトリウム系化合物、界面活性剤等の組
成物を相溶する溶媒を好ましく用いることができる。こ
のような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタ
ノール又はプロピルアルコール等の1級アルコール、イ
ソプロピルアルコール等の2級アルコール、ターシャル
ブタノール等の3級アルコール、アセトン又はメチルエ
チルケトン等のケトン類、エーテル類、ベンゼン、トル
エン、キシレン、クロロホルム、ペンタン、ヘキサン、
シクロヘキサン等の脂肪族、芳香族、脂環式の炭化水素
等の一般的な溶媒が挙げられ、これらの溶媒を単独で又
は混合して用いることことができる。
【0029】上述の有機化合物を添加した金属酸化物溶
液のガラス基材上への塗布方法としては、公知の方法の
中から適宜選択して使用することができ、例えば浸漬引
き上げ法(デイッピング法)、スプレー法、フローコー
ト法、スピンコート法などが挙げられる。この際、焼成
後のコーティング膜厚は100〜5000Åの範囲に形
成する必要がある。コーティング膜厚が100Å未満に
なると、親水性の効果の持続性が悪くなる。逆に、膜厚
が5000Åを超えると、焼き付けの際に膜にクラック
が発生する。
【0030】親水膜は平滑な表面となるように形成して
も良いが、微細な凹凸形状を持つように形成すると、よ
り親水性の効果が大きく耐久性に優れた膜とすることが
できる。表面を凹凸形状とする方法としては、例えば金
属酸化物のゾル溶液として、平均分子量が異なる2種類
以上の物を組み合わせて用いる方法が挙げられる。平均
分子量が異なる2種類以上の物の組み合わせとしては、
例えば数千と数万、数千と数十万等の組み合わせで用い
ることが好ましい。また、表面の凹凸のピッチは500
nm以下であることが好ましい。500nmを超える
と、可視光線の散乱が大きくなるため、膜の透明性が損
なわれる。
【0031】本発明の親水性ガラスを製造するに際して
は、上記のコーティング液をガラス基材上へ塗布した
後、添加した有機化合物の分解温度以下で加熱すること
により、ガラス基板上に親水性膜を形成させることがで
きる。また、塗布後に紫外線などの光を照射することに
より金属酸化物を重縮合させることによって、より耐擦
傷性に優れた親水性膜を得ることもできる。
【0032】上記化2に示したスルホン酸ナトリウム化
合物の中では、例えば
【化3】 で示される化合物は、乾燥時には結晶化し易くそのまま
では透明な膜には形成しにくいが、上記のような方法で
成膜することによって透明な親水膜を得ることができ
る。本発明による親水性コーティングは透明なガラス基
板上にも、また裏面に反射性コーティングを施したガラ
スの表面にも処理することができる。
【0033】本発明の親水性ガラスによれば、金属酸化
物の膜中に各種のエステル系やサルフェート系の有機化
合物を分散させた構成としたため、水の表面張力を非常
に小さな値に低下させることができるので、薄く広がり
水滴が付着しても視認性が悪化しない。また、親水膜の
組成が金属酸化物と低分子有機化合物のみで構成され、
吸水性高分子を含有しないために優れた耐擦傷性を得る
ことができる。
【0034】また、本発明の親水性ガラスによれば、金
属酸化物の膜中にスルホン酸ナトリウム化合物を分散さ
せた構成としたため透明な親水膜が得られ、水の表面張
力が低下し薄く広がり水滴が付着しても視認性が悪化し
ない。更に、親水膜の組成が金属酸化膜とスルホン酸ナ
トリウム化合物のみであり、吸水性高分子を含有しない
ために優れた耐擦傷性を得ることができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0036】〔実施例1〕大きさ100mm×100m
m及び厚さ1.9mmのクリアフロートガラス基板を中
性洗剤、水、エタノールで順次洗浄し、乾燥して被膜用
基板とした。次に、3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン50gとメタノール78gとの混合溶液に0.15
mol/Lの塩酸水溶液20gを添加し、ウォータバス
で80℃で2時間反応させた。冷却した後、pH調整の
ために蒸留水78gを添加して攪拌することにより、固
形分濃度6重量%のシリカゾル溶液を得た。
【0037】得られたシリカゾル溶液にグリセリン脂肪
酸エステル(花王株式会社製の商品名:エキセルO−9
5R)をシリカ100重量部に対して3重量部の比率で
分散させ、更に固形分濃度が1.2重量%となるように
メタノールで希釈したものをコーティング液とした。こ
のコーティング液をガラス基板表面にフローコート法に
より塗布し、乾燥させた後、200℃で30分間焼成
し、膜厚が約0.1μmとなるように親水膜を形成し
た。
【0038】次いで、真空蒸着槽中で下地層と反対側の
面にクロム蒸着を行った。このようにして得られた親水
性ガラスの表面に水を噴霧し、表面を照明した状態でビ
デオ撮影を行い、それを画像処理により2値化すること
により付着した水滴量を定量化した。このときの水滴付
着量は全体に対して面積比で1.5%と極めてわずかで
あった。この状態から、ガラス面に接するように配置し
た100Wのヒータに通電し加熱した。1分後の水滴の
面積比を前記した方法と同様にして求めると0.5%に
減少していた。
【0039】また、トラバース試験機を用いて、フラン
ネルに19.6kPa(0.2kgf/cm2 )の荷重
をかけて1回/秒の速度、ストローク100mmで60
回試験を行ったが、表面の傷つきは認められなかった。
更に、トラバース試験を実施した後、水滴付着量を測定
した結果、2.0%とその増加はわずかであった。
【0040】〔実施例2〕シリカ/ジルコニア=85/
15(モル%)となるように、3−アミノプロピルトリ
エトキシシランを出発原料として調整したpH9及び固
形分濃度6重量%のシリカゾルの水及びメタノールの混
合溶液33gとオキシ塩化ジルコニウムを出発原料とし
て調整したpH3及び固形分濃度6重量%のジルコニア
ゾルの水溶液17gとを混合し、pH4のシリカ−ジル
コニア溶液を得た。
【0041】得られたシリカ−ジルコニア溶液にグリセ
リンモノステアリン酸エステルをシリカ−ジルコニア1
00重量部に対して15重量部となるように添加し、更
にイソプロピルアルコールで固形分が1重量%となるよ
うに希釈したものをコーティング溶液とした。次いで、
得られたコーティング溶液を孔径1μmのメンブランフ
ィルタでろ過し、実施例1と同様にしてフローコート法
でガラス基板上に塗布した。このガラス基板を200℃
で30分間焼成し、膜厚が約0.1μmとなるように親
水膜を形成した。
【0042】その後、実施例1と同一の条件でクロム蒸
着を行い、付着水の評価試験を行った。その結果、初期
水滴付着量は0.8%であり、ヒータ通電後1分後の水
滴付着量は0.6%であった。また、実施例1と同様に
トラバース試験を実施したが、表面の傷つきは認められ
なかった。また、トラバース試験を実施した後の水滴付
着量は2.5%とその増加はわずかであった。
【0043】〔実施例3〕シリカゾル(平均分子量:約
3000、固形分濃度:約30重量%)約20g及びシ
リカゾル(平均分子量:約100000、固形分濃度:
約6重量%)約28.6gをビーカーに投入し、低平均
分子量の固形分/高平均分子量の固形分を約3.5のm
ol比とし、イソプロピルアルコール約50g及び1−
ブタノール約100gで希釈し、約15時間攪拌してシ
リカ溶液を得た。
【0044】得られたシリカ溶液にグリセリン脂肪酸エ
ステル(花王株式会社製の商品名:エキセルO−95
F)をシリカ100重量部に対して0.1重量部となる
ように添加した。更に、全固形分濃度が2.4重量%と
なるようにイソプロピルアルコールで希釈したものをコ
ーティング液とした。得られたコーティング液を実施例
1と同様にフローコート法でガラス基板上に塗布した。
このガラス基板を200℃で30分間焼成し、膜厚が約
0.3μmとなるように親水膜を形成した。
【0045】得られた親水膜の表面を走査型電子顕微鏡
で観察したところ、微細な凹凸形状が形成されており、
凹凸のピッチは約200nmであった。実施例1と同一
の条件でクロム蒸着を行い、付着水の評価試験を行っ
た。その結果、初期水滴付着量は2.5%であり、ヒー
タ通電後1分後の水滴付着量は2%であった。また、実
施例1と同様のトラバース試験を実施したが、表面の傷
つきは認められなかった。また、トラバース試験を実施
した後の水滴付着量は4.5%とその増加はわずかであ
った。
【0046】〔実施例4〕実施例1と同様の方法で得ら
れたシリカ溶液にチタニアゾル(日産化学工業株式会社
製の商品番号:TA−15)をシリカ/チタニアが重量
比で95/5となるように混合した。このゾル液にグリ
セリン脂肪酸エステル(花王株式会社製の商品名:エキ
セルO−95F)をシリカ−チタニア100重量部に対
して2重量部となるように添加し、更に全固形分量が1
重量%となるようにイソプロピルアルコールで希釈し
た。
【0047】上記コーティング液を実施例1と同様にフ
ローコート法でガラス基板上に塗布した。このガラス基
板を200℃で30分間焼成し、膜厚が約0.12μm
となるように親水膜を形成した。その後、実施例1と同
一の条件でクロム蒸着を行い、付着水の評価試験を行っ
た。その結果、初期水滴付着量は1.7%であり、ヒー
タ通電後1分後の水滴付着量は1%であった。
【0048】また、実施例1と同様にトラバース試験を
実施したが、表面の傷つきは認められなかった。更に、
トラバース試験を実施した後の水滴付着量は3%とその
増加はわずかであった。
【0049】〔実施例5〕実施例1と同様の方法で得ら
れたシリカ溶液にアルミナゾル(日産化学工業株式会社
製の商品番号:AS−100)をシリカ/アルミナが重
量比で88/12となるように混合した。このゾル液に
グリセリン脂肪酸エステル(花王株式会社製の商品名:
エキセルO−95F)をシリカ−アルミナ100重量部
に対して30重量部となるように添加し、更に全固形分
量が0.1重量%となるようにイソプロピルアルコール
で希釈した。
【0050】上記コーティング液を実施例1と同様にフ
ローコート法でガラス基板上に塗布した。このガラス基
板を200℃で30分間焼成し、膜厚が約0.01μm
となるように親水膜を形成した。
【0051】その後、実施例1と同一の条件でクロム蒸
着を行い、付着水の評価試験を行った。その結果、初期
水滴付着量は0.6%であり、ヒータ通電後1分後の水
滴付着量は0.5%であった。また、実施例1と同様に
トラバース試験を実施したが、表面の傷つきは認められ
なかった。更に、トラバース試験を実施した後の水滴付
着量は1.3%とその増加はわずかであった。
【0052】〔実施例6〕実施例1と同様の方法で得ら
れたシリカ溶液にチタニアゾル(日産化学工業株式会社
製の商品番号:TA−15)をシリカ/チタニアが重量
比で95/5となるように混合した。このゾル液にグリ
セリン脂肪酸エステル(花王株式会社製の商品名:エキ
セルO−95F)をシリカ−チタニア100重量部に対
して2重量部となるように添加し、更に全固形分量が
3.8重量%となるようにイソプロピルアルコールで希
釈した。
【0053】上記コーティング液を実施例1と同様にフ
ローコート法でガラス基板上に塗布した。ガラス基板を
200℃で30分間焼成し、膜厚が約0.5μmとなる
ように親水膜を形成した。
【0054】その後、実施例1と同一の条件でクロム蒸
着を行い、付着水の評価試験を行った。その結果、初期
水滴付着量は1.2%であり、ヒータ通電後1分後の水
滴付着量は0.7%であった。また、実施例1と同様に
トラバース試験を実施したが、表面の傷つきはほとんど
認められなかった。またトラバース試験を実施した後の
水滴付着量は1.7%とその増加はわずかであった。
【0055】〔実施例7〕実施例1と同様の方法で得ら
れたシリカ溶液に、ポリオキシエチレンアリルグリシジ
ルノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩をシリカ10
0重量部に対して2重量部となるように添加し、更に全
固形分量が1重量%となるようにイソプロピルアルコー
ルで希釈した。
【0056】上記コーティング液を実施例1と同様にフ
ローコート法でガラス基板上に塗布した。このガラス基
板を200℃で30分間焼成し、膜厚が約0.12μm
となるように親水膜を形成した。
【0057】その後、実施例1と同一の条件でクロム蒸
着を行い、付着水の評価試験を行った。その結果、初期
水滴付着量は1.6%であり、ヒータ通電後1分後の水
滴付着量は1.5%であった。また、実施例1と同様に
トラバース試験を実施したが、表面の傷つきは認められ
なかった。更に、トラバース試験を実施した後の水滴付
着量は2.4%とその増加はわずかであった。
【0058】〔実施例8〕実施例1と同様の方法で得ら
れたシリカ溶液に、グリセリン脂肪酸エステル(花王株
式会社製の商品名:エキセルO−95F)をシリカ10
0重量部に対して5重量部となるように添加し、更に全
固形分量が1.2重量%となるようにイソプロピルアル
コールで希釈した。
【0059】上記コーティング液を実施例1と同様にフ
ローコート法でガラス基板上に塗布した。成膜した後、
水銀灯を用いて254nm及び184nmの紫外線を照
射した。その後、このガラス基板上を200℃で30分
間焼成し、膜厚が約0.12μmになるように親水膜を
形成した。
【0060】その後、実施例1と同一の条件でクロム蒸
着を行い、付着水の評価試験を行った。その結果、初期
水滴付着量は1%であり、ヒータ通電後1分後の水滴付
着量は0.6%であった。また、実施例1と同様にトラ
バース試験を実施したが、表面の傷つきは全く認められ
なかった。更に、トラバース試験を実施した後の水滴付
着量は1.3%とその増加はわずかであった。
【0061】〔比較例1〕実施例1と同様にして調製し
たシリカのゾル液にグリセリンモノステアリン酸エステ
ルをシリカ100重量部に対して3重量部となるように
添加し、更にイソプロピルアルコールを固形分が0.0
5重量%となるように希釈したものをコーティング溶液
とした。その後、この溶液を孔径1μmのメンブランフ
ィルタでろ過し、実施例1と同様にフローコート法でガ
ラス基板上に塗布した。このガラス基板を230℃で3
0分間焼成し、親水膜を形成した。膜厚を触針式の膜厚
計により測定したところ、膜厚は0.01μm以下であ
り厚みを検出することができなかった。
【0062】その後、実施例1と同一の条件でクロム蒸
着を行い、付着水の評価試験を行った。その結果、初期
水滴付着量は2%であり、ヒータ通電後1分後の水滴付
着量は1.4%であった。また、実施例1と同様にトラ
バース試験を実施したが、表面の傷つきは認められなか
った。しかし、トラバース試験を実施した後の水滴付着
量は8%と大きく増加していた。
【0063】〔比較例2〕実施例1と同様に調製したシ
リカのゾル液にグリセリンモノステアリン酸エステルを
シリカ100重量部に対して3重量部となるように添加
し、更にイソプロピルアルコールで固形分が8重量%と
なるように希釈したものをコーティング溶液とした。そ
の後、この溶液を孔径1μmのメンブランフィルタでろ
過し、実施例1と同様にフローコート法でガラス基板上
に塗布した。このガラス基板を230℃で30分間焼成
し、親水膜を形成した。膜厚を触針式の膜厚計により測
定したところ、膜厚は0.65μmであり、膜には全体
にクラックが発生し透明性の良い膜とはとても言えない
ものであった。
【0064】〔比較例3〕実施例1と同様に調製したシ
リカのゾル液にグリセリンモノステアリン酸エステルを
シリカ100重量部に対して40重量部となるように添
加し、更にイソプロピルアルコールで固形分が1重量%
となるように希釈したものをコーティング溶液とした。
その後、この溶液を孔径1μmのメンブランフィルタで
ろ過し、実施例1と同様にフローコート法でガラス基板
上に塗布した。ガラス基板を200℃で30分間焼成し
て親水膜を形成した。膜厚を触針式の膜厚計により測定
したところ、膜厚は0.15μmであった。
【0065】その後、実施例1と同一の条件でクロム蒸
着を行い、付着水の評価試験を行った。その結果、初期
水滴付着量は0.4%であり、ヒータ通電後1分後の水
滴付着量も0.4%であった。しかし、実施例1と同様
のトラバース試験を実施したところ、表面にはかなり目
立つ傷が入っており、硬度的には不十分なものであっ
た。
【0066】〔比較例4〕実施例1と同様に調製したシ
リカのゾル液にグリセリンモノステアリン酸エステルを
シリカ100重量部に対して0.05重量部となるよう
に添加し、更にイソプロピルアルコールで固形分が1重
量%となるように希釈したものをコーティング溶液とし
た。その後、この溶液を孔径1μmのメンブランフィル
タでろ過し、実施例1と同様にフローコート法でガラス
基板上に塗布した。このガラス基板を230℃で30分
間焼成して親水膜を形成した。膜厚を触針式の膜厚計に
より測定したところ、膜厚は0.12μmであった。
【0067】その後、実施例1と同一の条件でクロム蒸
着を行い、付着水の評価試験を行った。その結果、初期
水滴付着量は5%とやや多く、ヒータ通電後1分後の水
滴付着量は1.2%であった。また、実施例1と同様の
トラバース試験を実施したが、表面の傷つきは認められ
なかった。しかし、トラバース試験を実施した後の水滴
付着量は13%と大きく増加していた。
【0068】上記実施例1〜8及び比較例1〜4の組成
を表1に示す。
【表1】
【0069】〔参考例1〕大きさ100mm×100m
m及び厚さ1.9mmのガラス基板を中性洗剤、水、エ
タノールで順次洗浄し、乾燥して被膜用基板とした。こ
のガラスの一面に真空槽中でクロム蒸着処理を行った
後、他方の面上に液状高吸水性ポリマー用原液(住友化
学工業株式会社製の商品名:スミカゲルL−5H)を1
000rpmで20秒スピンコーティングした。これを
100℃で1時間加熱して、原液をポストキュアさせる
ことにより水に不溶な高吸水性ポリマーの層を形成し
た。
【0070】このようにして得られた親水性ガラスの初
期水滴付着量は0.8%であり、ヒータ通電後1分後の
水滴付着量は0.3%であった。しかし、この親水性ガ
ラスは表面を実施例1と同様のトラバース試験を実施し
たところ、クモの糸状の傷が容易に発生し、耐擦傷性の
極めて乏しいものであった。
【0071】〔参考例2〕大きさ100mm×100m
m及び厚さ1.9mmのガラス基板を中性洗剤、水、エ
タノールで順次洗浄し、乾燥して被膜用基板とした。こ
のガラスの一面に真空槽中でクロム蒸着処理を行った
後、他方の面上に市販の撥水剤(米国ユネルコ社製の商
品名:レインX)を塗布した後、実施例1と同様の評価
試験を実施した。初期水滴付着量は75.1%であり、
ヒータ通電1分後の水滴付着量は72.2%で、ほとん
どヒータの効果が認められなかった。
【0072】〔実施例9〕大きさ100mm×100mm及
び厚さ1.9mmのクリアフロートガラス基板を中性洗
剤、水、エタノールで順次清浄し、乾燥して被膜用基板
とした。上記基板にクロムめっきにより反射性のコーテ
ィングを施しガラスとした。めっき面と反対側の面を研
磨剤で磨き、水洗した後アセトンで清浄した。3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン50gとメタノール78
gとの混合溶液に0.15mol/Lの塩酸水溶液20
gを添加し、ウォータバスで80℃で2時間反応させ
た。冷却した後、pH調整のために蒸留水78gを添加
攪拌することにより、固形分濃度6重量%のシリカゾル
溶液を得た。
【0073】得られた上記のシリカゲル溶液にスルホン
酸ナトリウム化合物としてN−アシルメチルタウリン
(NIKKOL−LMT、日光ケミカルズ株式会社製の
商品名)をシリカ100重量部に対して20重量部の比
率で分散させ、更に固型分濃度が2重量%となるように
イソプロピルアルコールと水の8対1の混合溶媒で希釈
したものをコーティング液とした。このコーティング液
をガラス基板のめっき面と反対側の表面にフローコート
法により塗布し、乾燥させた後、200℃で30分間焼
成を行い、膜厚が約100nmの透明な親水膜を形成し
た。
【0074】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後約90秒で水膜は薄く均一になり、ガラ
スに映る像は非常に鮮映なものとなった。このガラスを
水に1時間浸漬した後同様の評価を行ったが、ガラスに
映る像が鮮映に見えるようになるまでの時間は120秒
と親水性の劣化はごくわずかであった。また、トラバー
ス試験機を用いて、フランネルに19.6kPa(0.
2kgf/cm2 )の荷重をかけて1回/秒の速度、ストロ
ーク100mmで60回試験を行ったが、表面に目立つよ
うな傷は生じなかった。
【0075】〔実施例10〕実施例9と同様にして調製
したシリカゾルに、スルホン酸ナトリウム化合物として
スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム
(NIKKOL OTP−100日光ケミカルズ株式会
社製の商品名)をシリカ100重量部に対して20重量
部の比率で分散させ、更に固型分濃度が1.5重量%と
なるようにイソプロピルアルコールと水の8対1の混合
溶媒で希釈したものをコーティング液とした。このコー
ティング液を実施例9と同様にして準備したガラスのめ
っき面と反対側の表面にフローコート法により塗布し、
乾燥させた後、200℃で30分間焼成を行い、膜厚が
約70nmの透明な親水膜を形成した。
【0076】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後約30秒で水膜は薄く均一になり、ガラ
スに映る像は非常に鮮映なものとなった。このガラスを
水に1時間浸漬した後同様の評価を行ったが、ガラスに
映る像が鮮映に見えるようになるまでの時間は50秒と
親水性の劣化はごくわずかであった。また、トラバース
試験機を用いて、フランネルに19.6kPa(0.2
kgf/cm2 )の荷重をかけて1回/秒の速度、ストロー
ク100mmで60回試験を行ったが、表面に目立つよう
な傷は生じなかった。
【0077】〔実施例11〕実施例9と同様にして調製
したシリカゾルに、スルホン酸ナトリウム化合物として
ラウリルスルホ酢酸ナトリウム(NIKKOL LSA
日光ケミカルズ株式会社製の商品名)をシリカ100
重量部に対して20重量部の比率で分散させ、更に固型
分濃度が4重量%となるようにイソプロピルアルコール
と水の8対1の混合溶媒で希釈したものをコーティング
液とした。このコーティング液を実施例9と同様にして
準備したガラスのめっき面と反対側の表面にフローコー
ト法により塗布し、乾燥させた後、200℃で30分間
焼成を行い、膜厚が約500nmの透明な親水膜を形成
した。
【0078】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後約60秒で水膜は薄く均一になり、ガラ
スに映る像は非常に鮮映なものとなった。このガラスを
水に1時間浸漬した後同様の評価を行ったが、ガラスに
映る像が鮮映に見えるようになるまでの時間は90秒と
親水性の劣化はごくわずかであった。また、トラバース
試験機を用いて、フランネルに19.6kPa(0.2
kgf/cm2 )の荷重をかけて1回/秒の速度、ストロー
ク100mmで60回試験を行ったが、表面に目立つよう
な傷は生じなかった。
【0079】〔実施例12〕実施例9と同様にして調製
したシリカゾルに、スルホン酸ナトリウム化合物として
ドデセニルモノスルホン酸ナトリウムをシリカ100重
量部に対して20重量部の比率で分散させ、更に固型分
濃度が0.7重量%となるようにイソプロピルアルコー
ルと水の8対1の混合溶媒で希釈したものをコーティン
グ液とした。このコーティング液を実施例9と同様にし
て準備したガラスのめっき面と反対側の表面にフローコ
ート法により塗布し、乾燥させた後、200℃で30分
間焼成を行い、膜厚が約10nmの透明な親水膜を形成
した。
【0080】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後約90秒で水膜は薄く均一になり、ガラ
スに映る像は非常に鮮映なものとなった。このガラスを
水に1時間浸漬した後同様の評価を行ったが、ガラスに
映る像が鮮映に見えるようになるまでの時間は120秒
と親水性の劣化はごくわずかであった。また、トラバー
ス試験機を用いて、フランネルに19.6kPa(0.
2kgf/cm2 )の荷重をかけて1回/秒の速度、ストロ
ーク100mmで60回試験を行ったが、表面に目立つよ
うな傷は生じなかった。
【0081】〔実施例13〕実施例9と同様にして調製
したシリカゾルに、スルホン酸ナトリウム化合物として
ヒドロキシドデシルスルホン酸ナトリウムをシリカ10
0重量部に対して20重量部の比率で分散させ、更に固
型分濃度が2重量%となるようにイソプロピルアルコー
ルと水の8対1の混合溶媒で希釈したものをコーティン
グ液とした。このコーティング液を実施例9と同様にし
て準備したガラスのめっき面と反対側の表面にフローコ
ート法により塗布し、乾燥させた後、200℃で30分
間焼成を行い、膜厚が約100nmの透明な親水膜を形
成した。
【0082】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後約60秒で水膜は薄く均一になり、ガラ
スに映る像は非常に鮮映なものとなった。このガラスを
水に1時間浸漬した後同様の評価を行ったが、ガラスに
映る像が鮮映に見えるようになるまでの時間は80秒と
親水性の劣化はごくわずかであった。また、トラバース
試験機を用いて、フランネルに19.6kPa(0.2
kgf/cm2 )の荷重をかけて1回/秒の速度、ストロー
ク100mmで60回試験を行ったが、表面に目立つよう
な傷は生じなかった。
【0083】〔実施例14〕実施例9と同様にして調製
したシリカゾルに、スルホン酸ナトリウム化合物として
スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム
(NIKKOL OTP−100 日光ケミカルズ株式
会社製の商品名)をシリカ100重量部に対して5重量
部の比率で分散させ、更に固型分濃度が2重量%となる
ようにイソプロピルアルコールと水の8対1の混合溶媒
で希釈したものをコーティング液とした。このコーティ
ング液を実施例9と同様にして準備したガラスのめっき
面と反対側の表面にフローコート法により塗布し、乾燥
させた後、200℃で30分間焼成を行い、膜厚が約1
00nmの透明な親水膜を形成した。
【0084】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後約80秒で水膜は薄く均一になり、ガラ
スに映る像は非常に鮮映なものとなった。このガラスを
水に1時間浸漬した後同様の評価を行ったが、ガラスに
映る像が鮮映に見えるようになるまでの時間は120秒
と親水性の劣化はごくわずかであった。また、トラバー
ス試験機を用いて、フランネルに19.6kPa(0.
2kgf/cm2 )の荷重をかけて1回/秒の速度、ストロ
ーク100mmで60回試験を行ったが、表面に目立つよ
うな傷は生じなかった。
【0085】〔実施例15〕実施例9と同様にして調製
したシリカゾルに、スルホン酸ナトリウム化合物として
スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム
(NIKKOL OTP−100 日光ケミカルズ株式
会社製の商品名)をシリカ100重量部に対して50重
量部の比率で分散させ、更に固型分濃度が2重量%とな
るようにイソプロピルアルコールと水の8対1の混合溶
媒で希釈したものをコーティング液とした。このコーテ
ィング液を実施例9と同様にして準備したガラスのめっ
き面と反対側の表面にフローコート法により塗布し、乾
燥させた後、200℃で30分間焼成を行い、膜厚が約
100nmの透明な親水膜を形成した。
【0086】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後約15秒で水膜は薄く均一になり、ガラ
スに映る像は非常に鮮映なものとなった。このガラスを
水に1時間浸漬した後同様の評価を行ったが、ガラスに
映る像が鮮映に見えるようになるまでの時間は30秒と
親水性の劣化はごくわずかであった。また、トラバース
試験機を用いて、フランネルに19.6kPa(0.2
kgf/cm2 )の荷重をかけて1回/秒の速度、ストロー
ク100mmで60回試験を行ったが、表面に目立つよう
な傷は生じなかった。
【0087】〔実施例16〕実施例9と同様にして調製
したシリカゾルを75重量部に対してコロイダルシリカ
が25重量部となるようにコロイダルシリカの分散溶液
(スノーテックス−O 日産化学工業株式会社製の商品
名)を加え、更にこの溶液に界面活性剤としてラテムル
S−180A(花王株式会社製の商品名)をシリカ10
0重量部に対して5重量部となるように加え、15分間
攪拌した。上記シリカと界面活性剤との混合液に、スル
ホン酸ナトリウム化合物としてスルホコハク酸ジ(2−
エチルヘキシル)ナトリウム(NIKKOL OTP−
100 日光ケミカルズ株式会社製の商品名)をシリカ
100重量部に対して15重量部の比率で分散させ、更
に固型分濃度が2重量%となるようにイソプロピルアル
コールと水の8対1の混合溶媒で希釈したものをコーテ
ィング液とした。このコーティング液を実施例9と同様
にして準備したガラスのめっき面と反対側の表面にフロ
ーコート法により塗布し、乾燥させた後、200℃で3
0分間焼成を行い、膜厚が約150nmの透明な親水膜
を形成した。
【0088】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後約20秒で水膜は薄く均一になり、ガラ
スに映る像は非常に鮮映なものとなった。このガラスを
水に1時間浸漬した後同様の評価を行ったが、ガラスに
映る像が鮮映に見えるようになるまでの時間は20秒と
親水性の劣化はほとんどなかった。また、トラバース試
験機を用いて、フランネルに19.6kPa(0.2kg
f/cm2 )の荷重をかけて1回/秒の速度、ストローク
100mmで60回試験を行ったが、表面に目立つような
傷は生じなかった。
【0089】〔実施例17〕シリカゾル(平均分子量:
約3000、固形分濃度:約30重量%)約20g及び
シリカゾル(平均分子量:約100000、固形分濃
度:約6重量%)約28.6gをビーカーに投入し、低
平均分子量の固形分/高平均分子量の固形分を約3.5
のmol比として、イソプロピルアルコール約50g及
び1−ブタノール約100gで希釈し、約15時間攪拌
してシリカ溶液を得た。
【0090】得られたシリカ溶液にスルホン酸ナトリウ
ム化合物としてスルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシ
ル)ナトリウム(NIKKOL OTP−100 日光
ケミカルズ株式会社製の商品名)をシリカ100重量部
に対して20重量部となるように添加した。更に、全固
形分濃度が2.4重量%となるようにイソプロピルアル
コールで希釈したものをコーティング液とした。得られ
たコーティング液を実施例9と同様にして準備したガラ
スのめっき面と反対側の表面に、フローコート法により
塗布した。200℃で30分間焼成を行い、膜厚が約3
00nmの透明な親水膜を形成した。得られた親水膜の
表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、微細な凹凸
形状が形成されており、凹凸のピッチは約200nmで
あった。
【0091】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後約20秒で水膜は薄く均一になり、ガラ
スに映る像は非常に鮮映なものとなった。このガラスを
水に1時間浸漬した後同様の評価を行ったが、ガラスに
映る像が鮮映に見えるようになるまでの時間は25秒と
親水性の劣化はほとんどなかった。また、トラバース試
験機を用いて、フランネルに19.6kPa(0.2kg
f/cm2 )の荷重をかけて1回/秒の速度、ストローク
100mmで60回試験を行ったが、表面に目立つような
傷は生じなかった。
【0092】〔実施例18〕実施例9と同様にして調製
したシリカゾルにチタニアゾルとしてTA−10(日産
化学工業株式会社製の商品番号)をシリカとチタニアと
の配合比が重量比で90:10となるように混合し、更
にスルホン酸ナトリウム化合物としてスルホコハク酸ジ
(2−エチルヘキシル)ナトリウム(NIKKOL O
TP−100日光ケミカルズ株式会社製の商品名)をシ
リカとチタニアとの混合物100重量部に対して20重
量部の比率で分散させたものを、固型分濃度が2重量%
となるようにイソプロピルアルコールと水の8対1の混
合溶媒で希釈してコーティング液とした。このコーティ
ング液を実施例9と同様にして準備したガラスのめっき
面と反対側の表面にフローコート法により塗布し、乾燥
させた後、200℃で30分間焼成を行い、膜厚が約1
00nmの透明な親水膜を形成した。
【0093】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後約15秒で水膜は薄く均一になり、ガラ
スに映る像は非常に鮮映なものとなった。このガラスを
水に1時間浸漬した後同様の評価を行ったが、ガラスに
映る像が鮮映に見えるようになるまでの時間は30秒と
親水性の劣化はごくわずかであった。また、トラバース
試験機を用いて、フランネルに19.6kPa(0.2
kgf/cm2 )の荷重をかけて1回/秒の速度、ストロー
ク100mmで60回試験を行ったが、表面に傷は生じな
かった。
【0094】〔実施例19〕実施例9と同様にして調製
したシリカゾルにジルコニアゾルとしてAZS−A(日
本触媒化学株式会社製の商品番号)をシリカとジルコニ
アとの配合比が重量比で95:5となるように混合し、
更にスルホン酸ナトリウム化合物としてスルホコハク酸
ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム(NIKKOL
OTP−100 日光ケミカルズ株式会社製の商品名)
をシリカとジルコニアとの混合物100重量部に対して
20重量部の比率で分散させたものを、固型分濃度が
1.5重量%となるようにイソプロピルアルコールと水
の8対1の混合溶媒で希釈してコーティング液とした。
このコーティング液を実施例9と同様にして準備したガ
ラスのめっき面と反対側の表面にフローコート法により
塗布し、乾燥させた後、200℃で30分間焼成を行
い、膜厚が約100nmの透明な親水膜を形成した。
【0095】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後約20秒で水膜は薄く均一になり、ガラ
スに映る像は非常に鮮映なものとなった。このガラスを
水に1時間浸漬した後同様の評価を行ったが、ガラスに
映る像が鮮映に見えるようになるまでの時間は40秒と
親水性の劣化はごくわずかであった。また、トラバース
試験機を用いて、フランネルに19.6kPa(0.2
kgf/cm2 )の荷重をかけて1回/秒の速度、ストロー
ク100mmで60回試験を行ったが、表面に傷は生じな
かった。
【0096】〔実施例20〕実施例9と同様にして調製
したシリカゾルに、スルホン酸ナトリウム化合物として
スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム
(NIKKOL OTP−100 日光ケミカルズ株式
会社製の商品名)をシリカ100重量部に対して20重
量部の比率で分散させたものを、固型分濃度がそれぞれ
0.3,0.5,4,5,7重量%となるようにイソプ
ロピルアルコールと水の8対1の混合溶媒で希釈してコ
ーティング液とした。このコーティング液を実施例9と
同様にして準備したガラスのめっき面と反対側の表面に
フローコート法により塗布し、乾燥させた後、200℃
で30分間焼成を行い、親水膜を形成した。
【0097】このようにして得られた親水膜の特性は、
表2に示すように、希釈濃度0.5,4,5重量%のも
のは透明な親水膜で耐久性の有るものが得られたが、希
釈濃度0.3重量%では親水性能が不足し、希釈濃度7
重量%では焼成時にクラックが発生して透明な親水膜が
得られなかった。
【0098】
【表2】
【0099】〔比較例5〕実施例9と同様にして準備し
たガラスのめっき面と反対側の表面に、スルホン酸ナト
リウム化合物としてスルホコハク酸ジ(2−エチルヘキ
シル)ナトリウム(NIKKOL OTP−100 日
光ケミカルズ株式会社製の商品名)の5%濃度のIPA
溶液を布に含ませ手塗で塗布した。その後150℃で1
0分間乾燥しIPAを蒸発させた。得られた表面はスル
ホン酸ナトリウム化合物が結晶化して白く濁り、透明な
膜は得られなかった。
【0100】また、得られた親水性ガラスの表面に水を
噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。水を噴霧
した後約15秒で水膜は薄く均一になり、ガラスに映る
像は非常に鮮映なものとなった。しかし、このガラスを
水に1時間浸漬した後同様の評価を行ったところ、親水
性が劣化して付着した水は均一な水膜とはならず、ガラ
スに映る像は鮮映に見えるようにはならなかった。
【0101】〔比較例6〕実施例9と同様にして準備し
たガラスのめっき面と反対側の表面に、液状高吸水性ポ
リマー用原液(スミカゲルL−5H、住友化学工業株式
会社製の商品名)を1000rpmで20秒スピンコー
ティングした。これを100℃で1時間加熱して、原液
をポストキュアさせることにより水に不溶な高吸水性ポ
リマーの透明膜を形成した。
【0102】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後約60秒で水膜は薄く均一になり、ガラ
スに映る像は非常に鮮映なものとなった。このガラスを
水に1時間浸漬した後同様の評価を行ったが、ガラスに
映る像が鮮映に見えるようになるまでの時間は90秒と
親水性の劣化はほとんどなかった。
【0103】しかし、トラバース試験機を用いて、フラ
ンネルに19.6kPa(0.2kgf /cm2 )の荷重を
かけて1回/秒の速度、ストローク100mmで60回試
験を行ったところ、表面には非常に目立つ傷が多数発生
し、部分的には剥離が生じており、十分な耐擦傷性を持
つ親水膜であるとはいえないものであった。
【0104】〔比較例7〕実施例9と同様にして調製し
たシリカゾルに、スルホン酸ナトリウム化合物としてス
ルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム(N
IKKOL OTP−100 日光ケミカルズ株式会社
製の商品名)をシリカ100重量部に対して3重量部の
比率で分散させ、更に固型分濃度が2重量%となるよう
にイソプロピルアルコールと水の8対1の混合溶媒で希
釈してコーティング液とした。このコーティング液を実
施例9と同様にして準備したガラスのめっき面と反対側
の表面にフローコート法により塗布し、乾燥させた後、
200℃で30分間焼成を行い、膜厚が約100nmの
透明な親水膜を形成した。
【0105】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後水膜は薄く均一になるまでの時間は約2
40秒と、ガラスに映る像は非常に鮮映なものとなるま
での時間が長く、十分な親水性は得られなかった。
【0106】〔比較例8〕実施例9と同様にして調製し
たシリカゾルに、スルホン酸ナトリウム化合物としてス
ルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム(N
IKKOL OTP−100 日光ケミカルズ株式会社
製の商品名)をシリカ100重量部に対して70重量部
の比率で分散させ、更に固型分濃度が2重量%となるよ
うにイソプロピルアルコールと水の8対1の混合溶媒で
希釈したものをコーティング液とした。このコーティン
グ液を実施例9と同様にして準備したガラスのめっき面
と反対側の表面にフローコート法により塗布し、乾燥さ
せた後、200℃で30分間焼成を行い、膜厚が約10
0nmの親水膜を形成した。膜は若干にごりのあるもの
であった。
【0107】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後約20秒で水膜は薄く均一になり、ガラ
スに映る像は非常に鮮映なものとなった。このガラスを
水に1時間浸漬した後同様の評価を行ったが、ガラスに
映る像が鮮映に見えるようになるまでの時間は30秒と
親水性の劣化はごくわずかであった。しかし、トラバー
ス試験機を用いて、フランネルに19.6kPa(0.
2kgf /cm2 )の荷重をかけて1回/秒の速度、ストロ
ーク100mmで60回試験を行ったところ、表面には多
数の傷が発生し、十分な膜硬度があるとはいえないもの
であった。
【0108】〔比較例9〕実施例9と同様にして調製し
たシリカゾルに、スルホン酸ナトリウム化合物としてス
ルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム(N
IKKOL OTP−100 日光ケミカルズ株式会社
製の商品名)をシリカ100重量部に対して20重量部
の比率で分散させ、更に固型分濃度が2重量%となるよ
うにイソプロピルアルコールと水の8対1の混合溶媒で
希釈したものをコーティング液とした。このコーティン
グ液を実施例9と同様にして準備したガラスのめっき面
と反対側の表面にフローコート法により塗布し、乾燥さ
せた後、350℃で30分間焼成を行い、膜厚が約70
nmの膜を形成した。このようにして得られた親水性ガ
ラスの表面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観
察した。水を噴霧した後5分経過しても均一な水膜状に
はならず、分解温度以上の焼成によりスルホン酸ナトリ
ウムは分解して親水性が得られなかったものと思われ
る。
【0109】〔比較例10〕実施例9と同様にして調製
したシリカゾルに、ヒドロキシエチルメタクリレートを
シリカ100重量部に対して20重量部の比率で分散さ
せ、更に固型分濃度が2重量%となるようにイソプロピ
ルアルコールと水の8対1の混合溶媒で希釈したものを
コーティング液とした。このコーティング液を実施例9
と同様にして準備したガラスのめっき面と反対側の表面
にフローコート法により塗布し、乾燥させた後、200
℃で30分間焼成を行い、膜厚が約0.1μmの透明な
親水膜を形成した。
【0110】このようにして得られた親水性ガラスの表
面に水を噴霧し、ガラスに映る像の鮮映性を観察した。
水を噴霧した後水膜が薄く均一になるまでの時間は約1
80秒と、ガラスに映る像が鮮映なものとなるまでの時
間がやや長く、親水性はあるものの不十分なものであっ
た。実施例9〜20及び比較例5〜10の組成の特徴と
得られた親水膜の性能を表3に示す。
【0111】
【表3】
【0112】
【発明の効果】本発明の親水性ガラスによれば、硬い金
属酸化物の膜中にエステル類、サルフェート類又はスル
ホン酸ナトリウム化合物などの親水性の有機化合物を分
散した構成としたことによって透明な親水膜が得られ、
優れた水滴付着防止効果を発揮しその効果が長期間に渡
って持続すると同時に、高い耐擦傷性も具備することが
可能となった。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板の一面に反射性のコーティン
    グを施したガラスにおいて、前記ガラス基板のコーティ
    ング面と反対側の表面に、膜厚が0.01〜0.5μm
    の範囲にある金属酸化物膜が形成されており、該金属酸
    化物膜中に脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、硫酸エス
    テル、リン酸エステル及びサルフェート類の親水性の有
    機化合物から成る群から選ばれた少なくとも1種が金属
    酸化物100重量部に対して0.1〜30重量部の範囲
    で含有されている親水性膜を有することを特徴とする親
    水性ガラス。
  2. 【請求項2】 金属酸化物中に含有される親水性の有機
    化合物がグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
    エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル又は
    エーテル、ソルビトールエチレンオキシド付加物の脂肪
    酸エステル、高級アルコールオキシカルボン酸エステ
    ル、多価アルコール類の脂肪酸エステルのシアノエチル
    化物又はカルバモイルエチル化物、ソルビタン高級脂肪
    酸エステルのエチレンオキシド付加物、アルキルサルフ
    ェート、アルキルアリルサルフェート及びアルキルアミ
    ンサルフェートから成る群から選ばれた少なくとも1種
    であることを特徴とする請求項1記載の親水性ガラス。
  3. 【請求項3】 ガラス基板の片面又は両面に、金属酸化
    物100重量部に対して、スルホン酸ナトリウム系化合
    物を5〜50重量部の範囲で含有させた親水性膜が形成
    されていることを特徴とする親水性ガラス。
  4. 【請求項4】 スルホン酸ナトリウム系化合物が下記化
    1より選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特
    徴とする請求項3記載の親水性ガラス。 【化1】
  5. 【請求項5】 金属酸化物がSiO2 と必要に応じてZ
    rO2 、TiO2 及びAl2 3 から成る群から選ばれ
    た少なくとも1種とを含む多成分系金属酸化物であるこ
    とを特徴とする請求項1又は3記載の親水性ガラス。
  6. 【請求項6】 親水性膜の表面が微細な凹凸形状をして
    いることを特徴とする請求項1又は3記載の親水性ガラ
    ス。
  7. 【請求項7】 ガラス基板上に、金属酸化物のゾル溶液
    に親水性の有機化合物を混合してなる溶液を塗布し、次
    いで前記有機化合物の分解温度以下の温度で加熱するか
    及び/又は紫外線を照射することにより、前記金属酸化
    物を重縮合させて親水性膜を形成することを特徴とする
    請求項1記載の親水性ガラスの製造方法。
  8. 【請求項8】 ガラス基板上に、金属酸化物が100重
    量部に対して、スルホン酸ナトリウム系化合物が5〜5
    0重量部の比率となるように配合された組成物を、水及
    び/又は有機溶媒を用いて固形分濃度が0.5〜5重量
    %の範囲となるように希釈されてなる親水コーティング
    用の組成物を塗布し、次いでスルホン酸ナトリウム系化
    合物の分解温度以下で加熱することにより、金属酸化物
    を重縮合させることを特徴とする請求項3記載の親水性
    ガラスの製造方法。
JP7249252A 1995-02-22 1995-09-27 親水性ガラス及びその製造方法 Pending JPH08292301A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7249252A JPH08292301A (ja) 1995-02-22 1995-09-27 親水性ガラス及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-33598 1995-02-22
JP3359895 1995-02-22
JP7249252A JPH08292301A (ja) 1995-02-22 1995-09-27 親水性ガラス及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08292301A true JPH08292301A (ja) 1996-11-05

Family

ID=26372324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7249252A Pending JPH08292301A (ja) 1995-02-22 1995-09-27 親水性ガラス及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08292301A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000000554A1 (de) * 1998-06-30 2000-01-06 Bayer Aktiengesellschaft Beschichtungsmittel und deren verwendung
WO2000000555A1 (de) * 1998-06-30 2000-01-06 Bayer Aktiengesellschaft Wasserspreitend beschichtete formkörper und deren verwendung
WO2004085330A1 (ja) * 2003-03-24 2004-10-07 Nakajima Glass Co., Inc. 酸化チタン薄膜で被覆されたガラス板の製造方法
JP2006342055A (ja) * 2006-07-04 2006-12-21 Nakajima Glass Co Inc 酸化チタン薄膜被覆ガラス板の製造方法、その方法で製造されたガラス板及びその用途
JP2015205808A (ja) * 2014-04-22 2015-11-19 正達国際光電股▲ふん▼有限公司 ガラス製品
US9945987B2 (en) 2014-10-07 2018-04-17 Sharp Kabushiki Kaisha Transparent film, and method for producing transparent film

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000000554A1 (de) * 1998-06-30 2000-01-06 Bayer Aktiengesellschaft Beschichtungsmittel und deren verwendung
WO2000000555A1 (de) * 1998-06-30 2000-01-06 Bayer Aktiengesellschaft Wasserspreitend beschichtete formkörper und deren verwendung
JP2002519292A (ja) * 1998-06-30 2002-07-02 バイエル アクチェンゲゼルシャフト 水和性被膜で覆われた成形体およびそれの使用
US6455162B1 (en) 1998-06-30 2002-09-24 Bayer Aktiengesellschaft Coatings agent and the use thereof
US6565967B1 (en) 1998-06-30 2003-05-20 Bayer Aktiengesellschaft Water-dispersing coated shaped bodies and their utilization
WO2004085330A1 (ja) * 2003-03-24 2004-10-07 Nakajima Glass Co., Inc. 酸化チタン薄膜で被覆されたガラス板の製造方法
JP2006342055A (ja) * 2006-07-04 2006-12-21 Nakajima Glass Co Inc 酸化チタン薄膜被覆ガラス板の製造方法、その方法で製造されたガラス板及びその用途
JP2015205808A (ja) * 2014-04-22 2015-11-19 正達国際光電股▲ふん▼有限公司 ガラス製品
US9945987B2 (en) 2014-10-07 2018-04-17 Sharp Kabushiki Kaisha Transparent film, and method for producing transparent film

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3077199B2 (ja) 光触媒性親水性コーテイング組成物
JP3348613B2 (ja) 光触媒性親水性コ−ティング組成物
JP2716302B2 (ja) マイクロピット状表層を有する酸化物薄膜および該薄膜を用いた多層膜、ならびにその形成法
EP0899315B1 (en) Anti-fogging coating material, anti-fogging coating film and anti-fogging article
EP1489146B1 (en) Process for producing a hydrophilic film
JP4577914B2 (ja) 防曇性コーティング材料および防曇性物品
JP3413286B2 (ja) 撥水性ガラスおよびその製造方法
JPH08292301A (ja) 親水性ガラス及びその製造方法
JP2000192021A (ja) 親水性・防曇防汚基材およびその製造方法
JP3514065B2 (ja) 積層体およびその製造方法
JPH08227006A (ja) 親水性ミラー及びその製造方法
JP3435136B2 (ja) 基材の親水化処理方法
JP3628802B2 (ja) 防曇性薄膜及びその形成法
JPH07179850A (ja) 撥水処理剤
JP2000109631A (ja) 防曇性複合材料
JPH09301742A (ja) 親水性ガラス
JP3649596B2 (ja) 親水性酸化物被膜を形成した基材およびその製造方法
JPH09156959A (ja) 親水性ガラス及びその製造方法
TW467943B (en) Photocatalytically hydrophilifiable coating composition
JP2000001340A (ja) 親水性被膜の製造方法
JP2003073146A (ja) 防曇鏡およびその製造方法
JP3794678B2 (ja) ガラス物品およびガラス物品の表面処理方法
JP3270422B2 (ja) ガラス物品
JP2001074902A (ja) 防曇性皮膜および光学部品
JP3410542B2 (ja) 撥水性ガラスおよびその製造方法