JP2000109631A - 防曇性複合材料 - Google Patents

防曇性複合材料

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JP2000109631A
JP2000109631A JP28463998A JP28463998A JP2000109631A JP 2000109631 A JP2000109631 A JP 2000109631A JP 28463998 A JP28463998 A JP 28463998A JP 28463998 A JP28463998 A JP 28463998A JP 2000109631 A JP2000109631 A JP 2000109631A
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water
composite material
antifogging
coating composition
hygroscopic
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JP28463998A
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English (en)
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Kazuya Kokubu
和也 國分
Masayoshi Ketayama
正吉 桁山
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防曇性、耐久性に優れた塗膜を形成すること
の可能な吸湿性コーティング組成物で被覆される複合材
料を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、基材表面を吸湿性コーティン
グ組成物で被覆して成り、無機質骨格に有機分子が架橋
したハイブリッド物質から成る、透明な吸湿性コーティ
ング組成物で被覆されていることを特徴とする防曇性複
合材料を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として水周りで
使用される防曇性を有する複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】寒冷時に自動車その他の乗物の風防ガラ
スや窓ガラス、建物の窓ガラス、眼鏡のレンズ、 およ
び各種計器盤のカバーガラスが凝縮湿分で曇るのはしば
しば経験されることである。また、浴室や洗面所の鏡や
眼鏡のレンズが湯気で曇ることも良く遭遇される。物品
の表面に曇りが生じるのは、表面が雰囲気に露点以下の
温度に置かれると雰囲気中の湿分が凝縮して表面に結露
するからである。凝縮水滴が充分に細かく、それらの直
径が可視光の波長の1/2程度であれば、水滴は光を散
乱し、ガラスや鏡は見かけ上不透明となり、可視性が失
われる。湿分の凝縮が更に進行し、細かい凝縮水滴が互
いに融合してより大きな離散した水滴に成長すれば、水
滴と表面との界面並びに水滴と空気との界面における光
の屈折により、表面は翳り、ぼやけ、或いは曇る。その
結果、ガラスのような透明物品では透視像が歪んで透視
性が低下し、鏡では反射像が乱される。更に、車両の風
防ガラスや窓ガラス、建物の窓ガラス、車両のバックミ
ラー、眼鏡のレンズ、マスクやヘルメットのシールドが
降雨や水しぶきを受け、離散した多数の水滴が表面に付
着すると、それらの表面は翳り、ぼやけ、或いは曇り、
やはり可視性が失われる。ここで用いる“防曇”の用語
は、このような曇りや凝縮水滴の成長や水滴の付着によ
る光学的障害を防止する技術を広く意味する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】防曇技術は安全性や種
々の作業の能率に深い影響を与える。例えば、車両の風
防ガラスや窓ガラスやバックミラーが曇り或いは翳ると
車両や交通の安全性が損なわれる。内視鏡レンズや歯科
用歯鏡が曇ると、的確な診断、手術、処置の障害とな
る。計器盤のカバーガラスが曇るとデータの読みが困難
となる。従来用いられている防曇性組成物は、ポリエチ
レングリコールのような親水性化合物からなる。しか
し、この種の防曇性組成物はあくまで一時的なもので、
水や接触によって容易に取り除かれ、早期に効果を失う
という難点がある。
【0004】本発明の目的は、防曇性、耐久性に優れた
塗膜を形成することの可能な吸湿性コーティング組成物
で被覆される複合材料を提供することにある。本発明の
他の目的は、上記防曇性、耐久性能を長期に維持する防
曇性塗膜を形成することの可能な吸湿性コーティング組
成物で被覆される複合材料を提供することにある。本発
明の他の目的は、上記複合材料が洗面用鏡であり、給湯
の湯気により曇りが生じない快適性を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、上記複合材料が洗面用、浴室
用鏡であり、給湯の湯気により曇りが生じない快適性を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、基材表面を吸湿性コーティング組成物で被
覆して成り、無機質骨格に有機分子が架橋したハイブリ
ッド物質から成る、透明な吸湿性コーティング組成物で
被覆されていることを特徴とする防曇性複合材料を提供
する。さらに、上記防曇性複合材料は、屋内の洗面所や
浴室内の環境において機能するように、材料特性が限定
された範囲において上記吸湿性コーティング被膜の組成
を最適に選択してなることを特徴とする。
【0006】本発明の防曇性複合材料の表面は、高い親
水性と吸湿性を有し、湯気のような微小な水滴が複合材
料の表面に接すると、水分を表面で結露させることがな
く、曇りを防ぐことができる。また、本発明による防曇
性複合材料は、表層の吸湿性コーティング組成物が、無
機質骨格に有機分子が架橋したハイブリッド物質から成
り、さらに、基材と表層の吸湿性コーティング組成物と
が強固に結合されているため、優れた強度、耐久性を有
し、上記防曇性能を長期間保持することができる。
【発明の実施の形態】
【0007】請求項1に記載の防曇性複合材料につい
て、本発明の第一の態様を図1に示す。防曇性複合材料
の表面層を形成する吸湿性コーティング組成物1は、無
機部分と有機部分とを有する三次元の骨格構造3を成
し、その隙間に吸水性を有する有機ポリマーを取り込ん
で、骨格の持つ接着力で固定される。吸湿性コーティン
グ組成物1の三次元骨格3に内包される吸水性有機ポリ
マー4は高い吸水性を有し、湯気のような微小な水滴が
鏡の表面に接すると、水分を表面で結露させることな
く、表面層を形成する吸湿性コーティング組成物1中の
吸水性有機ポリマー4に到達して吸収されるため、曇り
を防ぎ、反射像の可視性を保持することができる。ま
た、該吸湿性コーティング組成物1は、無機ポリマーと
有機ポリマーとが互いに架橋して結合されて成り、複合
材料の表面層は水及び有機溶剤に不溶の高耐久性膜で被
覆されることとなる。基材と表面層との間には、基材と
の密着性向上等の目的で透明な中間層を設けてもよい。
また、表面層は、さらに多孔質のハードコート膜で被覆
してもよく、これによって耐摩耗性、耐候性を向上する
と共に、反射光を低減することもできる。
【0008】請求項2に記載の防曇性複合材料は基材表
面を吸湿性コーティング組成物で被覆して成り、無機ア
ルコキシドおよび該アルコキシドが、加水分解・重縮合
して形成されるOH基を有するポリマーのうちの少なく
とも1種と、吸水性有機ポリマーと、触媒と、および水
含有有機溶媒を含有する吸湿性コーティング組成物で被
覆されていることを特徴とする本発明に用いられる無機
アルコキシドは、例えば、次式(2)で示される化合物
の少なくとも1種である。 M(OR)n(X)a-n (2) ここで、Mは、Si、Al、Ti、Zr、Ca、Fe、
V、Sn、Li、Be、B、およびPからなる群から選
択される無機原子であり、Rは、アルキル基であり、X
は、アルキル基、官能基を有するアルキル基、またはハ
ロゲンであり、aは、Mの原子価であり、またnは、1
からaまでの整数である。式(2)の化合物のうち、n
=a、つまりMにアルコキシ基のみが結合した化合物が
汎用される。
【0009】上記MがSiの場合は、アルコキシドは、
Si(OR14で表される。ここでR1は、好ましくは
炭素数1〜4の低級アルキル基である。このようなアル
コキシシランとしては、Si(OCH34、Si(OC
254などが挙げられる。
【0010】上記MがAlの場合は、アルコキシドは、
Al(OR23で表される。ここでR2は、好ましくは
低級アルキル基である。このようなアルミニウムアルコ
キシドとしては、Al(OCH33、Al(OC25
3、Al(O−n−C373、Al(O−iso−C
373、Al(OC493などが挙げられる。上記ア
ルミニウムアルコキシドは、2種以上を混合して用いて
もよい。このようなアルミニウムアルコキシドは、通
常、上記アルコキシシランと混合して用いられ、アルミ
ニウムアルコキシドを用いることによって、得られるコ
ーティング膜の透光性や耐熱性が向上する。アルミニウ
ムアルコキシドの使用量は、好ましくは上記アルコキシ
シラン100重量部に対して10重量部以下の範囲であ
り、さらに好ましくは約5重量部である。10重量部を
上回ると、形成されるポリマーがゲル化しやすくなり、
得られるコーティング膜に亀裂が生じる場合がある。
【0011】上記MがTiの場合には、アルコキシド
は、Ti(OR34で表される。ここでR3は好ましく
は低級アルキル基である。このようなチタニウムアルコ
キシドとしては、Ti(O−CH34、Ti(O−C2
54、Ti(O−n−C374、Ti(O−iso−C
374、Ti(O−C494などが挙げられる。上記
チタニウムアルコキシドは、2種以上を混合して用いて
もよい。このようなチタニウムアルコキシドは、通常、
上記アルコキシシランと混合して用いられ、チタニウム
アルコキシドを用いることによって、得られるコーティ
ング膜の耐紫外線性は向上し、基材の耐熱性も著しく向
上する。チタニウムアルコキシドの使用量は、上記アル
コキシシラン100重量部に対して3重量部以下の範囲
であり、好ましくは約1重量部である。3重量部を上回
ると、形成されるポリマーが脆化し、基材を被覆した際
にコーティング膜が剥離しやすくなる。
【0012】上記MがZrの場合には、アルコキシド
は、Zr(OR44で表される。ここでR4は、好まし
くは低級アルキル基である。このようなジルコニウムア
ルコキシドとしては、Zr(OCH34、Zr(OC2
54、Zr(O−iso−C374、Zr(O−t−C
494、Zr(O−n−C494などが挙げられる。
上記ジルコニウムアルコキシドは、2種類以上を混合し
て用いてもよい。このようなジルコニウムアルコキシド
は、通常、上記アルコキシシランと混合して用いられ、
ジルコニウムアルコキシドを用いることによって、得ら
れるコーティング膜の靱性や耐熱性が向上する。ジルコ
ニウムアルコキシドの使用量は、上記アルコキシシラン
100重量部に対して5重量部以下の範囲であり、好ま
しくは約3重量部である。5重量部を上回ると、形成さ
れるポリマーがゲル化しやすくなり、ポリマーの脆性が
大きくなり、基材を被覆した際にコーティング膜が剥離
しやすくなる。
【0013】上記以外のアルコキシドとしては、例え
ば、Ca(OC252、Fe(OC253、V(O−
iso−C374、Sn(O−t−C494、Li(O
25)、Be(OC352、B(OC253、P
(OC252、P(OCH33などが挙げられる。
【0014】式(2)で示される無機アルコキシドのう
ちn=a−1以下の場合、つまりMにアルコキシ以外の
基Xが結合している化合物としては、例えば、XがC
l、Brのようなハロゲンである化合物がある。Xがハ
ロゲンである化合物には、アルコキシ基と同様に加水分
解されてOH基を生じ重縮合反応が起こる。Xはまた、
アルキル基や官能基を有するアルキル基であり得、この
アルキル基の炭素数は通常1〜15である。このような
基は、加水分解されずに得られるポリマー中に有機部分
として残留する。上記官能基としては、カルボキシル
基、カルボニル基、アミノ基、ビニル基、エポキシ基な
どがある。
【0015】Xを有する式(2)の化合物としては、ビ
ニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルメトキシシランなど
が挙げられる。
【0016】本発明に用いられる吸水性有機ポリマーと
しては、ポリアクリル酸類またはポリアルキレンオキサ
イドが好適に利用できる。前記ポリアクリル酸類として
は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びこれらの
塩類から選択される少なくとも1種である。また、前記
ポリアルキレンオキサイドとしては、ポリエチレンオキ
サイド、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレンオ
キサイドなどが挙げられ、ポリエチレンオキサイドが特
に好ましい。通常、重量平均分子量30,000〜1,
500,000、好ましくは500,000〜750,
000のポリアルキレンオキサイドが用いられる。ま
た、その他の吸水性有機ポリマーとして、ポリ2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ポリビニルピロリドン、
ポリオキサゾリン、ポリビニルアルコール系、エチレン
ビニルアルコール共重合体、イソブチレン無水マレイン
酸共重合体系、ポリアクリル酸アミド系、ポリオキシエ
チレン系、多糖類などが好適に利用できる。前記多糖類
としては、セルロース系では、ビスコース、メチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチル
セルロースなどが挙げられる。また、前記多糖類として
は、デンプン系では、可溶性デンプン、カルボキシメチ
ルデンプン、ジアルデヒドデンプンなどが挙げられる。
また、前記吸水性有機ポリマーの他に、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレートのモノマー、セピオライト、シリ
カゲル、デキストラン、アルギン酸、アルギン酸ナトリ
ウム、カラジーナン、アガロース、カオリンなども利用
できる。
【0017】本発明に用いられ得る触媒としては、加水
分解触媒および硬化触媒が挙げられる。加水分解触媒は
無機アルコキシドの加水分解反応に用いられる。従っ
て、予め無機アルコキシドがある程度加水分解されて、
重縮合し、OH基を有するポリマー(比較的低分子量の
オリゴマーであり得る)を使用する場合には、加水分解
触媒は不要となり得る。
【0018】上記加水分解触媒としては、塩酸、硫酸、
硝酸などの鉱酸などが用いられる。鉱酸の無水物、例え
ば、塩化水素ガスも用いられ得る。この他に有機酸やそ
の無水物も利用され得る。それには例えば、酒石酸、フ
タル酸、マレイン酸、ドデシルコハク酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、メチルナジック酸、ピロメリット酸、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸、ジクロルコハク酸、クロレ
ンディック酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ド
デシルコハク酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチ
ルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸、無水ジクロルコハク酸、無水クロ
レンディック酸などが挙げられる。これらの酸触媒は、
アルコキシド100重量部に対して0.01〜0.5重
量部、好ましくは0.015〜0.3重量部である。
0.01重量部未満の場合には加水分解が不充分となる
おそれがあり、0.5重量部を越える場合には重縮合反
応が進行し、粘度が増大するおそれがある。
【0019】上記硬化触媒は、主としてアルコキシドの
加水分解物の重縮合反応の触媒として、且つ吸水性有機
ポリマーの架橋反応の触媒として、且つ該加水分解物、
上記OH基を有するポリマーおよび吸水性有機ポリマー
相互間の重縮合反応および/または架橋反応の触媒とし
て用いられる。このような硬化触媒としては、1,8−
ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、第4級
ホスホニウム塩、有機アミン、アミノ酸、金属アセチル
アセトネート、有機酸金属塩、ルイス酸、過酸化物の中
の少なくとも1種を好適に利用できる。上記第4級ホス
ホニウム塩としては、テトラキス(ヒドロキシメチル)
ホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブ
ロミドなどが挙げられる。上記有機アミンとしては、エ
チルアミン、ジメチルアミン、N,N−ジメチルアミ
ン、トリブチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ト
リペンチルアミン、トリプロパルギルアミン、N,N,
N−トリメチルエチレンジアミン、n−ヘキシルアミン
等が挙げられる。上記アミノ酸としては、グリシンなど
がある。上記金属アセチルアセトネートとしては、アル
ミニウムアセチルアセトネート、インジウムアセチルア
セトネート、クロムアセチルアセトネート、チタニウム
アセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネート
などが挙げられる。前記金属アセチルアセトネートで
は、好ましくは、アルミニウムアセチルアセトネートが
用いられる。上記有機酸金属塩としては、酢酸ナトリウ
ム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸
亜鉛、オクチル酸錫などが挙げられる。上記ルイス酸と
しては、塩化第二錫、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、
塩化チタン、塩化亜鉛、塩化アンチモンなどが挙げられ
る。上記過酸化物としては、過酸化水素があげられる。
上記硬化触媒の使用量は、好ましくは、吸湿性コーティ
ング組成物中の、アルコキシド、OH基を有するポリマ
ー、および吸水性有機ポリマーの合計量100重量部に
対して、0.01〜2重量部、さらに好ましくは、0.
05重量部である。2重量部を上回る量を用いる場合に
は、重縮合が急速に進行するため、下記有機溶媒に溶け
にくくなり、得られる被膜が不均一となるため、強度が
低下するおそれがある。
【0020】本発明に用いられる有機溶媒としては、メ
チルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、ブチルアルコールなどの水と相溶性のある溶媒
が用いられる。この有機溶媒は水と共に用いられる。上
記有機溶媒の使用量は、好ましくは、アルコキシド、上
記OH基を有するポリマー、吸水性有機ポリマーおよび
塩基性触媒の合計100重量部に対して100〜500
0重量部であり、さらに好ましくは約3000重量部で
ある。
【0021】上記吸湿性コーティング組成物には、さら
に、少なくとも1種の吸水性無機組成物を含有させても
よい。前記吸水性無機組成物としては、セピオライト、
シリカゲルなどが挙げられる。また、上記吸湿性コーテ
ィング組成物には、さらに、少なくとも1種のポリアク
リル酸類を含有させてもよい。前記ポリアクリル酸類と
しては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、これらの
塩類などが挙げられる。上記ポリアクリル酸類の使用量
は、好ましくは、吸湿性コーティング組成物100重量
部に対して、0.1〜10重量部である。0.1重量部
未満の場合には、得られる組成物は吸水スピードが遅く
なるおそれがあり、10重量部を越える場合には、得ら
れる組成物のタックが生じるおそれがある。特に得られ
る組成物を硬度を有する部材に適用する場合には、上記
ポリアクリル酸類は、吸湿性コーティング組成物100
重量部に対して、0.1〜0.5重量部の範囲の割合で
使用することが好ましい。0.5重量部を越える場合に
は、得られる組成物により形成される膜の硬度が低くな
るおそれがある。
【0022】本発明においては、親水性基を含有するフ
ッ素系界面活性剤を含有してもよく、防曇性複合材料の
表面は、前記フッ素系界面活性剤に由来する撥水・撥油
部分と、吸湿性コーティング組成物に由来する親水性部
分とが微視的に分散する。これによって、複合材料表面
においては、親油性、疎水性あるいは親水性の汚染物質
がいずれも付着しにくく、付着してもその付着は不安定
であり、容易に脱落すため、表面を清浄に保ち、長期間
に渡って、良好な吸水性を保持することができる。前記
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロア
ルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルアンモニウ
ム塩、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロア
ルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル
基含有オリゴマー、トリフルオロプロピルトリクロルシ
ラン、トリフルオロプロピルブロムシラン、トリフルオ
ロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピル
トリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリ
メトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリエト
キシシラン等を好適に利用できる。
【0023】本発明においては、さらに、上記吸湿性コ
ーティング組成物中に、熱線吸収性を有する銀イオンを
含有させても良く、ガラスなどの透明材に利用すれば、
太陽光などの輻射による室内温度の上昇を抑制すること
ができる。
【0024】また、本発明においては、さらに、上記吸
湿性コーティング組成物中に、熱線吸収材を含有させて
も良く、ガラスなどの透明材に利用すれば、太陽光など
の輻射による室内温度の上昇を抑制できると共に、ガラ
ス表面の温度を高めて水滴が付着し難くくすることがで
きる。前記熱線吸収材としては、銀イオンを好適に利用
できる。
【0025】また、本発明においては、上記吸湿性コー
ティング組成物中に、紫外線吸収剤を含有させても良
く、ガラスなどの透明材に利用すれば、人体に有害な短
波長太陽光線などを遮断できる。上記紫外線吸収剤とし
ては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリ
シレート系、シアノアクリレート系、オギザニリド系、
Ceなどが挙げられる。
【0026】また、本発明においては、上記吸湿性コー
ティング組成物中に、抗カビ剤、抗菌剤、あるいは防虫
剤を含有させてもよく、カビ、細菌類の繁殖を発生、繁
殖を防止できる。抗菌防カビ剤としては、スルホン酸ナ
トリウム、イソチアゾリン系、安息香酸系、10,10
−オキシビスフェノキシアルシン、2−(4−チアゾリ
ル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロジクロロメ
チルチオ)−フタールイミド、2−メチルカルボニール
アミノベンツイミダゾール、銀、銅、ゼオライト、銀リ
ン酸ジルコニウム、銀ハイドロアパタイト、銀リン酸塩
ガラス、銀リン酸塩セラミックなどが挙げられる。
【0027】また、本発明においては、上記吸湿性コー
ティング組成物中に、香料を含有させてもよく、乗り物
や建物内に利用すれば、より快適に過ごすことができ
る。前記香料としては、アニス油、アビエス油、イラン
イラン油、イリス油、ウイキョウ油、オークモス、オレ
ンジ油、カシヤ油、キャラウェ油、カユブテ油、シンナ
モン油、ジャスミン花精油、レモングラス油、ローズ
油、ローズマリー油などが挙げられる。
【0028】本発明によれば、防曇性複合材料は、例え
ば、以下のようにして形成される。まず上記吸湿性コー
ティング組成物の各成分を混合して透明から半透明の塗
工液を得る。次いで、この塗工液を上記基材の少なくと
も片面に塗工し、これを80℃以上の温度、好ましくは
120℃〜200℃の範囲内で加熱乾燥させることによ
り、本発明の防曇性複合材料が得られる。必要に応じ
て、上記塗工液を数回重ねて塗工した後、上記加熱処理
を行ってもよい。
【0029】吸湿性コーティング組成物においては、無
機アルコキシドが加水分解触媒の作用により加水分解
し、アルコキシ基およびハロゲン(X)がOH基に変化
する。さらに硬化触媒の作用により、OH基の脱プロト
ン化が起こり、その結果、加水分解物が重縮合を開始
し、分子内にOH基を有するポリマーあるいはオリゴマ
ーを形成する。これと同時に硬化触媒により、組成物中
に存在する吸水性有機ポリマーのOH基部分が、上記加
水分解アルコキシドやOH基を有するポリマーあるいは
オリゴマーと反応し、(2)式のMで示されるSiなど
の無機部分と、吸水性有機ポリマー由来の有機部分とを
有する複合ポリマーが形成される。組成物の各成分を混
合すると、上記のように加水分解反応および重縮合反応
が部分的に進行するため、無機アルコキシド、その加水
分解物、該加水分解物の重縮合オリゴマーまたはポリマ
ー、吸水性有機ポリマー、上記アルコキシド由来の加水
分解物と吸水性有機ポリマーとの重縮合あるいは架橋反
応物が混合した、コロイド状ゾルの状態となる。(2)
式のXが特定の官能基を有する場合には、さらに、この
官能基が反応を行う場合もある。例えば、Xがエポキシ
基を有する基である場合には、このエポキシ基が塩基触
媒により開環して、OH基を生じ、さらにアルコキシド
や吸水性有機ポリマーとの反応が進行する。Xがビニル
基を有する基である場合には、このビニル基の部分に反
応性のモノマーを結合させることも可能である。
【0030】このようなコーティング組成物を基材に塗
工し、乾燥後、80℃以上で熱処理を行うと、上記中縮
合反応および架橋反応が進行し、三次元構造を有する複
合ポリマーが形成される。このポリマーは無機部分と有
機部分とを有するポリマーである。すなわち、このポリ
マーは、無機部分である不溶性骨格を有しているため、
このポリマーにより形成される被膜は、水および有機溶
剤に不溶であり、高い表面硬度を有する。さらに、この
ポリマーは、有機部分である吸水性有機ポリマーを有し
ているため、形成された被膜表面部分に吸水性有機ポリ
マーに由来する親水部分が存在し、その部分に水分が吸
着する。さらに、上記(2)式X基の末端にカルボニル
基、カルボキシル基、アミノ基、ビニル基、アミノ基、
エポキシ基などを有する場合には、さらにその基にも水
分が吸着する。
【0031】上記吸湿性コーティング組成物にさらにポ
リアクリル酸類を含有させる場合には、得られる吸湿性
コーティング組成物の吸湿性が向上する。
【0032】上記塩基性吸水性ポリマーは、アルコキシ
ドの加水分解物の重縮合反応の触媒として働くと同時
に、OH基を有するポリマーと重縮合反応及び/または
架橋反応する。上記塩基性吸水性ポリマーとしては、メ
チレンビスアクリルアミド(MBAA)、ポリ(オキシ
エチレン)ジプロピルアミン、ポリ(オキシエチレン)
ラウリルアミンなどが好適に利用できる。
【0033】上記防曇性複合材料の基材は、特に限定さ
れず、例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチ
ック、木、石、セメント、コンクリート、繊維、布帛、
それらの組合わせ、それらの積層体が好適に利用でき
る。基材は部材の用途を勘案して決定されてよい。
【0034】特に、鏡用基材には、裏面に反射コートを
設けたガラス基材からなる鏡、裏面に反射コートを設け
た透明プラスチックからなる鏡、プラスチック、ガラ
ス、金属等の基材表面に反射コートを設けた鏡、プラス
チック、ガラス、金属等の基材表面に反射コートを設
け、さらにその上に透明なハードコートを設けた鏡、鏡
面研磨した金属基材からなる鏡、鏡面研磨した金属基材
からなる鏡の表面に透明なハードコートを設けた鏡、裏
面に反射コートを設けた透明プラスチック基材の上に透
明なハードコートを設けた鏡、等が好適に利用できる。
基材と表面層との間には、基材との密着性向上等の目的
で透明な中間層を設けてもよい。
【0035】また、本発明による防曇性複合材料が、ヒ
ーター、送風機を含む乾燥機を併設してもよい。上記防
曇性複合材料近傍に乾燥機を併設することで、吸湿性コ
ーティング組成物の吸水能力を飛躍的に向上させ、より
高い防露、防曇効果が得られる。また、これにより、吸
湿性コーティング組成物の吸水速度を制御すれば、雰囲
気の調湿を行うことができる。
【0036】本発明の防曇性複合材料の表層の吸湿性被
膜については、必要な防曇性能を確保するための最適な
材料組成が使用環境によって決定され得る。必要な防曇
性能は防曇機能時間で表現でき、環境条件を水蒸気濃度
と拡散速度で表せば、要求される該吸湿性被膜の材料特
性として膜厚と吸湿容量が下記の関係式から導出され
る。したがって、特に、洗面所や浴室において十分な防
曇性能を発現し得る防曇性複合材料を、下記の関係式を
満足する材料特性によって規定する。
【0037】一般に、雰囲気中の水蒸気を吸着すること
を目的とする吸着塔の破過時間は、吸着層高、吸着剤の
充填密度および吸着容量について以下のように設定され
ている。
【0038】吸着層の破過時間θBは、該吸湿層に接触
する雰囲気中の水蒸気濃度C0と水蒸気の拡散速度uに
反比例し、吸着層高Zt、吸着剤の充填密度ρBおよび吸
着容量x0に比例する。つまり、(3) θB=Zt×ρB
×x0/(C0×u)の関係が設定される。ここで、各変
数の単位は、θB:hour、Zt:m、ρB:kg/m3
、x0:kg/kg、C0:kg/m3 air、u:
m/hourである。
【0039】本発明における防曇性複合材料について
は、(3)式を利用してθBを防曇維持時間、Ztを膜厚
T、(ρB×x0)を吸湿容量Xとすれば、表層の吸湿性
被膜の必要な吸湿性能が(4)式で表せる。ただし、吸
湿容量Xの単位は、kg/m3 (4) θB<T×X/116480C0 2
【0040】ここで、本発明の吸湿性複合材料が屋内の
洗面所用鏡または浴室用鏡として用いられる場合、θB
はそれぞれ1/12または1/2と設定される。洗面所
用鏡が曇って使えなくなるのは、洗面化粧台の給湯の湯
気や隣接する浴室からの水蒸気によって生じるケースが
殆どである。また、浴室用鏡の場合は、大半が浴槽から
の湯気やシャワー給湯によるものである。いずれの場合
も、過度の水蒸気が鏡近傍に達することによるもので、
洗面所または浴室での想定される最大水蒸気濃度と一連
の作業を勘案すると、洗面所で5分以上、浴室では30
分以上の防曇維持時間を保持することが好ましい。
【0041】上記の洗面所または浴室での想定される最
大水蒸気濃度C0としては、それぞれ0.003〜0.
03、0.006〜0.055の範囲である。
【0042】本発明の防曇性複合材料の表層の吸湿性被
膜は、膜厚Tが1〜300μmであることが好ましく、
より好ましくは1〜20μmである。膜厚Tが300μ
m以上になると、膜の透明性、強度が著しく低下する。
該被膜の成形コストを勘案すると、20μm以下が合理
的である。また、吸湿性被膜の吸湿容量Xは、単位体積
あたりの吸着水量で表され、30℃にて水蒸気を飽和す
るまで吸着させた時の単位面積あたりの飽和吸着水量x
を求め、さらに前記xを乾燥時の膜厚Tで除して得られ
る値とした。
【0043】したがって、洗面用鏡または浴室用鏡の表
層の吸湿性被膜は、その材料組成が、それぞれ、(5)
または(6)式を満足する材料特性を有する範囲におい
て有効に機能する。 (5)1/12<T×X/116480C0 2 ただし、0.003<C0<0.03、10 6<T<3
×10 4 (6)1/2<T×X/116480C0 2 ただし、0.006<C0<0.055、10 6<T<
3×10 4
【0044】本発明の防曇性複合材料の表層の吸湿性被
膜については、(5)、(6)式から得られた最適な膜
厚と吸湿容量を元に材料組成を決定することができる。
膜厚については、吸湿性コーティング液の濃度や液温や
粘度、レベリング剤の添加、塗工回数、ロールコーティ
ング、カーテンフローコーティング、ディッピング等の
塗工方法、成膜時の鏡のフロー速度によって調整するこ
とができる。また、吸湿容量については、吸湿性コーテ
ィング組成物の加水分解―架橋条件と組成比、無機骨格
の種類、吸水性ポリマーの種類と重合度、界面活性剤な
どの吸湿性添加剤の添加、乾燥時の加熱温度と時間で調
整できる。
【0045】
【実施例1】 吸湿性コーティング液−1の調整 表1に示す成分(各々重量部)に従って、吸水性コーテ
ィング液−1を調製した。最初に、ポリアクリル酸25
wt%水溶液とメタノールを混合し、常温で10分間攪
拌溶解して、高分子溶液1を調整した。次に、バインダ
ー溶液1を調製した。まず、2N塩酸水溶液とアルミニ
ウムイソプロポキシド、エタノールを混合し、常温にお
いて1昼夜攪拌した。次いで、テトラエトキシシラン4
量体(商品名エチルシリケート40、コルコート社
製)、シランカップリング剤(製品名KBM403、メ
ーカー信越シリコーン、化学名γ-グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン)を混合し、常温において10分
間攪拌した。その後、テトラエトキシシランを十分に加
水分解後にジエチルアミン を添加し、常温において1
0分間攪拌してバインダー組成物1を調整した。上記高
分子溶液1とバインダー組成物1とを混合し、常温にお
いて10分間攪拌して吸湿性コーティング液1を調製し
た。得られた液は透明で粘性のある溶液であった。
【0046】
【表1】
【0047】 吸湿性コーティング液−2の調整 表2に示す成分(各々重量部)に従って、吸湿性コーテ
ィング液−2を調整する。まず、ポリビニルアルコール
(重合度1500〜1800)を水に投入し、90℃雰囲
気に3時間置いて攪拌しながら徐冷して高分子溶液2を
調整した。次に、バインダー溶液を調製する。まず、2
wt%硝酸水溶液とアルミニウムイソプロポキシドを混
合し、常温において1昼夜攪拌した。次いで、2N塩酸
水溶液とアルミニウムイソプロポキシド混合液にエタノ
ール、テトラエトキシシラン4量体(商品名;エチルシ
リケート40、コルコート社製)、シランカップリング
剤(製品名;KBM403、信越シリコーン社製、化学
名;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を
混合し、常温において10分間攪拌した。その後、テト
ラエトキシシランを十分に加水分解後に1,8−ジアザ
ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7を添加し、常温
において10分間攪拌してバインダー液を調整した。上
記と同様に高分子溶液とバインダー溶液を混合し、常温
において10分間攪拌した。得られた液は透明で粘性の
ある溶液であった。
【0048】
【表2】
【0049】 吸湿性コーティング液−3の調整 表3に示す成分(各々重量部)に従って、吸湿性コーテ
ィング液−3を調整する。上記、で得られた高分子
液1及び2を常温で攪拌混合する。次に、上記とどう
ようの方法で、バインダー溶液を調製する。上記と同様
に高分子溶液とバインダー溶液を混合し、常温において
10分間攪拌した。得られた液は透明で粘性のある溶液
であった。
【0050】
【表3】
【0051】
【実施例2】 防曇性鏡の成膜 まず、吸湿性コーティング液−1を用いて吸湿性被膜を
鏡表面に成膜する。コーティングはカーテンコート法に
よって行う。鏡を水平にガイドテーブル上に置いて、塗
工量を105g/m2、260g/m2および310g/
2になるようにテーブルの送り速度を調節する。コー
ティング後、150℃に設定した恒温器にて10分間乾
燥する。これらの試料を、それぞれ、試料a、b、cと
した。続けて、塗工量を270g/m2に設定して、塗
工後に3分常温にて放置する操作を29回繰り返して、
さらに30回目を塗工した後、150℃に設定した恒温
器にて10分間乾燥する。この方法で2枚作成し、それ
ぞれ試料d、eとした。次に、吸湿性コーティング液−
2を、塗工量を275g/m2、に設定して、以下吸湿
性コーティング液−1の場合と同様に行う。この試料を
試料fとした。さらに、吸湿性コーティング液−3を、
塗工量を345g/m2に設定して、塗工後に3分常温
にて放置する操作を2回繰り返して、さらに3コート目
を塗工した後、150℃に設定した恒温器にて10分間
乾燥する。この試料を試料gとした。
【0052】
【実施例3】 材料特性の計測 製作した試料の吸湿性被膜の厚みと吸湿容量を測定す
る。被膜の厚みは、原子間力顕微鏡によって被膜の段差
をスキャンする方法を用いた。装置は、走査型プローブ
顕微鏡(デジタルインスツルメンツ社製 D3000)
である。また、吸湿容量Xは、30℃にて水蒸気を飽和
するまで吸着させた時の単位面積あたりの飽和吸着水量
xを求め、さらに前記xを乾燥時の膜厚Tで除して得ら
れる値とした。表4に測定値を示す。
【0053】
【実施例4】 防曇性予測 製作した試料について、上記(5)または(6)式を満
足するか否か、つまり、十分な防曇性能を有するかどう
かシミュレートした。結果を表4に示す。
【0054】
【実施例5】 防曇性評価 製作した試料を、洗面所または浴室にセットして、それ
ぞれ異なる環境条件にて防曇性(防曇維持時間)を評価
した。計測した防曇維持時間を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】表4に示す通り、各材料の防曇維持時間に
ついては、計算した結果と実測値とは良好に一致し、本
発明にて示した吸湿性被膜の材料特性に関する関係式を
満足する範囲であれば、十分な吸湿性を有する。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、本発明の防曇性複合材
料の表面は、微小の水滴が付着しにくくなるので、雰囲
気中の水分に触れても水滴を結露せず、曇りを発生させ
ない。さらに、本発明の防曇性複合材料の表層の吸湿性
被膜については、必要な防曇性能を確保すべく、使用環
境によって最適な材料組成を決定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基材表面に吸湿性コーティング組成物層を形成
した防曇性を有する複合材料を示す。
【符号の説明】
1: 吸湿性コーティング組成物層 2:基材 3: 無機質骨格に有機分子が架橋した複合ポリマー 4: 吸水性有機ポリマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/05 C08K 5/05 // C03C 17/30 C03C 17/30 A Fターム(参考) 3B111 AA01 AA03 AC01 AC02 AC03 AD01 BB03 BC01 BC02 BC03 CA03 4G059 AA01 AA11 AC21 FA07 FA28 FB05 GA01 GA04 GA16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面を吸湿性コーティング組成物で
    被覆して成り、無機質骨格に有機分子が架橋したハイブ
    リッド物質から成る、透明な吸湿性コーティング組成物
    で被覆されていることを特徴とする防曇性複合材料。
  2. 【請求項2】 基材表面を吸湿性コーティング組成物で
    被覆して成り、無機アルコキシドおよび該アルコキシド
    が、加水分解・重縮合して形成されるOH基を有するポ
    リマーのうちの少なくとも1種と、吸水性有機ポリマー
    と、触媒と、および水含有有機溶媒を含有する吸湿性コ
    ーティング組成物で被覆されていることを特徴とする防
    曇性複合材料。
  3. 【請求項3】 上記防曇性複合材料が、室内における
    0.003<C0<0.03の環境下において、1/1
    2<T×X/116480C0 2且つ10 6<T<3×
    10 4を満たすような材料特性T,Xを有することを
    特徴とする請求項1または2に記載の防曇性複合材料。
    ただし、C0:水蒸気濃度(kg/m3 air)、T:膜
    厚(m)、X:吸湿容量(kg/m3
  4. 【請求項4】 上記防曇性複合材料が洗面用鏡である請
    求項3に記載の防曇性複合材料。
  5. 【請求項5】 上記複合材料が、室内における0.00
    6<C0<0.055の環境下において、0.5<T×
    X/116480C0 2且つ10 6<T<3×10 4
    満たすような材料特性T,Xを有することを特徴とする
    請求項1または2に記載の防曇性複合材料。ただし、C
    0:水蒸気濃度(kg/m3 air)、T:膜厚(m)、
    X:吸湿容量(kg/m3
  6. 【請求項6】 上記防曇性複合材料が浴室用鏡である請
    求項5に記載の防曇性複合材料。
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