JPH08286630A - 電光装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のようなネオン管、蛍光灯、光学繊維と
いった発光手段を使用すること無く、全く新しい構成に
よって、広告となる複雑な形状の文字、図形を多彩な色
で表すことができて、高い広告効果を得ることが可能な
電光装置の提供を目的とする。 【構成】 プラスチック板積層体２の側面部に、該プラ
スチック板積層体２を構成するプラスチック板１（１Ａ
〜１Ｄ）の側面に対して、波長を調整可能な光を照射す
る光照射手段１０を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、広告板や装飾用額縁等
に適用可能な電光装置に係り、特に、光の反射により複
数の図形、文字を組み合わせて表すことができる電光装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より広告板等には電光装置が使用さ
れている。この電光装置としては、例えば、希望する文
字、図形をネオン管を屈曲加工して形成する、あるいは
広告板に対して蛍光灯からの光を照射するようなもので
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なネオン管を利用した広告板の場合では、ネオン管を屈
曲することにより文字、図形を形成しているので、小さ
い文字や繊細な図形等の表現が不可能であり、また、文
字、図形が大型となった場合でも一つの文字や図形を一
体に形成するのは不可能であり、甚だ粗雑な広告効果し
か期待できないという問題がある。また、ネオン管を利
用した広告板は、上記問題の他に、エネルギー消費量が
多い、ネオン管内のガス等は環境に対して悪影響があ
る、嵩張るので製作時間が長くなる、高価の電圧トラン
ス等を多数使用せねばならない、等の多数の短点があ
る。一方、蛍光灯等を広告板に対して蛍光灯の光を照射
して、広告板の宣伝効果を高めるという手法は余りに単
調であって、視覚的にも綺麗には感じられず、期待する
広告効果をもたらすことができないという問題も生じて
いた。

【０００４】そして、このような短点を解決するため
に、近年では多数の発光ダイオードを配列させて、発光
ダイオードを選択的に点灯させることにより多様な広告
効果を得るようにした広告板が一般化されているが、数
多い発光ダイオードを配列及び配線するのによる設置時
間と設置費用が多く必要であり、また、一部が断線した
場合には修理が困難であって、一部の発光ダイオードに
欠陥がある広告板のままで放置しなければならず、美観
の点でも問題があった。また、上述した発光ダイオード
とともに、多様な色を発色させることができる光学繊維
を使用した広告板も利用しているが、光学繊維の配列さ
せるための製作時間が多く必要であって、多額の費用を
要し、また、この光学繊維は点で表すものであるので、
連続した点の集合体である文字、図形を描くことが困難
であり、特に大型の広告板には使用ができないという短
点がある。

【０００５】この発明は、上記の事情に鑑みてなされた
ものであって、従来のようなネオン管、蛍光灯、光学繊
維といった発光手段を使用すること無く、全く新しい構
成によって、広告となる複雑な形状の文字、図形を多彩
な色で表すことができて、高い広告効果を得ることが可
能な電光装置の提供を目的とする。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記目的を達成するた
めに第１の発明では、板状の透明なプラスチック板を複
数積層させて形成されるプラスチック板積層体と、前記
複数のプラスチック板の各裏面部に文字や図形を刻むこ
とにより形成される光反射部と、前記プラスチック板の
表面に、前記プラスチック板より屈折率の大きい高分子
材料をコーティングして形成されるコーティング層と、
前記プラスチック板積層体の側面部に設けられて、該プ
ラスチック板積層体を構成するプラスチック板の各側面
に対して、波長を調整可能な光を照射する光照射手段
と、を具備することを特徴とする。

【０００７】第２の発明では、前記光照射手段は、プラ
スチック板の側面に対して絵素単位で光の波長を調整可
能な液晶装置によって構成されていることを特徴とす
る。

【０００８】第３の発明では、前記コーティング層は、
シリコーン材によって形成されていることを特徴とす
る。

【０００９】

【作用】本発明に示す電光装置では、プラスチック積層
体を構成する複数のプラスチック板の各裏面部に、文
字、図形を刻むことにより光反射部を設けるようにして
いるので、このようなプラスチック板積層体を正面から
見た場合には、光反射部によって示される文字、図形を
１つの作品として捉えることができる。また、前記プラ
スチック積層体では、プラスチック板の側面に光照射手
段から光を照射するようにしているので、これら文字、
図形を光反射部での光反射によって周囲から浮き上がる
ように電光させることができる。また、本発明の光照射
手段では光の波長を調整することができるので、プラス
チック板に対して種々の色の光を照射して、前述した文
字、図形を種々の色で光らせることができ、これによっ
てこれら文字、図形によって例えば広告が表される場合
に、該広告をより効果的に表示することが可能となる。
そして特に、この光照射手段として、絵素単位で光の波
長を調整可能な液晶装置を使用することによって、前記
文字、図形の色を容易に変更させることができ、視覚な
効果ととともに操作性においても優れた効果を得ること
ができる。また、本発明の電光装置では、プラスチック
板の表面に、プラスチック板より屈折率の大きい高分子
材料をコーティングして形成されるコーティング層が設
けられているので、このコーティング層によって、プラ
スチック板内に照射された光が外部に分散されることが
防止されるとともに該光が光反射部に集光され、これに
よって光反射部にて文字、図形からなる広告が刻まれて
いる場合に、該広告をより鮮明かつ効果的に表示するこ
とができる。

【００１０】

【実施例】本発明の一実施例について図１〜図５を参照
して説明する。なお、以下では、本実施例を広告板とし
て使用する場合について説明する。図１は断面図であっ
て、同一の四角形状に形成された透明なプラスチック板
１、例えば、安価なアクリル樹脂板により形成されたプ
ラスチック板１が、複数積層されることによってプラス
チック板積層体２を形成している。

【００１１】プラスチック板１の裏面すなわち下部面に
は、任意の広告文案としての文字や図形等が表裏反転し
て刻み込まれて、光を受けた際に該光を反射させる光反
射部３が形成されている。また、このプラスチック板１
の光反射部３とは反対側の面すなわち上部面には、プラ
スチック板１により高分子の物質、例えばシリコーン等
の物質が薄く塗付されてプラスチック板１内を透過した
光の一部を反射させるコーティング層４が形成されてい
る。

【００１２】このコーティング層４はプラスチック板１
より光の屈折率が大きい高分子材料であって、一定角度
以上に入射される光を反射させる光反射性が高く、後述
する光照射手段１０から光が照射された際に、隣接した
上層又は下層のプラスチック板１に光が漏出するのを遮
断する遮断膜としての役割を果たし、これにより光照射
手段１０からの光を光反射部３に集中させるようにして
いる。すなわち、このコーティング層４によって、プラ
スチック板１内に照射された光が外部に分散されること
が防止されるとともに該光が光反射部３に集光され、こ
れによって光反射部３にて、文字、図形からなる広告を
より鮮明かつ効果的に表示することを可能とする。

【００１３】一方、図１において符号６で示すものはプ
ラスチック板積層体２を収容して固定させる支持枠であ
り、この支持枠６内には、液晶装置からなる光照射手段
１０が設けられている。この光照射手段１０は、図２に
示すように光源１１と、光源１１から発光された光を青
色光（Ｂ）、赤色光（Ｒ）、緑色光（Ｇ）に分光する分
光器１２と、Ｘ（図２では上下）−Ｙ（図２では水平）
方向に配置された多数の絵素を有し、これら絵素にて前
記青色光、赤色光、緑色光のぞれぞれを選択的に透過さ
せる３つの液晶シャッターパネル１３〜１５と、液晶シ
ャッターパネル１３・１５を通過した青色光、緑色光を
それぞれ屈曲させて集光させる屈曲手段１６・１７と、
集光した青色光、赤色光、緑色光を混合した後で所定の
大きさに拡大する出力レンズ１８と、該出力レンズ１８
を通過した光をプラスチック板積層体２の側面に案内す
る案内レンズ１９とから構成されたものであって、前述
した液晶シャッターパネル１３〜１５のそれぞれでは、
コントローラ２０からの指令に基づき絵素に対して選択
的に光を通過させる。

【００１４】そして、以上のように構成された光照射手
段１０では、コントローラ２０からの指令によって、液
晶シャッターパネル１３〜１５に対して青色光、赤色
光、緑色光を透過させる絵素を設定すれば、プラスチッ
ク板１毎に異なる色の光を照射することができ、また、
同一のプラスチック板１であっても、Ｙ方向（水平方
向）に沿って、照射する色を異ならすようにすれば、光
反射部３にて更に多様な色彩の表示を行わせることがで
きる。

【００１５】図３は広告文案が刻まれたプラスチック板
１の断面図の一例であって、このプラスチック板１の下
部面には、該プラスチック板１を山形、曲面形、低い波
形等に切削することで光反射部３を形成するようにして
おり、光反射部３の切削形状に従って光の反射程度が異
なり、切削形態によって多様な雰囲気を演出することが
可能となる。また、この光反射部３では、一般的に山形
（逆Ｖ字形状のタイプ、或いは、折曲げ部分が上方に向
かっているタイプ）が多く使用されており、山形（逆Ｖ
字形状のタイプ、或いは、折曲げ部分が上方に向かって
いるタイプ）に切削される場合には境界面の傾斜角度
（θ）は１５゜〜４５゜程度が好ましい。このとき切削
傾斜面は半透明状態であるから、図３で示すように光の
一部を外部（図では上方）に向けて屈曲させ、光の残り
を反射させずにそのまま直進させる。

【００１６】なお、上述した光照射手段１０は、図５に
示すようにプラスチック板積層体２の四側部にそれぞれ
設けられ、かつこれら各側部から、プラスチック板積層
体２の中央に向けて光を照射するようにしており、これ
によって光反射部３には、一つの光照射手段１０からの
光が他の光反射部３に遮られたとしても、他の３つのか
らの光照射手段１０によって確実に光が照射されること
になり、その結果、光反射部３に光が照射されない箇
所、すなわち、光の死角は生じないようになっている。

【００１７】図４は文字と図形が刻まれたプラスチック
板積層体２の分解斜視図を示すものであり、該プラスチ
ック板積層体２を構成する各々のプラスチック板１の下
部面には、光反射部３となる複数の文字や図形を分散さ
せて刻むとともに、これら文字、図形を、表示した場合
の文字、図形とは反対となるようにプラスチック板１上
に刻むようにしている。なお、本実施例では英文字「Ｃ
ＯＫＥ」と、海上を飛翔する鴎の形状を一例として刻ん
でおり、従って、「ＣＯＫＥ」という４つのアルファベ
ットを表示する際には便宜上４枚を使用している。ま
た、このとき使用するプラスチック板１は文字や図形に
より異なるが、一般には２枚乃至６枚程度が好ましいと
される。

【００１８】以下、プラスチック板積層体２を構成する
各々のプラスチック板１（１Ａ〜１Ｄ）について具体的
に説明すると、先ず最上部のプラスチック板１である第
１のプラスチック板１Ａに「Ｃ」字を刻み、第１のプラ
スチック板１Ａの直下に位置する第２枚目のプラスチッ
ク板１Ｂに「Ｏ」字を刻み、更に、第２枚目のプラスチ
ック板１Ｂに続く第３枚目のプラスチック板１Ｃと第４
枚目のプラスチック板１Ｄに、それぞれ「Ｋ」字と
「Ｅ」字をそれぞれ刻むようにする。そして、同様なる
方法で、図形となる、円弧（２分割する）、鴎、波濤
を、各プラスチック板１Ａ〜１Ｄに分離して刻むように
する。そして、このようにプラスチック板１Ａ〜１Ｄに
光反射部３を刻んだ後、これらプラスチック板１Ａ〜１
Ｄを積層させてプラスチック板積層体２を得るようにす
れば、該プラスチック板積層体２を上方側からは、プラ
スチック板積層体２の上面にあたかも「ＣＯＫＥ」と鴎
図形が一体に描かれているように見ることができる。

【００１９】そして、以上のように構成された電光装置
では、それぞれに光反射部３を刻んだ複数のプラスチッ
ク板１Ａ〜１Ｄを積層させてプラスチック板積層体２を
構成するようにし、更に、プラスチック板１（１Ａ〜１
Ｄ）に対して、光照射手段１０によって、プラスチック
板１（１Ａ〜１Ｄ）毎に異なる色の光線を照射するよう
にしているので、前述した各プラスチック板１Ａ〜１Ｄ
にそれぞれ刻まれた文字、図形を種々の色で光らせるこ
とができ、これによってこれら文字、図形によって例え
ば広告が表される場合に、該広告をより効果的に表示す
ることが可能となる。

【００２０】具体的には、光照射手段１０のコントロー
ラ２０に対して、プラスチック板１Ａに赤色の光を照射
し、プラスチック板１Ｂに緑色の光を照射し、プラスチ
ック板１Ｃに黄色の光を照射し、プラスチック板１Ｄに
青色の光を照射する設定を行うようにすれば、「Ｃ」の
字及び円弧の下側を赤色で、「Ｏ」の字及び円弧の上側
を緑色で、「Ｋ」の字及び鴎を黄色で、「Ｅ」の字及び
波濤を青色でそれぞれ光らせることができ、これによっ
て本実施例の広告板を極めて多彩な色で効果的に表示さ
せることが可能となる。そして特に、本実施例の光照射
手段１０では、絵素単位で光の波長を調整可能な液晶装
置を使用するようにしているので、各文字、図形の色を
容易に変化させることができ、視覚な効果ととともに操
作性においても優れた効果を奏することが可能となる。
例えば、光照射手段１０のコントローラ２０からの制御
信号によって、プラスチック板１Ａに照射していた赤色
の光を青色に変更し、プラスチック板１Ｂに照射してい
た緑色の光を赤色に変更し、プラスチック板１Ｃに照射
していた黄色を緑色に変更し、プラスチック板１Ｄに照
射していた青色を黄色に変更することによって、広告板
を一層効果的に表示させることが可能となる。

【００２１】なお、上記実施例は以下のように構成して
も良い。 （一）光照射手段１０のコントローラ２０から、プラス
チック板１Ａ〜１Ｄに対して照射する光の色を一定時間
（設定可能とする）毎に変化させる指令を、液晶シャッ
ターパネル１３〜１５に対して出力させるようにし、こ
れによってプラスチック板積層体２での光表示をより多
彩なものとしても良い。また、これに加えて、プラスチ
ック板１Ａ〜１Ｄに対して照射する光を一定時間（設定
可能とする）毎に点滅させる指令を、液晶シャッターパ
ネル１３〜１５に対して出力させるようにしても良い。 （二）上記実施例では、光照射手段１０をプラスチック
板積層体２の四側部にそれぞれ設けるようにしたが、光
の死角が特に生じないのであれば、光照射手段１０の一
台又は二台を省略しても良い。

【００２２】（三）上記実施例では、光照射手段１０と
して液晶装置を使用したが、これに限定されず、プラス
チック板１Ａ〜１Ｄの側方に光源を設け、かつ光源とプ
ラスチック板１Ａ〜１Ｄの側面部との各間に、光に色を
付与する複数のシャッタ装置を設けことにより、前述し
た光照射手段１０を構成しても良い。 この光照射手段１０のシャッタ装置は、モータにより回
転される円板の周方向に複数の貫通孔を形成し、これら
貫通孔に、互いに異なる色に着色された透明プラスチッ
ク板をそれぞれ設けているものであって、光源から発せ
られた光が透明プラスチック板を通過する際に、該透明
プラスチック板の色と同一色に着色されるものである。
そして、このような光照射手段１０においても、モータ
駆動によって光が通過する透明プラスチックを適宜変更
することによって、上述した液晶装置（図２参照）と同
様に、各プラスチック板１Ａ〜１Ｄにそれぞれ刻まれた
文字、図形を種々の色で光らせ、かつ光の色（すなわち
波長）を容易に変更することができ、これによってこれ
ら文字、図形によって例えば広告が表される場合に、該
広告をより効果的に表示することが可能となる。

【００２３】（四）上記実施例では、プラスチック板１
上に光反射部３によって広告を刻む場合について説明し
たが、これに限定されず光反射部３によって装飾用額縁
等を刻むようにしても良い。

【００２４】

【発明の効果】以上に説明したように本発明に示す電光
装置では、プラスチック積層体を構成している複数のプ
ラスチック板の側面に光照射手段から光を照射するよう
にしているので、これら文字、図形を光反射部での光反
射によって周囲から浮き上がるように電光させることが
できる。また、本発明の光照射手段では光の波長を調整
することができるので、プラスチック板に対して種々の
色の光を照射して、前述した文字、図形を種々の色で光
らせることができ、これによってこれら文字、図形によ
って例えば広告が表される場合に、該広告をより効果的
に表示することが可能となる。そして特に、この光照射
手段として、絵素単位で光の波長を調整可能な液晶装置
を使用することによって、前記文字、図形の色を容易に
変更させることができ、視覚な効果ととともに操作性に
おいても優れた効果を奏することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全体構成を示した断面図。

【図２】光照射手段１０として液晶装置を使用した場合
の例。

【図３】光照射手段１０から照射された光が光反射部３
で反射したところを示す説明図。

【図４】プラスチック板積層体２の構成を説明するため
の分解斜視図。

【図５】本発明の全体構成を示した斜視図。

【符号の説明】

１（１Ａ〜１Ｄ） 透明プラスチック板 ２ プラスチック板積層体 ３ 光反射部 ４ コーティング層 １０ 光照射手段（液晶装置） ２０ コントローラ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 板状の透明なプラスチック板を複数積層
   させて形成されるプラスチック板積層体と、 前記複数のプラスチック板の各裏面部に文字や図形を刻
   むことにより形成される光反射部と、 前記プラスチック板の表面に、前記プラスチック板より
   屈折率の大きい高分子材料をコーティングして形成され
   るコーティング層と、 前記プラスチック板積層体の側面部に設けられて、該プ
   ラスチック板積層体を構成するプラスチック板の各側面
   に対して、波長を調整可能な光を照射する光照射手段
   と、を具備することを特徴とする電光装置。
2. 【請求項２】 前記光照射手段は、プラスチック板の側
   面に対して絵素単位で光の波長を調整可能な液晶装置に
   よって構成されていることを特徴とする請求項１記載の
   電光装置。
3. 【請求項３】 前記コーティング層は、シリコーン材に
   よって形成されていることを特徴とする請求項１記載の
   電光装置。