JPH08282137A - 溶融転写型インク受像シート - Google Patents

溶融転写型インク受像シート

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JPH08282137A
JPH08282137A JP7089602A JP8960295A JPH08282137A JP H08282137 A JPH08282137 A JP H08282137A JP 7089602 A JP7089602 A JP 7089602A JP 8960295 A JP8960295 A JP 8960295A JP H08282137 A JPH08282137 A JP H08282137A
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image
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aqueous polyurethane
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JP7089602A
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English (en)
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Masakazu Hakomori
正和 箱守
Yoshio Mizuhara
由郎 水原
Tadahiro Nakada
忠洋 仲田
Masashi Oka
正史 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐ブロッキング性が良好で、記録濃度が高
く、かつ階調再現性、ドット再現性およびカラー画像鮮
明性の優れた溶融転写型インク受像シートを提供する。 【構成】 シート状支持体と、この支持体の一面上に、
撹拌により多数の微細気泡が含有されている水性ポリウ
レタン樹脂含有液から形成された多孔性インク受容層と
を有する溶融転写型インク受像シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融転写型インク受像
シートに関するものである。更に詳しく述べるならば、
本発明は熱ヘッドを用いる溶融転写型熱転写用プリンタ
ーに使用されたとき、記録濃度が高く、かつ階調再現
性、ドット再現性およびカラー画像の鮮明性が優れたプ
リントインク画像が得られる溶融転写型インク受像シー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱転写インクシートとサーマルヘッドと
を利用する熱溶融転写記録方式は、機構が簡単で保守が
容易なため、ワードプロセッサーやファクシミリ等のプ
リンターに広く用いられており、この記録方式用の受像
シートとしては、上質紙が使用されてきた。しかし近
年、熱転写記録のフルカラー化に伴い従来より高い階調
再現性を得るため、プリンターにおいてはひとつのドッ
トの大きさを変えずに階調を得る従来の方法から、各ド
ットの大きさを変更するドット可変方式に移行してお
り、また受像シートにおいては、低い印加エネルギーか
ら高い印加エネルギーにわたるフルカラー記録におい
て、溶融転写されたインクのドット形状が忠実に再現さ
れ、ドット再現性に優れ、かつ充分な量のインクが転写
され、記録濃度が高いことが、記録画像の重要な品質と
して要求されるようになっている。
【0003】上記のような熱転写画像のフルカラー化に
対して、受像シートの特性も適切に対応する必要が生じ
ている。すなわち、フルカラー熱溶融転写方式において
通常の印刷用の非塗工紙を用いると、断熱性の低さに起
因すると考えられる記録濃度の低下や、クッション性の
不足によるドット再現性不良が発生することがある。ま
た、その表面が粗すぎる場合には、インクが部分的転写
されない部分を生ずる現象、すなわちヌケが発生した
り、逆に表面が平滑すぎる場合には、インクの投錨効果
が不十分になり、転写されたインクがインクリボンに逆
転写されてしまう現象、すなわちヌケが発生しやすくな
る。これらはいずれもドット再現性不良の原因となる。
上記のようなドット再現性の不良に起因する記録濃度の
低下の他に、溶融インク受像層のインク吸収性の低さに
起因する記録濃度の低下も発生することがある。
【0004】これらの問題を解決する試みとして、支持
体上に中空粒子を含有するアンダーコート層を設けて受
像シートのクッション性を向上させることが提案されて
いる(特開平2−89690号公報、および特開昭64
−27996号公報)。しかし、この試みでは、受像シ
ートのクッション性や断熱性の改善において未だ不十分
なものであった。また、この試みには、中空粒子が受容
層の有機溶媒などに溶解する場合には、耐有機溶剤性の
高分子を中空粒子の接着剤として使用するか、あるいは
中空粒子をふくむ層上に耐有機溶剤性の高分子層を設け
ることが必要となりこれが製造上の問題を提起してい
る。
【0005】上記問題を解決するための他の試みとして
は、プラスチックを主成分とするシート状支持体上に、
水中に溶出する成分を含む樹脂層を形成し、この樹脂層
から水溶性成分を溶出除去して微細空孔を形成させ、そ
れによって受像シートのインク受容能力を向上させるこ
とも提案されている(特開平2−41287号公報)。
しかしこの場合、最高濃度が未だ不十分であり、あるい
は印画像に光沢がないなどの欠点があり、受像シートに
対して高まりつつある要求品質を十分に満足させるには
至っていない。また、この受像シートはプラスチックを
主成分としているため資源のリサイクルが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記問題点を解消し、熱転写カラープリンターに使用し
たときに、耐ブロッキング性が良好で、階調再現性、ド
ット再現性およびカラー画像の鮮明性に優れ、かつ記録
濃度の高いインク画像記録が得られる溶融転写型インク
受像シートを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の溶融転写型イン
ク受像シートは、シート状支持体と、この支持体の一面
上に、水性ポリウレタン樹脂含有液から形成された多孔
性インク受容層とを有することを特徴とするものであ
る。
【0008】本発明の溶融転写型インク受像シートにお
いて、前記ポリウレタン樹脂のJIS K−6301に
基づく100%モジュラスが50〜400Kg/cm2 であ
ることが好ましい。
【0009】さらに本発明の溶融転写型インク受像シー
トにおいて、前記多孔性インク受容層が、水性ポリウレ
タン樹脂含有液に機械的撹拌を施すことにより形成され
た多数の微細気泡を有しているものであってもよい。
【0010】前記水性ポリウレタン樹脂においてそれを
構成する全反応成分に対して、ポリオール成分として、
0.5〜50重量%の、カルボキシル基又はスルホン酸
基含有低分子ポリオールが用いられていることが好まし
い。
【0011】
【作用】溶融熱転写プリンターによる記録において、水
性ポリウレタン樹脂を主成分とし、かつ微小気泡が形成
されている多孔性インク受容層を有する受像シートを用
いると、従来の熱転写用インク受像シートよりも、ドッ
ト再現性、階調再現性およびカラー画像の鮮明性が良好
な高濃度記録が実現できる。本発明において、水性ポリ
ウレタン樹脂とは、親水性基を含み、従って、高い親水
性を示し、水中に安定に分散するポリウレタン樹脂を意
味する。
【0012】本発明において、シート状支持体上に形成
される多孔性インク受容層は、水性ポリウレタン樹脂お
よび必要により顔料を主成分として含むものである。こ
のような多孔性インク受容層は、水性ポリウレタン樹
脂、または水性ポリウレタン樹脂と顔料との混合物を含
む液状物に、機械的撹拌を施してこれに微小な多数の気
泡を形成分散含有させ、この気泡含有樹脂含有液を支持
体上に塗工して形成することができる。
【0013】本発明において、多孔性インク受容層の形
成に用いられる水性ポリウレタン樹脂は、周知の方法、
例えば、ポリイソシアネート化合物と、ポリエーテルポ
リオール、ポリエステルポリオール等の高分子量ポリオ
ール化合物と、カルボキシル基またはスルホン酸基を有
する低分子量ポリオール化合物と、鎖延長剤とおよび中
和剤とを、反応に不活性で水との親和性の大きい溶媒中
でウレタン化反応させ、次いで、これに水を加えてポリ
ウレタン樹脂を溶解することによって製造することがで
きる。このウレタン化反応は、全ての反応成分を単一工
程において反応させる一段反応であってもよく、また、
これらの反応成分の一部を先ず反応させてプレポリマー
を製造し、次いで、このプレポリマーに残余の反応成分
を反応させる二段反応であってもよい。
【0014】水性ポリウレタン樹脂を製造するために使
用されるポリイソシアネートは、脂肪族、脂環式および
芳香族のポリイソシアネートから選ぶことができ、具体
的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−
トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイ
ソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート
エステル、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフェニレンジ
イソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等を用いることが好ま
しい。
【0015】これらのポリイソシアネートは、後述する
高分子量ポリオール、カルボキシル基またはスルホン酸
基を有する低分子量ポリオールおよび鎖延長剤の活性水
素の合計当量に対し、0.8〜3倍当量、より好ましく
は1〜2倍当量の量で使用される。イソシアネートの使
用量が、前記反応成分合計当量の0.8倍当量未満の場
合には、反応生成物中に未反応ポリオール等が残存する
こととなり、また、それが3倍当量より多い場合には、
反応生成物に水を加えたときに尿素結合を多量に生成す
ることとなり、いずれの場合も得られる水性ポリウレタ
ン樹脂の特性を低下させるおそれがある。
【0016】水性ポリウレタン樹脂を製造するために使
用される高分子量ポリオールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プ
ロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオ
ール、水添ビスフェノールA、およびヒドロキシアルコ
キシビスフェノールA等の低分子量ポリオールにエチレ
ンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドを付加し
た付加反応生成物、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリエチレン/プロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポ
リオール;前記低分子量ポリオールと、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメ
チレンテトラヒドロフタル酸、およびヘキサヒドロフタ
ル酸等の多塩基酸あるいは炭酸とを縮合させた縮合反応
生成物、すなわちポリエステルポリオール、ポリカーボ
ネートポリオールおよびポリカプロラクトン等の高分子
量ポリオールを用いることができる。
【0017】カルボキシル基またはスルホン酸基を有す
る低分子量ポリオールとしては、例えば、2,2−ジメ
チロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、
2,2−ジメチロール吉草酸、1,4−ブタンジオール
−2−スルホン酸等が挙げられ、特に、2,2−ジメチ
ロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、およ
び2,2−ジメチロール吉草酸等のように、カルボキシ
ル基を有する低分子量ポリオールを用いた場合には、水
中分散性に優れた水性ポリウレタン樹脂を得ることがで
きる。
【0018】これらのカルボキシル基またはスルホン酸
基を有する低分子量ポリオールの使用量は、用いる高分
子量ポリオールおよびポリイソシアネートの種類にもよ
るが、通常は、水性ポリウレタン樹脂を構成する全ての
反応成分に対して、0.5〜50重量%であることが好
ましく、より好ましくは1〜30重量%である。その使
用量が0.5重量%未満では得られる水性ポリウレタン
樹脂含有液保存安定性が劣ることがあり、また、それを
50重量%を越えて過剰に使用すると得られる水性ポリ
ウレタン樹脂の特性に悪影響を及ぼすことがある。
【0019】ポリウレタン樹脂調製反応に用いられる、
反応に不活性で水との親和性の大きい有機溶媒として
は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン
等を挙げることができる。これらの溶媒の使用量は、通
常、水性ポリウレタン樹脂を製造するために用いられる
上記反応成分の合計量に対して、10〜100重量%で
あることが好ましい。
【0020】ポリウレタン樹脂調製において用いられる
中和剤としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N
−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等
の有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ア
ンモニア等の無機塩基が挙げられ、一般に、中和剤はカ
ルボキシル基またはスルホン酸基を中和するに十分な量
で用いられる。
【0021】ポリウレタン樹脂の調製に用いられる鎖延
長剤としては、例えば、エチレングリコール、1,2−
プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、
トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトール
等の低分子量ポリオール類、エチレンジアミン、プロピ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジア
ミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタ
ン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−
メチルピペラジン、イソホロンジアミン、メラミン、コ
ハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、および
フタル酸ジヒドラジド等のアミン類、並びに水等が挙げ
られる。これらの鎖延長剤の使用量は、目的とするポリ
ウレタン樹脂の分子量により変化するが、通常は、全反
応成分重量に対して0.5〜10重量%である。
【0022】前述のように、上記成分原料から水性ポリ
ウレタン樹脂を製造する方法は既知であり、これらの原
料の仕込み順序を適宜変更したり、あるいは分割して仕
込むことも可能である。このようにして得られた水性ポ
リウレタン樹脂溶液の濃度は、通常、樹脂固形分が1〜
90重量%、より好ましくは5〜80重量%となるよう
に調整される。
【0023】また、本発明で使用される水性ポリウレタ
ン樹脂には、その特性などに何の制限もないが、当該水
性ポリウレタン樹脂から形成されるフィルムが200〜
800Kg/cm2 の引っ張り強度、100〜1000%の
切断伸度、および50〜400Kg/cm2 の100%モジ
ュラスを示すものが好ましく、より好ましくは100%
モジュラスが70〜350Kg/cm2 のものが用いられ
る。なお、ここで引っ張り強度、切断伸度、及び100
%モジュラスは、いずれもJIS K−6301に基づ
いて測定された値である。
【0024】これらのフィルム物性の中でも、特に、1
00%モジュラスはインク受容層特性に与える影響が大
きく、100%モジュラスが50Kg/cm2 以上におい
て、特にインク受像シートを保存した場合の耐ブロッキ
ング性が向上する傾向があり、また画像の再現性も優れ
ている。また、100%モジュラスが400Kg/cm2
下の範囲で画像の再現性が向上する傾向にある。フィル
ム100%モジュラスが上記の範囲にあるような水性ポ
リウレタン樹脂は、例えば、前記鎖延長剤として3官能
以上の低分子量ポリオールまたはポリアミン化合物を用
いる方法、ポリイソシアネート成分および/または鎖延
長剤成分の比率を変化させて水性ポリウレタン樹脂のハ
ードセグメント構造の含有量を調整する方法、高分子量
ポリオールとして分子間凝集力(結晶性)が適当な化合
物を使用する方法、およびこれらの方法を適宜組み合わ
せることによって容易に製造することができる。
【0025】上記の水性ポリウレタン樹脂含有液を使用
することにより、すぐれた溶融インク受容能力を有する
多孔性インク受容層を形成することができ、耐ブロッキ
ング性を改善するとともに、記録濃度、階調再現性、ド
ット再現性、およびカラー画像の鮮明性が向上する。そ
の効果発現のメカニズムは完全に解明されていないが、
これらの効果は多孔性インク受容層の構造的特性や界面
化学的特性が深く関与しているものと考えられる。すな
わち受像シート表面部に多数の微細な孔が存在するため
に、その毛細管吸収力によるすぐれた溶融インク吸収性
(投錨効果)を示すこと、さらには多孔性インク受容層
内に含有されている多数の気孔が相互に連通している
(連続気泡を構成している)ため、多孔性インク受容層
内への溶融インクの浸透性が良好となり、高いインク受
容能力を示すようになることなどが考えられる。
【0026】また溶融インク転写による記録の際に、受
像シートのインク受容層と転写用インクリボンとは、互
に圧縮力を受けつつ密着されて、インクがインクリボン
から受容層に転写されるのであるから、多孔性インク受
容層の高い圧縮変形性も、インク受容層とインクリボン
との接触状態を良好にしているものと推定される。
【0027】さらには前記の水性ポリウレタン樹脂含有
皮膜と溶融インクとの界面化学的親水性も重要な要因と
考えられる。すなわち、水性ポリウレタン樹脂含有皮膜
と溶融インクとの間の接着性が、従来の水性樹脂から形
成された皮膜よりもすぐれているため、溶融インクの受
容能力を高めているものと推定される。したがって、本
発明のすぐれた溶融転写記録特性は、上記の多孔性イン
ク受容層の構造的特性と界面化学的特性との複合効果に
よって発現されているものと思われる。
【0028】また、記録性能の要求レベル、あるいは記
録装置の適性に合わせて、前記の水性ポリウレタン樹脂
と公知の各種水性樹脂とを混合使用することもできる。
すなわち、下記に例示するような水性樹脂の1種類以上
を前記の水性ポリウレタン樹脂と併用することができ
る。このような併用可能な水溶性、又は水中分散(乳
化)性樹脂としては、例えば、種々の分子量およびケン
化度のポリビニルアルコールおよびその誘導体、デンプ
ン、その誘導体、および、例えば酸化デンプンのような
各種加工デンプン、メトキシセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、メチルセルロース、およびエチルセル
ロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、
ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸
エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エス
テル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水
マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリアクリルアミド
およびその誘導体、およびポリエチレングリコール等の
水溶性樹脂、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、
スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン
−アクリル系共重合体、ポリ塩化ビニリデン等のラテッ
クス等の水中分散型樹脂さらには、ニカワ、カゼイン、
大豆タンパク、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム等を用
いることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0029】本発明において、多孔性インク受容層に含
ませることができる顔料としては、例えば酸化亜鉛、酸
化チタン、炭酸カルシウム、珪酸、珪酸塩、クレー、タ
ルク、マイカ、焼成クレー、水酸化アルミニウム、硫酸
バリウム、リトポン、コロイダルシリカ等の無機顔料、
ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキ
シ樹脂、スチレン−アクリル共重合体等の真球、中空あ
るいは、さまざまな形状に加工されたタイプのプラスチ
ックピグメントと称される有機顔料、並びにデンプン粉
末、セルロース粉末等を用いることができるが、これら
に限定されるものではない。また、これらの顔料は必要
に応じて単独にまたは2種以上混合して使用することが
できる。
【0030】なお、良好な溶融熱転写画像を得るために
は、多孔性インク受容層に顔料が含有されることが好ま
しく、顔料の配合量は、樹脂固形分(すなわち水性ポリ
ウレタン樹脂液、あるいは水性ポリウレタン樹脂と前記
の水性樹脂液との混合液の固形分)100重量部に対し
て、900重量部以下の範囲にあることが好ましく、よ
り好ましくは0〜100重量部である。顔料配合部数が
この範囲を超えると、必要な多孔性塗膜強度が得られ
ず、画像形成に際して塗膜剥離というトラブルを発生
し、良好な画像が得られないことが多い。
【0031】気泡形成前の水性樹脂あるいは水性樹脂お
よび顔料の混合物中には、必要に応じて公知の粘度調節
剤(いわゆる増粘剤など)、分散剤、染色剤(染料)、
耐水化剤、潤滑剤、架橋剤、可塑剤などを添加すること
ができる。多孔性インク受容層の支持体上への塗工量
は、支持体の一面上の1m2 当たりの乾燥重量が2〜4
0g(2〜40g/m2 )の範囲にあるようにするのが
好ましい。塗工量が2g/m2 より少ない場合には、支
持体の表面の粗さを十分に平滑化被覆することが困難に
なることが多く、適正な平滑性を有する受像シート表面
が得られなかったり、十分な断熱性および圧縮変形性が
得られないことがある。一方それが40g/m2 を越え
るような場合は、多孔性インク受容層の厚さが過大とな
り、多孔性インク受容層の結合強度が低下して、画像を
形成した際にこのインク受容層が剥離するなどのトラブ
ルを発生し、良好な画像が形成できないこともある。従
って多孔性インク受容層の塗工量の適正化は、樹脂含有
液組成の適正化と同様に十分な注意を払うのは当然であ
る。
【0032】本発明において多孔性インク受容層は、前
記の水性ポリウレタン樹脂含有液、あるいは水性ポリウ
レタン樹脂含有液および顔料を主成分として含む混合物
液に多数の微細気泡を形成・含有させ、これを支持体上
に塗工することによって得ることができる。気泡を形成
・含有させる方法、設備、および塗工方法には制限はな
い。また気泡を含有する水性ポリウレタン樹脂含有混合
液の気泡含有状態にも特に制限はないが、好ましくは気
泡含有液の原液に対する気泡体積比(以下発泡倍率と記
す)が1倍を超え10倍以下であることが好ましく、よ
り好ましくは1倍を超え5倍以下がよい。すなわち、発
泡倍率は気泡含有水性ポリウレタン含有樹脂液中の気泡
含有率を示す尺度であり、発泡倍率が大きくなると気泡
を構成する樹脂膜(壁)の厚さが薄くなることを意味し
ている。このように、樹脂膜が薄くなると、得られる多
孔性インク受容層の機械的強度を十分なレベルに維持す
ることが困難になることがあり、この点において、発泡
倍率と水性ポリウレタン樹脂含有混合液組成とのバラン
スには十分な注意を払うべきである。
【0033】また、気泡含有水性ポリウレタン樹脂含有
混合液中に含有された気泡の大きさは、その一部を光学
顕微鏡で写真撮影し、画像解析装置で計測することによ
って知ることができる。本発明において、気泡の大き
さ、すなわち気泡直径に特に制限はないが、平均直径が
0.5から30μmの微小気泡が分散、混合されている
ことが好ましい。
【0034】すなわち、水性ポリウレタン樹脂含有液中
の気泡の大きさは、多孔性インク受容層表面の気孔の大
きさと密接に関係しており、おおむね水性ポリウレタン
樹脂含有液中の気泡サイズが小さいほど、塗工、乾燥後
の多孔性インク受容層表面の気孔サイズも小さくなる傾
向にある。また多孔性インク受容層表面の気孔の大きさ
は、気泡形成・分散処理前の水性ポリウレタン樹脂含有
混合液の組成、すなわち材料の種類、配合比率、固形分
濃度すなわち、起泡、塗工、乾燥後に多孔性インク受容
層中の膜厚さに直接関係する成分として残存する量、あ
るいは前記の発泡倍率など種々の要因によって影響され
ることが多いが、溶融インクを転写したとき、良好な画
像を本発明の多孔性インク受容層上に形成するには、多
孔性インク受容層表面の平均気孔直径が、0.5μm以
上、30μm以下の範囲にあることが好ましく、0.5
μm以上20μm以下の範囲にあれば更に好ましい結果
を与える。気孔直径はその大きさに起因する毛細管現象
により溶融インクの捕獲する能力と関係しており、気孔
が小さいほどその能力は大きい。しかし気孔のサイズが
過大になると気孔内に転写インクが埋没したり、インク
リボンと多孔性インク受容層表面との良好な接触を阻害
するために転写不良あるいは転写むらの原因となり、ド
ット再現不良を発生して良好な画像が形成できなくな
る。なお多孔性インク受容層表面の気孔サイズは光学顕
微鏡もしくは走査型電子顕微鏡写真を用いて、前記気泡
含有水性ポリウレタン含有樹脂液中の気泡サイズと同様
の方法で計測することが可能である。
【0035】本発明において、水性ポリウレタン樹脂含
有液に気泡を形成分散含有させる方法(以下これを発泡
方法と記す)は、例えば遊星運動をしつつ回転する撹拌
翼を有する発泡機(例えば製菓用に用いられているも
の)、一般に乳化分散等に利用されているホモミキサ
ー、カウレスディゾルバー等の撹拌機、あるいは密閉系
内に空気と樹脂含有液の混合物とを連続的に送入しなが
らこれに機械的撹拌を施し、空気を微細な気泡として樹
脂含有液中に分散、混合する装置、例えば米国、ガスト
ンカウンティー社、およびオランダ、ストーク社等の連
続発泡機を用いることができるが、これらに制限される
ものではない。また機械的撹拌を施すための設備の能力
が不足であるために、所期の気泡含有状態が得られなか
ったり、あるいは気泡含有樹脂液中の気泡の安全性が不
十分な場合、これらを改善する目的で、整泡剤、発泡剤
と称されている、広範な界面活性材料の中から適宜選定
して配合することが可能である。
【0036】このような界面活性剤としては例えば、高
級脂肪酸、高級脂肪酸変性物、高級脂肪酸のアルカリ
塩、および高級脂肪酸のアミン塩等は、特に水性樹脂含
有液の発泡性を高める効果や、分散、含有させた気泡の
安全性向上効果が高いので使用することができる。これ
らの選定には全く限定はないが、水性脂含有混合液の流
動性を著しく阻害したり、塗工作業性を損なうおそれの
ある材料の使用を避けることは当然である。また、上記
整泡剤、および発泡剤などのような界面活性剤の使用量
は、水性ポリウレタン樹脂液、あるはい水性ポリウレタ
ン樹脂液と前記水性樹脂液との混合液の固形分100重
量部に対して、界面活性剤固形分0〜30重量部である
ことが好ましく、より好ましくは1〜20重量部であ
る。界面活性剤の添加量が30重量部を超えて多量にな
っても、その効果は飽和し、却って経済的に不利になる
ことが多い。
【0037】多孔性インク受容層を支持体上に形成する
ための塗工方式としては、メイヤーバー方式、グラビア
ロール方式、ロール方式、リバースロール方式、ブレー
ド方式、ナイフ方式、エアーナイフ方式、押し出し方
式、キャスト方式等の既知の方法から任意に選定するこ
とができる。
【0038】本発明の多孔性インク受容層を有する受像
シートは、その多孔性インク受容層が塗工、乾燥された
ままの状態でも良好な溶融熱転写画像を得ることが可能
であるが、これにさらに金属製ロール2段以上で構成さ
れるマシンカレンダー、あるいは金属製ロールと樹脂製
ロール、あるいは金属製ロールとコットン製ロールとの
組み合わせにより構成されるスーパーカレンダーを使用
して仕上げ処理を施し、その表面の平滑性をさらに向上
させてもよい。また塗工後、半乾燥状態もしくは乾燥状
態にある多孔性インク受像層表面に、鏡面仕上げを施し
たいわゆるキャストドラムに接触させて、その表面平滑
性を向上させてもよい。しかし過度の加圧力下で上記の
平滑仕上げ処理を施すと、多孔性インク受容層中の気泡
を取り囲む樹脂壁が破壊され、インク受容層が緻密化さ
れて、断熱性やクッション性が低下し、或はインク受容
層表面の気孔の変形や破壊が起こるため、多孔性インク
受容層の溶融インク転写性能が低下してしまうこともあ
る。従って、前記の平滑仕上げ処理に際しては処理条件
を十分に検討することが必要である。
【0039】また本発明に用いられるシート状支持体と
しては、セルロースを主成分とする紙、塗工紙、ラミネ
ート紙等の紙類をはじめとして、織布、不織布等の布類
が使用可能である。またポリオレフィン、メタクリレー
ト、酢酸セルロース等のプラスチックフィルム類、ポリ
オレフィンと顔料からなる合成紙や発泡ポリエチレンテ
レフタレートフィルム、発泡ポリプロピレンフィルム等
の多孔質合成樹脂フィルム等を使用することができる。
これらの支持体は、断熱性の良好なものほど同一印加エ
ネルギーでドット再現性が良好であり、記録濃度の増加
を達成することができ、また、同一濃度、および記録品
質を得るために必要なエネルギー量が少なくてすむた
め、省エネルギーにも有効である。またパルプを主成分
として含む紙や塗工紙を支持体として用いた場合には、
特にリサイクルが可能であるという利点もある。
【0040】さらに前記のシート状支持体上に気泡含有
水性ポリウレタン樹脂含有液を塗工して、本発明の受像
シートを製造する際、塗工、乾燥、および巻き取りなど
の工程において、シート自体がその塗工面を内側あるい
は外側にしてカールすることがある。この場合、当該シ
ートを断裁により所定寸法の画像形成用シートに加工し
たのち使用すると、画像形成装置への給紙が正常に行わ
れないことがあり、あるいは画像形成装置内部における
走行性が悪化するなどのトラブルを発生することがあ
る。また溶融転写記録方式は熱源をインクリボンと接触
せしめリボン中の染料成分を記録用シート上に転写する
方式であるため、画像形成面である気泡含有層と支持体
層の加熱に伴う収縮もしくは膨張特性の差に起因して装
置内部で受像シートにカールが発生し、前記のようなト
ラブルが起こる。このようなカールが発生すると、画像
が正常な紙面方向に対して斜めに形成されたり、装置内
部でシートにしわが発生しやすくなってインクリボンと
の接触が正常に行われずインク転写不良を起こし、その
結果、画像品質が悪化することがある。
【0041】このようなカールが原因で生じる各種のト
ラブルを防止するためには、多孔性インク受容層と支持
体層との加熱による収縮特性の差、もしくは膨張特性の
差をできる限り小さくすることが望ましい。そのために
該シートの裏面、すなわち多孔性インク受容層に対し反
対側の面にカール防止層を塗工あるいはラミネートして
もよい。このカール防止層の材料、形成方法、塗工量、
ラミネート量等にはまったく制限はなく支持体の種類、
厚さあるいは多孔性インク受容層の性状、すなわち材料
組成、発泡倍率、塗工量など種々の要因を勘案して最適
化をはかることができる。
【0042】また支持体の材料選定によっては、得られ
る受像シートが画像形成装置内で走行する際に装置の機
構上、種々の摩擦力を受けたり、加熱による装置内部の
湿度低下等の影響が単独に、あるいは複合してこの受像
シートに静電気を帯電させることがある。このような状
態において連続的の多数枚の画像形成を行うと、この受
像シートの画像形成面と、次の受像シートの裏面とが静
電気的に密着して、分離しにくくなる。とくに各種プラ
スチックシート類あるいは合成紙等は本質的に帯電しや
すい性質があるために、これらを支持体として利用する
際は、断裁によるシート化工程において、または加工後
の保管中に、静電気発生のためシートが互に分離しにく
くなる。当然のことながら紙類を支持体とした場合でも
前記のようなトラブルは発生し得る。このような帯電に
伴うトラブル防止のために、いわゆる帯電防止層を受像
シートの裏面に形成することはきわめて有効である。ま
た帯電は帯電防止材料を使用すること、あるいは該シー
ト裏面と多孔性インク受容層とのシート間の摩擦係数を
低減することにより達成することができる。従って帯電
防止層をカール防止層形成と同様に広範な材料および方
法の中から適宜選定して形成することができる。
【0043】前記のカール防止層、および帯電防止層
は、支持体の裏面に別個に形成して所期性能を得ること
は可能であるが、製造工程の簡略化、製造コストの低減
あるいは所期の機能水準等、必要に応じて材料、形成方
法を適宜選定することにより、単一層に形成して目的を
達成することができる。すなわち単一層でカール防止、
および帯電防止などのトラブル防止性能を付与すること
も可能である。従ってシート状支持体の裏面に形成され
る層の数についてはなんら制限はない。
【0044】
【実施例】下記の実施例によって、すなわち水性ポリウ
レタン樹脂の製造例およびその樹脂を主成分とする樹脂
含有混合液に機械的撹拌を施して調製した気泡含有樹脂
混合液を支持体上の一面上に塗工、乾燥して得た受像シ
ートの作製実施例によって、本発明をさらに具体的に説
明する。ただし本発明の範囲はこれらによって制限され
るものではない。なお、下記実施例、および比較例中の
「部」は特に断りのない限り「固形分重量部」を表す。
【0045】水性ポリウレタン樹脂の製造例 製造例1 1,6−ヘキサンジオール、アジピン酸およびイソフタ
ル酸から製造され、両末端に水酸基を有する平均分子量
2000のポリエステルポリオール200重量部に、ト
リメチロールプロパン6重量部、ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート(水添MDI)112重量部、およ
びN−メチルピロリドン112重量部、2,2−ビス
(ヒドロキシメチル)プロピオン酸16重量部、および
トリエチルアミン15重量部を混合し、60〜70℃で
3時間撹拌、反応させた。次に、この反応生成物に水4
30重量部およびエチレンジアミン10重量部を加え、
40〜45℃で2時間撹拌することにより、固形分濃度
38重量%の水性ポリウレタン樹脂含有液を得た。この
水性ポリウレタン樹脂含有液から得られる乾燥皮膜の物
性値は、引っ張り強度:450Kg/cm2 、切断伸度:3
00%、および100%モジュラス:280Kg/cm2
あった。
【0046】製造例2 水添MDIに代えて、イソフォロジイソシアネート10
8重量部を用いたことを除き、製造例1と同様にして、
固形分濃度37重量%の水性ポリウレタン樹脂含有液を
得た。この水性ポリウレタン樹脂含有液から得られた乾
燥皮膜の物性値は、引っ張り強度:450Kg/cm2 、切
断伸度:340%、および100%モジュラス:180
Kg/cm2 であった。
【0047】製造例3 トリメチロールプロパンに代えて、メラミン6重量部を
使用して、撹拌、反応温度90〜100℃としたことを
除き、製造例1と同様にして、固形分濃度37重量%の
水性ポリウレタン樹脂含有液を得た。この水性ポリウレ
タン樹脂含有液から得られた乾燥皮膜の物性値は、引っ
張り強度:490Kg/cm2 、切断伸度:180%、およ
び100%モジュラス:320Kg/cm2 であった。
【0048】製造例4 トリメチロールプロパンを9重量部用いたことを除き、
製造例1と同様にして、固形分濃度38重量%の水性ポ
リウレタン樹脂含有液を得た。この水性ポリウレタン樹
脂含有液から得られた乾燥皮膜の物性値は、引っ張り強
度:270Kg/cm2 、切断伸度:160%、および10
0%モジュラス:230Kg/cm2 であった。
【0049】製造例5 1,6−ヘキサンジオール、アジピン酸およびイソフタ
ル酸から製造され、両末端に水酸基を有する平均分子量
2000のポリエステルポリオールに代えて、ネオペン
チルグリコールおよびアジピン酸から製造され、両末端
に水酸基を有する平均分子量1000のポリエステルポ
リオール100重量部を用い、かつ水の添加量を310
重量部としたことを除き、製造例1と同様にして、固形
分濃度38重量%の水性ポリウレタン樹脂含有液を得
た。この水性ポリウレタン樹脂含有液から得られた乾燥
皮膜の物性値は、引っ張り強度:500Kg/cm2 、切断
伸度:180%、および100%モジュラス:330Kg
/cm2 であった。
【0050】製造例6 1,6−ヘキサンジオール、アジピン酸およびイソフタ
ル酸から製造され、両末端に水酸基を有する平均分子量
2000のポリエステルポリオール200重量部に、水
添MDI 80重量部、N−メチルピロリドン98重量
部、2,2−ビス(ヒドキシメチル)プロピオン酸10
重量部およびトリエチルアミン10重量部を加え、60
〜70℃で3時間撹拌して、反応させた。次に、この反
応生成物に水361重量部およびエチレンジアミン6重
量部を加え、40〜45℃で2時間撹拌することによ
り、固形分濃度38重量%の水性ポリウレタン樹脂含有
液を得た。この水性ポリウレタン樹脂含有液から得られ
る乾燥皮膜の物性値は、引っ張り強度:500Kg/c
m2 、切断伸度:530%、および100%モジュラ
ス:20Kg/cm2 であった。
【0051】製造例7 1,6−ヘキサンジオール、アジピン酸およびイソフタ
ル酸から製造され、両末端に水酸基を有する平均分子量
1000のポリエステルポリオール200重量部に、水
添MDI 180重量部、N−メチルピロリドン138
重量部、2,2−ビス(ヒドキシメチル)プロピオン酸
17重量部およびトリエチルアミン13重量部を加え、
60〜70℃で3時間撹拌して、反応させた。次に、こ
の反応生成物に水530重量部およびエチレンジアミン
12重量部を加え、40〜45℃で2時間撹拌すること
により、固形分濃度38重量%の水性ポリウレタン樹脂
含有液を得た。この水性ポリウレタン樹脂含有液から得
られた乾燥皮膜の物性値は、引っ張り強度:500Kg/
cm2 、切断伸度:150%、および100%モジュラ
ス:450Kg/cm2 であった。
【0052】上記の水性ポリウレタン樹脂含有率を用い
て作製された受像シートの実施例を、下記に示す。
【0053】実施例1 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度33重量
%)を、撹拌機(商標:ケンミックスアイコーPRO、
(株)愛工舎製作所製)を用いて、撹拌速度490rpm
で15分間撹拌してこれに発泡処理を施した。発泡倍率
は、4.0倍であった。
【0054】 樹脂混合液組成 製造例1で得られた水性ポリウレタン樹脂含有液 100部(固形分) 高級脂肪酸系整泡剤(商標:SNフォーム200、サンノプコ (株)製) 5部 粘度調節用(増粘用)カルボキシメチルセルロース(商標: AGガム、第一工業製薬(株)製) 10部 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡後直ちに、米坪75g
/m2 の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用いて
乾燥後の塗工量が15g/m2 となるように塗工し、乾
燥して、多孔性インク受容層を形成し受像シートを作製
した。
【0055】実施例2 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度33重量
%)を、実施例1と同様の方法で撹拌、発泡処理した後
(発泡倍率3.9倍)、塗工、乾燥して、多孔性インク
受容層(乾燥塗工量、15g/m2 )を形成し受像シー
トを作製した。
【0056】 樹脂混合液組成 製造例2で得られた水性ポリウレタン樹脂含有液 100部(固形分) 高級脂肪酸系整泡剤(商標:SNフォーム200、サンノプコ (株)製) 5部 粘度調節用(増粘用)カルボキシメチルセルロース(商標: AGガム、第一工業製薬(株)製) 10部
【0057】実施例3 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度33重量
%)を、実施例1と同様の方法で撹拌、発泡処理した後
(発泡倍率4.1倍)、塗工、乾燥して、多孔性インク
受容層(乾燥塗工量、15g/m2 )を形成し受像シー
トを作製した。
【0058】 樹脂混合液組成 製造例3で得られた水性ポリウレタン樹脂含有液 100部(固形分) 高級脂肪酸系整泡剤(商標:SNフォーム200、サンノプコ (株)製) 5部 粘度調節用(増粘用)カルボキシメチルセルロース(商標: AGガム、第一工業製薬(株)製) 10部
【0059】実施例4 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度33重量
%)を、実施例1と同様の方法で撹拌、発泡処理した後
(発泡倍率4.0倍)、塗工、乾燥して、多孔性インク
受容層(乾燥塗工量、15g/m2 )を形成し受像シー
トを作製した。
【0060】 樹脂混合液組成 製造例4で得られた水性ポリウレタン樹脂含有液 100部(固形分) 高級脂肪酸系整泡剤(商標:SNフォーム200、サンノプコ (株)製) 5部 粘度調節用(増粘用)カルボキシメチルセルロース(商標: AGガム、第一工業製薬(株)製) 10部
【0061】実施例5 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度33重量
%)を、実施例1と同様の方法で撹拌、発泡処理した
(発泡倍率3.9倍)。 樹脂混合液組成 製造例5で得られた水性ポリウレタン樹脂含有液 100部(固形分) 高級脂肪酸系整泡剤(商標:SNフォーム200、サンノプコ (株)製) 5部 粘度調節用(増粘用)カルボキシメチルセルロース(商標: AGガム、第一工業製薬(株)製) 10部
【0062】上記の気泡含有樹脂混合液を発泡後直ち
に、合成紙(商標:ユポFPG110、王子油化合成紙
(株)製)の表面上にアプリケーターバーを用いて乾燥
後の塗工量が15g/m2 となるように塗工し、乾燥し
て、多孔性インク受容層を形成し受像シートを作製し
た。
【0063】実施例6 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度33重量
%)を、実施例1と同様の方法で撹拌、発泡処理した後
(発泡倍率4.0倍)、塗工、乾燥して、多孔性インク
受容層(乾燥塗工量、15g/m2 )を形成し受像シー
トを作製した。
【0064】 樹脂混合液組成 製造例6で得られた水性ポリウレタン樹脂含有液 100部(固形分) 高級脂肪酸系整泡剤(商標:SNフォーム200、サンノプコ (株)製) 5部 粘度調節用(増粘用)カルボキシメチルセルロース(商標: AGガム、第一工業製薬(株)製) 10部
【0065】実施例7 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度33重量
%)を、実施例1と同様の方法で撹拌、発泡処理した後
(発泡倍率3.9倍)、これを塗工、乾燥して、多孔性
インク受容層(乾燥塗工量、15g/m2 )を形成し受
像シートを作製した。
【0066】 樹脂混合液組成 製造例7で得られた水性ポリウレタン樹脂含有液 100部(固形分) 高級脂肪酸系整泡剤(商標:SNフォーム200、サンノプコ (株)製) 5部 粘度調節用(増粘用)カルボキシメチルセルロース(商標: AGガム、第一工業製薬(株)製) 10部
【0067】比較例1 下記に示す組成を有する樹脂混合液(固形分濃度30重
量%)を、実施例1と同様の方法で撹拌、発泡処理した
後(発泡倍率4.5倍)、塗工、乾燥して、多孔性イン
ク受容層(乾燥塗工量、15g/m2 )を形成し受像シ
ートを作製した。
【0068】 樹脂混合液組成 スチレン−アクリル系共重合樹脂(商標:アルマテックス G202、三井東圧化学(株)製) 100部(固形分) 高級脂肪酸系整泡剤(商標:SNフォーム200、サンノプコ (株)製) 5部 粘度調節用(増粘用)カルボキシメチルセルロース(商標: AGガム、第一工業製薬(株)製) 10部
【0069】比較例2 下記の組成を有する樹脂混合液(固形分濃度30重量
%)を、実施例1と同様の方法で撹拌、発泡処理した後
(発泡倍率4.0倍)、これを塗工、乾燥して、多孔性
インク受容層(乾燥塗工量、15g/m2 )を形成し受
像シートを作製した。
【0070】 樹脂混合液組成 アクリロニトリル−ブタジエン系共重合ラテックス(商標: SX1503、日本ゼオン(株)製) 100部(固形分) 高級脂肪酸系整泡剤(商標:SNフォーム200、サンノプコ (株)製) 5部 粘度調節用(増粘用)カルボキシメチルセルロース(商標: AGガム、第一工業製薬(株)製) 10部
【0071】テスト 各実施例、および比較例において、多孔性インク受容層
の気孔サイズの測定、耐ブロッキング性、および転写イ
ンク画像の評価については、下記の方法で行なった。こ
れらの測定および評価結果を表1に示す。
【0072】気孔直径の測定方法 多孔性インク受容層表面の気孔サイズは、走査型電子顕
微鏡もしくは光学顕微鏡を使用して、受容層の表面を写
真撮影した後、表面の気孔の輪郭を正確に透明フィルム
上に黒色のペン等で描き写し、さらに、ドラムスキャナ
ー(商標:2605型ドラムスキャンデンシトメータ
ー、(株)阿部設計製)により、光学的に気孔の輪郭の
情報を読み取り、これを画像解析装置(商標:ルーゼッ
クスIII 、(株)ニレコ製)を用いて測定した。なお、
本多孔性インク受容層表面上に形成された気孔の形状
は、必ずしも真円ではないので、気孔サイズは画像解析
で得られる気孔の輪郭内の面積をもとに、円相当直径に
換算して表示した。
【0073】耐ブロッキング性 鏡面仕上げしたステンレス板(10cm角)上に、10cm
角に裁断した受像シートを、多孔性インク受容層と支持
体の裏面とが交互に接触するように10枚重ね合わせた
後、その上に受像シートの1cm2 当たり50gの荷重が
加わるように、鏡面仕上げしたステンレス板(10cm
角)と鐘とを乗せた。この状態のまま50℃、相対湿度
80%の環境下で24時間保持した後、多孔質インク受
容層と支持体の裏面を手で剥がし、その剥がれ具合を良
いものから順に◎、○、△、×の4段階で評価した。こ
のとき全く抵抗がないものを◎、ごくわずかに抵抗を示
すものを○、かなり抵抗はあるが、破損もなく剥がれる
ものを△、また糊付け状態のようになって多孔質インク
受容層が破壊されたものを×とした。
【0074】記録性能 上記実施例1〜7および比較例1,2で得られた多孔性
インク受容層を有する受像シートを20℃、相対湿度6
5%の環境下で一昼夜調湿した後、熱転写カラープリン
ター(商標:Trueprint2200、日本ビクタ
ー(株)製:本来は昇華型転写の画像形成装置である
が、溶融転写方式の画像形成もできるように改造したも
の)に供給して、その表面にインク画像を溶融転写記録
した。得られたインク転写画像についてその反射濃度を
マクベス反射型濃度計により測定するとともに下記のよ
うに目視評価した。
【0075】(1)17階調で形成されるインク画像
(黒単色画像)について、マクベス反射型濃度計RD−
914(商標)を用いて印加エネルギー別に、その反射
濃度を測定し、最高反射濃度と階調再現性とを評価し
た。階調再現性は良好に再現されているものから順に
◎、○、△、×の4段階で評価した。 (2)ドット再現性は、インクリボンから受像層に転写
されたインクのドットを観察し、階調再現性と同様に良
好に再現されているものから順に◎、○、△、×の4段
階で評価した。 (3)カラー画像の鮮明性を観察し、良好なものから順
に◎、○、△、×の4段階で評価した。 これらの評価結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】本発明により、耐ブロッキング性が良好
で、溶融転写インク画像の階調再現性、ドット再現性お
よびカラー画像鮮明性に優れ、かつ高い記録濃度が得ら
れる溶融転写インク受像シートを実用することが可能と
なり、産業界に寄与するところが大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲田 忠洋 東京都荒川区東尾久七丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 岡 正史 東京都荒川区東尾久七丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、この支持体の一面上
    に、水性ポリウレタン樹脂含有液から形成された多孔性
    インク受容層とを有することを特徴とする溶融転写型イ
    ンク受像シート。
  2. 【請求項2】 前記ポリウレタン樹脂の、JIS K−
    6301に基づく100%モジュラスが50〜400Kg
    /cm2 である、請求項1に記載の溶融転写型インク受像
    シート。
  3. 【請求項3】 前記多孔性インク受容層が、水性ポリウ
    レタン樹脂含有液に機械的撹拌を施すことにより形成さ
    れた多数の微細気泡を有している請求項1に記載の溶融
    転写型インク受像シート。
  4. 【請求項4】 前記水性ポリウレタン樹脂において、そ
    れを構成する全反応成分に対して、ポリオール成分とし
    て0.5〜50重量%のカルボキシル基またはスルホン
    酸基含有低分子量ポリオールが用いられている請求項1
    に記載の溶融転写型インク受像シート。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6261670B1 (en) 1998-06-16 2001-07-17 Oji Paper Co., Ltd. Hot melt ink transfer recording sheet and process for producing same
JP2005060690A (ja) * 2003-07-30 2005-03-10 Mitsui Takeda Chemicals Inc ポリウレタン樹脂、水性ポリウレタン樹脂、親水性改質剤、透湿性樹脂およびポリウレタン樹脂の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6261670B1 (en) 1998-06-16 2001-07-17 Oji Paper Co., Ltd. Hot melt ink transfer recording sheet and process for producing same
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