JP2005125522A - 多孔質シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱転写記録方式、インクジェット記録方式などの記録用シートとして、使用することができる多孔質シートを提供。
【解決手段】シート状支持体と、その少なくとも一面上に形成され、かつ樹脂含有皮膜からなる多孔性塗工層とを有し、前記多孔性塗工層表面の、平均気孔直径が0.5〜50μm、および開孔面積率が20〜70%であり、かつ前記多孔性塗工層表面を150℃で加熱圧着した後、その表面の75度白紙光沢度が60%以上であることを特徴とするものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、塗工層の表面および内部に多数の空隙を有し、熱転写インクの転写性、クッション性、断熱性および加熱圧着した際に白紙光沢に優れ、熱写記録方式、インクジェット記録方式などの記録用シートに使用可能な多孔質シートおよびその製造方法に関するものである。
近年、溶融熱転写方式や昇華型熱転写方式等の熱転写記録方式、又はインクジェット方式を用いたプリンターおよび複写機においては、画像のフルカラー化、高画質化が進んでおり、受像シートの使用量が増加するとともに用途も拡大されている。
熱転写プリンター、カラー複写機やカラープリンターで良好なプリント印画を得るために、記録用シートに対して様々な改良が行われている。例えば、紙や二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム等のシート状支持体上に、インク受容性樹脂を主成分として含む記録層を形成した記録用シートが用いられている。このような記録用シートは厚さが均一で柔軟性を有するため、均一な転写画像が得られる。
特許文献1には、ケイ素含有変性ポリビニルアルコールで構成されている染料受容層を有する熱転写記録用シートが開示され、特許文献2には、架橋構造を有する重合体粒子で構成されている染料受容層を有する熱転写記録用シートが開示され、特許文献3には、ウレタン樹脂と、シリコーン系マクロモノマーとビニル系単量体との共重合体とで構成された染料受容層を有する感熱転写記録用シートが開示されている。また、特許文献4には、架橋樹脂よりなる受像層を有する画像転写シートが開示されている。
しかし、これらの記録用シートでは、記録層として熱硬化性又は架橋性樹脂や、無機化合物を含有する樹脂が使用され、その構造も非多孔質であるため、記録層の熱追従性が劣る。従って、延伸フィルムや紙基材をシート状支持体として用いた記録用シートに熱転写記録などを施すと、加熱によるシート状支持体と記録層との間での収縮又は膨張特性の差異によって、記録用シートにカールやシワが発生して、プリンター内での走行性が低下したり、紙基材では表面不均一性に起因して画像ムラが生じる。また、これらの記録用シートでは、断熱性が低く、サーマルヘッドの熱が放熱し、インクリボンから記録シートへの画像の転写が有効に行われないため、画像に白抜けが生じたり、濃淡ムラが発生することがある。また、インクジェット方式など用いられるインクにより印字させて画像を得る方式では、インクの吸収が十分ではなく、光沢ムラが発生することがある。
特開平10−337965号公報 特開平10−338813号公報 特開平12−86862号公報 特開平5−127413号公報
本発明は、上記の問題点を解決し、熱転写インクの転写性、クッション性、断熱性および加熱圧着した際に白紙光沢に優れ、熱写記録方式、インクジェット記録方式などの記録用シートとして好適な多孔質シートおよびその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、シート状支持体上に形成する樹脂含有皮膜からなる多孔性塗工層の表面の平均気孔直径、開孔面積率、加熱圧着した際の白紙光沢度を適正化することにより、上記の問題点を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明に係る多孔質シートは、シート状支持体と、その少なくとも一面上に形成され、かつ樹脂含有皮膜からなる多孔性塗工層とを有し、前記多孔性塗工層表面の、平均気孔直径が0.5〜50μm、および開孔面積率が20〜70%であり、かつ前記多孔性塗工層表面を150℃で加熱圧着した後、その表面の75度白紙光沢度が60%以上であることを特徴とするものである。
また前記多孔性塗工層が、樹脂含有液に機械的攪拌を施すことにより形成された多数の微細気孔を、有していることが好ましく、前記樹脂含有皮膜が、DSCによる融解ピーク温度として50〜130℃である熱可塑性樹脂を主成分とするものであることが好ましい。
さらに、本発明に係る多孔質シートの製造方法は、DSCによる融解ピーク温度が50〜130℃である熱可塑性樹脂を含む樹脂含有液に、機械的攪拌を施し、多数の微細気孔を含有している気泡含有樹脂液を、シート状支持体の少なくとも一面上に塗工し、乾燥して、表面の平均気孔直径が0.5〜50μm、および開孔面積率が20〜70%である多孔性塗工層を形成することを特徴とするものである。
本発明は、熱転写インクの転写性、クッション性、断熱性および加熱圧着した際に白紙光沢に優れ、熱写記録方式、インクジェット記録方式などの記録用シートとして好適な多孔質シートであり、実用上極めて有用なものである。
本発明のシート状支持体上に形成される多孔性塗工層は、樹脂、または樹脂および顔料を主成分として含むものである。このような多孔性塗工層は、樹脂、または樹脂および顔料の混合物を含む液状物に、機械的攪拌などを施して、これに微小な多数の気泡を分散含有させ、この気泡含有樹脂含有液をシート状支持体上に塗設して形成することができる。
本発明において多孔性塗工層の形成に可能な樹脂としては、例えば、種々の分子量およびケン化度のポリビニルアルコールおよびその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、およびエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体,アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、ポリアクリルアミドおよびその誘導体、ポリエチレングリコール等の水溶性高分子、ポリエチレンなどのポリオレフィン類、エチレン−メタクリル酸共重合体などのアイオノマー類、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体、ポリ塩化ビニリデン等の水分散性樹脂等が例示されるが、これらに限定されるものではない。これらの樹脂は必要に応じて、単独または2種類以上混合して使用することができる。またこれらの樹脂のうち、DSCによる融解ピーク温度が50〜130℃である熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
多孔性塗工層に用いられる樹脂は、150℃で加熱圧着した後の75度白紙光沢が60%以上であるために、実質的に熱可塑性樹脂からなることが好ましく、さらに、DSCによる融解ピーク温度が50〜130℃であることが好ましい。
また、本発明において、多孔性塗工層に含有させることができる顔料としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、珪酸、珪酸塩、クレー、タルク、マイカ、焼成クレー、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、リトポン、シリカ、コロイダルシリカ等の無機顔料類、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、スチレンーアクリル共重合体等の真球状、中空状、密実型、貫通孔型あるいは種々の形状に加工されたタイプのプラスチックピグメントと称される有機顔料類、デンプン粉末、セルロース粉末等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。またこれらの顔料は必要に応じて単独にまたは2種以上、適宜混合して使用することができる。
発泡形成前の樹脂、あるいは樹脂および顔料の混合物中には、必要に応じて公知の整泡剤、発泡剤と称される界面活性剤、粘度調節剤(いわゆる増粘剤など)、分散剤、染色剤(染料)、耐水化剤、潤滑剤、架橋剤、可塑剤、および導電剤などを添加することができる。
多孔性塗工層の塗工量は、シート状支持体の一面上に2〜40g/mの範囲にすることが好ましい。塗工量が2g/mより少ない場合には、シート状支持体の表面の粗さを充分に被覆するのが困難になり、画質のざらつきが多くなる。一方それが40g/mを越えるような場合は、多孔性塗工層の厚さが過大となり、塗工層の剥離や損傷をうけ易い。従って、多孔性塗工層の塗工量の適性化は、樹脂含有液組成の適性化と同様に充分な注意を払うのは当然である。
多孔性塗工層の形成方法は、特に限定はないが、前記の樹脂含有混合液をシート状支持体の一方の面に塗工し、樹脂混合液に形成された多数の微細気泡を含有する状態で乾燥することによって好ましく得ることができる。気泡を形成、含有させる方法や設備、および塗工方法には特にな制限はない。
具体的には、多孔性塗工層をシート状支持体上に形成する方法としては、例えば次のような方法が挙げられる。(1)泡沫を包含する樹脂混合液をシート状支持体上に塗布し、塗布中あるいは塗布後に気体を発生させて気孔を形成する方法、(2)互いに接することにより、気体が発生する2種以上の成分のうち、少なくとも1種をシート状支持体に予め塗工しておき、この塗工面に他の成分を含む樹脂混合液を塗工し、発泡皮膜化させる方法、(3)1気圧より高い気圧下で気体を溶解せしめた樹脂混合液を常圧下でシート状支持体に塗布し、発泡させて気孔を形成する方法、(4)樹脂混合液に機械的攪拌を施してこれに多数の気泡を形成、分散させた気泡含有樹脂混合液をシート状支持体に塗布し、これを乾燥する方法等の方法がある。これら(1)〜(4)の何れの方法でも良いが、本発明においては(4)の方法が最も好ましい。
そこで、本発明に係る多孔質シートの製造方法は、以下の工程を含んでいなるものである。
(1)械的攪拌法により樹脂混合液に気泡を含有される工程、および、
(2)シート状支持体の一方の面上に、前記気泡を含有させた樹脂混合液を塗工して多孔性樹脂層を形成する工程。
気泡を含有する混合樹脂液の気泡含有状態には特に制限はないが、熱転写方式、インクジェット方式などの記録用シートとして用いる場合は、気泡含有樹脂液の原液に対する体積比(以下、発泡倍率と記す。)が1倍を越え10倍以下であることが好ましく、より好ましくは1.5〜3倍である。すなわち、発泡倍率は気泡含有樹脂混合液中の気泡含有率を示す尺度であり、発泡倍率が大きくなると、気泡を構成する樹脂膜(壁)の厚さが薄くなることを意味している。また、同じ発泡倍率である場合には、発泡前の樹脂含有混合液の固形分濃度が低いほど、樹脂膜が薄くなることを意味している。このように、樹脂膜が薄くなると、得られる多孔性塗工層の強度を充分なレベルに維持することが困難になることがあり、この点において、発泡倍率と樹脂含有混合液の組成とのバランスには十分な注意を払うべきである。
本発明の多孔質シートが、転写記録方式、インクジェット記録方式等の情報記録用紙として用いられた場合、すぐれた記録性能を発現する。その理由は、多孔質シートの物理的特性(構造的特性や表面平滑性)が関与しているものと考えられる。すなわち、構造特性の面から見るならば、多孔質シートの多孔性塗工層の表面には微細な孔が多数存在しているために、毛細管現象によるすぐれたインクの吸収効果と投錨効果が発現し、かつ多孔質シート内へのインクの浸透が良好となって、インクに対する高い受容能力を発現するものと考えられる。
この点において、シート状支持体上に形成された多孔性塗工層の表面における気孔の大きさが重要である。すなわち、情報記録時のインクを転写したとき、良好な画像を本発明の多孔質シート上に形成するには、多孔性塗工層の表面に分布している気孔の平均直径が0.5〜50μmであることが必要であり、好ましくは0.5〜20μmである。平均気孔直径が0.5μm未満では、インクの、多孔性塗工層内への浸透が少なく、充分な吸収能力が得られない。また、それが50μmより大きい場合には、インクが気孔中に埋没し、転写ムラが起こりやすく、ドット再現不良を生じて良好な画像が形成できなくなることがある。ただし、本発明の多孔質シートを、溶融熱転写記録方式の受像シートとして使用した場合は、溶融熱転写記録方式の機構上、上記転写ムラや埋没が起こりやすいので、多孔性塗工層表面の平均気孔直径は0.5〜30μmであることが好ましい。なお、多孔性塗工層の表面の気孔直径は、光学顕微鏡もしくは走査型電子顕微鏡写真と画像解析装置を用いて計測することができる。
また、気孔の大きさは、気泡形成・分散処理前の樹脂含有混合液の組成、すなわち材料の種類、配合比率、固形分濃度、すなわち、起泡、塗工、乾燥後に多孔性塗工層中の膜厚さに直接関係する成分として残存する量、あるいは前記の発泡倍率、塗工方法など、種々の要因によって影響されることが多いので、適正な条件の設定が必要である。さらに本発明における多孔性塗工層の表面の気孔は、気泡含有樹脂液の気泡の大きさとも関係しており、概ね樹脂含有液中の気泡が小さいほど、塗工、乾燥後の塗工層表面の気孔も小さくなるので、樹脂含有混合液の気泡含有状態には特に制限はないものの、前記の多孔性塗工層の表面と同じ大きさ、すなわち平均直径が0.5〜50μmの範囲にあるころが好ましい。
本発明において、多孔性塗工層の開孔面積率は20〜70%であることが必要である。開孔面積率は大きいほど、インクの塗工層内部への浸透性が向上するが、70%を越えると、インクの塗工層内部への浸透が過剰になり、表面の記録濃度が不十分となる。また、塗工層自体の強度が低下するおそれもある。一方、開孔面積率が20%未満では、溶融インクの塗工層内部への浸透が不十分となり、良好な画像を得ることができず、表面に凹凸が生じ光沢ムラが発生することがある。好ましくは、開孔面積率は30〜60%の範囲であり、多孔性塗工層が十分な強度を保つことができる。なお、ここで開孔面積率とは、多孔性塗工層表面の全表面積に対する、気孔によって占められる開孔部分の全面積の割合を意味する。
また、もう一つの構造面の特徴として、本発明の多孔性塗工層の断面を走査型電子顕微鏡等で観察すると、塗工層の気孔は、その気孔を取り囲む樹脂含有皮膜に多数の孔が開いており、隣接する気孔が互いに連通している(すなわち連続気孔を形成している)ことが挙げられる。従って、本発明の多孔性塗工層は、上記のような内部構造を有するために、転写されたインクが画像定着時に、塗工層の表面の気孔に浸透し、かつ、塗工層内部に捕獲されるので、高いインク受容能力を発現するものである。さらに、前記多孔性塗工層の密度は、0.1〜0.8g/cmであることが必要であり、好ましくは0.2〜0.7g/cmである。密度が0.1g/cm未満では多孔性塗工層の強度が不十分であり、0.8g/cmを越える場合には、塗工層内部空隙不足によりインクの浸透が不十分で、また、十分なクッション性、断熱性を得ることができない。
本発明において、樹脂含有液に気泡を含有分散させる方法(以下、これを発泡方法と記す。)は、例えば遊星運動をしつつ回転する攪拌翼を有する、いわゆる製菓用の発泡機、一般に乳化分散等に利用されているホモミキサー、カウレスディゾルバー等の攪拌機あるいは密閉系内に空気と樹脂含有液の混合物とを連続的に送入しながら機械的に攪拌を施し、空気を微細な気泡に分散、混合できる装置、例えば米国ガストンカウンティー社製やオランダのストーク社製等の連続発泡機を用いることができる。
また、樹脂含有液には、機械的攪拌設備の性能を補ってより高い気泡含有状態を得る目的、あるいは気泡含有中の気泡の安定性を向上する等の目的で、整泡剤、発泡剤と称される添加剤を、広範囲な界面活性作用のある材料の中から適宜選択して配合することが可能である。このような界面活性剤としては、樹脂含有液の流動や塗工作業性を考慮して適宜選定すれば良いが、特に樹脂含有液の発泡性を高める効果や分散、含有させた気泡の安定性を向上させる効果が高いことから、高級脂肪酸、高級脂肪酸変性物、高級脂肪酸のアルカリ塩等を好ましく使用できる。整泡剤や発泡剤として添加される界面活性剤の配合量(固形分)は、例えば水分散型樹脂含有液の場合、その固形分100質量部に対して0〜30質量部が好ましく、より好ましくは1〜20質量部である。30質量部を越えて配合しても、その効果は飽和し、かえって経済的に不利になることが多い。
多孔性塗工層の表面電気抵抗値を所望の範囲に調節する目的で、樹脂含有液中に、導電剤を配合することも出来る。導電剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、スチレン−マレイン酸コポリマー、第4級アンモニウム塩等が好ましく使用されるが、これらに限定されるものではない。
多孔性塗工層をシート状支持体に形成するための塗工方法としては、メイヤーバー方式、グラビアロール方式、ロール方式、リバースロール方式、ブレード方式、ナイフ方式、エアーナイフ方式、押し出し方式、キャスト方式、リップ塗工方式、ダイ塗工方式等の既知の方法から任意に選定することができる。
このようにして、シート状支持体の一方の面に樹脂含有液を均一に塗工した後、乾燥させて、多孔性塗工層を得ることができる。
本発明の多孔性塗工層を有するシートは、気泡含有樹脂混合液を塗工、乾燥したままの状態でも良好な画像、加熱圧着後に高い白紙光沢を得ることが可能であるが、さらに金属ロールおよび樹脂製ロール、あるいは金属ロールとコットン製ロールなどを適宜組み合わせて構成されるスーパーカレンダーを使用して、この多孔性塗工層に仕上げ処理を施し、その表面の平滑性をさらに向上させることができる。また塗工後、半乾燥状態もしくは乾燥状態にあるシートを、鏡面仕上げした加温あるいは非加温状態のキャストドラム等に接触させて、その表面平滑性を付与した多孔性塗工層としても良い。しかし過度の加圧力下で上記平滑仕上げ処理を施すと、多孔性塗工層の気泡を取り囲む樹脂壁が破壊され、塗工層の緻密化が生じて、断熱性やクッション性が低下するあるいは多孔性塗工層表面に気孔や破壊が起こるため、多孔性塗工層が有するすぐれた転写性能が得られなくなることもある。
また本発明に用いられるシート状支持体としては、セルロースを主成分とする紙、塗工紙、ラミネート紙等の紙類をはじめとして、織布、不織布等の布類が使用可能である。またポリオレフィン、、酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルム類、ポリオレフィンと顔料からなる合成紙、や発泡ポリエチレンテレフタレートフィルム、発泡ポリプロピレンフィルム等の多孔質合成樹脂フィルム等を使用することができる。
さらに前記のシート状支持体上に気泡含有樹脂液を塗工して、本発明の多孔質シートを製造する際、塗工、乾燥そして巻き取りなどの工程において、シート自体がその塗工面を内側あるいは外側にしてカールすることがある。この場合、当該シートを断裁により所定寸法の画像形成用シートに加工した後に使用すると、各種プリンターへの給紙が正常に行われないことがあり、あるいは該装置内部における走行性が悪化するなどのトラブルが発生することがある。特に、熱転写記録方式は、熱源をインクリボンに接触せしめてリボン中の染料成分を記録用シート上に転写する方式であるため、画像形成面を形成する樹脂層と、シート状支持体層との間の、加熱に伴う収縮の差、もしくは膨張特性の差に起因して、装置内部で受像シートにカールを発生し、前記のようなトラブルが発生する。このようなカール発生のために画像が正常な紙面方向に対して斜めに形成されたり、装置内部でシートにしわが発生しやすくなり、このためインクリボンと受像シートとの接触が正常に行われず、インク転写不良を起こし、その結果、画像品質が悪化することがある。
このようなカールが原因で生じる各種のトラブルを防止するためには、多孔性塗工層とシート状支持体層との加熱による収縮特性の差、もしくは膨張特性の差をできる限り小さくすることが望ましい。そのために該シートの裏面、すなわち多孔性塗工層に対して反対側の面にカール防止層を塗工あるいはラミネートしてもよい。このカール防止層の材料、形成方法、塗工量、ラミネート量等にはまったく制限はなく、シート状支持体の種類、厚さあるいは多孔性塗工層の性状、すなわち材料組成、発泡倍率、塗工量など種々の要因を勘案して適正化をはかることができる。
またシート状支持体の材料選定によっては、得られる多孔質シートがプリンター内で走行する際に装置の機構上、種々の摩擦力を受けたり、加熱による装置内部の湿度低下等の影響が単独に、あるいは複合してこの多孔質シートに静電気を帯電させることがある。このような状態において連続的に多数枚の画像形成を行うと、この多孔質シートの画像形成面と、次の多孔質シートの裏面とが静電気的に密着して剥がしにくくなる。とくに各種プラスチックシート類あるいは合成紙等は本質的に帯電しやすい性質があるために、これらをシート状支持体として利用する際は、断裁によるシート化工程において、または加工後の保管中に、静電気発生のためシートの表裏が剥しにくくなる。当然のことながら紙類をシート状支持体とした場合でも前記のようなトラブルは起こり得る。このような帯電に伴うトラブル防止のために、いわゆる帯電防止層を転写シートの裏面に形成することはきわめて有効である。また帯電防止材料を使用すること、あるいは該シート裏面と多孔性塗工層とのシート間の摩擦係数を低減することにより達成することができる。従って帯電防止層をカール防止層形成と同様に広範な材料および方法の中から適宜選定して形成することができる。
また、前記多孔質シートの製造後、シート状支持体の、多孔性塗工層に対し反対側の面に、多孔性塗工層面の識別のため、および企業名、商品名あるいはロゴマーク印刷のため、さらにはプリンター内での画像形成上、必要な制御用検知マークのために、各種の印刷が施される場合がある。そのため、多孔質シートの裏面に印刷適性を有する層を形成することによってインキセット性を付与することも可能である。前記のカール防止層、帯電防止層および印刷適性付与層は、シート状支持体の裏面に個別に形成して所期の性能を得ることは可能であるが、製造工程の簡略化、製造コストの低減あるいは所期の機能水準等、必要に応じて材料、形成方法を適宜選定することにより、単一層に形成して目的を達成することができる。すなわち単一層でカール防止、帯電防止および印刷適性などの機能を付与することも可能である。従ってシート状支持体の裏面に形成される層の数においてはなんら制限はない。
シート状支持体の両面に同一の多孔性塗工層を設けた場合は、両面の多孔性塗工層が同じ収縮、もしくは膨張特性を有しているので、保管環境の変動や、各種プリンター内における加熱に伴うカールが発生しにくいというメリットがある。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお以下の実施例および比較例に記載する「部」および「%」は、特に断らない限り、「質量部」および「質量%」を示す。
実施例1
(樹脂混合液1、塗料固形分25%、塗料粘度2000mPa・s)
樹脂:エチレン−メタクリル酸共重合樹脂(ケミパールS75N、三井化学社製)100部
整泡剤:高級脂肪酸系(SNフォーム200、サンノプコ社製) 10部
増粘剤:ポリエーテル系(SNシックナー612、サンノプコ社製) 2部
前記樹脂混合液1を、連続発泡機(商品名:ターボホイップTW−70、愛工舎製作所社製)を使用して、攪拌速度1200rpmで空気と混合、攪拌して、発泡倍率が2.5倍となるように発泡処理を施した。発泡処理後、直ちに、得られた気泡含有樹脂混合液を、坪量104g/mの上質紙の表面上にアプリケーターバーを用いて、乾燥後の塗工量が10g/mとなるように塗工・乾燥し、多孔質シートを作製した。得られた多孔質シートの各物性について、表1にまとめて示す。
実施例2
(樹脂混合液2、塗料固形分30%、塗料粘度2000mPa・s)
樹脂:オレフィン−アクリル樹脂(ET−1000、中央理化社製) 100部
整泡剤:高級脂肪酸系(SNフォーム200、サンノプコ社製) 10部
増粘剤:ポリエーテル系(SNシックナー612、サンノプコ社製) 2部
前記樹脂混合液2を用い、実施例1と同様にして、攪拌速度1000rpmで空気と混合、攪拌して、発泡倍率が3倍となるように発泡処理を施した。以下、実施例1と同様にして、多孔質シートを作製した。
実施例3
(樹脂混合液3、塗料固形分30%、塗料粘度2000mPa・s)
樹脂:ポリウレタン樹脂(HUX―380A、旭電化社製) 100部
整泡剤:高級脂肪酸系(SNフォーム200、サンノプコ社製) 10部
増粘剤:ポリエーテル系(SNシックナー612、サンノプコ社製) 2部
前記樹脂混合液3を用い、実施例1と同様にして、攪拌速度1000rpmで空気と混合、攪拌して、発泡倍率が3倍となるように発泡処理を施した。以下、実施例1と同様にして塗工、乾燥させた後、スーパーカレンダーを用いて、平滑処理を行い、多孔質シートを作製した。
実施例4
(樹脂混合液4、塗料固形分25%、塗料粘度3500mPa・s)
樹脂:ポリエチレン樹脂(PEM−17、サンノプコ社製) 90部
ポリビニルアルコール(PVA−205、クラレ社製) 10部
整泡剤:高級脂肪酸系(SNフォーム200、サンノプコ社製) 10部
前記樹脂混合液4を用い、実施例1と同様にして、攪拌速度1200rpmで空気と混合、攪拌して、発泡倍率が2.5倍となるように発泡処理を施した。以下、実施例1と同様にして多孔質シートを作製した。
比較例1
(樹脂混合液5、塗料固形分25%、塗料粘度2500mPa・s)
樹脂:ポリビニルアルコール(PVA−205、クラレ社製) 100部
整泡剤:高級脂肪酸系(SNフォーム200、サンノプコ社製) 10部
前記樹脂混合液5を用い、実施例1と同様にして、攪拌速度600rpmで空気と混合、攪拌して、発泡倍率が2.5倍となるように発泡処理を施した。以下、実施例1と同様にして多孔質シートを作製した。
比較例2
(樹脂混合液6、塗料固形分25%、塗料粘度2500mPa・s)
樹脂:アセトアセチル化澱粉(ペトロコートC8、大日本インキ化学工業社製)100部
整泡剤:高級脂肪酸系(SNフォーム200、サンノプコ社製) 10部
前記樹脂混合液6を用い、実施例1と同様にして、攪拌速度600rpmで空気と混合、攪拌して、発泡倍率が2.5倍となるように発泡処理を施した。以下、実施例1と同様にして多孔質シートを作製した。
比較例3
(樹脂混合液7、塗料固形分25%、塗料粘度2500mPa・s)
樹脂:エチレン−メタクリル酸共重合樹脂(ケミパールS75N、三井化学社製)50部
ポリビニルアルコール(PVA−205、クラレ社製) 50部
整泡剤:高級脂肪酸系(SNフォーム200、サンノプコ社製) 10部
前記樹脂混合液7を用い、実施例1と同様にして、攪拌速度1000rpmで空気と混合、攪拌して、発泡倍率が3倍となるように発泡処理を施した。以下、実施例1と同様にして多孔質シートを作製した。
比較例4
前記樹脂混合液1を用いて、発泡せず、実施例1と同様にして塗工、乾燥させ、シートを作製した。
なお実施例および比較例に記載した測定および評価は、下記の方法で行った。各物性の測定は、ISO規格環境下(23℃、相対湿度50%)で被測定サンプルを24時間調湿した後に行った。
<評価方法>
(1)多孔性塗工層表面の平均気孔直径、開孔面積率
多孔性塗工層の表面を、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくは光学顕微鏡を使用して撮影した後、表面の気孔の輪郭を正確に透明フィルム上に黒色のペン等で描き写し、これを画像解析装置(イメージアナライザーV10、東洋紡社製)を用いて測定した。各マスターの多孔性樹脂膜表面の気孔形状は、必ずしも真円でないので、平均孔径は画像解析で得られる気孔の輪郭内の面積をもとに、円相当径に換算して平均孔径とした。また、孔部分の占める割合(孔面積率)は、各マスター表面の全面積に対する、気孔による開孔部分の占有する面積の割合であり、次式によって算出した。
(孔部分の割合%)=(気孔による開孔部分の占有する面積)/(孔版用印刷用マスター表面の全面積)×100
(2)DSC測定(融解ピーク温度の測定)
実施例、比較例で用いた熱可塑性樹脂10mgをSII社製熱分析システム、DSC6200にセットし、N2気流中で10℃/minの昇温速度で加熱し、該樹脂の融解にともなう吸熱挙動を1次微分、2次微分で解析し、ピークまたはショルダーを示す温度を決定し、これを融解ピーク温度とした。
(3)加熱圧着
ヒートシールテスター(テスター産業社製)を用いて、多孔性塗工層表面を加熱圧着し、表面を溶融させた。加熱圧着条件:温度150℃、圧力9.8N、加圧時間0.5秒
(3)白紙光沢度の測定
JIS Z 8741に記載の方法に基づき、加熱圧着後の白紙面について入射画と受光角度が75°の条件で光沢度を測定した。光沢度の測定は光沢測定器(GM−26D型、村上色彩研究所社製)を使用した。
Figure 2005125522
本発明に係る多孔質シートは、表面および内部に多数の空隙を有し、インクまたはトナーの吸収性、クッション性、断熱性および加熱圧着した際に白紙光沢に優れ、熱転写記録方式、インクジェット記録方式などの記録用シートに好適に使用でき、実用上極めて有用なものである。

Claims (4)

  1. シート状支持体と、その少なくとも一面上に形成され、かつ樹脂含有皮膜からなる多孔性塗工層とを有する多孔質シートにおいて、前記多孔性塗工層表面の、平均気孔直径が0.5〜50μm、および開孔面積率が20〜70%であり、かつ前記多孔性塗工層表面を150℃で加熱圧着した後、その表面の75度白紙光沢度が60%以上であることを特徴とする多孔質シート。
  2. 前記多孔性塗工層が、樹脂含有液に機械的攪拌を施すことにより形成された多数の微細気孔を、有している請求項1記載の多孔質シート。
  3. 前記樹脂含有皮膜が、DSCによる融解ピーク温度として50〜130℃である熱可塑性樹脂を主成分とする請求項1〜2記載の多孔質シート。
  4. DSCによる融解ピーク温度が50〜130℃である熱可塑性樹脂を含む樹脂含有液に、機械的攪拌を施し、多数の微細気孔を含有している気泡含有樹脂液を、シート状支持体の少なくとも一面上に塗工し、乾燥して、表面の平均気孔直径が0.5〜50μm、および開孔面積率が20〜70%である多孔性塗工層を形成することを特徴とする多孔質シートの製造方法。


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