JPH1134520A - 溶融転写型インク受像シート - Google Patents

溶融転写型インク受像シート

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JPH1134520A
JPH1134520A JP9197001A JP19700197A JPH1134520A JP H1134520 A JPH1134520 A JP H1134520A JP 9197001 A JP9197001 A JP 9197001A JP 19700197 A JP19700197 A JP 19700197A JP H1134520 A JPH1134520 A JP H1134520A
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resin
receiving layer
water
sheet
image
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JP9197001A
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Shuichi Maeda
秀一 前田
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 階調再現性、ドット再現性およびカラー画像
の鮮明性に優れ、かつ記録濃度の高いインク画像記録が
得られる溶融転写型インク受像シートを提供する。 【解決手段】 シート状支持体と、このシート状支持体
の少なくとも一面上に、水分散型樹脂を主成分とする樹
脂含有液から形成された多孔性インク受容層とを有し、
前記水分散型樹脂のJIS K 5407に基づく酸価
が15〜60であり、かつ前記多孔性インク受容層の表
面の平均気孔直径が0.5〜8μmであることを特徴と
するものであり、前記水分散型樹脂は、ポリウレタン樹
脂、ウレタン−アクリル共重合体およびアクリル樹脂か
ら選ばれる少なくとも1種である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、溶融転写型イン
ク受像シートに関するものである。さらに詳しく述べる
ならば、本発明は熱ヘッドを用いる溶融熱転写型プリン
ターに使用されたとき、記録濃度が高く、階調再現性、
ドット再現性およびカラー画像の鮮明性に優れたプリン
トインク画像が得られる溶融転写型インク受像シート
(以下、受像シートという)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 熱転写インクシートとサーマルヘッド
とを利用する熱溶融転写記録方式は、機構が簡単で保守
が容易なため、ワードプロセッサーやファクシミリ等の
プリンターに広く用いられており、この記録方式に用い
られる受像シートとしては上質紙が使用されてきた。し
かし近年、熱転写記録のフルカラー化に伴い、従来より
高い階調再現性を得るため、プリンターにおいては、ひ
とつのドットの大きさを変えずに階調を得る従来の方法
から、各ドットの大きさを変更するドット可変方式に移
行しており、また受像シートにおいては、低い印加エネ
ルギーから高い印加エネルギーにわたるフルカラー記録
において、溶融転写されたインクのドット形状が忠実に
再現されるドット再現性に優れ、かつ十分な量のインク
が転写され、記録濃度が高いことが記録画像の重要な品
質として要求されるようになってきている。
【0003】上記のような熱転写画像のフルカラー化に
対して、受像シートの特性も適切に対応する必要が生じ
ている。すなわち、フルカラー熱溶融転写記録方式にお
いて通常の印刷用の非塗工紙を用いると、断熱性の低さ
に起因すると考えられる記録濃度の低下や、クッション
性の不足によるドット再現性不良が発生することがあ
る。またその表面が粗すぎる場合には、インクが転写さ
れない部分を生じる現象、すなわちヌケが発生したり、
逆に表面が平滑すぎる場合には、インクの投錨効果が不
十分になり、転写されたインクがインクリボンに逆転写
されてしまう現象、すなわちヌケが発生しやすくなる。
これらはいずれもドット再現性不良の原因となる。上記
のようなドット再現性の不良に起因する記録濃度の低下
の他に、溶融インク受像層のインク吸収性の低さに起因
する記録濃度の低下も発生することがある。
【0004】これらの問題を解決する試みとして、シー
ト状支持体上に中空粒子を含有するアンダーコート層を
設けることが提案されている(特開平2−89690号
公報、特開昭64−27996号公報参照)。しかしこ
の試みでは、受像シートのクッション性や断熱性の改善
において未だ不十分なものであった。またこの試みに
は、中空粒子が受容層の有機溶媒等に溶解する場合に
は、耐有機溶剤性のある高分子を中空粒子の接着剤とし
て使用するか、あるいは中空粒子を含む層上に耐有機溶
剤性の高分子層を設けることが必要となり、製造上の問
題があった。
【0005】上記問題を解決するための他の試みとして
は、プラスチックを主成分とするシート状支持体上に、
水に溶出する成分を含む樹脂層を形成し、この樹脂層か
ら水溶性成分を溶出除去して微細孔を形成させ、それに
よって受像シートのインク受容能力を向上させることも
提案されている(特開平2−41287号公報参照)。
しかしこの場合、最高濃度が未だ不十分であり、あるい
は印画像に光沢がない等の欠点があり、受像シートに対
して高まりつつある要求品質を満足するには至っていな
い。またこの受像シートはプラスチックを主成分として
いるため資源のリサイクルが困難でもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、従来技術
の上記問題点を解消し、溶融熱転写型プリンターに使用
したときに、階調再現性、ドット再現性およびカラー画
像の鮮明性に優れ、かつ記録濃度の高いインク画像記録
が得られる受像シートを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明の受像シート
は、シート状支持体と、このシート状支持体の少なくと
も一面上に、水分散型樹脂を主成分とする樹脂含有液か
ら形成された多孔性インク受容層とを有し、前記水分散
型樹脂のJISK 5407に基づく酸価が15〜60
であり、かつ前記多孔性インク受容層の表面の平均気孔
直径が0.5〜8μmであることを特徴とするものであ
る。また本発明の受像シートに用いる前記水分散型樹脂
が、ポリウレタン樹脂、ウレタン−アクリル共重合体お
よびアクリル樹脂から選ばれる少なくとも1種であるこ
とが好ましい。
【0008】
【発明実施の形態】 本発明者は、上記目的を達成すべ
く鋭意検討した結果、溶融熱転写型プリンターによる記
録において、水分散型樹脂を主成分する樹脂含有液から
形成され、この水分散型樹脂がJIS K 5407に
おいて特定の酸価を有し、かつ微細気泡が形成されてい
る多孔性インク受容層を有する受像シートを用いること
により、ドット再現性、階調再現性およびカラー画像の
鮮明性等が良好な高濃度記録が実現できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明において、シート状支持体上に形成
される多孔性インク受容層は、水分散型樹脂および必要
により顔料を主成分として含むものである。このような
多孔性インク受容層は、水分散型樹脂、または水分散型
樹脂と顔料との混合物を含む液状物に、機械的攪拌を施
してこれに微細な多数の気泡を形成、分散、含有させ、
この気泡含有樹脂含有液をシート状支持体上に塗工して
形成することができる。
【0010】本発明において水分散型樹脂を多孔性イン
ク受容層形成用として使用するには、多孔性インク受容
層表面に微細な気孔直径を得るため、水分散型樹脂のJ
ISK 5407における酸価が15〜60であること
が重要であり、好ましくは20〜40である。酸価が1
5未満の場合は、主成分である水分散型樹脂の疎水性が
高すぎるため安定な気泡含有液を形成できない。すなわ
ち、機械的撹拌処理で形成、分散した気泡の安定性が悪
化し、破泡や気泡同士の合一が起こりやすく、微細気泡
が保持されにくくなる。その結果、好ましい多孔性イン
ク受容層の表面上の気孔直径が得られず、受像シートの
記録性能が低下する。一方、酸価が60を越えると、親
水性が高すぎて、気泡の気液界面に水分散型樹脂が局在
化できないため、界面活性効果を発揮しにくく、結果と
して安定な泡を形成できない。また親水性が高過ぎると
増粘効果が大きくなり、機械的撹拌処理時に樹脂含有液
がゲル化してしまうこともある。
【0011】本発明において、多孔性インク受容層の形
成に用いられる水分散型樹脂とは、分子鎖の骨格中に親
水性の官能基を含有するか、または合成時に添加される
乳化剤等の界面活性剤の効果によって、媒体である水中
で安定に分散する水系エマルション、コロイド分散液
(マイクロエマルション)等のポリマーまたはオリゴマ
ーである。本発明で使用可能な水分散型樹脂としては、
例えば、ポリウレタン、ウレタン−アクリル共重合体、
スチレン−ブタジエン共重合体(SBRラテックス)、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBRラテッ
クス)、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体
(MBRラテックス)、スチレン−アクリル共重合体、
ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、
ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。これ
らの水分散型樹脂は必要に応じて、単独または2種類以
上混合して使用することができる。
【0012】本発明において、水分散型樹脂の酸価をコ
ントロールする方法については、特に限定するものでは
ないが、水分散型樹脂中のカルボキシル基またはスルホ
ン基等の親水基の含有量を合成上無理のない範囲、すな
わちエマルションを形成するのに十分で、かつ水中で分
散するが溶けない範囲で適正化することにより容易に達
成される。
【0013】また記録性能の要求レベルあるいは記録装
置の適性に合わせて、前記の水分散型樹脂と公知の各種
水性樹脂とを混合使用することもできる。すなわち、下
記に例示するような水性樹脂の少なくとも1種類を前記
の水分散型樹脂と併用することができる。水性樹脂とし
ては、例えば、種々の分子量およびケン化度のポリビニ
ルアルコールおよびその誘導体、デンプンおよび酸化デ
ンプンのような各種加工デンプン、メトキシセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、
およびエチルセルロース等のセルロース誘導体、並びに
ポリエチングリコール等の水溶性樹脂、さらには、ニカ
ワ、カゼイン、大豆タンパク、ゼラチン、アルギン酸ナ
トリウム等を用いることができるが、これらに限定され
るものではない。
【0014】本発明において、多孔性インク受容層に含
有させることができる顔料としては、例えば、酸化亜
鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、珪酸、珪酸塩、クレ
ー、タルク、マイカ、焼成クレー、水酸化アルミニウ
ム、硫酸バリウム、リトポン、コロイダルシリカ等の無
機顔料、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル共重合体等の真
球、中空あるいは、さまざまな形状に加工されたタイプ
のプラスチックピグメントと称される有機顔料やデンプ
ン粉末、セルロース粉末等を用いることができるが、こ
れらに限定されるものではない。またこれらの顔料は必
要に応じて単独にまたは2種以上混合して使用すること
ができる。
【0015】なお、本発明における多孔性樹脂塗膜は、
本質的に塗膜強度が強いとはいいがたいので、各種顔料
を配合すると塗膜強度がさらに低下して、前記のように
画像剥離を生じる等のトラブルの原因となることもあ
る。従って、水分散型樹脂含有液に各種の顔料を含有さ
せて、多孔性インク受容層を形成する場合には、受像シ
ートとしての総合的な品質を考慮して、適宜配合率を選
定する。また気泡形成前の樹脂あるいは樹脂および顔料
の混合物を含む液状物中には、必要に応じて公知の粘度
調節剤、分散剤、染色剤、耐水化剤、潤滑剤、架橋剤、
可塑剤等を添加することができる。
【0016】多孔性インク受容層のシート状支持体上へ
の塗工量は、2〜40g/m2(絶乾)であるようにす
るのが好ましい。塗工量が2g/m2未満の場合には、
シート状支持体の表面の粗さを十分に被覆するのが困難
になることがあり、適正な表面平滑性を持った受像シー
トが得られなかったり、十分な断熱性や圧縮変形性が得
られないことがある。一方それが40g/m2を越える
ような場合には、多孔性インク受容層の厚さが過大とな
り、多孔性インク受容層内の結合強度が低下して、画像
を形成した際にこの多孔性インク受容層が剥離する等の
トラブルを発生し、良好な画像が形成できないこともあ
る。従って、多孔性インク受容層の塗工量は、受像シー
トとしての総合的な品質を考慮して、適宜選定する。
【0017】本発明において多孔性インク受容層は、前
記の水分散型樹脂含有液、あるいは水分散型樹脂および
顔料を主成分として含む混合物液に多数の微細気泡を含
有させ、これをシート状支持体上に塗工し、乾燥するこ
とによって得ることができる。気泡を形成、含有させる
方法、設備および塗工方法には特に厳格な制限はない。
【0018】本発明における多孔性インク受容層の製造
においては、機械的撹拌処理によって気泡を形成、分散
させる前の樹脂含有液のB型回転粘度計を用いて、23
℃において測定した粘度が、500〜50000cps
であることが好ましく、1000〜20000cpsで
あると、さらに好ましい結果が得られる。樹脂含有液の
粘度が500cps未満の場合には、機械的撹拌処理で
形成、分散した気泡が破泡や気泡同士の合一が起こりや
すく、安定性が低下して、微細気泡が保持されにくくな
ることがある。その結果、好ましい多孔性インク受容層
の表面上の気孔直径が得られず、受像シートの記録性能
が低下することがある。機械的撹拌前の樹脂含有液を高
粘度化するほど、液中に分散された気泡のサイズは微細
化するが、50000cpsより大きくなると、気泡の
安定性に問題はないものの、気泡の形成、分散に伴って
気泡樹脂含有液の粘度が撹拌処理前よりも、さらに上昇
するため、シート状支持体の一面上への塗工性が悪化し
て、塗工ムラを生じる等の問題が起こることがある。ま
た機械的撹拌処理のために消費されるエネルギーが過大
になるので、経済的および省エネルギーの観点から不利
になる。以上のような高粘度化した場合の弊害は、親水
性の強い酸価の高い樹脂を主成分とする樹脂含有液ほど
起こりやすい。
【0019】また気泡を含有する水分散型樹脂含有液の
気泡含有状態にも特に制限はないが、一定重量の塗料で
比較した気泡含有液の原液に対する体積比である発泡倍
率(以下、発泡倍率という)が1倍を越え10倍以下で
あることが好ましく、より好ましくは1倍を越え5倍以
下である。すなわち発泡倍率は気泡含有水分散型樹脂含
有液中の気泡含有率を示す尺度であり、発泡倍率が大き
くなると、気泡を構成する樹脂膜(壁)の厚さが薄くな
ることを意味している。このように樹脂膜が薄くなる
と、得られる多孔性インク受容層の強度を十分なレベル
に維持することが困難になることがあり、この点におい
て、発泡倍率と水分散型樹脂含有混合液組成とのバラン
スから、発泡倍率を適宜選定する。
【0020】本発明における、優れた溶融インク転写適
性の発現メカニズムは、多孔性インク受容層および受像
シートの構造的特性、圧縮特性等の物理的特性が関与し
ているものと考えられる。構造特性の面においては、シ
ート状支持体上に形成された多孔性インク受像層の表面
には微細な孔が多数存在するために、毛細管現象による
溶融インクの吸収があること、さらには多孔性インク受
像層内に含有されている多数の気孔が相互に連通、すな
わち連続気泡を構成しているので、多孔性インク受像層
内への溶融インクの浸透性が良好となって、高いインク
受容能力を発現すると考えられる。
【0021】この点において、受像シート上に形成され
た多孔性インク受容層の表面の気孔の大きさは重要であ
る。すなわち溶融インクを転写したとき、良好な画像を
本発明の受像シート上に形成するには、多孔性インク受
容層の表面の平均気孔直径が0.5〜8μmであること
が必要であり、好ましくは0.5〜6μmである。気孔
直径は、その大きさ(サイズ)に起因する毛細管現象に
より溶融インクを捕獲する能力と関係しており、気孔が
小さいほどその能力は大きいが、0.5μm未満の気孔
直径を得ることは、発泡機の性能から困難である。気孔
のサイズが8μmより大きくなると、気孔内に転写イン
クが埋没したり、インクリボンと多孔性インク受容層表
面との良好な接触を阻害するために転写不良あるいは転
写むらの原因となり、またドット再現不良を起こして良
好な画像が形成できなくなる。なお多孔性インク受容層
表面の気孔直径は、光学顕微鏡もしくは走査型電子顕微
鏡写真と画像解析装置を用いて、計測することが可能で
ある。
【0022】また気孔の大きさは、気泡形成・分散処理
前の水分散型樹脂含有混合液の組成、すなわち材料の種
類、配合比率、気泡、塗工、乾燥後に多孔性インク受容
層中の膜厚さに直接関係する成分として残存する量、あ
るいは前記の発泡倍率、塗工方式等、種々の要因によっ
て影響されることが多いので、適正な条件の設定が必要
である。さらに本発明における多孔性インク受容層の表
面の気孔の大きさは、機械的攪拌によって得た気泡含有
樹脂液中の気泡の大きさとも関係しており、おおむね樹
脂含有液中の気泡が小さいほど、塗工、乾燥後のインク
受容層表面の気孔も小さくなるので、水分散型樹脂含有
混合液の気泡含有状態には特に制限はないものの、前記
の多孔性インク受容層の表面と同じ大きさ、すなわち平
均直径が0.5〜8μmの微細気泡が分散、混合されて
いることが好ましく、より好ましくは、平均直径が0.
5〜6μmである。含有された気泡の大きさは、その一
部を光学顕微鏡で写真撮影し、画像解析装置で計測する
ことが可能である。
【0023】本発明において、水分散型樹脂含有液に気
泡を形成含有分散させる方法は、例えば遊星運動をしつ
つ回転する攪拌翼を有するいわゆる製菓用の発泡機、一
般に乳化分散等に利用されているホモミキサー、カウレ
スディゾルバー等の攪拌機あるいは密閉系内に空気と樹
脂含有液の混合物とを連続的に送入しながら機械的に攪
拌を施し、空気を微細な気泡に分散、混合できる装置、
例えば米国のガストンカウンティー社やオランダのスト
ーク社等の連続発泡機を用いることができるが、特に制
限はない。また機械的攪拌を施すための設備の能力が不
足であるために、所期の気泡含有状態が得られなかった
り、あるいは気泡含有樹脂液中の気泡の安定性を向上す
る目的で、整泡剤、発泡剤と称されている広範な界面活
性剤の中から適宜選定して配合することが可能である。
【0024】このような界面活性剤としては、高級脂肪
酸、高級脂肪酸変性物、高級脂肪酸のアルカリ塩等は、
特に水分散型樹脂含有液の発泡性を高める効果や、分
散、含有させた気泡の安定性向上効果が高いので、使用
することができる。これらの選定にはまったく制限はな
いが、水分散型樹脂含有混合液の流動性を著しく阻害し
たり、塗工作業性を損なうおそれのある材料の使用は避
けるのは当然である。また上記の整泡剤や発泡剤等の界
面活性剤の使用量は、水分散型樹脂含有液、あるいは水
分散型樹脂含有液と顔料との混合液の固形分100重量
部に対して、界面活性剤固形分0〜30重量部であるこ
とが好ましく、より好ましくは1〜20重量部である。
界面活性剤の添加量が30重量部を越えて多量になって
も、その効果は飽和し、かえって経済的に不利になるこ
とがある。
【0025】多孔性インク受容層をシート状支持体上に
形成するための塗工方式としては、メイヤーバー方式、
グラビアロール方式、ロール方式、リバースロール方
式、ブレード方式、ナイフ方式、エアーナイフ方式、押
し出し方式、キャスト方式等の既知の方法から任意に選
定することができる。
【0026】本発明の多孔性インク受容層を有する受像
シートは、気泡含有樹脂液をシート状支持体上に塗工、
乾燥したままの状態でも良好な溶融熱転写画像を示すこ
とができるが、さらに金属製ロール2段以上で構成され
るマシンカレンダー、あるいは金属製ロールおよび樹脂
製ロール、あるいは金属製ロールおよびコットン製ロー
ル等を適宜組み合わせて構成されるスーパーカレンダー
を使用して、この多孔性インク受容層に仕上げ処理を施
し、その表面の平滑性をさらに向上させることができ
る。また塗工後、半乾燥状態もしくは乾燥状態にある受
像シートの多孔性インク受容層の表面を鏡面仕上げを施
した加温あるいは非加温状態のキャストドラム等に接触
させて、その表面平滑性を向上させてもよい。しかし過
度の加圧下で上記平滑仕上げ処理を施すと、多孔性イン
ク受容層中の気泡を取り囲む樹脂壁が破壊され、インク
受容層の緻密化が生じて、断熱性やクッション性の低
下、あるいはインク受容層表面の気孔の変形や破壊が起
こるため、多孔性インク受容層が有するすぐれた溶融イ
ンク転写性能が得られなくなることもある。従って前記
の平滑仕上げ処理に際しては処理条件をは適宜選定す
る。
【0027】また本発明に用いられるシート状支持体と
しては、セルロースを主成分とする紙、塗工紙、ラミネ
ート紙等の紙類をはじめとして、織布、不織布等の布類
が使用可能である。またポリオレフィン、メタクリレー
ト、酢酸セルロース等のプラスチックフィルム類、ポリ
オレフィンと顔料からなる合成紙や発泡ポリエチレンテ
レフタレートフィルム、発泡ポリプロピレンフィルム等
の多孔質合成樹脂フィルム等を使用することができる。
これらのシート状支持体は、断熱性の良好なものほど同
一印加エネルギーでドット再現性や階調再現性が良好で
あり、記録濃度の増加を達成することができ、また同一
濃度および記録品質を得るために必要なエネルギー量が
少なくてすむため、省エネルギーにも有効である。また
パルプを主成分として含む紙や塗工紙をシート状支持体
として用いた場合には、特にリサイクルが可能であると
いう利点もある。
【0028】さらに前記のシート状支持体上に気泡含有
水分散型樹脂含有液を塗工して、本発明の受像シートを
製造する際、塗工、乾燥および巻き取り等の工程におい
て、受像シート自体がその塗工面を内側あるいは外側に
してカールすることがある。この場合、当該受像シート
を断裁により所定寸法の画像形成用受像シートに加工し
たのちに使用すると、溶融熱転写型プリンターへの給紙
が正常に行われないことがあり、あるいは溶融熱転写型
プリンター内部における走行性が悪化する等のトラブル
を発生することがある。また溶融転写記録方式では、熱
源をインクリボンと接触させ、リボン中の染料成分を受
像シート上に転写する方式であるため、画像形成面であ
る多孔性インク受容層と、シート状支持体層の加熱に伴
う収縮の差、もしくは膨張特性の差に起因して、受像シ
ートが装置内部でカールを発生し、前記のようなトラブ
ルが発生する。このようなカール発生のために画像が正
常な紙面方向に対して斜めに形成されたり、装置内部で
受像シートにしわが発生しやすくなり、このためインク
リボンと受像シートとの接触が正常に行われず、インク
転写不良を起こし、その結果、画像品質が悪化すること
がある。
【0029】このようなカールが原因で生じる各種のト
ラブルを防止するためには、多孔性インク受容層とシー
ト状支持体層との加熱による収縮特性の差、もしくは膨
張特性の差をできる限り小さくすることが望ましい。そ
のために受像シートの裏面、すなわち多孔性インク受容
層の反対面にカール防止層を塗工あるいはラミネートし
てもよい。このカール防止層の材料、形成方法、塗工
量、ラミネート量等にはまったく制限はなく、シート状
支持体の種類、厚さ、あるいは多孔性インク受容層の性
状、すなわち材料組成、発泡倍率、塗工量等の種々の要
因を勘案して最適化をはかることができる。
【0030】またシート状支持体の材料選定によって
は、得られる受像シートがプリンター内で走行する際に
装置の機構上、種々の摩擦力を受けたり、加熱による装
置内部の湿度低下等の影響が単独に、あるいは複合して
この受像シートに静電気を帯電させることがある。この
ような状態において連続的に多数枚の画像形成を行う
と、この受像シートの画像形成面と、次の受像シートの
裏面とが静電気的に密着して剥れにくくなる。特に各種
プラスチックシート類あるいは合成紙等は本質的に帯電
しやすい性質があるために、これらをシート状支持体と
して使用する際は、断裁によるシート化工程において、
または加工後の保管中に、静電気発生のためシートの表
裏が剥れにくくなる。当然のことながら紙類をシート状
支持体とした場合でも前記のようなトラブルは起こり得
る。このような帯電に伴うトラブル防止のために、いわ
ゆる帯電防止層を受像シートの裏面に形成することはき
わめて有効である。また帯電は帯電防止材料を使用する
こと、あるいは受像シート裏面と多孔性インク受容層と
のシート間の摩擦係数を低減することにより達成するこ
とができる。従って帯電防止層をカール防止層形成と同
様に広範な材料および方法の中から適宜選定して形成す
ることができる。
【0031】前記のカール防止層、および帯電防止層
は、シート状支持体の裏面に個別に形成して所期性能を
得ることは可能であるが、製造工程の簡略化、製造コス
トの低減あるいは所期の機能水準等、必要に応じて材
料、形成方法を適宜選定することにより、単一層に形成
して目的を達成するすることができる。すなわち単一層
でカール防止、および帯電防止等のトラブル防止性能を
付与することも可能である。従ってシート状支持体の裏
面に形成される層の数においてはなんら制限はない。
【0032】
【実施例】 下記実施例によって本発明をさらに具体的
に説明する。ただし本発明はこれらによって制限される
ものではない。なお、実施例および比較例中の「部」は
全て「水分散型樹脂の固形分に対する重量部」を表す。
【0033】水分散型樹脂の製造例 製造例1 1,6−ヘキサンジオール、アジピン酸およびイソフタ
ル酸から製造され、両末端に水酸基を有する平均分子量
2000のポリエステルポリオール200重量部に、ト
リメチロールプロパン6重量部、ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート(水添MDI)112重量部、およ
びN−メチル−2−ピロリドン112重量部、2,2−
ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸20重量部、お
よびトリエチルアミン19重量部を混合し、60〜70
℃で4時間撹拌、反応させた。次に、この反応生成物に
水430重量部およびエチレンジアミン10重量部を加
え、40〜45℃で3時間撹拌することにより、固形分
濃度37重量%の水分散型ポリウレタン樹脂含有液を得
た。この水分散型ポリウレタン樹脂の酸価は30であっ
た。
【0034】製造例2 2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の配合
量を20重量部から38重量部に、トリエチルアミンの
配合量を19重量部から37重量部に代えたことを除
き、製造例1と同様にして、酸価57の水分散型ポリウ
レタン樹脂含有液を得た。
【0035】製造例3 2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の配合
量を20重量部から8重量部、トリエチルアミンの配合
量を19重量部から8重量部に代えたことを除き、製造
例1と同様にして、酸価12の水分散型ポリウレタン樹
脂含有液を得た。
【0036】製造例4 2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の配合
量を20重量部から45重量部、トリエチルアミンの配
合量を19重量部から44重量部に代えたことを除き、
製造例1と同様にして、酸価64の水分散型ポリウレタ
ン樹脂含有液を得た。
【0037】製造例5 メチルエチルケトン30重量部、アクリル酸n−ブチル
47重量部、アクリル酸7重量部を70〜80℃で1時
間撹拌後、アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を
メチルエチルケトン2部に溶解したものを加え重合を開
始し、アクリル酸n−ブチル21重量部のメチルエチル
ケトン20重量部溶液、およびアゾビスイソブチロニト
リル0.2重量部のメチルエチルケトン10重量部溶液
を添加した。3時間熟成後、トリエチルアミン11重量
部を加え中和し、次いで水200部を加えた後、減圧下
でメチルエチルケトンを留去し、固形分30%のアクリ
ル樹脂を得た。このアクリル樹脂の酸価は62であっ
た。
【0038】実施例1 下記に示す組成を有する水分散型ポリウレタン樹脂含有
液(固形分濃度:30重量%)を、連続発泡機(商標:
ターボホィップTW−70、愛工舎製作所社製)を使用
し、攪拌速度1500rpmで、発泡倍率3.0倍に発
泡処理を行った。 樹脂混合液組成 水分散型ポリウレタン樹脂:製造例1の樹脂 100部 高級脂肪酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 2部 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、米坪7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し受像シート
を作製した。
【0039】実施例2 下記に示す組成を有する水分散型ポリウレタン樹脂含有
液(固形分濃度:30重量%)を、連続発泡機(商標:
ターボホィップTW−70、愛工舎製作所社製)を使用
し、攪拌速度1500rpmで、発泡倍率3.0倍に発
泡処理を行った。 樹脂混合液組成 水分散型ポリウレタン樹脂:製造例2の樹脂 100部 高級脂肪酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 2部 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、米坪7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し受像シート
を作製した。
【0040】実施例3 下記に示す組成を有す水分散型ポリウレタン樹脂含有液
(固形分濃度:30重量%、酸価36)を、連続発泡機
(商標:ターボホィップTW−70、愛工舎製作所社
製)を使用し、攪拌速度1500rpmで、発泡倍率
3.0倍に発泡処理を行った。 樹脂混合液組成 水分散型ポリウレタン樹脂: (商標:NeoRez R−940、ゼネカ社製) 100部 高級脂肪酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 2部 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、米坪7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し受像シート
を作製した。
【0041】実施例4 下記に示す組成を有する水分散型アクリル樹脂含有液
(固形分濃度:30重量%、酸価31)を、連続発泡機
(商標:ターボホィップTW−70、愛工舎製作所社
製)を使用し、攪拌速度1500rpmで、発泡倍率
3.0倍に発泡処理を行った。 樹脂混合液組成 水分散型アクリル樹脂: (商標:ボンロンA−260、三井東圧化学社製) 100部 高級脂肪酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 2部 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、米坪7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し受像シート
を作製した。
【0042】実施例5 下記に示す組成を有する水分散型アクリル樹脂含有液
(固形分濃度:30重量%、酸価20)を、連続発泡機
(商標:ターボホィップTW−70、愛工舎製作所社
製)を使用し、攪拌速度1500rpmで、発泡倍率
3.0倍に発泡処理を行った。 樹脂混合液組成 水分散型アクリル樹脂: (商標:ボンロンS−482TBF、三井東圧化学社製) 100部 高級脂肪酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 2部 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、米坪7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し受像シート
を作製した。
【0043】実施例6 下記に示す組成を有する水分散型ウレタン−アクリル樹
脂含有液(固形分濃度:30重量%、酸価16)を、連
続発泡機(商標:ターボホィップTW−70、愛工舎製
作所社製)を使用し、攪拌速度1500rpmで、発泡
倍率3.0倍に発泡処理を行った。 樹脂混合液組成 水分散型ウレタン−アクリル樹脂: (商標:NeoRez R−9000、ゼネカ社製) 100部 高級脂肪酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 1部 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、米坪7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し受像シート
を作製した。
【0044】比較例1 下記に示す組成を有する水分散型ポリウレタン樹脂含有
液(固形分濃度:30重量%、酸価12)を、連続発泡
機(商標:ターボホィップTW−70、愛工舎製作所社
製)を使用し、攪拌速度1500rpmで、発泡倍率
3.0倍に発泡処理を行った。 樹脂混合液組成 水分散型ポリウレタン樹脂:製造例3の樹脂 100部 高級脂肪酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 2部 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、米坪7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し受像シート
を作製した。
【0045】比較例2 下記に示す組成を有する水分散型ポリウレタン樹脂含有
液(固形分濃度:30重量%、酸価64)を、連続発泡
機(商標:ターボホィップTW−70、愛工舎製作所社
製)を使用し、攪拌速度1500rpmで、発泡倍率
3.0倍に発泡処理を行った。 樹脂混合液組成 水分散型ポリウレタン樹脂:製造例4の樹脂 100部 高級脂肪酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 2部 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、米坪7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し受像シート
を作製した。
【0046】比較例3 下記に示す組成を有する水分散型アクリル樹脂含有液
(固形分濃度:30重量%、酸価14)を、連続発泡機
(商標:ターボホィップTW−70、愛工舎製作所社
製)を使用し、攪拌速度1500rpmで、発泡倍率
3.0倍に発泡処理を行った。 樹脂混合液組成 水分散型アクリル樹脂: (商標:DICNAL RS−520、大日本インキ化学工業社製)100部 高級脂肪酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 2部 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、米坪7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し受像シート
を作製した。
【0047】比較例4 下記に示す組成を有する水分散型アクリル樹脂含有液
(固形分濃度:30重量%)を、連続発泡機(商標:タ
ーボホィップTW−70、愛工舎製作所社製)を使用
し、攪拌速度1500rpmで、発泡倍率3.0倍に発
泡処理を行った。 樹脂混合液組成 水分散型アクリル樹脂:製造例5の樹脂 100部 高級脂肪酸系整泡剤 (商標:SNフォーム200、サンノプコ社製) 5部 粘度調節用(増粘剤)カルボキシメチルセルロースナトリウム (商標:AGガム、第一工業製薬社製) 2部 上記の気泡含有樹脂混合液を発泡処理後直ちに、米坪7
5g/m2の上質紙の表面上にアプリケーターバーを用
いて乾燥後の塗工量が10g/m2となるように塗工
し、乾燥して、多孔性インク受容層を形成し受像シート
を作製した。
【0048】テスト 各実施例、および比較例において用いた水分散型樹脂の
特性、および得られた多孔性インク受像層を有する受像
シートについて、下記のような方法で測定、評価を行
い、その結果を表1に示した。
【0049】〔気孔直径の測定方法〕多孔性インク受容
層の表面の気孔直径は、走査型電子顕微鏡もしくは光学
顕微鏡を使用して、受容層の表面を写真撮影した後、表
面の気孔の輪郭を正確に透明フィルム上に黒色のペン等
で描き写し、さらにドラムスキャナー(商標:2605
型ドラムスキャンデンシトメーター、阿部設計社製)に
より、光学的に気孔の輪郭の情報を読み取り、これを画
像解析装置(商標:ルーゼックスIII、ニレコ社製)を
用いて測定した。なお多孔性インク受容層表面上に形成
された気孔の形状は、必ずしも真円ではないので、気孔
直径は画像解析で得られる気孔の輪郭内の面積をもと
に、円相当直径に換算して表示した。
【0050】〔記録性能〕上記実施例1〜7および比較
例1〜3で得られた多孔性インク受容層を有する受像シ
ートについて20℃、相対湿度65%の環境下で一昼夜
調湿した後、熱転写カラープリンター(商標:True
print2200、日本ビクター社製:本来は昇華型
転写の画像形成装置だが、溶融転写方式の画像形成もで
きるように改造した)に供給して、その表面にインク画
像を溶融転写記録した。得られたインク転写画像につい
て下記のように、その反射濃度をマクベス反射型濃度計
により測定するとともに目視評価した。なお、下記評価
基準において、○レベルは良好で実用に適するが、△お
よび×レベルは不十分で実用に適さないと判定した。 (1)17階調で形成されるインク画像(黒単色画像)
について、マクベス反射型濃度計RD−914(商標)
を用いて印加エネルギー別に、その反射濃度を測定し、
最高反射濃度と階調再現性とを評価した。階調再現性は
良好に再現されているものから順に○、△、×の3段階
で評価した。 (2)ドット再現性は、インクリボンから受容層に転写
されたインクのドットを観察し、階調再現性と同様に良
好に再現されているものから順に○、△、×の3段階で
評価した。 (3)カラー画像の鮮明性を観察し、良好なものから順
に○、△、×の3段階で評価した。 (4)剥離状態は、受容層上に形成された画像を観察
し、インクの剥離のない良好なものから順に、○、△、
×の3段階で評価した。これらの評価結果を表1に示
す。
【0051】
【表1】
【0052】本発明に係る酸価が15〜60の範囲にあ
る水分散型樹脂を用いた受像シート(実施例1〜6)
は、表面気孔が小さい多孔性インク受容層の形成が可能
で、結果として高い反射記録濃度が得られることが明ら
かになった。
【0053】
【発明の効果】 本発明により、記録濃度が高く、階調
再現性、ドット再現性およびカラー画像鮮明性に優れる
溶融転写型インク受像シートを実用することが可能とな
り、産業界に寄与するところが大である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、このシート状支持体
    の少なくとも一面上に、水分散型樹脂を主成分とする樹
    脂含有液から形成された多孔性インク受容層とを有し、
    前記水分散型樹脂のJIS K 5407に基づく酸価
    が15〜60であり、かつ前記多孔性インク受容層の表
    面の平均気孔直径が0.5〜8μmであることを特徴と
    する溶融転写型インク受像シート。
  2. 【請求項2】 前記水分散型樹脂が、ポリウレタン樹
    脂、ウレタン−アクリル共重合体およびアクリル樹脂か
    ら選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の溶融転
    写型インク受像シート。
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