JPH08281436A - T継手の2電極水平すみ肉潜弧溶接方法 - Google Patents

T継手の2電極水平すみ肉潜弧溶接方法

Info

Publication number
JPH08281436A
JPH08281436A JP2750796A JP2750796A JPH08281436A JP H08281436 A JPH08281436 A JP H08281436A JP 2750796 A JP2750796 A JP 2750796A JP 2750796 A JP2750796 A JP 2750796A JP H08281436 A JPH08281436 A JP H08281436A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pole
welding
electrode
fillet
web
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2750796A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoya Hayakawa
直哉 早川
Shuichi Sakaguchi
修一 阪口
Mitsuji Sugizaki
光嗣 杉崎
Matsushige Nakajima
松重 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KAWATETSU METAL FAB KK
JFE Steel Corp
Original Assignee
KAWATETSU METAL FAB KK
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KAWATETSU METAL FAB KK, Kawasaki Steel Corp filed Critical KAWATETSU METAL FAB KK
Priority to JP2750796A priority Critical patent/JPH08281436A/ja
Publication of JPH08281436A publication Critical patent/JPH08281436A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)
  • Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接H形鋼の製造を高能率化する。 【構成】 ウエブを水平姿勢とし、部分溶け込み法ある
いは完全溶け込み法により、2電極のすみ肉潜弧溶接を
行う。先行電極と後行電極のワイヤ径、電流比、電圧、
傾度、角度、極間距離、フランジとの最短距離等を一定
範囲に規制することによりアンダーカットやオーバラッ
プ等の欠陥なしに高能率の製造を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接H形鋼の製造
等における厚鋼板のT継手のすみ肉溶接を高能率で水平
姿勢で行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】H形鋼には熱間圧延で製造される圧延H
形鋼と、厚鋼板を組み立て、溶接して製造される溶接H
形鋼とがある。後者はビルトHとも呼ばれ、肉厚、幅等
の寸法を任意に選定できる利点もあって、高層建築用等
の大寸法のものに溶接H形鋼が採用される場合が多い。
【0003】溶接H形鋼の製造には、通常2電極潜弧溶
接法による下向きすみ肉溶接が採用されている。この溶
接法は、T継手のすみ肉溶接としてごく一般的なもので
ある。また、薄鋼板に水平すみ肉溶接を施した例とし
て、以下のものがある。特公昭52-40299号公報に記載の
発明は、下塗り塗料等の溶接上有害な塗料が塗布された
鋼板のすみ肉溶接において、ピットやブローホール等の
溶接欠陥を発生させない溶接法に関するものであって本
発明とは直接関わりがないが、同公報には従来技術の説
明として、 3.2mm以上の太径ワイヤを使用し、図4
(a)に示すように先行電極(以下略記する場合L極と
いう)4Lの傾斜角度を水平に対して40〜60°とし、
(b)に示すように後行電極(以下略記する場合T極と
いう)4Tの傾斜角度を35〜55°程度としてほぼ二等辺三
角形状の多層肉盛りを行うことが記載されている。
【0004】また、特開昭57-68268号公報には、例えば
タンク側板とアニュラー板との間のすみ肉溶接におい
て、溶接部の止端部形状をよりなだらかなものにするた
めに、先行電極と側板、後行電極と側板の各々の最短距
離の関係を規定し、後行電極の傾斜角度を60〜90°とし
て図5に示すように1プールで溶接する方法が記載され
ている。
【0005】溶接H形鋼の場合、従来、ウエブ厚16mm以
下の比較的薄いサイズのものの場合は、ウエブとフラン
ジとを互いに十分溶け込ませるよりも、溶接部の脚長を
大きくすることによって溶接強度を確保してきた。この
ためウエブ側、フランジ側とも脚長は板厚と同等以上と
し、図6に示すようにほぼ二等辺三角形状の1パス溶接
盛りが行われている。図6は溶接部を示す模式図で、1
はウエブ、2はフランジ、3は溶接部(溶接金属)であ
る。
【0006】一方、ウエブ厚が16mmを超える溶接H形鋼
の場合は、肉盛りによる強度確保のみでは不十分で、ウ
エブ厚みの 1/3以上の部分溶け込みと 1/3以上のフラン
ジ側脚長、または完全溶け込みと 1/4以上のフランジ側
脚長によって強度を確保しなければならない。このため
1パスで溶接を行う場合には、大入熱による潜弧溶接が
必要である。ところが、水平姿勢で大入熱溶接を行う
と、図7(a)に示すようにフランジ側にアンダーカッ
ト、(b)に示すようにウエブ側にオーバラップなどの
溶接欠陥が発生する。その解決策としてさきの図6に示
したようにウエブ側に開先加工を施し、図8に示すよう
に被溶接物を傾けて下向きで表溶接を行い、反転して裏
ガウジング、グラインダ仕上げした後、被溶接物を反転
したままの傾けた状態で下向き姿勢による裏側の溶接を
行う方法が一般にとられてきた。図8はこの方法を示す
概念図で、1はウエブ、2はフランジ、4は電極であ
る。
【0007】しかしこの方法では作業ごとに被溶接物の
反転や移動をともない、また開先加工、ガウジング、グ
ラインダ仕上げ等の工程が不可欠であり、省力化はもと
よりアークタイム率を向上させることが困難であった。
近年、高層ビルに代表される構造物の大型化に伴い、使
用される鋼材寸法も大型化しており、梁として使用され
るH形鋼の板厚も増大している。H形鋼の製造時間も長
大化したため、H形鋼生産の高能率化が新たな課題とな
ってきている。このような背景から、本発明者らは厚鋼
板のT継手の一層すみ肉潜弧溶接方法について鋭意研究
を重ね、その一端が特開平5-57448 号公報および特開平
5-237659号公報により公開されている。
【0008】特開平5-57448 号公報に記載の厚鋼板の高
能率すみ肉溶接方法は、図9に示すようにウエブ1に板
厚に応じた深さの開先を加工し、板厚に応じて完全溶け
込みまたは部分溶け込みとして両側1パスの2電極潜弧
溶接を行うものである。焼成型フラックスを使用し、先
行電極と後行電極との電流比を0.65〜1.00とし、先行電
極には後退角を、後行電極には前進角を付与する。ま
た、特開平5-237659号公報に記載の厚鋼板の高能率すみ
肉溶接方法は、開先を設けず、フラックスとワイヤの組
成を限定して同様の溶接を行うものである。
【0009】これらの方法によれば従来必要であったガ
ウジング、グラインダ仕上げ、あるいは開先加工の工程
が省略できるため、従来方法と比較して厚鋼板のH形鋼
製造の飛躍的な高能率化が可能となった。しかしこの方
法の場合も、被溶接物を約30〜70°傾け、前記の図8と
同様に、下向き姿勢として溶接を行わねばならない。し
たがって1本のH形鋼を製造するために合計4回の溶接
を行い、溶接する毎に被溶接物を反転する作業を行う必
要がある点では従来法と変わりがない。またこの方法に
おいては、被溶接物を傾斜、回転させるポジショナが必
須であり、これがないと作業は一層非能率的なものとな
ってしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記諸問題の
解決を目的とし、具体的には厚肉H形鋼の溶接組み立て
時にウエブを水平に保持したまま、アンダーカットやオ
ーバラップの溶接欠陥なしに十分な溶込み深さとフラン
ジ側脚長をもつ溶接を行うことにより、被溶接物を傾け
る作業を省略し、溶接H形鋼を高能率に製作することを
目的とし、さらにウエブ両端のT継手における2本の溶
接線を同一方向に並行して溶接することにより、溶接H
形鋼の製造を大幅に高能率化することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、ウエブ材が厚鋼板であるT継手の一層すみ肉溶接に
おいて、ウエブを水平姿勢とし、すみ肉溶接を下記の溶
接条件により行うことを特徴とするT継手の2電極水平
すみ肉潜弧溶接方法である。 記 L極ワイヤ径: 3.2〜6.4mm 、T極ワイヤ径: 3.2〜7.
0mm 、L極電流とT極電流の比(IT /IL ): 0.6〜
1.0 、L極電圧(VL ):VL ≦45V、T極電圧
(VT ):VT ≦50V、L極電極傾度(a):3〜30
°、T極電極傾度(b):3〜35°、L極電極角度
(c):−10〜+10°、T極電極角度(d):0〜30
°、L極とT極の極間距離(l):10〜120mm 、L極と
フランジの最短距離(e): 0〜10mm、T極とフランジ
の最短距離(f):1〜13mm。
【0012】請求項2に記載の本発明は、ウエブ材が板
厚16mm超え32mmまでの厚鋼板であり、すみ肉溶接が部分
溶け込み法による開先加工なしのすみ肉溶接である請求
項1に記載のT継手の2電極水平すみ肉潜弧溶接方法で
ある。請求項3に記載の本発明は、ウエブ材が板厚
(t)16mm超え60mmまでの厚鋼板であり、すみ肉溶接が
ウエブの端部両面に開先角度30〜65°、板厚に対して
(1/5 〜1/3 )t深さのレ型開先を設けた部分溶け込み
法によるすみ肉溶接である請求項1に記載のT継手の2
電極水平すみ肉潜弧溶接方法である。
【0013】請求項4に記載の本発明は、ウエブ材が板
厚(t)16mm超え60mmまでの厚鋼板であり、すみ肉溶接
がウエブの端部両面に開先角度30〜65°、板厚に対して
(1/5 〜5/12)t深さのレ形開先を設けた完全溶け込み
法によるすみ肉溶接である請求項1に記載のT継手の2
電極水平すみ肉潜弧溶接方法である。請求項5に記載の
本発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の一層す
み肉溶接を、ウエブ両端のT継手において同時に行うこ
とを特徴とする溶接H形鋼の製造におけるT継手の2電
極水平すみ肉潜弧溶接方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の手段たる構成なら
びに作用を詳細に説明する。本発明者らは厚鋼板を組み
立てて製造する溶接H形鋼を水平姿勢に保持したまま効
率良くすみ肉溶接する方法について鋭意研究を行った結
果、以下の知見を得た。
【0015】1パスで溶け込みと脚長を得るために必然
的に多電極の大入熱溶接となり、フランジ側にはメタル
の垂れ落ちによるアンダーカット、ウエブ側のビード止
端部にはメタルの垂れ落ちによるオーバラップが発生し
やすい。しかし電極配置および電流値、電圧値等の溶接
条件を適切に選定することにより、必要な溶け込みを確
保し、かつ十分な脚長と滑らかなビード止端部の得られ
る溶接方法が可能であることがわかった。
【0016】部分溶け込みの場合はウエブ厚の 1/3以
上、完全溶け込みの場合はウエブ厚の1/2以上の溶込み
深さが要求される場合が多い。開先なし部分溶込み溶接
の適用はウエブ材の板厚32mmまでが限度である。32mmを
超えるとウエブ厚の 1/3以上の溶込み深さを得るために
必然的に先行電極の電流値が大きくなり、溶着量が過剰
になるため溶接ビードのオーバラップの防止が困難にな
る。
【0017】ウエブ材の板厚が16〜60mmで、部分溶込み
溶接とする場合において、開先深さが 1/3を超えて深く
なると溶接量が増大して不経済であり、 1/5より浅けれ
ば溶け込み不足となる。また開先角度が30°を超えて狭
くなると溶け込み不足やスラグ巻き込み、割れが発生し
やすく、65°を超えて広くなると不経済であるばかりで
なく、開先の溶け残りが発生するので好ましくない。
【0018】またウエブ材の板厚が16〜60mmで、完全溶
込み溶接とする場合においては、開先深さが5/12を超え
て深くなると溶け落ちの危険があり、 1/5より浅くなる
と溶込み不足が発生するのでいずれも好ましくない。次
に溶接条件について説明する。L極の機能は主に所定の
溶け込み深さを得ることであり、T極の機能はビード形
状を整えることにある。特に水平すみ肉溶接で発生する
アンダーカットやオーバラップを防止するにはT極電極
配置と電流−電圧、ワイヤ径の選択が極めて重要とな
る。すなわちL極では溶け込みを得るために細径のワイ
ヤ径を選択し、T極では過剰な溶着量をつけず、なだら
かなビード形状を得るために太径のワイヤを選択するの
が好ましい。
【0019】L極ワイヤ径が 3.2mmより細ければ溶込み
先端のビード幅が狭くなり、溶込み不足やスラグ巻き込
み、ブローホールなどが発生しやすい。また 6.4mmより
太くなると溶込み不足が発生する。溶着量が過剰になる
とオーバラップの発生およびビードが凸形状となるため
後行電極の溶着量を適正にして、ビード形状を整える必
要がある。そのためT極のワイヤ径は 3.2〜7.0mm とす
る必要がある。ワイヤ径が 3.2mmより細くなると溶着量
が増加して上記不具合が発生し、また 7.0mmを超えて太
くなるとアークが広がりフランジ側にアンダーカットが
発生しやすくなる。
【0020】L極電流とT極電流の比、IT /IL
0.6〜1.0 にする必要がある。 0.6より小さければ先行
電極により形成される溶接金属に高温割れが発生しやす
く、融合不良やスラグ巻き込みなどの溶接欠陥も発生す
る。また溶着量が不足し、のど厚の不足やアンダーカッ
トが発生する。 1.0より大きくなると後行電極により形
成される溶接金属に割れが発生するばかりでなく、過大
な溶着量によるオーバラップの発生や、アンダーカット
が発生する。
【0021】L極電圧VL は十分な溶込みを得るために
45V以下にする必要がある。また45Vを超えるとフラン
ジ側にアンダーカットが発生する。T極電圧VT は50V
以下とする必要がある。50Vより大きければフランジ側
にアンダーカットが発生する。図2に示すL極電極傾度
(以下「電極傾度」は単に「傾度」ともいう)aは十分
な溶け込みを効率良く得るために重要なパラメータであ
る。aが3°より小さければ、溶け込みの方向がフラン
ジ側を向かず、突合せ部分を溶融できずに溶け込み不足
を生じ、30°より大きければ溶け込みの方向がフランジ
側に入りすぎて、同様に突合わせ部を十分に溶融でき
ず、溶け込み不足を生じる。
【0022】同じ図2に示すT極傾度bはアンダーカッ
トおよびオーバラップを防止するのに重要である。bが
3°よりも小さければフランジ側の脚長が不足し、35°
より大きければウエブ側止端部がオーバラップ形状にな
り、フランジ側止端部にアンダーカットが発生する。図
3に示すL極電極角度(以下「電極角度」は単に「角
度」ともいう)cは効率良く溶込みを得るのに重要であ
る。−10〜+10°の範囲を外れるとアークの集中が悪く
なり、溶込み不足が生じる。
【0023】同じ図3に示すT極角度dはビードの形状
を整えるのに重要である。0°より小さければビード形
状が凸になり、30°より大きければフランジ側にアンダ
ーカットを生じる。L極とT極の極間距離lは10〜120m
m とする必要がある。この範囲をはずれると溶接金属中
に割れが生じる。また120mm を超えるとウエブ側止端部
がオーバラップ形状となり、またL極が形成した溶融ス
ラグが凝固してT極アークが不安定となり、ビードが不
均一となる。
【0024】図2に示すL極とフランジの最短距離eは
十分な溶込み深さを得るために極めて重要な因子であ
る。0〜10mmの範囲を外れると溶接金属の溶込み先端部
が突合せ開先からずれて溶込み不足を生じ、かつフラン
ジ側止端部にアンダーカットを生じる。同じ図2に示す
T極とフランジの最短距離fはフランジ側アンダーカッ
トおよびウエブ側オーバラップを防止するのに極めて重
要な因子である。T極とフランジの最短距離が1mmより
も小さければフランジ側にアンダーカットが生じ、また
ウエブ側もオーバラップ形状になりやすい。また13mmよ
り大きければフランジ側の脚長を十分に得られない。
【0025】
【実施例】本発明の実施状況を図1の概念図に示す。1
はウエブ、2はフランジでウエブ1は水平姿勢であり、
4a、4bはウエブ1の両側のT継手を同時に溶接する一対
の電極である。以下、ウエブ材の板厚および開先、溶け
込み条件毎に、本発明を構成する溶接条件の限定内容に
ついて実施例を説明する。ただし以下のデータは片側の
T継手に関するものであり、同一の溶接条件で両側同時
に溶接を実施することは、ウエブが水平姿勢である以上
きわめて容易である。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】表4には、本発明の請求項2に相当するウ
エブ材が板厚が16mm超え32mmまでの厚鋼板である溶接H
形鋼製造における開先なしの2電極水平すみ肉潜弧溶接
の実施例No.1〜 No.13を示す。先行電極、後行電極とも
に交流電源を使用し、逆V結線として溶接を行った。使
用した鋼板の化学組成を表1に、ワイヤの化学組成を表
2に、フラックスは焼成型を用い、その組成を表3に示
す。
【0031】
【表5】
【0032】表5には、表4に対応する本発明の比較例
No.14 〜 No.29を示す。No.14 ではL極ワイヤ径が細い
ため、溶込み先端が開先突き合わせ部よりずれて、溶込
み不足が生じ、またスラグ巻き込みも発生している。N
o.15 ではT極ワイヤ径が細く、ビードが凸形状となり
ビード外観が劣化した。No.16 ではT極電流のL極電流
に対する比が小さいため、スラグ巻き込みや割れが発生
した。No.17 ではL極の電圧が高く、アンダーカットお
よび溶込み不足を生じた。No.18 ではT極の電圧が高
く、アンダーカットが生じた。No.19 では電流比が高
く、オーバラップおよび溶込み不足を生じた。No.20 で
はL極傾度が大きく、溶込み不足が生じた。No.21 では
T極傾度が大きく、アンダーカットが生じた。No.22 で
はL極角度が大きく、溶込み不足が生じた。No.23 では
T極角度が大きく、アンダーカットが生じた。No.24 で
は極間距離が大きく、溶接割れおよびオーバラップが生
じた。No.25 ではフランジとL極との距離が小さく、溶
込み不足とアンダーカットが生じた。No.26 ではフラン
ジとT極との距離が大きく、脚長不足となった。No.27
ではフランジとT極との距離が小さく、アンダーカット
が生じた。No.28 ではL極のワイヤ径が太いため、溶込
み不足を生じた。No.29 ではT極のワイヤ径が太いた
め、フランジ側にアンダーカットを生じた。
【0033】
【表6】
【0034】表6には、本発明の請求項3に相当するウ
エブ材が板厚が16mm超え60mmまでの厚鋼板である溶接H
形鋼におけるレ形開先を設けた部分溶け込み法による2
電極水平すみ肉潜弧溶接の実施例No.30 〜 No.38を示
す。
【0035】
【表7】
【0036】また、表7にはこの表6に対応する比較例
No.39 〜 No.46を示す。No.39 では開先深さが小さく、
溶込み不足が生じた。No.40 では開先角度が大きいた
め、開先に未溶解の部分が残った。No.41 では開先角度
が狭いため、スラグ巻き込みが発生した。No.42 ではL
極電圧が高いため、溶込みが不足およびアンダーカット
が生じた。No.43 では電流比が高く、アンダーカットお
よびオーバラップが生じた。No.44 では先行極ワイヤが
太いため、溶込み不足が生じた。No.45 ではT極角度が
大きいため、アンダーカットが発生した。No.46 では極
間距離が小さいため、溶接金属に割れが発生した。
【0037】
【表8】
【0038】表8には、本発明の請求項4に相当するウ
エブ材が板厚が16mm超え60mmまでの厚鋼板である溶接H
形鋼におけるレ形開先を設けた完全溶け込み法による2
電極水平すみ肉潜弧溶接の実施例No.47 〜 No.56を示
す。
【0039】
【表9】
【0040】また、表9にはこの表8に対応する比較例
No.57 〜 No.64を示す。No.57 では開先深さが小さく、
溶込み不足を生じた。No.58 では開先角度が大きく、開
先が未溶解のまま残った。No.59 では開先角度が狭く、
スラグ巻き込みが生じた。No.60 では開先深さが深す
ぎ、溶け落ちた。No.61 ではL極とフランジとの距離が
大きく、溶込みが不足し、オーバラップも発生した。N
o.62 ではT極傾度が大きく、アンダーカットが生じ
た。No.63 ではL極ワイヤ径が小さく、溶込みが深いた
め溶け落ちが発生した。No.64 ではT極角度が大きく、
アンダーカットが発生した。
【0041】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明は被
溶接物のウエブを水平姿勢に保持したまま溶接が可能で
あるため、従来行っていた被溶接物の傾動作業が不要と
なり、コスト削減、納期短縮等を図ることができ、工業
的にきわめて有効な技術であり、さらに両端同時溶接を
行うことにより、一層の生産工数削減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における溶接状況を示す概念図
である。
【図2】本発明におけるフランジと電極との距離、およ
び電極傾度を示す説明図である。
【図3】本発明における電極角度および極間距離を示す
説明図である。
【図4】従来の技術における溶接方法を示す説明図であ
る。
【図5】他の従来の技術における溶接方法を示す説明図
である。
【図6】従来の技術における溶接部の形状を示す説明図
である。
【図7】従来の技術における溶接欠陥を示す説明図であ
る。
【図8】従来の技術における溶接状況を示す概念図であ
る。
【図9】さらに他の従来の技術における溶接状況を示す
概念図である。
【符号の説明】
1 ウエブ 2 フランジ 3 溶接部 4 電極 4L L極 4T T極 IT /IL L極電流とT極電流の比 VL L極電圧 VT T極電圧 a L極電極傾度 b T極電極傾度 c L極電極角度 d T極電極角度 e L極とフランジの最短距離 f T極とフランジの最短距離 l L極とT極の極間距離 t 板厚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 33/00 B23K 33/00 Z (72)発明者 阪口 修一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 杉崎 光嗣 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川 崎製鉄株式会社内 (72)発明者 中島 松重 香川県丸亀市昭和町18番地 川鉄メタルフ ァブリカ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウエブ材が厚鋼板であるT継手の一層す
    み肉溶接において、ウエブを水平姿勢とし、すみ肉溶接
    を下記の溶接条件により行うことを特徴とするT継手の
    2電極水平すみ肉潜弧溶接方法。 記 L極ワイヤ径: 3.2〜6.4mm 、T極ワイヤ径: 3.2〜7.
    0mm 、L極電流とT極電流の比(IT /IL ): 0.6〜
    1.0 、L極電圧(VL ):VL ≦45V、T極電圧
    (VT ):VT ≦50V、L極電極傾度(a):3〜30
    °、T極電極傾度(b):3〜35°、L極電極角度
    (c):−10〜+10°、T極電極角度(d):0〜30
    °、L極とT極の極間距離(l):10〜120mm 、L極と
    フランジの最短距離(e):0〜10mm、T極とフランジ
    の最短距離(f):1〜13mm。
  2. 【請求項2】 ウエブ材が板厚16mm超え32mmまでの厚鋼
    板であり、すみ肉溶接が部分溶け込み法による開先加工
    なしのすみ肉溶接である請求項1に記載のT継手の2電
    極水平すみ肉潜弧溶接方法。
  3. 【請求項3】 ウエブ材が板厚(t)16mm超え60mmまで
    の厚鋼板であり、すみ肉溶接がウエブの端部両面に開先
    角度30〜65°、板厚に対して(1/5 〜1/3 )t深さのレ
    型開先を設けた部分溶け込み法によるすみ肉溶接である
    請求項1に記載のT継手の2電極水平すみ肉潜弧溶接方
    法。
  4. 【請求項4】 ウエブ材が板厚(t)16mm超え60mmまで
    の厚鋼板であり、すみ肉溶接がウエブの端部両面に開先
    角度30〜65°、板厚に対して(1/5 〜5/12)t深さのレ
    形開先を設けた完全溶け込み法によるすみ肉溶接である
    請求項1に記載のT継手の2電極水平すみ肉潜弧溶接方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の一
    層すみ肉溶接を、ウエブ両端のT継手において同時に行
    うことを特徴とする溶接H形鋼の製造におけるT継手の
    2電極水平すみ肉潜弧溶接方法。
JP2750796A 1995-02-15 1996-02-15 T継手の2電極水平すみ肉潜弧溶接方法 Pending JPH08281436A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2750796A JPH08281436A (ja) 1995-02-15 1996-02-15 T継手の2電極水平すみ肉潜弧溶接方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2694895 1995-02-15
JP7-26948 1995-02-15
JP2750796A JPH08281436A (ja) 1995-02-15 1996-02-15 T継手の2電極水平すみ肉潜弧溶接方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08281436A true JPH08281436A (ja) 1996-10-29

Family

ID=26364804

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2750796A Pending JPH08281436A (ja) 1995-02-15 1996-02-15 T継手の2電極水平すみ肉潜弧溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08281436A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010060793A (ko) * 1999-12-28 2001-07-07 이구택 극후물 구조용강의 대입열 필렛용접부의 고온균열을방지하기 위한 2전극 서브머지드 아아크 용접방법
JP2011011246A (ja) * 2009-07-03 2011-01-20 Sumitomo Metal Ind Ltd 溶接h形鋼およびその製造方法
CN102974927A (zh) * 2012-11-26 2013-03-20 南车二七车辆有限公司 一种铁路货运平车底架用h型钢接长的焊接方法
CN104227182A (zh) * 2014-09-01 2014-12-24 湖北源盛钢构有限公司 工字钢主焊缝不清根全熔透i级构件的成型工艺
CN106078012A (zh) * 2016-07-22 2016-11-09 江苏工力重机有限公司 一种h型钢焊接工装

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010060793A (ko) * 1999-12-28 2001-07-07 이구택 극후물 구조용강의 대입열 필렛용접부의 고온균열을방지하기 위한 2전극 서브머지드 아아크 용접방법
JP2011011246A (ja) * 2009-07-03 2011-01-20 Sumitomo Metal Ind Ltd 溶接h形鋼およびその製造方法
CN102974927A (zh) * 2012-11-26 2013-03-20 南车二七车辆有限公司 一种铁路货运平车底架用h型钢接长的焊接方法
CN104227182A (zh) * 2014-09-01 2014-12-24 湖北源盛钢构有限公司 工字钢主焊缝不清根全熔透i级构件的成型工艺
CN104227182B (zh) * 2014-09-01 2016-06-08 湖北源盛钢构有限公司 工字钢主焊缝不清根全熔透i级构件的成型工艺
CN106078012A (zh) * 2016-07-22 2016-11-09 江苏工力重机有限公司 一种h型钢焊接工装

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20080081797A (ko) 모재 사이의 간격이 큰 맞대기 이음의 일면 용접방법
JP4957441B2 (ja) ガスシールドアーク溶接方法
JPH08281436A (ja) T継手の2電極水平すみ肉潜弧溶接方法
JP2006231359A (ja) 溶接方法及びその溶接構造物
TW202335770A (zh) 單面潛弧焊接方法以及焊接接頭及其製造方法
JP3182672B2 (ja) クラッド鋼管の内面溶接方法
JP2001030091A (ja) 挟開先t継手の構造およびその溶接方法ならびに溶接構造物
JP3367566B2 (ja) 大入熱片面サブマージアーク溶接方法
JP5057615B2 (ja) 溶接継手の製造方法
JPH10211578A (ja) 角継手の2電極サブマージアーク溶接方法
JPH0994658A (ja) 片面突合せ溶接方法
JPH08281429A (ja) ステンレス鋼の隅肉溶接方法およびステンレス形鋼の製造方法
CN113210870A (zh) 一种高效的激光-电弧复合热源高强钢管道直缝焊接工艺
JPH07256456A (ja) 片面サブマージアーク溶接方法
JPH0428472B2 (ja)
JP2833279B2 (ja) 鋼管の溶接方法
JP3186885B2 (ja) 片面サブマージアーク溶接方法
CN110640272B (zh) 带车间底漆的低合金高强度钢角焊缝的双侧双丝气体保护焊工艺
JP2522114B2 (ja) 鉄骨部材の仕口溶接方法
JP2662101B2 (ja) 溶接方法
RU2254974C2 (ru) Способ сборки сварных крупногабаритных толстолистовых ортотропных плит из углеродистых, низколегированных сталей под автоматическую сварку
JPH09271992A (ja) T継手用裏当て材
JPH06285639A (ja) クラッド鋼管の内面シーム溶接方法
JPS589779A (ja) 突合せ溶接方法
JP2867708B2 (ja) 消耗電極式溶接による管の溶接方法