JPH082802Y2 - Ｖｔｒのテ−プガイド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は回転磁気ヘッドを有する回転磁気ヘッドシリ
ンダと、カセット外部に固定的に配置された消去ヘッド
とを具備したVTRのテープガイド装置に関するもので、
特に高速消去を可能としたテープガイド装置に関するも
のである。

従来技術 第３図は従来のVTRのテープローディング機構を示す
平面図で、スライダＡ及びＢを破線で示すＡ′及びＢ′
の位置から実線で示す位置まで移動させることにより、
早送り・巻戻し時におけるテープパス（ア）（二点鎖線
で示す）と、記録・再生用のテープパス（イ）（一点鎖
線で示す）とを交互に取りうるように構成されている。

即ち、スライダＡ及びＢが実線で示す記録・再生状態
にある時は、テープリール２から引き出されたテープＴ
は、カセット１内のポスト３及び４を通った後、テンシ
ョンポスト５で屈曲されて、インピーダンスローラ６の
周りに若干巻き付き、その後、消去ヘッド７に接触した
後、実線で示す位置にあるスライダＡの垂直ポスト８及
び傾斜ポスト９で方向転換して、回転磁気ヘッドシリン
ダ10に約半周以上巻き付き、更に、実線で示す位置にあ
るスライダＢの傾斜ポスト11及び垂直ポスト12を経てイ
ンピーダンスローラ13に接触する。

インピーダンスローラ13を通過したテープＴは、消去
ヘッド14を経て必要に応じて消去処理を受け、更にこれ
に連結された記録・再生ヘッド15の記録面に接触した
後、リミッタポスト16から実線位置にあるピンチローラ
17,キャプスタン18の間を通り、リバース走行リミッタ
ポスト19を経てカセット１内のポスト20及び21の間を通
過してテープリール12に巻き取られる。

一方、早送りモードでは、テープＴを回転磁気ヘッド
シリンダ10に巻き付ける必要がないので、スライダＡ及
びＢがそれぞれ破線で示すＡ′及びＢ′の位置に後退
し、これにより、カセット１内のポスト４を通過したテ
ープＴは、回転磁気ヘッドシリンダ10にわずかに接触し
た後、実線位置から破線位置まで揺動駆動されるアーム
28aの先端に取り付けた垂直ポスト28に約90°分だけ巻
き付いた後、記録・再生ヘッド15の記録面に接触し、更
に、ピンチローラ17が破線で示す位置まで後退している
ことにより、リミッタポスト16を経て、ピンチローラ17
及びキャプスタン18に接触することなくカセット１内の
ポスト20及び21を経て、テープリール22に巻き取られ
る。巻戻し時には、上記のテープパスの逆を通って、テ
ープリール22から２へ巻き取られて行く。

従来技術の問題点 上記のように、第３図に示した従来のテープローディ
ング機構では、アーム28aを実線位置から破線位置に揺
動させることにより、テープＴのカセット１内へ収納す
る位置と、早送り又は巻戻しモードにおける位置の二つ
の位置を選択的に取ることができ、早送り若しくは巻戻
しモードにおいても、記録・再生ヘッド15によって、頭
出し等のための種々の情報をテープＴから得ることがで
きるように構成されているが、早送り・巻戻しモード時
には、テープを消去用ヘッド14に接触させることがな
く、従って、高速による消去を行うことができなかっ
た。また、上記のように、早送り・巻戻しモード時に
は、テープＴを消去ヘッド14には接触させず、且つ、記
録・再生ヘッド15には接触させるようにしていたため、
上記垂直ポスト28の引き出し位置を精度良く決める必要
があり、コスト高の原因となっていた。

考案の目的 従って、本考案の目的とするところは、VTRにおいて
高速消去機能を付加すると共に、垂直ポストの引き出し
た位置における位置決めをラフに行うことができるテー
プガイド装置を提供することである。

考案の構成 上記目的を達成するために、本考案が採用する主たる
手段は、その要旨とするところが、回転磁気ヘッドを有
する回転磁気ヘッドシリンダと、カセット外部に固定的
に配置された消去ヘッドと、早送り・巻戻し時にカセッ
ト内から磁気テープを引き出し、記録再生ヘッドに上記
磁気テープを接触させる垂直ポストとを具備したVTRの
テープガイド装置において、早送り・巻戻し時に、上記
垂直ポストを磁気テープが消去ヘッドに接触する位置ま
で移動させるようにした点に係るVTRのテープガイド装
置である。

作用 この考案では、早送り・巻戻し時にも、垂直ポストに
より磁気テープが消去ヘッドに接触され、消去ヘッドに
よる高速消去が行われる。このように磁気テープが早送
り・巻戻し時にも消去ヘッドに接触されることにより、
垂直ポストによる磁気テープの引き出し位置を厳密に決
める必要がなくなった。

実施例 続いて第１図及び第２図を参照して、本考案を具体化
した実施例につき説明し、本考案の理解に供する。

ここに第１図は本考案の一実施例にかかるテープガイ
ド装置を具備したテープローディング機構全体の概略平
面図、第２図は第１図に示したテープガイド装置の要部
のみを取り出して示した拡大平面図である。

尚、以下の説明中、第３図に示した従来装置の構成要
素と共通の要素には、同一の符号を使用して説明する。

但し、以下の実施例は、本考案の一具体例に過ぎず、
本考案の技術的範囲を限定する性格のものではない。

第１図及び第２図に示した実施例において、第３図に
示した従来装置と異なる点は、第２図に詳しく示す如く
垂直ポスト28の早送り・巻戻しモード時における位置が
従来の破線で示す位置28′と異なっている点である。即
ち、垂直ポスト28の早送り・捲き戻しモード時における
位置が従来のテープパスよりも外方向に変位する位置に
位置決めされているため、このような垂直ポスト28から
消去ヘッド14への巻き付き角度が、従来のテープパスに
比べて増加し、これにより、消去ヘッド14によるテープ
の早送り・巻戻し時における消去処理が可能となったの
である。

このように垂直ポスト28による消去ヘッド14の巻き付
き角度θを最大限取っておけば、この巻き付き角度を若
干増加させることは信号の伝達上問題がないので、垂直
ポスト28の位置決め精度がラフで良いことになる。即
ち、図にθで示す範囲であれば、どこに垂直ポスト28を
位置決めしてもよいので、その取付精度があまり問題と
ならず、部品精度や検査精度の面からのコストダウンが
可能である。

考案の効果 本考案は、以上述べたように、回転磁気ヘッドを有す
る回転磁気ヘッドシリンダと、カセット外部に固定的に
配置された消去ヘッドと、早送り・巻戻し時にカセット
内から磁気テープを引き出し、記録再生ヘッドに上記磁
気テープを接触させる垂直ポストとを具備したVTRのテ
ープガイド装置において、早送り・巻戻し時に、上記垂
直ポストを磁気テープが消去ヘッドに接触する位置まで
移動させるようにしたことを特徴とするVTRのテープガ
イド装置であるから、早送り・巻戻しモード時にも、磁
気テープを消去ヘッドに接触させるので、高速消去を行
うことができ、且つ、磁気ヘッドへの巻き付け角の調整
を粗くしても何等問題が生じず、部品の加工精度や組立
精度の低下によるコストダウンを実現することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例にかかるテープガイド装置を
具備したテープローディング機構全体の概略平面図、第
２図は第１図に示したテープガイド装置の要部のみを取
り出して示した拡大平面図、第３図は従来のVTR用テー
プローディング機構全体の平面図である。 （符号の説明） １……カセット ２……テープリール 10……回転磁気ヘッドシリンダ 14……消去ヘッド、15……記録・再生ヘッド 22……テープリール 28……垂直ポスト、28a……アーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回転磁気ヘッドを有する回転磁気ヘッドシ
   リンダと、カセット外部に固定的に配置された消去ヘッ
   ドと、早送り・巻戻し時にカセット内から磁気テープを
   引き出し、記録再生ヘッドに上記磁気テープを接触させ
   る垂直ポストとを具備したVTRのテープガイド装置にお
   いて、 早送り・巻戻し時に、上記垂直ポストを磁気テープが消
   去ヘッドに接触する位置まで移動させるようにしたこと
   を特徴とするVTRのテープガイド装置。