JPH03708B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は磁気テープ装置に関し、特にパラレ
ルローデイング方式において記録位置を検索する
のに磁気テープ上に記録した記録位置を識別する
信号（頭出し信号ともいう）を読み取る方式を用
いる磁気テープ装置に関するものである。

最近のVTR（ビデオテープレコーダ）装置をは
じめ、磁気テープ装置では高密度記録が進んで長
時間の記録、再生が可能になり、１つのカセツト
テープで４時間、６時間の記録、再生が可能にな
つてきたため、磁気テープ上の特定の記録位置を
検索することの必要性が増大してきた。従来の民
生用磁気テープ装置ではテープ供給リールデイス
クまたはテープ巻取リールデイスクなどの回転数
を計数して記録位置を検索するものが多かつた
が、この方式ではカセツトテープ内のテープのス
タートポイントから計数せねばならないので、テ
ープの途中から検索を始めることは不可能であ
り、また１個のカセツトテープにおける複数の記
録位置を検索したり自動的に検索することが不可
能であるという欠点があつた。これらの欠点は磁
気テープ上に記録位置を識別する信号を記録して
おいてそれを検出することによつて検索を行なう
という方法を用いれば解消できるが、従来の磁気
テープ装置においてはテープ走行装置の構造に起
因する理由によりこのような方法を採用すること
ができなかつた。以下パラレルローデイング方式
のVTR装置のテープ走行装置を例にとり説明す
る。

第１図および第２図は従来のパラレルローデイ
ング方式のテープ走行装置を示す系統図である。
第１図は記録、再生動作時（ローデイング状態）
のテープ走行経路、第２図は巻き戻し、早送り動
作時（アンローデイング状態）のテープ走行経路
をそれぞれ示し、図において１は２個のビデオヘ
ツド１ａ，１ｂを備えた回転ドラムで、ビデオヘ
ツド１ａ，１ｂは回転ドラム１の中心に対して正
確に180゜の位置に固着されドラムの周辺部にわず
かに突出している。２ａ，２ｂ，２ｃは供給側
（サプライ側）のローデイングテープガイド、２
a′，２b′，２c′は巻取側（テイクアツプ側）のロ
ーデイングテープガイドで共に回転ドラム１に磁
気テープ３を安定に装架させる働きをもつもの
で、そのうちテープガイド２ｂ，２ｃ，２b′，２
c′は点線および実線で示す２種の停止位置の間を
移動できるようになつており、第２図において実
線で示す位置から第１図において実線で示す位置
まで移動することにより第２図に示すようにアン
ローデイング状態にある磁気テープ３をカセツト
１４から引き出して回転ドラム１に装架する。４
ａは供給側のガイドローラ、４ｂは巻取側のガイ
ドローラでテープ３の小振動を軽減しジツターを
削減するためのインピーダンスローラである。５
は全幅消去ヘツド、６，７はテープガイドで、テ
ープガイド７は点数および実線で示す２種の停止
位置の間を移動できるようになつており、第２図
において実線で示す位置から第１図において実線
で示す位置まで移動して磁気テープ３を全幅消去
ヘツド５に装架する。８はテープテンシヨンレギ
ユレータ、９は音声消去ヘツド、１０は音声信
号、コントロール信号ヘツドでこれらのヘツド
９，１０は一体化して機械的精度を持たせてあ
る。１１はテープガイド、１２はピンチローラ、
１３はキヤプスタンで、第１図に示す記録、再生
時においては磁気テープ３はピンチローラ１２と
キヤプスタン１３との間に挾まれキヤプスタン１
３の回転によつて一定速度で矢印方向に進められ
る。また第２図に示す巻き戻し、早送り時におい
てはピンチローラ１２はキヤプスタン１３から離
れた位置へ移動して停止しているようになつてい
る。１４は磁気テープ３が収納されているカセツ
ト、１５，１６，１７はカセツト１４内に設けら
れ、収納された磁気テープ３を円滑に供給し、ま
たは巻き取るためのテープガイド、１８はカセツ
ト１４内の供給リール、１９はカセツト１４内の
巻き取リールである。

上述のように構成されるVTR装置では、記録、
再生動作時には、磁気テープ３は可動テープガイ
ド機構、２ｂ，２ｃ，２b′，２c′，７に支持され
て第１図に示すようにビデオヘツド１ａ，１ｂ、
全幅消去ヘツド５、音声消去ヘツド９および音声
信号、コントロール信号ヘツド１０に接触し、各
ヘツドはそれぞれの動作を行う。また巻き戻し、
早送り動作には供給側のテープガイド２ｂ，２
ｃ、巻取側のテープガイド２b′，２c′およびテー
プガイド７がカセツト１４内に収納されることに
よつて、磁気テープ３は第２図に示すようにアン
ローデイング状態で、一般に記録、再生モード時
に比較して20倍〜30倍の高速で走行せしめられ
る。

このような従来のVTR装置では、巻き戻し、
早送り時において磁気テープ上の特定の記録位置
を、検索する方法としては後述する２つの理由に
より、記録位置を識別する信号を磁気テープ上に
記録しておくという方法を用いることができず、
供給リール１８または巻取リール１９などの回転
数を計数する方法を用いねばならなかつたので、
磁気テープの途中から検索を始めることができ
ず、また１個のカセツトテープの複数の記録位置
を精度よく検知することは不可能であるという欠
点があつた。

すなわち第１図、第２図に示すVTR装置では、
記録再生動作時のローデイング状態と、巻き戻
し、早送り動作時のアンローデイング状態におい
てテープ走行経路が大きく異なるため、磁気テー
プ上に記録位置識別信号を記録、再生動作時に記
録しておいてもそれを巻き戻し、早送り動作時に
検出するのが困難である。すなわち記録、再生動
作時に全幅消去ヘツド５、音声消去ヘツド９、ま
たは音声信号、コントロール信号ヘツド１０のい
ずれかを記録位置識別信号用ヘツドに兼用して識
別信号を記録することは可能であつても、これを
巻き戻し、早送り動作時に同じヘツドで検出する
ことはテープの走行経路が異なるため不可能であ
る。従つてこの場合第２図に示すアンローデイン
グ状態のテープ走行経路内に磁気テープ３の磁性
体面に接触する記録位置識別信号呼び出し専用ヘ
ツドを必要とする。この呼び出し専用ヘツドを設
けるためにはテープローデイング時に磁気テープ
３の移動を邪魔することがなく、かつアンローデ
イング状態で安定に磁気テープ３と接触せねばな
らないという条件があつて実現性に乏しく、また
実現したとしても装置が複雑高価になり実用的で
ない。

また記録位置識別信号の記録、検出を同一のヘ
ツドで行なわせるために第１図に示すローデイン
グ状態で巻き戻し、早送り動作を行なうと、現在
使用されている厚さ20μｍ以下の薄い磁気テープ
３を回転ドラム１に180゜以上の角度巻き付けたま
ま高速度で磁気テープ３を移動することになるの
で、テープの損傷やヘツドの摩耗を発生させる危
険性が著しく大きくなり、故障を招くことにな
る。

以上の理由によつて従来のVTR装置ではやむ
を得ずアンローデイング状態で早送り、巻き戻し
動作を行い、供給リール１８または巻取リール１
９などの回転数を計数して記録位置を検索してい
た。

この発明は従来の磁気テープ装置における上述
の欠点を除去し、記録位置を磁気テープに記録し
て識別信号によつて検索する方法を簡単な構造
で、かつ故障につながる無理なテープ走行をする
ことのない装置によつて実現できる磁気テープ装
置を得ることを目的とするものである。以下図面
についてこの発明を説明する。

第３図はこの発明の一実施例の巻き戻し、早送
り動作時におけるテープ走行経路を示す系統図で
あり、図において各部は第１図、第２図と全て同
一であつてそれぞれ同一符合を付してある。従来
と異なつているところは可動テープガイド２ｂ，
２ｃが３個の停止位置を持つていることとコント
ロール信号ヘツド１０が記録位置識別信号を記録
再生する機能をもあわせ持つていることである。
このような装置において、まず記録再生時には可
動テープガイド２ｂ，２ｃはそのほかの可動テー
プガイド２b′，２c′，７とともに第１図に示す位
置（第１の位置という）にあつて従来の装置と全
く同一のテープ走行経路で記録再生が行なわれ
る。

このとき記録位置識別信号はコントロール信号
ヘツド１０によつて磁気テープに記録される。次
に巻き戻し、早送り動作時は第３図に示すように
巻取側の可動テープガイド２b′，２c′が中間の停
止位置（第２の位置という）に移動して固定さ
れ、可動テープガイド２b′，２c′によつて磁気テ
ープ３をコントロール信号ヘツド１０と回転ドラ
ム１の一部にわずかに接触し、磁気テープ３の走
行経路は第３図に示すようになる。ここで磁気テ
ープ３は回転ドラムの一部に接触し、しかもその
接触部では磁気テープの下端が固定ドラムのリー
ド溝にのつている。この時ドラムとの接触角度が
小さいため相互の摩擦的接触は極端に少なく、磁
気テープ３が高速で走行しても磁気テープ３を損
傷したりヘツドを摩耗せしめることはない。なお
一般に第４図に示すように回転ドラム１の下部に
固定ドラム１００を備えているが、この場合磁気
テープ３は回転ドラム１の一部と固定ドラム１０
０のスラントリード溝２００とにわずかに接触す
る。これは磁気テープ３の幅方向の振動を軽減す
ることに役立ち、コントロール信号ヘツド１０の
ヘツド面と磁気テープ３の磁性体面との接触が安
定する利点がある。即ち走行中の磁気テープの幅
方向の振動を抑制できる。この状態で早送り時に
は磁気テープ３が供給リール１８側より巻取リー
ル１９側へ、巻き戻し時にはその逆方向へ高速で
走行するが、いずれの場合にも磁気テープ３の幅
方向の振動は抑制されコントロール信号ヘツド１
０に安定に接触しているためテープ磁性体面に記
録されている記録位置識別信号を充分に検出する
ことができる。なお、この早送り、巻き戻し時に
はピンチローラ１２はキヤンプスタン１３から離
れ、それぞれのリールデイスク１８，１９によつ
て磁気テープ３の走行を駆動する。また早送り、
巻き戻し時に新たに磁気テープ３に識別信号を記
録することも可能である。次にカセツト１４を取
りはずそうとする時、すなわちカセツト１４を装
てんしただけの状態においては、可動テープガイ
ド２ｂ，２ｃ，２b′，２c′，７は第２図で実線で
示すアンローデイング状態となる。

このように磁気テープ３の一部を半ローデイン
グ状態にし、固定ドラムのスラントリード溝の一
部にテープの下端をのせ、高速の巻き戻し、早送
りを行うようにした装置においては、コントロー
ル信号ヘツド１０のような１個の固定されたヘツ
ドによつて記録位置識別信号の記録、再生を行な
うことができ、かつ可動テープガイド２ｂ，２ｃ
の中間の停止を設けるには従来のテープ走行装置
の機構に簡単な改良を加えるだけでもよいので簡
単な構成で磁気テープ上の識別信号による検索が
実現できる。さらに若干、複雑となるが可動テー
プガイド２b′，２c′の代りに別ガイドピンを設け
てもよいことが考えられる。また磁気テープ３は
コントロール信号ヘツド１０と回転ドラム１およ
び固定ドラム１００にわずかに接触しているだけ
なので高速で走行してもテープの損傷およびヘツ
ドの摩耗を発生させるおそれは極めて少ない。

現在市販されているVTRのパラレルローデイ
ング方式ではテープガイド２ｂ，２ｃとテープガ
イド２b′，２c′とが同時に平行して移動し第１図
に示すローデイング状態又は第２図に示すアンロ
ーデイング状態になるよう構成されたものが多
い。このような構成の装置に第３図に示すような
この発明の機構を付加することは容易であり、し
かも記録される記録位置識別信号はテープ磁性体
に記録されるため、テープのいずれからも検索す
ることがき、かつ記録位置識別をコード化して複
雑種類の記録位置識別信号を記録することができ
る。

なお第３図において、ドラム位置とカセツトリ
ール位置の距離を離すことにより固定ドラムに設
けられたスラントリード溝に接触する角度θを小
さくすることも可能であるしその距離を近づける
ことによりθを大きく選ぶことも出来る。

また可動テープガイド２b′，２c′の代りに別の
ガイドピンを設けて第３図の２b′，２c′の代用す
ることも可能である。

ところで以上の説明ではパラレルローデイング
方式のVTR装置の場合について述べたが、この
発明はこのような方式の他の磁気テープ装置（例
えばDAT等）に広く利用できることはいうまで
もない。以上説明したように、この発明によれば
簡単な構成で、磁気テープの損傷やヘツドの摩耗
を生じることのない装置を用い、磁気テープに記
録位置識別信号を記録しておいてそれを検出する
ことによつて記録位置を検索することが可能であ
り、また半ローデイング状態では磁気テープが固
定ドラムのスラントリード溝の一部にのつて、回
転ドラムにわずかに接触しているので、高速走行
であつても磁気テープの幅方向の振動を軽減で
き、安定した磁気テープの走行が可能であり、、
磁気テープ上のコントロール信号と記録位置識別
信号を高精度で早く検出することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のVTR装置の記録、再生動作時
のテープ走行経路を示すと同時に第３図および第
４図に示すこの発明の実施例の記録、再生動作時
のテープ走行経路を示す系統図、第２図は第１図
に示す従来のVTR装置の早送り、巻き戻し動作
時のテープ走行経路を示す系統図、第３図はこの
発明の一実施例の早送り、巻き戻し動作時のテー
プ走行経路を示す系統図、第４図は固定ドラムの
スラントリード溝の詳細を説明する断面図であ
る。 図において１は回転ドラム、１ａ，１ｂはそれ
ぞれビデオヘツド、２ａ，２b′，６，１１，１
５，１６，１７はそれぞれ固定テープガイド、２
ｂ，２b′，２ｃ，２c′，７はそれぞれ可動テープ
ガイド、３は磁気テープ、９は音声消去ヘツド、
１０は音声信号、コントロール信号ヘツドであ
る。なお各図中同一符号は同一または相当部分を
示すものとする。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 磁気テープに情報を記録再生する磁気ヘツド
   が設けられた回転ドラムと、上記磁気テープにコ
   ントロール信号及び記録位置識別信号を記録再生
   するコントロール信号ヘツドと、記録または再生
   動作時に、可動テープガイド機構に基づくパラレ
   ルローデイング方式により上記磁気テープを上記
   回転ドラムにその周りの所定角度にわたつて巻き
   付けかつ上記コントロール信号ヘツドに接触させ
   ローデイング状態となす第１の位置に装架し、早
   送りまたは巻き戻し動作時に上記磁気テープを上
   記回転ドラムの下側にある固定ドラムのスラント
   リード溝の一部にのせ、かつ上記コントロール信
   号ヘツドに接触させるローデイング状態となす第
   ２の位置に装架するテープガイド機構とを備えた
   ことを特徴とする磁気テープ装置。