JPS5927978B2 - 磁気テ−プ記録再生方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は磁気テープの記録位置を識別する信号（以後
頭出し信号と呼ぷ）を記録し再生する磁気テープ記録再
生方式に関するものである。

最近のＶＴＲを初め磁気テープ装置では高密度記録が進
み１つのカセットテープで４時間の記録再生が可能とな
つた。ここで長時間化が進むにつれてテープの頭出しと
いう機能が従来に増して必要となつた。従来の民生用磁
気テープ装置ではサプライリールディスク、テエイクア
ツプリーレデイスクの回転数をカウントして頭出しを行
なうものが多かつたが、これはテープのスタートポイン
トからカウントせねばならずテープ途中からの頭出しは
不可能であつた。又映像信号、音声信号及びコントロー
ル信号を記録する磁性体面に同時に頭出し信号を記録す
ることは種々試まれているが夫々の信号を乱したりビー
ドを発生したりしてなかなか実現されないのが常である
。殊にカラー信号を含む映像信号記録装置ではＦＭ信号
に変換した高周波成分と低域変換した低周波成分が共存
し新たに頭出し信号を同一磁性体面に記録することは難
カルく、又頭出し信号を種々複雑な処理を施す為コスト
が増すのが常であつた。さらに正常の再生モード及び記
録モードの時と、頭出し動作を必要とする早送り操作モ
ード巻き戻し操作モードの時でテープ走行経路、及びテ
ープ速度が異なる為、夫々の信号が記録されている磁性
体面で頭出し信号を精度良く記録し、再生分離すること
が出来なかつた。この発明は、上記の欠点に鑑みてなさ
れたもので、頭出し信号の記録、再生を本来の映像信号
、音声信号及びコントロール信号を乱すことなく容易に
実現する低コストな磁気テープ記録再生方法を提供する
ものである。

以下この発明について図を用いて詳細に説明する。

第１図はパラレル（Ｍ型）ローディング方式のＶＴＲの
記録モード、再生モード時のテープ走行系を示すもので
、図中１は２ケのビデオヘッドを備えた回転ドラム、１
ａ、Ｉｂはこの回転ドラムの周辺部に僅かに突出し、固
着され、回転ドラム１と共に高速回転するビデオヘツド
である。１ａ，１ｂの２ケのヘツドはドラムの中心に対
して正確に１８００の位置に割り出されている。

２ａ，２ｂ，２ｃはサプライ側のローデイングテープガ
ィド、２ａ／，２ｂ′，２ｃ７はテエイクアツプ側のロ
ーデイングテープガイドで共に回転ドラム１に磁気テー
プ３を安定に装架させる働きをもつもので、テープガイ
ド２ｂ，２ｃ，２ｂ′，２ｃ′の４ケのガイドは矢印で
示すようにローデイング動作時に移動する。

４ａはサプライ側のガイドローラー、４ｂはテエイクア
ツプ側のガイドローラーと呼ばれるものでテープの小振
動を軽減しジツタ一を削減する為のインピーダンスロー
ラーである。

５は全巾消去ヘツド、６，７はテープガイド、８はテー
プテンシヨンレギユレータ一である。

９は音声消去ヘツド、１０は音声、コントロール信号ヘ
ツドで一般に９，１０は一体化し機械的精度を持たせて
いる。

１１はテープガイド、１２はピンチローラー、１３はキ
ヤツプスタンで、磁気テープ３はピンチローラー１２と
キヤツプスタン１３の間に挟さまれキヤツプスタン１３
の回転によつて一定速度で進められる。

１４は磁気テープ３が収納されている力セツトである。

１５，１６，１７は力セツト内に存在し収納されたテー
プを円滑に供給し又巻き取る為のテープガイドである。

１８は力セツト内のサプライリール、１９は同様に力セ
ツト内の巻取りリールである。

２０は磁気テープの裏面に頭出し信号を記録するヘツド
で磁気テープがローデイング動作を完了してから機械的
に起き上る起き上り式ヘツドであり、ローデイング動作
時はメインデツキの底面に隠れている。

２１は磁気テープの裏面の磁性体に記録された頭出し信
号を巻き戻し、早送り操作時に検出する再生ヘツドであ
る。

ここで全巾消去ヘツド５、ビデオヘツド１ａ，１ｂ音声
消去ヘツド９及び音声、コントロール信号ヘツドは磁気
テープ３の磁性体面Ａと接触し記録モードの時には夫々
磁性体面Ａの記録動作を再生モードの時には夫々磁性体
面Ａの再生動作を行なう。一方頭出し信号記録用ヘツド
２０は磁性体面Ｂ（裏面）と接触し頭出し信号がヘツド
２０に印加されると裏面の磁性体面Ｂに記録される。第
２図はＭ型ローデイング方式のＶＴＲの巻き戻し、早送
りモード時のテープ走行系を示すもので図中第１図と同
一の符号は同一或は相当する部分を示す。サプライ側の
ローデイングガイド２ｂ，２ｃ、テエイクアツプ側のロ
ーデイングガイド２ｂ′，２ｃ′は実線矢印の如く力セ
ツト１４内に収納され、又テープガイド７も点線矢印の
如く力セツト１４内に収納される。従つて第２図に示す
ように上述の夫々のガイド２ｂ′，２ｃ！，２ｂ，２ｃ
が力セツト１４内に納まり、磁気テープ３はサプライリ
ール１８から力セツト内に設けられたテープガイド１５
，１６，１７を介してテエイクアツプリール１９に供給
される。逆にローデイング動作が開始されると移動ガイ
ド２ｂ，２ｃフ２ｂ′２２ｃ′，７が夫々第１図に示さ
れる位置まで矢印の如く移動し回転ドラムに磁気テープ
が装架される。巻き戻し、早送りモード時は第２図に示
すテープ走行状態で一般に再生、記録モード時に比較し
て２０倍〜３０倍の高速走行を行なう。巻き戻しモード
の際にはサプライリールが、早送りモード時にはテエイ
クアツプリールが高速回転を行なう。この両モードの時
、頭出し信号再生ヘツド２１は必ず磁気テープ３の裏面
（磁性体面Ｂ）と接触し、磁性体面Ｂに記録された頭出
し信号を再生しこの再生頭出し信号によつて夫々のリー
ル１８，１９の回転が停止し磁気テープ３の所定の位置
の頭出しが可能となる。第３図は磁気テープ３の詳細拡
大断面図である。

２２はテープベース材で一般に十数μの厚さであり、そ
の両面にバインダー（粘結剤）で接着された磁性体膜２
３ａ，２３ｂが存在しこれらは酸化クロム又はコバルト
系酸化鉄で構成されている。

２３ａ，２３ｂの磁性体膜は数μであり保持力として５
００エルステッド以上のものが選ばれるのが常である。

ここで第３図の３１はビデオヘツド１ａ，１ｂ、音声信
号、コントロール信号ヘツド１０の夫々のヘツドを代表
するもので磁性体面Ａに接触し、第４図Ａに示すような
磁気テープパターンを記録し又再生する。

一方磁性体面Ｂには位置識別信号記録用ヘッド２０、位
置識別信号再生用ヘツド２１の夫々のヘツドが２４で代
表される如く接触し、第４図Ｂに示すような磁気テープ
パターンを記録し又再生する。第４図Ａに於いて３２，
３３は音声トラツク、３４ａ，３４ｂはビデオトラツク
、３５はコントロールトラツクで３５ａはコントロ一ル
信号である。第４図Ｂは第４図Ａの磁気テープパターン
の裏面で第４図Ａに示された磁気テープパターンは破線
で示されている。この裏面のほぼ中央部に広巾く磁性体
面Ｂが存在しこの部分に頭出し信号３６が記録され又再
生される。上述の構成から明らかなように第１図のロー
デイング状態の時に位置識別信号記録用ヘツド２０で磁
性体面Ｂに第４図Ｂに示すような位置識別信号を記録す
る。

勿論磁性体面Ａには夫々の他のヘツド１ａ，１ｂ，１０
によつて第４図Ａに示すような信号が記録される。又第
２図に示すアンローデイング状態の時（早送り操作モー
ド、巻き戻し操作モード）には第２図の位置識別信号再
生用ヘツド２１で第４図Ｂに示す識別信号を再生する。
他のヘツド１ａ，１ｂ，１０はテープが走架されていな
い故動作しない。ここで磁気テープ３について考えると
ビデオ信号が記録されているビデオ巾の領域では表面に
ビデオ信号が、裏面に位置識別信号が記録されているこ
とになるが第３図に示すように位置識別信号記録用ヘツ
ド２０および再生用ヘツド２１のヘツドギヤツプＧ，と
、ビデオヘツド１ａ，１ｂのヘツドギャツプＧ２の関係
をｇ１〉Ｇ２とすることによつて磁性体面Ａ，Ｂの信号
のクロストークを除去することが出来る。

その理由として、（ａ）先ず数μの磁性体面に対して十
数μのテープベース材が存在する為、磁気的に８０％〜
９０％以上の分離が出来る。（ｂ）互いに裏面の記録信
号に対しては磁路が長くなる為高周波領域の信号の記録
、再生は不可能である為高周波成分のクロストークは全
く無くなる。（ｃ）ヘツドギャツプｇ、テープヘツド相
対速度（）及び可能記録用周波数（ｆ）の間には良く知
１１Ｖられている通りｇ＜７ー[ヨ黶i但しλ：可能記録
波長）という関係があり今ｇ１〉Ｇ２の関係に選び第４
図Ｂに示すような低周波位置識別信号を記録すると先ず
再生ヘツド２１では裏面のビデオ信号は全く検出出来ず
、識別信号再生に影響を及ぼさない。

一般にビデオ記号用ヘツドのギヤツプは０．３〜０．４
μｍで非常に狭いものであるからｇ１〉Ｇ２の関係を保
つことは容易である。（ｄ）ビデオ信号と位置識別信号
とは記録及び再生されるヘツドの角度、即ち第４図Ｂに
示されるようにθの角度を持つ為アジマス損失効果によ
り位置識別信号がビデオ信号に及ぼす影響は少ない。一
般にアジマス損失は２０１０ｇと表わさ れる。

但し λ：テープの記録波長（λ一ー） ｊ 上式から明らかなようにアジマス損失は記録波長の長い
抵周波信号では少ないが今ビデオトラツク方向のビデオ
信号と位置識別信号とは角度（θ）が大きい為アジマス
損失としては大きくとることが容易である。

以上（ａ）（ｂ）（ｃ）（ｄ）の理由によりビデオ信号
と位置識別信号は容易に分離して記録及び再生が出来る
。

なお上述の説明はパラレルローデイング方式のＶＴＲに
ついて述べたがα方式、Ｕ方式ローデイングシステムを
採用した磁気テープ装置及び固定ヘツド方式の音響テー
プ装置にも同様に利用出来る。識別信号（頭出し信号）
として第４図Ｂを一実施例にあげたがこれはコード化し
たパルス信号又はＦＭ信号化されたものでも勿論可能で
ある。以上説明したようにこの発明によれば従来の磁気
テープパターンを乱すことなく位置記録識別信号を記録
することが、出来る。又第４図によつて説明したように
識別信号トラツク巾Ｔを充分にとることが出来る為、早
送り、巻き戻し操作時磁気テープ３がかなりの高速で走
行して、テープ３と再生ヘツド２１の機械的走行精度が
悪くなつても記録位置識別信号を正確に検出することが
出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の頭出し信号記録、再生機能を具した
パラレルローデイング方式のＶＴＲの記録、再生操作モ
ードを示す図、第２図は巻き戻し、早送り操作モードを
示す図、第３図は磁気テープと夫々のヘツドの関係を示
す図、第４図Ａ，Ｂは磁性体面の磁気テープパターンを
示す図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 映像信号音声信号の両方又はいずれか一方の信号が
   記録される磁気テープの第１の磁性体面と、この第１の
   磁性体面と相反する面に磁気テープの記録位置識別信号
   が記録される第２の磁性体面を備え、上記第２の磁性体
   面に接触する上記位置識別信号の記録用ヘッドのギャッ
   プを、上記第１の磁性体面の記録帯と接触する記録用ヘ
   ッドのギャップより大とせしめたことを特徴とする磁気
   テープ記録再生方法。 ２ 磁気テープの記録位置識別信号を磁気テープ装置の
   巻き戻しまたは早送り操作時に記録または再生すること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の磁気テープ記
   録再生方法。 ３ 磁気テープの記録位置識別信号を再生するヘッドを
   、磁気テープ装置内に於いて、テープカセットの挿入固
   着すべき位置内に設置し第２の磁性体面に接触せしめる
   ことを特徴とする特許請求の範囲第２項記載の磁気テー
   プ記録再生方法。