JPH0826960A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JPH0826960A
JPH0826960A JP6158977A JP15897794A JPH0826960A JP H0826960 A JPH0826960 A JP H0826960A JP 6158977 A JP6158977 A JP 6158977A JP 15897794 A JP15897794 A JP 15897794A JP H0826960 A JPH0826960 A JP H0826960A
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重利 門田
Kenji Shimomura
健次 下村
Koichi Iida
浩一 飯田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 美白作用が高く、ヒアルロニダーゼの活性を
阻害し、コラゲナーゼ活性阻害作用が強く、且つ肌荒れ
などに有効な化粧料を提供する。 【構成】 カッシア・アウリキュレータ(Cassia auric
ulata)の溶媒抽出物を含む化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、美白作用が高く、ヒア
ルロニダーゼの活性を阻害し、コラゲナーゼ活性阻害作
用が強く、且つ肌荒れなどに有効な化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】カッシア・アウリキュレータ(学名:Ca
ssia auriculata)は、カワラケツメイ(河原決明)属
の植物であり、インド、スリランカの乾燥地帯に分布
し、その葉は緩下剤として用いられている。また、アフ
リカでは、樹皮がリューマチ、眼の疾患、淋病、化膿性
の結膜炎、痛風の治療に使用されている。
【0003】このカワラケツメイ属の植物に関して、本
発明者らは、特開平6−87731号公報で美白作用、
抗酸化作用が強く、肌荒れを防ぐ効果があり、化粧品の
原料として最適であると報告した。
【0004】一方、コラーゲンは膠原質とも呼ばれ、動
物細胞の結合組織を構成する蛋白で生体内に広く分布す
る。多細胞動物には必ず存在すると考えられており、現
在まで少なくとも11種類の分子が発見されており、こ
れらは互いに遺伝子が異なるものである。
【0005】コラーゲンは、骨格構成の主成分である
が、血小板凝集作用を持ち、血栓形成にも関与する。ま
た、肝硬変や動脈硬化にもコラーゲンが関与することが
示唆されている。
【0006】コラゲナーゼとは、動物組織細胞および炎
症細胞、腫瘍細胞などが産生する、I型、II型、III型
コラーゲンを分解する酵素をいう。コラーゲン分解の阻
害蛋白の解明も進んでおり、英国セルテック(Celltec
h)社は、メタロプロテアーゼの阻害蛋白(TIMP)
の遺伝子をヒト組織から単離し、クローン化に成功し
た。メタロプロテアーゼは、コラーゲンを分解する酵素
(コラゲナーゼの1種)で、TIMPはこの酵素の活性
を阻害する。このTIMPは、関節炎やガン、皮膚病変
に有効な治療薬になると期待されている。
【0007】また、コラゲナーゼ阻害剤とは、前記の如
きコラゲナーゼの活性を阻害する物質をいう。病態時の
組織破壊、修復過程では、コラゲナーゼ活性の異状亢進
がみられる。これらの病態には、慢性関節リュウマチ、
歯周炎、角膜潰瘍、先天性表皮水泡症などがある。従っ
て、コラゲナーゼ阻害剤は、コラゲナーゼ活性を阻害す
ることにより、これら病態の悪化を防止、あるいは治癒
させると考えられる。
【0008】コラゲナーゼ阻害剤に関する従来技術とし
て、特開平1−222782号公報には、コラゲナーゼ
阻害剤溶液をレッド色素結合担体またはブルー色素結合
担体に接触させ溶出させることを特徴とするコラゲナー
ゼ阻害剤の精製法が提案されている。これはあくまでコ
ラゲナーゼ阻害剤の精製法である。
【0009】また、特開平3−44331号公報には、
カカオ豆の豆皮であるカカオハスクより抽出した抽出物
からなるコラゲナーゼ阻害剤が開示されている。天然物
より抽出した抽出物よりなるコラゲナーゼ阻害剤という
意味で、本願発明と一部共通しているところもあるが、
天然物自体が全く異なるものであるのは明らかである。
【0010】更に、特公表平2−502537号公報に
は、哺乳動物コラゲナーゼの合成阻止剤が開示されてい
る。これは哺乳動物体内でのコラゲナーゼの合成を阻止
しようというものでチオール含有ペプチドであり、合成
品である点で、本願発明とは異なるものである。
【0011】他方、化粧料の原料として使用できる美白
作用のある物質としては、種々の物質が知られている
が、合成品は、長期間人間の肌に適用した場合の安全性
の保証がなく、使用が制限されつつある。また、天然物
では美白作用が弱いものが多い。しかし、人の肌に対す
る安全性の面から天然物で、多年、人が食したりして、
安全性の面で保証されており、しかも美白作用が強く、
更に皮膚に対する他の効果も合わせもつ物質が望まれて
いた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、皮膚
に適用して安全であると共に、美白作用が大きく且つヒ
アルロニダーゼの活性を阻害し、コラゲナーゼ活性阻害
作用が強く、更に肌荒れなどに有効な成分を含んだ化粧
料を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために、すでに多年にわたって食用に供さ
れ、人体に対する安全性が確認されている植物をスクリ
ーニングして調べ、化粧料として利用価値のあるものを
検討した。その結果、カッシア・アウリキュレータ(学
名:Cassia auriculata)が化粧品原料として、或いは
医薬部外品として有効性があることを見い出して本発明
を完成するに至ったのである。すなわち、本発明の化粧
料は、カッシア・アウリキュレータ(学名:Cassia aur
iculata)の溶媒抽出物を含むことを特徴とする。
【0014】本発明において、上記カッシア・アウリキ
ュレータは、本発明者らが先に出願した特開平6−87
731号公報に記載のカワラケイメイ属に含まれる植物
であるが、本発明の化粧料は、上記先行出願に記載され
る山扁豆、ナンバンサイカチなどの他のカワラケイメイ
属の植物を原料とする化粧料と比較して、美白作用が非
常に強く、且つ、活性酸素抑制作用やヒアルロニダーゼ
活性阻害作用、抗プラスミン作用等の顕著な効果が認め
られ、また、新規にはコラゲナーゼ活性阻害作用があ
り、しかも、このカッシア・アウリキュレータについて
は、上記先行出願に例示や示唆する記載もないものであ
る。
【0015】
【作用】本発明の化粧料として用いられるカッシア・ア
ウリキュレータ(学名:Cassiaauriculata)の溶媒抽出
物の確認された作用は、肌の美白作用、ヒアルロニダー
ゼの活性抑制作用、活性酸素抑制作用、抗酸化作用、抗
プラスミン作用、コラゲナーゼ活性阻害作用である。上
記ヒアルロニダーゼの活性抑制作用について更に詳しく
説明する。ヒアルロニダーゼは、生体中に広く分布し、
皮膚にも存在する酵素であり、その名のとおりヒアルロ
ン酸を分解する。ヒアルロン酸は、β−D−N−アセチ
ルグルコサミンとβ−D−グルクロン酸が交互に結合し
た直鎖状の高分子多糖で、コンドロイチン硫酸などとと
もに哺乳動物の結合組織に広く存在するグリコサミノグ
ルカンの一種である。結合組織内でのヒアルロン酸の作
用としては、細胞間隙に水分を保持し、また組織内にジ
ェリー状のマトリックスを形成して細胞を保持したり、
皮膚の潤滑性と柔軟性を保ち、外力(機械的障害)およ
び細菌感染を防止していると考えられている。また、皮
膚のヒアルロン酸は齢をとるにつれて減少し、その結果
小ジワやかさつきなどの老化をもたらすといわれてい
る。従って、このヒアルロン酸を分解するヒアルロニダ
ーゼの活性を抑制することは、製剤に使用されているヒ
アルロン酸の安定性や、皮膚に塗布した後の製剤のヒア
ルロン酸及び皮膚に存在していたヒアルロン酸の安定に
寄与すると考えられる。
【0016】また、上記活性酸素抑制作用について更に
詳しく説明する。一般に、空気中に酸素がないと生物
(嫌気性のものを除く)は存在しえない。しかし、酸素
は紫外線や酵素等の影響を受けて活性酸素になる。この
活性酸素は、脂肪酸を酸化し過酸化物を生成させる。生
体の生体膜のリン脂質も酸化させ、障害を与える。その
上、生成した過酸化物と活性酸素はDNAに損傷を与
え、老化を促進するといわれている。この活性酸素は、
チロシンからメラニンを作る機構にも影響を与え皮膚の
黒化にも関与している。この活性酸素を抑制することは
皮膚にとって重要な、言い換えれば化粧料に求められる
重要な要素である。
【0017】更に、上記抗プラスミン作用について更に
詳しく説明する。通常、皮膚に紫外線(UVB)を最小
紅班量の2倍の量を照射すると紅班と浮腫とができる。
このUV炎症反応にヒスタミン、セロトニン、プロスタ
グランジンE2、Fキニンなどがケミカル・メディエ
ーターとして関与すると報告されている。また、UV照
射後にウサギ皮膚組織中のプラスミン活性が亢進するこ
と、プラスミン活性が皮膚の腫張の程度とよく平行して
変動すること、及び抗プラスミン剤であるトラネキサム
酸の投与により皮膚の腫張が激しく抑制されることなど
が知られている。従って、抗プラスミン剤もUV炎症反
応における重要なケミカル・メディエーターの一つであ
り、このプラスミンを抑制することは皮膚にとって重要
な、言い換えれば化粧料に求められる重要な要素であ
る。
【0018】更にまた、上記コラゲナーゼ活性阻害作用
について説明すれば、上述の如く、病態時の組織破壊、
修復過程では、コラゲナーゼ活性の異状亢進がみられる
ので、このコラゲナーゼの活性を阻害することは皮膚に
とって重要な、言い換えれば化粧料に求められる重要な
要素である。
【0019】以下に、本発明の内容を詳しく説明する。
本発明において、カッシア・アウリキュレータ(学名:
Cassia auriculata)の利用方法としては、水或いは親
水性有機溶媒、例えば、エタノール、メタノール、アセ
トン等で抽出する。しかしながら、化粧品原料の抽出で
あるから、水、或いはエタノール又はこれらの混合溶媒
での抽出が好ましいのは当然である。また、場合によっ
ては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロ
ピレングリコール等の多価アルコール又は多価アルコー
ルと水の混液も抽出に利用できる。さらにまた、凍結乾
燥して粉体として利用することも利用方法によっては有
効である。
【0020】本発明の化粧料は、この溶媒抽出物を他の
化粧品原料、例えば、スクワラン、ホホバ油等の液状
油、ミツロウ、セチルアルコール等の固体油、各種の活
性剤、グリセリン、1,3ーブチレングリコール等の保
湿剤や各種薬剤等を配合して様々な剤形の化粧料を調製
することができる。例えば、ローション、クリーム、乳
液、パック等で目的に応じて種々の利用形態の化粧料な
どに調製することができる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明で使用するカッシア・アウリ
キュレータ(学名:Cassia auriculata)の抽出物の製
造例、実際の利用方法である実施例を記載するが、本発
明はこれらの製造例及び実施例によって何ら限定される
ものではない。
【0022】〔製造例1〕カッシア・アウリキュレータ
の小葉(乾燥品)10gにエタノール300mlを加えて
時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後凍結乾燥
した。
【0023】〔製造例2〕カッシア・アウリキュレータ
の小葉(乾燥品)10gに50%エタノール水溶液30
0mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾
過後凍結乾燥した。
【0024】〔製造例3〕カッシア・アウリキュレータ
の小葉(乾燥品)10gに精製水300mlを加えて3時
間加熱した。これを放冷した後、濾過後凍結乾燥した。
【0025】〔製造例4〕カッシア・アウリキュレータ
の樹皮(乾燥品)10gにエタノール300mlを加えて
時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾過後凍結乾燥
した。
【0026】〔製造例5〕カッシア・アウリキュレータ
の樹皮(乾燥品)10gに50%エタノール水溶液30
0mlを加えて時々撹拌しつつ5日間放置した。これを濾
過後凍結乾燥した。
【0027】〔製造例6〕カッシア・アウリキュレータ
の樹皮(乾燥品)10gに精製水300mlを加えて3時
間加熱した。これを放冷した後、濾過後凍結乾燥した。
【0028】〔実施例1(ローションの調製)〕下記の
諸成分を混合して、常法によりローションを調製した。 (重量%) オリーブ油 0.5 製造例1のカッシア・アウリキュレータのエタノール抽出物 0.3 ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 2.0 エタノール 10.0 1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0 精製水 80.2
【0029】〔実施例2(クリームの調製)〕下記諸成
分からなるAとBとをそれぞれ70℃まで加温し、次い
で、BにAを撹拌しつつ徐々に加えた後、ゆっくりと撹
拌しつつ30℃まで冷却してクリームを調製した。 (重量%) A スクワラン 20.0 オリーブ油 2.0 ミンク油 1.0 ホホバ油 5.0 ミツロウ 5.0 セトステアリルアルコール 2.0 グリセリンモノステアレート 1.0 ソルビタンモノステアレート 2.0 製造例2のカッシア・アウリキュレータの50%エタノール抽出物 0.5 B 精製水 48.4 ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタンモノステアレート 2.0 ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.0 グリセリン 5.0 1.0%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 5.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.1
【0030】〔実施例3(ローションの調製)〕実施例
1において製造例1の抽出物を製造例3の抽出物に変え
て調製した。
【0031】〔実施例4(クリームの調製)〕実施例2
において製造例1の抽出物を製造例4の抽出物に変えて
調製した。
【0032】〔実施例5(ローションの調製)〕実施例
1において製造例1の抽出物を製造例5の抽出物に変え
て調製した。
【0033】〔実施例6(クリームの調製)〕実施例2
において製造例1の抽出物を製造例6の抽出物に変えて
調製した。
【0034】〔チロシナーゼ活性阻害〕 (試験方法)マックルバルン(Mcllvaln)緩衝液0.9m
l、1.66mMチロシン(Tyrosine)溶液1.0ml、前記各
製造例(凍結乾燥品)の0.01wt/v%水溶液(溶解し
にくい場合はエタノールを加えて溶解したのち精製水を
加えて、エバポレートし、エタノールを除去したのち、
0.01wt/v%になるように調製した)1.0mlをスクリ
ューバイアルにとり、37℃恒温水槽中で5分以上加温
した。チロシナーゼ溶液(Sigma社製、マッシュルーム
由来、914ユニット/ml)0.1mlを加え、37℃恒温水
槽中で保温し、10分後に475nmで吸光度を測定し
た。対照として、上記試料液のかわりに純水を加え同様
に測定した。この試験では試料の終濃度は0.0033
%となる。 (計算式) チロシナーゼ活性阻害率(%)={B−(A−P)}/
B×100 ただし、A:試料検体の吸光度 B:対照の吸光度 P:試料検体の着色による吸光度(3倍希釈)
【0035】また、製造比較例として、特開平6−87
731号公報に記載のカワラケイメイ属のナンバンサイ
カチ、山扁豆(カワラケツメイ、学名:Cassia nomam
e)の全草を原料としたものを下記に示す。 〔製造比較例1〕ナンバンサイカチ(乾燥品)10gに
50%メタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌しつ
つ5日間放置した。これを濾過後凍結乾燥した。
【0036】〔製造比較例2〕山扁豆(乾燥品)10g
にエタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌しつつ5
日間放置した。これを濾過後、エバポレートし、凍結乾
燥した。
【0037】〔製造比較例3〕山扁豆(乾燥品)10g
に50%エタノール水溶液300mlを加えて時々撹拌し
つつ5日間放置した。これを濾過後、エバポレートし、
凍結乾燥した。上記製造比較例1〜3を上述のチロシナ
ーゼ活性阻害の試験方法により試験した。上記製造例1
〜6、製造比較例1〜3のチロシナーゼ活性阻害の結果
を下記表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】上記表1の結果から明らかなように、本発
明で用いるカッシア・アウリキュレータの抽出物である
製造例1〜6は、特開平6−87731号公報に記載の
カワラケイメイ属のナンバンサイカチ、山扁豆の抽出物
である製造比較例1〜3に較べて、チロシナーゼ活性阻
害作用が著しく高く、両者の差は顕著であることが判明
した。
【0040】〔ヒアルロニダーゼ活性抑制試験〕 (試験方法)0.4%ヒアルロン酸ナトリウム0.1M
(pH6.0)リン酸緩衝溶液6gを計量し、37℃の
恒温水槽で5分間放置した後、前記製造例(凍結乾燥
品)の0.1wt/v%水溶液(溶解しにくい場合はエタノ
ールを加えて溶解したのち精製水を加えて、エバポレー
トし、エタノール除去したのち、0.1wt/v%になるよ
うに調製した)1.0mlを加え撹拌し、0.01%ヒア
ルロニダーゼ(シグマ社製 牛睾丸製、タイプI−S)
0.1M(pH6.0)リン酸緩衝液を1ml加えて直
ちに撹拌し、6mlを37℃の恒温水槽に入れたオストワ
ルド粘度計に入れた。これを1分後、5分後、10分
後、20分後、40分後に粘度を測定した。また、対照
として、上記試料液の代わりに純水を加え同様にして測
定した。この試験では、試料の終濃度は、それぞれ検体
の濃度の0.0125%となる。1分後の粘度を100
として、それぞれの結果を指数で下記表2及び表3に示
す。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】〔活性酸素抑制試験〕活性酸素を抑制する
効果を測定する方法は各種あるが、今回以下の方法を利
用した。 pH 7.8 50mMリン酸カリウム緩衝液(1.3mM DETAPAC含有) 133ml 40 unit/ml カタラーゼの上記のリン酸カリウム緩衝液 5ml 2mM ニトロブルーテトラゾリウムの上記のリン酸カリウム緩衝液 5ml 1.8mM キサンチンの上記のリン酸カリウム緩衝液 17ml 160ml
【0044】上記の試薬の混合物を2.4ml、検体を0.3ml
加えてキサンチンオキシナーゼ(予め検体を水とし、実
験するとき、吸光度が1分当たり0.02前後上昇するよう
に上記のリン酸カリウム緩衝液で調整しておく)液を0.
1ml加えて直ちに吸光度(560nm)を測定する(測定は2
分位し、直線性を確認する)。 (計算式) 阻害率={(A−B)/A}×100 ただし、A:検体を水としたときの1分当たりの吸光度
の変化 B:検体の1分当たりの吸光度の変化 濃度段階を数段階行い、50%活性酸素生成阻害濃度を
探した。検体の作成方法は前記各製造例(凍結乾燥品)
を適当な濃度の水溶液を調製(溶解しにくい場合はエタ
ノールを加えて溶解したのち精製水を加えて、エバポレ
ートし、エタノールを除去したのち適当な濃度%となる
ように調製)した。その結果を下記表4に示す。
【0045】
【表4】
【0046】〔抗酸化試験〕 下記のネジキャップ付50ml試験管を作製した。 検体 5mg 2%リノール酸エタノール溶液 10ml 0.1M、pH7.0リン酸緩衝液 10ml 精製水 5ml このネジキャップ付50ml試験管を50℃の恒温槽に遮
光して放置した。これを恒温槽に入れる前、3日後、6
日後、10日後に下記の測定をした。試験液0.125
ml、75%エタノール12.125ml、30%チオ
シアン酸アンモニウム0.125mlを加えて撹拌し3
分間放置後、0.02N塩化第一鉄3.5%HCL水溶
液0.125mlを加えて撹拌し3分間放置後、500
nmで吸光度を測定した。セル長10mm、対照セルは
試験液を水に置き換えたもの。その結果を下記表5に示
す。
【0047】
【表5】
【0048】上記表5の結果から明らかなように、現在
抗酸化剤として使用されているビタミンEより抗酸化作
用が高いことが判った。
【0049】〔抗プラスミン試験〕 (試験方法)9cmシャーレにプラスミノーゲン除去フ
ィブリノーゲンタイプ2−0.6%水溶液4mlを入
れ、pH7.4の0.1Mリン酸緩衝液4mlを加えて
撹拌し、トロンビン(10単位/ml)0.1ml滴下
し、ゆっくと混和し、30分間放置した。トロンビンを
加えることによってフィブリノーゲンがフィブリンに変
化し、ゲルを形成した。検体0.1mlとプラスミン溶
液(10単位/ml)0.1ml混合した液を30μl
をシャーレのゲル上に乗せた後、37℃で2時間放置し
た。次いで、フィブリノーゲンの溶解した面積を測定し
た。また、検体の替わりに水を用いて同様な実験を行
い、次のような式でブラスミン活性の阻害率を求めた。
【0050】
【数1】
【0051】陽性対照としてトラネキサム酸、εーアミ
ノカプロン酸を試験したところ、50%阻害濃度はトラ
ネキサム酸30mg/ml、εーアミノカプロン酸40
mg/mlであった。その結果を表6に示す。
【0052】
【表6】
【0053】〔コラゲナーゼ阻害試験〕 (試験方法)I型コラゲナーゼ活性測定キッドYU−1
6001 コスモ・バイオを用いて実験した。すなわ
ち、マイクロチューブに蛍光標識I型コラーゲン(50μ
g/50μl/tube)を入れ、下記表7に示すように試薬、検
体等を入れた。ここで、下記表7中の中和液、酵素反応
停止剤、コラゲナーゼ溶液、TOTALブランクとは、
下記のとおりである。中和液とは、0.1Mトリス(オ
キシメチル)アミノメタン(略称トリス)−塩酸緩衝液
で、pH7.5であり、0.4M NaCl、0.01
M CaCl2、NaN3(アジ化ナトリウム)を含む。
酵素反応停止剤とは、O−フェナントロン(含エタノー
ル)溶液である。コラゲナーゼ溶液とは、コラゲナーゼ
(アマノ製1000unit/mg)の1unit/ml、2倍希釈の
中和液溶液である。TOTALブランクとは、コラゲナ
ーゼ溶液の濃度が高すぎた場合等について、試験のやり
方の正否のチェックのために行ったものである。
【0054】
【表7】
【0055】次いで、下記計算式により、コラゲナーゼ
活性阻害率を求めた。その結果を下記表8に示す。
【0056】
【数2】
【0057】
【表8】
【0058】(使用テスト)女性9名の顔面を左右に分
け、一方に、実施例のローションとクリームをセットに
して、他方には比較例のローションとクリームをセット
にして毎日、1回以上使用してもらって、3カ月後に、
美白、肌荒れ防止、肌のつや及び肌のはりについて評価
した。なお、比較例は実施例より製造例の各種のカッシ
ア・アウリキュレータの抽出物を水に代えたものである
(比較例1、2)。なお、27名を3班にわけ、下記表
9に示される試料を使って試験した。
【0059】
【表9】
【0060】評価は、下記の評価基準により評価し、そ
の結果をまとめたのが下記の表10である。 (評価基準) 実施例の方が非常によい 3 実施例の方がかなりよい 2 実施例の方がややよい 1 差がない 0 比較例の方がややよい −1 比較例の方がかなりよい −2 比較例の方が非常によい −3
【0061】
【表10】
【0062】上記チロシナーゼの活性抑制試験結果(表
1)、ヒアルロニダーゼ活性抑制試験結果(表2、表
3)、活性酸素抑制試験結果(表4)、抗酸化試験結果
(表5)、抗プラスミン試験結果(表6)、コラゲナー
ゼの阻害試験結果(表8)、使用テスト(表10)から
明らかなように、本発明のカッシア・アウリキュレータ
の溶媒抽出物を含む化粧料は、チロシナーゼの活性、ヒ
アルロニダーゼの活性及び活性酸素を抑制し、抗プラス
ミン、コラゲナーゼの阻害が著しく高く、美白、肌荒れ
防止、肌のつや及び肌のはりに有効なことが判った。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、他のカワラケツメイ属
を原料とする化粧料に較べて、美白作用が強いばかりで
なく、活性酸素抑制作用、抗酸化作用、ヒアルロニダー
ゼ活性阻害作用、抗プラスミン作用、コラゲナーゼ活性
阻害作用が強く、且つ肌荒れなどに有効な化粧料が提供
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下村 健次 三重県伊勢市船江3−16−32 (72)発明者 飯田 浩一 三重県伊勢市黒瀬町56−1

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カッシア・アウリキュレータ(Cassia a
    uriculata)の溶媒抽出物を含む化粧料。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999015145A1 (de) * 1997-09-19 1999-04-01 Henkel Kommanditgesellschaft Auf Aktien Extrakt und kosmetische zubereitung
WO2000051562A1 (en) * 1999-03-03 2000-09-08 Shiseido Company, Ltd. Matrix metalloprotease inhibitor and utilization thereof
JP2004507505A (ja) 2000-08-29 2004-03-11 コグニス・フランス・ソシエテ・アノニム 植物Cassiaalataの抽出物の使用
JP2009019001A (ja) * 2007-07-11 2009-01-29 Eureka:Kk 動物の被毛外用剤
JP2009091315A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Nth:Kk ナチュラルヘナ抽出物とその用途

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