JPH08247229A - 遊星歯車減速装置 - Google Patents

遊星歯車減速装置

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JPH08247229A
JPH08247229A JP7083306A JP8330695A JPH08247229A JP H08247229 A JPH08247229 A JP H08247229A JP 7083306 A JP7083306 A JP 7083306A JP 8330695 A JP8330695 A JP 8330695A JP H08247229 A JPH08247229 A JP H08247229A
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JP
Japan
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sun gear
planetary gear
gear
output shaft
planetary
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Application number
JP7083306A
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English (en)
Inventor
Isato Masuda
勇人 益田
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転源の出力が太陽歯車に適正に伝達されな
い状態が生じても、確実に回転体の回転を停止させるよ
うにする。 【構成】 遊星歯車機構24を構成する太陽歯車25と
は別の空転防止用太陽歯車31を、旋回モータ15の出
力軸15Aにスプライン結合すると共に、この空転防止
用太陽歯車31と上側ハウジング12の内歯車12Aと
に噛合する空転防止用遊星歯車33をキャリア28に設
ける構成とする。これにより、出力軸15Aと太陽歯車
25とのスプライン結合部が破損した場合でも、出力軸
15Aに作用した制動力は、空転防止用太陽歯車31、
各空転防止用遊星歯車33およびキャリア28を介して
回転軸16に確実に伝達されるから、オペレーターの旋
回停止操作に応じて確実に回転軸16の回転を停止さ
せ、上部旋回体2の空転を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば油圧ショベル、
油圧クレーン等の旋回装置や履帯駆動装置、油圧クレー
ンのロープウインチ等に用いて好適な遊星歯車減速装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベル、油圧クレーン等の旋回装
置や履帯駆動装置、あるいは油圧クレーンのロープウイ
ンチ等には、一般に、回転源としてのモータの回転を減
速して大きなトルクを出力するための遊星歯車減速装置
が搭載されている。
【0003】そこで、図8ないし図10に従来技術によ
る遊星歯車減速装置を、油圧ショベルの旋回装置に用い
た場合を例に挙げて述べる。
【0004】図中、1は下部走行体、2は該下部走行体
1上に旋回可能に搭載された上部旋回体を示し、該上部
旋回体2は旋回フレーム3を有し、該旋回フレーム3上
には運転室4,機械室5およびカウンタウエイト6等が
設けられている。7は上部旋回体2の前部に位置して旋
回フレーム3に俯仰動可能に設けられた作業装置を示
し、該作業装置7は土砂等の掘削作業を行なうようにな
っている。
【0005】8は下部走行体1と上部旋回体2との間に
配設された遊星歯車減速装置を示し、該遊星歯車減速装
置8は図9に示すように、下端側が旋回フレーム3上に
取付けられた後述のハウジング9と、該ハウジング9の
上端側に設けられた旋回モータ15と、該旋回モータ1
5によって回転駆動される回転軸16と、旋回モータ1
5の回転を減速して回転軸16に伝達する遊星歯車機構
24とから大略構成されている。
【0006】9は旋回フレーム3上に取付けられたハウ
ジングを示し、該ハウジング9は段付の略円筒状に形成
され、下端側の下フランジ10Aが旋回フレーム3上に
複数のボルト11,11,…を介して固着された下側ハ
ウジング10と、該下側ハウジング10の上フランジ1
0B上に設けられ、内周面に内歯車としての各内歯車1
2Aが全周に亘って形成された略円筒状の上側ハウジン
グ12と、該上側ハウジング12の上端側を施蓋し旋回
モータ15が取付けられたカバー13とから構成されて
いる。そして、該カバー13と上側ハウジング12と
は、複数のボルト14,14,…(1個のみ図示)を介
して下側ハウジング10の上フランジ10B上に一体的
に固着している。
【0007】15はハウジング9の上端側に位置してカ
バー13に取付けられた回転源としての旋回モータで、
該旋回モータ15としては、外部から圧油が給排される
ことにより出力軸15Aを回転駆動する油圧モータが用
いられている。ここで、出力軸15Aは、後述する遊星
歯車機構24の太陽歯車25とスプライン結合すべく外
周側にスプライン溝が形成されている。
【0008】16はハウジング9の下側ハウジング10
に軸受17,18を介して回転可能に支持された回転体
としての回転軸を示し、該回転軸16の上端側は後述す
るキャリア28とスプライン結合するスプライン軸16
Aとなり、回転軸16の下端側はハウジング9から旋回
フレーム3の下側へと突出してピニオン16Bとなって
いる。
【0009】19は下部走行体1と上部旋回体2との間
に設けられた旋回輪で、該旋回輪19は、下部走行体1
のフレームを構成する丸胴20上に固着され、内周面に
全周に亘って内歯21Aが形成された内輪21と、該内
輪21の外周側を囲むようにして旋回フレーム3の下面
側に固着された外輪22と、該外輪22と内輪21との
間に多数個配設され、内輪21に対して外輪22を旋回
フレーム3と共に円滑に回転(旋回)させる鋼球23
(1個のみ図示)とから構成されている。
【0010】ここで、内輪21の内歯21Aは回転軸1
6のピニオン16Bと噛合しており、旋回モータ15に
より遊星歯車機構24を介して回転軸16が回転駆動さ
れると、該回転軸16は、ピニオン16Bと内輪21の
内歯21Aとの噛合により自転しつつ該内歯21Aの周
囲を公転する。そして、この回転軸16の公転力が該回
転軸16を支持するハウジング9を介して旋回フレーム
3に伝達されることにより、上部旋回体2が旋回輪19
を介して下部走行体1上で旋回するようになっている。
【0011】24は旋回モータ15の下側に位置して上
側ハウジング12内に配設された遊星歯車機構を示し、
該遊星歯車機構24は図10に示すように、旋回モータ
15の出力軸15Aとスプラインボス25Aを介してス
プライン結合(噛合)した太陽歯車25と、該太陽歯車
25と上側ハウジング12の内歯車12Aとに噛合し、
該太陽歯車25の周囲を自転しつつ公転する例えば3個
(1個のみ図示)の遊星歯車26と、該各遊星歯車26
を支持ピン27を介して回転可能に支持するキャリア2
8とから構成されている。ここで、キャリア28の下端
側にはスプラインボス28Aが形成され、該スプライン
ボス28Aには回転軸16のスプライン軸16Aが嵌合
している。従って、旋回モータ15が作動して出力軸1
5Aが回転すると、該出力軸15Aの回転は遊星歯車機
構24によって減速され、キャリア28を介して回転軸
16に大きなトルクをもって伝達される。
【0012】このように構成される遊星歯車減速装置8
を備えた油圧ショベルでは、旋回モータ15に対して外
部から圧油を給排すると出力軸15Aが回転し、この回
転はハウジング9内で遊星歯車機構24の太陽歯車25
から各遊星歯車26に伝えられ、該各遊星歯車26は太
陽歯車25と上側ハウジング12の内歯車12Aとに噛
合することにより、太陽歯車25の周囲を自転しつつ公
転する。そして、各遊星歯車26の公転がキャリア28
を介して回転軸16に伝達されることにより、旋回モー
タ15の回転は大きく減速され、回転軸16に高トルク
の回転が伝えられる。
【0013】ここで、該回転軸16のピニオン16Bは
旋回輪19を構成する内輪21の内歯21Aに噛合し、
内輪21は下部走行体1の丸胴20に固着され、外輪2
2は上部旋回体2の旋回フレーム3に固着されているか
ら、ピニオン16Bは内輪21の内歯21Aに沿って自
転しつつ公転し、この公転力が回転軸16からハウジン
グ9を介して旋回フレーム3に伝達され、上部旋回体2
全体が下部走行体1上で旋回するようになる。
【0014】そして、下部走行体1上で旋回する上部旋
回体2を停止させる場合には、例えばオペレーターの制
動操作によって旋回モータ15に対する圧油の供給を停
止させ、出力軸15Aに制動力を付与する。これによ
り、出力軸15Aに作用した制動力が遊星歯車機構24
を介して回転軸16に伝達され、内輪21の内歯21A
に沿う回転軸16の公転が停止し、下部走行体1上での
上部旋回体2の旋回が停止する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による遊星歯車減速装置8を備えた油圧ショベル
において、旋回モータ15の出力軸15Aと遊星歯車機
構24の太陽歯車25とのスプライン結合部には大きな
応力が作用しており、この応力により出力軸15Aに形
成されたスプライン溝や太陽歯車25のスプラインボス
25Aが摩滅あるいは折損し、出力軸15Aと太陽歯車
25とのスプライン結合部が破損した場合には、出力軸
15Aに作用した制動力が遊星歯車機構24を介して回
転軸16に伝達されず、回転軸16はハウジング9内で
空転してしまう。
【0016】そして、例えば上部旋回体2の旋回動作時
に、出力軸15Aと太陽歯車25とのスプライン結合部
が破損して回転軸16が空転状態となった場合には、オ
ペレーターが旋回モータ15に対する制動操作を行って
も、上部旋回体2は慣性力により旋回動作を継続してし
まい、油圧ショベルの操作性が損なわれるという問題が
ある。
【0017】また、上部旋回体2が旋回動作を行ってい
ない状態では、通常、旋回モータ15に内蔵された多板
式ブレーキ(図示せず)が出力軸15Aに制動力を付与
することにより、上部旋回体2の回転が抑制されている
が、例えば出力軸15Aと太陽歯車25とのスプライン
結合部が破損した場合には、出力軸15Aに作用した制
動力が遊星歯車機構24を介して回転軸16に伝達され
ないから、油圧ショベルが傾斜地等を走行する際に、上
部旋回体2が下部走行体1上で旋回(空転)してしま
い、油圧ショベルの走行安定性が損なわれるという問題
がある。
【0018】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、回転源の出力が適正に太陽歯車に伝達さ
れない状態が生じても、回転源に作用した制動力を確実
に回転体に伝達することにより、該回転体の空転を防止
することができる遊星歯車減速装置を提供することを目
的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、ハウジングに設けられた回転源と、
該回転源の出力が伝達される太陽歯車と、該太陽歯車に
噛合する遊星歯車と、該遊星歯車を回転可能に支持する
キャリアとからなり、該キャリアの減速回転を回転体に
出力するようにした遊星歯車減速装置に適用される。
【0020】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記太陽歯車と同一の歯数とモジュールとをも
って形成され、前記回転源の出力軸に噛合する空転防止
用太陽歯車と、前記遊星歯車と同一の歯数とモジュール
とをもって形成され、該空転防止用太陽歯車に噛合する
空転防止用遊星歯車とを設けたことにある。
【0021】この場合、請求項2の発明のように、前記
空転防止用太陽歯車と空転防止用遊星歯車との間のバッ
クラッシを、前記太陽歯車と遊星歯車との間のバックラ
ッシよりも大きく設定するのが望ましい。
【0022】また、請求項3の発明のように、前記回転
源は前記太陽歯車と空転防止用太陽歯車とに噛合する出
力軸を有し、該出力軸には、前記太陽歯車が噛合する第
1の噛合部と、前記空転防止用太陽歯車が噛合する第2
の噛合部とを区分する円周溝を形成するのがよい。
【0023】さらに、請求項4の発明は、内周面に内歯
車が形成されたハウジングと、該ハウジングに設けられ
た回転源と、前記回転源の出力軸に噛合する太陽歯車
と、該太陽歯車と前記内歯車とに噛合する遊星歯車と、
該遊星歯車を回転可能に支持するキャリアとからなり、
該キャリアの減速回転を回転体に出力するようにした遊
星歯車減速装置に適用される。
【0024】そして、請求項4の発明が採用する構成の
特徴は、前記ハウジング内には、前記太陽歯車と同一の
歯数とモジュールとをもって形成され、前記回転源の出
力軸に噛合する空転防止用太陽歯車と、前記遊星歯車と
同一の歯数とモジュールとをもって形成され、該空転防
止用太陽歯車と前記ハウジングの内歯車とに噛合する空
転防止用遊星歯車とを設けたことにある。
【0025】
【作用】請求項1の構成によれば、回転源が回転する
と、その回転は太陽歯車、遊星歯車およびキャリアを介
して大きく減速され、回転体には高トルクの回転が伝達
される。そして、例えば回転源の出力が適正に太陽歯車
に伝達されない状態で、回転源に制動力を付与した場合
には、この回転源に作用した制動力は、太陽歯車には伝
達されないものの、空転防止用太陽歯車、空転防止用遊
星歯車およびキャリアを介して回転体に伝達されるか
ら、該回転体の回転を確実に停止させることができる。
【0026】また、請求項2の構成によれば、空転防止
用太陽歯車と空転防止用遊星歯車との間のバックラッシ
を、遊星歯車機構の太陽歯車と遊星歯車との間のバック
ラッシよりも大きく設定したから、空転防止用太陽歯車
と空転防止用遊星歯車とは、遊星歯車機構の太陽歯車と
遊星歯車とが噛合した後に、バックラッシの差だけ遅れ
て噛合する。従って、回転源の出力が適正に太陽歯車に
伝達されている状態では、空転防止用遊星歯車は回転源
と回転体との間の動力伝達には関与せずに空転し、当該
動力伝達時の負荷となるのが防止できる。
【0027】さらに、請求項3の構成によれば、回転源
の出力軸に円周溝を設けることにより、該出力軸に、太
陽歯車が噛合する第1の噛合部と、前記空転防止用太陽
歯車が噛合する第2の噛合部とを区分して形成したか
ら、例えば太陽歯車と噛合する第1の噛合部が破損して
も、円周溝を介して第1の噛合部と区分された第2の噛
合部が破損するのを確実に防止することができる。従っ
て、出力軸に作用した制動力は、第2の噛合部に噛合し
た空転防止用太陽歯車、空転防止用遊星歯車およびキャ
リアを介して確実に回転体に伝達され、該回転体の回転
を確実に停止させることができる。
【0028】さらにまた、請求項4の構成によれば、回
転源が作動して出力軸が回転すると、該出力軸の回転は
太陽歯車、遊星歯車およびキャリアを介して大きく減速
され、回転体には高トルクの回転が伝達される。そし
て、例えば回転源の出力軸と太陽歯車との噛合部が破損
した状態で出力軸に制動力を付与した場合には、この出
力軸に作用した制動力は、太陽歯車には伝達されないも
のの、空転防止用太陽歯車、空転防止用遊星歯車および
キャリアを介して回転体に伝達されるから、該回転体の
回転を確実に停止させることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図7に基
づき説明する。なお、実施例では上述した図8ないし図
10に示す従来技術と同一の構成要素には同一の符号を
付し、その説明を省略する。
【0030】まず、図1ないし図4は本発明の第1の実
施例を示している。
【0031】図中、31はハウジング9内に位置して旋
回モータ15の出力軸15Aに設けられた空転防止用太
陽歯車を示し、該空転防止用太陽歯車31は、図2に示
すようにその内周側にスプラインボス31Aが形成さ
れ、該スプラインボス31Aに出力軸15Aのスプライ
ン溝が嵌合することにより、出力軸15Aとスプライン
結合(噛合)している。
【0032】ここで、該空転防止用太陽歯車31は、遊
星歯車機構24を構成する太陽歯車25に比して軸方向
寸法(歯幅)が小さく形成されているが、歯数とモジュ
ールとが同一で、かつ、等しい歯形をもって形成されて
いる。32は出力軸15Aの外周側に嵌合したストップ
リングで、該ストップリング32は、太陽歯車25との
間で空転防止用太陽歯車31を軸方向に位置決めしてい
る。
【0033】33,33,…は上側ハウジング12の内
歯車12Aと空転防止用太陽歯車31とに噛合する3個
の空転防止用遊星歯車を示し、該各空転防止用遊星歯車
33は、キャリア28の上端側にボルト34を介して固
定された支持ピン35に回転可能に軸支され、支持ピン
35の外周側に嵌合したストップリング36により軸方
向に抜止めされている。そして、該各空転防止用遊星歯
車33は、遊星歯車機構24の各遊星歯車26と径方向
において対称となるように、互いに均等な角度間隔(1
20度)をもった3箇所に配設されている。
【0034】ここで、空転防止用遊星歯車33は、遊星
歯車26に対して同一の歯数とモジュールとをもって形
成されているが、遊星歯車26に比して個々の歯圧が小
さく形成されている。即ち、図3中に示すように空転防
止用遊星歯車33と空転防止用太陽歯車31とが噛合し
た状態で、空転防止用遊星歯車33の歯面と空転防止用
太陽歯車31の歯面との間に生じる隙間(バックラッ
シ)j1は、図4中に示す遊星歯車機構24を構成する
太陽歯車25と遊星歯車26との間のバックラッシj2
よりも大きく(j1>j2)設定されているのである。
また、各空転防止用遊星歯車33は、遊星歯車機構24
を構成する各遊星歯車26に比して歯幅が小さく形成さ
れ、空転防止用太陽歯車31と上側ハウジング12の内
歯車12Aとに噛合した際の摩擦力を低減できるように
考慮されている。
【0035】従って、旋回モータ15が作動して出力軸
15Aが回転すると、遊星歯車機構24の太陽歯車25
と空転防止用太陽歯車31とは同期して回転するが、遊
星歯車機構24の各遊星歯車26が太陽歯車25の周囲
を自転しつつ公転するとき、各空転防止用遊星歯車33
は、必ずバックラッシの差だけ遅れて空転防止用太陽歯
車31の周囲を自転しつつ公転するようになっている。
【0036】本実施例は上述の如き構成を有するもの
で、その動作について以下に述べる。
【0037】まず、旋回モータ15が作動して出力軸1
5Aが回転し、遊星歯車機構24の太陽歯車25が図3
および図4中の矢印R方向に回転すると、各遊星歯車2
6は太陽歯車25と上側ハウジング12の内歯車12A
とに噛合することにより、太陽歯車25の周囲を自転し
つつ公転する。そして、各遊星歯車26の公転がキャリ
ア28を介して減速された状態で回転軸16に伝達さ
れ、該回転軸16のピニオン16Bが旋回輪19を構成
する内輪21の内歯21Aに噛合することにより、回転
軸16は内輪21の内歯21Aに沿って自転しつつ公転
する。この回転軸16の公転力が、回転軸16を支持す
るハウジング9を介して旋回フレーム3に伝達され、上
部旋回体2全体が下部走行体1上で旋回動作を行う。
【0038】上述の如き上部旋回体2の旋回動作時にお
いて、出力軸15Aの回転に伴って太陽歯車25が回転
するとき、これと同期して空転防止用太陽歯車31も回
転し、各空転防止用遊星歯車33は空転防止用太陽歯車
31の周囲を自転しつつ公転する。しかし、各空転防止
用遊星歯車33の歯面と空転防止用太陽歯車31の歯面
との間のバックラッシj1が、遊星歯車機構24を構成
する太陽歯車25と遊星歯車26との間のバックラッシ
j2よりも大きく設定されているから、各空転防止用遊
星歯車33は、必ずバックラッシの差(j2−j1)だ
け遅れて空転防止用太陽歯車31の周囲を自転しつつ公
転することになる。このため、各空転防止用遊星歯車3
3は、回転軸16への動力伝達には関与することなくハ
ウジング9内で空転するから、出力軸15Aから回転軸
16への動力伝達を行う遊星歯車機構24に対する負荷
となるのが防止できる。
【0039】そして、オペレーターが上部旋回体2の旋
回動作を停止すべく旋回停止操作を行い、旋回モータ1
5に対する圧油の供給が停止し、ブレーキ回路が作動し
て出力軸15Aに制動力が作用すると、該出力軸15A
に作用した制動力は、遊星歯車機構24を介して回転軸
16に伝達され、内輪21の内歯21Aに沿う回転軸1
6の公転が停止し、下部走行体1上での上部旋回体2の
旋回が停止する。
【0040】ここで、例えば上部旋回体2に対する旋回
停止操作時に、旋回モータ15の出力軸15Aに形成さ
れたスプライン溝や太陽歯車25のスプラインボス25
Aが摩滅あるいは折損し、出力軸15Aと太陽歯車25
とのスプライン結合部が破損した場合には、出力軸15
Aに作用した制動力が遊星歯車機構24を介して回転軸
16に伝達されない状態が生じる。
【0041】然るに、本実施例によれば、太陽歯車25
とは別個の空転防止用太陽歯車31が出力軸15Aにス
プライン結合され、該空転防止用太陽歯車31と上側ハ
ウジング12の内歯車12Aとに噛合する空転防止用遊
星歯車33がキャリア28に設けられているから、出力
軸15Aと太陽歯車25とのスプライン結合部が破損し
た場合でも、出力軸15Aに作用した制動力は、空転防
止用太陽歯車31、各空転防止用遊星歯車33およびキ
ャリア28を介して回転軸16に確実に伝達される。こ
れにより、オペレーターの旋回停止操作に応じて確実に
上部旋回体2の旋回動作を停止させることができ、油圧
ショベルの信頼性を向上することができる。
【0042】また、上部旋回体2が旋回動作を行ってい
ない状態では、旋回モータ15に内蔵された多板式ブレ
ーキ(図示せず)によって出力軸15Aに作用した制動
力が、空転防止用太陽歯車31、各空転防止用遊星歯車
33およびキャリア28を介して回転軸16に伝達され
る。従って、出力軸15Aと太陽歯車25とのスプライ
ン結合部が破損した状態で油圧ショベルが傾斜地等を走
行した場合でも、上部旋回体2が下部走行体1上で旋回
(空転)してしまうのを確実に防止でき、油圧ショベル
の信頼性を向上することができる。
【0043】次に、図5および図6は本発明の第2の実
施例を示している。なお、本実施例では上述した第1の
実施例と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説
明を省略する。
【0044】図中、41は旋回モータ15の出力軸15
Aに設けられた円周溝を示し、該円周溝41は出力軸1
5Aの軸方向中間部位に全周に亘って形成されている。
そして、出力軸15Aに形成されたスプライン溝は、該
円周溝41によって軸方向に不連続となり、後述する先
端側スプライン溝42と基端側スプライン溝43とに区
分されている。
【0045】42は円周溝41によって区分され出力軸
15Aの先端側に位置する、第1の噛合部としての先端
側スプライン溝で、該先端側スプライン溝42は、太陽
歯車25のスプラインボス25Aのみにスプライン結合
するようになっている。
【0046】43は円周溝41によって区分され出力軸
15Aの基端側に位置する、第2の噛合部としての基端
側スプライン溝で、該基端側スプライン溝43は、空転
防止用太陽歯車31のスプラインボス31Aのみにスプ
ライン結合するようになっている。
【0047】上述の如く構成された本実施例において
は、上部旋回体2の旋回動作時等において出力軸15A
の先端側スプライン溝42が損傷しても、円周溝41に
よって該先端側スプライン溝42と区分されることによ
り、基端側スプライン溝43にまで損傷が及ぶのを確実
に防止できる。
【0048】従って、出力軸15Aと太陽歯車25との
スプライン結合部が破損し、出力軸15Aに作用した制
動力が遊星歯車機構24を介して回転軸16に伝達され
ない状態が生じても、出力軸15Aに作用した制動力
を、基端側スプライン溝43、空転防止用太陽歯車3
1、各空転防止用遊星歯車33およびキャリア28を介
して回転軸16に確実に伝達することにより、上部旋回
体2の空転を確実に防止でき、油圧ショベルの信頼性を
一層向上することができる。
【0049】次に、図7は上述した第2の実施例の変形
例を示している。なお、本変形例では上述した第2の実
施例と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明
を省略する。
【0050】図中、51は遊星歯車機構24の各遊星歯
車26をキャリア28に対して回転可能に支持する支持
ピンを示し、キャリア28から突出した該支持ピン51
の上端側は小径軸部51Aとなっている。そして、該小
径軸部51Aには空転防止用遊星歯車33が回転可能に
嵌合し、該空転防止用遊星歯車33はストップリング3
6によって軸方向に抜止めされている。
【0051】このように、遊星歯車機構24を構成する
各遊星歯車26と各空転防止用遊星歯車33とを支持ピ
ン51を介して同軸上に配設することにより、部品点数
の削減に寄与することができる。
【0052】本変形例における他の構成および作用効果
は、上述した第2の実施例と同様である。
【0053】なお、前記各実施例および変形例では、各
空転防止用遊星歯車33の歯圧を小さく形成することに
より、空転防止用太陽歯車31と各空転防止用遊星歯車
33との間のバックラッシを、遊星歯車機構24を構成
する太陽歯車25と各遊星歯車26との間のバックラッ
シよりも大きく設定した場合を例に挙げて説明したが、
本発明はこれに限ることはなく、例えば空転防止用太陽
歯車31の歯圧を小さく形成してもよい。
【0054】また、前記各実施例および変形例では、旋
回モータ15の出力軸15Aに別体の太陽歯車25をス
プライン結合した場合を例に挙げて説明したが、本発明
はこれに限ることはなく、例えば旋回モータの出力軸に
太陽歯車を一体形成したものに適用してもよい。
【0055】さらに、前記各実施例および変形例では、
ハウジング9内に1段の減速段からなる遊星歯車機構2
4を設けるものとして述べたが、例えば2段以上の減速
段からなる遊星歯車機構を設けるようにしてもよい。
【0056】また、前記各実施例および変形例では、油
圧ショベルの旋回装置に適用した場合を例に挙げて説明
したが、本発明はこれに限らず、油圧クレーン等の他の
建設機械の旋回装置にも適用できる。さらに、回転体の
対象物としてのスプロケットを備えた建設機械の履帯駆
動装置、あるいは回転体の対象物としての巻取ドラムを
備えた油圧クレーンのロープウインチ等にも適用するこ
とができる。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の発明に
よれば、太陽歯車と同一の歯数とモジュールとをもって
形成され、該太陽歯車とは別に回転源の出力が伝達され
る空転防止用太陽歯車を設けると共に、遊星歯車と同一
の歯数とモジュールとをもって形成され、前記空転防止
用太陽歯車に噛合する空転防止用遊星歯車を設ける構成
としたから、回転源の出力が適正に太陽歯車に伝達され
ない状態が生じても、回転源に作用した制動力は、空転
防止用太陽歯車、空転防止用遊星歯車およびキャリアを
介して確実に回転体に伝達される。従って、太陽歯車の
破損等に起因して回転体が空転するのを確実に防止する
ことができる。
【0058】また、請求項2の発明によれば、空転防止
用太陽歯車と空転防止用遊星歯車との間のバックラッシ
を、太陽歯車と遊星歯車との間のバックラッシよりも大
きく設定することにより、空転防止用太陽歯車と空転防
止用遊星歯車とが、太陽歯車と遊星歯車とが噛合した後
に、バックラッシの差だけ遅れて噛合するように構成し
たから、空転防止用遊星歯車は、回転源の出力が適正に
太陽歯車に伝達されている状態では、空転防止用遊星歯
車は回転源と回転体との間の動力伝達には関与せずに空
転し、当該動力伝達時の負荷となるのが防止できる。
【0059】さらに、請求項3の発明によれば、回転源
の回転を出力する出力軸に円周溝を設けることにより、
該出力軸に太陽歯車が噛合する第1の噛合部と、前記空
転防止用太陽歯車が噛合する第2の噛合部とを区分して
形成したから、太陽歯車と噛合する第1の噛合部が破損
しても、円周溝を介して第1の噛合部と区分された第2
の噛合部が破損するのを確実に防止することができる。
従って、出力軸と太陽歯車との噛合部が破損した場合
に、出力軸に作用する制動力を、空転防止用太陽歯車、
空転防止用遊星歯車およびキャリアを介して確実に回転
体に伝達でき、該回転体の空転を防止する機能の信頼性
を向上することができる。
【0060】さらにまた、請求項4の発明によれば、太
陽歯車と同一の歯数とモジュールとをもって形成された
空転防止用太陽歯車を、太陽歯車とは別個に回転源の出
力軸に噛合させると共に、遊星歯車と同一の歯数とモジ
ュールとをもって形成された空転防止用遊星歯車を、該
空転防止用太陽歯車とハウジングの内歯車とに噛合させ
る構成としたから、回転源の出力軸と太陽歯車との噛合
部が破損した場合でも、回転源の出力軸に作用した制動
力は、空転防止用太陽歯車、空転防止用遊星歯車および
キャリアを介して確実に回転体に伝達される。従って、
出力軸と太陽歯車との噛合部の破損に起因して回転体が
ハウジング内で空転するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による遊星歯車減速装置
の要部を示す拡大断面図である。
【図2】図1中の矢示II−II方向からみた断面図であ
る。
【図3】図2中の空転防止用太陽歯車と空転防止用遊星
歯車とが噛合した状態を示す拡大断面図である。
【図4】太陽歯車と遊星歯車とが噛合した状態を示す、
図1中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例による遊星歯車減速装置
の要部を示す、図1と同様位置の拡大断面図である。
【図6】図5中の旋回モータの出力軸を拡大して示す斜
視図である。
【図7】第2の実施例の変形例を示す図5と同様位置の
拡大断面図である。
【図8】従来技術による遊星歯車減速装置を備えた油圧
ショベルを示す全体図である。
【図9】図8中に示す遊星歯車減速装置の拡大縦断面図
である。
【図10】図9中の遊星歯車機構等を示す拡大断面図で
ある。
【符号の説明】
8 遊星歯車減速装置 9 ハウジング 12A 内歯車 15 旋回モータ(回転源) 15A 出力軸 16 回転軸(回転体) 24 遊星歯車機構 25 太陽歯車 26 遊星歯車 28 キャリア 31 空転防止用太陽歯車 33 空転防止用遊星歯車 41 円周溝 42 先端側スプライン溝(第1の噛合部) 43 基端側スプライン溝(第2の噛合部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに設けられた回転源と、該回
    転源の出力が伝達される太陽歯車と、該太陽歯車に噛合
    する遊星歯車と、該遊星歯車を回転可能に支持するキャ
    リアとからなり、該キャリアの減速回転を回転体に出力
    するようにした遊星歯車減速装置において、 前記太陽歯車と同一の歯数とモジュールとをもって形成
    され、前記太陽歯車とは別に前記回転源の出力が伝達さ
    れる空転防止用太陽歯車と、前記遊星歯車と同一の歯数
    とモジュールとをもって形成され、該空転防止用太陽歯
    車に噛合する空転防止用遊星歯車とを設けたことを特徴
    とする遊星歯車減速装置。
  2. 【請求項2】 前記空転防止用太陽歯車と空転防止用遊
    星歯車との間のバックラッシを、前記太陽歯車と遊星歯
    車との間のバックラッシよりも大きく設定してなる請求
    項1に記載の遊星歯車減速装置。
  3. 【請求項3】 前記回転源は前記太陽歯車と空転防止用
    太陽歯車とに噛合する出力軸を有し、該出力軸には、前
    記太陽歯車が噛合する第1の噛合部と、前記空転防止用
    太陽歯車が噛合する第2の噛合部とを区分する円周溝を
    形成してなる請求項1または2に記載の遊星歯車減速装
    置。
  4. 【請求項4】 内周面に内歯車が形成されたハウジング
    と、該ハウジングに設けられた回転源と、前記回転源の
    出力軸に噛合する太陽歯車と、該太陽歯車と前記内歯車
    とに噛合する遊星歯車と、該遊星歯車を回転可能に支持
    するキャリアとからなり、該キャリアの減速回転を回転
    体に出力するようにした遊星歯車減速装置において、 前記ハウジング内には、前記太陽歯車と同一の歯数とモ
    ジュールとをもって形成され、前記回転源の出力軸に噛
    合する空転防止用太陽歯車と、前記遊星歯車と同一の歯
    数とモジュールとをもって形成され、該空転防止用太陽
    歯車と前記ハウジングの内歯車とに噛合する空転防止用
    遊星歯車とを設けたことを特徴とする遊星歯車減速装
    置。
JP7083306A 1995-03-15 1995-03-15 遊星歯車減速装置 Pending JPH08247229A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140118752A (ko) * 2013-03-29 2014-10-08 스미도모쥬기가이고교 가부시키가이샤 쇼벨

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KR20140118752A (ko) * 2013-03-29 2014-10-08 스미도모쥬기가이고교 가부시키가이샤 쇼벨

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