JPH08244833A - 金属容器密封フィルム - Google Patents

金属容器密封フィルム

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Publication number
JPH08244833A
JPH08244833A JP7045911A JP4591195A JPH08244833A JP H08244833 A JPH08244833 A JP H08244833A JP 7045911 A JP7045911 A JP 7045911A JP 4591195 A JP4591195 A JP 4591195A JP H08244833 A JPH08244833 A JP H08244833A
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JP
Japan
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layer
film
metal container
frequency welding
softening temperature
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Application number
JP7045911A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Iwasaki
裕明 岩崎
Kyoichi Kato
恭一 加藤
Shoji Otani
庄治 大谷
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 揮発性成分含有内容物を金属容器に保存する
際にも、高周波シール性及び押出ラミネート加工性に優
れ、長期保存時もデラミ等のフィルム劣化を生じず、内
容物の蒸散もなく品質を良好に維持できる金属容器密封
フィルムを提供すること。 【構成】 フィルム状積層体からなり、該フィルム状積
層体は、アルミ箔層、封止面を形成する高周波溶着層、
及び該アルミ箔層と該高周波溶着層との間に介在する低
軟化温度ポリエステル層とを具備しており、上記高周波
溶着層は、変性ポリオレフィン樹脂5〜50重量部を分
散相とし、融点が120℃以下、結晶融解熱量が5〜3
0mJ/mg且つメルトフローレートが30以下である結晶
性ポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂95〜50
重量部をマトリックスとした樹脂組成物により形成され
ており、上記低軟化温度ポリエステル層は、その軟化温
度が200℃以下である、金属容器の口部を封止する金
属容器密封フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的揮発性の高い油
分、水分を含むスキンケア、ヘアケア、その他の化粧品
又は食品等を充填した金属容器の開口部を、内容物の品
質を劣化させることなく高周波溶着により密封すること
が可能で、且つ、長期間保存しても、内容物、密封フィ
ルム共に良好な品質状態を維持することが可能な金属容
器密封フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、低級アルコール、イソパラフィン、水等の揮発成分
を含む内容物を充填した金属容器の開口部は、内容物の
品質劣化を防止するためにアルミ箔層を基層とした積層
フィルムにより密封してある。この密封の一つの方法と
して、高周波誘導加熱により積層フィルム内層の接着樹
脂を溶融し、容器の開口縁部に溶着する方法がある。こ
の際、上記積層フィルム内層としては、高周波溶着層が
設けられており、該高周波溶着層には、従来、低温ヒー
トシール性の良好なEVA(エチレン−酢酸ビニル共重
合体)等の分子内に極性基を有するポリオレフィン系樹
脂が使用されていた。
【0003】しかしながら、上述のEVAは、高温での
構造変化が起こりやすく、250℃付近から脱酢酸反応
が顕著に生じるため、積層フィルム作成時の押出ラミネ
ート工程においても熱分解が避けられず、それに伴う匂
い(酢酸臭)が発生するため、内容物と直接接する容器
内面への使用には適さないという問題があった。更に、
該EVAは、酢酸ビニル含量を高めることによる低結晶
化度及び極性UPにより低温ヒートシール性及びアルミ
箔との接着性を高めているが、低結晶化度に伴って、該
EVAの油分、水分の吸収・膨潤の程度が大きくなるた
め、アルミニウム箔にラミネーションした積層体を金属
容器の密封フィルムとして使用した場合に、保存中に内
容物と接触した部分で膨潤が発生し始め、アルミ箔から
のデラミ(層間剥離)が生じるという問題があった。
【0004】また、上記高周波溶着層として低融点ポリ
エステル樹脂を用いる方法も提案されているが、該低融
点ポリエステル樹脂は、アルミ箔との押出ラミネート工
程におけるフィルム成形性に劣り、特に冷却ロールから
の離型が悪いという問題があった。これを防ぐために離
型紙を挟み込む等の対策がとられているが、加工費への
離型紙代の加算によるコストアップ及び積層体フィルム
を巻き取ったロールからシール行程でフィルムを取り出
す際、離型紙を抜き取る作業が追加されることになり作
業性が低下するという問題があった。
【0005】そこで、これらの問題を解決するために、
ハード側からは、冷却ロール表面にフッ素系、シリコー
ン系のコーティングを施すことが提案されているが、こ
れらの樹脂によるコーティングは断熱作用を及ぼすた
め、溶融した樹脂の冷却固化には不利に作用し、フィル
ム巻き取り時にブロッキングを生じてしまう等の問題が
あった。また、樹脂側からは、樹脂組成物に滑剤等を添
加する方法が提案されているが、一般に用いられる滑剤
は低分子物質であるため、フィルム表面に経時的にブリ
ードアウトしたり、密封フィルムとして用いた際に、容
器の内容物中に該滑剤が溶出するという問題があった。
【0006】このような表面への経時的ブリードアウト
及び内容物への溶出を防止するために、変性ポリオレフ
ィン樹脂を高分子量の滑剤として低融点ポリエステル樹
脂に添加する方法も提案されているが、該方法では、冷
却ロールへの粘着性は改善されるものの、基材であるア
ルミ箔との接着性も低下してしまう。また、基材との接
着性を改善するために、アルミ箔に低融点ポリエステル
樹脂と親和性の高いポリエチレンテレフタレート(PE
T)を積層する方法も提案されているが、低融点ポリエ
ステルの通常の押出条件ではPET層を融解させること
ができないため、極性基間の凝集力しか期待できず、比
較的弱い接着力しか得られなかった。より強固な接着力
を得るためには、上記PET層を融解させて界面で相溶
させる必要があるが、通常使用されているフィルム状P
ETは延伸されているため表面は配向結晶化しており、
250℃以上で溶融樹脂をラミネートしなければPET
層と低融点ポリエステル樹脂層との強固な接着は期待で
きない。しかし、低融点ポリエステルは、一般に溶融粘
度が低く、また温度依存性も大きいため、PET層の接
着性を上げようと低融点ポリエステル樹脂の樹脂温度を
上げると、押し出し力不足、ネックインやサージング、
蛇行等が顕著に発生し、加工性が不良となるという問題
がある。
【0007】即ち、従来提案されている金属容器密封フ
ィルムでは、フィルムの加工性、封止する際の高周波シ
ール性及び内容物の保存性の全てを満足することができ
ないのが現状であり、これらの全てを満足する金属容器
密封フィルムの開発が要望されている。
【0008】従って、本発明の目的は、揮発性成分を含
む内容物を金属容器に保存する際においても、優れた高
周波シール性及び押出ラミネート加工性を有し、長期の
保存時にもデラミ等のフィルム劣化を生じず、内容物を
蒸散もなく品質を良好に維持することが可能な金属容器
密封フィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意検討した結果、高周波溶着層を
特定のポリエステル樹脂と酸変性ポリオレフィン樹脂と
の樹脂組成物により形成し、また、高周波溶着層とアル
ミ層との間に特定の低軟化温度ポリエステル層を介在さ
せた金属容器密封フィルムが上記目的を達成し得ること
を知見した。
【0010】本発明は上記知見に基づいてなされたもの
であり、フィルム状積層体からなり、金属容器の口部を
封止する金属容器密封フィルムにおいて、上記フィルム
状積層体は、アルミ箔層、金属容器密封フィルムの封止
面を形成する高周波溶着層、及び該アルミ箔層と該高周
波溶着層との間に介在する低軟化温度ポリエステル層と
を具備しており、上記高周波溶着層は、変性ポリオレフ
ィン樹脂5〜50重量部を分散相とし、融点が120℃
以下、結晶融解熱量が5〜30mJ/mg且つメルトフロー
レートが30以下である結晶性ポリエステル樹脂を含む
ポリエステル樹脂95〜50重量部をマトリックスとし
た樹脂組成物により形成されており、上記低軟化温度ポ
リエステル層は、その軟化温度が200℃以下である、
ことを特徴とする金属容器密封フィルムを提供するもの
である。
【0011】以下、本発明の金属容器密封フィルムにつ
いて詳述する。本発明の金属容器密封フィルムは、アル
ミ箔層、特定の樹脂組成物により形成されてなる高周波
溶着層、及び該アルミ箔層と該高周波溶着層との間に介
在する特定の低軟化温度ポリエステル層を具備するフィ
ルム状積層体からなることを特徴とする。
【0012】本発明の金属容器密封フィルムに用いられ
る上記アルミ箔層としては、金属容器密封フィルムに通
常用いられているものを特に制限なく用いることができ
る。
【0013】上記高周波溶着層を形成する上記の特定の
樹脂組成物は、変性ポリオレフィン樹脂を分散相とし、
ポリエステル樹脂をマトリックスとした樹脂組成物であ
る。
【0014】上記樹脂組成物に用いられる上記変性ポリ
オレフィン樹脂としては、エチレン系不飽和カルボン酸
共重合体あるいはその誘導体や、幹ポリマーを酸無水物
でグラフトしたグラフト共重合体等が挙げられる。
【0015】上記エチレン系不飽和カルボン酸共重合体
あるいはその誘導体としては、エチレン−α,β−不飽
和カルボン酸類共重合体が好ましく挙げられ、該エチレ
ン−α,β−不飽和カルボン酸類共重合体に用いられる
α,β−不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸等のα,β−不飽和カル
ボン酸及びアクリル酸エチル等の該α,β−不飽和カル
ボン酸の誘導体等が好ましく挙げられる。
【0016】上記エチレン−α,β−不飽和カルボン酸
類共重合体におけるエチレン含量は、好ましくは99〜
70重量部、更に好ましくは98〜75重量部であり、
α,β−不飽和カルボン酸類の含量は好ましくは1〜3
0重量部、更に好ましくは2〜25重量部である。上記
α,β−不飽和カルボン酸類の含量が30重量部を超え
ると、変性ポリオレフィン系樹脂自体の粘着性が高くな
り、得られる樹脂組成物の離型性が低下する場合があ
り、また、1重量部未満であると、ポリエステル樹脂と
の親和性が弱くなり、上記樹脂組成物におけるポリエス
テル樹脂と酸変性ポリオレフィン樹脂との界面での剥離
によるシール強度の低下等が生じる場合があるため、上
記範囲内とするのが好ましい。
【0017】上記グラフト共重合体の幹ポリマーとなる
ポリオレフィン樹脂としては、線状(直鎖状)低密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン
−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体
及びプロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体からな
る群より選ばれた一種以上を用いることができる。ま
た、上記グラフト共重合体に用いられる上記酸無水物と
しては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラ
コン酸等を挙げることができ、この中でも無水マレイン
酸が特に好ましい。上記グラフト共重合体における上記
幹ポリマーの含量が好ましくは99.9〜90重量部で
あり、上記酸無水物の含量は好ましくは0.1〜10重
量部である。
【0018】また、上記樹脂組成物に用いられる上記ポ
リエステル樹脂は、融点が120℃以下、好ましくは1
00℃以下、更に好ましくは80〜90℃であり、結晶
融解熱量が5〜30mJ/mg、好ましくは5〜20mJ/mg
であり、且つメルトフローレートが30以下、好ましく
は25〜1である結晶性ポリエステル樹脂を含むもので
ある。
【0019】上記結晶性ポリエステル樹脂の融点が12
0℃を超えるか、又は上記結晶性ポリエステル樹脂の結
晶融解熱量が30mJ/mgを超えると、得られる樹脂組成
物を溶融させるために必要な熱量が多くなるため、高周
波溶着させるために高出力の高周波を長時間照射するこ
とが必要となり、内容物の充填された金属容器を密封す
る場合、このような高出力、長時間の高周波処理を施す
と内容物に悪影響を及ぼす。また、上記結晶性ポリエス
テル樹脂の結晶融解熱量が5mJ/mg未満であると、結晶
化度が非常に小さく、ほとんど非晶性樹脂の物性を示
す。ここでガラス転移温度(Tg)と融点(Tm)との
間に一般にTg=(2/3)Tmの関係が成立すること
から、融点が120℃の場合のガラス転移温度は約−1
0℃であり、室温でのべたつき感が生じてしまう。ま
た、上記結晶性ポリエステル樹脂のメルトフローレート
が30を超えると、溶融粘度が低くなるため、ラミネー
ション時にフィルムの蛇行が発生し、高速成形すると更
にその傾向が強くなり、生産性が非常に低下する。
【0020】また、上記結晶性ポリエステル樹脂の平均
分子量は、10000〜1000000の範囲であるの
が好ましい。
【0021】上記の融点、結晶融解熱量及びメルトフロ
ーレートを満足する結晶性ポリエステル樹脂としては、
ジカルボン酸成分とグリコール成分とを反応させて得ら
れるポリエステル樹脂等を好ましく挙げることができ
る。
【0022】上記ジカルボン酸成分としては、アジピン
酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族
ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタリ
ンジカボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸及びその一部にスルホン酸基を
導入したものや、これらの誘導体等を好ましく挙げるこ
とができ、使用に際しては単独若しくは混合物として用
いることができる。
【0023】また、上記グルコール成分としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール、シクロヘキサン
ジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコー
ル等を好ましく挙げることができ、使用に際しては単独
若しくは混合物として用いることができる。
【0024】上記ジカルボン酸成分とグリコール成分と
を反応させて得られる結晶性ポリエステル樹脂は、それ
ぞれ単独若しくは混合物として使用することができる。
また、上記ポリエステル樹脂には、該ポリエステル樹脂
の所望の性能を変えない範囲で他のポリエステル樹脂を
少量(20重量%以下)ブレンドして用いることもでき
る。該他のポリエステル樹脂としては、120℃以下の
融点又は30mJ/mg以下の結晶融解熱量の何れかを満足
するものが望ましく、具体的には公知の非結晶性ポリエ
ステル樹脂等が挙げられる。
【0025】上記樹脂組成物における上記変性ポリオレ
フィン樹脂と上記結晶性ポリエステル樹脂との配合割合
は、変性ポリオレフィン樹脂が5〜50重量部、好まし
くは10〜40重量部に対して、結晶性ポリエステル樹
脂は95〜50重量部、好ましくは90〜60重量部で
ある。上記変性ポリオレフィン樹脂を分散相とするのが
本発明においては必須であるが、上記変性ポリオレフィ
ン樹脂の配合割合が50重量部を超えると、該変性ポリ
オレフィン樹脂がマトリックスとなるため、金属容器へ
のシール性が低下し、隣接する低結晶性ポリエステル層
との層間接着性が低下してしまい、保存中にデラミが発
生する。また、5重量部未満であると、表面滑り性及び
離型性が低下する。
【0026】上記結晶性ポリエステル樹脂と上記変性ポ
リオレフィン樹脂とを混合して上記樹脂組成物を得る際
には、両者を均一に混合できればいかなる混合方法をも
特に制限なく採用できる。例えば、溶融状態で両者を混
合する方法等が用いられ、具体的には、2軸又は1軸混
練機を用い、上記結晶性ポリエステル樹脂と上記変性ポ
リオレフィン樹脂とを別々のフィーダーを用いて所定の
配合比となるように混練機に供給する方法、或いは予め
上記結晶性ポリエステル樹脂と上記変性ポリオレフィン
樹脂とをタンブラー等でペレット状のまま混合したもの
を混練機に供給する方法等が挙げられる。また、その際
の混練条件は、通常、シリンダー温度150〜220
℃、スクリュー回転数50〜100rpmの範囲であ
る。
【0027】本発明の金属容器密封フィルムにおいて高
周波溶着層に用いられる上記樹脂組成物は、マトリック
スが、低融点で且つ低結晶融解熱量であるポリエステル
樹脂であるため、シール性及び隣接する低結晶性ポリエ
ステル層との接着性に劣る変性ポリオレフィン樹脂が分
散相として存在しても、非常に優れたシール性、層間接
着性を保持することができる。さらに、分散層が、ポリ
オレフィン樹脂本来の優れた滑り性等の性質を有する変
性ポリオレフィン樹脂からなるので、高周波溶着層の表
面滑り性及び離型性が著しく向上される。
【0028】また、本発明においては、上記樹脂組成物
に、帯電防止剤、着色剤その他上述の成分以外の他の成
分を、通常この種のフィルムに用いられる範囲内で少量
用いてもよい。
【0029】本発明の金属容器密封フィルムにおいて、
上記アルミ箔層と該高周波溶着層との間に介在する上記
の特定の低軟化温度ポリエステル層は、その軟化温度が
200℃以下、好ましくは180℃以下の低軟化温度ポ
リエステル層である。上記低軟化温度ポリエステル層の
軟化温度が200℃より高いと、高周波溶着層の押出ラ
ミネート時にポリエステル層が融解することができない
ため、比較的弱い層間接着力しか得られない。
【0030】上記の軟化温度を満足する層を形成する低
軟化温度ポリエステルとしては、ジカルボン酸成分とグ
リコール成分を反応させて得られるポリエステル樹脂を
好ましく挙げることができる。上記ジカルボン酸成分と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸やこれらの誘導体
を好ましく挙げることができ、使用に際しては単独もし
くは混合物として用いることができる。上記ジカルボン
酸成分としては、これらの中でも特に、テレフタル酸及
び/又はイソフタル酸を好ましく用いることができる。
また、上記グリコール成分としては、エチレングリコー
ル及び/又はシクロヘキサンジメタノール等を好ましく
用いることができる。
【0031】尚、上記低軟化温度ポリエステル層には、
上記低軟化温度ポリエステルの他に、該低軟化温度ポリ
エステル層の軟化温度が200℃を超えない範囲で、可
塑剤、安定剤、着色剤等の他の成分を混合して用いても
よい。また、上記低結晶性ポリエステルとして、2種類
以上の樹脂をブレンドした樹脂混合物を用いることもで
きる。その他、該低結晶性ポリエステルの重合の際の触
媒等の種類をかえる方法、溶融・急冷等のヒートコント
ロールによる方法、弱延伸により結晶を破壊させる方法
等、軟化温度が200℃以下となれば如何なる方法によ
り上記低軟化温度ポリエステル層を形成してもよい。
【0032】上記低軟化温度ポリエステル層を設けず直
接アルミ箔層に高周波溶着層をラミネートした場合に
は、得られる金属容器密封フィルムにおける該アルミ箔
層と該高周波溶着層との初期の層間接着強度は、極性基
間の相互作用により高い値を示すが、O/Wクリーム、
W/Oクリーム等の含水内容物を充填した金属容器を該
金属容器密封フィルムで密封すると、次第に高周波溶着
層が極性成分を吸収して膨潤し、デラミが発生してしま
う。また、上記アルミ箔層と上記高周波溶着層との間に
低軟化温度ポリエステル層を設けても、軟化温度が20
0℃を超える場合には、上記高周波溶着層を押出ラミネ
ートする条件では該低結晶性ポリエステル層が融解せ
ず、該低結晶性ポリエステル層と高周波溶着層との界面
での部分的相溶化による強固な接着を発現させることは
できない。
【0033】本発明において、上記高周波溶着層を形成
する上記樹脂組成物は、良好な加工性を示すものであ
り、金属容器に収納された含水内容物に悪影響を及ぼさ
ない範囲の低出力、短時間の高周波処理で金属に高周波
溶着させることができる(即ち、高周波溶着性に優れ
る)。また、該高周波溶着層とアルミ箔層との間に上記
低軟化温度ポリエステル層を設けた本発明の金属容器密
封フィルムで密封した金属容器は、金属容器内に収納さ
れた含水内容物を保存初期から長期に渡って安定に保存
でき、該金属容器密封フィルムにデラミ等が生じること
もない。
【0034】本発明の金属容器密封フィルムにより、密
封される金属容器内に収納される含水内容物としては、
O/W型乳化物を基剤とするO/W型乳化組成物やW/
O型乳化物を基剤とするW/O型乳化組成物及び液晶構
造を基剤とする液晶型組成物等の水・油・界面活性剤か
らなる組成物により構成される乳液、クリームや食品等
が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0035】このようなO/W型乳化組成物、W/O型
乳化組成物及び液晶型組成物からなる乳液やクリームと
しては、スキンケアクリーム、モイスチャーローショ
ン、ミルキーローション、ナリシングローション、マッ
サージローション、クレンジングローション、化粧下ク
リーム、バニシングクリーム、エモリエントクリーム、
ベビークリーム、クレンジングクリーム、マッサージク
リーム、ヘアクリーム、デオドラントクリーム、シェー
ビングクリーム、ヘアリムーバー等が挙げられる。ま
た、食品としては、イタリアンドレシング、フレンチド
レシング等の乳化ドレッシングや、マヨネーズ、コーヒ
ーホワイトナー、スープ、アイスクリーム等が挙げられ
るがこれらに限定されるものではない。
【0036】本発明の金属容器密封フィルムにより開口
部を密封される金属容器の材質としては、アルミ、ブリ
キ、スチール等が挙げられ、金属容器密封フィルムと接
する部分が金属であれば、単層でも多層でもよく、ま
た、該金属容器の形状等も特に制限されない。
【0037】また、本発明の金属容器密封フィルムにお
けるアルミ箔層の厚みは5〜50μmであるのが好まし
く、更に好ましくは7〜30μmである。また、上記高
周波溶着層の厚みは、5〜150μmであるのが好まし
く、更に好ましくは5〜80μm、最も好ましくは10
〜50μmである。また、上記低軟化温度ポリエステル
層の厚みは、5〜50μmであるのが好ましく、更に好
ましくは7〜30μmである。
【0038】また、上記アルミ箔層に上記低軟化温度ポ
リエステル層を積層させるには、ドライラミネート法等
により容易に行うことができ、上記低軟化温度ポリエス
テル層に上記高周波溶着樹脂を積層させるには、押出ラ
ミネート等により容易に行うことができる。
【0039】また、本発明における「融点」及び「結晶
融解熱量」は、200℃で溶融した後20℃まで急冷し
たサンプルを示差走査熱量計(セイコー電子工業社製
「DSC−220型」を使用)によって−50℃〜20
0℃まで10℃/min の昇温速度で測定したものであ
る。また、本発明における「軟化温度」はサンプルを熱
応力歪み測定装置(セイコー電子工業社製「TMA/S
S 120C」を使用)の針入測定(直径1mmの石英
製針に100gの荷重をかけ)を30℃〜300℃まで
10℃/min の昇温速度で測定したものである。また、
本発明の金属容器密封フィルムは、アルミ箔層/低軟化
温度ポリエステル層/高周波溶着層の3層構造には限定
されず、金属容器の封止面側に該3層構造を有したフィ
ルム状積層体からなるものであれば、該フィルム状積層
体の構造は特に制限されず、アルミ箔層を2層以上設け
る構造、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート
(PET)層をフィルム強度補強層として設ける等他の
樹脂層をアルミ箔層の表面(封止面と反対側の面)に設
けた構造等種々の構造とすることができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0041】実施例1 厚さ9μmのアルミニウム箔層の一方側に厚さ12μm
のPET層を、他方側に厚さ15μm、軟化温度159
℃のテレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコール
とからなる低軟化温度ポリエステル層を、それぞれドラ
イラミネート法により積層してアルミ積層フィルムを得
た。次いで、この積層フィルムの低結晶性ポリエステル
層側表面に、テレフタル酸−イソフタル酸−1,4−ブ
タンジオール−ジエチレングリコール−ポリテラメチレ
ングリコールからなる融点が115℃、結晶融解熱量が
24mJ/mg、メルトフローレートが22である結晶性ポ
リエステル樹脂〔東洋紡績(株)製、商品社「バイロン
GM990」〕80重量部に、低密度ポリエチレンを幹
ポリマーとして無水マレイン酸をグラフト重合した酸変
性ポリオレフィン樹脂〔三井石油化学工業(株)製、商
品名「アドマーLB530」〕20重量部をブレンドし
た樹脂組成物を押出ラミネートにより積層して高周波溶
着層を形成し、総厚56μmのフィルム状積層体(本発
明の金属容器密封フィルム)を得た(高周波溶着層の厚
さ20μm)。
【0042】尚、上記ブレンドは、二軸押出機(東洋精
機製作所製、商品名「ラボプラストミル」:基本装置;
30−150形、測定ヘッド;2D25−S形、スクリ
ュー異方向外回り多条スクリュー)を用い、予め結晶性
ポリエステル樹脂及び酸変性ポリオレフィン樹脂の核ペ
レットをドライブンドしたものを供給し、シリンダー設
定温度160〜200℃、スクリュー回転数80rp
m、混練時間30秒の条件で混練押し出すことにより行
った。更に、押し出されたストランドを直ちに水槽で冷
却し、ペレタイザーによってカットしてペレット状に
し、60℃で一昼夜乾燥した。
【0043】得られた金属容器密封フィルムをO/W型
クリームを充填した金属缶(φ90)の開口部に、高周
波誘導加熱方式(出力7kw、0.3sec)で融着して該開
口部を密封した。
【0044】実施例2 厚さ20μmのアルミ箔層に厚さ12μm、軟化温度が
74℃のテレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコ
ールからなる低軟化温度ポリエステル層をドライラミネ
ートにより積層してアルミ積層フィルムを得た。つい
で、この積層フィルムの低軟化温度ポリエステル層側表
面に、テレフタル酸−イソフタル酸−1,4−ブタンジ
オール−ジエチレングリコール−テトラメチレングリコ
ールからなる融点が115℃、結晶融解熱量が24mJ/
mg、メルトフローレートが22である結晶性ポリエステ
ル樹脂(バイロンGM990)60重量部と、直鎖状低
密度ポリエチレンを幹ポリマーとして無水マレイン酸を
グラフト重合した酸変性ポリオレフィン樹脂〔三井石油
化学工業(株)製、商品名「アドマーNF505」〕4
0重量部とを実施例1と同様にしてブレンドした樹脂組
成物を押出ラミネートにより積層して高周波溶着層を形
成し、総厚52μmのフィルム状積層体(本発明の金属
容器密封フィルム)を得た(高周波溶着層の厚さ20μ
m)。
【0045】得られた金属容器密封フィルムを用いて実
施例1と同様にして、O/Wクリームを充填した金属缶
(φ90)の開口部を密封した。
【0046】実施例3 厚さ12μmのアルミ箔層の一方側に厚さ12μmポリ
エチレン層を、他方側に厚さ15μmの軟化温度が95
℃のテレフタル酸−エチレングリコール−1,4−シク
ロヘキサンジメタノールからなる低軟化温度ポリエステ
ル(PETG)層をドライラミネートにより積層してア
ルミ積層フィルムを得た。ついで、この積層フィルムの
低軟化温度ポリエステル層側表面に、テレフタル酸−イ
ソフタル酸−1,4−ブタンジオール−ジエチレングリ
コール−テトラメチレングリコールからなる融点115
℃、結晶融解熱量24mJ/mg、メルトフローレートが2
2である結晶性ポリエステル樹脂(バイロンGM99
0)10重量部と、エチレン−アクリル酸エチル共重合
体(エチレン含量90重量部、アクリル酸エチル含量1
0重量部)を実施例1と同様にしてブレンドした樹脂組
成物を押出ラミネートにより積層して高周波溶着層を形
成し、総厚54μmのフィルム状積層体(本発明の金属
容器密封フィルム)を得た(高周波溶着層の厚さ15μ
m)。
【0047】得られた金属容器密封フィルムを用いて実
施例1と同様にして、O/Wクリームを充填した金属缶
(φ90)の開口部を密封した。
【0048】実施例4 厚さ9μmのアルミ箔層の一方側に厚さ12μmのPE
T層を、他方側に厚さ15μm、軟化温度が159℃の
テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコールとか
らなる低軟化温度ポリエステル層をドライラミネートに
より積層してアルミ積層フィルムを得た。ついで、この
積層フィルムの低軟化温度ポリエステル層側表面に、テ
レフタル酸−イソフタル酸−1,4−ブタンジオール−
ジエチレングリコール−テトラメチレングリコールから
なる融点115℃、結晶融解熱量24mJ/mg、メルトフ
ローレートが22である結晶性ポリエステル樹脂(バイ
ロンGM990)70重量部とエチレン−アクリル酸共
重合体(エチレン含量90重量部、アクリル酸含量10
重量部)30重量部とを、実施例1と同様にしてブレン
ドした樹脂組成物を押出ラミネートにより積層して高周
波溶着層を形成し、総厚さ56μmのフィルム状積層体
(本発明の金属容器密封フィルム)を得た(高周波溶着
層の厚さ20μm)
【0049】得られた金属容器密封フィルムを用いて実
施例1と同様にして、O/W型クリームを充填した金属
缶(φ90)の開口部を密封した。
【0050】比較例1 厚さ20μmのアルミ箔層に厚さ12μmのPET層を
ドライラミネートにより積層してアルミ積層フィルムを
得た。ついで、該アルミ積層フィルムのアルミ箔層側表
面に、テレフタル酸−イソフタル酸−1,4−ブタンジ
オール−ジエチレングリコール−テトラメチレングリコ
ールからなる融点115℃、結晶融解熱量24mJ/mg、
メルトフローレートが22である結晶性ポリエステル樹
脂(バイロンGM990)70重量部と低密度ポリエチ
レンのベースに無水マレイン酸をグラフト重合した酸変
性ポリオレフィン(アドマーLB530)30重量部と
を、実施例1と同様にしてブレンドした樹脂組成物を押
出ラミネートにより積層して高周波溶着層を形成し、総
厚52μmのフィルム状積層体を得た(高周波溶着層の
厚さ20μm)。得られたフィルム状積層体を用いて実
施例1と同様にして、O/W型クリームを充填した金属
缶(φ90)の開口部を密封した。
【0051】比較例2 厚さ9μmのアルミ箔層の両側に、各々厚さ12μm、
軟化温度が226℃のPET層(フィルム強度補強層及
び層間接着補強層)をドライラミネートにより積層して
アルミ積層フィルムを得た。ついで、このアルミ積層フ
ィルムの片面に、テレフタル酸−イソフタル酸−1,4
−ブタンジオール−ジエチレングリコール−テトラメチ
レングリコールからなる融点115℃、結晶融解熱量2
4mJ/mg、メルトフローレートが22である結晶性ポリ
エステル樹脂(バイロンGM990)80重量部と低密
度ポリエチレンのベースに無水マレイン酸をグラフト重
合した酸変性ポリオレフィン(アドマーLB530)2
0重量部とを、実施例1と同様にしてブレンドした樹脂
組成物を押出ラミネートにより積層して高周波溶着層を
形成し、総厚53μmのフィルム積層体を得た(高周波
溶着層の厚さ20μm)。得られたフィルム状積層体を
用いて実施例1と同様にして、O/Wクリームを充填し
た金属缶(φ90)の開口部を密封した。
【0052】比較例3 厚さ9μmのアルミ箔層の一方側に厚さ12μmのPE
T層を、他方側に厚さ15μm、軟化温度159℃のテ
レフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコールとから
なる低軟化温度ポリエステル層を、それぞれドライラミ
ネートにより積層してアルミ積層フィルムを得た。つい
で、このアルミ積層フィルムの低軟化温度ポリエステル
層側表面に、テレフタル酸−イソフタル酸−アジピン酸
−1,4−ブタンジオール(モル比は67:10:2
3:100)からなる融点164℃、結晶融解熱量34
mJ/mg、メルトフローレートが18である結晶性ポリエ
ステル樹脂〔旭化成(株)製、商品名「ハーデックA1
400」〕70重量部と直鎖状低密度ポリエチレンのベ
ースに無水マレイン酸をグラフト重合した酸変性ポリオ
レフィン(アドマーNF505)20重量部とを、実施
例1と同様にしてブレンドした樹脂組成物を押出ラミネ
ートにより積層して高周波溶着層を形成し、総厚56μ
mのフィルム状積層体を得た(高周波溶着層の厚さ20
μm)。得られたフィルム状積層体を用いて実施例1と
同様にして、O/Wクリームを充填した金属缶(φ9
0)の開口部を密封した。
【0053】比較例4 厚さ9μmのアルミ箔層の一方側に厚さ12μmのPE
T層を、他方側に厚さ15μm、軟化温度159℃のテ
レフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコールとから
なる低軟化温度ポリエステル層を、それぞれドライラミ
ネートにより積層してアルミ積層フィルムを得た。次い
で、該アルミ積層フィルムの低軟化温度ポリエステル層
側表面に、テレフタル酸−イソフタル酸−アジピン酸−
1,4−ブタンジオール(モル比は43:21:36:
100)からなる融点96℃、結晶融解熱量25mJ/m
g、メルトフローレートが200である結晶性ポリエス
テル樹脂〔旭化成(株)製、商品名「ハーデックA63
00」〕60重量部とエチレン−アクリル酸エチル共重
合体(エチレン含量90重量部、アクリル酸エチル含量
10重量部)40重量部とを、実施例1と同様にしてブ
レンドした樹脂組成物を押出ラミネートにより積層して
高周波溶着層を形成し、総厚56μmのフィルム状積層
体を得た(高周波溶着層の厚さ20μm)。得られた積
層フィルムを用いて実施例1と同様にして、O/W型ク
リームを充填した金属缶(φ90)の開口部を密封し
た。
【0054】比較例5 厚さ9μmのアルミ箔層の一方側に厚さ12μmのPE
T層を、他方側に厚さ15μm、軟化温度159℃のテ
レフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコールとから
なる低軟化温度ポリエステル層を、それぞれドライラミ
ネートにより積層してアルミ積層フィルムを得た。つい
で、このアルミ積層フィルムの低軟化温度ポリエステル
層側表面に、テレフタル酸−イソフタル酸−1,4−ブ
タンジオール−ジエチレングリコール−ポリテトラメチ
レングリコールからなる融点115℃、結晶融解熱量2
4mJ/mg、メルトフローレートが22である結晶性ポリ
エステル樹脂(バイロンGM990)を押出ラミネート
により積層して高周波溶着層を形成し、総厚56μmの
フィルム状積層体を得た(高周波溶着層の厚さ20μ
m)。得られた積層フィルムを用いて実施例1と同様に
して、O/Wクリームを充填した金属缶(φ90)の開
口部を密封した。
【0055】比較例6 厚さ9μmのアルミ箔層の一方側に厚さ12μmのPE
T層を、他方側に厚さ15μm、軟化温度74℃のテレ
フタル酸−イソフタル酸−エチレングレコールからなる
低軟化温度ポリエステル層を、それぞれドライラミネー
トにより積層してアルミ積層フィルムを得た。ついで、
このアルミ積層フィルムの低軟化温度ポリエステル層側
表面に、テレフタル酸−イソフタル酸−1,4−ブタン
ジオール−ジエチレングリコール−ポリテトラメチレン
グリコールからなる融点115℃、結晶融解熱量24mJ
/mg、メルトフローレートが22である結晶性ポリエス
テル樹脂(バイロンGM990)40重量部と低密度ポ
リエチレンのベースに無水マレイン酸をグラフト重合し
た酸変性ポリオレフィン(アドマーLB530)60重
量部とを実施例1と同様にしてブレンドした混合物を押
出ラミネートにより積層して高周波溶着層を形成し、総
厚56μmのフィルム状積層体を得た(高周波溶着層の
厚さ20μm)。得られたフィルム状積層体を用いて実
施例1と同様にして、O/Wクリームを充填した金属缶
(φ90)の開口部を密封した。
【0056】比較例7 厚さ9μmのアルミ箔層の一方側に厚さ12μmのPE
T層を、他方側に厚さ15μm、軟化温度74℃のテレ
フタル酸−イソフタル酸−エチレングリコールからなる
低軟化温度ポリエステル層を、それぞれドライラミネー
トにより積層してアルミ積層フィルムを得た。ついで、
このアルミ積層フィルムの低軟化温度ポリエステル層側
表面に、テレフタル酸−イソフタル酸−1,4−ブタン
ジオール−ジエチレングリコール−ポリテトラメチレン
グリコールからなる融点115℃、結晶融解熱量24mJ
/mg、メルトフローレートが22である結晶性ポリエス
テル樹脂(バイロンGM990)70重量部と低密度ポ
リエチレン30重量部とを、実施例1と同様にしてブレ
ンドした樹脂組成物を押出ラミネートにより積層して高
周波溶着層を形成し、総厚56μmのフィルム状積層体
を得た(高周波溶着層の厚さ20μm)。得られたフィ
ルム状積層体を用いて実施例1と同様にして、O/Wク
リームを充填した金属缶(φ90)の開口部を密封し
た。
【0057】ついで、上記実施例及び比較例で得られた
金属容器密封フィルム(フィルム状積層体)及び密封容
器について以下の各評価を下記評価方法に従って行っ
た。その結果を〔表1〕に示す。 <評価方法> 離型性;上記各実施例及び比較例において、アルミ積層
フィルムに高周波溶着層をTダイ押出機によりラミネー
ト成形した時の冷却ロールからの高周波溶着層の離型性
について評価した。成形条件は180℃、冷却ロール温
度20℃、マット加工処理したロールで行った。 高周波シール強度;高周波誘導加熱装置(7kw、0.3
sec)を用い、上記各実施例及び比較例で得られたアルミ
箔積層フィルムをφ90のアルミ缶の開口部に高周波シ
ールした後、密封フィルムとアルミ缶の剥離強度を測定
し、これを高周波シール強度とした。尚、サンプル幅1
5mm、剥離スピード100mm/min で行った。 安定性;O/W型クリームを充填したφ90のアルミ缶
の開口部に、上記各実施例及び比較例で得られたアルミ
箔積層フィルムを高周波誘導加熱方式で溶着して密封し
た容器を、1ヵ月間室温で保存した後、開封して内容物
の変化の状態と、各フィルムの内面の状態を観察した。
【0058】
【表1】
【0059】また、各実施例及び各比較例で得られた金
属容器密封フィルム(フィルム状積層体)の構成を〔表
2〕に示す。尚、〔表2〕における略記は以下の通りで
ある。 EEA;エチレン−アクリル酸エチル共重合体 EAA;エチレン−アクリル酸共重合体 LDPE;低密度ポリエチレン PET;ポリエチレンテレフタレート層 AL;アルミニウム層 ポリエステル;低軟化温度ポリエステル層 PE;ポリエチレン層 また、「変性度」とは、ポリオレフィン共重合体中の無
水マレイン酸あるいはα,β−不飽和カルボン酸誘導体
の含量を意味し、塩基による滴定あるいはIR,NMR
等の分析手法によりカルボン酸誘導体の含量を求め、オ
レフィンとの比率を算出することにより求められるもの
である。
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】本発明の金属容器密封フィルムは、揮発
性成分を含む内容物を金属容器に保存する際において
も、優れた高周波シール性及び押出ラミネート加工性を
有し、長期の保存時にもデラミ等のフィルム劣化を生じ
ず、内容物の蒸散もなく品質を良好に維持することが可
能なものである。更に詳細には、本発明の金属容器密封
フィルムは、高周波溶着層に特定の低融点ポリエステル
樹脂と変性ポリオレフィン樹脂とをブレンドとした樹脂
組成物を用いているので、低融点ポリエステル樹脂の有
する耐油性、高周波シール性を保持したまま、押出成形
性及び離型性が著しく改善されており、且つ上述の高周
波溶着層とアルミ箔層との間に低軟化温度ポリエステル
層を設けているので、O/Wクリーム、W/Oクリーム
を始めとする含水内容物を充填した金属容器を、高周波
シールして長期間保存した際にも、内容物、密封フィル
ム共に良好な状態を維持することが可能である。従っ
て、本発明の金属容器密封フィルムは、短時間、低出力
での金属容器への高周波溶着性、及び押出ラミネート時
の冷却ロール(金属ロール)からの離型性が両立されて
おり、しかも揮発性成分を含む含水内容物を長期間保存
した後にもデラミ等のフィルム劣化を生じず、内容物の
良好な品質を維持することが可能であるので、特にスキ
ンケア、ヘアケアその他の化粧品用クリーム等の保存に
好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JJV C09J 7/02 JJV JJW JJW JJY JJY // C08F 255/00 MQC C08F 255/00 MQC C08L 23/26 LDA C08L 23/26 LDA 67/00 LPA 67/00 LPA

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム状積層体からなり、金属容器の
    口部を封止する金属容器密封フィルムにおいて、 上記フィルム状積層体は、アルミ箔層、金属容器密封フ
    ィルムの封止面を形成する高周波溶着層、及び該アルミ
    箔層と該高周波溶着層との間に介在する低軟化温度ポリ
    エステル層とを具備しており、 上記高周波溶着層は、変性ポリオレフィン樹脂5〜50
    重量部を分散相とし、融点が120℃以下、結晶融解熱
    量が5〜30mJ/mg且つメルトフローレートが30以下
    である結晶性ポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂
    95〜50重量部をマトリックスとした樹脂組成物によ
    り形成されており、 上記低軟化温度ポリエステル層は、その軟化温度が20
    0℃以下である、ことを特徴とする金属容器密封フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 上記変性ポリオレフィン樹脂が、幹ポリ
    マーを無水マレイン酸でグラフト変性したグラフト共重
    合体あるいはその誘導体又はエチレン−α,β−不飽和
    カルボン酸類共重合体であり、 上記グラフト共重合体あるいはその誘導体における幹ポ
    リマーが、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
    ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
    ロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン
    −ブテン−1共重合体及びプロピレン−エチレン−ブテ
    ン−1共重合体からなる群より選ばれた1種以上であ
    り、 上記エチレン−α,β−不飽和カルボン酸類共重合体
    は、エチレン含量が99〜70重量部であり、α,β−
    不飽和カルボン酸類含量が1〜30重量部である、 ことを特徴とする請求項1記載の金属容器密封フィル
    ム。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004043787A (ja) * 2002-05-21 2004-02-12 Nippon Shokubai Co Ltd 蓄熱材及び蓄熱材設置方法
JP2008195967A (ja) * 2000-01-25 2008-08-28 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 積層フィルム
JP2014028914A (ja) * 2012-07-04 2014-02-13 Sanyo Chem Ind Ltd ホットメルト接着剤
JP2015042738A (ja) * 2013-07-24 2015-03-05 三菱化学株式会社 シーラント材料用熱可塑性樹脂組成物
JP2015151493A (ja) * 2014-02-17 2015-08-24 三菱樹脂株式会社 ウェルダー加工用フィルム
JP2017193699A (ja) * 2016-04-15 2017-10-26 東洋紡株式会社 ホットメルト接着剤組成物

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