JPH08220369A - 光ファイバカプラおよびその製造方法 - Google Patents

光ファイバカプラおよびその製造方法

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JPH08220369A
JPH08220369A JP2569795A JP2569795A JPH08220369A JP H08220369 A JPH08220369 A JP H08220369A JP 2569795 A JP2569795 A JP 2569795A JP 2569795 A JP2569795 A JP 2569795A JP H08220369 A JPH08220369 A JP H08220369A
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optical fiber
fiber coupler
fusion
optical fibers
optical
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JP2569795A
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Ryozo Yamauchi
良三 山内
Kenji Nishide
研二 西出
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な波長平坦性を有するWICを、容易に
かつ再現性よく得られるようにした光ファイバカプラお
よびその製造方法を提供する。 【構成】 2本の光ファイバ1,2を添接させ、これら
を融着延伸せしめてなる光ファイバカプラであって、こ
れら2本の光ファイバの伝搬定数をそれぞれβ1,β2
するとき、隣合う光ファイバ間の伝搬定数が異なり、か
つその伝搬定数の差△β=β1−β2の符号が、融着延伸
部10の長さ方向で変化している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は融着延伸型の光ファイバ
カプラに係り、特に結合度の波長依存性が平坦な光ファ
イバカプラに関する。
【0002】
【従来の技術】融着延伸型の光ファイバカプラは、その
製造が比較的簡単であることから、非常に幅広く用いら
れている。図6は融着延伸型光ファイバカプラの製造工
程例を示したものである。融着延伸型光ファイバカプラ
は、図6(a)に示すように、まず少なくとも2本の所
定の長さの光ファイバ11,12を用意し、図6(b)
に示すように、それらの長手方向中央部の被覆層を任意
の手段で除去してファイバガラス部13,14を露出さ
せる。この後、図6(c)に示すように、光ファイバ1
1,12を並列させて、露出されたガラス部13,14
どうしを添接させた状態に固定して加熱、溶融してこれ
らを融着させる。さらに、溶融した部分に引張力をかけ
てこれを延伸する。これら光ファイバ11,12間の結
合度は延伸条件によって変化し、したがって結合度をモ
ニターしながら延伸を行って所望の光学的結合が得られ
るように延伸条件を決定する。このようにして形成され
た融着延伸部15は機械的外力の影響を受け易いので、
これを保護ケース内に収納して光ファイバカプラとす
る。
【0003】ここで、光ファイバカプラの結合度は次の
ように表される。すなわち、図7は融着延伸型の光ファ
イバカプラの構成を概略的に示したものであるが、2本
の光ファイバを融着延伸して得られる光ファイバカプラ
において、入力側のポートP1から入射された光が出力
側のポートP3およびP4に分岐されて出射される時、結
合度は下記数式で示されるような、出力光パワー計に
対するポートP4からの出力光パワーの比により表され
る。
【数1】
【0004】一般に、このような光ファイバカプラは、
同一の光学的特性を有する2本の光ファイバを用いて作
製され、上記数式で示される結合度は延伸長の増大に
伴って、0%から100%にまで増加し、その後周期的
に増減する。また、このような光ファイバカプラにおけ
る結合度は、波長によっても周期的に変化し、この結合
度の波長依存性は延伸量によって変化する。
【0005】ところで融着延伸型光ファイバカプラは、
その製造条件を変えることによって、種々の特性を有す
る光ファイバカプラを製造することが可能である。これ
まで知られている融着延伸型光ファイバカプラで、WI
C(Wavelength Insensitive Coupler)と呼ばれる、波
長無依存型のものがある。これは、伝搬定数が異なって
いる2本の光ファイバを融着延伸することにより得られ
るものである。ここで伝搬定数は、光ファイバの構造パ
ラメータ(具体的にはコア径、クラッド径、コアの屈折
率の高さ、比屈折率差)によって異なるものであり、し
たがって構造パラメータが異なる光ファイバを組合わせ
ることによって上記WICを実現できる。図8はWIC
を製造する際の延伸量と結合度との関係の例を示すグラ
フである。この図に示されるように、異なる構造パラメ
ータを有する2本の光ファイバを融着延伸してなる光フ
ァイバカプラにあっては、溶融延伸が進行して延伸量が
増大しても結合度が100%にならず、この結果、図9
に示すように結合度の波長依存性が平坦な特性を有する
光ファイバカプラが得られる。そして、材料として用い
られる光ファイバの構造パラメータを適宜設定すること
によって、所望の結合度を得ることができ、具体的には
結合度が0.1%型〜50%型程度の範囲で得ることが
可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような平坦な波長
特性を有する光ファイバカプラは、広範囲の波長に対応
できるので、使用波長の変更を比較的自由に行なうこと
ができ、システム設計上有用なものである。しかしなが
ら製造に当たってできるだけ平坦な波長特性を得るため
に、延伸時の加熱条件を好適に調整したり、延伸長や融
着延伸部の断面形状を好適に調整したりしなければなら
ず、そのために、かなり勘を要する作業が行われ、再現
性もよくなかった。また種々の結合度を有するWICを
製造する際には、光ファイバの組合わせを変えたり、一
方の光ファイバをエッチングするなど、結合度の調整に
煩雑な手間を要していた。
【0007】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、良好な波長平坦性を有する光ファイバカプラを、容
易にかつ再現性よく得られるようにした光ファイバカプ
ラおよびその製造方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明の光ファイバカプラは、2本の光ファイバを添
接させ、これらを融着延伸せしめてなる光ファイバカプ
ラであって、上記2本の光ファイバの伝搬定数をそれぞ
れβ1,β2とするとき、隣合う光ファイバ間の伝搬定数
が異なり、かつその伝搬定数の差△β=β1−β2の符号
が、融着延伸部の長さ方向で変化していることを特徴と
するものである。このような光ファイバカプラは、上記
2本の光ファイバのうち、少なくとも1本の光ファイバ
の構造パラメータを融着延伸部の長さ方向で変化せしめ
ることによって実現できる。
【0009】また本発明の光ファイバカプラの製造方法
は、2本の光ファイバを添接させ、これらを融着延伸せ
しめて光ファイバカプラを製造する方法であって、伝搬
定数の異なる2本の光ファイバを用い、かつ融着延伸部
の長さ方向で、少なくとも1本の光ファイバの伝搬定数
を変化せしめて、隣合う光ファイバ間の伝搬定数の差の
符号を変化せしめることを特徴とするものである。そし
て、融着延伸部の長さ方向で光ファイバの伝搬定数を変
化せしめるには、異なる伝搬定数を有する材料光ファイ
バの端面どうしを接続することが好適である。
【0010】
【作用】図1は本発明の光ファイバカプラの一例を示し
たものである。本発明の光ファイバカプラは、融着延伸
型光ファイバに、いわゆる△β反転型構造を導入したも
のである。△β反転型構造とは、図1に示すように、融
着延伸部10における2つの結合光導波ライン間の伝搬
定数βの差が、融着延伸部10の中途の点を堺にその両
側で正負反転するように設計されたものである。
【0011】例えば、図1に示す融着延伸型光ファイバ
カプラにおいて、その融着延伸部10では光ファイバ1
からなる光導波ラインと、光ファイバ2からなる光導波
ラインとが形成されており、融着接続部10の長手方向
中央を堺とする入射側Lでは、光ファイバ1の伝搬定数
β1Lが、光ファイバ2の伝搬定数β2Lよりも大きく(β
1L>β2L)なるように構成されている。また融着接続部
10の長手方向中央を堺とする出射側Rでは、光ファイ
バ1の伝搬定数β1Rが、光ファイバ2の伝搬定数β2R
りも小さく(β1R<β2R)なるように構成されている。
【0012】このような構造の光ファイバカプラにあっ
ては、光ファイバ1の入射側のポートP1から入射され
た光は、融着延伸部10の一端から長手方向中央までの
間、すなわち入射側Lで、光ファイバ2に結合するが、
このとき光ファイバ1と光ファイバ2とはその伝搬定数
が異なっている(β1L≠β2L)ために、この入射側Lの
距離が長くなっても、光ファイバ2に100%結合する
ことはない。次に、融着接続部10の長手方向中央から
他端までの間、すなわち出射側Rに入ると、ここでも光
ファイバ1と光ファイバ2とはその伝搬定数が異なって
いる(β1L≠β2L)ために、出射側Rの距離が長くなっ
ても、光ファイバ1に入射された光が光ファイバ2に1
00%結合することはなく、むしろ、融着延伸部10の
中央を堺に両光ファイバ1、2間の伝搬定数の関係がβ
1L>β2Lからβ1R<β2Rへと反転するために、条件によ
っては融着延伸部10の中央からの距離が増大する程、
光ファイバ2への結合が減少することが起こり得る。そ
の結果、例えば図2に示すように、若干の揺らぎはある
ものの、比較的広い波長域(例えば、1.2〜1.6μ
m)において安定した結合度の平坦性を有する光ファイ
バカプラが得られる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の光
ファイバカプラは、2本の光ファイバ1、2を添接さ
せ、これらを融着延伸してなるものである。本発明の光
ファイバカプラは、図1に示すように融着延伸部10に
おいて、隣合っている2本の光ファイバ1、2間で伝搬
定数β1、β2が異なっており、かつそれら伝搬定数の差
△β=β1−β2が融着延伸部の中途で正負反転するよう
に構成されている。
【0014】本発明の光ファイバカプラは、融着延伸部
10の中途部分に伝搬定数の差△βが正負反転する点を
有するものであればよく、種々の構成とすることが可能
である。△βが正負反転する点は融着延伸部10の中央
に限らず任意の位置に設けることができ、これによって
各種の結合特性が得られる。また正負反転する点は1点
に限らず2点以上であってもよく、要求される結合特性
により適宜設定することができる。すなわち、光ファイ
バの入力側から出力側へ向う方向で見たときに、融着延
伸部10において△βの符号が+から−へ、あるいは−
から+へ反転するように構成してもよく、また+,−,
+あるいは−,+,−と変化するように構成することも
できる。
【0015】このように△βが正負反転する光ファイバ
カプラは、2本の光ファイバ1、2のいずれか一方また
は両方の伝搬定数が、融着延伸部10の長さ方向で変化
するように構成することによって実現できる。本発明の
光ファイバカプラにおいて、各光ファイバの長さ方向に
おける伝搬定数の変化としては種々の態様が可能でr
い、得られる光学的結合は、融着延伸部10における2
つの結合光導波ライン間(光ファイバ間)の伝搬定数の
差および電磁的な結合状態により支配される。
【0016】例えば図3(a)に示すように、光ファイ
バ1は融着延伸部10のある位置Pで伝搬定数が(β+
β0)からβへと変化し、光ファイバ2は同じ位置Pで
伝搬定数がβから(β+β0)へと変化するように構成
することができる。あるいは図3(b)に示すように、
光ファイバ1は融着延伸部10において伝搬定数が一定
(β)で、光ファイバ2は融着延伸部10のある位置P
で伝搬定数が(β+β0)から(β−β0)へと変化する
ように構成することもできる。
【0017】また融着延伸部10の長さ方向での伝搬定
数の変化は、上記のように不連続であってもよいが、連
続とすることも考えられる。例えば、図3(c)に示す
ように、光ファイバ1は少なくとも融着延伸部10にお
いて、その長さ方向に伝搬定数が(β+β0)からβへ
と連続的に変化し、光ファイバ2はβから(β+β0
へと連続的に変化する構成とすることも可能である。こ
こで、融着延伸部10以外での伝搬定数の光ファイバ長
さ方向の変化については任意とすることができるが、曲
り損失などを考慮すると変化しない方が好ましい。ある
いは図3(d)に示すように、光ファイバ1は全長にわ
たって伝搬定数が一定(β)であり、光ファイバ2は少
なくとも融着延伸部10において伝搬定数が(β+
β0)から(β−β0)へと連続的に変化するように構成
することも可能である。
【0018】上記のように光ファイバの長さ方向で伝搬
定数βを変化させることは、光ファイバのパラメータを
長さ方向で変化させることによって実現できる。すなわ
ち、本発明の光ファイバカプラには所定の長さに形成さ
れた単一モード光ファイバが用いられ、その伝搬定数β
の設定に際しては、例えば図4に示す分散曲線を1つの
目安とすることができる。実質的な単一モード光ファイ
バ条件は正規化周波数Vがおよそ3.0以下にあるとき
に得られ、この範囲において、図4に示されるように伝
搬定数βは正規化周波数Vに対して単調増加の傾向を示
す。したがって、正規化周波数Vを変化させればβを変
化させることができる。
【0019】波長λを固定して考えれば、伝搬定数βを
変化させるためには、正規化周波数Vを変化させ得る構
造パラメータを変化させればよく、例えば伝搬定数βを
大きくすることは、コア径(2a)を大きくする、ある
いはコアの屈折率(n1)を大きくするなどの方法で実
現することができる。また実用的には、コア径(2a)
と比屈折率差△とで決定されるところのモードフィール
ド径(MFD)や二次モードのカットオフ波長(λC
をパラメータとして用い、伝搬定数βを変化させるため
にこれらの値を変化させてもよい。さらには、コアの屈
折率分布形状の変化、融着延伸部10におけるファイバ
径の変化によっても伝搬定数は変化し得る。
【0020】本発明の光ファイバカプラを製造するに好
適な方法は、異なる伝搬定数を有する2種の材料光ファ
イバを融着接続することによって長さ方向で伝搬定数が
変化する光ファイバを得、このような光ファイバ2本
を、図3(a)に示すように、隣合う光ファイバ間の伝
搬定数が異なるように添接して融着延伸する方法であ
る。具体的には、まずコア径やコア屈折率といった構造
パラメータが異なる2種の材料光ファイバを用意し、こ
れらの端末部の被覆層をそれぞれ除去し、ガラス部分を
剥き出しにする。この端末部における被覆層の除去は、
光ファイバの接続技術としてファイバガラスに傷をつけ
ないようにした技術が開発されており、容易かつ安全に
行うことができる。またホットストリッパ等を利用する
こともできる。次いで、これら2種の材料光ファイバの
端面を互いに突き合わせて融着接続する。この融着も接
続技術として既に確立されている。そしてこのような光
ファイバを2本用意し、被覆層が除去されている融着接
続部を平行に添わせて、この部分を加熱融着し、さらに
延伸して光ファイバカプラを得る。ここで、融着接続部
を平行に添わせる際には、図3(a)に示すように、そ
れぞれの接続点が隣接するとともに、異種の光ファイバ
どうしが隣合うように配置することにより、接続点を境
に伝搬定数の差△βの符号が正負反転するように構成す
ることができる。
【0021】この製造方法によれば、融着接続の際に材
料光ファイバの端末部で被覆層を除去してファイバガラ
スを剥き出しにした部分が、そのまま融着延伸部となる
ので、融着延伸のために新たに被覆層を除去しなくて済
む。光ファイバの端末部での被覆層除去は、通常の光フ
ァイバカプラの融着延伸部で行われるような光ファイバ
の中途部分での被覆層除去に比べて容易であり、ファイ
バガラスを傷つける危険性も少ないので製造上有利であ
る。
【0022】また上記の製造方法において、異なる構造
パラメータを有する2種の光ファイバからなる2心のテ
ープ型心線を用いることがさらに好ましい。すなわち、
伝搬定数が(β+β0)の光ファイバ1と伝搬定数がβ
である光ファイバ2とを平行に並べ、これらを一括被覆
してなるテープ型心線を2本用い、一方のテープ心線の
光ファイバ1と他方のテープ心線の光ファイバ2とを融
着接続し、かつ一方のテープ心線の光ファイバ2と他方
のテープ心線の光ファイバ1とを融着接続すれば、図3
(a)に示すような光ファイバカプラが得られる。この
場合には、被覆層の除去および融着接続を平行な2本の
光ファイバに対して一括的に行うことができるので、光
ファイバカプラの製造がさらに容易になり、生産性を向
上させることができる。
【0023】本発明の光ファイバカプラにおいて、結合
度の調整は、融着延伸部の各部分ごとにそれぞれ加熱・
延伸条件を適宜調整することによって行うことができ
る。すなわち、例えば図1において、融着接続部10の
長手方向中央を堺として、光ファイバ1の伝搬定数β1L
が、光ファイバ2の伝搬定数β2Lよりも大きい(β1L
β2L)入射側Lにおける加熱・延伸条件と、光ファイバ
1の伝搬定数β1Rが、光ファイバ2の伝搬定数β2Rより
も小さい(β1R<β2R)出射側Rにおける加熱・延伸条
件をそれぞれ適宜調整することによって、所望の結合度
に調整可能である。
【0024】(実施例)下記表1に示したパラメータを
有する、実質的に単一モード伝送可能な2種の材料光フ
ァイバA,Bを用意した。これらを用いて図3(a)に
示す構成の光ファイバカプラを製造した。
【表1】
【0025】まず、上記材料光ファイバAおよびBをそ
れぞれ2本ずつ用意し、各光ファイバの一方の端末部の
被覆層を約15mmにわたって除去した。材料光ファイ
バAおよび材料光ファイバBの被覆層が除去された端末
部の端面どうしを突き合わせて、アーク放電により融着
接続を行った。このようにして異種の材料光ファイバが
接続された光ファイバを2本作製した。次いで、得られ
た2本の光ファイバの被覆層が除去されている融着接続
部分を平行に添わせ、この部分を加熱融着し延伸した。
このとき、異種の材料光ファイバどうしが隣合うように
配置し、かつ融着接続点が融着延伸部の中央となるよう
にした。また加熱源としては酸水素バーナーを用い、総
延伸量は約20mmとした。このようにして得られた光
ファイバカプラの結合度波長特性(波長1.25μm〜
1.60μm)を図5に示す。この波長範囲での平均的
な結合度はほぼ50%であり、結合度のバラツキは±5
%程度に抑えることができた。このように、本発明の光
ファイバカプラによれば、広い波長域において安定した
良好な結合度の平坦性が得られた。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光ファイバ
カプラは、2本の光ファイバを添接させ、これらを融着
延伸せしめてなる光ファイバカプラであって、上記2本
の光ファイバの伝搬定数をそれぞれβ1,β2とすると
き、隣合う光ファイバ間の伝搬定数が異なり、かつその
伝搬定数の差△β=β1−β2の符号が、融着延伸部の長
さ方向で変化していることを特徴とするものである。こ
のような光ファイバカプラは、上記2本の光ファイバの
うち、少なくとも1本の光ファイバの構造パラメータを
融着延伸部の長さ方向で変化せしめることによって実現
できる。本発明の光ファイバカプラによれば、広い波長
域において安定した良好な結合度の平坦性が得られる。
また本発明の光ファイバカプラは、融着延伸部で2本の
光ファイバの伝搬定数の差△β=β1−β2の符号が正負
反転することにより結合度の平坦性が確保されるので、
製造に際して厳密な調整が要求された従来のものに比較
して製造が容易であり、再現性よく安定して製造でき
る。さらに、融着延伸部の各部分ごとに加熱・延伸条件
を適宜調整することによって、結合度の調整を容易に行
うことができる。
【0027】本発明の光ファイバカプラは、伝搬定数の
異なる2本の光ファイバを添接させ、これらを融着延伸
せしめて光ファイバカプラを製造する際に、融着延伸部
の長さ方向で、少なくとも1本の光ファイバの伝搬定数
を変化せしめて、隣合う光ファイバ間の伝搬定数の差の
符号を変化せしめることによって製造することができ
る。また融着延伸部の長さ方向で、光ファイバの伝搬定
数を変化せしめるには、異なる伝搬定数を有する材料光
ファイバの端面どうしを接続することが好適であり、こ
の方法によれば、材料光ファイバ端面を接続する際に、
光ファイバ端末部で被覆層が除去された部分を、そのま
ま融着延伸部に用いることができるので、融着延伸のた
めに新たに被覆層を除去しなくて済む。光ファイバの端
末部での被覆層除去は、光ファイバの中途部分での被覆
層除去に比べて容易であり、ファイバガラスを傷つける
危険性も少ないので製造上有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバカプラの一例を示した概
略構成図である。
【図2】 本発明の光ファイバカプラの結合特性の例を
示すグラフである。
【図3】 本発明の光ファイバカプラの各種構成例を示
した概略構成図である。
【図4】 正規化周波数と伝搬定数の関係を示すグラフ
である。
【図5】 本発明の光ファイバカプラの実施例において
得られた結合特性を示すグラフである。
【図6】 融着延伸型光ファイバカプラの製造方法の例
を示す工程図である。
【図7】 融着延伸型光ファイバカプラの結合度を説明
するための概略構成図である。
【図8】 従来のWICを製造する際の延伸量と結合度
との関係の例を示すグラフである。
【図9】 従来のWICにおける結合特性の例を示すグ
ラフである。
【符号の説明】 1,2…光ファイバ、10…融着延伸部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本の光ファイバを添接させ、これらを
    融着延伸せしめてなる光ファイバカプラであって、 上記2本の光ファイバの伝搬定数をそれぞれβ1,β2
    するとき、隣合う光ファイバ間の伝搬定数が異なり、か
    つその伝搬定数の差△β=β1−β2の符号が、融着延伸
    部の長さ方向で変化していることを特徴とする光ファイ
    バカプラ。
  2. 【請求項2】 上記2本の光ファイバのうち、少なくと
    も1本の光ファイバの構造パラメータが融着延伸部の長
    さ方向で変化していることを特徴とする請求項1記載の
    光ファイバカプラ。
  3. 【請求項3】 2本の光ファイバを添接させ、これらを
    融着延伸せしめて光ファイバカプラを製造する方法であ
    って、 伝搬定数の異なる2本の光ファイバを用い、かつ融着延
    伸部の長さ方向で、少なくとも1本の光ファイバの伝搬
    定数を変化せしめて、隣合う光ファイバ間の伝搬定数の
    差の符号を変化せしめることを特徴とする光ファイバカ
    プラの製造方法。
  4. 【請求項4】 異なる伝搬定数を有する材料光ファイバ
    の端面どうしを接続して長さ方向で伝搬定数が変化する
    光ファイバを形成する工程を有することを特徴とする請
    求項3記載の光ファイバカプラの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003515184A (ja) * 1999-11-17 2003-04-22 イトフ オプティカル テクノロジーズ インコーポレイテッド − テクノロジーズ オプティク イトフ インコーポレイテッド 多重化および分波単モード光ファイバ・カップラの製作
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