JPH08216737A - 身体障害者用車両運転装置 - Google Patents

身体障害者用車両運転装置

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Publication number
JPH08216737A
JPH08216737A JP15962395A JP15962395A JPH08216737A JP H08216737 A JPH08216737 A JP H08216737A JP 15962395 A JP15962395 A JP 15962395A JP 15962395 A JP15962395 A JP 15962395A JP H08216737 A JPH08216737 A JP H08216737A
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JP
Japan
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brake
accelerator
pedal
actuator
determination
Prior art date
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Application number
JP15962395A
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English (en)
Inventor
Kenichi Hiromoto
建一 廣本
Tsukasa Abe
司 安部
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
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  • Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 故障に対する信頼性を向上させる。 【構成】 身体障害者用車両運転装置10では、ステップ
モータ100 の駆動力をクラッチ102(模式的にコイルで示
す),プーリ104 及びワイヤ108 を介してアクセルペダル
106 に伝達してペダル106 を操作すると共に、ブレーキ
モータ118 の駆動力をプーリ120,ワイヤ124 を介してブ
レーキペダル122 に伝達してペダル122 を操作する。ブ
レーキモータ118 についてはメインリレー56又は58の少
なくとも一方が正常であれば電力が供給される。またブ
レーキペダル122 を操作しているときにはアクセルクラ
ッチリレー162 によりクラッチ102 がオフされると共
に、ブレーキ系の故障が検出されたときにもクラッチ10
2 への電力の供給が停止され、ステップモータ100 の駆
動力が不必要にアクセルペダル106 に伝達されることが
防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は身体障害者用車両運転装
置に係り、特に、車両のブレーキペダル及びアクセルペ
ダルを駆動力源の駆動力により操作する身体障害者用車
両運転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】身体障害者による車両の運転を補助する
ための装置としては、従来より種々の構成のものがあ
り、一例として実開昭55-53628号公報には、ステアリン
グホイール近傍に、リンク機構を介してアクセルペダル
及びブレーキペダルに機械的に連結された操作レバーを
設け、操作レバーを手動で操作することによって、これ
に連動してアクセルペダル、ブレーキペダルを間接的に
操作できるようにした身体障害者用車両運転装置が提案
されている。
【0003】このように、車両のアクセルペダル、ブレ
ーキペダルを間接的に操作する構成の身体障害者用車両
運転装置は、既存の一般車両に取付けることで該車両を
身体障害者でも容易に運転可能な身体障害者用車両とす
ることができるので、身体障害者が容易に運転可能な車
両を低コストで実現できるというメリットがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両の
アクセル、ブレーキ等のペダルは足で操作することを前
提として設計されているため、上述した装置において操
作レバーとペダルとの間に設けられたリンク機構のリン
ク比等を変更したとしても、操作レバーを操作するため
の操作力や操作レバーのストロークを運転者に適切な大
きさとすることが難しいという問題があった。
【0005】また上述した装置では、操作レバーの操作
が一系統のみ設けられたリンク機構を介してペダルへ伝
達される構成であるので、このリンク機構に故障等が生
ずると、操作レバーを操作してもこの操作がペダルに伝
達されず、身体障害者が車両を運転することができなく
なるので、信頼性が低いという問題もあった。
【0006】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、故障についての信頼性を向上させることができる身
体障害者用車両運転装置を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、運転者により手動で操作され
車両のブレーキペダル及びアクセルペダルの操作量を指
示するためのブレーキアクセル操作部を少なくとも備え
た操作装置と、駆動力源を備え該駆動力源の駆動力によ
りブレーキペダルを操作するブレーキアクチュエータ
と、駆動力源を備え該駆動力源の駆動力によりアクセル
ペダルを操作するアクセルアクチュエータと、前記ブレ
ーキアクセル操作部の指示に応じて前記ブレーキアクチ
ュエータによるブレーキペダルの操作量及び前記アクセ
ルアクチュエータによるアクセルペダルの操作量を制御
する駆動制御手段と、前記操作装置又は前記アクチュエ
ータの異常に対して少なくともブレーキペダルを正常に
操作できる状態を維持させるか、又はブレーキペダルを
正常に操作できない状態となる前に報知するか、又は前
記異常の発生を予防する安全維持手段と、を含んで構成
している。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、操作装置には、ブレーキアクチュエータがブレ
ーキペダルを操作しており車両のブレーキに制動力が発
生している状態でその状態を維持させる指示を入力する
ための入力部が設けられており、駆動制御手段は前記入
力部を介して前記指示が入力された場合にブレーキペダ
ルの現在の操作量が維持されるようにブレーキアクチュ
エータを制御し、操作装置の異常に対しての安全維持手
段は、ブレーキアクセル操作部の操作回数及び操作時間
が所定の条件を満たした場合に、ブレーキペダルの操作
量を一定状態に維持する制御を駆動制御手段に行わせる
ことを特徴としている。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、ブレーキアクチュエータの駆動力源はモータで
あり、ブレーキアクチュエータに電力を供給する第1の
給電系が設けられており、アクチュエータの異常に対し
ての安全維持手段は、前記第1の給電系と別に設けられ
少なくともブレーキアクチュエータに電力を供給する第
2の給電系であることを特徴としている。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、操作装置には、ブレーキアクチュエータがブレ
ーキペダルを操作して車両のブレーキに制動力が発生し
ている状態でその状態を維持させる指示を入力するため
の入力部が設けられており、駆動制御手段は前記入力部
を介して前記指示が入力された場合にブレーキペダルの
現在の操作量が維持されるようにブレーキアクチュエー
タを制御し、ブレーキアクチュエータの異常の発生を予
防する安全維持手段は、駆動制御手段が前記ブレーキペ
ダルの現在の操作量が維持されるように制御することを
所定時間以上継続しておりかつ車両が停止している場合
には、前記ブレーキアクチュエータによるブレーキペダ
ルの操作量を減少させることを特徴としている。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項4の発明に
おいて、安全維持手段は、車両のパーキングブレーキが
作動している場合には、前記ブレーキペダルの操作量を
減少させる制御における操作量の減少量を大きくするこ
とを特徴としている。
【0012】請求項6記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、ブレーキペダルに対する操作力を増大させて車
両のブレーキの制動力発生部に伝達する倍力装置の異常
を判定する異常判定手段と、前記異常判定手段により前
記倍力装置に異常が発生したと判定された場合に、ブレ
ーキペダルの操作に供される前記ブレーキアクチュエー
タの駆動力源の駆動力を増大させる駆動力増大制御手段
と、を更に備えたことを特徴としている。
【0013】請求項7記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、操作装置には、各アクチュエータが各ペダルを
操作する第1のモードと、各アクチュエータが各ペダル
の操作を停止する第2のモードと、の何れかの実行を指
示するための指示部が設けられており、車両が走行中で
かつ第1のモード実行中に前記指示手段を介して第2の
モードの実行が指示された場合に、第2のモードへの移
行を禁止する制御手段を更に設けたことを特徴としてい
る。
【0014】請求項8記載の発明は、請求項7の発明に
おいて、不揮発性の記憶手段を更に設け、制御手段は、
給電手段による給電が正常に停止される際には正常終了
を表す情報を前記記憶手段に記憶させ、給電手段による
給電が開始された際に前記記憶手段に前記正常終了を表
す情報が記憶されていない場合には第1のモードを実行
させることを特徴としている。
【0015】請求項9記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、ブレーキペダル及びアクセルペダルの位置を直
接或いは間接的に検出する検出手段を設け、アクチュエ
ータの異常に対しての安全維持手段は、ブレーキアクチ
ュエータ及びアクセルアクチュエータに対する駆動制御
手段の制御量より推定される各ペダル位置の推定値と、
前記検出手段によって検出された各ペダルの位置と、を
比較してアクチュエータの異常の発生を判断し、異常が
発生したと判断した場合に報知することを特徴としてい
る。
【0016】請求項10記載の発明は、運転者により手
動で操作され車両のブレーキペダル及びアクセルペダル
の操作量を指示するためのブレーキアクセル操作部を少
なくとも備えた操作装置と、駆動力源を備え該駆動力源
の駆動力により前記ブレーキペダルを操作するブレーキ
アクチュエータと、駆動力源を備え該駆動力源の駆動力
により前記アクセルペダルを操作するアクセルアクチュ
エータと、車両のブレーキに制動力が発生し始めるブレ
ーキペダルの境界位置を検出し、ブレーキペダルを前記
境界位置に位置させるためのブレーキアクチュエータに
対するブレーキ制御オフセット量を定期的に求めるブレ
ーキオフセット量検出手段と、車両のスロットルが開き
始めるアクセルペダルの境界位置を検出し、アクセルペ
ダルを前記境界位置に位置させるためのアクセルアクチ
ュエータに対するアクセル制御オフセット量を定期的に
求めるアクセルオフセット量検出手段と、前記ブレーキ
アクセル操作部によって指示されたブレーキペダルの操
作量に対応する制御量に前記ブレーキ制御オフセット量
を加えた制御量によりブレーキアクチュエータによるブ
レーキペダルの操作量を制御すると共に、アクセルペダ
ルの操作量に対応する制御量にアクセル制御オフセット
量を加えた制御量により前記アクセルアクチュエータに
よるアクセルペダルの操作量を制御する駆動制御手段
と、を含んで構成している。
【0017】請求項11記載の発明は、請求項10の発
明において、前記アクセルオフセット量検出手段は、全
閉状態となっていた車両のスロットルが開き始めるとき
のアクセルペダルの第1の境界位置を検出し、アクセル
ペダルを前記第1の境界位置に位置させるためのアクセ
ルアクチュエータに対する第1のアクセル制御オフセッ
ト量を求めると共に、開状態となっていたスロットルが
全閉状態となるときのアクセルペダルの第2の境界位置
を検出し、アクセルペダルを前記第2の境界位置に位置
させるためのアクセルアクチュエータに対する第2のア
クセル制御オフセット量を求め、前記駆動制御手段は、
前記ブレーキアクセル操作部による各ペダルの操作量の
指示の状態に応じて前記第1のアクセル制御オフセット
量又は前記第2のアクセル制御オフセット量を用いてア
クセルアクチュエータによるアクセルペダルの操作量を
制御することを特徴としている。
【0018】請求項12記載の発明は、請求項10又は
請求項11の発明において、ブレーキオフセット量検出
手段によって求められたブレーキ制御オフセット量、及
びアクセルオフセット量検出手段によって求められたア
クセル制御オフセット量の大きさに応じて、各アクチュ
エータの故障の発生及び発生した故障の程度を判定する
故障判定手段を更に設けたことを特徴としている。
【0019】請求項13記載の発明は、請求項1又は請
求項10の発明において、アクセルアクチュエータの駆
動力源の駆動力をアクセルペダルに伝達する伝達機構の
途中に設けられたクラッチと、ブレーキアクチュエータ
によってブレーキペダルが操作されているときに前記ク
ラッチを駆動力非伝達状態にする第1のクラッチ制御手
段と、ブレーキアクチュエータの故障の発生を検出する
故障検出手段と、前記故障検出手段によって故障の発生
が検出された場合に前記クラッチを駆動力非伝達状態に
する第2のクラッチ制御手段と、を更に設けたことを特
徴としている。
【0020】
【作用】実開昭55-53628号公報に記載された技術におけ
る、操作レバーを操作するための操作力や操作レバーの
ストロークを、運転者に適切な大きさとすることが難し
いという問題は、請求項1にも記載したように、運転者
により手動で操作され車両のブレーキペダル及びアクセ
ルペダルの操作量を指示するためのブレーキアクセル操
作部、駆動力源の駆動力によりブレーキペダルを操作す
るブレーキアクチュエータ、及び駆動力源の駆動力によ
りアクセルペダルを操作するアクセルアクチュエータを
設け、ブレーキアクセル操作部の指示に応じてブレーキ
アクチュエータによるブレーキペダルの操作量及びアク
セルアクチュエータによるアクセルペダルの操作量を制
御するように構成することで解決できる。
【0021】しかしながら、上記構成においても操作装
置やアクチュエータに異常が発生する可能性は有り、こ
の異常の発生により各ペダルを操作できない等の事態が
生ずることも起こり得る。このため請求項1記載の発明
では、操作装置又はアクチュエータの異常に対して少な
くともブレーキペダルを正常に操作できる状態を維持さ
せるか、又はブレーキペダルを正常に操作できない状態
となる前に報知するか、又は異常の発生を予防する安全
維持手段を設けている。
【0022】上記により、例えば駆動力源については駆
動力源に長時間継続して負荷が加わらないように制御す
る等のようにして操作装置又はアクチュエータの異常の
発生が予防されるか、又は異常が発生したとしても、少
なくともブレーキペダルの操作については正常に操作で
きる状態が維持されるか、又はブレーキペダルを正常に
操作できない状態となる前に報知されて安全性が確保さ
れるので、少なくとも車両走行中にブレーキペダルを操
作できない等の事態に陥ることが防止され、身体障害者
用車両運転装置の故障についての信頼性、安全性を向上
させることができる。
【0023】ところで、運転者からの指示に応じてブレ
ーキペダルの操作量を一定状態に維持する制御は、特に
車両を停止させた状態で車両の乗降等を行う場合に、運
転者がブレーキアクセル操作部の操作から解放されるの
で利便性が高い。しかしながら、例えば運転者が前記一
定状態に維持する制御を行う指示を入力するための入力
部が故障したとすると、前記一定状態に維持する制御が
行われないことになり、車両の乗降に支障をきたすこと
が考えられる。
【0024】このため請求項2記載の発明では、ブレー
キアクセル操作部の操作回数及び操作時間が所定の条件
を満たした場合に、ブレーキペダルの操作量を一定状態
に維持する制御を制御手段に行わせる安全維持手段を設
けている。なお、前記入力部は例えばスイッチ等で構成
することができ、前記所定の条件としては通常の操作で
は有り得ない操作、例えばブレーキアクセル操作部が所
定時間以内に所定回数以上繰り返し素早く操作された場
合等が挙げられる。これにより、操作装置の入力部に異
常が発生し入力部を介して前記一定状態に維持する制御
を行う指示を入力できなくなったとしても、前記所定の
条件を満たすようにブレーキアクセル操作部を操作すれ
ば前記一定状態に維持する制御が行われるので、操作装
置の故障に対する信頼性を向上させることができる。
【0025】また、ブレーキアクチュエータの駆動力源
をモータで構成した場合、ブレーキアクチュエータに電
力を供給する第1の給電系が故障したとすると、前記モ
ータに電力が供給されず、ブレーキアクセル操作部を操
作してもブレーキペダルが操作されない事態が生ずる可
能性がある。このため請求項3にも記載したように、給
電系の故障に対しての安全維持手段として、第1の給電
系と別に設けられ少なくともブレーキアクチュエータに
電力を供給する第2の給電系を設けることが好ましい。
これにより、第1の給電系が故障したとしても、ブレー
キアクチュエータの駆動力源としてのモータへの給電が
確実に維持され、給電系の故障に対しての信頼性を向上
させることができる。
【0026】また、前述したように、運転者からの指示
に応じてブレーキペダルの操作量を一定状態に維持する
制御は利便性が高いが、この制御を行っている間、ブレ
ーキアクチュエータの駆動力源には常に負荷が加わって
いるので、この状態が続くと駆動力源に故障等が生ずる
可能性がある。特に駆動力源をモータで構成した場合に
は、駆動している間モータに電流が流れるので、モータ
のコイル等の温度上昇により故障が生ずる可能性が高
い。
【0027】このため、請求項4にも記載したように、
駆動制御手段がブレーキペダルの操作量が一定状態を維
持するように制御することを所定時間以上継続してお
り、かつ車両が停止している場合には、ブレーキアクチ
ュエータの駆動力源に加わる負荷を減少させる(すなわ
ちブレーキペダルの操作量を小さくする)安全維持手段
を設けることが好ましい。これにより、ブレーキアクチ
ュエータの駆動力源に長時間に亘って大きな負荷が加わ
ることがなくなるので、ブレーキアクチュエータの故障
を未然に防止することができる。
【0028】なお、車両が停止しているときのブレーキ
ペダルの操作は車両停止状態を維持することを目的とし
ており、その操作量が車両停止状態を維持できる最小値
以上であれば目的を達成できるが、一般的には前記最小
値を大幅に上回る操作量で操作されることが多い。従っ
て、上記のように車両が停止している状態でブレーキア
クチュエータの駆動力源に加わる負荷を減少させるよう
にしたとしても、車両の停止状態は維持される。
【0029】また、車両停止状態で車両のパーキングブ
レーキが作動している場合は、パーキングブレーキの作
動により発生する制動力が車両停止状態の維持に寄与す
る。従って請求項5にも記載したように、安全維持手段
が、車両のパーキングブレーキが作動している場合に
は、ブレーキペダルの操作量を減少させる制御における
操作量の減少量を大きくすれば、ブレーキアクチュエー
タの故障を未然かつ確実に防止することができると共
に、車両の停止状態は確実に維持される。
【0030】ところで、車両のブレーキ装置にはエンジ
ン負圧等によりブレーキペダルに対する操作力(踏力)
をアシストする(増大させる)倍力装置(ブレーキブー
スタ)が設けられており、倍力装置によって増大された
操作力がマスタシリンダ等の制動力発生部に伝達される
ことにより、ブレーキペダルに対する操作力に比して高
い制動力を得られる構成となっていることが一般的であ
るが、例えばエンジンの停止や負圧配管の破損、或いは
倍力装置自体の故障等が発生すると、倍力装置が正常に
作動しないことによりブレーキペダルに対する操作力の
アシストが行われず、所望の制動力を得るために非常に
大きな操作力が要求される。
【0031】本発明ではブレーキアクセル操作部の指示
に応じてブレーキアクチュエータによりブレーキペダル
が操作されるので、上述したような倍力装置の異常が発
生したとしても運転者に対しブレーキアクセル操作部の
操作に大きな操作力が要求されることはないが、倍力装
置の異常が発生するとブレーキアクセル操作部を介して
指示したブレーキペダルの操作量に対し実際に発生する
制動力が不足することになるので、運転者に違和感を与
える可能性が高い。また倍力装置の異常が発生した場合
には、所望の制動力を得るためにブレーキペダルの操作
量として非常に大きな操作量を指示し続けなければなら
ないので、前述のように大きな操作力は要求されないも
のの、運転者にとってブレーキアクセル操作部の操作が
負担となることも考えられる。
【0032】このため請求項6にも記載したように、倍
力装置の異常を判定する異常判定手段と、異常判定手段
により倍力装置に異常が発生したと判定された場合に、
ブレーキペダルの操作に供されるブレーキアクチュエー
タの駆動力源の駆動力を増大させる駆動力増大制御手段
と、を更に設けることが好ましい。これにより、倍力装
置の異常が発生した場合にも、ブレーキアクセル操作部
を介して指示されたブレーキペダルの操作量に対し、倍
力装置の異常が発生していない通常時よりも大きな駆動
力でブレーキペダルが操作され、所望の制動力に一致又
はより近い大きさの制動力が実際に発生されるので、運
転者に違和感を与えることを防止でき、倍力装置の異常
に対する安全性、信頼性が向上する。また、所望の制動
力を得るためにブレーキペダルの操作量としてブレーキ
アクセル操作部を介して非常に大きな操作量を指示し続
ける必要もなくなるので、ブレーキアクセル操作部を操
作するための運転者の負担を軽減することができる。
【0033】また本発明に係る身体障害者用車両運転装
置のように、アクチュエータによりブレーキペダル及び
アクセルペダルを操作する構成の装置では、アクチュエ
ータの作動を停止させれば、健常者が足で各ペダルを操
作することにより運転する通常の車両運転操作を受付け
ることも可能である。これは、駆動制御手段がアクチュ
エータの駆動を制御する第1のモードと、駆動制御手段
が制御を停止する第2のモードと、の何れかの実行を指
示するための指示部を操作装置に設け、指示部の指示に
応じて各モードに切り替わる構成とすることにより実現
できる。
【0034】しかしながら上記のような構成では、例え
ば指示部が故障したり、或いは車両走行中に指示部が誤
操作されることにより、モードが切り替わってしまうこ
とも考えられる。このため請求項7にも記載したよう
に、車両が走行中でかつ第1のモード実行中に指示手段
を介して第2のモードの実行が指示された場合に、第2
のモードの実行を禁止する制御手段を設けることが好ま
しい。これにより、車両走行中に指示部が誤操作された
としても第1のモードから第2のモードに切り替わるこ
とはなく、指示部を含む操作装置の異常(誤操作)に対
する信頼性が向上する。
【0035】また、本発明に係る身体障害者用車両運転
装置を含む、車両に搭載される各種電装品は、一般に車
両のバッテリから供給された電力により作動するが、車
両のバッテリを含む給電系は、例えば車両走行時に加わ
る振動等によりコネクタ等が接触不良となり一時的に給
電が停止する等の異常が発生することがある。給電の一
時的な停止が起こると、マイクロプロセッサ等を含んで
構成される電装品では給電が再開された後にマイクロプ
ロセッサが再起動されるが、この再起動によりマイクロ
プロセッサのRAM等に記憶されていた情報は失われる
ので、給電停止が発生する前に装置がどのような状態で
あったかを知ることはできない。
【0036】従って、本発明に係る身体障害者用車両運
転装置をマイクロプロセッサを含んで構成したとする
と、前記第1のモード実行中でかつ車両が走行している
際に給電系に異常が発生し給電が一時的に停止された場
合、マイクロプロセッサが再起動された後に第2のモー
ドが実行される可能性もある。このため、請求項8にも
記載したように、不揮発性の記憶手段を備え、正常に電
源が切断される際には正常終了を表す情報を記憶手段に
記憶し、電源投入時に記憶手段に正常終了を表す情報が
記憶されていない場合には第1のモードを実行させる安
全維持手段を設けることが好ましい。
【0037】これにより、第1のモード実行中でかつ車
両が走行している際に給電系に異常が発生し給電が一時
的に停止されたとしても、マイクロプロセッサが再起動
された後に第2のモードが実行されることが防止される
ので、給電系の異常に対する信頼性を向上させることが
できる。
【0038】ところで、アクチュエータの故障、或いは
車両のペダルの動作不良等の故障は車両走行中であって
も発生する可能性があるが、このような故障が車両走行
中に発生したとすると、運転者によるブレーキアクセル
操作部の操作に対し、車両のブレーキペダル、アクセル
ペダルが運転者の意思通りに操作されない場合も生じ得
る。このため請求項9にも記載したように、ブレーキペ
ダル及びアクセルペダルの位置を直接或いは間接的に検
出する検出手段を備え、ペダルの位置の推定値と検出手
段によって検出されたペダルの位置とを比較してアクチ
ュエータの異常の発生を判断し、異常が発生したと判断
した場合に報知する、アクチュエータの異常に対しての
安全維持手段を設けることが好ましい。
【0039】なお前記検出手段は、例えば各アクチュエ
ータの駆動力源をモータで構成した場合には、各モータ
の駆動軸の回転角度を検出する回転角センサで構成する
ことができ、該センサで検出された駆動軸の回転角度に
基づいて間接的に各ペダルの位置を推定することができ
る。また、これに代えて各ペダルの回動角により各ペダ
ルの位置を直接検出するセンサを設けてもよい。
【0040】上述した安全維持手段による制御はブレー
キアクチュエータやアクセルアクチュエータがブレーキ
ペダル、アクセルペダルを操作しているときにも行うこ
とができるので、車両走行中にアクチュエータの異常、
或いはペダルの動作不良等が発生したとしても、各ペダ
ルを正常に操作することができない状態となる前にこれ
を検出して報知することができる。従って、アクチュエ
ータ等の故障に対する信頼性を向上させることができ
る。
【0041】また、駆動力源の駆動力によりペダルを操
作するためには、一例としてワイヤ等の駆動力伝達機構
を設けることが考えられるが、このような構成とする
と、ワイヤの伸び等の経時変化により駆動制御手段によ
るペダルの操作量と実際にペダルが操作された量とが徐
々にずれが生ずることも考えられる。
【0042】このため、請求項10記載の発明では、車
両のブレーキに制動力が発生し始めるブレーキペダルの
境界位置を検出し、ブレーキペダルを前記境界位置に位
置させるためのブレーキアクチュエータに対するブレー
キ制御オフセット量を定期的に求めるブレーキオフセッ
ト量検出手段と、車両のスロットルが開き始めるアクセ
ルペダルの境界位置を検出し、アクセルペダルを前記境
界位置に位置させるためのアクセルアクチュエータに対
するアクセル制御オフセット量を定期的に求めるアクセ
ルオフセット量検出手段と、を設けている。
【0043】そして、駆動制御手段では、ブレーキアク
セル操作部によって指示されたブレーキペダルの操作量
に対応する制御量にブレーキ制御オフセット量を加えた
制御量によりブレーキアクチュエータによるブレーキペ
ダルの操作量を制御すると共に、アクセルペダルの操作
量に対応する制御量にアクセル制御オフセット量を加え
た制御量によりアクセルアクチュエータによるアクセル
ペダルの操作量を制御するようにしている。
【0044】上記によれば、駆動制御手段による各ペダ
ルの操作量と、各ペダルの実際の操作量とのずれが制御
オフセット量として検出され、該制御オフセット量を考
慮して各ペダルの制御が行われるので、前記ずれによる
ペダル操作量の誤差が解消され、運転者によるブレーキ
アクセル操作部の操作に正確に対応するようにペダルを
操作することができる。また、ブレーキアクセル操作部
を介して操作が指示されていない待機状態のペダルにつ
いては前記境界位置に位置するように制御することがで
きるので、ブレーキアクセル操作部が操作されてから実
際にペダルが操作される迄の応答性を向上させることも
可能となる。
【0045】また、前述したワイヤ等の駆動力伝達機構
によりペダルを操作する構成では、ワイヤに加わるテン
ションの変化や駆動力伝達機構のガタ等の要因により、
駆動制御手段によるペダルの操作量とペダルの実際の操
作量とのずれ量が、操作量が増加する方向にペダルを操
作している場合と操作量が減少する方向にペダルを操作
している場合とで若干変化する、所謂ヒステリシスが生
ずる。
【0046】特にアクセルペダルの制御においては、先
の請求項10のように車両のスロットルが開き始めるア
クセルペダルの境界位置を検出してアクセル制御オフセ
ット量を求め、この制御オフセット量を考慮してアクセ
ルペダルの制御を行ったとしても、駆動制御手段による
ペダルの操作量とペダルの実際の操作量とのずれ量のヒ
ステリシスにより、ブレーキアクセル操作部によって指
示されたアクセルペダルの操作量が0のときにも、実際
にはアクセルペダルが所定量操作された状態となり、エ
ンジンの回転数の上昇(アイドル回転数の上昇)等が生
じる可能性が有るので好ましくない。
【0047】このため、請求項11に記載したように、
アクセルオフセット量検出手段は、全閉状態となってい
た車両のスロットルが開き始めるときのアクセルペダル
の第1の境界位置を検出し、アクセルペダルを第1の境
界位置に位置させるための第1のアクセル制御オフセッ
ト量を求めると共に、開状態となっていた前記スロット
ルが全閉状態となるときのアクセルペダルの第2の境界
位置を検出し、アクセルペダルを第2の境界位置に位置
させるための第2のアクセル制御オフセット量を求め、
駆動制御手段は、ブレーキアクセル操作部による各ペダ
ルの操作量の指示の状態に応じて第1のアクセル制御オ
フセット量又は第2のアクセル制御オフセット量を用い
てアクセルペダルの操作量を制御することが好ましい。
【0048】これにより、駆動制御手段によるペダルの
操作量とペダルの実際の操作量とのずれ量のヒステリシ
スに拘わらず、ブレーキアクセル操作部によって指示さ
れたアクセルペダルの操作量が0のときにはアクセルペ
ダルの実際の操作量を0とすることができ、アイドル回
転数の上昇等が発生することを防止することができる。
【0049】また、上記の制御オフセット量の検出で
は、例えば前述のようにワイヤ等により駆動力を伝達す
るように構成するとワイヤの伸びに伴って制御オフセッ
ト量が大きくなるので、ワイヤの伸びが許容値を越えた
等の異常を、検出した制御オフセット量の大きさに基づ
いて検出できる。このため、請求項12にも記載したよ
うに、求められたブレーキアクチュエータの制御オフセ
ット量、アクセルアクチュエータの制御オフセット量の
大きさに応じて、各アクチュエータの故障の発生及び故
障の程度を判定する故障判定手段を更に設けることが好
ましい。
【0050】これにより、検出した制御オフセット量の
大きさ、すなわち故障の程度に応じて警告や制御中止等
のように段階的に安全対策を行うことができ、アクチュ
エータに重大な故障が生ずることを未然に防止できる。
従って、アクチュエータの故障に対する信頼性を向上さ
せることができる。
【0051】またアクセルアクチュエータの故障によ
り、ブレーキアクセル操作部の操作に拘わらずアクセル
ペダルが所定操作量以上で保持された状態となることを
防止するためには、請求項13にも記載したように、ア
クセルアクチュエータの駆動力源の駆動力を伝達する伝
達機構の途中にクラッチを設け、第1のクラッチ制御手
段により、ブレーキアクチュエータによってブレーキペ
ダルが操作されているときにクラッチを駆動力非伝達状
態にすることが好ましい。
【0052】しかし上記のようにクラッチ及び第1のク
ラッチ制御手段を設けたとしても、更に第1のクラッチ
制御手段が故障したり、ブレーキアクチュエータの故障
が発生したとすると、クラッチを駆動力非伝達状態とす
ることが困難となる。このため、ブレーキアクチュエー
タ又は車両のブレーキの故障の発生を検出する故障検出
手段を設け、第2のクラッチ制御手段により、故障検出
手段によって故障の発生が検出された場合にクラッチを
駆動力非伝達状態にするように構成することが好まし
い。
【0053】上記により、アクセルアクチュエータが故
障したとしてもクラッチが確実に駆動力非伝達状態とさ
れるので、アクセルペダルが所定操作量以上で保持され
た状態となることが防止され、アクセルアクチュエータ
の故障に対する信頼性を向上させることができる。
【0054】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0055】〔第1実施例〕図1には本実施例に係る身
体障害者用車両運転装置10(以下、FM装置10と称
する)の全体構成が、図2にはFM装置10の制御回路
10Aの内部構成が各々示されている。
【0056】図1に示すように、マイナス端子が接地さ
れたバッテリ12のプラス端子は、イグニッションスイ
ッチ14を介して第1のメインリレー16の励磁コイル
の一端に接続されており、励磁コイルの他端は設置され
ている。これにより、イグニッションスイッチ14がオ
ンすると第1のメインリレー16のスイッチがオンす
る。第1のメインリレー16のスイッチの一端はヒュー
ズ18を介してバッテリ12のプラス端子に接続されて
おり、他端は制御回路10Aのダイオード20のアノー
ドに接続されている(図2参照)。
【0057】またバッテリ12のプラス端子は、車両の
コンソール等に設けられたFMスイッチ22、パイロッ
トランプ24を介して第2のメインリレー26の励磁コ
イルの一端に接続されており、励磁コイルの他端は設置
されている。これにより、FMスイッチ22がオンされ
ると、第2のメインリレー26のスイッチがオンすると
共にパイロットランプ24が点灯する。第2のメインリ
レー26のスイッチの一端はヒューズ28を介してバッ
テリ12のプラス端子に接続されており、他端は制御回
路10Aのダイオード30のアノードに接続されてい
る。
【0058】なおFMスイッチ22は、後述する操作レ
バーの操作に応じてブレーキペダル、アクセルペダルを
操作する身体障害者用のモード(本発明の第1のモード
に相当、以下FMモードと称する)の実行を指示するた
めのスイッチであり、本発明の指示部に対応している。
なお、FMモードが実行されていないときには、操作レ
バーの操作に応じたブレーキペダル、アクセルペダルの
操作を行わない一般運転者用のモード(本発明の第2の
モードに相当、以下健常者モードと称する)が実行され
る。
【0059】図2に示すように、ダイオード20、30
のカソードは互いに接続され、ダイオード32、給電線
34Aを介して電源回路36、リレー駆動回路38及び
電源切換回路40に各々接続されている。従って上記回
路には、第1のメインリレー16及び第2のメインリレ
ー26の少なくとも一方のスイッチがオンすれば、オン
したメインリレーを介して電力が供給される。なお、ダ
イオード20、30のアノードは各々インタフェース回
路42を介してCPU44に接続されており、イグニッ
ションスイッチ14及びFMスイッチ22のオンオフは
CPU44で検知される。
【0060】また、電源回路36はダイオード46、ヒ
ューズ48を介してバッテリ12のプラス端子に接続さ
れており、給電線34Bを介して制御回路10AのCP
U44及びバックアップ回路50に接続されている。従
って、CPU44及びバックアップ回路50には電源回
路36を介して常時電力が供給される。
【0061】また、バッテリ12のプラス端子は、ヒュ
ーズ52、54を介してアクセルメインリレー56のス
イッチの一端及びブレーキメインリレー58のスイッチ
の一端に接続されている。アクセルメインリレー56及
びブレーキメインリレー58の励磁コイルは、各々一端
がリレー駆動回路38を介してCPU44に接続されて
おり、他端が接地線60Aを介して接地されている。こ
の接地線60Aには、リレー駆動回路38、CPU4
4、バックアップ回路50の各々の接地端も接続されて
いる。
【0062】アクセルメインリレー56のスイッチの他
端は、アクセルクラッチ駆動回路62、ステップモータ
駆動回路64に各々接続されていると共に、ダイオード
66を介してブレーキモータ駆動回路68に各々接続さ
れており、更にダイオード70を介して給電線34Aに
接続されている。アクセルクラッチ駆動回路62、ステ
ップモータ駆動回路64及びブレーキモータ駆動回路6
8の各々の制御信号入力端はCPU44に接続されてお
り、各々の接地端は接地線60Bを介して接地されてい
る。
【0063】またブレーキメインリレー58のスイッチ
の他端は、ダイオード72を介してブレーキモータ駆動
回路68に接続されており、更にダイオード74を介し
て給電線34Aに接続されている。アクセルメインリレ
ー56及びブレーキメインリレー58は、CPU44か
らの信号に従ってリレー駆動回路38により励磁コイル
が励磁されると、スイッチがオンする。
【0064】これにより図3に模式的に示すように、ヒ
ューズ48が切れたとしても、電源回路36は第1のメ
インリレー16、第2のメインリレー26、ブレーキメ
インリレー58及びアクセルメインリレー56の少なく
とも何れか1つがオンすれば電力が供給される。リレー
駆動回路38も同様に上記4個のメインリレーの少なく
とも何れかがオンすれば電力が供給される。従って、各
メインリレーの何れかが故障したとしてもCPU44等
への電力の供給は継続される。
【0065】また、バッテリ12からブレーキメインリ
レー58を通ってブレーキモータ駆動回路68に至る回
路は請求項3の発明の第1の給電系に、バッテリ12か
らアクセルメインリレー56を通ってブレーキモータ駆
動回路68に至る回路は請求項3の発明の第2の給電系
に各々対応している。ブレーキモータ駆動回路68に
は、ブレーキメインリレー58及びアクセルメインリレ
ー56の一方が故障したとしても、他方がオンすれば電
力が供給され、後述するようにブレーキペダルの操作を
行うことができる。なお、アクセルクラッチ駆動回路6
2及びステップモータ駆動回路64については、アクセ
ルメインリレー56がオンすれば電力が供給される。
【0066】また、バッテリ12のプラス端子はダイオ
ード76を介して給電線34Cに接続されている。給電
線34Cは過充電保護回路78を介して非常用バッテリ
80のプラス端子に接続されており、非常用バッテリ8
0のマイナス端子は過充電保護回路78、接地線60B
を介して接地されている。ダイオード76を介してバッ
テリ12から給電線34Cに電力が供給されているとき
には、非常用バッテリ80は過充電保護回路78を介し
て充電され、バッテリ12からの電力の供給が停止され
ると給電線34Cに電力を供給する。
【0067】給電線34CにはRAM等で構成された状
態記憶回路82及び電源切換回路40が接続されてお
り、図3にも示すように、これらの回路にはバッテリ1
2及び非常用バッテリ80の何れかから常に電力が供給
される。状態記憶回路82には給電線34Cを介して常
に電力が供給されるので、バックアップRAMとして機
能する。状態記憶回路82はCPU44に接続されてお
り、FM装置10の各種状態を表す情報を保持する。
【0068】また給電線34Cは、各々車両のコンソー
ル等に配設されたFMランプ84、セットランプ86及
びスピーカ88に各々2個設けられた端子の一方にも各
々接続されている。FMランプ84の2個の端子の他方
はFMランプ駆動回路90を介して電源切換回路40に
接続されている。同様に、セットランプ86及びスピー
カ88の他方の端子についても、セットランプ駆動回路
92又は警報ブザー駆動回路94を介して電源切換回路
40に各々接続されている。なお、各駆動回路90、9
2、94の各々の接地端は接地線60Bを介して接地さ
れている。
【0069】電源切換回路40はFMランプ84、セッ
トランプ86及びスピーカ88の各々の駆動を制御する
機能を備えており、ランプ84、86及びスピーカ88
の作動を制御するための制御信号がCPU44又はバッ
クアップ回路50から入力され、入力された制御信号に
応じて、各駆動回路90、92、94を介してランプ8
4、86及びスピーカ88の作動を制御する。
【0070】また図1に示すように、FM装置10はス
テップモータ100を備えている。ステップモータ10
0の励磁コイル100A、100Bは制御回路10Aの
ステップモータ駆動回路64(図2参照)に接続されて
おり、ステップモータ駆動回路64によって駆動が制御
される。ステップモータ100の駆動軸は、アクセルク
ラッチ102(図1では模式的にコイルとして示す)を
介してプーリ104に連結されている。プーリ104の
外周には、一端が車両のアクセルペダル106に連結さ
れたワイヤ108の他端が巻掛けられている。
【0071】これにより、ステップモータ100が駆動
されて駆動力がアクセルクラッチ102を介してプーリ
104に伝達され、プーリ104がワイヤ108の巻取
り方向に回転されると、アクセルペダル106が踏まれ
た場合と同様に、アクセルペダル106はアクセルワイ
ヤ110を引っ張る方向にプーリ104の回転量(すな
わちステップモータ100の駆動軸の回転量)に比例し
た量だけ回動(操作)される。図示しないスロットルボ
ディには、アクセルワイヤ110に連結されたアクセル
ワイヤ110が引っ張られると回動されるスロットルバ
ルブと、スロットルバルブがアイドル位置(全閉位置)
に位置している状態でオンするアイドルスイッチ112
が設けられている。アイドルスイッチ112は制御回路
10Aに接続されており、スロットルバルブがアイドル
位置に位置しているか否かは制御回路10AのCPU4
4で検知される。
【0072】また、ステップモータ100にはモータ回
転角センサ114が取付けられている。モータ回転角セ
ンサ114は、固定配置された抵抗パターンと、ステッ
プモータ100の駆動軸の回転に応じて抵抗パターン上
を摺動する可動接点と、から成り、抵抗パターンの両端
及び可動接点は制御回路10Aに各々接続されている。
抵抗パターンには制御回路10Aによって一定電圧が印
加され、センサ出力電圧として制御回路10Aに入力さ
れる可動接点の電位は、駆動軸の回転角度の大きさに比
例して変化するようになっている。
【0073】またFM装置10はブレーキモータ118
を備えている。ブレーキモータ118の励磁コイル11
8Aは制御回路10Aのブレーキモータ駆動回路68
(図2参照)に接続されており、ブレーキモータ駆動回
路68によって駆動が制御される。ブレーキモータ11
8の駆動軸はプーリ120に連結されており、プーリ1
20の外周には、一端が車両のブレーキペダル122に
連結されたワイヤ124の他端が巻掛けられている。こ
れにより、ブレーキモータ118が駆動されて駆動力が
プーリ120に伝達され、プーリ120がワイヤ124
の巻取り方向に回転されると、ブレーキペダル122が
踏まれた場合と同様にブレーキペダル122が回動(操
作)される。
【0074】ブレーキペダル122には、ストップラン
プスイッチ126が取付けられている。ストップランプ
スイッチ126はブレーキペダル122が所定量回動さ
れるとオンする。ストップランプスイッチ126の一端
はバッテリ12のプラス端子に接続されており、他端
は、一端が接地されたストップランプ128の他端、及
び制御回路10Aに接続されている。ストップランプス
イッチ126がオンすると、ストップランプ128が点
灯すると共に、ストップランプスイッチ126がオンし
たことが制御回路10Aに検知される。
【0075】ブレーキペダル122はブレーキブースタ
を介してマスタシリンダ(共に図示せず)に連結されて
おり、ブレーキペダル122が回動されると、マスタシ
リンダ、車両の各車輪に対応して設けられた図示しない
ホイールシリンダ、及びマスタシリンダとホイールシリ
ンダとの間を連結する管路の内部に貯留されたブレーキ
フルードの油圧が増加し、車両の制動が行われる。ブレ
ーキフルードの油圧は油圧センサ130によって検出さ
れる。油圧センサ130は制御回路10Aに接続されて
おり、ブレーキフルードの油圧の変化は制御回路10A
のCPU44に検知される。
【0076】また、ブレーキモータ118にもモータ回
転角センサ132が取付けられている。モータ回転角セ
ンサ132は、固定配置された抵抗パターンと、ブレー
キモータ118の駆動軸の回転に応じて抵抗パターン上
を摺動する可動接点と、から成り、抵抗パターンの両端
及び可動接点は制御回路10Aに各々接続されている。
抵抗パターンの両端には制御回路10Aによって一定電
圧が印加され、センサ出力電圧として制御回路10Aに
出力される可動接点の電位は、駆動軸の回転角度の大き
さに比例して変化する。
【0077】なお、ブレーキペダル122にはワイヤ1
36の一端も接続されており、ワイヤ136の他端はバ
ックアップブレーキアクチュエータ138に連結されて
いる。バックアップブレーキアクチュエータ138に
は、車両のコンソール等に設けられた非常停止スイッチ
140が接続されている。バックアップブレーキアクチ
ュエータ138はインフレータを内蔵しており、非常停
止スイッチ140がオンされると、インフレータの爆発
力によってワイヤ136を巻取り、ブレーキペダル12
2を回動させるようになっている。
【0078】また車両には、車両駐車時等に操作される
図示しないパーキングブレーキも設けられている。パー
キングブレーキには、パーキングブレーキが作動される
とオンするパーキングブレーキスイッチ142が設けら
れている。パーキングブレーキスイッチ142は一端が
接地されており、他端は制御回路10Aに接続されてお
り、更にインジケータランプ144を介して図示しない
電源回路に接続されている。
【0079】また、FM装置10が搭載される車両のト
ランスミッションはオートマッチクトランスミッション
(以下、「A/T」という)で構成されており、車室内
にはA/Tのレンジ(「P」「N」「R」「D」等)を
切り替えるための図示しない操作レバーが設けられてい
る。この操作レバーの位置はニュートラルスタートスイ
ッチ146によって検出され、検出されたレバー位置に
応じて各レンジに切り替わるように構成されている。ニ
ュートラルスタートスイッチ146は一端が電源に接続
されており、他端は制御回路10Aに接続されると共に
インジケータランプ146Aを介して接地されている。
制御回路10Aはニュートラルスタートスイッチ146
からの信号により現在のA/Tのレンジを検知する。
【0080】一方、FM装置10が搭載された車両の室
内には、図4に示すように、車室床部の車幅方向中央部
に車両前後方向に配設されたフロントコンソール150
上に車両用操作レバー152が設けられている。なお、
図4において、矢印FRは車両前方側を示し、矢印UP
は車両上方側を示す。操作レバー152は、車両上下方
向に略沿って配設された金属製のシャフト152Aと、
車両幅方向に沿って配設され長手方向中央部がシャフト
152Aの上端部に取付けられた把持部152Bと、で
構成されている。
【0081】把持部152Bの長手方向の一方(図4の
紙面手前側)の端部には、セットスイッチ154が設け
られている。セットスイッチ154は、ボタンが把持部
152Bの長手方向中央部に向けて押圧される毎にオン
とオフとを繰り返す、所謂オンオフスイッチで構成され
ている。セットスイッチ154は制御回路10Aに接続
されており(図1参照)、セットスイッチ154のオン
オフの状態は制御回路10AのCPU44に検知され
る。セットスイッチ154は、FMモード実行中かつブ
レーキペダル122又はアクセルペダル106が所定量
操作された状態で、該状態をロックするモード(以下セ
ットモードと称する)の実行させる指示を入力するため
のスイッチであり、本発明の入力部に対応している。
【0082】また、シャフト152Aの下端側はコンソ
ールボックス156の内方へ延設されており、図示しな
いピンによって車両前後方向に傾動可能に軸支されてい
る。コンソールボックス156の内部には、操作レバー
152の位置を検出するためのアクセル側レバースイッ
チ158、ブレーキ側レバースイッチ160及び一対の
レバーセンサ164、166が設けられている(図1参
照)。
【0083】図5に示すように、アクセル側レバースイ
ッチ158は、操作レバー152が直立している状態か
ら車両後方に所定量α1 以上傾動されるとオンし、それ
以外の位置ではオフするように配設されている。アクセ
ル側レバースイッチ158の両端は制御回路10Aに接
続されており(図1参照)、アクセル側レバースイッチ
158のオンオフの状態は制御回路10AのCPU44
に検知される。
【0084】またブレーキ側レバースイッチ160は、
操作レバー152が直立している状態から車両前方に所
定量α2 以上傾動されるとオンし、それ以外の位置では
オフするように配設されている。図1に示すように、ブ
レーキ側レバースイッチ160の一端はバッテリ12の
プラス端子に接続されており、他端は制御回路10A、
及びアクセルクラッチリレー162の励磁コイル162
Aの一端に接続されている。アクセルクラッチリレー1
62の励磁コイル162Aの他端は接地されている。
【0085】また、アクセルクラッチリレー162のス
イッチ162Bは、一端が制御回路10Aのアクセルク
ラッチ駆動回路62に接続されており、他端はアクセル
クラッチ102を介して制御回路10Aに接続されてい
る。スイッチ162Bは、励磁コイル162が励磁され
ていない状態では可動接点がばねの付勢力によりオン位
置に位置されるノーマリクローズ型とされており、励磁
コイル162Aが励磁されると可動接点がばねの付勢力
に抗してオフ位置へ移動することにより、スイッチ16
2Bがオフする。
【0086】上記により、ブレーキ側レバースイッチ1
60のオンオフの状態も制御回路10AのCPU44に
検知される。そしてブレーキ側レバースイッチ160が
オンすると、アクセルクラッチリレー162の励磁コイ
ルが励磁されてアクセルクラッチリレー162のスイッ
チがオンし、アクセルクラッチ駆動回路62からアクセ
ルクラッチ102に電力が供給されることによりアクセ
ルクラッチ102が作動し、ステップモータ100とプ
ーリ104の連結が切り離される。なお以下では、レバ
ースイッチ158、160が何れもオンしない操作レバ
ー152の位置の範囲をニュートラル領域、レバースイ
ッチ158がオンする範囲をアクセル領域、レバースイ
ッチ160がオンする範囲をブレーキ領域と称する。
【0087】またレバーセンサ164、166は、操作
レバー152に対して固定配置された抵抗パターンと、
操作レバー152の傾動に伴って前記抵抗パターン上を
摺動する可動接点と、から成る可変抵抗器で各々構成さ
れている。レバーセンサ164、166の抵抗パターン
の両端は各々制御回路10Aに接続されており、制御回
路10Aによって一定電圧が印加される。またレバーセ
ンサ164、166の可動接点も各々制御回路10Aに
接続されており、レバーセンサ出力電圧として可動接点
の電位が制御回路10Aに各々入力されるが、操作レバ
ー152の傾動に伴う出力電圧の変化の方向は、図5に
も示すようにレバーセンサ164とレバーセンサ166
とで逆となっている。
【0088】すなわち、レバーセンサ164は、操作レ
バー152がブレーキ領域側に最傾動された状態で出力
電圧が0となり、操作レバー152がアクセル領域側に
傾動されるに従って出力電圧が増加する。またレバーセ
ンサ166は、操作レバー152がアクセル領域側に最
傾動された状態で出力電圧が0となり、操作レバー15
2がブレーキ領域側に傾動されるに従って出力電圧が増
加する。
【0089】次に図6以降のフローチャートを参照して
本実施例の作用を説明する。最初に、イグニッションス
イッチ14がオンされると制御回路10AのCPU44
で実行されるメインルーチンについて、図6を参照して
説明する。
【0090】ステップ300ではシステムイニシャルチ
ェックとして、CPU44の内部や周辺のハードウェア
チェック、アクセルメインリレー56やブレーキメイン
リレー58のチェック、警報表示系(詳しくは警報ブザ
ー駆動回路94やスピーカ88等のブザー系、FMラン
プ駆動回路90やFMランプ84等のランプ系)のチェ
ック、各種フラグ用エリアを含むRAMの初期化、更に
ポート状態や割込み状態等の初期化を行う。なお、イグ
ニッションスイッチ14のオンと同時にFMランプ84
の点灯、スピーカ88からのブザー音の発生が行われる
ので、これら警報表示系のチェックは運転者が行うこと
も可能である。
【0091】ステップ302ではシステムイニシャルチ
ェックによって故障が発見されたか否か判定する。ステ
ップ302の判定が肯定された場合にはステップ304
で故障処理1を実行し、ステップ336でシステム終了
処理を行ってシステムの作動を停止する。この場合、F
Mモードの実行は禁止される。一方、ステップ302の
判定が肯定された場合には、ステップ306で前回終了
状態チェック処理を行う。このステップ306の内容に
ついては後述する。
【0092】次のステップ308では前回終了状態チェ
ック処理の結果に基づいて、前回のシステム終了が正常
であったか否か判定する。ステップ308の判定が否定
された場合には、ステップ309で現在車両走行中か否
か判定する。ステップ309の判定が否定された場合に
はステップ312へ移行するが、判定が肯定された場合
には、FMモード実行中にバッテリ12からの電力の供
給の一時的な停止、或いはバッテリ12の電圧が一時的
に大幅低下した等の異常によりシステムが再起動された
可能性もあるので、ステップ324へ移行して無条件に
FMモードに遷移する。
【0093】また、ステップ308の判定が肯定された
場合には、ステップ310でリレー駆動回路38を介し
てアクセルメインリレー56及びブレーキメインリレー
58をオンさせる。これにより、CPU44やリレー駆
動回路38等に電力を供給する系統が二重化されると共
に、アクセルクラッチ駆動回路62、ステップモータ駆
動回路64、ブレーキモータ駆動回路68にも電力が供
給される。ステップ312ではイグニッションスイッチ
14がオフされたか否か判定する。ステップ312の判
定が肯定された場合には、ステップ336でシステム終
了処理を行って処理を終了する。
【0094】また判定が否定された場合には、健常者モ
ードからFMモードへの遷移の要求が有ったか否か、及
び現在FMモードへの遷移が可能な状態か否か判定する
FMモード要求判定処理を行う(詳細は後述)。次のス
テップ316ではFMモード要求判定処理の判定結果に
基づいてFMモードへ遷移すべきか否か判定する。ステ
ップ316の判定が否定された場合には、ステップ31
8でブレーキメインリレー58をオフし、ステップ31
2へ戻る。これにより、例えば健常者モードでの通常走
行時等のように健常者モードが継続している間は、イグ
ニッションスイッチ14がオフされるか、FMモードへ
遷移すべきと判定される迄ステップ312〜318が繰
り返される。
【0095】ステップ316の判定が肯定されるとステ
ップ319へ移行し、アクチュエータのゼロ点及び作動
チェックを行う(詳細は後述)。次のステップ320で
は、ステップ319の処理でアクチュエータの故障が発
見されたか否か判定し、ステップ320の判定が肯定さ
れた場合には、ステップ322で故障処理2を行った後
にステップ336のシステム終了処理を実行する。この
ステップ320、322の処理の詳細については後述す
る。
【0096】一方、ステップ320の判定が否定された
場合にはFMモードに遷移し、ステップ324でFM制
御処理を行い(詳細は後述)、ステップ326でアクチ
ュエータ作動チェック処理を行う(詳細は後述)。ま
た、次のステップ328ではステップ326のチェック
処理によって故障が発見されたか否か判定し、ステップ
328の判定が肯定された場合には、ステップ330で
故障処理3を行った後にステップ336のシステム終了
処理を実行する。一方、ステップ328の判定が否定さ
れた場合には、ステップ332でFMモードを継続する
か否かを判定(詳細は後述)し、判定が肯定された場合
にはステップ324に戻る。
【0097】従って、アクチュエータの故障等が発生し
ておらず(ステップ328の判定が否定)、かつステッ
プ332の判定が肯定されている間は、ステップ324
〜332が繰り返され、FMモードが継続される。ま
た、ステップ332の判定が否定された場合には、ステ
ップ334でFMモードの終了処理を行ってステップ3
10に戻り、ステップ312〜318が再度繰り返され
る。ここで、イグニッションスイッチ14がオフされる
と、ステップ336でシステムの終了処理を行って処理
を終了する。なお、これらの終了処理の内容については
後述する。
【0098】次に図7を参照し、図6のメインルーチン
のステップ324で実行されるFM制御の詳細について
説明する。ステップ350ではブレーキ系の状態をチェ
ックし、ブレーキ系に故障が発生しているか否か判定す
る。ステップ350の判定が肯定された場合には、ステ
ップ352において、ブレーキモータ118のモータ電
流目標値TBI(t)及びステップモータ100の実目標ステ
ップ数TTSTEPを0にしてブレーキモータ118及びステ
ップモータ100を駆動すると共に、アクセルクラッチ
駆動回路62によるアクセルクラッチ102への給電を
停止させ(これにより、アクセルクラッチリレー162
のスイッチの状態に拘わらずアクセルクラッチ102が
オフ状態となる)、アクセルメインリレー56及びブレ
ーキメインリレー58をオフして処理を終了する。
【0099】なお、ステップモータ100の実目標ステ
ップ数TTSTEPは、ステップモータ100の駆動軸の位置
と対応しており、上述したように実目標ステップ数TTST
EPを0として駆動されることにより、ステップモータ1
00の駆動軸及びプーリ104は、ワイヤ108を引っ
張らない(すなわちアクセルペダル106に対する操作
量が0)原点位置へ回転される。またブレーキモータ1
18は、モータ電流目標値TBI(t)が0とされると電流が
流れないのでトルクが発生しない。従ってブレーキモー
タ118の駆動軸及びプーリ120は、ブレーキペダル
122のリターンスプリングの付勢力によりブレーキペ
ダル122に対する操作量が0の原点位置付近迄回転さ
れる。
【0100】また、ステップ350の判定が否定された
場合には、ステップ354でレバー状態判定処理を行
う。このレバー状態判定処理について、図8のフローチ
ャートを参照して説明する。
【0101】ステップ370ではレバーセンサ164、
166の出力値VL1,VL2を読み込むと共に、アクセル側
レバースイッチ158及びブレーキ側レバースイッチ1
60の状態を読み込む。ステップ372では読み込んだ
レバーセンサの出力値及びレバースイッチのオンオフ状
態に矛盾がないか等をチェックする。ステップ374で
はステップ372のチェック結果に従って、故障の発生
が検出されたか否か判定する。ステップ374の判定が
肯定された場合にはステップ376へ移行し、操作レバ
ー152がアクセル領域に位置していることを表すアク
セル側フラグXLACC 、操作レバー152がブレーキ領域
に位置していることを表すブレーキ側フラグXLBRK 、操
作レバー152がニュートラル領域に位置していること
を表すニュートラルフラグXLN を各々0にすると共に、
故障が発生したことを表す故障フラグXLFAILを1にし、
更にステップモータ100の駆動軸のゼロ点位置におけ
るステップ数を表すゼロ点位置ZSTEP として0を設定し
て、処理を終了する。
【0102】また、ステップ374の判定が否定された
場合にはステップ378へ移行し、レバーセンサ164
の出力値VL1 が、しきい値KVL1A 以下でかつしきい値KV
L1B以上の範囲に入っているか否か判定する。なお、し
きい値KVL1A はアクセル領域とニュートラル領域との境
界における出力値VL1 に対応しており、しきい値KVL1B
はアクセル領域とニュートラル領域との境界における出
力値VL1 に対応している。
【0103】出力値VL1 がしきい値KVL1A よりも大きい
と判定された場合には、操作レバー152がアクセル領
域に位置していると判断し、ステップ380でアクセル
側レバースイッチ158がオン、かつブレーキ側レバー
スイッチ160がオフしているか否か判定する。ステッ
プ380の判定が否定された場合には故障が発生してい
ると判断し、前述のステップ376に移行する。また判
定が肯定された場合には、ステップ382でカウンタCL
ACC の値が所定値KTL 以上となったか否か判定する。ス
テップ382の判定が否定された場合には、ステップ3
84でカウンタCLACC に1を加算し、ステップ410で
故障フラグXLFAILをリセット(0)して処理を終了す
る。
【0104】前述のように、FM制御処理(及びその一
部であるレバー状態判定処理)はFMモードが継続して
いる間繰り返し実行されるので、操作レバー152が所
定時間以上継続してアクセル領域に位置していれば、こ
の間にカウンタCLACC の値が徐々に増加されてステップ
382の判定が肯定されることになる。ステップ382
の判定が肯定されると、ステップ386へ移行してカウ
ンタCLACC をリセットし、次のステップ388でアクセ
ル側フラグXLACC を1にすると共にブレーキ側フラグXL
BRK 及びニュートラルフラグXLN を各々0にし、更にゼ
ロ点位置ZSTEPとして開側ゼロ点モータステップ数ZSTEP
O(後述)を設定した後に、ステップ410の処理を行
ってレバー状態判定処理を終了する。
【0105】また、ステップ378において出力値VL1
がしきい値KVL1B よりも小さいと判定された場合には、
操作レバー152がブレーキ領域に位置していると判断
し、ステップ390でアクセル側レバースイッチ158
がオフ、かつブレーキ側レバースイッチ160がオンし
ているか否か判定する。ステップ390の判定が否定さ
れた場合はステップ376に移行し、判定が肯定された
場合はステップ392でカウンタCLBRK の値が所定値KT
L 以上となったか否か判定する。ステップ392の判定
が否定された場合には、ステップ394でカウンタCLBR
K に1を加算し、ステップ410で故障フラグXLFAILを
0にして処理を終了する。
【0106】前記と同様に、操作レバー152が所定時
間以上継続してブレーキ領域に位置していれば、この間
にカウンタCLBRK の値が徐々に増加されてステップ39
2の判定が肯定され、ステップ396へ移行してカウン
タCLBRK をリセットし、次のステップ398でブレーキ
側フラグXLBRK を1にすると共にアクセル側フラグXLAC
C 、ニュートラルフラグXLN 及びゼロ点位置ZSTEP を各
々0にした後に、ステップ410の処理を行ってレバー
状態判定処理を終了する。
【0107】またステップ378において、出力値VL1
がしきい値KVL1A 以下でかつしきい値KVL1B 以上の範囲
に入っていると判定された場合には、操作レバー152
がニュートラル領域に位置していると判断し、ステップ
400でアクセル側レバースイッチ158及びブレーキ
側レバースイッチ160がオフしているか否か判定す
る。ステップ400の判定が否定された場合はステップ
376に移行し、判定が肯定された場合はステップ40
2でカウンタCLN の値が所定値KTL 以上となったか否か
判定する。ステップ402の判定が否定された場合に
は、ステップ404でカウンタCLN に1を加算し、ステ
ップ410で故障フラグXLFAILを0にして処理を終了す
る。
【0108】前記と同様に、操作レバー152が所定時
間以上継続してニュートラル領域に位置していれば、こ
の間にカウンタCLN の値が徐々に増加されてステップ4
02の判定が肯定され、ステップ406へ移行してカウ
ンタCLN をリセットし、次のステップ408でニュート
ラルフラグXLN を1にすると共にアクセル側フラグXLAC
C 及びブレーキ側フラグXLBRK を各々0にし、更にゼロ
点位置ZSTEP として閉側ゼロ点モータステップ数ZSTEPC
(後述)を設定した後に、ステップ410の処理を行っ
てレバー状態判定処理を終了する。
【0109】上述したようにレバー状態判定処理では、
判定した操作レバー152の位置に応じたアクセル側フ
ラグXLACC 、ブレーキ側フラグXLBRK 及びニュートラル
フラグXLN の値の設定にヒステリシス性をもたせてお
り、操作レバー152が所定値KTL に対応する所定時間
以上継続して一定の領域に位置していたときにのみ、操
作レバー152の位置に応じて各フラグの値を変更す
る。これにより、レバースイッチ158、160のチャ
タリング、操作レバー152のダンピングにより、レバ
ー状態判定処理において判定された操作レバーの位置が
ハンチングすることが防止され、一定のスロットル開度
に制御している状態やブレーキペダル122を回動させ
て車両の制動を制御している状態で、操作レバー152
のダンピングにより誤って制御がキャンセルされること
はない。
【0110】また、このレバー状態判定処理により、故
障が発生しておらずかつ操作レバー152がアクセル領
域に位置している場合にはゼロ点位置ZSTEP として開側
ゼロ点モータステップ数ZSTEPOが設定され、故障が発生
しておらずかつ操作レバー152がニュートラル領域に
位置している場合にはゼロ点位置ZSTEP として閉側ゼロ
点モータステップ数ZSTEPCが設定され、故障が発生して
おらずかつ操作レバー152がブレーキ領域に位置して
いる場合及び故障が発生している場合にはゼロ点位置ZS
TEP として0が設定される。
【0111】上記のレバー状態判定処理が終了すると図
7のステップ356に移行し、セットモード判定処理が
行われる。このセットモード判定処理について図9のフ
ローチャートを参照して説明すると、ステップ420で
はセットスイッチ154のオンオフの状態を表すセット
スイッチフラグXSETSWの値が0か否か判定する。ステッ
プ420の判定が肯定された場合には、ステップ422
でセットスイッチ154の状態が「1」(オン又はオフ
の何れか一方の状態)か否か判定する。ステップ422
の判定が否定された場合(セットスイッチフラグXSETSW
が表す状態と一致している場合)には、ステップ424
でカウンタを0にしてステップ442へ移行する。
【0112】またステップ422の判定が肯定された場
合にはセットスイッチ154の状態が変化したと判断
し、ステップ426でカウンタの値が所定値KTDLY1以上
となったか否か判定する。ステップ426の判定が否定
された場合にはステップ428でカウンタの値に1を加
算し、ステップ442へ移行する。前記と同様に、FM
制御処理及びその一部であるセットモード判定処理はF
Mモードが継続している間繰り返し実行されるので、セ
ットスイッチ154が所定値KTDLY1に対応する所定時間
以上「1」の状態で継続すれば、ステップ426の判定
が肯定される。ステップ426の判定が肯定されると、
ステップ430でセットスイッチフラグXSETSWを1にし
て、ステップ442へ移行する。
【0113】また、ステップ420の判定が否定された
場合にも、ステップ432へ移行して同様の処理が行わ
れる。すなわち、ステップ432ではセットスイッチ1
54の状態が「0」か否か判定し、判定が否定された場
合(セットスイッチフラグXSETSWが表す状態と一致して
いる場合)には、ステップ434でカウンタを0にして
ステップ442へ移行する。またステップ432の判定
が肯定された場合は、ステップ436でカウンタの値が
所定値KTDLY2以上となったか否か判定する。ステップ4
36の判定が否定された場合にはステップ438でカウ
ンタの値に1を加算し、ステップ442へ移行する。ま
たセットスイッチ154が所定値KTDLY2に対応する所定
時間以上「0」の状態で継続すれば、ステップ436の
判定が肯定され、ステップ440でセットスイッチフラ
グXSETSWを0にして、ステップ442へ移行する。
【0114】上記処理では、セットスイッチ154の状
態に応じたセットスイッチフラグXSETSWの値の設定にヒ
ステリシス性をもたせており、セットスイッチ154の
状態が切り替わり、かつその状態が所定値KTDLY1又は所
定値KTDLY2に対応する所定時間以上継続したときにの
み、セットスイッチフラグXSETSWの値を変更する。これ
により、セットスイッチ154のチャタリングによる影
響が除去される。
【0115】ステップ442では第1のセットモード判
定処理が行われる。この処理について図10のフローチ
ャートを参照して説明する。ステップ450ではセット
スイッチフラグBXSETSW(前回の周期におけるセットスイ
ッチフラグXSETSWの値)と、今回の周期におけるセット
スイッチフラグXSETSWの値とが等しいか否か判定する。
ステップ450の判定が否定された場合には、ステップ
452でセットスイッチフラグBXSETSW の値が1か否か
判定する。ステップ452の判定も肯定された場合はセ
ットスイッチフラグXSETSWの値が1から0に変化した場
合であり、ステップ454でセットモードの要求が有っ
たことを表すセットモード要求フラグXSETREQ を1にし
て、ステップ456へ移行する。
【0116】また、ステップ450が肯定された場合、
及びステップ452の判定が否定された場合には、ステ
ップ454を実行することなくステップ456に移行す
る。ステップ456ではセットスイッチフラグBXSETSW
に今回の周期におけるセットスイッチフラグXSETSWの値
を代入し、図9のステップ444へ移行する。
【0117】一例としてセットスイッチフラグXSETSWが
0のときにセットモードが要求されていると判断し、セ
ットモード要求フラグXSETREQ を1にするようにしたと
すると、乗員の操作に拘わらずセットスイッチ154が
セットスイッチフラグXSETSWの値「0」に対応する状態
から変化しない等の故障が発生した場合、毎回セットモ
ード要求フラグXSETREQ が1に設定されセットモードを
解除できない状態が生ずることも考えられる。これに対
し第1のセットモード判定処理では、セットスイッチフ
ラグXSETSWの値が1から0に変化したときにのみセット
モード要求フラグXSETREQ を1にするので、上述したよ
うな故障が発生したとしてもセットモード要求フラグXS
ETREQ を毎回1にすることはない。
【0118】また、上述した第1のセットモード判定処
理により、セットスイッチ154が故障していなければ
セットスイッチ154を操作することでセットモードへ
移行するが、乗員の操作に拘わらずセットスイッチ15
4がセットスイッチフラグXSETSWの値「0」に対応する
状態に切り替わらない等の故障が発生した場合にはセッ
トモードへ移行することは困難である。
【0119】セットモードは現在の状態をロックするモ
ードであり、特に運転者が車両に対して乗降したり、一
時停止する際にブレーキがかかった状態で保持するため
に利用されることが多い。このため、仮にセットスイッ
チ154が故障したとすると車両の乗降等が非常に困難
な状態となることが考えられる。このため本実施例で
は、図9のステップ444で第2のセットモード判定処
理を行う。
【0120】この第2のセットモード判定処理につい
て、図11のフローチャートを参照して説明する。な
お、この第2のセットモード判定処理は請求項2の発明
に対応している。ステップ460ではセットモード要求
フラグXSETREQ が1か否か判定する。ステップ460の
判定が肯定された場合には既にセットモードへの移行の
要求を受付けているので、ステップ462でタイマTIME
B を停止すると共にタイマ値をクリアし、カウンタCSBP
FLの値を0にして処理を終了する。
【0121】また、ステップ460の判定が肯定された
場合にはステップ464へ移行し、操作レバー152が
ブレーキ領域に位置しており、かつレバーセンサ16
4、166によって検出されるレバー位置より判断され
る操作レバー152の位置に応じたブレーキモータ11
8の目標モータ回転角TBALV(t)が所定値KSBPFL1 以上か
否か、すなわち操作レバー152がブレーキ領域側に所
定角度以上傾動されているか否か判定する。ステップ4
64の判定が否定された場合には、セットモードへの移
行が要求されていないと判断し、前述のステップ462
へ移行する。
【0122】一方、ステップ464の判定が肯定された
場合には、ステップ466で現在タイマTIMEB が停止中
か否か判定する。ステップ466の判定が否定された場
合にはステップ470へ移行するが、判定が肯定された
場合にはステップ468でタイマTIMEB をスタートさせ
た後にステップ470へ移行する。ステップ470で
は、前回の目標モータ回転角TBALV(t)が所定値KSBPFL2
(但し、KSBPFL2 >KSBPFL1 )未満で、かつ今回の目標
モータ回転角TBALV(t)が所定値KSBPFL2 以上となったか
否か判定する。ステップ470の判定が否定された場合
にはステップ474に移行するが、判定が肯定された場
合にはステップ472でカウンタCSBPFLに1を加算した
後にステップ474に移行する。
【0123】ステップ474では、タイマTIMEB をスタ
ートしてからの経過時間TIMEB が所定時間KTSBPFL1以内
か否か判定する。ステップ474の判定が肯定された場
合には、ステップ476でカウンタCSBPFLの値が所定値
KCSBPFL1以上となったか否か判定する。ステップ476
の判定が否定された場合はステップ478へ移行し、タ
イマTIMEB をスタートしてからの経過時間TIMEB が所定
時間KTSBPFL3(但し、KTSBPFL3>KTSBPFL1)を越えたか
否か判定する。ステップ478の判定が否定された場合
には、ステップ480でカウンタCSBPFLの値が所定値KC
SBPFL2(但し、KSBPFL2 <KCSBPFL1)以上となったか否
か判定する。ステップ480の判定も否定された場合に
は、第2のセットモード判定処理を一旦終了する。
【0124】上記により、図12にも示すようにタイマ
TIMEB がスタートしてから所定時間KTSBPFL1以内に、操
作レバー152が所定値KSBPFL1 以上に対応する範囲内
で所定値KSBPFL2 に対応する位置を境界として車両前後
方向に所定回KCSBPFL1以上繰り返し動かされた場合(図
12のセット要求領域Aに相当)には、ステップ476
の判定が肯定される。ステップ476の判定が肯定され
た場合には、セットモートが要求されたと判断しステッ
プ484でセットモード要求フラグXSETREQ を1にし
て、ステップ462へ移行する。
【0125】またタイマTIMEB がスタートしてから所定
時間KTSBPFL1以上経過した後であっても、操作レバー1
52が車両前後方向に所定回KCSBPFL2以上繰り返し動か
された場合にはステップ480の判定が肯定され、ステ
ップ482へ移行する。ステップ482ではタイマTIME
B をスタートしてからの経過時間TIMEB が所定時間KTSB
PFL2(但し、KTSBPFL3>KTSBPFL2>KTSBPFL1)を越えた
か否か判定する。ステップ482の判定が否定された場
合には一旦処理を終了するが、判定が肯定された場合に
は、ステップ484でセットモード要求フラグXSETREQ
を1にする。
【0126】上記により、運転者がセットモードを要求
したいという意思があるにも拘わらず、比較的短い所定
時間KTSBPFL1以内に操作レバー152を所定回KCSBPFL1
以上繰り返し素早く動かす条件を成立させることができ
ない場合にも、所定時間KTSBPFL3以内に操作レバー15
2が所定回KCSBPFL2以上繰り返し動かされれば(図12
に示すセット要求領域Bに相当)、セットモード要求が
受付けられる。上述したセットモード判定処理が終了す
ると、図7のステップ358に移行する。
【0127】ところで本実施例では、例えばアクセル系
が故障し、操作レバー152をブレーキ領域側に傾動し
てもステップモータ100が全開状態で維持される、等
の事態が発生した場合にも安全性を確保するために、ス
テップモータ100とプーリ104との間にアクセルク
ラッチ102が設けられており、操作レバー152がブ
レーキ領域に位置しているときにはアクセルクラッチリ
レー162がオフしてアクセルクラッチ102がオフ状
態となるように構成されている。しかし、アクセルクラ
ッチ102のオンオフの制御をアクセルクラッチリレー
162のみに依存すると、リレーの溶着、コネクタの脱
落等によりアクセルクラッチリレー162が正常に作動
しない場合に不都合が生ずる。
【0128】また、後述するように、本実施例ではステ
ップモータ100の回転角とスロットルバルブの開度が
対応していることを前提としてステップモータ100の
制御を行っているが、アクセル領域のスロットル全開に
対応する位置に位置している操作レバー152が急激に
ブレーキ領域側に傾動された等の場合、ステップモータ
100の駆動軸が原点位置迄回転する前に、アクセルク
ラッチ102がオフ状態になると共にステップモータ1
00の駆動が停止されることがある。この場合、ワイヤ
108を介してアクセルペダル106と連結されている
プーリ104のみがアクセルペダル106のリターンス
プリングによって原点位置に戻り、プーリ104の位置
とステップモータ100の駆動軸の位置とが対応しなく
なる、という不都合が生ずる。
【0129】このような不都合を解消するため、図7の
ステップ358ではクラッチ制御処理を行う。このクラ
ッチ制御処理について、図13のフローチャートを参照
して説明すると、ステップ490ではステップモータ1
00の駆動軸を原点位置に戻す全閉制御を行っているか
否か判定する。この判定は、後述するモータ全閉制御要
求フラグXRQACZが1か否を判断することにより行われ
る。通常の状態ではモータ全閉制御要求フラグXRQACZは
0とされているので判定が否定され、ステップ492で
ブレーキ側フラグXLBRK が1か否か判定する。
【0130】ステップ492の判定が肯定された場合に
はステップ496に移行し、スロットル全閉フラグMIDL
が1か否か判定する。なお、このスロットル全開フラグ
MIDLは図示しないルーチンにより、アイドルスイッチ1
12がオフしている場合には0、オンしている場合には
1に設定される。ステップ496の判定が肯定された場
合には、ステップモータ100の現在のステップ数(駆
動軸の位置)が全閉位置(原点位置)に対応する値とな
っているか否か判定する。操作レバー152がブレーキ
領域に位置している場合には、スロットルバルブは全閉
位置となっており、かつステップモータ100の駆動軸
は原点位置に位置している筈であるので、ステップ49
6、498の判定の少なくとも一方が否定された場合に
は、何らかの異常が発生していると判断できる。
【0131】このため、ステップ496又はステップ4
98の判定が否定された場合にはステップ500に移行
し、アクセルクラッチ駆動回路62からアクセルクラッ
チ102への電力の供給を停止する。これにより、アク
セルクラッチリレー162がオフ状態に切り替わらない
等の故障が生じていた場合にも、アクセルクラッチ10
2はオフ状態となり、スロットルバルブが全閉位置とな
っていなかった場合にも、アクセルペダル106のリタ
ーンスプリングによってスロットルバルブが全閉位置に
戻り、アイドルスイッチ112がオフすることになる。
次のステップ502ではステップモータ100の駆動軸
を原点位置に戻す全閉制御を要求するためのモータ全閉
制御要求フラグXRQACZを1にすると共に、モータ制御許
可カウンタCCLONDとして初期値(>1)を設定し、処理
を終了する。
【0132】後述するアクセル制御処理では、モータ全
閉制御要求フラグXRQACZが1になっていると、ステップ
モータ100の駆動軸を原点位置に戻す制御が行われ
る。またモータ全閉制御要求フラグXRQACZが1とされる
と、次回のクラッチ制御ではステップ490の判定が肯
定され、ステップ494に移行する、ステップ494で
はアクセル側フラグXLACC が1となっているか否か判定
する。ステップ494の判定が肯定された場合にはクラ
ッチ制御処理を終了するが、判定が否定された場合には
ステップ496に移行し、ステップ496、498で前
記と同様にしてスロットルバルブは全閉位置となってお
り、かつステップモータ100の駆動軸が原点位置に位
置しているか否かを判定する。
【0133】ステップ496又はステップ498の判定
が否定された場合にはステップ500に移行するが、先
にモータ全閉制御要求フラグXRQACZを1にした際にステ
ップモータ100の駆動軸が原点位置に位置していなか
った場合にも、所定時間後にはステップモータ100の
駆動軸は前述したアクセル制御により原点位置に戻る。
これによりステップ496、498の判定が各々肯定さ
れ、ステップ504へ移行する。なお、ステップ492
の判定が否定された場合にもステップ504へ移行す
る。ステップ490の判定が否定、すなわち通常に制御
中であり、かつステップ492の判定が否定、すなわち
操作レバー152がブレーキ領域に位置していない場合
には、通常のアクセル制御と考えられるので、ステップ
504でアクセルクラッチ102へ電力を供給し、アク
セルクラッチ102をオン状態とする。
【0134】ステップ506ではモータ全閉制御要求フ
ラグXRQACZが1か否か判定する。ステップ506の判定
が否定された場合には処理を終了するが、判定が肯定さ
れた場合には、ステップ508でモータ制御許可カウン
タCCLONDから所定値(例えば1)を減算し、次のステッ
プ510でモータ制御許可カウンタCCLONDが0になった
か否か判定する。ステップ510の判定が否定された場
合には処理を終了し、判定が肯定された場合にはステッ
プ512でモータ全閉制御要求フラグXRQACZを0にして
モータ全閉制御を終了させる。
【0135】上記により、モータ全閉制御要求フラグXR
QACZが一旦セットされた後は、操作レバー152がブレ
ーキ領域に位置しているときに、スロットルバルブが全
閉位置で、かつステップモータ100の駆動軸が原点位
置に位置している状態が所定時間(より詳しくはカウン
タCCLONDの初期値に対応する時間)以上継続しないと、
モータ全閉制御要求フラグXRQACZがリセットされない。
これにより、アイドルスイッチ112やモータ回転角セ
ンサ114のチャタリング等により、モータ全閉制御を
誤って終了してしまうことが防止される。また、アクセ
ルクラッチ102の係合時間を見込んでアクセル制御の
開始が許可されることになる。
【0136】上述したクラッチ制御処理が終了すると図
7のステップ360へ移行し、アクセル制御が行われ
る。このアクセル制御について図14のフローチャート
を参照して説明する。ステップ520ではアクセル系の
何れかの部分に故障が発生しているか否か判定する。ス
テップ520の判定が肯定された場合には、ステップ5
22でアクセルモータ100の実目標ステップ数TTSTEP
を0にすると共に、アクセルクラッチ102への電力の
供給を停止してアクセルクラッチ102をオフし、更に
アクセルメインリレー56をオフして処理を終了する。
【0137】一方、ステップ520の判定が否定された
場合には、ステップ524でレバーセンサ164の出力
値VL1 を読み込み、次のステップ526では読み込んだ
出力値VL1 に基づいてレバー位置に対応する目標アクセ
ル開度TACCLVを演算する。またステップ528ではA/
Tレンジを読み込み、ステップ530では読み込んだA
/Tレンジが「P」レンジ又は「N」レンジであるか、
すなわち車両が非走行状態であるか否か判定する。ステ
ップ530の判定が否定された場合にはステップ534
へ移行するが、判定が肯定された場合には不必要にスロ
ットルを開く制御が行われることを防止するため、スス
ップ532で目標アクセル開度TACCLVに所定値TACCPNを
設定し、アクセル開度の制限を行った後にステップ53
4へ移行する。
【0138】ステップ534では目標アクセル開度TACC
LVに基づいて、操作レバー152位置に対応するステッ
プモータ100のステップ数としてのレバー目標ステッ
プ数TSTLV を演算する。次のステップ536ではアクセ
ル側フラグXLACC が1で、かつブレーキ側フラグXLBRK
及びニュートラルフラグXLN が0となっているか、すな
わち操作レバー152がアクセル領域に位置しているか
否か判定する。ステップ536の判定が否定された場合
にはステップ542へ移行する。また判定が肯定された
場合には、ステップ538でA/Tレンジが「P」又は
「N」又は「R」レンジとなっているか否か判定する。
ステップ538の判定が肯定された場合にはステップ5
44へ移行する。
【0139】また判定が否定された場合には、ステップ
540でセットモード要求フラグXSETREQ が1か否か判
定する。ステップ540の判定が否定された場合にはス
テップ542に移行し、定アクセル制御中フラグXSETTH
が1か否かに基づいて現在セットモードとなっているか
否か判定する。なお、定アクセル制御中フラグXSETTHは
後述する処理で1にセットされる。ステップ542の判
定が否定されると、ステップ544ではセットモード目
標ステップ数TSTSET及び定アクセル制御中フラグXSETTH
を各々0にすると共に、ステップモータ100の制御目
標ステップ数TSTEP にレバー目標ステップ数TSTLV を代
入する。
【0140】次のステップ546では、先に説明したク
ラッチ制御処理によって値が変更されるモータ全閉制御
要求フラグXRQACZが1か否か判定する。ステップ546
の判定が否定された場合には、ステップ548でステッ
プモータ100の実目標ステップ数TTSTEPとして、先に
設定した制御目標ステップ数TSTEP にステップモータ1
00の駆動軸のゼロ点位置におけるステップ数であるゼ
ロ点位置ZSTEP を加算した値を設定し、ステップ560
へ移行する。
【0141】なおゼロ点位置ZSTEP は、ワイヤ108が
アクセルペダル106の遊び分だけプーリ104に巻き
取られた状態とするためのステップモータ100の駆動
軸の位置(原点位置からの回転量)に対応するステップ
数であり、ステップ548の演算は請求項10に記載し
た駆動制御手段の制御に対応している。上記によればゼ
ロ点位置ZSTEP が加算されているので、運転者による操
作レバー152の操作量に正確に対応するようにアクセ
ルペダル106が操作されることになる。またゼロ点位
置ZSTEP は、より詳しくは、先に説明したレバー状態判
定処理により、操作レバー152がアクセル領域に位置
している場合には開側ゼロ点モータステップ数ZSTEPO
が、ニュートラル領域に位置している場合には閉側ゼロ
点モータステップ数ZSTEPCが、ブレーキ領域に位置して
いる場合には0が設定される。
【0142】この開側ゼロ点モータステップ数ZSTEPO及
び閉側ゼロ点モータステップ数ZSTEPCは、ワイヤ108
に加わるテンションの変化やステップモータ100の駆
動力をアクセルペダル106に伝達する機構のガタ等に
起因する、ステップモータ100の駆動軸の位置とアク
セルペダル106の位置のずれ量のヒステリシス性を考
慮して、後述するアクセルアクチュエータチェック処理
によって設定され、開側ゼロ点モータステップ数ZSTEPO
には全閉状態となっていたスロットルが開き始めるとき
のステップ数(請求項11の第1の境界位置に相当)
が、閉側ゼロ点モータステップ数ZSTEPCには開状態とな
っていたスロットルが全閉状態となるときのステップ数
(請求項11の第2の境界位置に相当)が各々設定され
る。
【0143】従って、ステップ548によって演算され
る実目標ステップ数TTSTEPは、操作レバー152の位置
に応じて図15に示すように変化する。すなわち、操作
レバー152がアクセル領域以外の領域に位置している
ときは制御目標ステップ数TSTEP が0であるので、操作
レバー152がブレーキ領域に位置しているときは実目
標ステップ数TTSTEPは0、ニュートラル領域に位置して
いるときは実目標ステップ数TTSTEPは閉側ゼロ点モータ
ステップ数ZSTEPCとされる。また操作レバー152がア
クセル領域に位置しているときは、実目標ステップ数TT
STEPとして制御目標ステップ数TSTEP と開側ゼロ点モー
タステップ数ZSTEPOとを加算した結果が設定される。な
お、このステップ548は、レバー状態判定処理におい
てゼロ点位置ZSTEP を設定する処理(ステップ388、
408等)と共に請求項11の駆動制御手段に対応して
いる。
【0144】これにより、操作レバー152がニュート
ラル領域に位置しておりアクセルクラッチ102がオン
状態となっているときにも、スロットルは確実に全閉状
態に維持されるので、アイドル回転数の上昇等が生ずる
ことはない。また、操作レバー152がアクセル領域に
位置しているときには、前述したように、運転者による
操作レバー152の操作量に正確に対応するようにアク
セルペダル106が操作される。更に、操作レバー15
2がブレーキ領域に位置しているときには実目標ステッ
プ数TTSTEPは0とされているので、操作レバー152が
ブレーキ領域からニュートラル領域側に傾動されてアク
セルクラッチ102がオンとなったときにも、プーリ1
04の位置とステップモータ100の駆動軸の位置とが
対応しなくなることが防止される。
【0145】またステップ546の判定が肯定された場
合はモータ全閉制御中であるので、実目標ステップ数TT
STEPを0にしてステップ560へ移行する。ステップ5
60では上記で演算した実目標ステップ数TTSTEPをステ
ップモータ駆動回路64に出力し、ステップモータ10
0の駆動軸を実目標ステップ数TTSTEPに対応する位置ま
で回転させる。
【0146】上記により、セットモードとなっておら
ず、かつモータ全閉制御も行われていない状態では、A
/Tレンジが「P」及び「N」以外であれば、前述のよ
うに操作レバー152のアクセル領域側への傾動角度に
対応するステップ数にゼロ点位置ZSTEP を加算した値に
応じてステップモータ100の駆動軸が回転されるよう
に制御されるが、A/Tレンジが「P」及び「N」であ
ればステップモータ100の駆動軸の回転角度が一定値
以下となるように制御され、モータ全閉制御中の場合に
は、ステップモータ100の駆動軸が原点位置に回転す
るように制御される。
【0147】一方、セットモード要求フラグXSETREQ が
1の場合にはステップ540の判定が肯定され、ステッ
プ562でセットモード要求フラグXSETREQ を0にする
と共に定アクセル制御中フラグXSETTHを1にする。次の
ステップ564では、セットモード目標ステップ数TSTS
ETがステップ534で設定したレバー目標ステップ数TS
TLV よりも小さいか否か判定する。ステップ564の判
定が否定された場合にはステップ568へ移行するが、
ステップ564の判定が肯定された場合には、セットモ
ード目標ステップ数TSTSETにレバー目標ステップ数TSTL
V の値を代入する。これにより、セットモードが要求さ
れた時点(セットモード要求フラグXSETREQ が1となっ
ていることが検出された時点)での操作レバー152の
位置に対応するステップ数がセットモード目標ステップ
数TSTSETとして記憶される。
【0148】ステップ568では制御目標ステップ数TS
TEP にセットモード目標ステップ数TSTSETの値を代入
し、ステップ570でブレーキ側フラグXLBRK が1で、
かつアクセル側フラグXLACC 及びニュートラルフラグXL
N が0となっているか否か、すなわち操作レバー152
がブレーキ領域に位置しているか否か判定する。ステッ
プ570の判定が否定された場合には、ステップ546
へ移行する。
【0149】従って、セットモードが要求された時点で
の操作レバー152の位置に対応するステップ数を制御
目標ステップ数としてステップモータ100が制御され
る。また一旦セットモードになると、ステップ540に
代えてステップ542の判定が肯定され、ステップ57
2で先のステップ568と同様に制御目標ステップ数TS
TEP にセットモード目標ステップ数TSTSETの値を代入し
た後に、ステップ570へ移行し、上記同様に制御され
る。
【0150】なお、セットモードとなっている状態で操
作レバー152がブレーキ領域側に傾動されると、ステ
ップ570の判定が肯定されステップ544で定アクセ
ル制御中フラグXSETTHを0にするので、セットモードが
解除されることになる。またA/Tレンジが「P」又は
「N」又は「R」レンジとなっている場合にはステップ
538の判定が肯定されるので、セットモード要求は受
付けされず、定アクセル制御は行われない。これは、
「P」又は「N」レンジでの定アクセル制御を受け付け
るようにすると、不必要なレーシング等のようにエンジ
ンにとって好ましくない状態となることがあり、また
「R」レンジでは運転者が車両後方を向いて運転するた
め、一旦セットモードを受け付けて定アクセル制御を開
始した後に該制御を解除する際の動作が比較的難しく、
他車両との衝突等が生ずる可能性が有るためである。
【0151】上述したアクセル制御処理が終了すると図
7のステップ362へ移行し、ブレーキ制御が行われ
る。このブレーキ制御について図16及び図17のフロ
ーチャートを参照して説明する。ステップ580ではブ
レーキ系の何れかの部分に故障が発生しているか否か判
定する。ステップ580の判定が肯定された場合には、
ステップ582でブレーキモータ118のモータ電流目
標値TBI(t)を0にすると共にブレーキメインリレー58
をオフして処理を終了する。
【0152】一方、ステップ580の判定が否定された
場合にはステップ584へ移行し、レバーセンサ164
の出力値VL1 、バッテリ12の電圧VB、エンジン負圧
(吸気管負圧)VBT 、ブレーキモータ118の温度VTB
M、及びモータ回転角センサ132の検出値VBRKを読み
込む。ステップ586ではバッテリ電圧VB、エンジン負
圧VBT 、モータ温度VTBMに応じてモータ電流目標値TBI
(t)を補正するためのバッテリ電圧補正ゲインGB、エン
ジン負圧補正ゲインGBT 、モータ温度補正ゲインGTMを
各々演算する。
【0153】なお、バッテリ電圧補正ゲインGBはバッテ
リ電圧VBが低下するに従ってモータ電流目標値TBI(t)が
大きくなるように、エンジン負圧補正ゲインGBT はエン
ジン負圧VBT の低下に伴いブレーキブースタのアシスト
力が低下することにより要求されるブレーキペダル12
2の踏力の増加分に応じてモータ電流目標値TBI(t)が大
きくなるように、モータ温度補正ゲインGTM はモータ温
度VTBMの上昇に伴うモータ電流の低下分が補正されるよ
うに各々設定することが望ましく、一例として図18
(A)乃至(C)に示すようなマップを用いて求めるこ
とができる。
【0154】次のステップ588では、先に読み込んだ
モータ回転角検出値VBRKに基づいて操作レバー152の
位置に応じた目標モータ回転角TBALV(t)を算出する。ス
テップ590ではブレーキ側フラグXLBRK が1でかつア
クセル側フラグXLACC 及びニュートラルフラグXLN が0
か、すなわち操作レバー152がブレーキ領域に位置し
ているか否か判定する。ステップ590の判定が否定さ
れた場合にはステップ594へ移行するが、判定が肯定
された場合には、ステップ592でセットモード要求フ
ラグXSETREQ が1か否か判定し、この判定が否定される
とステップ594へ移行する。
【0155】ステップ594ではブレーキロック中フラ
グXSETBLK (後述する処理で設定される)が1か否か判
定し、判定が否定された場合には、ステップ596で目
標モータ回転角TBA(t)に、先に求めたレバー位置に応じ
た目標モータ回転角TBALV(t)の値を代入する。次のステ
ップ598ではカウンタCSETBLK 、セットモードモータ
回転角目標値TBRKSET 、ブレーキロック中フラグXSETBL
K 、セットモード要求フラグXSETREQ を各々0にすると
共に、警報としてのブザー音をスピーカ88から出力し
ていた場合にはこれを停止させ、図17のフローチャー
トのステップ600へ移行する。
【0156】ステップ600ではモータ回転角センサ検
出値VBRKに基づいて、ブレーキモータ118の駆動軸の
現在位置としての実モータ回転角RBA(t)を算出し、次の
ステップ602では目標モータ回転角TBA(t)から実モー
タ回転角RBA(t)を減算した偏差DBA(t)を演算する。ステ
ップ606では目標モータ回転角TBA(t)に基づき、一例
として図19(A)に示すようなマップに従ってフィー
ドフォワード項FFを算出する。このフィードフォワード
項FFはブレーキモータ118の応答性を改善するために
用いられ、図19(A)に示すマップはブレーキモータ
のトルク−電流特性に対応している。
【0157】次のステップ608では先に演算した偏差
DBA(t)の符号が正か否か判定し、判定が否定された場合
には、ステップ610で目標モータ回転角TBA(t)に基づ
き、一例として図19(B)に破線で示すようなマップ
を用いてブレーキ圧制御比例ゲインGHを演算し、判定が
肯定された場合にはステップ612で目標モータ回転角
TBA(t)に基づき、一例として図19(B)に実線で示す
ようなマップを用いてブレーキ圧制御比例ゲインGHを演
算する。
【0158】また次のステップ614では偏差DBA(t)の
微分値(正確には前回求めた偏差DBA(t)との差分)であ
る偏差微分値DDBA(t) の符号が正か否か判定し、判定が
否定された場合には、ステップ616で目標モータ回転
角TBA(t)に基づき、一例として図19(C)に破線で示
すようなマップを用いてブレーキ圧制御微分ゲインGDD
を演算し、判定が肯定された場合にはステップ612で
目標モータ回転角TBA(t)に基づき、一例として図19
(C)に実線で示すようなマップを用いてブレーキ圧制
御微分ゲインGDD を演算する。
【0159】ステップ620では比例項Pとしてブレー
キ圧制御比例ゲインGHと偏差DBA(t)との積を演算し、ス
テップ622では微分項Dとしてブレーキ圧制御微分ゲ
インGDD と偏差微分値DDBA(t) の積を演算する。そして
ステップ624では、次の(1)式に従ってモータ電流
目標値TBI(t)を演算する。
【0160】 TBI(t)=GB×GTM ×GBT ×(P+D+FF)+ZTBI ・・・(1) 但し、ZTBIはブレーキモータ118の駆動軸をワイヤ1
24がブレーキペダル122の遊び分だけプーリ120
に巻き取られた状態(ゼロ点位置)に対応する回転角に
維持するために必要なオフセット電流値(ゼロ点モータ
電流値)であり、後述する処理によって設定される。ス
テップ626では上記で演算したモータ電流目標値TBI
(t)をブレーキモータ駆動回路68に指示する。これに
より、ブレーキモータ118はモータ電流目標値TBI(t)
に等しい電流が供給されて駆動されることになる。
【0161】なお、上記(1)式は請求項10に記載し
た駆動制御手段の制御に対応しており、(1)式より明
らかなようにオフセット電流値が加算されているので、
運転者による操作レバー152の操作量に正確に対応す
るようにブレーキペダル122が操作されると共に、操
作レバー152がブレーキ領域に位置していない場合に
も、ブレーキモータ118にはゼロ点モータ電流が供給
され、ブレーキモータ118の駆動軸はゼロ点位置に位
置される。従って、操作レバー152が急にブレーキ領
域側に傾動された場合にも、瞬時にブレーキペダル12
2の操作が行われることになる。
【0162】次に、ブレーキ制御においてセットモード
が要求されていた場合の処理について説明する。セット
モードが要求されセットモード要求フラグXSETREQ が1
になっていると、ステップ592の判定が肯定されてス
テップ628へ移行する。ステップ628ではブレーキ
ロック中フラグXSETBLK が0か否か判定し、判定が肯定
された場合にのみステップ630でカウンタCSETBRK を
0にし、ステップ632でセットモード要求フラグXSET
REQ を0にすると共にブレーキロック中フラグXSETBLK
を1にする。
【0163】ステップ634ではセットモードモータ回
転角目標値TBRKSET がレバー位置に応じた目標モータ回
転角TBALV(t)よりも小さいか否かを判定することによ
り、ブレーキペダル122の増し踏みに相当する操作レ
バー152の操作が有ったか否か判定し、判定が肯定さ
れた場合にのみ、ステップ636でセットモードモータ
回転角目標値TBRKSET にレバー位置に応じた目標モータ
回転角TBALV(t)の値を代入する。次のステップ638で
は目標モータ回転角TBA(t)にセットモードモータ回転角
目標値TBRKSET の値を代入し、ステップ640ではアク
セル側フラグXLACC が1でかつブレーキ側フラグXLBRK
及びニュートラルフラグXLN が0か、すなわち操作レバ
ー152がアクセル領域に位置しているか否か判定す
る。
【0164】ステップ640の判定が肯定された場合に
はステップ596へ移行し、この結果セットモードは解
除されるが、判定が否定された場合にはステップ600
へ移行し、目標モータ回転角TBA(t)の値に応じて前記と
同様にしてモータ電流目標値TBI(t)が演算される。
【0165】また一旦セットモードになると、ステップ
592に代えてステップ594の判定が肯定され、ステ
ップ642でセットモード状態監視処理が行われる。こ
のセットモード状態監視処理について図20のフローチ
ャートを参照して説明する。ステップ650ではカウン
タCSETBRK が所定値TSETBRK よりも大きくなったか否か
判定し、判定が否定されている間はステップ652でカ
ウンタCSETBRK に1を加算する。また判定が肯定された
場合には、警報ブザー駆動回路94によりスピーカ88
からブザー音を発生させる。
【0166】ステップ656では、車両が傾斜路(所謂
坂道)にいるか否かを検出する図示しない傾斜スイッチ
がオンしたか否か判定する。ステップ656の判定が肯
定された場合にはステップ658に移行し、セットモー
ドモータ回転角目標値TBRKSET が、車両を傾斜路で停止
させるためのブレーキフルードの油圧の最小値に対応す
る所定値KBRKよりも大きいか否か判定する。ステップ6
58の判定が肯定された場合は、セットモードモータ回
転角目標値TBRKSET に対応する目標油圧が車両を傾斜路
に停車させるに充分な大きさであるのでステップ672
へ移行するが、判定が否定された場合には、セットモー
ドモータ回転角目標値TBRKSET に対応する目標油圧が車
両を傾斜路に停車させるには不足していると判断し、ス
テップ670でセットモードモータ回転角目標値TBRKSE
T に所定値KBRKを代入し、ステップ672へ移行する。
【0167】ステップ672ではモータ温度VTBMが所定
値VTMAX を越えたか否か判定する。セットモードに移行
しブレーキロック制御を行っている間はブレーキモータ
118に常に電流が流れているので、ブレーキロック制
御が継続するとモータ温度VTBMは徐々に上昇する。この
ため、ステップ672の判定が否定された場合にはステ
ップ690へ移行するが、判定が肯定された場合には、
ステップ674でセットモードモータ回転角目標値TBRK
SET が所定値KBRKよりも大きいか否かを再度判定する。
判定が肯定された場合には、ステップ676でセットモ
ードモータ回転角目標値TBRKSET から所定値KBP を減算
した値をセットモードモータ回転角目標値TBRKSET に代
入し、ステップ690へ移行する。
【0168】これにより、先に説明した図17のステッ
プ624で演算されるモータ電流目標値TBI(t)が小さく
されることになり、モータ温度VTBMの上昇が抑制され
る。なお、この処理は請求項4の安全維持手段に対応し
ている。このセットモード監視処理は、セットモードと
なっている間繰り返し実行されるので、モータ温度VTBM
が所定値VTMAX を越えている状態が続けばステップ67
6が繰り返され、セットモードモータ回転角目標値TBRK
SET 及びモータ電流目標値TBI(t)は徐々に小さくされる
ことになるが、セットモードモータ回転角目標値TBRKSE
T が所定値KBRK以下になるとステップ674の判定が否
定され、ステップ678で警報ブザー駆動回路94によ
りスピーカ88からブザー音を発生させる。
【0169】一方、ステップ656の判定が否定された
場合には、ステップ680でセットモードモータ回転角
目標値TBRKSET が、車両を平坦路で停止させるためのブ
レーキフルードの油圧の最小値に対応する所定値BKMNよ
りも大きいか否か判定する。ステップ658の判定が肯
定された場合はステップ684へ移行するが、判定が否
定された場合には、セットモードモータ回転角目標値TB
RKSET に対応する目標油圧が車両を平坦路に停車させる
には不足していると判断し、ステップ682でセットモ
ードモータ回転角目標値TBRKSET に所定値BKMNを代入す
る。ステップ684ではモータ温度VTBMが所定値VTMAX
を越えたか否か判定する。ステップ684の判定が否定
された場合にはステップ690へ移行するが、判定が肯
定された場合には、ステップ686でセットモードモー
タ回転角目標値TBRKSET が所定値BKMNよりも大きいか否
かを再度判定する。
【0170】判定が肯定された場合には、ステップ68
8でセットモードモータ回転角目標値TBRKSET から所定
値KBP を減算した値をセットモードモータ回転角目標値
TBRKSET に代入し、ステップ690へ移行する。この処
理も請求項4の安全維持手段に対応している。これによ
り、前記と同様にモータ電流目標値TBI(t)が小さくされ
ることになり、モータ温度VTBMの上昇が抑制される。ま
た、ステップ686の判定が否定された場合にはステッ
プ678で警報を発する。
【0171】ステップ690ではA/Tレンジが「P」
レンジで、かつパーキングブレーキが作動しているか否
か判定する。ステップ690の判定が肯定された場合に
は、既に車両に一定のブレーキがかかっている状態であ
るので、ステップ692で目標モータ回転角TBA(t)とし
て、セットモードモータ回転角目標値TBRKSET から所定
値KDSBP を減算した値を設定する。ステップ690の判
定及びステップ692の処理は請求項5に対応してお
り、これによりブレーキモータ118の発熱が抑制さ
れ、ブレーキモータ118の故障が未然に防止される。
また、ステップ690の判定が否定された場合には、ス
テップ694で目標モータ回転角TBA(t)としてセットモ
ードモータ回転角目標値TBRKSET を設定する。
【0172】上述したセットモード監視処理が終了する
と、図16のステップ640へ移行する。従って、セッ
トモードとなっている状態ではステップ640の判定が
繰り返し行われ、前記状態で操作レバー152がアクセ
ル領域側に傾動されると、ステップ640の判定が肯定
されステップ598でブレーキロック中フラグXSETBRK
を0にするので、セットモードが解除されることにな
る。
【0173】次に図6のメインルーチンにおいて、ステ
ップ324のFM制御に続いてステップ362で行われ
るアクチュエータ作動チェックの詳細について図21の
フローチャートを参照して説明する。なお、この処理は
請求項9の発明に対応している。ステップ700ではブ
レーキ系に故障が発生していることが既に検出されてい
るか否か判定する。ステップ700の判定が肯定された
場合にはステップ704へ移行するが、判定が否定され
た場合にはステップ702でブレーキアクチュエータチ
ェック処理を行う。
【0174】この処理について図22のフローチャート
を参照して説明すると、ステップ710ではブレーキ故
障フラグXFBRK が1か否か判定する。ステップ710の
判定が肯定された場合には、既にブレーキ系の故障が検
出されているので、何ら処理を行うことなく終了する。
一方、判定が否定された場合には、ステップ712でモ
ータ電流目標値TBI(t)に基づいて現在のモータ回転角SR
BA(t) を推定する。ステップ714では実モータ回転角
RBA(t)の値が、モータ回転角推定値SRBA(t) に上限値KS
UPB を加算した値以下であり、かつモータ回転角推定値
SRBA(t) から下限値KSDBを減算した値以上であるか否か
判定する。
【0175】ステップ714の判定が肯定された場合に
は、ブレーキ系には故障は生じていないと判断し、ステ
ップ716でカウンタCSB 及びブレーキ故障フラグXFBR
K を0にし、処理を終了する。一方、前記判定が肯定さ
れた場合には、ステップ718でカウンタCSB に1を加
算し、次のステップ720でカウンタCSB が所定値KTSB
よりも大きくなったか否か判定する。判定が否定された
場合は処理を終了するが、判定が肯定された場合にはブ
レーキ系に故障が発生していると判断し、ステップ72
2でブレーキ故障フラグXFBRK を1にする。上記では、
所定値KTSBに対応する時間が経過する間継続してステッ
プ714の判定が否定された場合にのみ、ブレーキ系に
故障が発生したと判断するので、誤差等により一時的に
ステップ714の判定が肯定されたとしても、これをブ
レーキ系の故障と誤判断することが防止される。上述し
たブレーキアクチュエータチェック処理が終了すると、
図21のステップ740へ移行する。ステップ704で
はアクセル系に故障が発生していることが既に検出され
ているか否か判定する。ステップ704の判定が肯定さ
れた場合には処理を終了するが、判定が否定された場合
にはステップ706でアクセルアクチュエータチェック
処理を行った後に処理を終了する。このアクセルアクチ
ュエータチェック処理について図23のフローチャート
を参照して説明する。
【0176】ステップ730ではアクセル故障フラグXF
ACC が1か否か判定する。ステップ730の判定が肯定
された場合には、既にアクセル系の故障が検出されてい
るので、何ら処理を行うことなく終了する。一方、判定
が否定された場合には、ステップ732でモータ回転角
センサ検出値VACC(t) に基づいて現在のモータステップ
数SRSTEP(t) を推定する。ステップ734ではモータス
テップ数推定値SRSTEP(t) が、制御目標ステップ数TSTE
P(t)に上限値KSUPA を加算した値以下であり、かつ制御
目標ステップ数TSTEP(t)から下限値KSDAを減算した値以
上であるか否か判定する。ステップ734の判定が肯定
された場合には、アクセル系には故障は生じていないと
判断し、ステップ736でカウンタCSA1、カウンタCSA2
及びアクセル故障フラグXFACC を0にし、処理を終了す
る。
【0177】一方、前記判定が肯定された場合には、ス
テップ738でモータステップ数推定値SRSTEP(t) と制
御目標ステップ数TSTEP(t)との偏差DSTEP(t)を演算し、
ステップ740でステップ数偏差DSTEP(t)が所定値KDST
EPよりも大きいか否か判定する。ステップ740の判定
が否定された場合には、ステップ742でカウンタCSA1
に1を加算し、ステップ744でカウンタCSA1が所定値
KTSA1 以上となったか否か判定する。判定が否定された
場合にはステップ748へ移行するが、判定が肯定され
た場合にはアクセル系に故障が発生していると判断し、
アクセル故障フラグXFACC を1にした後にステップ74
8へ移行し、カウンタCSA2を0にして処理を終了する。
【0178】上記により、所定値KTSA1 に対応する時間
が経過する間継続してステップ734の判定が否定され
た場合に、アクセル系に故障が発生したと判断されるこ
とになる。ところで、アクセル系に故障等が発生してい
ない場合にも、図24(A)に示すように、制御目標ス
テップ数TSTEP(t)の急な変化に対し、モータステップ数
推定値SRSTEP(t) は所定時間(図ではT1)遅れて変化
する。このようなときにもアクセル系に故障が発生した
と誤判断しないためには、前述の所定値KTSA1を所定時
間T1に対して充分に大きくする必要がある。これに伴
い、故障を検出するために所定値KTSA1 に対応する比較
的長い時間が必要となるが、安全性を考慮すると、特に
スロットル開度が大きいときには短時間で故障の発生を
検出できることが望ましい。
【0179】このため、ステップ740の判定が肯定さ
れた場合には、ステップ750でカウンタCSA2の値が0
か否か判定する。判定が肯定された場合には、ステップ
752で第1のステップ数偏差DSTEP1に現在のステップ
数偏差DSTEP(t)を設定し、カウンタCSA2に1を加算して
一旦処理を終了する。また、ステップ数偏差DSTEP(t)が
所定値KDSTEPよりも大きい状態が続いていれば、次回の
周期ではステップ750の判定が否定され、ステップ7
60でカウンタCSA2の値が所定値KTSA2 (但しKTSA2 <
1)よりも大きいか否か判定する。判定が肯定された場合
にはステップ762で第2のステップ数偏差DSTEP2にス
テップ数偏差DSTEP(t)の値を代入し、次のステップ76
4で第1のステップ数偏差と第2のステップ数偏差との
差の絶対値が所定値KFDDTHよりも小さいか否か判定す
る。判定が否定された場合にはカウンタCSA2を0にして
処理を終了するが、判定が肯定された場合にはステップ
768でアクセル故障フラグXFACC を1にした後に処理
を終了する。
【0180】上記により、ステップ数偏差DSTEP(t)が所
定値KDSTEP以上の時、第1のステップ数偏差と第2のス
テップ数偏差との差の絶対値が小さければアクセル系に
故障が発生したと判断されるので、アクセル系に故障が
発生しておらずステップ数偏差が図24(B)に実線で
示すように推移した場合には故障と判定されず、アクセ
ル系に故障が発生しステップ数偏差が図24(B)に想
像線で示すように推移した場合(図24(B)にはステ
ップモータ100が動かなかった場合を例として示す)
には、ステップ数偏差DSTEP(t)が一定となった時点で故
障と判定されることになる。このようにステップ数偏差
からも故障を判定することで、図24(A)に示す所定
値KTSA1 と図24(B)に示す時間T2を比較しても明
らかなように、より短時間でアクセル系の故障を判定す
ることができる。
【0181】次に、図6のメインルーチンのステップ3
20、328で行われる故障判定処理、及びこれらの判
定が肯定された場合にステップ322、330で行われ
る故障処理2、故障処理3の詳細について、図25のフ
ローチャートを参照して説明する。ステップ780では
ブレーキ故障フラグXFBRK が1か否か判定し、判定が否
定された場合にはステップ782でアクセル故障フラグ
XFACC が1か否か判定する。この判定も否定されること
はメインルーチンのステップ320、328の判定が否
定されたことに相当し、何ら処理を行うことなくメイン
ルーチン上の次のステップに移行する。
【0182】一方、ステップ780の判定が肯定された
場合には、ステップ784でモータ電流目標値TBI(t)を
0にしてブレーキモータ118の駆動制御を行い、ステ
ップ786では実目標ステップ数TTSTEPを0にしてステ
ップモータ100の駆動制御を行う。これによりブレー
キモータ118及びステップモータ100が各々原点位
置に戻り、駆動が停止される。次のステップ788では
ブレーキ故障フラグXFBRK3が1か否か判定する。ブレー
キ故障フラグXFBRK3は後述する処理でセットされるが、
このフラグがセットされた場合はブレーキ系に軽度の故
障が発生した場合であるので、ステップ788の判定が
肯定された場合にはステップ792へ移行する。また判
定が否定された場合には、ステップ790でアクセルメ
インリレー56、ブレーキメインリレー58をオフする
と共に、アクセルクラッチ102への給電を停止してア
クセルクラッチ102をオフした後にステップ792へ
移行する。
【0183】ステップ792では運転者に故障が発生し
たことを警告するために、FMランプ駆動回路90によ
りFMランプ84を点滅させる。また、現在行っている
処理がメインルーチンのステップ330の故障処理3で
ある場合は、更に警報ブザー駆動回路94によりスピー
カ88からブザー音を発生させる。次のステップ794
では、FMモード実行中フラグXENFM を0にすると共に
FMモード終了要求フラグXREQEND を1にし、処理を終
了する。
【0184】また、ステップ782の判定が肯定された
場合には、ステップ796で実目標ステップ数TTSTEPを
0にしてステップモータ100の駆動制御を行いステッ
プモータ100の駆動を停止させる。ステップ798で
は開側アクセル故障フラグXFACC03 が1か否か判定す
る。開側アクセル故障フラグXFACCO3 についても、アク
セル系に軽度の故障が発生した場合に後述する処理でセ
ットされるので、ステップ798の判定が肯定された場
合にはステップ802へ移行する。
【0185】また判定が否定された場合には、ステップ
800でアクセルメインリレー56をオフすると共に、
アクセルクラッチ102への給電を停止してアクセルク
ラッチ102をオフした後にステップ802へ移行す
る。ステップ792では運転者に故障が発生したことを
警告するために、FMランプ駆動回路90によりFMラ
ンプ84を点滅させ、処理を終了する。
【0186】次にメインルーチンのステップ332で行
われるFMモード継続チェック処理の詳細について、図
26のフローチャートを参照して説明する。ステップ8
10では車両状態チェック処理を行う。この処理につい
て、図27のフローチャートを参照して説明すると、ス
テップ830ではA/Tレンジが「P」又は「N」レン
ジか否か判定し、判定が肯定された場合には、ステップ
834でパーキングブレーキが作動しているか否か判定
する。これらの判定の何れかが否定された場合には車両
が走行中である可能性が高いので、ステップ832で停
止状態フラグXVSTOPを0にすると共に走行状態フラグXV
RUN を1にして処理を終了する。一方、ステップ834
の判定が肯定された場合には、車両は停車中であると判
断できるので、ステップ836で停止状態フラグXVSTOP
を1にすると共に走行状態フラグXVRUN を0にして処理
を終了する。
【0187】車両状態チェック処理が終了するとステッ
プ812へ移行し、停止状態フラグXVSTOPが1でかつ走
行状態フラグXVRUN が0か、すなわち車両停車中である
か否か判定する。判定が否定された場合は車両走行中で
あるので、ステップ814でFMモード実行中フラグXE
NFM を1にすると共にオフ継続時間カウンタCENDFMを0
にして処理を終了する。この処理は請求項7に対応して
おり、車両が走行しているときにはFMモードから健常
者モードへの移行は禁止される。また前記判定が肯定さ
れた場合は、FMスイッチ22がオフされたか否か判定
する。判定が否定された場合はステップ814へ移行す
るが、判定が肯定された場合はステップ818でオフ継
続時間カウンタCENDFMに1を加算し、ステップ820で
警報ブザー駆動回路94によりスピーカ88からブザー
音を発生させる。
【0188】次のステップ822では、オフ継続時間カ
ウンタCENDFMの値が所定値KTENDFMよりも大きくなった
か否か判定する。判定が否定された場合にはステップ8
14へ移行するが、判定が肯定された場合には、ステッ
プ824でスピーカ88からのブザー音の発生を停止さ
せ、ステップ826でFMモード実行中フラグXENFM及
びオフ継続時間カウンタCENDFMを0にして処理を終了す
る。
【0189】上記により、車両が停車状態(A/Tレン
ジが「P」又は「N」レンジでパーキングブレーキが作
動している状態)でかつFMスイッチ22が所定値KTEN
DFMに対応する時間以上オフされていた場合にFMモー
ド実行中フラグXENFM が0とされることになる。また、
車両が停車状態でFMスイッチ22がオフされると、所
定値KTENDFM に対応する時間が経過する迄の間ブザー音
が発生されるので、運転者が別のスイッチを操作しよう
として誤ってFMスイッチ22を操作してしまい、FM
モードが解除されてしまうことが防止される。
【0190】次に、メインルーチンのステップ334、
336で行われる終了処理について、図28のフローチ
ャートを参照して説明する。なお、この終了処理は運転
者によってイグニッションスイッチ14がオフされた場
合にも実行される。ステップ840ではモータ電流目標
値TBI(t)を0にしてブレーキモータ118の駆動制御を
行い、次のステップ842では実目標ステップ数TTSTEP
を0にしてステップモータ100の駆動制御を行う。こ
れによりブレーキモータ118及びステップモータ10
0が各々原点位置に戻り、駆動が停止される。
【0191】次のステップ844ではシステム正常終了
フラグXBSYSENDに、システムが正常に終了したことを表
す「0」を設定し、このシステム正常終了フラグXBSYSE
NDを状態記憶回路82に書き込む。ステップ846では
アクセルメインリレー56、ブレーキメインリレー58
をオフすると共に、アクセルクラッチ102への給電を
停止してアクセルクラッチ102をオフする。以上で終
了処理が完了する。
【0192】次に、メインルーチンのステップ306の
内容について、図29のフローチャートを参照して説明
する。ステップ850では、状態記憶回路82に記憶さ
れているシステム正常終了フラグXBSYSENDを読み込む。
ステップ852では読み込んだシステム正常終了フラグ
XBSYSENDが0か否か判定する。判定が肯定された場合に
はステップ854においてシステム異常終了フラグXFSY
SENDに、システムが異常終了していなかったことを表す
「0」を設定して処理を終了する。また、ステップ85
2の判定が否定された場合は、例えばFM装置10への
給電が突然停止された等のように、前回のシステム終了
が正常でなかったと判断できるので、ステップ856で
システム異常終了フラグXFSYSENDにシステムが異常終了
したことを表す「1」を設定し、処理を終了する。
【0193】なお、上記処理に続いて行われるメインル
ーチンのステップ308では、前回のシステム終了が正
常であったか否かの判定を、上記で設定されたシステム
異常終了フラグXFSYSENDの値に基づいて行い、システム
異常終了フラグXFSYSENDが0であれば前回のシステム終
了が正常であったと判断する。システム異常終了フラグ
XFSYSENDが1であればステップ308の判定が否定さ
れ、車両が走行中であれば続いてメインルーチンのステ
ップ309の判定が肯定されてステップ324へ移行
し、FMモードが実行される。
【0194】この処理は請求項8の制御手段に対応して
おり、前回のシステム終了が正常でなくかつ車両が走行
中であれば無条件にFMモードが実行されるので、FM
モード実行中に給電が一時的に停止され、システムが初
期化された等の場合にも、健常者モードに移行してしま
うことはない。
【0195】次に、メインルーチンのステップ314の
詳細について、図30のフローチャートを参照して説明
する。ステップ860では停止状態フラグXVSTOPが1で
かつ走行状態フラグXVRUN が0か否か、すなわち車両が
停車中か否か判定する。判定が否定された場合には、ス
テップ862でFMモード要求受付フラグXREQFM及びカ
ウンタCREQFMを0にして処理を終了する。また、ステッ
プ860の判定が肯定された場合には、ステップ864
でイニシャルチェック異常フラグXFSYS が0か否か判定
する。判定が否定された場合はメインルーチンのステッ
プ300のイニシャルチェックの結果、異常が発見され
た場合であるので、ステップ862へ移行する。
【0196】また、ステップ864の判定が肯定された
場合には、ステップ866でFMスイッチ22がオンさ
れているか否か判定する。判定が否定された場合にはス
テップ862へ移行するが、判定が肯定された場合に
は、ステップ868でカウンタCREQFMに1を加算し、次
のステップ870でカウンタCREQFMが所定値KTREQFM を
越えたか否か判定する。判定が否定された場合には処理
を終了するが、判定が肯定された場合には、ステップ8
72でFMモード要求受付フラグXREQFMを1にすると共
に、カウンタCREQFMを0にして処理を終了する。
【0197】上記処理に続いて行われるメインルーチン
のステップ316では、FMモードに遷移すべきか否か
の判定を、上記で設定されたFMモード要求受付フラグ
XREQFMの値に基づいて行い、FMモード要求受付フラグ
XREQFMが1であれば判定が肯定され、0であれば判定が
否定される。これにより、所定値KTREQFM に対応する期
間継続してステップ860、864、866の判定が各
々肯定されていればFMモードに移行することになる。
【0198】次に、メインルーチンのステップ319で
実行されるアクチュエータゼロ点及び作動チェック処理
について、図31のフローチャートを参照して説明す
る。ステップ880では停止状態フラグXVSTOPが1か否
か判定する。ステップ880の判定が否定された場合に
は、ステップ882でFMモード実行中フラグXENFM を
0にすると共にFMランプ84を消灯し、処理を終了す
る。一方、前記判定が肯定された場合には、ステップ8
84でブレーキアクチュエータチェック処理を行う。な
お、この処理は請求項10のブレーキオフセット量検出
手段に相当しており、以下、図32のフローチャートを
参照して説明する。
【0199】ステップ900ではブレーキ故障フラグXF
BRK が1か否か判定する。ブレーキ故障フラグXFBRK が
既に1となっている場合には判定が肯定され、処理を終
了する。一方、前記判定が否定された場合には、ステッ
プ902で停止状態フラグXVSTOPが1か否か判定する。
判定が否定された場合は処理を終了するが、判定が肯定
された場合にはステップ904でブレーキメインリレー
58をオンし、ステップ906でモータ電流目標値TBI
(t)にブレーキアクチュエータチェック処理を前回実行
した際に求めたゼロ点モータ電流値ZTBI(n-1) を設定
し、更にステップ908でブレーキモータ118の駆動
制御を行う。
【0200】次のステップ910ではストップランプス
イッチ126がオンしているか否か判定する。判定が肯
定された場合にはブレーキ増圧制御を行うためにステッ
プ912で変化分DTBIに符号が正の所定値KTBIを代入
し、判定が否定された場合はブレーキ減圧制御を行うた
めにステップ914で変化分DTBIに符号が負の所定値KT
BIを代入してステップ916へ移行する。ステップ91
6では油圧センサ130から出力されたブレーキフルー
ドの油圧が0となっているか否か判定し、判定が肯定さ
れた場合には、ステップ918でストップランプスイッ
チ126から出力される信号のレベルが反転したか否か
判定する。
【0201】ステップ916又はステップ918の判定
が否定された場合には、ステップ920でモータ電流目
標値TBI(t)に変化分DTBIを加算する。次のステップ92
2ではモータ電流目標値TBI(t)が上限値KMAXTBI を越え
たか否か判定し、判定が否定された場合は、ステップ9
24でモータ電流目標値TBI(t)が下限値KMINTBI よりも
小さくなったか否か判定する。ステップ922、924
の判定が各々否定された場合にはステップ908に戻
る。このように、ステップ908〜914ではストップ
ランプスイッチ126がオンし、かつブレーキフルード
の油圧が0となる位置にブレーキペダル122が位置す
るように、ブレーキモータ118に供給する電流を繰り
返し増加又は減少させる。
【0202】ところで、モータ電流目標値TBI(t)が上限
値KMAXTBI を越えてステップ922の判定が肯定された
場合は図33(A)における領域5Aに相当し、ワイヤ
124の切断、或いはブレーキモータ118の故障等の
重大な故障が発生している可能性がある。また、モータ
電流目標値TBI(t)が下限値KMINTBI よりも小さくなって
ステップ924の判定が肯定された場合は図33(A)
における領域5Bに相当し、この場合もブレーキフルー
ドの油圧が0に戻らない等の大きな故障が発生している
可能性がある。このため、ステップ922又はステップ
924の判定が肯定された場合はステップ926へ移行
し、ブレーキ故障フラグXFBRK1に1を設定する。次にス
テップ928でモータ電流目標値TBI(t)を0にすると共
にブレーキモータ118の駆動制御を行い、更にステッ
プ930でブレーキメインリレー58をオフすると共に
ブレーキ故障フラグXFBRK を1にして、処理を終了す
る。
【0203】一方、ステップ918の判定が肯定された
場合にはステップ912へ移行し、モータ電流目標値TB
I(t)が、前回のゼロ点モータ電流値ZTBI(n-1) から所定
値KBM1を減算した値以上か否か判定する。この判定が否
定された場合は図33(A)における領域1に相当し、
原因として、ブレーキペダル122とストップランプス
イッチ126との同期関係のずれや、ブレーキペダル1
22のリターンスプリングのへたり等が考えられる。こ
のため、ステップ934でブレーキ故障フラグXFBRK2を
1にし、ステップ928へ移行する。
【0204】ステップ932の判定が肯定された場合に
は、ステップ936でモータ電流目標値TBI(t)が、前回
のゼロ点モータ電流値ZTBI(n-1) に所定値KBP1を加算し
た値以下か否か判定する。この判定が肯定された場合は
図33(A)における領域2に相当し、モータ電流目標
値TBI(t)が前回のゼロ点モータ電流値ZTBI(n-1) と若干
異なっているとしても差は小さく、許容範囲内であると
判断できる。このため、ステップ938で今回のゼロ点
モータ電流値ZTBI(n) としてモータ電流目標値TBI(t)を
設定し、ステップ940でブレーキ故障フラグXFBRK 、
ブレーキ故障フラグXFBRK1、ブレーキ故障フラグXFBRK
2、ブレーキ故障フラグXFBRK3、ブレーキ故障フラグXFB
RK4を各々0にする。そして、ステップ942でモータ
電流目標値TBI(t)を0にすると共にブレーキモータ11
8の駆動制御を行って処理を終了する。
【0205】一方、ステップ936の判定が否定された
場合には、更にステップ944でモータ電流目標値TBI
(t)が、前回のゼロ点モータ電流値ZTBI(n-1) に所定値K
BP2(但しKBP2>KBP1)を加算した値以下か否か判定す
る。この判定が肯定された場合は図33(A)の領域3
に相当し、判定が否定された場合は領域4に相当する。
何れにしてもモータ電流目標値TBI(t)と前回のゼロ点モ
ータ電流値ZTBI(n-1) との差が許容範囲を越えているの
で、前記判定が肯定された場合はステップ946でブレ
ーキ故障フラグXFBRK3を1にし、判定が否定された場合
にはステップ948でブレーキ故障フラグXFBRK4を1に
して、ステップ918へ移行する。なお、上記したよう
に故障の程度に応じてブレーキ故障フラグXFBRK1〜XFBR
K4の何れかを1にする処理は、請求項12の故障判定手
段に対応している。
【0206】以上でブレーキアクチュエータチェック処
理を終了し、図31のステップ886へ移行する。ステ
ップ886ではアクセルアクチュエータチェック処理を
行う。この処理は請求項10及び請求項11のアクセル
オフセット量検出手段に相当しており、以下、図34及
び図35のフローチャートを参照して説明する。
【0207】ステップ950ではブレーキ故障フラグXF
BRK が1か否か判定する。ブレーキ故障フラグXFBRK が
既に1となっている場合には判定が肯定され、処理を終
了する。一方、前記判定が否定された場合には、ステッ
プ952で停止状態フラグXVSTOPが1か否か判定する。
判定が否定された場合は処理を終了するが、判定が肯定
された場合にはステップ954でモータ電流目標値TBI
(t)に上限値KMAXTBI を設定し、ブレーキモータ118
の駆動制御を行う。これにより、後述するステップモー
タ100の駆動を行っても、車両が走行してしまうこと
が防止される。
【0208】次のステップ956ではアクセルメインリ
レー56をオンすると共にアクセルクラッチ102に電
力を供給し、アクセルクラッチ102をオンさせる。ス
テップ958では実目標ステップ数TTSTEP(t) を0に設
定し、ステップ960ではステップモータ100の駆動
制御を行う。これにより、ステップモータ100の駆動
軸は原点位置迄回転され、スロットルバルブは全閉状態
となる。ステップ962ではアイドルスイッチ112か
ら出力される信号のレベルが反転したか否か判定する。
ステップ962の判定が否定された場合には、ステップ
964で実目標ステップ数TTSTEP(t) に1を加算し、ス
テップ968で実目標ステップ数TTSTEP(t) が所定値KM
AXTSを越えたか否か判定する。ステップ968の判定が
否定された場合はステップ960に戻る。
【0209】従って、ステップ960〜968ではステ
ップモータ100の駆動軸を、原点位置から1ステップ
ずつ回転させながらアイドルスイッチ112の出力が反
転したか否か、すなわち全閉状態となっていたスロット
ルバルブが開き始めたか否かを監視する。
【0210】実目標ステップ数TTSTEP(t) が所定値KMAX
TSを越えたにも拘わらずアイドルスイッチ112の出力
が反転しなかった場合はステップ968の判定が肯定さ
れ、ステップ970へ移行する。この場合は図33
(B)における領域5に相当し、ワイヤ108の切断、
或いはステップモータ100の故障等の重大な故障が発
生している可能性があるので、ステップ970では開側
アクセル故障フラグXFACCO1 を1にする。次に図35の
ステップ972へ移行し、アクセルメインリレー56及
びアクセルクラッチ102をオフすると共にアクセル故
障フラグXFACC を1にし、更にモータ電流目標値TBI(t)
を0にしてブレーキモータ118の駆動制御を行い、処
理を終了する。
【0211】一方、ステップ962の判定が肯定された
場合にはステップ976へ移行し、実目標ステップ数TT
STEP(t) が、アクセルアクチュエータチェック処理を前
回実行した際に求めた開側ゼロ点モータステップ数ZSTE
PO(n-1) から所定値KAM1を減算した値以上か否か判定す
る。この判定が否定された場合は図33(B)における
領域1に相当し、ステップ978で開側アクセル故障フ
ラグXFACCO2 を1にし、図35のステップ972へ移行
する。
【0212】ステップ976の判定が肯定された場合に
は、ステップ980で実目標ステップ数TTSTEP(t) が、
前回の開側ゼロ点モータステップ数ZSTEPO(n-1) に所定
値KAP1を加算した値以下か否か判定する。この判定が肯
定された場合は図33(B)における領域2に相当し、
実目標ステップ数TTSTEP(t) が前回の開側ゼロ点モータ
ステップ数ZSTEPO(n-1) と若干異なっているとしても差
は小さく、許容範囲内であると判断できる。このため、
ステップ982で今回の開側ゼロ点モータステップ数ZS
TEPO(n) として実目標ステップ数TTSTEP(t) を設定し、
ステップ984で開側アクセル故障フラグXFACCO1 、開
側アクセル故障フラグXFACCO2 、開側アクセル故障フラ
グXFACCO3 、開側アクセル故障フラグXFACCO4 を各々0
にし、図35のステップ1960へ移行する。
【0213】一方、ステップ980の判定が否定された
場合には、更にステップ988で実目標ステップ数TTST
EP(t) が、前回の開側ゼロ点モータステップ数ZSTEPO(n
-1)に所定値KAP2(但しKAP2>KAP1)を加算した値以下
か否か判定する。この判定が肯定された場合は図33
(B)の領域3に相当し、判定が否定された場合は領域
4に相当する。何れにしても実目標ステップ数TTSTEP
(t) と前回の開側ゼロ点モータステップ数ZSTEPO(n-1)
との差が許容範囲を越えているので、前記判定が肯定さ
れた場合はステップ990で開側アクセル故障フラグXF
ACCO3 を1にし、判定が否定された場合にはステップ9
92で開側アクセル故障フラグXFACCO4 を1にして、ス
テップ972へ移行する。なお、上記のように故障の程
度に応じて開側アクセル故障フラグXFACC1〜XFACC4の何
れかを1にする処理も請求項12の故障判定手段に対応
している。
【0214】また、図35のステップ1960では、現
在設定されている実目標ステップ数TTSTEP(t) に基づい
てステップモータ100の駆動制御を行い、ステップ1
962ではアイドルスイッチ112から出力される信号
のレベルが反転したか否か判定する。ステップ1962
の判定が否定された場合には、ステップ1964で実目
標ステップ数TTSTEP(t) から1を減算し、ステップ19
68で実目標ステップ数TTSTEP(t) が所定値KMINTSより
も小さくなったか否か判定する。ステップ1968の判
定が否定された場合はステップ1960に戻る。従っ
て、ステップ1960〜1968ではステップモータ1
00の駆動軸を、原点位置へ戻る方向へ1ステップずつ
回転させながらアイドルスイッチ112の出力が反転し
たか否か、すなわち開状態となっていたスロットルバル
ブが全閉状態となったか否かを監視する。
【0215】実目標ステップ数TTSTEP(t) が所定値KMIN
TSよりも小さくなったにも拘わらずアイドルスイッチ1
12の出力が反転しなかった場合はステップ1968の
判定が肯定され、ステップ1970へ移行する。この場
合は図33(C)における領域4に相当し、ワイヤ10
8の切断、或いはステップモータ100の故障等の重大
な故障が発生している可能性があるので、ステップ19
70では閉側アクセル故障フラグXFACCC1 を1にし、ス
テップ972へ移行する。
【0216】一方、ステップ1962の判定が肯定され
た場合にはステップ1976へ移行し、実目標ステップ
数TTSTEP(t) が、アクセルアクチュエータチェック処理
を前回実行した際に求めた閉側ゼロ点モータステップ数
ZSTEPC(n-1) から所定値KAM1を減算した値以上か否か判
定する。この判定が否定された場合は図33(C)にお
ける領域1に相当し、ステップ1978で閉側アクセル
故障フラグXFACCC2 を1にし、ステップ972へ移行す
る。
【0217】ステップ1976の判定が肯定された場合
には、ステップ1980で実目標ステップ数TTSTEP(t)
が、前回の閉側ゼロ点モータステップ数ZSTEPC(n-1) に
所定値KAP1を加算した値以下か否か判定する。この判定
が肯定された場合は図33(C)における領域2に相当
し、実目標ステップ数TTSTEP(t) が前回の閉側ゼロ点モ
ータステップ数ZSTEPC(n-1) と若干異なっているとして
も差は小さく、許容範囲内であると判断できる。このた
め、ステップ1982で今回の閉側ゼロ点モータステッ
プ数ZSTEPC(n) として実目標ステップ数TTSTEP(t) を設
定し、ステップ1984でアクセル故障フラグXFACC 、
閉側アクセル故障フラグXFACCC1 、閉側アクセル故障フ
ラグXFACCC2 、閉側アクセル故障フラグXFACCC3 を各々
0にする。そして、ステップ986で実目標ステップ数
TTSTEP(t) を0にしてステップモータ100の駆動制御
を行い、処理を終了する。
【0218】一方、ステップ1980の判定が否定され
た場合は図33(C)の領域3に相当しており、実目標
ステップ数TTSTEP(t) と前回のゼロ点モータステップ数
ZSTEP(n-1)との差が許容範囲を越えているので、ステッ
プ1990で閉側アクセル故障フラグXFACCC3 を1に
し、ステップ972へ移行する。なお、上記したように
故障の程度に応じて閉側アクセル故障フラグXFACCC1 〜
XFACCC3 の何れかを1にする処理も請求項12の故障判
定手段に対応している。
【0219】上述したアクセルアクチュエータチェック
処理により、何ら異常が検出されなければ、実目標ステ
ップ数TTSTEPは図36に示すように順次変更される。図
36からも明らかなように、アイドルスイッチ112の
出力が反転するときの実目標ステップ数TTSTEPは、ワイ
ヤ108に加わるテンションの変化やステップモータ1
00の駆動力をアクセルペダル106に伝達する機構の
ガタ等により、全閉状態となっていたスロットルバルブ
が開き始める場合と、開状態となっていたスロットルバ
ルブが全閉状態となる場合と、で異なっている(ヒステ
リシス)が、上述した処理では、上記各場合における実
目標ステップ数TTSTEPが開側ゼロ点モータステップ数ZS
TEPO、及び閉側ゼロ点モータステップ数ZSTEPCとして各
々設定、記憶される。
【0220】〔第2実施例〕次に本発明の第2実施例に
ついて説明する。なお、本第2実施例は第1実施例と同
一の構成であるので、各部分に同一の符号を付して説明
を省略し、以下図37及び図38を参照し、本第2実施
例に係るブレーキ制御処理について、図16及び図17
に示した第1実施例のブレーキ制御処理と異なる部分に
ついてのみ説明する。
【0221】本第2実施例では、ステップ580の判定
が否定されるとステップ584へ移行し、レバーセンサ
164の出力値VL1 及びモータ回転角センサ132の検
出値VBRKのみを読み込み、バッテリ12の電圧VB、エン
ジン負圧(吸気管負圧)VBTの読み込みは行わない。ま
た本第2実施例では、第1実施例で説明したステップ5
86におけるバッテリ電圧補正ゲインGB、エンジン負圧
補正ゲインGBT 、モータ温度補正ゲインGTM の演算を行
うことなくステップ588へ移行する。なおステップ5
88〜598及びステップ628〜640の処理は第1
実施例と同じであるので説明を省略する。
【0222】ステップ598の処理が行われるか、又は
ステップ640の判定が否定されるとステップ2000
へ移行し、モータ回転角センサ検出値VBRKに基づいて、
ブレーキモータ118の駆動軸の現在位置としての実モ
ータ回転角RBA(t)を算出し、次のステップ2002では
目標モータ回転角TBA(t)から実モータ回転角RBA(t)を減
算した偏差DBA(t)を演算する。ステップ2004ではス
テップ2002で演算した偏差DBA(t)、及び過去3周期
で各々演算した偏差DBA(t-3),DBA(t-2),DBA(t-1)に基づ
いて、次の(2)式に従って偏差の微分値DDBA(t) を演
算する。
【0223】 DDBA(t) ={DBA(t)+3×DBA(t-1)−3×DBA(t-2)−DBA(t-3)} ÷(6・ΔT) ・・・(2) なお、ΔTはブレーキ制御処理の実行周期である。ステ
ップ2006では、次の(3)式に従って偏差の積分値
IDBA(t) を演算する。
【0224】 IDBA(t) =IDBA(t-1) +DBA(t) ・・・(3) 図28に示す次のステップ2008では、上記で演算し
た偏差の積分値IDBA(t) が所定値KIDBA 以上か否か判定
する。判定が否定された場合には、ステップ2010に
おいてカウンタTCの値を0にしてステップ2018へ移
行する。一方、ステップ2008の判定が肯定された場
合には、ステップ2012でカウンタTCの値が所定値KT
C 以上か否か判定する。判定が否定された場合には、ス
テップ2014でカウンタTCに1を加算してステップ2
018へ移行する。これにより、偏差の積分値IDBA(t)
の値が所定値KIDBA 以上の状態が継続している間はカウ
ンタTCの値がカウントアップされることになる。
【0225】また、ステップ2012の判定が否定され
た場合には、偏差の積分値IDBA(t)の値が所定値KIDBA
以上の状態が所定値KTC に対応する所定時間以上継続し
ているので、ブレーキブースタに何らかの異常(例えば
エンジンの停止や負圧配管の破損、或いはブレーキブー
スタ自体の故障等)が生じていると判断し、ステップ2
016でフィードフォワードマップフラグXFMAP (この
フラグは図6のメインルーチンのシステムイニシャルチ
ェックで0にクリアされる)を1にしてステップ201
8へ移行する。上述のステップ2008〜2016は請
求項6の異常判定手段に対応している。
【0226】なお、例えば偏差の積分値IDBA(t) の値
は、急制動等を行うために操作レバー152がブレーキ
領域側に大きくかつ急速に傾動された場合にもある程度
大きな値となる。このため、急制動状態をブレーキブー
スタの異常と誤判断しないために、前記所定値KIDBA は
急制動等の操作が行われたときの偏差の積分値IDBA(t)
の値よりも充分大きな値とされており、前記所定値KTC
は、急制動等の操作が行われたときに偏差の積分値IDBA
(t) が増加している時間(例えば0.6 秒程度)よりも充
分に長い所定時間(例えば1秒)に対応する値とされて
いる。
【0227】次のステップ2018ではフィードフォワ
ードマップフラグXFMAP が0か否か判定する。判定が肯
定された場合には、ステップ2020で目標モータ回転
角TBA(t)に基づき、一例として図39に実線で示すマッ
プMAP1に従ってフィードフォワード項FFを算出した後
に、ステップ2024へ移行する。また、ステップ20
18の判定が否定された場合はブレーキブースタに異常
が発生していると判断した場合であるので、ステップ2
022で目標モータ回転角TBA(t)に基づき、一例として
図39に想像線で示すマップMAP2に従ってフィードフォ
ワード項FFを算出した後に、ステップ2024へ移行す
る。
【0228】図39からも明らかなように、ブレーキブ
ースタに異常が発生していると判断した場合に用いるマ
ップMAP2は、ブレーキブースタが正常の場合に用いるマ
ップMAP1と比較して、目標モータ回転角TBA(t)の増加に
対しフィードフォワード項FFの値がより急峻に増加する
ように目標モータ回転角TBA(t)とフィードフォワード項
FFとの関係が定められており、これに伴い、ブレーキブ
ースタに異常が発生している場合には、後述するように
モータ電流目標値TBI(t)が大幅に大きくされることにな
る。ステップ2024では、先のステップ2002で演
算した偏差DBA(t)の符号が正か否か判定する。判定が肯
定された場合には、実モータ回転角RBA(t)が目標モータ
回転角TBA(t)に達していないので、ステップ2026〜
2030でブレーキ圧制御比例ゲインGPとして、ブレー
キフルードの油圧を増圧するための所定値を設定する。
すなわち、ステップ2026ではフィードフォワードマ
ップフラグXFMAP が0か否か判定し、判定が肯定された
場合にはステップ2028でブレーキ圧制御比例ゲイン
GPとして所定値Kpu1を設定し、判定が否定された場合に
はステップ2030でブレーキ圧制御比例ゲインGPとし
て所定値Kpu2を設定し、ステップ2038へ移行する。
なお、所定値Kpu1<所定値Kpu2とされているので、ブレ
ーキブースタに異常が発生している場合にはブレーキ圧
制御比例ゲインGPの値が大きくされ、モータ電流目標値
TBI(t)が大幅に大きくされることになる。
【0229】一方、ステップ2024の判定が否定され
た場合には、実モータ回転角RBA(t)が目標モータ回転角
TBA(t)に達したか、或いは越えた場合であるので、ステ
ップ2032〜2036でブレーキ圧制御比例ゲインGP
として、ブレーキフルードの油圧を減圧するための所定
値を設定する。すなわち、ステップ2032ではフィー
ドフォワードマップフラグXFMAP が0か否か判定し、判
定が肯定された場合にはステップ2034でブレーキ圧
制御比例ゲインGPとして所定値Kpd1を設定し、判定が否
定された場合にはステップ2036でブレーキ圧制御比
例ゲインGPとして所定値Kpd2を設定してステップ203
8へ移行する。
【0230】なお、この所定値Kpd1、Kpd2については大
小関係が所定値Kpd1>所定値Kpd2とされており、ブレー
キブースタに故障が生じている場合はブレーキ圧制御比
例ゲインGPとして低い値が設定される。これは、ブレー
キブースタに故障が生じておりブレーキペダル122の
操作に対しエンジン負圧によるアシストが行われていな
い方がブレーキペダル122の操作に対する反力が大き
く、ブレーキフルードの油圧を減圧する際に偏差DBA(t)
に対するゲインが小さくてもブレーキペダル122が大
きく戻るためである。
【0231】ステップ2038では偏差微分値DDBA(t)
の符号が正か否か判定する。判定が肯定された場合は、
ステップ2040でフィードフォワードマップフラグXF
MAPが0か否か判定する。判定が肯定された場合にはス
テップ2042でブレーキ圧制御微分ゲインGDとして所
定値Kdd1を設定し、判定が否定された場合にはステップ
2030でブレーキ圧制御微分ゲインGDとして所定値Kd
d2を設定し、ステップ2052へ移行する。微分ゲイン
GDを用いて演算する微分項Dは、主に目標モータ回転角
TBA(t)に対する実モータ回転角RBA(t)のオーバシュート
を防止するためのものであり、目標モータ回転角TBA(t)
<実モータ回転角RBA(t)でかつ偏差DBA(t)の絶対値が減
少傾向にあるときには、偏差微分値DDBA(t) の符号が正
となりステップ2038の判定が肯定される。このとき
の比例ゲインGPはフィードフォワードマップフラグXFMA
P が0のときの方が大きな値が設定されているので、所
定値Kdd1、Kdd2の大小関係は所定値Kdd1>所定値Kdd2と
されている。
【0232】また、ステップ2038の判定が否定され
た場合は、ステップ2046でフィードフォワードマッ
プフラグXFMAP が0か否か判定する。判定が肯定された
場合にはステップ2048でブレーキ圧制御微分ゲイン
GDとして所定値Kdu1を設定し、判定が否定された場合に
はステップ2050でブレーキ圧制御微分ゲインGDとし
て所定値Kdu2を設定し、ステップ2052へ移行する。
目標モータ回転角TBA(t)>実モータ回転角RBA(t)でかつ
偏差DBA(t)の絶対値が減少傾向にあるときには、偏差微
分値DDBA(t) の符号が負となりステップ2038の判定
が否定される。このときの比例ゲインGPはフィードフォ
ワードマップフラグXFMAP が1のときの方が大きな値が
設定されているので、所定値Kdu1、Kdu2の大小関係は所
定値Kdu1<所定値Kdu2とされている。
【0233】ステップ2052ではフィードフォワード
マップフラグXFMAP が0か否か判定し、判定が肯定され
た場合にはステップ2054でブレーキ圧制御積分ゲイ
ンGIとして所定値Ki1 を設定し、判定が否定された場合
にはステップ2056でブレーキ圧制御積分ゲインGIと
して所定値Ki2 を設定してステップ2058へ移行す
る。なお、所定値Ki1 <所定値Ki2 とされている。ステ
ップ2058では比例項Pとしてブレーキ圧制御比例ゲ
インGPと偏差DBA(t)の積を演算し、ステップ2060で
は微分項Dとしてブレーキ圧制御微分ゲインGDと偏差微
分値DDBA(t) の積を演算し、ステップ2062では積分
項Iとしてブレーキ圧制御積分ゲインGIと偏差積分値ID
BA(t) との積を演算する。
【0234】そしてステップ2064では、次の(4)
式に従ってモータ電流目標値TBI(t)を演算する。
【0235】 TBI(t)=FF+P+D+I+ZTBI ・・・(4) ステップ2066では上記で演算したモータ電流目標値
TBI(t)をブレーキモータ駆動回路68に指示する。これ
により、ブレーキモータ118はモータ電流目標値TBI
(t)に等しい電流が供給されて駆動されることになる。
【0236】第1実施例で説明したブレーキ制御処理で
は、図18(C)に示すようなマップを用い、エンジン
負圧VBT の低下に伴いブレーキブースタのアシスト力が
低下することにより要求されるブレーキペダル122の
踏力の増加分に応じてモータ電流目標値TBI(t)が大きく
なるようにエンジン負圧補正ゲインGBT を求めていた
が、ブレーキブースタに異常が発生するとブレーキペダ
ル122を操作する操作力に対してのアシストが行われ
ず、所望の制動力を得るために非常に大きな操作力が要
求されるので、エンジン負圧補正ゲインGBT を変更した
のみでは指示されたブレーキペダル122の操作量に対
して制動力が不足し、運転者に違和感を与える可能性が
高い。
【0237】これに対し、本第2実施例に係るブレーキ
制御処理を概略的にブロック線図で示すと図40のよう
になる。図40からも明らかなように、本第2実施例で
は偏差DBA(t)に基づくPID制御と目標モータ回転角TB
A(t)に基づくフィードフォワード制御との組み合わせに
よりブレーキモータ118を制御しているが、ブレーキ
ブースタに異常が発生したと判断した場合には、前述し
たようにフィードフォワード制御の制御値(フィードフ
ォワード項FF)をブレーキブースタ異常時用のマップMA
P2を用いて求めると共に、ブレーキ圧制御比例ゲインG
P、ブレーキ圧制御微分ゲインGD及びブレーキ圧制御積
分ゲインGIの値としてブレーキブースタ異常時用の値を
設定するので制御の内容そのものが大幅に切り替わり、
モータ電流目標値TBI(t)はブレーキブースタが正常の場
合よりも大幅に大きな値となる。
【0238】これにより、ブレーキモータ118で発生
される駆動力が大幅に増大し、この高い駆動力でブレー
キペダル122が操作されることになるので、操作レバ
ー152の操作に対し運転者が所望する制動力に一致又
はより近い大きさの制動力が実際に発生されるので、運
転者に違和感を与えることを防止できる。また、所望の
制動力を得るために、制動を行う毎に操作レバー152
をブレーキ領域側に大きく傾動し続ける等の煩雑な操作
を行う必要もないので、操作レバー152を操作するた
めの運転者の負担を軽減することができる。また、第1
実施例のようにエンジン負圧を検出する必要もない。
【0239】なお、上記ではブレーキ系への電力の供給
系統を二重化していたが、アクセル系への電力の供給系
統についても二重化してもよい。
【0240】また、上記では目標モータ回転角TBA(t)と
実モータ回転角RBA(t)との偏差DBA(t)の積分値IDBA(t)
に基づいてブレーキブースタの異常を判定するようにし
ていたが、これに限定されるものではなく、モータ回転
角に代えてブレーキフルードの油圧、或いは車両減速度
を検出し、検出値と目標値との偏差の積分値を用いてブ
レーキブースタの異常を判定するようにしてもよい。ま
た、偏差の積分値を用いることなく、ブレーキフルード
の油圧、或いは車両減速度の検出値よりブレーキブース
タの異常を直接判定するようにしてもよい。
【0241】以上、本発明の実施例について説明した
が、上記実施例は特許請求の範囲に記載した技術的事項
の実施態様以外に、以下に記載する技術的事項の実施態
様を含むものである。
【0242】(1)前記ブレーキアクセル操作部は、移
動範囲の一部がブレーキの操作を指示するための第1の
領域とされ、他の一部がアクセルの操作を指示するため
の第2の領域とされたレバーであり、該レバーが何れの
領域に位置しているか否かを検出するレバー位置検出手
段を設け、前記レバー位置検出手段によりレバーが所定
領域に位置していることが所定時間以上継続して検出さ
れた場合に、該レバーが前記所定領域に位置していると
判断する請求項1又は請求項10記載の身体障害者用車
両運転装置。
【0243】(2)前記駆動制御手段は、前記入力部を
介して前記指示が所定時間以上継続して入力された場合
に、車両のブレーキに制動力が発生している状態を維持
させる指示が入力されたと判断する請求項2又は請求項
4記載の身体障害者用車両運転装置。
【0244】(3)アクセルアクチュエータの駆動力源
はモータであり、駆動制御手段は、ブレーキアクセル操
作部によって指示されたアクセルペダルの操作量が0
で、かつモータの駆動軸が前記操作量0におけるアクセ
ルペダルの位置に対応する基準位置に位置していない場
合には、モータの駆動軸が前記基準位置に位置するよう
にモータを駆動する請求項13記載の身体障害者用車両
運転装置。
【0245】(4)前記駆動制御手段は、車両が非走行
状態の場合にはアクセルペダルの操作量を所定量以下に
制限する請求項1又は請求項10記載の身体障害者用車
両運転装置。
【0246】(5)前記ブレーキアクセル操作部は、移
動範囲の一部がブレーキペダルの操作を指示するための
第1の領域とされ、他の一部がアクセルペダルの操作を
指示するための第2の領域とされた操作レバーであり、
該操作レバーの位置状態を検出するレバー位置状態検出
手段を設け、前記駆動制御手段は、前記ブレーキアクセ
ル操作部による各ペダルの操作量の指示の状態としての
前記レバー位置状態検出手段によって検出された操作レ
バーの位置状態に応じて、第1のアクセル制御オフセッ
ト量又は第2のアクセル制御オフセット量を用いる請求
項11記載の身体障害者用車両運転装置。
【0247】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明は、
身体障害者用車両運転装置の故障についての信頼性を向
上させることができる、という優れた効果が得られる。
【0248】請求項2の発明は、入力部を含む操作装置
の故障に対する信頼性を向上させることができる、とい
う効果が得られる。
【0249】請求項3の発明は、第1の給電系が故障し
たとしても、給電系の故障に対しての信頼性を向上させ
ることができる、という効果が得られる。
【0250】請求項4の発明は、ブレーキアクチュエー
タの故障を未然に防止することができる、という効果が
得られる。
【0251】請求項5の発明は、ブレーキアクチュエー
タの故障を未然かつ確実に防止することができると共
に、車両の停止状態を確実に維持させることができる、
という効果が得られる。
【0252】請求項6の発明は、倍力装置の異常に対す
る安全性、信頼性が向上すると共に、ブレーキアクセル
操作部を操作するための運転者の負担を軽減することが
できる、という効果が得られる。
【0253】請求項7の発明は、指示部を含む操作装置
の誤操作に対する信頼性を向上させることができる、と
いう効果が得られる。
【0254】請求項8の発明は、給電系の異常に対する
信頼性を向上させることができる、という効果が得られ
る。
【0255】請求項9の発明は、車両走行中であっても
アクチュエータの異常等を検出することができ、アクチ
ュエータ等の故障に対する信頼性を向上させることがで
きる、という効果が得られる。
【0256】請求項10の発明は、ブレーキアクセル操
作部の操作に正確に対応するようにペダルを操作できる
と共に、ブレーキアクセル操作部が操作されてから実際
にペダルが操作される迄の応答性も向上する、という効
果が得られる。
【0257】請求項11の発明は、駆動制御手段による
ペダルの操作量とペダルの実際の操作量とのずれ量のヒ
ステリシスによりアイドル回転数の上昇等が発生するこ
とを防止することができる、という効果が得られる。
【0258】請求項12の発明は、アクチュエータに重
大な故障が生ずることを未然に防止でき、アクチュエー
タの故障に対する信頼性を向上させることができる、と
いう効果が得られる。
【0259】請求項13の発明は、アクセルアクチュエ
ータの故障に対する信頼性を向上させることができる、
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るFM装置の概略構成を示すブロ
ック図である。
【図2】FM装置の制御回路の概略構成を示すブロック
図である。
【図3】FM装置の電源系統を説明するための概念図で
ある。
【図4】操作レバーを示す斜視図である。
【図5】操作レバーの傾動に対するレバースイッチのオ
ンオフ状態の変化、レバーセンサの出力電圧の変化を各
々示す線図である。
【図6】FM装置の制御回路で実行されるメインルーチ
ンを説明するフローチャートである。
【図7】FM制御処理を説明するフローチャートであ
る。
【図8】レバー状態判定処理を説明するフローチャート
である。
【図9】セットモード判定処理を説明するフローチャー
トである。
【図10】第1のセットモード判定処理を説明するフロ
ーチャートである。
【図11】第2のセットモード判定処理を説明するフロ
ーチャートである。
【図12】第2のセットモード判定処理におけるセット
モード要求受付の条件を示す線図である。
【図13】クラッチ制御処理を説明するフローチャート
である。
【図14】アクセル制御処理を説明するフローチャート
である。
【図15】アクセル制御において操作レバーの位置に対
するステップモータの目標ステップ数(実目標ステップ
数)の変化を示す線図である。
【図16】ブレーキ制御処理(一部)を説明するフロー
チャートである。
【図17】ブレーキ制御処理(一部)を説明するフロー
チャートである。
【図18】(A)はバッテリ電圧VBとバッテリ電圧補正
ゲインGBとの関係、(B)はモータ温度VTBMとモータ温
度補正ゲインGTM との関係、(C)はエンジン負圧VBT
とエンジン負圧補正ゲインGBT との関係を表すマップを
表す線図である。
【図19】(A)は目標モータ回転角TBA(t)とフィード
フォワード項FFとの関係、(B)は減圧を行う場合及び
増圧を行う場合における目標モータ回転角TBA(t)とブレ
ーキ圧制御比例ゲインGHとの関係、(C)は減圧を行う
場合及び増圧を行う場合におけ目標モータ回転角TBA(t)
とブレーキ圧制御微分ゲインGDD との関係を表すマップ
を表す線図である。
【図20】セットモード状態監視処理を説明するフロー
チャートである。
【図21】アクチュエータ作動チェック処理を説明する
フローチャートである。
【図22】ブレーキアクチュエータチェック処理を説明
するフローチャートである。
【図23】アクセルアクチュエータチェック処理を説明
するフローチャートである。
【図24】アクセル系の故障の判定を説明するための、
(A)は制御目標ステップ数及びモータステップ数推定
値の推移の一例、(B)はステップ数偏差の推移の一例
を各々示す線図である。
【図25】故障処理2、故障処理3を説明するフローチ
ャートである。
【図26】FMモード継続チェック処理を説明するフロ
ーチャートである。
【図27】車両状態チェック処理を説明するフローチャ
ートである。
【図28】終了処理を説明するフローチャートである。
【図29】前回終了状態チェック処理を説明するフロー
チャートである。
【図30】FMモード要求判定処理を説明するフローチ
ャートである。
【図31】アクチュエータゼロ点及び作動チェック処理
を説明するフローチャートである。
【図32】ブレーキアクチュエータチェック処理を説明
するフローチャートである。
【図33】(A)はブレーキアクチュエータチェック処
理における判定領域を模式的に示す概念図、(B)はア
クセルアクチュエータチェック処理における開側ゼロ点
位置に対する判定領域、(C)は閉側ゼロ点位置に対す
る判定領域を各々模式的に示す概念図である。
【図34】アクセルアクチュエータチェック処理(一
部)を説明するフローチャートである。
【図35】アクセルアクチュエータチェック処理(一
部)を説明するフローチャートである。
【図36】アクセルアクチュエータチェック処理におけ
るステップモータの目標ステップ数の推移及びアイドル
スイッチの出力の変化を示す線図である。
【図37】第2実施例のブレーキ制御処理(一部)を説
明するフローチャートである。
【図38】第2実施例のブレーキ制御処理(一部)を説
明するフローチャートである。
【図39】第2実施例における目標モータ回転角TBA(t)
とフィードフォワード項FFとの関係を表すマップを表す
線図である。
【図40】第2実施例に係るブレーキ制御処理によるブ
レーキモータに対する制御の内容を概念的に示すブロッ
ク線図である。
【符号の説明】
10 身体障害者用車両運転装置 10A 制御回路 22 FMスイッチ 56 アクセルメインリレー 58 ブレーキメインリレー 82 状態記憶回路 100 ステップモータ 102 アクセルクラッチ 106 アクセルペダル 112 アイドルスイッチ 114 モータ回転角センサ 118 ブレーキモータ 122 ブレーキペダル 126 ストップランプスイッチ 132 モータ回転角センサ 142 パーキングブレーキスイッチ 152 操作レバー 154 セットスイッチ 158 レバースイッチ 160 レバースイッチ 162 アクセルクラッチリレー

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者により手動で操作され車両のブレ
    ーキペダル及びアクセルペダルの操作量を指示するため
    のブレーキアクセル操作部を少なくとも備えた操作装置
    と、 駆動力源を備え該駆動力源の駆動力によりブレーキペダ
    ルを操作するブレーキアクチュエータと、 駆動力源を備え該駆動力源の駆動力によりアクセルペダ
    ルを操作するアクセルアクチュエータと、 前記ブレーキアクセル操作部の指示に応じて前記ブレー
    キアクチュエータによるブレーキペダルの操作量及び前
    記アクセルアクチュエータによるアクセルペダルの操作
    量を制御する駆動制御手段と、 前記操作装置又は前記アクチュエータの異常に対して少
    なくともブレーキペダルを正常に操作できる状態を維持
    させるか、又はブレーキペダルを正常に操作できない状
    態となる前に報知するか、又は前記異常の発生を予防す
    る安全維持手段と、 を含む身体障害者用車両運転装置。
  2. 【請求項2】 前記操作装置には、ブレーキアクチュエ
    ータがブレーキペダルを操作しており車両のブレーキに
    制動力が発生している状態でその状態を維持させる指示
    を入力するための入力部が設けられており、 前記駆動制御手段は前記入力部を介して前記指示が入力
    された場合にブレーキペダルの現在の操作量が維持され
    るようにブレーキアクチュエータを制御し、 前記操作装置の異常に対しての安全維持手段は、ブレー
    キアクセル操作部の操作回数及び操作時間が所定の条件
    を満たした場合に、ブレーキペダルの操作量を一定状態
    に維持する制御を駆動制御手段に行わせることを特徴と
    する請求項1記載の身体障害者用車両運転装置。
  3. 【請求項3】 前記ブレーキアクチュエータの駆動力源
    はモータであり、 ブレーキアクチュエータに電力を供給する第1の給電系
    が設けられており、 前記アクチュエータの異常に対しての安全維持手段は、
    前記第1の給電系と別に設けられ少なくともブレーキア
    クチュエータに電力を供給する第2の給電系であること
    を特徴とする請求項1記載の身体障害者用車両運転装
    置。
  4. 【請求項4】 前記操作装置には、ブレーキアクチュエ
    ータがブレーキペダルを操作して車両のブレーキに制動
    力が発生している状態でその状態を維持させる指示を入
    力するための入力部が設けられており、 前記駆動制御手段は前記入力部を介して前記指示が入力
    された場合にブレーキペダルの現在の操作量が維持され
    るようにブレーキアクチュエータを制御し、 前記ブレーキアクチュエータの異常の発生を予防する安
    全維持手段は、駆動制御手段が前記ブレーキペダルの現
    在の操作量が維持されるように制御することを所定時間
    以上継続しておりかつ車両が停止している場合には、前
    記ブレーキアクチュエータによるブレーキペダルの操作
    量を減少させることを特徴とする請求項1記載の身体障
    害者用車両運転装置。
  5. 【請求項5】 前記安全維持手段は、車両のパーキング
    ブレーキが作動している場合には、前記ブレーキペダル
    の操作量を減少させる制御における操作量の減少量を大
    きくすることを特徴とする請求項4記載の身体障害者用
    車両運転装置。
  6. 【請求項6】 ブレーキペダルに対する操作力を増大さ
    せて車両のブレーキの制動力発生部に伝達する倍力装置
    の異常を判定する異常判定手段と、 前記異常判定手段により前記倍力装置に異常が発生した
    と判定された場合に、ブレーキペダルの操作に供される
    前記ブレーキアクチュエータの駆動力源の駆動力を増大
    させる駆動力増大制御手段と、 を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の身体障害
    者用車両運転装置。
  7. 【請求項7】 前記操作装置には、前記各アクチュエー
    タが各ペダルを操作する第1のモードと、各アクチュエ
    ータが各ペダルの操作を停止する第2のモードと、の何
    れかの実行を指示するための指示部が設けられており、 車両が走行中でかつ第1のモード実行中に前記指示手段
    を介して第2のモードの実行が指示された場合に、第2
    のモードへの移行を禁止する制御手段を更に設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の身体障害者用車両運転装
    置。
  8. 【請求項8】 不揮発性の記憶手段を更に設け、前記制
    御手段は、給電手段による給電が正常に停止される際に
    は正常終了を表す情報を前記記憶手段に記憶させ、給電
    手段による給電が開始された際に前記記憶手段に前記正
    常終了を表す情報が記憶されていない場合には第1のモ
    ードを実行させることを特徴とする請求項7記載の身体
    障害者用車両運転装置。
  9. 【請求項9】 前記ブレーキペダル及び前記アクセルペ
    ダルの位置を直接或いは間接的に検出する検出手段を設
    け、 前記アクチュエータの異常に対しての安全維持手段は、
    前記ブレーキアクチュエータ及び前記アクセルアクチュ
    エータに対する前記駆動制御手段の制御量より推定され
    る各ペダル位置の推定値と、前記検出手段によって検出
    された各ペダルの位置と、を比較してアクチュエータの
    異常の発生を判断し、異常が発生したと判断した場合に
    報知することを特徴とする請求項1記載の身体障害者用
    車両運転装置。
  10. 【請求項10】 運転者により手動で操作され車両のブ
    レーキペダル及びアクセルペダルの操作量を指示するた
    めのブレーキアクセル操作部を少なくとも備えた操作装
    置と、 駆動力源を備え該駆動力源の駆動力により前記ブレーキ
    ペダルを操作するブレーキアクチュエータと、 駆動力源を備え該駆動力源の駆動力により前記アクセル
    ペダルを操作するアクセルアクチュエータと、 車両のブレーキに制動力が発生し始めるブレーキペダル
    の境界位置を検出し、ブレーキペダルを前記境界位置に
    位置させるためのブレーキアクチュエータに対するブレ
    ーキ制御オフセット量を定期的に求めるブレーキオフセ
    ット量検出手段と、 車両のスロットルが開き始めるアクセルペダルの境界位
    置を検出し、アクセルペダルを前記境界位置に位置させ
    るためのアクセルアクチュエータに対するアクセル制御
    オフセット量を定期的に求めるアクセルオフセット量検
    出手段と、 前記ブレーキアクセル操作部によって指示されたブレー
    キペダルの操作量に対応する制御量に前記ブレーキ制御
    オフセット量を加えた制御量によりブレーキアクチュエ
    ータによるブレーキペダルの操作量を制御すると共に、
    アクセルペダルの操作量に対応する制御量にアクセル制
    御オフセット量を加えた制御量により前記アクセルアク
    チュエータによるアクセルペダルの操作量を制御する駆
    動制御手段と、 を含む身体障害者用車両運転装置。
  11. 【請求項11】 前記アクセルオフセット量検出手段
    は、全閉状態となっていた車両のスロットルが開き始め
    るときのアクセルペダルの第1の境界位置を検出し、ア
    クセルペダルを前記第1の境界位置に位置させるための
    アクセルアクチュエータに対する第1のアクセル制御オ
    フセット量を求めると共に、開状態となっていたスロッ
    トルが全閉状態となるときのアクセルペダルの第2の境
    界位置を検出し、アクセルペダルを前記第2の境界位置
    に位置させるためのアクセルアクチュエータに対する第
    2のアクセル制御オフセット量を求め、 前記駆動制御手段は、前記ブレーキアクセル操作部によ
    る各ペダルの操作量の指示の状態に応じて前記第1のア
    クセル制御オフセット量又は前記第2のアクセル制御オ
    フセット量を用いてアクセルアクチュエータによるアク
    セルペダルの操作量を制御することを特徴とする請求項
    10記載の身体障害者用車両運転装置。
  12. 【請求項12】 前記ブレーキオフセット量検出手段に
    よって求められたブレーキ制御オフセット量、及び前記
    アクセルオフセット量検出手段によって求められたアク
    セル制御オフセット量の大きさに応じて、各アクチュエ
    ータの故障の発生及び発生した故障の程度を判定する故
    障判定手段を更に設けたことを特徴とする請求項10又
    は請求項11記載の身体障害者用車両運転装置。
  13. 【請求項13】 前記アクセルアクチュエータの駆動力
    源の駆動力をアクセルペダルに伝達する伝達機構の途中
    に設けられたクラッチと、 前記ブレーキアクチュエータによってブレーキペダルが
    操作されているときに前記クラッチを駆動力非伝達状態
    にする第1のクラッチ制御手段と、 前記ブレーキアクチュエータの故障の発生を検出する故
    障検出手段と、 前記故障検出手段によって故障の発生が検出された場合
    に前記クラッチを駆動力非伝達状態にする第2のクラッ
    チ制御手段と、 を更に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項10
    記載の身体障害者用車両運転装置。
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