JPH08211085A - 流速測定装置 - Google Patents

流速測定装置

Info

Publication number
JPH08211085A
JPH08211085A JP16665695A JP16665695A JPH08211085A JP H08211085 A JPH08211085 A JP H08211085A JP 16665695 A JP16665695 A JP 16665695A JP 16665695 A JP16665695 A JP 16665695A JP H08211085 A JPH08211085 A JP H08211085A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow velocity
magnetic field
measuring device
detection
windings
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16665695A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaneyuki Oota
金幸 太田
Kazumoto Futaki
一元 二木
Akio Nagamune
章生 長棟
Shinichi Nishioka
信一 西岡
Hiroharu Katou
宏晴 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP16665695A priority Critical patent/JPH08211085A/ja
Publication of JPH08211085A publication Critical patent/JPH08211085A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融金属のような高温の対象の流速を安定し
て非常に感度良く、非接触で連続的に検出することがで
きる速度測定装置を得ることを目的とする。 【構成】 移動する導電性の測定対象物の上に、対象面
に対しその中心軸が垂直となるように配置され、測定対
象物201に垂直な交流磁界を生成する励磁巻線203
bと、その両側に導体の移動方向と平行に、かつ励磁巻
線203bに対し左右対称に、それぞれが同じ向きの磁
束を検出するように配置された一対の検出巻線203
a,cと、非磁性体から構成され、各巻線を保持するE
型ボビン202と、一対の検出巻線203a,cの出力
の差分信号の電圧から前記測定対象物の流速を測定する
測定手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は連続鋳造プロセスにおい
て溶鋼を鋳込む鋳型内溶鋼流の表面の流速を測定する流
速測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造ラインにおいては、図13に示
されるように溶鋼3はタンディッシュ1よりノズル2を
通して銅製の鋳型4中に注ぎ込まれ鋳造される。鋳型中
に注ぎ込まれた溶鋼は、鋳型壁面に当たり上昇流7と下
降流8とに分かれる。上昇流は表面で流れ9a,9bを
作るが、ここで表面の溶鋼流動の左右のバランスが崩れ
ると、渦が発生し溶鋼表面上に撒いたパウダー5を巻き
込んだ流れ11を生成する。また、表面の溶鋼流動が過
大になると、溶鋼表面のパウダー5の一部10を削り込
む。何れにおいても鋳片中に介在物が捕捉され、製品欠
陥の原因となる。この理由から、鋳型内溶鋼流動を安定
化させることは極めて重要な課題であり、特に溶鋼表面
近傍の流速を連続的に計測することが強く求められてい
る。
【0003】従来、溶鋼の流速測定装置は、例えば特開
平5−60774号公報において提案されているような
接触型の計測が主であった。この流速測定装置は、図1
4に示されるようにファインセラミックス製の棒12を
溶鋼14に浸漬して、その棒12が溶鋼流動により受け
る圧力を、受圧センサ13により検出して、流速を測定
するものである。この測定装置では高温の溶鋼14にセ
ラミックス製の棒12を浸漬させるため、長時間の連続
測定が不可能であった。
【0004】これに対して、磁気を用いて非接触で速度
を計測できることが知られている。図15に示されるよ
うに均等な磁場中で導体15が動くと、その導体中にE
=v×Bなる速度起電力が生じる。この速度起電力によ
り、導体中に渦電流Jvが誘起され、導体上に誘導磁場Bv
が発生して、元の磁場は導体の速度方向に引きずられる
ようにBからB’へと歪む。このように磁場が導体の運
動により歪む効果を以下磁場の速度効果と呼ぶ。この速
度効果による歪みの程度は導体の速度に対応して変化す
るので、歪み量を測ることで対象導体の速度を知ること
ができる。
【0005】このような磁気を用いて非接触で速度を計
測する装置としては例えば特開平2−311766号公
報があった。この流速測定装置は図16(a)に示され
るように、溶鋼の流れ18と平行に1次コイル19を配
置し、その水平方向両側に2つの2次コイル20a,2
0bを配置したものである。1次コイル19に交流電流
を供給して溶鋼面と平行な交流磁場17を溶鋼表面に印
加し、2次コイル20a,20bにより対象面と平行な
磁場を検出する。導体が静止しているときには磁場は1
次コイル19を挟んで対称となり、2つの2次コイルの
起電力に差はなく出力は0である。導体が動いている場
合には、図16(b)のように速度効果により磁場は導
体の速度方向に歪み、励磁コイル19を挟んで対称でな
くなるため、2つの2次コイルに生じる起電力に差が生
じ、磁場の歪み量、即ち速度に対応した信号が2つの2
次コイル20a,20bの差分信号として得られる。
【0006】また、磁気による方法では、装置と測定対
象物との距離により速度感度が変化するが、特開平2−
311766号公報において提案されている流速測定装
置においては、装置と測定対象物との距離を、対象面と
平行な磁場を検出する2次コイルの片方の出力電圧によ
り測定して、それにより補正を行っていた。
【0007】また、磁気を用いて速度を計測する別の流
速測定装置として特開昭61−223564号公報にお
いて提案されているものがある。これは、図17(a)
に示されるように、測定対象に対しE型コアと巻線とか
ら成るE型の励磁装置21を、各磁極の開放端が導体側
を向き、更に3つの磁極21a,21b,21cが対象
面と平行となるように配置し、リング状の磁心を持った
磁気センサ22をE型の励磁装置の中心の磁極21cを
囲むように配置したものである。そして、E型の励磁装
置21にそれぞれ隣り合う磁極に反対向きの磁場を生じ
るよう直流電流を流す。導体24が運動すると速度効果
により導体中に渦電流が流れるが、この渦電流により導
体中に、中心の磁極21cと左右の磁極21a,21b
との間にそれぞれ正負逆の磁極N2,S2を生じる。こ
の磁極N2,S2から生じる磁場の対象面に対し水平な
成分を、先のリング状の磁気センサ22を用いて検出
し、それにより流速を検出するものである。
【0008】また、磁気を用いて速度を計測する別の流
速測定装置として特開平5−297012号公報に提案
されているものがある。これは、図18に示されるよう
に、1次コイル151を測定対象152に対して垂直に
配置し、1次コイル151に交流電流を供給し、磁界1
53を生じさせ、1次コイル151を挟んで両側に測定
対象152に対して垂直に2次コイル154a,154
bを配置し、1次コイル151、2次コイル154a,
154bを巻いた鉄心155,156a,156bを備
えたものである。そして流速は2次コイル154a,1
54bに生じた起電力の位相から検出する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の磁気を
用いた非接触の流速測定装置においては以下のような課
題が指摘される。 (1) 水平方向に磁場を励磁する方法を採用した測定
装置においては、対象との距離が離れると磁場が大きく
減衰し、検出能が下がる。また、速度効果は磁場を対象
に垂直に印加したときに最大となるので、効率が悪い。 (2) また、上記の励磁装置と検出装置とが分離して
いると、温度変化によって装置の熱変形が生じて、励磁
装置と検出装置との間隔が変化しやすく、それにより信
号に流速と対応しない温度ドリフトによる擬似信号が重
畳してしまう。 (3) 励磁・検出に磁心を用いた測定装置では、電磁
攪拌等を有する鋳造機において鋳型内の流速を計測しよ
うとするとき、磁心が磁気飽和してしまい感度良く流速
の測定ができない。 (4) 測定対象に平行に配置された2次コイルに発生
する起電力を検出し、その検出後の電圧の差をとり流速
の測定をする方法を採用した測定装置では、磁場を検出
する点での励磁磁場の大きさが大きく、それに比べ、速
度効果による磁場歪みが小さいため、電圧の検出精度が
流速の検出精度に影響し、十分な検出精度が得られな
い。 (5) 2次コイルに発生する起電力の位相の差から流
速を測定する方法を採用した測定装置では、位相を精度
良く検出することが困難であり、その検出精度が流速の
検出精度に影響し、十分な検出精度が得られない。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの態様に係
る流速測定装置は、移動する導電性の測定対象物の上
に、対象面に対しその中心軸が垂直となるように配置さ
れ、測定対象物に垂直な交流磁界を生成する励磁巻線
と、その両側に導体の移動方向と平行に、かつ励磁巻線
に対し左右対称に、それぞれが同じ向きの磁束を検出す
るように配置された一対の検出巻線と、非磁性体から構
成され、各巻線を保持する保持部材と、一対の検出巻線
の出力の差分信号の電圧から測定対象物の流速を測定す
る測定手段とを有する。本発明の他の態様に係る流速測
定装置は、上記の装置において、励磁巻線に供給される
励磁電流の周波数として外乱磁場の周波数から離れた周
波数を選択し、そして、測定手段は、励磁電流の周波数
を中心周波数とし、一対の検出巻線の差分後の出力を入
力するバンドパスフィルタと、バンドパスフィルタの出
力を同期又は位相検波する検波器とを備え、その検波電
圧に基づいて流速を求める。
【0011】
【作用】本発明の一つの態様による流速測定装置におい
ては、励磁用巻線に交流電流が供給され、測定対象物に
対して垂直な磁束が発生する。この磁束は測定対象物を
介して戻ってくるが、この戻ってきた磁束を一対の検出
用巻線がそれぞれ検出する。その流速に対応して測定対
象物中に発生する渦電流により磁場が歪み、一対の検出
用巻線の位置における磁束に差が出て、その差分信号が
変化する。この変化量は対象の流速に対応しており、こ
の変化量から対象の流速を測定することができる。従っ
て、測定手段は、その一対の検出用巻線の出力電圧の差
に基いて測定対象物の流速を測定する。また、本発明の
他の態様による流速測定装置においては、一対の検出巻
線の差分後の出力がバンドパスフィルタを通過して励磁
電流と同一の周波数成分が取り出され、検波器において
同期又は位相検波される。そして、その検波電圧に基づ
いて流速が求められる。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明にするのに先立
って、本発明の流速測定装置の動作原理を説明する。 (1)励磁・検出方法 本発明に係る流速計測装置のセンサヘッド200は、図
1に示されるように、中心の脚204bを中心として左
右対称形のE型の形状をしたセラミックス製のボビン2
02に対し、中心の脚204bに励磁用巻線203bを
巻き、両端の脚204a,cに検出用巻線203a,c
をそれぞれが同じ向きの磁束を検出するように巻いたも
のである。このセンサヘッド200を移動する導電性の
測定対象物201の上に、脚の開いた面が対象面に向
き、かつ各脚が対象面の移動方向に対し平行に並ぶよう
に配置する。なお、流速の方向は予め分かっている場合
が多い。
【0013】このようにE型のボビン202を脚の開い
た面が対象面に向けられ、中心の脚に励磁用巻線203
bを施して励磁することにより、導体面に垂直に磁場を
励磁することができる。先に述べたように、速度効果は
v×Bで表されるので、対象の速度と磁場とが垂直とな
っているときに最大となる。ここで測定する流速は対象
面と平行なので、磁場を対象面と垂直に励磁すれば、水
平に励磁する場合よりも速度効果が大きくなり、速度検
出感度も大きくなる。
【0014】次に速度効果による磁場歪みの検出方法に
ついて説明する。図2(a)のように導体33停止して
いれば、磁場は中心の脚を中心として左右対象であり、
左右の検出巻線の出力は等しく、その差分は0となる。
導体33が動くと、図2(b)に示されるように、その
流速に対応して導体中に発生する渦電流により磁場が歪
み、両端の各検出巻き線位置での磁束に差が出て、その
差分信号が変化する。この変化量は対象の流速に対応し
ており、この変化量から、対象の流速を測定することが
できる。またこの時、磁束量の変化は、流れの下流側と
上流側の検出巻き線とでは逆方向で、外乱ノイズや励磁
装置からの直接磁場は、2つの検出巻線位置で同じた
め、2つの検出巻線の出力の差分をとれば、余分な信号
のみを除外することができ、流速に対応した歪み量のみ
を更にS/N良く検出することが可能となる。
【0015】(2)大きな外乱磁場対策 各巻線203a〜cに磁心を設けると、測定感度が大き
く向上するものの、電磁攪拌のような大きな外乱磁場の
ある環境下で測定する際には、外乱磁場によって、磁心
が磁気飽和したり、2つの検出巻線間で磁心の透磁率が
ばらつき感度差が生じ、測定値に大きなノイズを生じて
しまう。そこで、ここでは磁心を設けずに、非磁性で大
きな外乱磁場の影響を受けないセラミクス製のボビン2
02に各巻線を巻いている。また、励磁電流を交流電流
とし、電磁攪拌等による外乱磁場が交流磁界の場合に
は、励磁電流の周波数をこれらの外乱磁場の周波数から
十分に離し、各検出巻線の差分信号を励磁電流の周波数
を中心周波数とするバンドパスフィルターに通した後
に、同期検波器又は位相検波器により電圧を検出するこ
とにより、こうした大きな外乱磁場の影響を受けずに高
感度で、流速の測定ができる。なお、ここで、速度に対
応した磁場歪み量は、v×Bに比例するので、低周波で
励磁している場合は、磁場の歪み量と、励磁磁場、即
ち、励磁電流の位相は同じとなる。これに対し、検出巻
線の出力電圧と磁場とは−90°の位相差があるため、
位相検波器で検出する際には、低周波の場合は、励磁電
流と−90°ずれた位相を選択すれば良い。しかし、周
波数が高い場合には、測定対象物中での磁場の位相が−
dB/dtに比例する渦電流により変化するので、周波
数ごとに速度による磁場歪み信号が最大となる位相を選
択する必要がある。
【0016】(3)温度ドリフト 高温の導体の流速を検出しようとするときには、装置の
温度が変化する。この時、励磁巻線と検出巻線とを別々
のボビンに巻いている場合には、各ボビンを何らかの固
定治具により固定する必要がある。この際、高温の導体
の流速を検出しようとする場合には、周囲の温度が変化
すれば、固定治具や固定治具とボビンとの結合部分が、
熱膨張あるいは熱収縮する。ここで熱膨張・熱収縮が左
右の検出コイル47a,bに対して均等に作用すれば、
2つの検出コイルで差分をとるため、熱変形による信号
変化は除外される。しかし、固定していても本来各ボビ
ンはバラバラなので、左右の検出コイル47a,bに対
して熱変形は均等にならず、熱変形による信号変化分が
残る。そのため例えば図3(b)のように片側のボビン
46aのみが大きく熱変形によりずれれば(48a≠4
8b)、片側の検出巻線47bの出力が増加し、導体が
動いていなくても擬似信号を生てしまう。この擬似信号
は温度の上昇・下降に従って増加もしくは下降するドリ
フト状のものである。
【0017】そこで、図3(b)に示されるように、励
磁コイル47cと2つの検出コイル47a,bとを1つ
のボビンに巻き、一体化する。このようにすれば、熱変
形は左右の検出コイル47a,bに対して均等に作用す
る(48a=48b)ので、2つの検出コイルで差分を
とれば、熱変形による信号変化は除外され、温度ドリフ
トを抑えることができる。しかし、左右の検出コイルの
温度は僅かに異なれば、熱変形が左右で均等にならず温
度ドリフトが残ってしまう。そこで、図4のような冷却
シャーシ49にセンサヘッド200を収納し、左右均等
に空気を吹き込み冷却することにより、装置全体の温度
上昇を抑え、かつ装置の左右の温度不均衡を防止するこ
とができる。また、こうした冷却シャーシ49の材質が
導電性の場合、周囲の温度変化によりシャーシの導電率
が大きく変化し、装置の出力信号に影響を与える。そこ
で、シャーシは、全てあるいは少なくとも装置からの磁
場が通る対象と面した底面を不導体により作成する。
【0018】(4)リフトオフ補正 また、流速測定装置と測定対象との距離が変化すると、
速度感度も変化する。そのため、対象の流速が一定で
も、出力信号が変化しノイズとなる。そこで、例えば渦
流距離計の様なもので対象面との距離を測定し、検出用
巻線の磁場の歪み信号をこの距離信号により演算し、速
度感度を補正する。ここで、図5、図6及び図7を用い
てリフトオフ補正の原理を説明する。図5には流速計と
対象面との距離を変えたときの流速計の速度感度の変化
を示した。このように対象面との距離Lと速度感度Gと
は次式のような関係にある。 G=A・exp(−B・L) 従って、距離がLの時の本流速計測装置の磁場歪み信号
をS(L)とすると、そのときの対象の流速vは次式で
計算できる。 v=S(L)/{A・exp(−B・L)} =A’・S(L)・exp(B・L) (ここでA,Bは定数,A’=1/A) この式は例えば図6の示したような補正回路によって実
現できる。これは渦流距離計駆動・検出回路51、指数
特性を持ったアンプ52、乗算器54及びリニアアンプ
53から構成される。
【0019】図7に示されるように、渦流距離計56は
流速測定装置のセンサヘッドの中心の脚204bの前面
に併設する。そして、渦流距離計56及び駆動・検出回
路51により対象面との距離Lを検出する。検出した距
離信号58を指数アンプ52にかけ指数exp(B・
L)を計算する。更に、流速計の励磁・検出回路50の
出力の流速検出信号57と掛け合わせた後、利得が可変
のリニアアンプ53で定数倍する。これにより距離が変
化しても常に一定の速度感度で流速を計測することがで
きる。また、ここでは回路により補正式を実現したが、
流速計の出力及び渦流距離計の出力信号をそれぞれA/
D変換し、その後ソフトウェア的に補正式の計算を行っ
ても良い。なお、ここで指数関数の係数Bは励磁装置の
形状により異なるため、あらかじめ図5のような対象面
との距離−速度感度曲線を計測して求めておく必要があ
る。また、比例定数A即ちリニアアンプ53のゲイン
は、例えば特開平5−60774号公報の棒を浸漬する
方法のような、他の方法で計測した流速信号を用いて予
め調整しておけばよい。
【0020】本発明の測定原理が明らかになったところ
で、次に本発明の実施例を説明する。ここでは、本発明
の一実施例を図1、図4〜図12に基いて説明する。本
実施例に係る流速測定装置は、図1、図4、図7に示さ
れる装置と、図8の測定回路とから構成されている。こ
こで、装置としては、流速測定の基本となるセンサヘッ
ド(図1)、高温環境下で計測する際の空冷シャーシ
(図4)、測定対象面との距離が変化する場合のリフト
オフ補正に用いる渦流距離計(図7)から構成される。
【0021】センサヘッド200は、図1のようにセラ
ミックス製からなる中心の脚を中心として左右対称形の
E型のボビン202と,励磁巻線203b,検出巻線2
03a,cとから構成される。ここでは、ボビン202
としては温度ドリフトを低減させるため、熱膨張率の小
さいセラミックスを採用している。また、センサヘッド
200はその両端の検出巻線203a,cと励磁巻線2
03bとが対象の移動方向と平行となるように配置され
る。
【0022】更に、リフトオフ補正用として、図7に示
されるように、渦流距離計56をセンサヘッド200の
中心の脚204bの前面に配置する。ここでは渦流距離
計56としては特開昭62−30562号公報に提案さ
れているような差動帰還型渦流距離計を用いている。ま
た、高温の環境下で流速を測定する際には、センサヘッ
ド200及び渦流距離計56を図4に示されるような空
冷ボックス49中に配置し、センサヘッド200等を冷
却する。この空冷ボックス49は、セラミクス製で、空
気吹き込み口55a,b,c,dが加工されている。こ
の空冷ボックス49を用いて、空気吹き込み口55a,
b,c,dよりそれぞれ均等に空気を吹き込み、センサ
ヘッド200等を均等に冷却する。
【0023】測定回路は、図8に示されるように、励磁
回路118、検出回路120及びリフトオフ補正回路1
21から構成されている。まず、励磁回路118は、励
磁巻線203bに交流電流を流し、測定対象物に磁場を
励磁する。この励磁は発振器123及び定電流アンプ1
26によってなされる。発振器123により1〜100
0Hzの正弦波を発生させ、定電流アンプ126を介し
て励磁巻線203bに励磁電流を送る。ここで、励磁周
波数としては、あまり高すぎると(1KHz程度以上)
測定対象に生じる渦電流が大きくなり、流速計としてよ
りも渦流距離計としての性質が強くなり、対象表面の波
立ちによるノイズが強くなる。また、周波数があまり低
すぎると(1Hz程度以下)、検出巻線203a,cに
生じる起電力が弱くなり検出感度が落ちる。また、電磁
攪拌等による外乱磁場が交流の場合には、励磁電流の周
波数をこれらの外乱磁場の周波数から十分離す必要があ
る。
【0024】検出巻線203a,cからの出力信号は検
出回路120に入る。ここで2つの検出巻線からの信号
は差分された後、励磁周波数を中心周波数に持つバンド
パスフィルター129を通して、大きな外乱磁場を取り
除いた後に、同期検波器(又は位相検波器)131によ
って、励磁電流と−90°ずれた位相の成分が検波され
る(ここでは低周波を用いたので−90°で良い)。こ
の検波後の信号の大きさが、流速に対応した磁場歪み信
号となる。その後、この磁場歪み信号は、渦流距離計5
6からの対象面との距離信号と共に、リフトオフ補正回
路121によりリフトオフ補正される。リフトオフ補正
回路121の中で、渦流距離計56の出力信号は、距離
計の駆動・検出回路135により距離信号に変換された
後、指数特性アンプ136を通して、磁場歪み信号と乗
算器137により掛け合わされ、利得が可変のリニアア
ンプ138を通して最終的な流速出力信号となる。ここ
で指数特性アンプ136は、例えば折れ線回路により組
み立てることができる。また、先にも述べたように、指
数関数の係数は対象面との距離−速度感度曲線を計測し
てあらかじめ求めておく。また、リニアアンプ138の
ゲインは、他の方法で計測した流速信号を用いてあらか
じめ調整しておく。
【0025】次に、上記実施例の測定結果例を図9〜図
12により説明する。図9に低融点合金金属(ウッドメ
タル)の流速を測定した出力例を示す。図9(a)が測
定対象の流速を他の方法により検出した値であり、図9
(b)が上記実施例の速測定装置により検出した流速信
号であり、リフトオフ補正前の生の速度効果による磁場
歪み信号である。このように、対象面との距離が大きく
変化しなければ、特に何の補正もなく測定対象の流速に
追従した信号が得ることができる。
【0026】次に、対象面との距離が変動する場合の測
定結果例を図10に示す。図10(a)は渦流距離計に
より計測した距離信号、図10(b)はリフトオフ補正
前の流速計の出力信号である。図10(b)の信号を図
8の補正回路121が図10(a)の信号に基いて補正
した結果が図10(c)である。このように本リフトオ
フ補正方式により対象面との距離が変化しても安定して
流速を計測できることが分かる。
【0027】図11は本実施例の流速測定装置を連続鋳
造ラインに適用した例を示す。タンディッシュ102の
下面より空却ボックス(図示せず)に入れた本実施例の
センサヘッド200を吊り下げ、湯面上に配置する。
【0028】この場合には、パウダーを通して高温の溶
鋼からの熱放射を受けて周囲温度が大きく変化する。ま
た、この鋳造機には電磁攪拌装置が付いているので、装
置は大きな外乱磁場下にさらされている。ここでは電磁
攪拌の周波数が1Hzであり、本流速測定装置の励磁周
波数は14Hzに設定した。
【0029】図12に図11の流速測定装置により検出
した流速信号を示す。このように本実施例においては、
大きな外乱磁場下でも、また環境の温度変化の元でも安
定して流速を計測できることが分かる。なお、ここでは
センサヘッド200のボビンとしては、E型のセラミッ
クス製のものを用いたが、励磁巻線と検出巻線とを平行
に並べられる1体型のボビンであれば、どんな形のもの
でもよく、図のE型を上下逆にしてE型の開いた部分が
上を向くようにしてもよいし、E型の開いた部分もつな
がった“日”の様な形をしたものでもよい。
【0030】
【発明の効果】本発明の一つの態様によれば、励磁用巻
線に交流電流を供給し、対象面に垂直な交流磁界を発生
させ、磁場の速度効果による磁気歪みを、その両側に配
置された検出巻線により検出して、測定対象物の流速を
測定するようにしたので、対象面から離れた位置でも、
感度良く流速の測定ができる。また、本発明の他の態様
によれば、励磁周波数として外乱磁場の大きい周波数か
ら離れた周波数を選択し、検出コイルの差分後の出力を
励磁電流の周波数を中心周波数とするバンドパスフィル
タに通した後に同期検波又は位相検波により電圧を検出
して流速を測定するようにしたので、大きな外乱磁場の
下でも精度良く流速の計測が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセンサヘッドの構成を示す図である。
【図2】本発明の流速を測定するための動作原理を示す
図である。
【図3】温度ドリフトの説明図である。
【図4】本発明の冷却ボックスの構成を示した斜視図で
ある。
【図5】対象面との距離と速度感度との関係を示した特
性図である。
【図6】リフトオフ変動の補正回路の構成を示したブロ
ック図である。
【図7】渦流距離計の配置例を示した斜視図である。
【図8】本発明の一実施例の流速測定装置の回路構成を
示したブロック図である。
【図9】前記実施例の流速測定装置の計測結果を示す特
性図である。
【図10】前記実施例の流速測定装置において対象面と
の距離が変化した場合の計測結果を示す特性図である。
【図11】本発明の適用例を示す図である。
【図12】図11の適用例における測定結果を示す特性
図である。
【図13】連続鋳造の説明図である。
【図14】接触式による従来の高温液体金属の流速測定
装置の説明図である。
【図15】磁場の速度効果の説明図である。
【図16】従来の磁気による非接触式高温液体金属の流
速測定装置(その1)の説明図である。
【図17】従来の磁気による非接触式高温液体金属の流
速測定装置(その2)の説明図である。
【図18】従来の磁気による非接触式高温液体金属の流
速測定装置(その3)の説明図である。
【符号の説明】
200:センサヘッド 202:E型ボビン 203a,c:検出巻線 203b:励磁巻線 56:渦流距離計 201:導電性測定対象物 118:励磁回路 123:発振器 126:定電流アンプ 120:検出回路 129:バンドパスフィルター 131:同期検波器(又は位相検波器) 121:リフトオフ補正回路 135:渦流距離計駆動・検出回路 136:指数特性アンプ 137:乗算器 138:リニアアンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西岡 信一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 加藤 宏晴 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動する導電性の測定対象物の上に、対
    象面に対しその中心軸が垂直となるように配置され、前
    記測定対象物に垂直な交流磁界を生成する励磁巻線と、 その両側に導体の移動方向と平行に、かつ前記励磁巻線
    に対し左右対称に、それぞれが同じ向きの磁束を検出す
    るように配置された一対の検出巻線と、 非磁性体から構成され、前記各巻線を保持する保持部材
    と、 前記一対の検出巻線の出力の差分信号の電圧から前記測
    定対象物の流速を測定する測定手段とを有することを特
    徴とする流速測定装置。
  2. 【請求項2】 前記励磁巻線に供給される励磁電流の周
    波数として外乱磁場の周波数から離れた周波数を選択
    し、そして、前記測定手段は、前記励磁電流の周波数を
    中心周波数とし、前記一対の検出巻線の差分後の出力を
    入力するバンドパスフィルタと、前記バンドパスフィル
    タの出力を同期又は位相検波する検波器とを備え、その
    検波電圧に基づいて流速を求めることを特徴とする請求
    項1記載の流速測定装置。
JP16665695A 1994-07-01 1995-06-30 流速測定装置 Pending JPH08211085A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16665695A JPH08211085A (ja) 1994-07-01 1995-06-30 流速測定装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15077694 1994-07-01
JP29319294 1994-11-28
JP6-150776 1994-11-28
JP6-293192 1994-11-28
JP16665695A JPH08211085A (ja) 1994-07-01 1995-06-30 流速測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08211085A true JPH08211085A (ja) 1996-08-20

Family

ID=27319997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16665695A Pending JPH08211085A (ja) 1994-07-01 1995-06-30 流速測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08211085A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010060792A (ko) * 1999-12-28 2001-07-07 이구택 전도물질의 비접촉식 속도 측정장치
KR20030052573A (ko) * 2001-12-21 2003-06-27 재단법인 포항산업과학연구원 비접촉식 용융금속의 유속 측정방법
CN109387665A (zh) * 2017-08-07 2019-02-26 纳博特斯克有限公司 速度检测装置和速度检测方法
JP2019207150A (ja) * 2018-05-29 2019-12-05 ナブテスコ株式会社 速度検出装置
CN110542765A (zh) * 2018-05-29 2019-12-06 纳博特斯克有限公司 速度检测装置和速度检测方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010060792A (ko) * 1999-12-28 2001-07-07 이구택 전도물질의 비접촉식 속도 측정장치
KR20030052573A (ko) * 2001-12-21 2003-06-27 재단법인 포항산업과학연구원 비접촉식 용융금속의 유속 측정방법
CN109387665A (zh) * 2017-08-07 2019-02-26 纳博特斯克有限公司 速度检测装置和速度检测方法
EP3450988A3 (en) * 2017-08-07 2019-06-12 Nabtesco Corporation Speed detecting device and method
CN109387665B (zh) * 2017-08-07 2022-09-09 纳博特斯克有限公司 速度检测装置和速度检测方法
JP2019207150A (ja) * 2018-05-29 2019-12-05 ナブテスコ株式会社 速度検出装置
CN110542765A (zh) * 2018-05-29 2019-12-06 纳博特斯克有限公司 速度检测装置和速度检测方法
EP3584586A3 (en) * 2018-05-29 2020-04-08 Nabtesco Corporation Speed detecting device and speed detecting method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4647854A (en) Apparatus for measuring the level of the molten metal in the mold of a continuous casting machine
US4567435A (en) Method and apparatus for continuously measuring distance utilizing eddy current and having temperature difference influence elimination
GB2142729A (en) Method and apparatus for non-contact measurement of solidified shell of a metal casting having unsolidifed inner part
JP3602096B2 (ja) 電磁連続鋳造における溶融金属レベルを測定する装置及びその方法
JPH08211085A (ja) 流速測定装置
JPH07128104A (ja) 流れ測定装置
JP3307170B2 (ja) 流速測定方法及びその測定装置並びに連続鋳造方法及びその装置
JPH08211084A (ja) 流速測定装置
JP3575264B2 (ja) 流速測定方法及び装置
JPS624641B2 (ja)
JP2007152424A (ja) 連続鋳造設備におけるモールド内溶鋼湯面検出方法および湯面検出装置
JPH05281063A (ja) 鋼材の張力測定装置
JPH08327647A (ja) 流速測定装置
JPH08211086A (ja) 流速測定方法及びその測定装置
JPH0194201A (ja) 溶融スラグ厚さの測定方法及び装置
JPH10104038A (ja) 流速測定方法及び装置
JP2522732Y2 (ja) 鉄損値測定装置
JPH09101321A (ja) 流速測定方法及びその測定装置
KR100445583B1 (ko) 비접촉식 용융금속의 유속 측정장치 및 그 측정방법
JP3546288B2 (ja) 流速測定方法及び装置
JPH09101320A (ja) 流速測定方法及びその測定装置
JPH08327649A (ja) 流速測定方法及び装置
KR100270114B1 (ko) 고온의 열연강판의 변태량 측정장치 및 그 방법
JPH08262051A (ja) 流速測定方法及び流速測定装置
JP2000162227A (ja) 流速測定方法及び装置