JP3575264B2 - 流速測定方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば、連続鋳造プロセスにおいて溶鋼を鋳込む鋳型内溶鋼流の表面の流速等を測定する流速測定方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
連続鋳造ラインにおいては、図24のように溶鋼103はタンディッシュ101よりノズル102を通して銅製の鋳型104中に注ぎ込まれ鋳造される。鋳型中に注ぎ込まれた溶鋼は、鋳型壁面に当たり上昇流107と下降流108に分かれる。上昇流は表面で流れ109a、109bを作るが、ここで表面の溶鋼流動の左右のバランスが崩れると、渦が発生し溶鋼表面上に撒いたパウダー105を巻き込む(111)。
また表面の溶鋼流動が過大になると、溶鋼表面のパウダーを削り込む(110)。何れにおいても鋳片中に介在物が捕捉され、製品欠陥の原因となる。この理由から、鋳型内溶鋼流動を安定化させることは極めて重要な課題であり、特に溶鋼表面近傍の流速を連続的に計測することが強く求められている。
【0003】
従来溶鋼の流速は、例えば特開平5−60774号公報に示されたような接触型の計測が主であった。これは図25のようにファインセラミックス製の棒112を溶鋼114に浸漬して、その棒が溶鋼流動により受ける圧力を、受圧センサ113により検出して、流速を測定するものである。この方法では高温の溶鋼にセラミックス製棒を浸漬させるため、長時間の連続測定が不可能であった。
【0004】
これに対し、磁気を用いて非接触で速度を計測できることが知られている。図26の(a)のように均等な磁場Bo 中で導体115が動くと、その導体中にEv =v×Bo なる速度起電力が生じる。この速度起電力Ev により、導体中に誘導電流Jv が誘起され、導体上に誘導磁場Bv が発生して、元の磁場は導体の速度方向に引きずられるようにBo からBへと歪む。このように磁場が導体の運動により歪む効果を以下磁場の速度効果と呼ぶ。
この速度効果による歪みの程度は導体の速度に対応して変化するので、歪み量を測ることで対象導体の速度を知ることができる。なおこの歪みを測定することは、歪みのもとが速度効果による誘導磁場Bv なので、Bv を測定していることに他ならないことは明らかである。なおBv は下記(1)式で表せる。
【0005】
【数1】
Figure 0003575264
【0006】
なお、磁場を用いて流速を測定する方法では、図26の(b)のように測定すべき速度起電力による信号磁場Bv の他に、励磁磁場が交流の場合には測定対象中に流れる−dB/dtによる渦電流Je が発生し、その渦電流による渦電流磁場Be が検出される。
いま、測定しようとする鋳型内溶鋼流の流速は、0〜0.3m/sec程度と小さいため、速度起電力による信号磁場Bv も小さく、励磁周波数が数十Hz以上と高い場合には渦電流磁場Be に比べ大幅に小さくなってしまい、Be が変動するとその変動の中にBv が埋もれ、大きな測定誤差を生じてしまうという問題点がある。この渦電流磁場Be は対象の流速と関係なく、流速信号のオフセット分の変動を引き起こす。
【0007】
このような磁気を用いて非接触で速度を計測する装置として特開平2−311766号公報に示されるものがある。これは図27の(a)のように溶鋼の流れ118と平行に1次コイル119、その水平方向両側に2つの2次コイル120a、120bを配置したものである。1次コイルに交流電流を印加して溶鋼面と平行な交流磁場117を溶鋼表面に印加し、2次コイルにより対象面と平行な磁場を検出する。導体が静止しているときには磁場は1次コイルを挟んで対称となり、2つの2次コイルの起電力に差はなく出力は零である。
導体が動いている場合には、図27の(b)のように速度効果により磁場は導体の速度方向に歪み、励磁コイルを挟んで対称でなくなるため、2つの2次コイルに生じる起電力に差が生じ、磁場の歪み量、即ち速度に対応した信号が2つの2次コイルの差分信号として得られる。
【0008】
また磁気による方法では、装置と測定対象物体との距離(以下リフトオフと呼ぶ)により速度感度が変化するが、特開平2−311766号公報に示されたものでは、装置と測定対象物体との距離を、対象面と平行な磁場を検出する2次コイルの片方の出力電圧により測定し、補正を行っていた。
【0009】
また磁気を用いて速度を計測する別の方法として特開平5−297012号公報に示されたものがある。これは図28のように1次コイル151を測定対象152に対して垂直に配置し、1次コイル151に交流電流を印加し、磁界153を生じさせ、1次コイル151を挟んで両側に測定対象152に対して垂直に2次コイル154a、154bを配置し、1次コイル151、2次コイル154a、154bを巻いた鉄心155、156a、156bを備えたものである。そして流速は2次コイル154a、154bに生じた起電力の位相から検出するものであった。
【0010】
また磁気を用いて速度を計測する別の方法として、本発明者らにより提案している特開平8−211084号公報によるものがある。これは図29のように、中心の脚204bを中心として左右対称形のE型の形状をした磁心202に対し、中心の脚204bに励磁用の巻線203bを巻き、両端の脚204a、cに検出用の巻線203a,cをそれぞれが同じ向きの磁束を検出するように巻いたものである。これを移動する導電性の測定対象物体201の上に、脚の開いた面が対象面に向き、かつ各脚が対象面の移動方向に対し平行に並ぶように配置する。
【0011】
そして励磁巻線に交流電流を流し、導体面に垂直な交流磁場を作り、2つの検出巻線の出力差を検出するものである。この時、図30の(a)のように導体201が停止していれば、磁場は中心の脚を中心として左右対象であり、左右の検出巻線の出力は等しく、その差分は零となる。導体が動くと、図30の(b)のようにその流速に対応して磁場が歪み、両端の巻線の位置での磁束に差が出て、その差分信号が変化する。この変化量は対象の流速に対応しており、この変化量から、対象の流速を測定することができる。
またこの方法でも、リフトオフにより速度感度が変化するが、特開平8−211084号公報においては、このリフトオフを、図31のように装置に併設した渦流距離計256を用いて検出し、補正を行っていた。
【0012】
また磁気を用いて流速を計測する別の方法として、本発明者により提案している特願平8−255861号によるものがある。これは図32のように、移動する導電性の測定対象物体の上に、対象面に対しその中心軸が垂直となるように、セラミックス製パイプ2に巻いた励磁巻線Pを配置し、その励磁巻線Pと対象面との間にセラミックス製の丸棒3に同じ向きに2つの検出巻線S,Sを巻いたものを、その中心軸が対象面および対象の移動方向と平行で、かつ2つの検出巻線S,Sの中間点が励磁巻線Pの中心軸上にくるように配置したものである。ここで励磁巻線Pに電流を流し、測定対象に磁場を励磁し、検出巻線S,Sで図26の(a)に示した誘導磁場Bv を検出し流速を測定するものである。
またこの方法では、リフトオフの変化により、渦電流磁場Be に起因するオフセット分が変化し、また流速感度が変化するが、前記特願平8−255861号では、図32のように励磁装置上下に対象面に垂直な磁場成分を検出するように巻いた2つの検出巻線S,Sの出力電圧をもとにリフトオフを検出し、オフセットの変化、流速感度の変化を補正していた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の特開平2−311766号公報、特開平5−297012号公報、特開平8−211084号公報及び特願平8−255861号のような磁場を励磁し、速度誘導磁場を検出し、検出した磁場から流速を算出するタイプの流速測定方法・装置では、先述のように励磁磁場として交流の磁場を用いた場合、検出装置で、対象より発生する渦電流磁場Be を検出してしまい、流速信号のオフセットが変化してしまう。この変化は対象面が平坦であればリフトオフにより一意に決まるため、特願平8−255861号のように別途リフトオフを検出して補正することができる。
しかし対象面が平坦でなく波立ちがある場合には、図4のように局所的に見ると対象面が傾いており、この傾きにより渦電流磁場Be が傾く。そのため特開平5−297012号公報及び特開平8−211084号公報のような垂直方向の磁場成分を検出する方法でも、特開平2−311766号公報及び特開平8−255861号のような水平方向の磁場成分を検出する方法でも、リフトオフが一定であっても、波の移動や変化に伴って装置下の対象面の傾きが変化するため、検出装置で検出してしまう渦電流磁場Be の大きさが変化して、オフセット分が変化するので、リフトオフを検出して補正しても除去しきれないオフセット変化分が残り、測定誤差を生じてしまうという問題があった。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る流速測定方法は、移動する導電性の測定対象物の表面に対し垂直な磁場を励磁し、前記測定対象物の表面及びその移動方向と平行な方向の磁場を1箇所以上の範囲で検出し、該1箇所以上の範囲で検出した磁場信号に基づき前記測定対象物の流速を算出する流速測定方法において、前記励磁磁場の中心軸から前記測定対象物の移動方向と平行な方向に沿って、前記流速を測定するための磁場の検出範囲に対して、より離れた1箇所以上の範囲で、前記測定対象物の移動方向と平行な方向の磁場を検出し、該検出した磁場信号に基づき前記測定対象物の表面の傾きに係る情報を求め、該情報をもとに前記算出した測定対象物の流速を補正するものである。
【0015】
本発明の請求項2に係る流速測定方法は、前記請求項1に係る流速測定方法において、前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、前記流速を算出するための磁場の検出範囲を、前記垂直な軸上の点を中心とした測定対象物の移動方向に平行な方向における所定長さの範囲とし、前記流速を補正するための磁場の検出範囲を、前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点を中心とした、測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲とし、かつ前記垂直な軸から前記第1及び第2の各点までの距離が、前記垂直な軸から前記流速を算出するための磁場の検出範囲を2等分した各々の範囲の中心位置までの距離よりもそれぞれ大きくするものである。
【0016】
本発明の請求項3に係る流速測定方法は、前記請求項1に係る流速測定方法において、前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、前記流速を算出するための磁場の検出範囲を、前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点を中心とした、測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲とし、前記流速を補正するための磁場の検出範囲を、前記垂直な軸からの距離が前記第1及び第2の各点よりもそれぞれ遠方の、前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第3及び第4の各点を中心とし、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲とするものである。
【0017】
本発明の請求項4に係る流速測定方法は、前記請求項1に係る流速測定方法において、前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、前記流速を算出するための磁場の検出範囲を、前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点を中心とした、測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲とし、前記流速を補正するための磁場の検出範囲を、前記垂直な軸上の点を中心とした測定対象物の移動方向に平行な方向における所定長さの範囲とし、かつ前記垂直な軸から前記流速を補正するための磁場の検出範囲を2等分した各々の範囲の中心位置までの距離が、前記垂直な軸から前記第1及び第2の各点までの距離よりも、それぞれ大きくするものである。
【0018】
本発明の請求項5に係る流速測定方法は、前記請求項1に係る流速測定方法において、前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、前記流速を算出するための磁場の検出範囲を、前記垂直な軸上の点を中心とした測定対象物の移動方向に平行な方向における所定の長さの範囲とし、前記流速補正するための磁場の検出範囲を、前記垂直な軸上の点を中心とした、前記流速を算出するための磁場の検出範囲よりも、測定対象物の移動方向に平行な方向の長さが、長い範囲とするものである。
【0019】
本発明の請求項6に係る流速測定方法は、前記請求項1から5までのいずれかの請求項に係る流速測定方法において、前記流速を算出するための磁場の検出範囲及び流速を補正するための磁場の検出範囲のすべてを、前記測定対象面に対して垂直な軸と交差し、かつ測定対象物の移動方向と平行な直線上に設けるようにしたものである。
【0020】
本発明の請求項7に係る流速測定方法は、前記請求項1から6までのいずれかの請求項に係る流速測定方法において、前記流速を算出するための磁場の検出範囲を、前記励磁磁場の中心軸付近とし、前記流速を補正するための磁場の検出範囲を、前記測定対象物の流速に対する磁場変化量の最も小さくなる範囲とするようにしたものである。
【0021】
本発明の請求項8に係る流速測定装置は、移動する導電性の測定対象物の表面に対し垂直な磁場を印加するように配置された励磁手段と、前記測定対象物の表面及びその移動方向と平行な方向の磁場を検出するように配置された1つ以上の磁場検出手段と、該1つ以上の磁場検出手段が検出した磁場信号に基づき前記測定対象物の流速を算出する測定手段とを有する流速測定装置において、前記測定対象物の移動方向と平行な方向上の、前記励磁磁場の中心軸から前記磁場検出手段の距離より離れた位置に配置され、前記測定対象物の移動方向と平行な方向の磁場を検出する1つ以上の副磁場検出手段と、前記1つ以上の副磁場検出手段が検出した磁場信号に基づき前記測定対象物の表面の傾きに係る情報を求め、該情報をもとに前記測定手段が算出した測定対象物の流速を補正する補正手段とを備えたものである。
【0022】
本発明の請求項9に係る流速測定装置は、前記請求項8に係る流速測定装置において、前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、前記流速を算出するための磁場検出手段は、1つとして前記垂直な軸上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向における所定長さの範囲にもわたる磁場を検出するようにし、前記流速を補正するための副磁場検出手段は、2つとして前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点上に配置し、さらに各副磁場検出手段は測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲にわたる磁場を検出し、かつ前記垂直な軸から前記第1及び第2の各点までの距離が、前記垂直な軸から前記流速を算出するための磁場の検出範囲を2等分した各々の範囲の中心位置までの距離よりもそれぞれ大きくなるようにしたものである。
【0023】
本発明の請求項10に係る流速測定装置は、前記請求項8に係る流速測定装置において、前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、前記流速を算出するための磁場検出手段は、2つとしてそれぞれ前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲にわたる磁場を検出するようにし、前記流速を補正するための副磁場検出手段は、2つとして前記垂直な軸からの距離が前記第1及び第2の各点よりもそれぞれ遠方の、前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第3及び第4の各点上に配置し、かつ各副磁場検出手段は測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲にわたる磁場を検出するようにしたものである。
【0024】
本発明の請求項11に係る流速測定装置は、前記請求項8に係る流速測定装置において、前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、前記流速を算出するための磁場検出手段は、2つとしてそれぞれ前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲にわたる磁場を検出するようにし、前記流速を補正するための副磁場検出手段は、1つとして前記垂直な軸上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向における所定長さの範囲にわたる磁場を検出するようにし、さらに前記垂直な軸から前記流速を補正するための磁場の検出範囲を2等分した各々の範囲の中心位置までの距離が、前記垂直な軸から前記第1及び第2の各点までの距離よりも、それぞれ大きくなるようにしたものである。
【0025】
本発明の請求項12に係る流速測定装置は、前記請求項8に係る流速測定装置において、前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、前記流速を算出するための磁場検出手段は、1つとして前記垂直な軸上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向における所定長さの範囲にわたる磁場を検出するようにし、前記流速を補正するための副磁場検出手段は、1つとして前記垂直な軸上に配置し、かつ前記流速を算出するための磁場検出手段の検出範囲よりも、測定対象物の移動方向に平行な方向の長さが、長い範囲にわたる磁場を検出するようにしたものである。
【0026】
本発明の請求項13に係る流速測定装置は、前記請求項8から12までのいずれかの請求項に係る流速測定装置において、前記磁場検出手段及び副磁場検出手段のすべてを、前記測定対象面に対して垂直な軸と交差し、かつ測定対象物の移動方向と平行な直線上に配置するようにしたものである。
【0027】
本発明の請求項14に係る流速測定装置は、前記請求項8から13までのいずれかの請求項に係る流速測定装置において、前記磁場検出手段の検出範囲を、前記励磁磁場の中心軸付近とし、前記副磁場検出手段の検出範囲を、前記測定対象物の流速に対する磁場変化量の最も小さくなる範囲とするようにしたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する前に、まず本発明の流速測定方法および装置の動作原理について説明する。
(1)流速測定原理
ここでは元となる流速測定装置として図3のようなセンサヘッドを用いた場合について説明する。
このセンサヘッドは、図3のように、励磁装置として移動する導電性の測定対象体の上に、対象面に対しその中心軸が垂直となるように1つの励磁巻線Pを配置し、流速検出用の検出装置として、その励磁巻線Pと対象面の間に、2つの検出巻線S,Sを対象面および対象の移動方向にその中心軸が平行となり、かつ2つの検出巻線S,Sの中間点が励磁巻線Pの中心軸上にくるように配置したものである。このS,Sを以下、流速検出用の検出巻線と呼ぶ。
【0029】
ここで、励磁巻線Pに交流の励磁電流を供給し、対象面に対し垂直な磁場を励磁する。すると、前述の速度効果による誘導磁場Bv が生じる。この誘導磁場Bv は図5のように励磁巻線Pの直下の検出巻線の位置では対象面に平行となっており、このBv を、対象面に平行に配置した2つの検出巻線S,Sの和信号をとることで検出する。この検出したBv は対象の流速に対応しているので、これから対象の流速を測定することができる。
実際には検出巻線S,Sの出力信号を、ロックインアンプ等を用いて励磁電流と−90゜ずれた位相の成分を検波し、流速測定の元となる流速元信号とする(本来は励磁磁場即ち励磁電流と同位相の磁場成分を検波するが、ここでは磁場の検出に検出巻線を用いており、検出巻線で検出する磁場と検出巻線の検出電圧とに−90゜の位相差があるため、−90゜ずれた位相成分を検波する)。
【0030】
(2)波立ちの影響対策
波立ちにより装置下の対象面が傾いていると、先述のようにこの流速検出用の検出巻線S,Sの出力信号である流速元信号のオフセットが変化し、正確な流速測定が不可能となる。
そこで図3の様に新たに検出巻線S,Sを、その中心軸が流速検出用の検出巻線S,Sの中心軸と同じとなるように、かつ励磁装置の中心軸を中心として対称の位置に、S,Sの外側に近接して配置する(請求項1〜6、8〜13に対応)。
そしてこの検出巻線S,Sの和信号を、S,Sと同様に、ロックインアンプ等を用いて励磁電流と−90゜ずれた位相の成分を検波する。
【0031】
この新たな検出巻線S,Sは、流速検出用の検出巻線S,Sに近い位置で、S,Sと同じ方向の磁場を検出しているため、対象面の傾きによる渦電流磁場Be の変化の影響をS,Sとほぼ同じように受ける。そのためこのS,Sの和信号からS,Sの和信号つまり流速元信号の傾きによるオフセット分の変化を演算することができ、傾きによるオフセット分の変化を補正することが可能となる(補正法は図8,9及び図12,13で説明する)。
以下このS,Sのことを流速検出用の検出巻線S,Sに対応して、傾き検出用の検出巻線、その和信号の検波後の信号を傾き元信号と呼ぶ。
【0032】
図8に図3のセンサヘッドの対象面の傾きに対する流速元信号と傾き元信号の変化の様子を示す。
ここでは測定対象として、図6のようにSUS316製の板を用い、板を傾ける試験を行った。
試験の結果、図8の実線で示す流速元信号(S+S)、破線で示す傾き元信号(S+S)は、ともに傾きに対する変化はほぼ直線的であった。
【0033】
そこで、図8の傾き−流速元信号特性直線の勾配(特性直線の傾き)をAf 、傾き−傾き元信号特性直線の勾配(特性直線の傾き)をAs とすると、次の(2)式で決まる係数αを用いて、(3)式のようにすれば、傾きの影響を補正できることが分かる。
α=Af /As …(2)
(傾き補正後の信号)=(流速元信号)−α・(傾き元信号) …(3)
なお、図8で傾き0でも各信号が0となっていないが、これは対象面の傾きが0であっても、対象から渦電流磁場Be が生じており、これによるオフセット分である。この傾き0でのオフセット分は、対象面とのリフトオフにより一意に決まり、特願平8−255861号と同様に、何らかの方法でリフトオフを検出し補正することができる。
【0034】
(3)傾き検出用の検出巻線の最適位置
前記(2)で説明したように、傾き検出用の検出巻線S,Sと流速検出用の検出巻線S,Sとは、渦電流磁場Beに対する特性がほぼ同じとなるが、同様に速度効果による誘導磁場Bv に対してもほぼ特性が同じとなり、流速元信号から適当な係数をかけて傾き元信号を引くと、対象面の傾きの影響を補正することができる反面、流速に対する信号の大きさもまた低減してしまうという問題がある。
図9に対象の流速に対する流速元信号と傾き元信号の変化の様子を示す。
ここでは図7のようにSUS316製の円板を回転させ、その上に本装置のセンサヘッドを配置して各信号を測定した。図7の(a)はこの試験装置を正面からみた図、(b)は真上からみた図である。
図7の試験装置による試験の結果、図9の実線で示す流速元信号(S+S)、破線で示す傾き元信号(S+S)は、ともに対象の流速に対する変化はほぼ直線的で、両者の特性がほぼ等しいことが分かる。
【0035】
そこで、図8の流速−流速元信号特性直線の勾配(特性直線の傾き)をBf 、流速−傾き元信号特性直線の勾配(特性直線の傾き)をBs とし、係数βを次の(4)式とおき、
β=Bf /Bs …(4)
また係数kを次の(5)、(6)式とおくと、
Figure 0003575264
前記(3)式による(傾き補正後の流速に対する信号)の大きさは、補正前に比べ、1/kに低減する。たとえば図8,図9の特性を持つ装置の場合には、傾き補正後、流速に対する信号は、補正前に比べ約1/15に減衰してしまうこととなる。
【0036】
そこでここでは、傾き補正用の検出巻線と流速検出用の検出巻線との位置を変え、この流速信号の低減率を小さくすることを試みる。
いま、図10のように1つの検出巻線の位置を、巻線の中心軸を対象の流速方向と平行に保ったまま、流速の方向と平行な方向(X方向、X=0は励磁巻線中心軸上の点)に走査して、その検出巻線の出力信号における、流速特性直線の勾配(特性直線の傾き)B(Bf ,Bs に対応)および傾き特性直線の勾配(特性直線の傾き)A(Af ,As に対応)の変化の様子を調べ、その結果を図11に示す(図11ではX=0mmの値で正規化している)。
なお、図10の測定対象は、傾き特性の場合はSUS板、流速特性の場合はSUS円板とした。
【0037】
図10及び図11の結果から、以下のことが分かる。
(a)流速特性直線の勾配Bは励磁磁場中心軸付近が最大である。すなわち流速感度は中心軸付近が最大である。
(b)流速特性直線の勾配B、傾き特性直線の勾配A共に、励磁巻線の中心軸からの距離が離れると減少するが、流速特性直線の勾配Bの減衰率は傾き特性直線の勾配Aの減衰率に比べ大きく、Aよりも励磁巻線中心軸に近い点で0になる。よってB=0となる点(即ち対象物の流速に対する磁場変化量の最も小さくなる位置)に、傾き検出巻線を配置すれば、(6)式からk=1となり、流速感度を低下させることなく傾き補正を行うことができる。
【0038】
以上から、各検出巻線の最適な位置が以下であることが分かった(請求項7、14に対応)。
(a)流速検出用の検出巻線:可能な限り励磁磁場の中心軸に近い位置
(b)傾き検出用の検出巻線:流速特性直線の勾配Bが0となる位置
この最適な検出巻線配置は例えば図2のようになるが、この場合の流速元信号と傾き元信号の、対象面の傾きに対する変化の様子及び対象の流速の対する変化の様子を、それぞれ図12及び図13に示す。
【0039】
(4)リフトオフ変動の補正
本装置のセンサヘッドの流速検出位置と測定対象面との間の距離(即ちリフトオフ)が変化すると、傾きの影響補正後の信号に含まれる、傾き0でのリフトオフにより一意に決まるオフセット分が変化し、さらに本装置の流速感度が変化するが、後で説明する実施形態では、これらのリフトオフ変動の影響を、リフトオフを検出して補正する。ここでリフトオフの検出方法、リフトオフ変動の補正方法について簡単に説明する。
ここでは、特願平8−255861号と同様に、図2のように励磁巻線Pと対象面との間、およびそれと励磁巻線Pを中心に対称な位置に、励磁巻線Pと同軸に、対象面に対し垂直方向でそれぞれが同じ向きの磁場を検出するように2つの検出巻線S,Sを配置し、その差分信号からリフトオフの検出を行う。この検出巻線S,Sを以下リフトオフ検出用の検出巻線と呼ぶ。
【0040】
このとき図5のように対象面に対し流速測定用の励磁巻線により垂直に磁場が励磁されているので、この磁場により対象中に流れる渦電流Je によって、対象面に対し垂直な渦電流磁場Beが生じる。この渦電流磁場Be は、対象面との距離によって変化するので、この渦電流磁場を検出巻線S,Sで検出すれば、対象面との距離すなわちリフトオフを検出することができる。
さらにリフトオフを変化させたときに、この傾き0でのリフトオフにより一意に決まるオフセット分がどう変化するかという、リフトオフ−オフセット特性、および流速感度がどう変化するかという、リフトオフ−流速感度特性をあらかじめ測定しておき、この特性を元に検出したリフトオフ信号を用いて、リフトオフ変動の影響を補正する。
以上で本発明の流速測定方法及び装置の動作原理についての説明が終了したので、次に本発明の実施形態について説明する。
【0041】
実施形態1
図1は本発明の実施形態1に係る流速測定装置の構成図であり、図の装置は図2のような構成のセンサへッド1と、速測定回路30、傾き検出回路40、リフトオフ測定回路50及び補正回路70とからなる。
【0042】
センサヘッド1は、図2のように、移動する導電性の測定対象物体の上に、対象面に対しその中心軸が垂直となるようにセラミックス製丸パイプ2に巻いた励磁巻線Pを配置し、その励磁巻線Pと対象面との間にセラミックス製の丸棒3を、その中心軸が対象面および対象の移動方向と平行となるように配置し、この丸棒3に励磁巻線Pの中心軸を中心として対称の位置に、2つの流速検出用の検出巻線S,Sを隣接して巻き、さらにセラミックス製の丸パイプ2より外側に、励磁巻線の中心軸を中心として対称の位置に、2つの傾き検出用の検出巻線S,Sを巻、さらに励磁巻線Pを巻いたセラミックス製丸パイプ2に対し、励磁巻線Pと対象との間に1つ、およびそれと励磁巻線Pを挟んで対称な位置に1つ、計2つのリフトオフ検出用の検出巻線S,Sを巻いたものである。
なおここで用いた装置の場合は、図2の傾き検出用の検出巻線の位置がほぼ最適な位置であり、このS,Sの位置で、流速特性直線の勾配Bはほぼ0となる。
【0043】
流速測定回路30は図1のように、励磁回路10及び検出回路20からなる。励磁回路10は、発振器11及び定電流アンプ12からなる。また検出回路20は、ブリッジ回路21、バンドパスフィルタ22及びロックインアンプ23からなる。
励磁回路10は、励磁巻線Pに電流を流し、測定対象に磁場を励磁する。このため、発振器11により1Hz〜1kHz の正弦波を発生させ、定電流アンプ12を介して励磁巻線Pに励磁電流を供給する。ここでは励磁周波数は70Hzとした。
【0044】
流速検出用の検出巻線S,Sからの出力信号は、検出回路20に入る。ここで2つの検出巻線からの2信号はまずブリッジ回路21で加算されて、その和信号が算出される。このブリッジ回路21は、センサヘッド周囲に磁性あるいは導電性のもの、あるいは電磁場を発生するものがない状態で、その出力信号がゼロとなるようにあらかじめ調節しておく。このようにすることで、2つの検出巻線S,Sで検出してしまう不要な励磁磁場信号をキャンセルするようにブリッジ回路21を調整できる。
その調整後の信号は、励磁回路10の励磁電流の周波数を中心周波数とし、所定帯域幅のバンドパスフィルタ22により、不要帯域のノイズ信号をあらかじめ除去した後に、ロックインアンプ23によって、励磁回路10の励磁電流に対し−90°ずれた位相の成分が検波される。この検波用の基準位相信号(ref)が発振器11からロックインアンプ23に供給される。そしてロックインアンプ23による検波後の信号が流速測定の元となる流速元信号である。
【0045】
また傾き検出用の検出巻線S,Sからの出力信号は、傾き検出回路40に入る。傾き検出回路40はブリッジ回路41、バンドパスフィルタ42及びロックインアンプ43からなる。
ここで2つの検出巻線S,Sからの2信号はまずブリッジ回路41で加算され、その和信号が算出される。このブリッジ回路41は、センサヘッドの周囲に磁性あるいは導電性のもの、あるは電磁場を発生するものがない状態で、その出力信号がゼロとなるようにあらかじめ調節しておく。
この調整後の信号は励磁回路10の励磁電流の周波数を中心周波数とし、所定帯域幅のバンドパスフィルタ42により、不要帯域のノイズ信号をあらかじめ除去した後に、ロックインアンプ43によって、励磁回路10の励磁電流に対し−90°ずれた位相の成分が検波される。この検波用の基準位相信号が発振器11からロックインアンプ43に供給される。そしてロックインアンプ43による検波後の信号が傾き補正の元となる傾き元信号である。
【0046】
またリフトオフ検出用の検出巻線S,Sからの出力信号は、リフトオフ測定回路50に入る。リフトオフ測定回路50は、ブリッジ回路51、バンドパスフィルタ52及びロックインアンプ53からなる。
ここで2つの検出巻線S,Sからの信号はまずブリッジ回路51で減算され差分信号が算出される。このブリッジ回路51は、センサヘッドの周囲に磁性あるいは導電性のもの、あるいは電磁場を発生するものがない状態で、その出力信号がゼロとなるようにあらかじめ調節しておく。
その調整後の信号は励磁回路10の励磁電流の周波数を中心周波数とし、所定帯域幅のバンドパスフィルタ52により、ノイズ信号をあらかじめ除去した後に、ロックインアンプ53によって、励磁回路10の励磁電流に対し−180°ずれた位相の成分が検波される(本来は励磁磁場即ち励磁電流と−90°ずれた磁場成分を検波するが、ここでは磁場の検出に検出巻線を用いており、磁場と検出巻線の検出電圧とが−90°の位相差があるため、−180°ずれた位相成分が検波される)。この検波用の基準位相信号が発振器11からロックインアンプ53に供給される。そしてロックインアンプ53による検波後の信号がリフトオフ補正の元となるリフトオフ元信号である。
【0047】
その後、流速測定回路30の出力信号である流速元信号と、傾き検出回路40の出力信号である傾き元信号と、リフトオフ測定回路50の出力信号であるリフトオフ元信号とは補正回路70に入る。
この補正回路70は、A/D変換器71、コンピュータ72及びD/A変換器73からなる。補正回路70では、まずA/D変換器71により流速元信号と、傾き元信号と、リフトオフ元信号とをそれぞれA/D変換し、コンピュータ72に取り込む。そして以下の処理はコンピュータ72上でソフトウェアにより行う。
(1)コンピュータ上では、まずリフトオフ元信号からリフトオフを演算する。ここではあらかじめリフトオフを変えたときのリフトオフ元信号の変化の様子を測定しておき、このリフトオフ−リフトオフ元信号特性曲線をもとにリフトオフ元信号からリフトオフを演算している。
【0048】
(2)次に(3)式のように傾き元信号に係数αを掛け流速元信号から引いて、傾きの影響を補正する。ここでは係数αは一般にリフトオフにより変化するため、各リフトオフごとに図8,図12のような傾き特性をあらかじめ取得しておき、それから(2)式を用いて求める。
(3)続いて傾きの影響除外後の信号のリフトオフ変動の補正を行う。ここではまず、先に演算したリフトオフを元に、渦電流磁場Beによるオフセット分を演算し、これを傾きの影響除外後の信号から引く。ここではあらかじめリフトオフを変えたときの傾き補正後の信号に含まれるオフセットの変化の様子を測定しておき、このリフトオフ−オフセット特性曲線をもとにリフトオフからオフセット分を演算している。
【0049】
(4)次にオフセット分を差し引いた信号からリフトオフの変化に伴う流速感度変化分を補正し最終的な流速値を得る。ここではあらかじめリフトオフを変えたときの傾き補正後の信号の流速感度(対象の流速が0m/secと、1m/secの時での傾き補正後の信号の変化量)の様子を測定しておき、このリフトオフ−流速感度特性曲線をもとに、そのリフトオフでの流速感度を演算し、オフセット分を差し引いた後の信号をこの演算した流速感度で除算して、最終的な流速値を得る。
【0050】
前記実施形態1では、流速測定用のセンサヘッドとして、図2,3のような構成のもの(即ち磁場検出巻線の素子数を、流速検出用巻線がS,Sの2つ、傾き検出用巻線がS,Sの2つとし、このS〜Sのすべてを測定対象物の移動方向と平行な同一直線上に配置した構成のもの)を用いて説明をしたが、他の構成による数多くのセンサヘッドを実現することができる。
本発明の本質は、対象の流速と平行な方向の磁場を検出する検出装置で流速を検出し、それとはまた別の位置の対象の流速と平行な方向の磁場を検出する検出装置で傾きを検出して補正をする点であり、この条件を満たす様々な形態を含むものである。
【0051】
例えば、図14〜19の各々(b),(c),(d)に示されるように流速検出用の検出巻線のみを1つ(図示のS)とする、あるいは傾き検出用の検出巻線のみを1つ(図示のS)とする、または流速検出用巻線と傾き検出用巻線の両方をそれぞれ1つとしても、実施形態1の場合と同様の機能を得ることができる(請求項2,4,5,9,11,12に対応)。
このように流速検出用巻線や傾き検出用巻線を1つのみとした場合は、ブリッジ回路を通すことなく、各検出巻線の出力信号をロックインアンプなどに直接入力して検波すればよい。
なお、例えば図14の(c)のように長い巻線を使用した場合、ほぼその全長にわたる磁場の平均値を検出するが、その検出巻線が励磁磁場中心軸をまたがない場合は、その巻線の出力は、ほぼその巻線の中心位置の磁場の大きさに相当する。また検出巻線が励磁磁場中心軸をまたぐ場合は、励磁磁場中心軸上でその検出巻線を2つに分け、おのおのの中心位置の磁場の大きさを足し合わせた値に相当する出力信号が得られる。
【0052】
また、図14の(c),(d)、図15の(c),(d)のように、傾き検出用の検出巻線の上に流速検出用の検出巻線を巻いてもかまわない。
また流速検出用、傾き検出用の検出巻線が2つ以上あっても、それぞれの巻線の和信号をとれば構わない。
また図15,17,19のように傾き検出用の検出巻線を、セラミックス丸パイプの外側でなく、内側に流速検出用の検出巻線と隣接して配置しても構わない。
また図16〜19のように流速検出用の検出巻線と傾き検出用の検出巻線とを同軸の丸棒に巻かずに、別々に巻いても構わない。そして両者の対象面からの高さが違っていても構わない。
またすべての場合において、流速検出用の検出巻線と傾き検出用の検出巻線とを逆に配置しても良いが、これは(3)式の補正式を見ても明らかなように、流速検出用の検出巻線を傾き検出用の検出巻線として、傾き検出用の検出巻線を流速検出用の検出巻線として用いるだけで本質的には元の場合と変わらない。
【0053】
本発明のもう一つの本質は、傾き検出用の磁場の検出装置を、励磁磁場中心軸から対象の移動方向と平行な方向に沿って、流速検出用の磁場の検出装置よりも離すところにある(請求項7,14に対応)。
これは例えば、図14の(a)のように傾き検出用の検出巻線が2つ、流速検出用の検出巻線が2つの場合には、傾き検出用の検出巻線S,Sの中心位置は、励磁磁場中心軸からの距離が、流速検出用の検出巻線S,Sの中心位置よりも長くなるように、遠方に離せばよい。
また図15の(d)のように傾き検出用の検出巻線が1つ、流速検出用の検出巻線が1つの場合、傾き検出用の検出巻線Sの長さ(図の水平方向の長さ)を流速検出用の検出巻線Sよりも長くとればよい。
この場合、双方の検出巻線とも励磁磁場中心軸をまたいでいるため、先に説明したように、双方の検出巻線を励磁磁場中心軸で2つに分けて考えればよいが、すると図15の(d)の構成は、同図の(e)とほぼ同じとなり、よって傾き検出用の磁場の検出装置は、流速検出用の磁場の検出装置よりも、励磁磁場中心軸より離れた位置となる。
また図16〜図19の構成は、流速検出用の検出巻線と傾き検出用の検出巻線とを、それぞれ別個のセラミックス製丸棒に巻いて、測定対象面からの高さが異なる位置に配置したが、各々のセラミックス製丸棒を測定対象面からの高さが同一で、各々の中心軸が流速の方向と平行になるように測定対象面に対して水平に並べて(図の前面と背面に水平に並べて)配置してもよい。
【0054】
前記図14〜19に示した多くのセンサヘッドの構成例のうちから、磁場検出巻線の素子数とその配置により分類した実施形態を以下に示す。なおこのセンサヘッドの構成により分類した実施形態においては、前記説明と重複する部分も含まれる。
実施形態2
実施形態2は、例えば図14の(b)、図15の(b)、図16の(b)、図17の(b)、図18の(b)、または図19の(b)に示されるように、流速検出用巻線はSの1つとし、傾き検出用巻線はSの両側に設けたS,Sの2つとするセンサヘッドの構成である(請求項2,9に対応)。
本実施形態2における各検出巻線の配置及びその検出範囲は次の通りである。まず測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、励磁巻線Pによる励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、単一の流速検出用巻線Sは、前記垂直な軸上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向における所定長さの範囲にわたる磁場を検出するようにし、2つの傾き検出用巻線S,Sは、前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点上に配置し、さらに各傾き検出用巻線S,Sは測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲にわたる磁場を検出し、かつ前記垂直な軸から前記第1及び第2の各点までの距離が、前記垂直な軸から前記流速を算出するための磁場の検出範囲を2等分した各々の範囲の中心位置までの距離よりもそれぞれ大きくなるようにする。
【0055】
実施形態3
実施形態3は 例えば図2と重複する図14の(a)、図3と重複する図15の(a)、図16の(a)、図17の(a)、図18の(a)、または図19の(a)に示されるように、流速検出用巻線はS,Sの2つとし、傾き検出用巻線はS,Sの両側に設けたS,Sの2つとするセンサヘッドの構成である(請求項3,10に対応)。
本実施形態3における各検出巻線の配置及びその検出範囲は次の通りである。
まず前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、励磁巻線Pによる励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、2つの流速検出用巻線S,Sは、それぞれ前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲にわたる磁場を検出するようにし、2つの傾き検出用巻線S,Sは、前記垂直な軸からの距離が前記第1及び第2の各点よりもそれぞれ遠方の、前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第3及び第4の各点上に配置し、かつ各傾き検出用巻線S,Sは測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲にわたる磁場を検出するようにする。
【0056】
実施形態4
実施形態4は 例えば図14の(c)、図15の(c)、図16の(c)、図17の(c)、図18の(c)、または図19の(c)に示されるように、流速検出用巻線はS,Sの2つとし、傾き検出用巻線は、S,Sを包含する検出範囲よりも測定対象物の移動方向と平行な方向に長い検出範囲をもつSの1つとするセンサヘッドの構成である(請求項4,11に対応)。
本実施形態4における各検出巻線の配置及びその検出範囲は次の通りである。
まず前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、励磁巻線Pによる励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、2つの流速検出用巻線S,Sは、それぞれ前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲にわたる磁場を検出するようにし、単一の傾き検出用巻線のSは、前記垂直な軸上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向における所定長さの範囲にわたる磁場を検出するようにし、さらに前記垂直な軸から前記傾き検出用巻線Sの磁場の検出範囲を2等分した各々の範囲の中心位置までの距離が、前記垂直な軸から前記第1及び第2の各点までの距離よりも、それぞれ大きくなるようにする。
【0057】
実施形態5
実施形態5は 例えば図14の(d)、図15の(d)、図16の(d)、図17の(d)、図18の(d)、または図19の(d)に示されるように、流速検出用巻線はSの1つとし、傾き検出用巻線は、Sの検出範囲よりも測定対象物の移動方向と平行な方向に長い検出範囲をもつSの1つとするセンサヘッドの構成である(請求項5,12に対応)。
本実施形態5における各検出巻線の配置及びその検出範囲は次の通りである。
まず前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、励磁巻線Pによる励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、単一の流速検出用巻線Sは、前記垂直な軸上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向における所定長さの範囲にわたる磁場を検出するようにし、単一の傾き検出用巻線Sも、前記垂直な軸上に配置し、かつ流速検出用巻線Sの磁場検出範囲よりも、測定対象物の移動方向に平行な方向の長さが、長い範囲にわたる磁場を検出するようにする。
【0058】
実施形態6
実施形態6は 例えば図2と重複する図14の(a)及び図14の(b),(c),(d)、図3と重複する図15の(a)及び図15の(b),(c),(d)に示すように、流速検出用巻線及び傾き検出用巻線のすべてを、前記測定対象面に対して垂直な軸と交差し、かつ測定対象物の移動方向と平行な直線上に配置するようにしたものである(請求項6,13に対応)。
【0059】
実施形態7
実施形態7は 図2と重複する図14の(a)もしくは(b)、図16の(a)もしくは(b)、または図18の(a)もしくは(b)に示されるように、また段落[0037]及び[0038]で説明したように、流検出用巻線S及びS、またはSの磁場検出範囲を、励磁巻線Pによる励磁磁場の中心軸付近とし、傾き検出用巻線S,Sの磁場検出範囲を、前記測定対象物の流速に対する磁場変化量の最も小さくなる範囲とするようにしたものである(請求項7,14に対応)。
【0060】
その他の実施形態
実施形態1では、流速検出用巻線と、傾き検出用巻線の直径を同一としているが、両者が異なる直径であってもよい。
また実施形態1では、流速検出用、傾き検出用の検出装置は、いずれもセラミックス製のボビンに巻線を巻いた空心タイプのものを用いていたが、フェライト等の磁性体に巻線を巻いた磁心タイプのものを用いてもかまわない。
また磁気検出手段として、検出巻線でなくホール素子等の他の磁気センサを使用してもよい。
さらに、ここでは補正回路70はコンピュータ上のソフトウェアで処理した例を示したが、ソフトウェアの代わりにハードウェア(例えば適当なアナログ回路等)を用いて処理してもかまわない。
また各検出巻線からの信号を検波するのに、ここではロックインアンプを用いた例で説明したが、各信号の求めたい位相の成分を検出できれば、ロックインアンプでなくてもよく、例えば代わりに同期検波器などを用いても良い。
【0061】
次に、実施形態1の構成による本流速測定装置(図2の構成のセンサベッド1と、図1の流速測定回路30、傾き検出回路40、リフトオフ測定回路50及び補正回路70とからなる装置)を用いて、波立ち補正の確認試験を行った結果を示す。
試験装置としては、図20のようにSUS316製の円板を斜めに回転軸に固定させ、その上に本装置のセンサヘッド1を配置して、波立ちを模擬した試験を行った。図20の(a)はこの試験装置を正面からみた図、(b)は真上からみた図である。
この試験では、まず本装置を周囲に磁性、導電性のもの、あるいは電磁場を発生するもののない場所に置き、流速測定回路30、傾き検出回路40及びリフトオフ測定回路50中の各ブリッジ回路21,41及び51を調節し、続いて停止したSUS円板上に配置する。
次に円板を回転させ、しばらくおいて円板を止め、再び装置をSUS円板上から外し、周囲に磁性、導電性のもの、あるいは電磁場を発生するもののない場所に置いた。
【0062】
図21は図20の試験装置を用いた波立ち補正の確認試験結果例を示す図である。なお、図21の横軸は時間(単位は秒)である。
図21の(a)は円板回転速度から求めた測定対象の速度を示しており、(b)はリフトオフを超音波距離計をもとに測定した値を示している。また同図の(c)は流速検出用の検出巻線の出力信号に相当する流速元信号を示しており、(d)は傾き検出コイルの出力信号である傾き元信号を示している。
そして図21の(e)が測定対象面の傾きおよびリフトオフ変動の補正後の本装置の最終出力である流速値であり、(a)と(e)の両者の波形はほぼ同一である。
このように、傾き補正前は、波による対象面の傾きの変化により流速値が大きく変化しているが、傾き補正によりその変化が無くなり、対象の速度に対応した高精度の流速信号が得られ、かつ安定して速度の検出ができていることがわかる。
【0063】
図23は本流速測定装置の波立ち補正の確認試験を行ったもう一つの結果を示す図である。
ここでは低融点合金(ウッドメタル)を溶解し、図22のような長細い容器に入れ、容器の長手方向に本装置センサベッド1の検出巻線の中心軸が平行となる(即ち本装置の流速検知方向と容器の長手方向が平行となる)ように、低融点合金の上に本装置を配置した。
ここで容器の片端に板を入れて動かし、低融点合金の湯面に波を発生させた。なお本試験では低融点合金の流速は零である。
この試験では、まず本装置を周囲に磁性、導電性のもの、あるいは電磁場を発生するもののない場所に置き、流速測定回路30、傾き検出回路40及びリフトオフ測定回路50中の各ブリッジ回路21,41及び51を調節し、続いて低融点合金上に本装置を配置し、板で波を生成した。なお図23には既に本装置を低融点合金上に配置した状態からの信号の様子のみを記載している。
【0064】
図23の(a)はリフトオフを超音波距離計をもとに測定した値を示している。なお、各図の横軸はそれぞれ時間(単位は秒)を示している。
図23の(b)は流速検出用の検出巻線の出力信号に相当する流速元信号を示しており、(c)は傾き検出コイルの出力信号である傾き元信号を示している。図23(d)は測定対象面の傾きおよびリフトオフ変動補正後の本装置の最終出力である流速値である。
このように、傾き補正前は、波による対象面の傾きの変化により流速値が大きく変化しているが、傾き補正によりその変化が無くなり、対象の速度に対応した流速信号が得られ、安定して速度の検出ができていることがわかる。
【0065】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、移動する導電性の測定対象物の表面に対し垂直な磁場を印加するように配置された励磁手段と、前記測定対象物の表面及びその移動方向と平行な方向の磁場を検出するように配置された1つ以上の磁場検出手段と、該1つ以上の磁場検出手段が検出した磁場信号に基づき前記測定対象物の流速を算出する測定手段とを有する流速測定方法及び装置において、前記測定対象物の移動方向と平行な方向上の、前記励磁磁場の中心軸から前記磁場検出手段の距離より離れた位置に配置され、前記測定対象物の移動方向と平行な方向の磁場を検出する1つ以上の副磁場検出手段と、前記1つ以上の副磁場検出手段が検出した磁場信号に基づき前記測定対象物の表面の傾きに係る情報を求め、該情報をもとに前記測定手段が算出した測定対象物の流速を補正する補正手段とを備えるようにしたので、測定対象面に波立ちがあったり、対象面が傾いていても安定して流速の測定が可能となる。
【0066】
また本発明によれば、流速を測定するための前記磁場検出手段の検出範囲を、前記励磁磁場の中心軸付近とし、傾きに係る情報を得るための前記副磁場検出手段の検出範囲を、前記測定対象物の流速に対する磁場変化量の最も小さくなる範囲とするようにしたので、傾きの補正精度が良く、その結果精度の高い流速値を得ることができる。
【0067】
また本発明によれば、流速を測定するための前記磁場検出手段の素子数を1つ以上とし、また傾きに係る情報を得るための前記副磁場検出手段の素子数を1つ以上として、それぞれの素子数を組合せて多型式のセンサヘッドを構成することができるので、測定対象物の種類に応じて適当な型式のセンサヘッドを選択して測定することができ、本発明の適用範囲が拡大した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る流速測定装置の構成図である。
【図2】図1のセンサヘッドの構成図(最適化後)である。
【図3】本発明に係るセンサヘッドの別の構成図(最適化前)である。
【図4】測定対象の波立ち影響の説明図である。
【図5】流速およびリフトオフ検出の原理説明図である。
【図6】傾き特性の取得方法の説明図である。
【図7】流速特性の取得方法の説明図である。
【図8】傾き特性の例を示す図である。
【図9】流速特性の例を示す図である。
【図10】検出装置の位置による傾き、流速特性の取得方法の説明図である。
【図11】傾き特性直線の勾配および流速特性直線の勾配の説明図である。
【図12】最適化後の傾き特性の例を示す図である。
【図13】最適化後の流速特性の例を示す図である。
【図14】本発明に係るセンサヘッドの別の構成図(1)である。
【図15】本発明に係るセンサヘッドの別の構成図(2)である。
【図16】本発明に係るセンサヘッドの別の構成図(3)である。
【図17】本発明に係るセンサヘッドの別の構成図(4)である。
【図18】本発明に係るセンサヘッドの別の構成図(5)である。
【図19】本発明に係るセンサヘッドの別の構成図(6)である。
【図20】波立ち補正の確認試験方法(その1)の説明図である。
【図21】図20の波立ち補正の確認試験結果例を示す図である。
【図22】波立ち補正の確認試験方法(その2)の説明図である。
【図23】図22の波立ち補正の確認試験結果例を示す図である。
【図24】連続鋳造の説明図である。
【図25】接触式による従来の高温液体金属の流速測定装置の説明図である。
【図26】磁場の速度効果及び渦電流の影響に関する説明図である。
【図27】従来の磁気を用いた高温液体金属用非接触流速測定装置(その1)の説明図である。
【図28】従来の磁気を用いた高温液体金属用非接触流速測定装置(その2)の説明図である。
【図29】従来の磁気を用いた高温液体金属用非接触流速測定装置(その3)の説明図である。
【図30】従来の磁気を用いた高温液体金属用非接触流速測定装置の測定原理説明図である。
【図31】従来の磁気を用いた高温液体金属用非接触流速測定装置におけるリフトオフ検出方法の説明図である。
【図32】従来の磁気を用いた高温液体金属用非接触流速測定装置のセンサヘッドの構成図である。
【符号の説明】
1 センサヘッド
2 セラミックス製丸パイプ
3 セラミックス製丸棒
,S 流速検出用検出巻線
,S 傾き検出用検出巻線
,S リフトオフ検出用検出巻線
10 励磁回路
11 発振器
12 定電流アンプ
20 検出回路
21,41,51 ブリッジ回路
22,42,52 バンドパスフィルタ
23,43,53 ロックインアンプ
30 流速測定回路
40 傾き検出回路
50 リフトオフ測定回路
70 補正回路
71 A/D変換器
72 コンピュータ
73 D/A変換器

Claims (14)

  1. 移動する導電性の測定対象物の表面に対し垂直な磁場を励磁し、前記測定対象物の表面及びその移動方向と平行な方向の磁場を1箇所以上の範囲で検出し、該1箇所以上の範囲で検出した磁場信号に基づき前記測定対象物の流速を算出する流速測定方法において、
    前記励磁磁場の中心軸から前記測定対象物の移動方向と平行な方向に沿って、前記流速を測定するための磁場の検出範囲に対して、より離れた1箇所以上の範囲で、前記測定対象物の移動方向と平行な方向の磁場を検出し、該検出した磁場信号に基づき前記測定対象物の表面の傾きに係る情報を求め、該情報をもとに前記算出した測定対象物の流速を補正することを特徴とする流速測定方法。
  2. 前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、
    前記流速を算出するための磁場の検出範囲を、前記垂直な軸上の点を中心とした測定対象物の移動方向に平行な方向における所定長さの範囲とし、
    前記流速を補正するための磁場の検出範囲を、前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点を中心とした、測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲とし、かつ前記垂直な軸から前記第1及び第2の各点までの距離が、前記垂直な軸から前記流速を算出するための磁場の検出範囲を2等分した各々の範囲の中心位置までの距離よりもそれぞれ大きいことを特徴とする請求項1記載の流速測定方法。
  3. 前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、
    前記流速を算出するための磁場の検出範囲を、前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点を中心とした、測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲とし、
    前記流速を補正するための磁場の検出範囲を、前記垂直な軸からの距離が前記第1及び第2の各点よりもそれぞれ遠方の、前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第3及び第4の各点を中心とし、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲とすることを特徴とする請求項1記載の流速測定方法。
  4. 前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、
    前記流速を算出するための磁場の検出範囲を、前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点を中心とした、測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲とし、
    前記流速を補正するための磁場の検出範囲を、前記垂直な軸上の点を中心とした測定対象物の移動方向に平行な方向における所定長さの範囲とし、かつ前記垂直な軸から前記流速を補正するための磁場の検出範囲を2等分した各々の範囲の中心位置までの距離が、前記垂直な軸から前記第1及び第2の各点までの距離よりも、それぞれ大きいことを特徴とする請求項1記載の流速測定方法。
  5. 前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、
    前記流速を算出するための磁場の検出範囲を、前記垂直な軸上の点を中心とした測定対象物の移動方向に平行な方向における所定長さの範囲とし、
    前記流速を補正するための磁場の検出範囲を、前記垂直な軸上の点を中心とした、前記流速を算出するための磁場の検出範囲よりも、測定対象物の移動方向に平行な方向の長さが、長い範囲とすることを特徴とする請求項1記載の流速測定方法。
  6. 前記流速を算出するための磁場の検出範囲及び流速を補正するための磁場の検出範囲のすべてを、
    前記測定対象面に対して垂直な軸と交差し、かつ測定対象物の移動方向と平行な直線上に設けるようにしたことを特徴とする請求項1から5までのいずれかの請求項に記載の流速測定方法。
  7. 前記流速を算出するための磁場の検出範囲を、前記励磁磁場の中心軸付近とし、
    前記流速を補正するための磁場の検出範囲を、前記測定対象物の流速に対する磁場変化量の最も小さくなる範囲とするようにしたことを特徴とする請求項1から6までのいずれかの請求項に記載の流速測定方法。
  8. 移動する導電性の測定対象物の表面に対し垂直な磁場を印加するように配置された励磁手段と、前記測定対象物の表面及びその移動方向と平行な方向の磁場を検出するように配置された1つ以上の磁場検出手段と、該1つ以上の磁場検出手段が検出した磁場信号に基づき前記測定対象物の流速を算出する測定手段とを有する流速測定装置において、
    前記測定対象物の移動方向と平行な方向上の、前記励磁磁場の中心軸から前記磁場検出手段の距離より離れた位置に配置され、前記測定対象物の移動方向と平行な方向の磁場を検出する1つ以上の副磁場検出手段と、
    前記1つ以上の副磁場検出手段が検出した磁場信号に基づき前記測定対象物の表面の傾きに係る情報を求め、該情報をもとに前記測定手段が算出した測定対象物の流速を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする流速測定装置。
  9. 前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、
    前記流速を算出するための磁場検出手段は、1つとして前記垂直な軸上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向における所定長さの範囲にわたる磁場を検出するようにし、
    前記流速を補正するための副磁場検出手段は、2つとして前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点上に配置し、さらに各副磁場検出手段は測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲にわたる磁場を検出し、かつ前記垂直な軸から前記第1及び第2の各点までの距離が、前記垂直な軸から前記流速を算出するための磁場の検出範囲を2等分した各々の範囲の中心位置までの距離よりもそれぞれ大きくなるようにしたことを特徴とする請求項8記載の流速測定装置。
  10. 前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、
    前記流速を算出するための磁場検出手段は、2つとしてそれぞれ前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲にわたる磁場を検出するようにし、
    前記流速を補正するための副磁場検出手段は、2つとして前記垂直な軸からの距離が前記第1及び第2の各点よりもそれぞれ遠方の、前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第3及び第4の各点上に配置し、かつ各副磁場検出手段は測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲にわたる磁場を検出するようにしたことを特徴とする請求項8記載の測定流速装置。
  11. 前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、
    前記流速を算出するための磁場検出手段は、2つとしてそれぞれ前記平面内で前記垂直な軸に対して励磁磁場が線対称となる第1及び第2の各点上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向におけるそれぞれ等しい長さの範囲にわたる磁場を検出するようにし、
    前記流速を補正するための副磁場検出手段は、1つとして前記垂直な軸上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向における所定長さの範囲にわたる磁場を検出するようにし、さらに前記垂直な軸から前記流速を補正するための磁場の検出範囲を2等分した各々の範囲の中心位置までの距離が、前記垂直な軸から前記第1及び第2の各点までの距離よりも、それぞれ大きくなるようにしたことを特徴とする請求項8記載の流速測定装置。
  12. 前記測定対象物の移動方向に平行で測定対象物の表面に垂直な平面内で、前記励磁磁場が線対称となる測定対象面に対して垂直な軸を選択し、
    前記流速を算出するための磁場検出手段は、1つとして前記垂直な軸上に配置し、かつ測定対象物の移動方向に平行な方向における所定長さの範囲にわたる磁場を検出するようにし、
    前記流速を補正するための副磁場検出手段は、1つとして前記垂直な軸上に配置し、かつ前記流速を算出するための磁場検出手段の検出範囲よりも、測定対象物の移動方向に平行な方向の長さが、長い範囲にわたる磁場を検出するようにしたことを特徴とする請求項8記載の流速測定装置。
  13. 前記磁場検出手段及び副磁場検出手段のすべてを、前記測定対象面に対して垂直な軸と交差し、かつ測定対象物の移動方向と平行な直線上に配置するようにしたことを特徴とする請求項8から12までのいずれかの請求項に記載の流速測定装置。
  14. 前記磁場検出手段の検出範囲を、前記励磁磁場の中心軸付近とし、
    前記副磁場検出手段の検出範囲を、前記測定対象物の流速に対する磁場変化量の最も小さくなる範囲とするようにしたことを特徴とする請求項8から13までのいずれかの請求項に記載の流速測定装置。
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