JPH08208228A - 無定形酸化チタンゾルの製造方法 - Google Patents
無定形酸化チタンゾルの製造方法Info
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- JPH08208228A JPH08208228A JP1332195A JP1332195A JPH08208228A JP H08208228 A JPH08208228 A JP H08208228A JP 1332195 A JP1332195 A JP 1332195A JP 1332195 A JP1332195 A JP 1332195A JP H08208228 A JPH08208228 A JP H08208228A
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Abstract
する無定形酸化チタンの水性ゾルを簡易且つ効率的に製
造する方法を提供すること。 【構成】 0.5〜10重量%のTiO2濃度のチタン塩水溶液
に、1分間当たり、このチタン塩の酸根1当量に対して
0.033〜2当量の割合のアルカリを40〜75℃で添加する
ことにより、pH 4.5〜6.5 の析出水酸化チタンのスラリ
ーを形成させる工程、このスラリーから不純物と水とを
除去して析出水酸化チタンを回収する工程、及び水性媒
体と回収した析出水酸化チタンとこの析出水酸化チタン
1モルに対して0.05〜0.50当量の酸とからTiO2濃度1〜
45重量%の反応混合物を形成させ、氷点〜沸点でこの反
応混合物中の析出水酸化チタンと酸とを反応させること
により、20〜300 nmの粒子径を有する無定形酸化チタン
の水性ゾルを形成させる工程からなる無定形酸化チタン
の水性ゾルの製造方法。
Description
安定なゾルの製造方法に関する。このゾルのコロイド状
無定形酸化チタン粒子は、動的光散乱法で測定される20
〜300 nmの粒子径と高い活性を有するので、このゾルは
バインダーその他種々の用途に使用される。
いるように、無定形酸化チタンの水性ゾルの製造方法と
しては、チタン塩の水溶液に陰イオン交換体を接触させ
る方法が一般に知られている。特開昭 62-283817号公報
は更に、塩化チタン、硫酸チタンなどのチタン塩水溶液
に、アンモニア水等のアルカリを加えて pH 8.5 に中和
することにより、チタニアゲルを生成させる方法も開示
し、これらチタニアのゾル又はゲルに過酸化水素を添加
してチタニアを溶解した後、この溶液にチタニアゾルを
加えて加熱しながら加水分解すると、短軸の長さに対し
て長軸の長さが2倍以上である細長い形状を有するアナ
ターゼ型結晶質チタニアのゾルが得られることを開示し
ている。
等のチタン塩水溶液に炭酸アンモニウム等のアンモニウ
ム水溶液を加えることによりゲルを生成させ、次いでこ
のゲルを水洗及びろ過することにより TiO2 18% のゲル
を生成させ、そしてこのゲルを100 ℃以下、例えば95℃
で、48時間処理することにより無定形酸化チタンゾルが
得られることが示されている。特公平 2-62498号公報は
更に、上記のように水洗及びろ過により得られたゲルを
100 ℃以上で加熱した後、酸を添加することによりアナ
ターゼ型結晶質酸化チタンゾルを製造する方法も開示し
ている。
チタニアのゾル及びその製造法は、上記のように特開昭
62-283817号公報、特公平 2-62498号公報などに開示さ
れているが、そのチタニア粒子の活性は十分でなく、触
媒の用途では場合によっては高活性触媒を得難く、また
バインダーの用途においても高強度結合剤を得難い。こ
れに対して、無定形酸化チタンゾルのコロイド状無定形
チタニア粒子は高い活性を有し、触媒、バインダーなど
の用途では高い性能を発揮する。
接触させることによる無定形酸化チタンの水性ゾルの製
造方法では、安定な工業製品としての無定形酸化チタン
の水性ゾルを得難い。また、上記特公平 2-62498号公報
に記載のように、水洗及びろ過されたチタニアゲルを10
0 ℃以下、例えば95℃で加熱処理する方法もやはり、安
定な工業製品としての無定形酸化チタンの水性ゾルを得
難い。
ンの水性ゾルとしては、安定性の他に低粘度及び高い光
透過率を有することも望まれている。本発明はこのよう
な改良された無定形酸化チタンの水性ゾルを簡易、且つ
効率的に製造する方法を提供しようとするものである。
タンゾルの製造方法は、TiO2として 0.5〜10重量%の濃
度を有する水溶性チタン塩の水溶液を40〜75℃に保ちな
がら、当該チタン塩の水溶液に、このチタン塩に含まれ
る酸根1当量に対して 0.033〜2当量の割合の水溶性ア
ルカリを1分間で添加する速さで当該アルカリを添加す
ることにより、 4.5〜6.5 のpHを有する析出水酸化チタ
ンの水性スラリーを形成させる (a)工程、 (a)工程で得
られた析出水酸化チタンの水性スラリーからその中に含
まれる不純物と水とを除去することにより、析出水酸化
チタンを回収する (b)工程、及び水性媒体と (b)工程で
得られた析出水酸化チタンとこの析出水酸化チタン1モ
ルに対して0.05〜0.50当量の割合の水溶性酸とを混合す
ることにより、当該析出水酸化チタンをTiO2として1〜
45重量%の濃度に含有する反応混合物を形成させ、そし
てこの反応混合物の温度を氷点〜沸点に保ちながら、20
〜300 nmの粒子径を有する無定形酸化チタンをTiO2とし
て1〜45重量%の濃度に含有する水性ゾルが形成される
までこの反応混合物中の析出水酸化チタンと水溶性酸と
を反応させる (c)工程からなる。
ては、四塩化チタン、塩基性塩化チタン、硫酸チタン、
塩基性硫酸チタン、硝酸チタン、塩基性硝酸チタン、或
いはこれらの混合物などが例示され、これらチタン塩は
水溶液として用いるのが好ましい。特に工業製品として
入手し易い塩基性塩化チタンの水溶液、塩基性硫酸チタ
ンの水溶液は好適である。このチタン塩の好ましい水溶
液は、チタン塩をTiO2として 0.5〜10重量%、特に3〜
7重量%の濃度に含有する。
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチ
ウム、水酸化アンモニウムなどの水溶性無機塩基、n−
プロピルアミン、イソプロピルアミン、モノエタノール
アミン、トリエタノールアミンなどの水溶性アミン類、
テトラメチルアンモニウム水酸化物、テトラエタノール
アンモニウム水酸化物、ジメチルジエタノールアンモニ
ウム水酸化物などの水溶性水酸化第四級アンモニウム類
などの有機塩基が例示され、これら塩基は混合して使用
してもよい。これら塩基は、5〜50重量%濃度の水溶液
として使用するのが好ましい。
〜75℃、好ましくは45〜65℃に維持され、この温度のチ
タン塩の水溶液に、好ましくは攪拌下上記アルカリが添
加される。このアルカリの添加により、水酸化チタンが
水性媒体中に析出し、析出水酸化チタンの水性スラリー
が形成される。そしてこのアルカリは、析出水酸化チタ
ンの水性スラリーが 4.5〜6.5 のpH、好ましくは 5.0〜
6.0 のpHを有するような量添加される。このアルカリの
添加は、1分間当たり、上記チタン塩の水溶液のチタン
塩に含まれる酸根1当量に対して 0.033〜2当量、好ま
しくは 0.066〜1当量の速さで行われる。このアルカリ
の添加方法は、連続的、間欠的のいずれでもよいが、連
続的添加方法が好ましい。
ラリーをそのまま (b)工程に回付してもよいが、形成さ
れた析出水酸化チタンの水性スラリーを、更に40〜80℃
で熟成するのが好ましい。この熟成としては、高い温度
程短時間の、例えば80℃では3時間程度の熟成が好まし
い。(b)工程では、 (a)工程で得られた析出水酸化チタ
ンの水性スラリーから、そのスラリー中の不純物と水を
除去することにより、析出水酸化チタンが回収される。
回収される析出水酸化チタンは、乾燥状態でもよいが、
湿潤ケーキ状が好ましい。上記不純物の除去は、析出水
酸化チタンをTiO2として 3.7重量%含有する析出水酸化
チタンの水性スラリーが10 mS/cm以下、好ましくは5 m
S/cm以下の電気伝導度を示す程度に行われる。
スラリーをろ過、遠心分離などの方法で析出水酸化チタ
ンを湿潤ケーキ状で回収し、このケーキを解砕して水洗
する方法、或いは上記スラリーから、好ましくは水を供
給しながら不純物を水と一緒に限外ろ過膜を通して除い
た後、ろ過、遠心分離などの方法で析出水酸化チタンを
湿潤ケーキ状で回収する方法などが例示される。上記水
洗或いは供給に用いられる水としては工業用水でもよい
が、なるべく純度の高い、例えば脱イオン水、蒸留水な
どが好ましく、そして冷水よりも温水の方が好ましい。
特に、湿潤ケーキがアルカリを含有するときは、例えば
硝酸などの酸の希薄水溶液で、或いは湿潤ケーキが酸を
含有するときは、例えばアンモニア水などのアルカリの
希薄水溶液で洗浄するのが好ましい。また、湿潤ケーキ
中の酸やアルカリを除くのに、例えば炭酸アンモニウム
水溶液などの塩の希薄水溶液で洗浄する方法も好まし
い。
通常の工業用水でもよいが、例えば脱イオン水、蒸留水
などなるべく純度の高い水が好ましい。 (c)工程に用い
られる水溶性の酸としては、塩酸、硝酸、りん酸、ぎ
酸、酢酸、蓚酸等が例示されるが、特に塩酸、硝酸等が
好ましい。(c)工程では、水性媒体と、 (b)工程で得ら
れた析出水酸化チタンと、上記酸とを混合することによ
り、反応混合物が形成される。この反応混合物中の析出
水酸化チタンの濃度は、TiO2として1〜45重量%、特に
5〜30重量%程度が好ましい。混合される上記酸の量
は、反応混合物中の析出水酸化チタンのTiO21モルに対
して0.05〜0.5 当量、特に 0.1〜0.3 当量が好ましい。
この反応混合物中、析出水酸化チタンと上記酸とを、好
ましくは攪拌下に、その氷点〜沸点の温度、好ましくは
40〜80℃で反応させるのが好ましい。
粒子径を有するコロイド状無定形酸化チタンの粒子が生
成し、析出水酸化チタンの残存量がなるべく少なくなる
まで、好ましくは析出水酸化チタンの全量が消失してコ
ロイド性乳白色の水性ゾルが生成するまで続けられる。
この反応は、反応混合物中TiO2濃度が低い程、そして高
い温度程短い時間で終了させることができ、例えば、Ti
O2濃度15重量%の反応混合物のときには、20℃では約2
日間、80℃では約3時間で終了させることができる。コ
ロイド状無定形酸化チタン粒子の粒子径は、動的光散乱
法により平均粒子径として容易に測定することができ
る。
は、そのまま工業製品として提供することができるが、
所望に応じ、TiO2として最大45重量%の濃度まで濃縮し
た水性ゾルも製品として提供することができる。
の大きな粒子が酸によって解膠され、酸化チタンのコロ
イド状粒子が生成する反応である。この反応により無定
形の酸化チタンが生成するのは、 (a)工程で生成した析
出水酸化チタンの粒子が既に無定形水酸化チタンの構造
を有し、 (b)工程でも結晶化が起こらずに無定形水酸化
チタンとして回収され、そして (c)工程においても無定
形の水酸化チタンとして反応することによるものと考え
られる。
塩と反応して水酸化チタンと副生の塩とを液中に生成さ
せるが、この生成水酸化チタンを沈澱性の凝集物として
析出させるには、液に 4.5以上のpHを与える量のアルカ
リを加える必要がある。けれども、液に 6.5以上のpHを
与える量のアルカリを加えると、 (b)工程において除去
すべき電解質の量が増大し、効率的でない。このアルカ
リの添加速度が、1分間当たり、液中チタン塩の酸根1
当量に対して 0.033当量以下では、結晶質の水酸化チタ
ンが析出し易い。このアルカリの添加速度が大きい程効
率的であるが、1分間当たり、液中チタン塩の酸根1当
量に対して2当量以上にも大きいと、やはり結晶質の水
酸化チタンが析出し易い。このアルカリの添加終了まで
に、長い時間を置いて間欠的にアルカリを添加すると、
この長い時間の間に水酸化チタンの結晶成長が起こり易
く、無定形水酸化チタンの析出の妨げとなりやすい。連
続的にこのアルカリを添加する方法では、このような結
晶質水酸化チタンの析出は殆ど起こらない。
カリ水溶液として水溶性チタン塩の水溶液に添加する
と、反応熱によって液の温度が急激に上昇し易い。この
アルカリ水溶液のアルカリ濃度は低い方が好ましいが、
5重量%より低いと液中反応性に乏しくなる。(a)工程
に供される水溶性チタン塩の水溶液の当該チタン塩の濃
度が 0.5重量%以下のときは、 (b)工程において除去す
べき水量が増大し、効率的でないのみならず、 (a)工程
において結晶質の水酸化チタンが析出し易い。 (a)工程
に供される水溶性チタン塩の水溶液の当該チタン塩の濃
度は高い程好ましいが、この濃度が10重量%以上にも高
いと、添加されたアルカリによって液の粘度が不所望に
増大し易い。 (a)工程に供される水溶性チタン塩の水溶
液の温度が40℃以下のときは、この水溶液にアルカリを
添加すると結晶質の水酸化チタンが析出し易い。しかし
この水溶性チタン塩の水溶液の温度を75℃以上にも高め
て水酸化チタンを析出させると、この析出水酸化チタン
は (c)工程で難解膠性を示す酸化チタンを含有する。恐
らく、この難解膠性は、高い温度で析出する凝集密度の
高い微結晶水酸化チタンの性質と考えられる。
出水酸化チタンの水性スラリーの熟成は、水酸化チタン
の析出が未だ不完全である如き析出水酸化チタンの水性
スラリーに対して、水酸化チタンを完全に析出させるの
に特に有効である。しかし、この熟成を高い温度で長時
間続けると、この熟成中に析出水酸化チタンの結晶化が
起こり易く、80℃では3時間以上の熟成は避けるべきで
ある。
性スラリー、又はこれを濃縮したスラリーを (c)工程と
同様にして酸と反応させても、解膠反応が起こらず、目
的とする無定形酸化チタンの水性ゾルは得られない。
(b)工程において不純物を十分に除去した析出水酸化チ
タンを (c)工程に供することにより、 (c)工程において
20〜300 nmの粒子径を有する無定形酸化チタンの水性ゾ
ルが得られる。
反応混合物に用いられる水が不純物を含有するときは、
(c)工程で生成したゾルはこれらの水に起因する不純物
を含有し、場合によっては生成した酸化チタン粒子がこ
れら不純物を含有することもある。特に、 (c)工程によ
り得られたゾルを触媒として使用するときは、このよう
な不純物が触媒の性能を阻害することもあり、用いられ
る水には高い純度のものが望まれる。
量%以上にも高めると、生成水性ゾルは安定性に乏しく
なり、このTiO2濃度を1重量%以下にも低めると、この
ような低い濃度のゾルが生成し、ゾルの濃縮を必要とし
たり、或いは濃縮で除去すべき水量が増加し、好ましく
ない。(c)工程の反応混合物中の酸の量が、TiO21モル
に対して0.05当量以下の割合の量では、解膠反応は殆ど
進行せず、反対にこの酸の割合をTiO21モルに対して0.
5 当量以上の割合にまで高めると、反応混合物のpHが低
過ぎる値にまで低下し、解膠反応によってコロイド状酸
化チタンが一旦生成しても、この強い酸と更に反応して
チタン塩が生成する。
度に保つことにより、解膠反応を進行させることがで
き、高い温度程この反応の速度を増大させることができ
るが、沸点以上にも高めると結晶質の酸化チタン粒子が
生成し易い。
のTiO2濃度を有する市販の塩基性塩化チタン水溶液を用
意した。内容積3リットルのガラス製フラスコに、1025
g の水と175gの上記塩基性塩化チタン水溶液を投入する
ことにより、 4.0重量%のTiO2濃度を有する塩基性塩化
チタン水溶液を調製した。このフラスコ内水溶液を加熱
して60℃まで昇温した。
溶液に、1分間当たり、この水溶液中の塩化物イオン1
当量に対して0.13当量のアンモニアを28重量%のアンモ
ニア水として8分間にわたり連続的に添加することによ
り、 5.4のpHを有する析出水酸化チタンの水性スラリー
を形成させた。得られたスラリーを70℃で1時間熟成す
ることにより、 5.4のpHを有する析出水酸化チタンの水
性スラリーを形成させた。
ー中の析出水酸化チタンを吸引ろ過によりろ別して、析
出水酸化チタンの湿潤ケーキを得た。この湿潤ケーキを
水中で解砕して析出水酸化チタンを水洗した後ろ別する
ことを3回繰り返し、 3.7重量%のTiO2濃度を有する析
出水酸化チタンの水性スラリーが5 mS/cmの電気伝導度
を示すまで水洗した後、ろ別により析出水酸化チタンの
湿潤ケーキを得た。
水酸化チタンの湿潤ケーキと水と60重量%硝酸とを混合
することにより、15.5重量%のTiO2濃度に析出水酸化チ
タンを含有し、そしてこのTiO21モルに対して0.17当量
の硝酸を含有する反応混合物をガラス製フラスコ中に形
成させた。次いで、このフラスコ内反応混合物を、攪拌
下80℃で3時間反応させることにより、 1.0のpHを有す
るゾル(S1)を得た。
対して1.03当量/分の速さで28重量%のアンモニア水と
して1分間にわたり連続的に添加することにより、5.3
のpHを有する析出水酸化チタンの水性スラリーを生成さ
せた他は、実施例1と同様にしてゾル(S2)を得た。
℃に保って28重量%のアンモニア水を添加することによ
り、5.2 のpHを有する析出水酸化チタンの水性スラリー
を生成させた他は、実施例1と同様にしてゾル(S3)を得
た。 比較例1 (a)工程: アンモニアを塩化物イオン1当量に対して
0.017 当量/分の速さで28重量%のアンモニア水として
60分間にわたり連続的に添加した他は実施例1の (a)工
程と同様にして、5.8 のpHを有する析出水酸化チタンの
水性スラリーを形成させた。
して析出水酸化チタンの湿潤ケーキを得た。 (c)工程: 析出水酸化チタンのTiO21モルに対して0.2
0当量の硝酸を含有する反応混合物をガラス製フラスコ
中に形成させ他は、実施例1の (c)工程と同様にしてゾ
ル(S4)を得た。
℃に保って28重量%のアンモニア水を添加することによ
り、 5.1のpHを有する析出水酸化チタンの水性スラリー
を形成させた他は、実施例1と同様にしてゾル(S5)を得
た。 比較例3 (a)工程において、塩基性塩化チタン水溶液に28重量%
のアンモニア水を添加することにより、 7.6のpHを有す
る析出水酸化チタンの水性スラリーを形成させた他は、
実施例1と同様にしてゾル(S6)を得た。
ゾル(S1)〜(S6)について、25℃粘度と光透過率を測定す
ると共に、このゾルの酸化チタン粒子の粒子径測定及び
透過型電子顕微鏡写真の撮影を行った。この粒子径の測
定には米国コールター社製の商品名N4 の装置が、粘度
の測定には (株) 東京計器製のB型粘度計が、そして光
透過率の測定には (株) 日立製作所製の150-20形ダブル
ビーム分光光度計がそれぞれ使用された。
の粒子径の測定結果は第1表に示されている。電子顕微
鏡写真は、比較例1と比較例2のゾルには析出水酸化チ
タンの大きな粒子が混在していることを示したが、その
他のゾルには析出水酸化酸化チタンの大きな粒子が混在
していないことを示した。
置 JDX-8200 T を使用して、実施例1のゾルの減圧乾燥
粉末についてX線回折図を観察したところ、結晶ピーク
が観察されなかった。更に、上記ゾル(S1)〜(S6)を室温
で6ケ月保存したところ、比較例1と比較例2のゾルに
は析出水酸化チタンの沈澱による層分離が観察された
が、その他のゾルには変化が認められなかった。
酸化チタンの水性ゾルを簡易、且つ効率よく製造するこ
とができる。本発明の方法で得られた水性ゾルの無定形
酸化チタン粒子は、不揃いの大きさを有するコロイド状
粒子からなり、その粒子径は20〜300 nmの範囲内で分布
している。この無定形酸化チタンの水性ゾルは、扱い易
い低粘度を示し、そして安定であるから工業製品として
従来の各種の用途に用いることができる。
ゾルは、高い活性を有するので、コーティング剤、触
媒、セラミックス、無機繊維などに対してバインダーと
して好適に使用することができる。更に、繊維、紙、プ
ラスチックなどの表面処理剤として、コンデンサー等に
用いられるチタン酸バリウムの製造原料として、紫外線
吸収剤として、或いは光反応触媒として使用することが
できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 TiO2として 0.5〜10重量%の濃度を有す
る水溶性チタン塩の水溶液を40〜75℃に保ちながら、当
該チタン塩の水溶液に、このチタン塩に含まれる酸根1
当量に対して 0.033〜2当量の割合の水溶性アルカリを
1分間で添加する速さで当該アルカリを添加することに
より、 4.5〜6.5 のpHを有する析出水酸化チタンの水性
スラリーを形成させる (a)工程、 (a)工程で得られた析
出水酸化チタンの水性スラリーからその中に含まれる不
純物と水とを除去することにより、析出水酸化チタンを
回収する (b)工程、及び水性媒体と (b)工程で得られた
析出水酸化チタンとこの析出水酸化チタン1モルに対し
て0.05〜0.50当量の割合の水溶性酸とを混合することに
より、当該析出水酸化チタンをTiO2として1〜45重量%
の濃度に含有する反応混合物を形成させ、そしてこの反
応混合物の温度を氷点〜沸点に保ちながら、20〜300 nm
の粒子径を有する無定形酸化チタンをTiO2として1〜45
重量%の濃度に含有する水性ゾルが形成されるまでこの
反応混合物中の析出水酸化チタンと水溶性酸とを反応さ
せる (c)工程とからなる無定形酸化チタンゾルの製造方
法。
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---|---|---|---|
JP01332195A JP3674009B2 (ja) | 1995-01-31 | 1995-01-31 | 無定形酸化チタンゾルの製造方法 |
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JPH08208228A true JPH08208228A (ja) | 1996-08-13 |
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