JPH0455970B2 - - Google Patents

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JPH0455970B2
JPH0455970B2 JP10554184A JP10554184A JPH0455970B2 JP H0455970 B2 JPH0455970 B2 JP H0455970B2 JP 10554184 A JP10554184 A JP 10554184A JP 10554184 A JP10554184 A JP 10554184A JP H0455970 B2 JPH0455970 B2 JP H0455970B2
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sio
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sol
silica
weight
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JP10554184A
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Yoshitane Watabe
Mikio Ando
Tsutomu Kagamya
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Nissan Chemical Corp
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Nissan Chemical Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、高濃度の大粒子径シリカゾルの製造
法の改良に関する。
大粒子径シリカゾルは、一般にBET法による
比表面積の測定値から算出される粒子径が約
20mμ以上であるコロイダルシリカの分散液であ
り、紙の表面処理剤、高分子材料の改質剤、フイ
ルムの表面処理剤、研磨剤等に用いられている
が、次第に高性能のものが要望され、例えば、半
導体材料の研磨用、フイルムの表面処理用等には
40〜100mμの粒径を有し、しかも粒径の揃つた球
形の粒子からなるシリカゾルが望まれている。
従来の技術 大粒子径シリカゾルの製造法としては、既に、
特公昭46−20137号公報に記載の方法が知られて
いる。この方法は、珪酸アルカリの水溶液に90℃
以上の温度で水を蒸発除去しながら活性珪酸の水
性コロイド溶液を添加することにより粒子径30〜
60mμのシリカの高濃度水性ゾルを得る方法であ
るが、多量の水の蒸発除去のために多大の熱量を
要すのみならず、得られたゾル中のコロイド状シ
リカの粒径が不揃いとなり易い欠点を有する。別
の例としては、特開昭58−110417号公報に記載の
方法も知られている。同公報には、アルカリ水溶
液に活性シリカゾル水溶液をSiO2/M2O(但し、
Mはアルカリ金属原子を表わす。)モル比が1分
間当り0.1〜10となる速度でアルカリ金属の可溶
性塩40〜1000ppmの存在下70℃以上の温度で添加
した後、熱処理し更に限外過法で濃縮すること
により粒子径約9〜27mμのシリカゾルを得る方
法が開示されているが、この方法によると40mμ
以上の大粒子であつてかつその粒径の揃つたシリ
カゾルは得られない。
従来、シリカゾルのシリカ粒子の径が揃つてい
るか否かは、シリカゾルのシリカの粒子を電子顕
微鏡写真に撮影し、写真に映つたシリカ粒子像を
画像解析する方法によつて行なわれていたが、こ
れによる表示は適確ではない。ジヤーナルオブケ
ミカルフイジツクス(Journal of Chemical
PhysiCs)第57巻第11号(1972年12月)第4814頁
に記載の準弾性レーザー光散乱法(以下、レーザ
ー散乱法という。)により測定される平均粒子径
Dと粒子径の標準偏差Sとの比S/Dで表わされ
る変動係数はシリカゾルのシリカ粒子径の分布を
表現するのに極めて適し、この値は小さい程径が
よく揃つていることを表わす。この変動係数の値
で表わすと、従来の製造法で得られた大粒子径シ
リカゾルの変動係数は0.3近辺又はそれ以上であ
る。
発明が解決しようとする問題点 本発明は、平均粒子径が40〜120mμであるコロ
イダルシリカ粒子が上記変動係数0.2以下の値を
示す程に径が揃つている高濃度かつ安定なシリカ
ゾルを効率よく製造できる改良された方法の提供
を目的とする。
問題点を解決するための手段 本発明の大粒子径シリカゾルの製造法は、下記
a,b,c及びd工程を包含することを特徴とす
る。
a SiO2として1.5〜8重量%のアルカリ金属珪
酸塩水溶液に、PH2〜4、SiO22〜6重量%の
活性珪酸の水性コロイド溶液を、SiO2/M2O
(但し、Mは前記アルカリ金属珪酸塩のアルカ
リ金属原子であるK又はNaを表わす。)モル比
が20〜40となるまで90〜150℃で充分な撹拌下
に徐々に添加する工程 b a工程に引き続き、a工程により得られた反
応混合液を90〜150℃で撹拌下反応を完結せし
める工程 c b工程により得られた反応混合液に、該液中
の前記アルカリ金属珪酸塩に由来するアルカリ
当量の40〜90%に相当する当量の酸を添加した
後、得られた反応混合液を90〜150℃で熟成す
る工程 d c工程により得られたシリカゾルを微細多孔
性膜により濃縮する工程。
本発明のa工程に用いられるアルカリ金属珪酸
塩水溶液は、アルカリ金属珪酸塩を水に溶解させ
ることによつて容易に得られる強アルカリ性の液
である。アルカリ金属珪酸塩は、カリウム又はナ
トリウム等の珪酸塩であり、これらはSiO2
M2O(但し、Mは前記に同じであり、以下も同様
である。)モル比が異なる種々のものが知られて
いるが、水に溶解させたとき完全な溶液が得られ
るものが好ましく、通常上記モル比として1〜
4.5程度のものが用いられている。また、これら
用いられるアルカリ金属珪酸塩としては、シリカ
ゾルをゲル化せしめるような不純物を含有しない
ものが好ましく、純度が高ければ市販工業製品で
充分である。特に安価に入手し得る高純度のモル
比2〜4程度の珪酸ナトリウムが好ましい。
本発明のa工程に用いられる活性珪酸の水性コ
ロイド溶液は、溶解珪酸及び粒子径3mμ以下の珪
酸の低重合粒子が水中に共存する酸性の液であ
る。この液は反応活性が高く、従つてまた不安定
であり、本発明に用いられるものとしては製造直
後のものが好ましい。上記活性珪酸の水性コロイ
ド溶液は、前記の如きアルカリ金属珪酸塩の希薄
水溶液からアルカリ金属イオンを除去することに
より、例えば、通常の水素型陽イオン交換樹脂で
上記アルカリ金属珪酸塩の希薄水溶液を処理する
ことにより容易に得られる。
本発明のc工程に用いられる酸としては、無機
酸、有機酸のいずれでもよいが、純度の高い市販
工業製品の硫酸、塩酸、硝酸等が好ましく、特に
反応容器がステンレス鋼製のときは硫酸が好まし
しい。これら用いられる酸は2〜20%程度の水溶
液であるものが更に好ましい。
本発明のd工程に用いられる微細多孔性膜は、
通常コロイド粒子の分散液の濃縮に用いられる市
販工業製品でよく、孔径として5〜20mμ程度の
限外過膜が好ましい。本発明のa工程〜d工程
には、耐酸性、耐アルカリ性及び耐圧性の反応容
器、強力撹拌機、温度制御装置、定量ポンプ等を
備えた通常の製造装置を用いることができる。
作 用 本発明のa工程は、珪酸の重合反応を起させて
シリカの微細な核粒子を析出させた後、この核粒
子の周りに更に珪酸を反応沈着させることにより
シリカ粒子を成長させ、ほぼ球形の径が揃つた30
〜100mμ程度のシリカ粒子を水中に生成せしめる
工程であり、この工程で得られた液は、尚未反応
珪酸、未成長シリカ粒子等を含有する反応混合液
である。この反応混合液は、充分な安定性を欠く
ものであるから、a工程の期間中に濃縮が起らな
いように保つ必要がある。反応温度が沸点以上の
ときは、水の蒸発が起らないように加圧下に行な
うのがよい。本発明のb工程は、a工程で得られ
た反応混合液中の未反応珪酸及び未成長シリカ粒
子を消失せしめるための反応完結工程であり、a
工程に引き続いて行なわれ、この工程によつてシ
リカの粒径は40〜120mμにまで成長させることが
できる。本発明のc工程は、b工程で得られた反
応混合液から安定なシリカゾルをつくるための工
程である。このc工程で行なわれる酸の添加をそ
れに替つてa工程又はb工程で行なつたり或いは
その中間で行なうと反応混合液の安定性が失なわ
れ、また充分なシリカ粒子の成長が妨げられた
り、或いは場合によつてはゲル化が起ることもあ
る。c工程での酸の添加によつて、反応混合液中
に存するアルカリを中和して塩を生成せしめると
共に、所定粒径のコロイダルシリカの安定化のた
めのアルカリのみを残存せしめることができる。
従つて、c工程での酸の添加により、この残存ア
ルカリと液中シリカのモル比がSiO2/M2Oとし
て70〜150に調節されると共に、d工程での濃縮
の際に必要な塩をシリカゾル中に共存せしめるこ
とができる。本発明のd工程は、c工程によつて
得られた低濃度のシリカゾルを高濃度の安定な製
品シリカゾルにするために、微細多孔性膜を通し
て水と共に、製品シリカゾル中に残存していては
ゾルの安定化に妨げとなる量のアルカリ金属イオ
ン及び酸根をも除去するための工程である。d工
程によつて得られたシリカゾルは安定なゾルであ
るから、そのまゝ製品として前記各種用途に使用
できる他、更にこのゾルには各種の変成を施すこ
ともできる。
本発明の製造法は、径が大きくかつ揃つている
コロイダルシリカ粒子からなる高濃度かつ安定な
ゾルを効率つくつくるために、a工程〜d工程に
おいて更に条件を必要とする。a工程に用いられ
るアルカリ金属珪酸塩の水溶液は、SiO2濃度と
して1.5重量%以下では液中に存するアルカリが
不足し、かゝる液に活性珪酸の水性コロイド溶液
を添加しても充分なシリカ粒子の成長が起らず、
またSiO2濃度8重量%以上の液を用いるとc工
程において添加すべき酸の量が増大し、この多量
の酸を添加するとシリカゾル中に高濃度に塩が生
成するためにゾルの安定性が低下する。塩の濃度
を低下させるためにシリカゾルを水で薄めるとd
工程において除去すべき水量が増大し好ましくな
い。かくしてa工程には、SiO2濃度として1.5〜
8重量%のアルカリ金属珪酸塩水溶液が用いられ
る。a工程に用いられる活性珪酸の水性コロイド
溶液は、珪酸以外の酸根を多量に含有しない場合
にはPHが2以上を示すものであり、塩酸、硫酸等
の如き他の酸を多量に含有せしめると、アルカリ
金属珪酸塩との反応により塩が形成され、反応混
合液中のシリカ粒子の円滑な成長の妨げとなり易
い。また活性珪酸の水性コロイド溶液のPHが5以
上では、この液は安定性に乏しくなり、増粘乃至
ゲル化が起こり易い。この活性珪酸の水性コロイ
ド溶液は、増粘したものはシリカの核粒子の生成
及び成長に適さず、SiO2濃度についても通常6
重量%以上のものは適当でない。SiO2濃度6重
量%以上の活性珪酸のコロイド水溶液は、アルカ
リ金属珪酸塩の水溶液を水素型陽イオン交換樹脂
で処理することによりつくる方法によつては、そ
の際増粘が著るしくなり易いからである。また、
活性珪酸の水性コロイド溶液のSiO2濃度が2重
量%以下では、反応混合液中水分含量が高くな
り、d工程における除去すべき水量が増大し生産
効率が低下する。かくしてa工程には、PH2〜
5、SiO22〜6重量%の活性珪酸の水性コロイド
溶液が用いられる。a工程におけるアルカリ金属
珪酸塩に活性珪酸の水性コロイド溶液を添加する
ことを90℃以下で行なうと30mμ以上の径のコロ
イダルシリカ粒子を生成させ難く、また、150℃
以上で行なうと生成したコロイダルシリカ粒子の
形状がまゆ状となり易く、120mμ以下の径の揃つ
たコロイダルシリカ粒子からなるシリカゾルが得
られない。かくしてa工程において活性珪酸の水
性コロイド溶液の添加は90〜150℃で行なわれる。
a工程において、アルカリ金属珪酸塩に活性珪
酸の水性コロイド溶液を一時に又は短時間に添加
すると30mμ以上のの径のシリカ粒子を生成させ
ることができないので、充分な撹拌下に少しづつ
徐々に添加する必要がある。しかしあまり長時間
を費して添加すると、生成シリカ粒子の径が揃い
難い。添加すべき活性珪酸の水性コロイド溶液の
量は、反応混合液中SiO2/M2Oモル比が20〜40
となる量である。モル比が10となるまでに2〜6
時間を、更に、モル比10〜40となるまでに4〜16
時間を要する如き速度が好ましい。この活性珪酸
の水性コロイド溶液全量の添加によつてSiO2
度として2〜6重量%の反応混合液が得られる。
反応混合液中のモル比が20以下ではc工程におけ
る添加すべき酸の量が増大し、また、モル比40以
上では径が揃つたシリカゾルを得難い。上記a工
程に引き続き、b工程において上記反応混合液を
やはり充分な撹拌下に90〜150℃で反応を続行さ
せることにより、粒子径40〜120mμの径の揃つた
コロイダルシリカ粒子に成長を完結させることが
できる。この反応の完結は、0.5〜2時間程度で
終了し、PH10.2〜11.2の液が得られる。
上記a工程とb工程の終了によつてほゞ目的と
する粒径及び粒径分布を有するコロイダルシリカ
の反応混合液が得られるが、この液は尚多量のア
ルカリを含有し、この液を濃縮するのみでは安定
なシリカゾルは得られない。b工程で得られた反
応混合液には、a工程に用いられたアルカリ金属
珪酸塩に由来するアルカリが含まれ、このアルカ
リ当量の40〜90%に相当する当量の酸をc工程に
おいて添加することにより、シリカゾルの安定化
を妨害する過剰のアルカリを中和して塩に変化さ
せることができる。生成した塩の濃度は800〜
4500ppm程度であるから、この塩の存在は、d工
程におけるゾルの濃縮の際ゾルのゲル化を防いで
安定化せしめる作用もする。更に、上記酸の添加
によつて中和されないで残存するアルカリ金属と
シリカのモル比をSiO2/M2Oモル比として70〜
150に調節することができ、40〜120mμのコロイ
ダルシリカ粒子の安定化に必要な上記モル比に相
当するアルカリを尚残存せしめることができる。
添加すべき酸の濃度が高過ぎても、また一時に或
いは短時間に添加してもゲル化が起り易く、2〜
20%程度の酸を充分な撹拌下徐々に上記反応混合
液に添加するのが好ましい。酸の添加後に90〜
150℃で熟成する必要があるので、上記酸の添加
もほゞ上記温度で行なうのが好ましい。c工程に
おける90〜150℃での熟成は、酸の添加による中
和反応、粒径及び形状を充分な安定状態に到達さ
せ、安定なゾルを形成させる作用をする。熟成は
やはり充分な撹拌下に行なうのが好ましく、不要
な長時間を避けて2〜12時間程度がよい。c工程
の終了によつてSiO2濃度2〜6重量%の安定な
シリカゾルが得られる。しかし、このシリカゾル
は、このまゝでは特殊な用途を除き製品として用
いることができない。このシリカゾルを蒸発法に
よつて濃縮すると、前記の如く多大の熱量を要す
のみならず、液中に存在する塩の濃度がゾルに増
粘又はゲル化を起させる程に高まり好ましくな
い。d工程において、微細多孔性膜を通して水を
除去して濃縮すると同時に、水の除去によつて次
第にゾルの濃度は高まるので、その安定化を妨げ
る過剰の酸根とアルカリ金属イオンを除去される
水と共にゾルの外へ排出させ、ゾルの安定化に要
する量の酸根とアルカリ金属イオンをゾル中に残
存せしめることができる。c工程終了後のシリカ
ゾルとして、SiO2濃度2〜6重量%、SiO2
M2Oモル比70〜150及び塩の濃度800〜4500ppm
は上記効率的な微細多孔性膜による濃縮を達成さ
せるための要件である。c工程終了後のゾル中に
上記濃度以上の塩が存在すると、ゾルに水を加え
て塩濃度を低下させながら濃縮することを要した
り、或いはc工程終了後のゾル中の塩濃度が上記
濃度以下であるときは、安定化に不足する量の塩
をゾルに補給する必要があり、共に効率的でな
い。d工程における濃縮には、透析膜、逆浸透膜
等も用い得るが、濃縮速度が小さい。濃縮速度の
大きい限外過膜を用いるのが好ましい。d工程
における濃縮は、室温〜80℃程度で行なうことが
できるが、濃縮速度を高めるには高温がよい。d
工程の終了により、粒径40〜120mμ、変動係数の
値0.2以下を示す径の揃つたコロイダルシリカを
SiO2として30〜55重量%含有し、SiO2/M2Oモ
ル比60〜200、塩濃度500〜3000ppm、PH8.5〜
10.0、粘度30CP以下の安定なシリカゾルが得ら
れる。勿論濃縮度の低い段階で終了させることに
よりSiO2として30重量%以下のも得られる。
実施例 実施例 1 撹拌機、コンデンサー及び滴下ロートを備えた
5のガラス製反応器にSiO2/Na2Oモル比3.23
の市販工業用ナトリウム水ガラスと水とを投入し
てSiO2として3.67重量%の珪酸ナトリウム水溶液
600gを調製し、撹拌下加熱して水の沸騰還流状
態に保つた。別途、希釈珪酸ナトリウム水溶液を
水素型陽イオン交換樹脂で処理することにより、
SiO2濃度3.6重量%、PH2.8の室温の活性珪酸の水
性コロイド溶液4000gを調製し、直ちにこれを上
記還流状態にある反応器中の珪酸ナトリウム水溶
液中への沸騰状態を保ちながら定量ポンプを用い
て12時間を要して添加して反応混合液を生成させ
た。引き続きこの反応混合液を還流状態を保ちな
がら1時間加熱を続けて反応を完結させた。こゝ
に得られた反応混合液はSiO2濃度3.6重量%、
SiO2/Na2Oモル比24.4、PH10.8であつた。次い
でこの反応混合液に、還流下10重量%の硫酸水溶
液75gを0.5時間を要して添加した後、引き続き
還流下8時間熟成することによりSiO2濃度3.55重
量%、硫酸ナトリウム濃度2370ppm、SiO2
Na2Oモル比74.6、PH10.0のシリカゾルを得た。
このシリカゾルのシリカ粒子径をBET法により
測定したところ50mμであつた。次いで、このシ
リカゾルをポリサルホン製管状限外過膜を使用
した市販工業製品の限外過装置を用いて、室温
でSiO2濃度約40重量%となるまで濃縮した。濃
縮中、液は安定であり、極めて円滑であつた。得
られた高濃度のゾルは、測定の結果SiO2濃度40.5
重量%、SiO2/全アルカリNa2Oモル比70、
SiO2/滴定法Na2Oモル比418、硫酸ナトリウム
濃度1770ppm、BET法による粒子径50mμ、米国
コールター社製の製品名Coulter N4の装置を用
いたレーザー散乱法による粒径の変動係数の値は
0.17、25℃の粘度3.3CPであり、更に安定性につ
いて試験したところ、60℃1ケ月の保存後にも、
また室温で1年の保存後にも粘度の変化が全く認
められなかつた。
実施例 2 ステンレス鋼製の撹拌機、コンデンサー及び導
管を備えた内容積5の耐圧反応器に、実施例1
に用いたものと同じ水ガラスと水を投入し、
SiO2として4.1重量%の珪酸ナトリウム水溶液470
gを調製し、撹拌下加熱して130℃に保つた。別
途、希釈珪酸ナトリウム水溶液を水素型陽イオン
交換樹脂で処理することにより、室温のSiO2
度4.5重量%、PH2.8の活性珪酸の水性コロイド溶
液4100gを調製し、直ちにこれを9時間を要して
130℃に保つた反応器中へ定量ポンプを用いて供
給した。引き続き、130℃を保ちながら1.5時間の
加熱を続け反応を完結させた。こゝに得られた反
応混合液は、SiO2濃度4.5重量%、SiO2/Na2Oモ
ル比34.2、PH10.7であつた。次いでこの反応器中
へ130℃に保つたまゝ撹拌下に10重量%の硫酸水
溶液65gを1時間を要して添加した後、引き続き
同温度で6時間熟成することにより、SiO2濃度
4.4重量%、硫酸ナトリウム濃度2090ppm、
SiO2/Na2Oモル比103、PH10.2、BET法粒子径
76mμのシリカゾルを得た。次いでこのゾルを実
施例1に記載の限外過装置を用いて50℃で、
SiO2濃度約50重量%まで濃縮した。濃縮は極め
て円滑であつた。この得られた高濃度ゾルは、測
定の結果SiO2濃度50.0重量%、SiO2/全Na2Oモ
ル比101、SiO2/滴定法Na2Oモル比860、硫酸ナ
トリウム濃度1210ppm、BET法による粒子径
76mμ、実施例1に記載の装置を用いた品レーザ
ー散乱法による粒子径の変動係数0.19、25℃の粘
度5.8CPであり、更に安定性について試験したと
ころ、60℃1ケ月の保存後も粘度の変化は認めら
れなかつた。
実施例 3 実施例1に記載の反応器を使用し、これに
SiO2/Na2Oモル比2.89の市販工業用ナトリウム
水ガラスと水とを投入してSiO2として4.2重量%
の珪酸ナトリウム水溶液400gを調製し、撹拌下
加熱して水の沸騰還流状態に保つた。別途、希釈
珪酸ナトリウム水溶液を水素型陽イオン交換樹脂
で処理することにより、SiO2濃度4.1重量%、PH
3.0の室温の活性珪酸の水性コロイド溶液4200g
を調製し、直ちにこれを上記還流状態にある反応
器中の珪酸ナトリウム水溶液中へ沸騰状態を保ち
ながら定量ポンプを用いて18時間を要して添加し
て反応混合液を生成させた。引き続きこの反応混
合液を還流状態を保ちながら2時間加熱を続けて
反応を完結させた。こゝに得られた反応混合液は
SiO2濃度4.1重量%、SiO2/Na2Oモル比32.5、PH
10.6であつた。次いでこの反応混合液に、還流下
10重量%の硫酸水溶液60gを0.5時間要して添加
した後、引き続き還流下10時間熟成することによ
りSiO2濃度4.1重量%、硫酸ナトリウム濃度
1920ppm、SiO2/Na2Oモル比88.8、PH9.9のシリ
カゾルを得た。このシリカゾルのシリカ粒子径を
BET法により測定したところ64mμであつた。次
いで、このシリカゾルを実施例1に記載の限外
過装置を用いて、室温でSiO2濃度約40重量%と
なるまで濃縮した。濃縮中、液は安定であり、極
めて円滑であつた。得られた高濃度のゾルは、測
定の結果SiO2濃度40.2重量%、SiO2/全Na2Oモ
ル比90.3、SiO2/滴定法Na2Oモル比650、硫酸ナ
トリウム濃度1450ppm、BET法による粒子径
64mμ、前記同様レーザー散乱法による粒径の変
動係数の値は0.18、25℃の粘度2.8CPであり、更
に安定性について試験したところ、80℃1ケ月の
保存後も粘度の変化は認められなかつた。
比較例 1 実施例1における熟成後のシリカゾルを、限外
過装置の代りに回転式蒸発器を用いて80℃で
SiO2濃度約40重量%まで濃縮した。得られた高
濃度ゾルは、SiO2濃度40.4重量%、SiO2/全
Na2Oモル比24.4、SiO2/滴定法Na2Oモル比232、
硫酸根濃度1.8重量%、PH10.2、粘度6.8CPであつ
たが、製造したから1日室温に放置後に増粘ゲル
化が起つた。
比較例 2 実施例に1における製造法において、活性珪酸
の水性コロイド溶液に、反応混合液中硫酸ナトリ
ウムの濃度が260ppmとなる量硫酸ナトリウムを
添加した活性珪酸の水性コロイド溶液を使用し、
かつ実施例1における硫酸の添加を行なわない方
法に替えた他は実施例1と同様にしてSiO23.5重
量%、SiO2/Na2Oモル比24.4、PH10.7の熟成後
のシリカゾルを得た。このゾルのシリカの平均粒
子径は45mμであつたが、形状はいびつでその径
も揃つていなかつた。このゾルを実施例1と同様
にして濃縮したところ、シリカ濃度約30重量%に
達したとき増粘が起り、これより高濃度には濃縮
できなかつた。また、別に、上記ゾルを回転式蒸
発器により濃縮したところ、PH11.0、シリカ濃度
約40重量%のゾルが得られたが、そのゾルは50℃
1週間の保存後に増粘、ゲル化した。
別途、硫酸ナトリウム濃度が2000ppmとなるよ
うに替えた他は上記と同様にして実験したが、活
性珪酸の水性コロイド溶液の添加途中でコロイダ
ルシリカの凝集が起り、一部沈降物も生じ均一な
ゾルが得られなかつた。
比較例 3 実施例1における希釈珪酸ナトリウム水溶液
520gに、最終反応混合液中の硫酸ナトリウム濃
度が2000ppmとなるように10重量%の硫酸ナトリ
ウム水溶液を100g添加して100℃に加熱したとこ
ろ、ゲル化が起つてシリカゲルが沈析したため
に、反応混合液の製造が困難であつた。
発明の効果 上記の如く、蒸発法によらないで限外過法に
より効率よく濃縮して高濃度シリカゾルを製造す
るには、適量の塩をゾル中に存在せしめておく必
要があり、また、40mμ以上もの大粒子径シリカ
ゾルをつくるには、塩を存在せしめる時期として
製造過程において一旦40mμ以上のコロイダルシ
リカ粒子を生成せしめた後でなければならず、更
に、40mμ以上もの大粒子径シリカゾルをつくる
には反応混液中SiO2/M2Oモル比を20〜40に設
定し、更にこの粒子径のゾルが安定であるために
はモル比を70〜150に高めねばならない。本発明
の効果は、上記モル比の調節と塩の存在効果を同
時に満足させるために反応完結後の反応混合液に
酸を適量添加することによつて効率的製造法を確
立したことにある。
更に、本発明の方法によつて得られた高濃度の
大粒子径シリカゾルは、極めて安定であり、これ
に更にアルカリ金属水酸化物、アンモニア、第4
級アンモニウム水酸化物、水溶性アミン等を加え
ることによりPH10以上の強アルカリ性の安定なゾ
ルも得られ、また、陽イオン交換樹脂で処理する
ことによりPH4以下の安定なゾルも得られる。こ
れらのゾルを混合することによりPH4〜8.5の安
定なゾルを得ることもできる。このように種々に
変成させたシリカゾルも、大粒子径でありながら
しかもその径が揃つていて高濃度であるために、
前記用途の他各種の用途に更に性能を向上させ得
るゾルとして極めて有用である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 a SiO2として1.5〜8重量%のアルカリ金
    属珪酸塩水溶液に、PH2〜5、SiO22〜6重量
    %の活性珪酸の水性コロイド溶液を、SiO2
    M2O(但し、Mは前記アルカリ金属珪酸塩のア
    ルカリ金属原子であるK又はNaを表わす。)モ
    ル比が20〜40となるまで90〜150℃で充分な撹
    拌下に徐々に添加する工程 b a工程に引き続き、a工程により得られた反
    応混合液を90〜150℃で撹拌下反応を完結せし
    める工程 c b工程により得られた反応混合液に、該液中
    の前記アルカリ金属珪酸塩に由来するアルカリ
    当量の40〜90%に相当する当量の酸を添加した
    後、得られた反応混合液を90〜150℃で熟成す
    る工程 d c工程により得られたシリカゾルを微細多孔
    性膜により濃縮する工程 を包含することを特徴とする安定な高濃度大粒子
    径シリカゾルの製造法。
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