JPH0820247B2 - 表面粗さ計のノーズピース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 現在、工業製品の高度複雑化及び軽薄短小化等に伴な
って、素材及び半完成品等をより精密に測定する技術が
求められている。

本発明は、円柱、円筒等の回転体の円周方向の表面粗
さを計る表面粗さ計のノーズピースの改良に関するもの
である。

［従来の技術］ 表面粗さ計など円柱、円筒等の回転体の円周方向の表
面粗さを測定する機器には表面粗さ計の触針を保護する
ノーズピースが設られ、従来該ノーズピースは平面の表
面粗さを測定するノーズピースを採用する場合が多い。

第13図には従来の平面の表面粗さを測定するノーズピ
ース1bが示されている。

同図において、被測定物の被測定部位近傍に当接する
スキッド5b,6bを保持する先端部分7bは、表面粗さ計の
触針を覆って保護する保護部12bに固定されており、表
面粗さ計への取付け部分4cと固定的な相対位置関係にあ
った。

また、第15図には球の表面粗さを測定する表面粗さ計
のノーズピース1cが示されている。

同図において、被測定物である球体48Cと、スキッド5
c,6cとが、ほぼ球体の接線方向で当接するように、スキ
ッド5c、6cの当接する面が球体の接線方向に形成された
ものが考えられる。

しかし、表面粗さ計のノーズピース1cは、表面粗さ計
のノーズピース1bと同様に、スキッド5c、6cを保持する
先端部分7cと、表面粗さ計への取付け部分とが固定的な
相対位置関係にあった。

［発明が解決しようとする課題］ 従来技術の問題点 第14図には、円柱の円周方向の表面粗さを測定する際
に、従来の表面粗さ計のノーズピース1bを用いた例が示
されている。

同図において、被測定物の円周方向の表面粗さを測定
する際は、軸方向が互いに平行な二つのローラに被測定
物である回転体24bを支持させる。

そして、検出アーム11bの先端接触部26bを回転体24b
に接触させてから、ローラ32bを回転することで回転体2
4bを円周方向に回転駆動させ、円柱の表面粗さを測定す
る。

しかしながら、回転体24bの求める表面粗さの数値レ
ベルに比べて、回転体24bを回転駆動するローラ32bの断
面形状は真円とは言えず、またローラ32bは真円状態で
回転するように駆支されてはいない。

同様に、回転体24bそのものも求める表面粗さの数値
レベルに比べて、断面形状が真円と言い難い。

そのため、ローラ32bを回転させると、例えば初期の
回転軸48bに対し、傾いた軸49bを中心にローラ32bは回
転してしまう場合が生ずる。

そして、回転体24bは軸方向が互いに平行な二つのロ
ーラに支持されているために、ローラ32bが揺動によっ
て傾いた軸49bを中心に回転すれば、回転体24bも傾いた
軸49bにほぼ平行な軸50bを中心に回転してしまう。

第16図には、従来の表面粗さ計のノーズピース1bを用
いるために生ずる問題が示されている。

ここで、符号24sは、前記傾いた軸50bとほぼ平行であ
る傾いた被測定物の表面である。

同図において、前記謡動が発生したとしても、従来の
ノーズピース1bは、スキッド5b,6bを保持する先端部分7
bが表面粗さ計本体への取り付け部分4bに対して固定的
な相対位置関係にあるために、スキッド5bは傾いた被測
定物表面24sから離れ、スキッド6bのみが傾いた被測定
物の表面24sに当接してしまう。

即ち、従来の表面粗さ計のノーズピース1bは、スキッ
ド6bと被測定物表面241との当接部位に対する先端接触
部26bと傾いた被測定物表面241との当接部位の位置高さ
hbを生じてしまう。

そのため、先端接触部26bは、被測定物の表面粗さに
加えて、前記揺動が発生した場合には、前記位置高さhb
を測定してしまうという問題があった。

そして、前記位置高さhbは、表面粗さの量より数値オ
ーダーが大きいために測定誤差は極めて深刻であった。

また、球体48cの表面粗さの測定においても、スキッ
ド5c,6cを保持する先端部分7cと表面粗さ計本体への取
り付け部分4cとは固定的な相対位置であるために、前記
問題を生じる場合がある。

本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであ
り、その目的は被測定物である円柱、円筒等の表面粗さ
を正確に測定することのできる表面粗さ計のノーズピー
スを提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本発明に係る表面粗さ計のノーズピースは、前記表面
粗さ計本体前面に脱着可能に付設され、該表面粗さ計本
体前面から突出した検出アームを覆うように形成された
表面粗さ計のノーズピースにおいて、前記ノーズピース
先端部に設けられるホルダ部と、前記ホルダ部に並列状
態で保持され、被測定物表面に各々が当接することで、
被測定物に対し前記検出アーム部を一定の位置高さに保
つことが可能な２つのスキッド部と、前記ノーズピース
先端部と前記ホルダ部との間に設けられ、前記ノーズピ
ース先端部に対し前記ホルダ部を前記検出アーム部突出
方向を軸として時計方向および反時計方向に揺動可能と
する可能手段と、を備えたことを特徴とする。

ここで、前記可動手段には、前記ノーズピース先端部
と前記ホルダ部との間に板ばねを、前記検出アーム部突
出方向を軸として時計方向および反時計方向に揺動可能
となるように介在させることが好適である。

また、一方にリング状のベアリングを、他方にそのベ
アリングを枢支する枢支部材をそれぞれ設けることが好
適である。

さらに、本発明の表面粗さ計のノーズピースを用いて
回転体の円周方向の表面粗さを測定する際に、回転体を
円周方向に回転駆動する手段として、軸方向が互に平行
に配置され、前記回転体を載置支持する二つのローラ
と、回転駆動モータと、その回転駆動モータから回転駆
動力を受けて回転し、且つ前記二つのローラところがり
接触して摩擦伝動によって回転力を伝え得る回転盤と、
を備え、上記回転盤の近傍に、回転盤が二つのローラに
ころがり接触するための接触押圧力を調整し得る手段を
設ける被粗さ測定物の回転駆動装置を備えることが好適
である。

又、本発明の表面粗さ計のノーズピースを用いて球体
の表面粗さを測定する際に、球体を支持して回転駆動す
る手段として、軸方向が互に平行に配置され、球体を載
置支持する二つのローラと、回転駆動モータを有し、前
記二つのローラを同じ方向且つ同じ周速度で回転駆動す
る回転駆動手段と、を備え、上記二つのローラのいずれ
か一方に球体を支持するための括れ部が形成され、加え
てその括れ部を構成するローラの軸方向に対向する二つ
の面は、中心が括れ部のあるローラの軸線上に位置し、
且つ径が括れ部のあるローラの径と同じである球の部分
曲面である球体の回転駆動装置を備えることが好適であ
る。

［作用］ 本発明に係る表面粗さ計のノーズピースは、前述した
ように先端部分の可動手段を有するので、被測定物であ
る回転体もしくは球体が揺動したとしても、被測定物の
謡動に伴う押圧力によりスキッドを保持する先端部分の
揺動が行え、二つのスキッドは被測定物に追従すること
ができる。

第17図には、円柱の表面粗さ計の表面粗さを測定する
際に、本発明の表面粗さ計のノーズピース１を用いた例
が示されている。

同図において、検出アーム11の突出する方向を軸とし
て時計方向、又は反時計方向に、保護部12に対して先端
部分７は揺動可能である。

即ち、先端部分７が揺動の中心とする軸と、先端接触
部26を設ける検出アーム11の中心軸とがほぼ一致する。

ここで、符号24sは、第16図と同様に、揺動によって
傾いた軸50bとほぼ平行な傾いた被測定物の表面であ
る。

そのため、謡動が発生し、例えば傾いた被測定物の表
面24sに対する先端接触部26の突出方向Ａに対して、先
端部分７が反時計周りにθ傾いたとしても、その角度θ
は微小であるために、先端部分７は、傾いた被測定物の
表面24sに対して先端接触部26を一定の位置に維持で
き，前記従来技術のhbに相当する誤差を検出することが
ない。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例を説明す
る。

表面粗さ計のノーズピース１は，第１図に示すよう
に、表面粗さ計２の前面３への取付け部分となるマウン
ト部材４と、スキッド5,6と、先端部分であって，スキ
ッド5,6を並列状態で保持するホルダ７と、マウント部
材４とホルダ７との間に介在されて、検出アームの突出
する方向を軸として、マウント部材４に対してホルダ７
が、揺動することを可能にする可動手段８が備えられて
いる。

マウント部材４には、マウント部材４を表面粗さ計２
に固定するためのビス９と、ビス９が通る通孔10と、表
面粗さ計２の検出アーム11を覆って保護し得る保護部12
と、が設けられている。

可動手段８は、保護部12の先端部分に取付け固定さ
れ、且つホルダ７の揺動を支持する支持部材13と、板バ
ネ14と、板バネ14を支持部材13の支持部15に取付けるた
めのメネジ部16、押え板17及びビス18と、板バネ14をホ
ルダ７に取付けるためのメネジ部19、押え板20及びビス
21とから構成されている。

尚、可動手段８には、マウント部材４に対するホルダ
７の揺動範囲を規制するための規制体22が保護部12の先
端両側部に設けられている。

又、符号23は、ビス21をメネジ部19に螺合する際に、
ねじ回しの先端作用部が通る通孔である。

以下において、表面粗さ計のノーズピース１の使用を
説明する。

回転体である丸棒24の円周方向の表面粗さを測定する
際は、まず表面粗さ計のノーズピース１を表面粗さ計２
に取付けてビス９で固定する。

そして、丸棒24を回転駆動装置25に載置し、検出アー
ム11の先端接触部26が丸棒25に接触状態となるように表
面粗さ計２を配置する（第２〜４図を参照）。

この時、スキッド5,6は丸棒24の被測定部位を挟んで
丸棒24に当接している。

尚、回転駆動装置25は第２及び４図に示すように、底
板57と、背板27及び軸支板28,29とから構成されるフレ
ーム30に二つのローラ31,32が互に平行で回転可能に配
設されている。

又、回転駆動装置25は、出力モータ33、減速器34及び
タコメータ35を有してなる回転駆動モータ36と、回転駆
動モータ36の駆動軸41ところがり接触することによっ
て、回転駆動モータ36の回転駆動力をローラ31,32に伝
え得る回転盤37と、よりなる。

ここで、前記回転駆動装置には、底板57に設けられた
メネジ孔38、メネジ孔38に螺合する調節ビス39、回転駆
動モータ36と一体化し、且つビス39に下方から押圧され
て回転駆動モータ36の高さ位置を決め得るブラケット40
から構成され、二つのローラ31,32に回転盤37がころが
り接触するための接触押圧力を調整し得る手段とが備え
られている。

又、符号42は、回転駆動モータ36とブラケット40を一
体に保つためのビスである。

又、符号43は、高さ位置の決められたブラケット40を
その高さ位置で固定するためのビスである。

加えて、回転駆動装置25は、ローラ32に括れ部44を形
成している。

ここで、括れ部44は、中心がローラ32の軸線上に位置
し、且つローラ32の径と同じ径である球の部分曲面45,4
6を備えて形成されている。

表面粗さを測定する際には、まず、表面粗さ計２の検
出アーム11の先端接触部26を丸棒26に対して当接するよ
うに配置する。

そして、回転駆動モータ36に電源及び制御装置（共に
図示省略）をコネクタ47を介して接続し、回転駆動モー
タ36を出力させる。

回転駆動モータ36が回転すると、回転駆動力は駆動軸
41から回転盤37を経てローラ31,32に伝動される。

ローラ31,32の回転によって丸棒24が回転駆動され、
先端接触部26は丸棒24の円周面の表面粗さを測定する。

しかしながら、前記測定の際に、ローラ31,32の断面
形状が実質的に真円形状でない、ローラ31,32が実質的
に真円状で回転しない、或いは丸棒24の断面形状が実質
的に真円形状でない場合等があると、前述した初期の状
態に対して回転軸方向で丸棒24の首振り状の揺動が発生
する。

ここで、前記揺動が、例えば第３図において、丸棒24
の左側が下がり右側が上がるという揺動である場合、丸
棒24はスキッド５から離れ、且つスキッド６をより強く
押圧しようとする。

そして、第３図において、スキッド６をほぼ上方に押
すような丸棒24からの押圧力は、板バネ14の弾性力に抗
して、支持部材13の支持部15を中心にしてホルダ７を反
時計方向に回転させる。

そのため、第３図において、ホルダ７が反時計方向に
回転すると、ホルダ７に保持されているスキッド５も同
様に支持部15を中心に反時計方向に回転して、スキッド
５、６は丸棒24への当接状態を保ち続ける。

従って、丸棒24が揺動したとてもスキッド5,6は丸棒2
4の被測定部位を挟んだ状態で追従当接を続ける。

よって、丸棒24に対して検出アーム11の先端接触部26
が実質的に一定の相対位置を保つようにスキッド５、６
は作用するから、先端接触部26は丸棒24の表面粗さのみ
を測定する。

そして、測定された表面粗さの値は表面粗さ計２本体
内の差動トランス等（図示省略）によって電気量に変換
されて表示側に出力される。

第３図において上述した丸棒24の揺動は、丸棒24の左
側が下がり、右側が上がるという場合であるが、丸棒24
が第３図において左側が上がり右側が下がる場合であっ
ても、スキッド５が丸棒24に押圧されることで、支持部
材13の支持部15を中心にして時計方向にホルダ７は回転
し、スキッド5,6は丸棒24に追従当接を続ける。

つまり、被測定物である丸棒24にほぼ等しい押圧力で
スキッド５、６が当接している初期の状態に対して、丸
棒24の回転軸方向で揺動を発生しても、検出アーム11の
先端接触部26が丸棒24に対して実質的に一定の相対位置
を保つから、先端接触部26は丸棒24の表面粗さだけを測
定し、丸棒24の揺動による誤差を含んで測定することは
ない。

以下において、第５〜７図に基づき、球48の表面粗さ
の測定を説明する。

まず、回転駆動装置25のローラ31とローラ32の括れ部
44に球48を載置する。

そして、電力を回転駆動モータ36にコネクタ47を介し
て供給すると、回転駆動モータ36は回転し、駆動軸41は
回転盤37を介してローラ31,32を共に等しい周速度で回
転させる。

ここで、球48は、ローラ31に支持されている部位、つ
まり球48の中心を通る円の断面円状部分が、ローラ31の
回転の周速と同じ周速で回転駆動される。

一方、ローラ32の周速度に対して、球48を支持する部
分曲面45,46上に部位に対応する周速度で、ローラ31に
支持されている部位、つまり括れ部44の部分曲面45,46
上の当接部位は、この部位と球48の回転軸（ローラ31,3
2の軸と平行な軸）とを結ぶ距離を半径とする円状に回
転駆動される。

つまり、ローラ31,32の相等しい周速度をＶ、球48の
半径をＲとすると、球48は、ローラ31によって角速度V/
R回転駆動される。

他方、球48の中心と括れ部44の部分曲面45,46との接
点を結ぶ線分（法線）と、球48とのなす角をθとする
と、ローラ32によって、球48の回転軸を回転軸として半
径がRsinθとなる円状部分で、球48はVsinθの周速度で
回転駆動される。

この周速度を角速度ωに変換すると、 Vsinθ＝ω・Ｒ・sinθであることより、 ω＝V/Rが得られる。

以上より、ローラ31の接触支持部分、及びローラ32の
括れ部44において、等しい角速度で球48は回転駆動され
るから、球48は安定に回転する。

上記の球48の回転時において、括れ部44の部分曲面45
の接触支持部位を中心に球48に揺動が生じようとする
と、上述した丸棒24の回転時の揺動と同時に、球48の揺
動しようとする力がスキッド６を押圧し、このスキッド
６の押圧によって、第６図において、支持部15を中心に
ホルダ７は反時計方向に回転され、このホルダ７の回転
によってスキッド５は球48方向に押圧され、球48に追従
して当接を続ける。

また、括れ部44の部分曲面46の接触支持部位を中心に
球48に揺動が生じようとすると、可動手段８の同様の作
用によって、スキッド６も球48に追従して当接を続け
る。

従って、球48が初期の状態に対して回転軸方向で揺動
を発生しても、球48に対して検出アーム11の先端接触部
26は実質的に一定の相対位置を保つから、先端接触部26
は球48の表面粗さのみを測定し、球48の揺動による誤差
を含んで測定することはない。

第８〜12図に基づき、この発明の他の実施例を説明す
る。

第８図に示すように、表面粗さ計のノーズピース1a
は、表面粗さ計２の前面３への取付け部分となるマウン
ト部材4aと、スキッド5a,6aと、先端部分であってスキ
ッド5a,6aを並列状態で保持するホルダ7aと、マウント
部材4aとホルダ7aとの間に介在されて、マウント部材4a
に対してホルダ7aが揺動することを可能にする可動手段
8aと、が備えられている。

マウント部材4aには、表面粗さ計２にマウント部材4a
を固定するためのビス９と、ビス９が通る通孔10aと、
表面粗さ計２の検出アーム11を覆って保持し得る保護部
12aと、が設けられている。

可動手段8aは、マウント部材4aの保護部12aの先端部
分に取付け固定され、ホルダ7aの揺動を支持する支持部
材13aと、ベアリング49a,50aと、支持部材13aに取付け
固定され、ベアリング49a,50aを嵌合保持する保持部材5
1aと、ホルダ7aに螺合取付けされ、ベアリング49a,50a
を枢支し得る枢支部材52aと、から主に構成される。

ここで、可動手段8aは、ビス18aによって支持部材13a
に取付け固定され、ベアリング49a,50aを互に対向する
方向から保持部材51aの通孔53aに嵌合し、ベアリング50
aにワッシャ54aを接触させた状態で，保持部材51aをホ
ルダ7aの切欠き55aに嵌合し、ベアリング49a,50a及びホ
ルダ7aの孔56aに枢支部材52aを挿通し、ホルダ7aに螺合
取付けすることによって、組立てられる。

以下において、表面粗さ計のノーズピース1aの使用を
説明する。

回転体である丸棒24の円周方向の表面粗さを測定する
際は、まず表面粗さ計のノーズピース1aを表面粗さ計２
に取付けてビス９で固定する。

そして、回転駆動装置25に丸棒24載置し、検出アーム
11の先端接触部26が丸棒24に接触状態となるように表面
粗さ計２を配置する（第９〜10図を参照）。

この時、スキッド5a,6aは丸棒24の被測定部位を挟ん
で丸棒24に当接している。

そして、回転駆動モータ36にコネクタ47を介して電力
を供給し、回転駆動装置25を作動させると、ローラ31,3
2に駆動されて丸棒24は軸を回転軸として円周方向に回
転し、この回転によって丸棒24の円周面の表面粗さが測
定され得る。

この測定の際に、前記の実施例と同様に丸棒24に揺動
が生じようとすると、スキッド5a,6aのうち丸棒24から
より強く押圧される側からの力によって、その押圧力の
作用しない側のスキッドは丸棒24に向うように、ホルダ
7aを枢支部材部材52aを中心に回転させる。

従って、スキッド5a,6aは丸棒24の被測定部位を挟ん
だ状態で追従当接を続ける。

よって、検出アーム11の先端接触部26が丸棒24に対し
て実質的に一定の相対位置を保つようにスキッド5a、6a
は作用するから、先端接触部26は丸棒24の表面粗さのみ
を測定し、丸棒24の揺動による誤差を含んで測定するこ
とはない。

第12図に、表面粗さ計のノーズピース1aを用いて球48
の表面粗さを測定する場合を示す。

回転駆動装置25によって球48が回転されている際、球
48がローラ32の括れ部44の部分曲面45もしくは46上の当
接部位を中心に回転して揺動すると、可動手段８が作用
してスキッド5a,6aは球48に追従当接を続ける。

結果的に、検出アーム11の先端接触部26は球48に対し
て実質的に一定の相対位置を保ち続ける。

従って、先端接触部26は球48の表面粗さのみを測定
し、球の揺動による誤差を含んで測定しない。

［発明の効果］ 本発明は、可動手段により、検出アームの突出する方
向を軸として時計方向、又は反時計方向に、先端部分を
謡動可能としたので、測定中に生じる被測定物の謡動に
よる誤差を含まずに表面粗さの測定を精度よく行なうこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例の分解斜視図、 第２図は、本実施例を用いて丸棒の表面粗さを測定する
際の斜視図、 第３図は、第２図の要部Ｉ−Ｉ矢視図、 第４図は、一部切り欠きを含むII−II矢視図、 第５図は、本実施例を用いて球の表面粗さを測定する際
の第２図相当図、 第６図は、本実施例を用いて球の表面粗さを測定する際
の第３図相当図、 第７図は、第６図のIII−III断面図、 第８図は、本発明の他の実施例の第１図相当図、 第９図は、他の実施例に関わる第２図相当図、 第10図は、他の実施例に関わる第３図相当図、 第11図は、第10図のIV−IV断面図、 第12図は、他の実施例に関わる第５図相当図、 第13図は、従来例の第１図相当図、 第14図は、従来例に関わる第３図相当図、 第15図は、他の従来例の斜視図、 第16図は、従来例を用いた場合に生ずる問題の説明図、 第17図は、本実施例を用いて円柱の表面粗さを測定する
際の説明図である。 １……表面粗さ計のノーズピース、 ２……表面粗さ計、３……表面粗さ計前面、 ４……マウント部材（表面粗さ計への取付け部材）、 5,6……スキッド、７……ホルダ（先端部分）、 ８……可動手段、11……検出アーム、 13……支持部材、14……板バネ、 15……支持部、17,20……押え板、 18,21……ビス、24……丸棒（被測定物）、 25……回転駆動装置、26……先端接触部、 31,32……ローラ、36……回転駆動モータ、 37……回転盤、38……メネジ孔、 39……ビス、40……ブラケット、 44……括れ部、45,46……球の部分曲面、 48……球、 49a,50a……ベアリング、 51a……保持部材、52a……枢支部材、 53a……通孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表面粗さ計本体前面に脱着可能に付設さ
   れ、該表面粗さ計本体前面から突出する検出アーム部を
   覆うように形成される表面粗さ計のノーズピースにおい
   て、前記ノーズピース先端部に設けられたホルダ部と、 前記ホルダ部に並列状態で保持され、被測定物表面に各
   々が当接することで、被測定物に対し前記検出アーム部
   を一定の位置高さに保つことが可能な２のスキッド部
   と、 前記ノーズピース先端部と前記ホルダ部との間に設けら
   れ、前記ノーズピース先端部に対し前記ホルダ部を前記
   検出アーム部突出方向を軸として時計方向および反時計
   方向に揺動可能とする可動手段と、 を備えたことを特徴とする表面粗さ計のノーズピース。