JPH08194991A - オートリバース式テープレコーダ - Google Patents

オートリバース式テープレコーダ

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Publication number
JPH08194991A
JPH08194991A JP7023520A JP2352095A JPH08194991A JP H08194991 A JPH08194991 A JP H08194991A JP 7023520 A JP7023520 A JP 7023520A JP 2352095 A JP2352095 A JP 2352095A JP H08194991 A JPH08194991 A JP H08194991A
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JP
Japan
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gear
moving
rotation
reel
plate
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Withdrawn
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JP7023520A
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English (en)
Inventor
Shozo Nishimura
省三 西村
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Tanashin Denki Co Ltd
Original Assignee
Tanashin Denki Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08194991A publication Critical patent/JPH08194991A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オートリバース機構の簡略化および、部品点
数の削減による製造コストの低減およびテープレコーダ
の小型化を可能としたオートリバース式テープレコーダ
を提供する。 【構成】 この発明のオートリバース式テープレコーダ
は、テープの走向方向に対応して第1及び第2移動位置
に択一的の位置付けられる移動板10と、この移動板に初
期移動力が与えられたとき、移動板をその移動方向に向
けて移動させる移動手段(欠歯ギヤ27,カム孔17等)
と、リール軸の回転が停止したことを検出し、この検出
時点で移動板に初期移動力を与えて、移動手段を駆動さ
せる回転停止検出手段(回転検出部材34,35、揺動部材3
6等)とを備えて構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テープが終端まで巻
き取られたときテープの走行方向が切り換えられるオー
トリバース式テープレコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】実公平6−14297号公報に開示され
たオートリバース式テープレコーダ(以下従来例1とす
る)のオートリバース機構は、テープ再生時のテープ終
端でテープ終端検出機構が働いてテープの走行方向を切
り換える。また、テープの高速巻き戻し操作では、オー
トリバース機構の動作状態に応じてテープの再生方向と
は逆の方向にテープを走行させるようにしている。そし
て、早送り操作でのテープ終端では、テープ終端検出機
構が働くと、早送りの操作状態を解除するようにしてい
る。
【0003】このテープ終端検出機構は、モータからの
回転力を受けて回転するカムギヤと、リール軸の回転を
摩擦機構を介してカムギヤのカムに摺接する揺動レバー
と、揺動レバーに係合して作動するトリガと、このトリ
ガの作動によりカムギヤに噛み合う欠歯ギヤとによって
構成されている。そして、再生時のテープ終端でリール
軸の回転が停止すると揺動レバーは、カムにより最大揺
動位置まで移動される。このとき揺動レバーは、カムよ
り突出した位置にあるカムよりさらに揺動してトリガに
係合し、トリガを作動させる。この結果、欠歯ギヤがカ
ムギヤに噛み合って回転し、欠歯ギヤによりオートリバ
ース機構が作動される。このオートリバース機構は、両
リール軸の間に介在する中間伝達ギヤの位置を切り換え
てリールへの回転伝達経路を切り換える一方、ピンチロ
ーラとキャプスタンとの圧接状態を切り換える。
【0004】また、実公平6−10513号公報に開示
されるオートリバース式テープレコーダ(以下従来例2
とする)では、テープの巻き戻し操作でトリガを作動さ
せてテープ再生時のテープ走行方向とは逆方向にテープ
を走行させるようにしている。このようなオートリバー
ス式テープレコーダでは、テープの早送りのテープ終端
で、テープの再生時と同じようにテープ終端検出機構が
作動することでオートリバース機構を作動させる。そし
て、オートリバース機構で作動するテープの走行方向を
切り換える部材が早送り操作部材の操作状態を自動的に
解除するようにしている。
【0005】さらに、テープ早送り状態をテープ終端で
自動解除させるためにテープ早送り回転伝達機構には、
テープ終端でリール軸の回転が停止してもカムギヤの回
転を継続させテープ終端検出機構が作動できるようにす
る必要がある。このため、早送りの回転伝達経路内に摩
擦回転伝達機構を介在させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来例1の
オートリバース式テープレコーダは、テープ終端検出機
構の構成にトリガが含まれており、これにより、その構
成が複雑になっている。また、従来例2のオートリバー
ス式テープレコーダにおいても、テープ早送り回転伝達
機構の構成に摩擦回転伝達機構が含まれており、これに
より、その構成が複雑になっている。
【0007】このように構成が複雑になると、部品点数
増加による製造コストの増大を招くと共に、テープレコ
ーダ本体の大型化を招くなどの問題がある。この発明
は、上述した事情に基づいてなされたものでその目的と
するところは、機構を簡略化し、製造コストの低減およ
びテープレコーダ本体を小型化できるオートリバース式
テープレコーダを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1のオートリバース式レープレコーダは、
一対のリール軸び一対のキャプスタンを備えたシャー
シと、前記各リール軸に摩擦係合した第1および第2リ
ールギヤと、前記各キャプスタンと共に回転する第1お
よび第2駆動ギヤと、前記第1および第2駆動ギヤを回
転させる駆動手段と、テープの走行方向に応じて、第1
および第2移動位置に択一的に位置付けられる走行方向
制御部材と、前記走行方向制御部材に初期移動力が与え
られたとき、走行方向制御部材をその移動方向に向けて
移動させる移動手段と、前記走行方向制御部材と共に移
動し、走行方向制御部材が第1移動位置にあるとき、第
1駆動ギヤから第1リールギヤに駆動力を伝達する一
方、走行方向制御部材が第2移動位置にあるとき、第2
駆動ギヤから第2リールギヤに駆動力を伝達する伝達ギ
ヤと、前記リール軸の回転が停止したことを検出し、こ
の検出時点で前記走行方向制御部材に初期移動力を与え
て、前記移動手段を駆動させる回転停止検出手段とを備
えて構成されている。
【0009】そして、前記回転停止検出手段は、前記各
リール軸に基端がそれぞれ摩擦係合され、それらの先端
部が互いに近接する方向に延びた一対の回転検出部材
と、前記走行方向制御部材に支持され、前記伝達ギヤの
回転に伴って周期的に揺動され、前記一対のリール軸の
間まで延びた一端を有する揺動部材と、前記揺動部材の
一端に設けられ、所定の揺動軌跡上を往復移動可能な揺
動子と、前記各回転検出部材に設けられ、前記リール軸
の回転により前記回転検出部材とともに前記揺動子に向
けて回動付勢され、前記揺動子の揺動運動を案内するこ
とにより、回転検出部材をリール軸の回転方向とは逆方
向に向けて所定の戻り位置まで押し戻すガイド面と、前
記回転検出部材に設けられ、前記リール軸の回転が停止
した状態で、前記揺動子の揺動運動によって前記回転検
出部が前記戻り位置まで戻されたとき、前記揺動子の揺
動軌跡上に位置して、前記揺動子の移動を停止させるス
トッパ部とから構成されている。
【0010】請求項2のオートリバース式テープレコー
ダは、前記移動手段が、前記移動手段は、前記走行方向
制御部材が前記第1および第2移動位置にあるときに
は、前記一方の駆動ギヤと非噛み合い状態にあり、走行
方向制御部材が一方の移動位置から他方の移動位置に移
動されるとき、前記一方の駆動ギヤと噛み合い状態とな
る欠歯ギヤと、前記欠歯ギヤに設けられたカムフォロア
と、前記走行方向制御部材に形成され、前記カムフォロ
アを案内するカム面を有したしたカム孔とから構成され
ている。
【0011】請求項3のオートリバース式テープレコー
ダは、前記駆動ギヤから前記欠歯ギヤへの駆動力は、減
速して回転伝達される第2のギヤを介して伝達されるよ
うに構成されている。請求項4のオートリバース式テー
プレコーダは、前記走行方向制御部材の移動位置を手動
で切換える切換手段を更に備えて構成されている。
【0012】そして、この切換手段は、前記走行方向制
御部材と交差し、テープの巻き戻し操作に連動して押し
込まれる操作プレートと、前記巻戻し操作プレートに形
成された押圧部と、前記走行方向制御部材に形成され、
前記巻戻し操作プレートの押し込み操作及び戻し操作に
ともない、押圧部と交互に当接可能な一対の当接部とを
備えて構成されている。
【0013】請求項5のオートリバース式テープレコー
ダは、テープの巻き戻しおよび早送り操作プレートのた
めの各操作プレートと、一方の操作プレートが押し込ま
れたとき、その押し込み状態を保持する保持手段と、前
記回転停止検出手段により、テープの終端が検出された
とき、前記操作プレートの押し込みを解除する解除手段
とを更に備えて構成されている、そして、前記保持手段
は、各操作プレートの押し込み方向に対して交差する方
向に移動可能とし、押し込まれた各操作プレートを押し
込み状態に係止する係止プレートを有している。
【0014】前記解除手段は、前記係止プレートに形成
された被作用部と、前記欠歯ギヤに形成された作用部と
から構成されている。請求項6のオートリバース式テー
プレコーダは、前記各リール軸と一体に回転可能な第1
および第2固定リールギヤと、早送りおよび巻き戻し操
作が行われたとき、前記第1および第2リールギヤなら
びに第1および第2固定リールギヤのそれぞれに噛み合
い可能な中間ギヤと、前記シャーシに回動自在に支持さ
れ、前記伝達ギヤの回転軸を支持すると共に、前記走行
方向制御部材の移動にともなって伝達ギヤが移動される
とき、伝達ギヤをその回動軸を中心に回動させるギヤプ
レートとを更に備えて構成されている。
【0015】
【作用】請求項1のオートリバース式テープレコーダに
よれば、テープが終端まで巻きとられると、リール軸の
回転が停止される。リール軸の回転停止に伴い、前記回
転停止検出手段において、回転検出部材のストッパ部が
伝達ギヤの回転力で揺動する揺動子の揺動を阻止する。
この揺動子がストッパ部から受ける反力により、走行方
向制御部材に初期移動力与えられ、この初期移動力によ
り前記移動手段が駆動される。これにより、走行方向制
御部材が一方の移動位置から他方の移動位置へと切り換
えられる。走行方向制御部材の移動位置が切り換えられ
ると、伝達ギヤは、駆動ギヤとリールギヤとの噛み合い
を一方から他方に切り換えられ、この時点で、テープの
走行方向が逆方向となる。
【0016】請求項2のオートリバース式テープレコー
ダによれば、前記移動手段は、走行方向制御部材に初期
移動力が与えられたとき、走行方向制御部材の移動に伴
って、カム孔のカム面が欠歯ギヤに設けられたカムフォ
ロアを押し、これによって、欠歯ギヤが回転される。走
行方向制御部材の移動量が所定以上となると、欠歯ギヤ
が駆動ギヤに噛み合い、欠歯ギヤは駆動ギヤからの駆動
力を受けて回転されるようになる。欠歯ギヤが駆動ギヤ
からの駆動力を受けて回転されるとき、カムフォロアが
カム孔のカム面を押して走行方向制御部材を更に移動さ
せる。
【0017】請求項3のオートリバース式テープレコー
ダによれば、駆動ギヤの駆動力は減速して回転力を伝達
する第2のギヤに伝達されており、走行方向制御部材に
初期移動力が与えられたとき、欠歯ギヤは第2ギヤに噛
み合うようになる。したがって、駆動ギヤからの回転力
は、第2のギヤを介して欠歯ギヤに高トルクで伝達され
ることになる。
【0018】請求項4のオートリバース式テープレコー
ダによれば、前記巻き戻し操作プレートが押し込まれた
とき、前記押圧部は一方の当接部に当接して、前記走行
方向制御部材に初期移動力与えられる。これにより、前
記移動手段が作動し、前記走行方向制御部材が現在の移
動位置から他方の移動位置に移動される。これにより、
テープの走行方向が切り換えられ、テープの巻き戻し動
作が開始される。
【0019】そして、巻き戻し操作プレートの押し込み
が解除されたとき、押圧部は他方の当接部に当接し、前
記走行方向制御部材に逆方向の初期移動力が与えられ
る。この初期移動力により、前記移動手段が作動し、前
記走行方向制御部材が元の移動位置に復帰する。これに
より、テープの走行方向が元の状態に戻ることになる。
請求項5のオートリバース式テープレコーダによれば、
テープの巻き戻しおよび早送り操作プレートが押し込ま
れたとき、各操作プレートは、前記係止プレートにその
押し込み状態が保持されるようになっている。この押し
込み状態が保持されている場合において、前記回転停止
検出手段がテープの終端を検出したとき、走行方向制御
部材に初期移動力が与えられ、欠歯ギヤが駆動ギヤに噛
み合う。欠歯ギヤは、駆動ギヤからの駆動力を受けて回
転され、この結果、欠歯ギヤの作用部が係止プレート係
止部に作用し、係止プレートが移動される。これによ
り、係止プレートに係止された各操作プレートの押し込
み状態が解除される。
【0020】請求項6のオートリバース式テープレコー
ダによれば、早送りおよび巻き戻し操作が行われている
とき、前記中間ギヤが前記第1および第2リールギヤな
らびに第1および第2固定リールギヤのそれぞれに噛み
合っている。この状態において、テープが終端まで巻き
取られて、リール軸の回転が停止すると、中間ギヤを介
してリールギヤの回転が停止される。この結果、第1ま
たは第2リールギヤに噛み合った状態にある前記伝達ギ
ヤは、駆動ギヤからの駆動力を受けて、前記ギヤプレー
トを介して、ギヤプレートの回動軸を中心に回動され
る。伝達ギヤの回動に伴い、前記走行方向制御部材が一
方の移動位置から他方の移動位置に移動され、前記解除
手段の作用により、前記係止プレートの前記操作プレー
トへの係止が解除される。
【0021】
【実施例】一実施例のオートリバース式テープレコーダ
を説明するにあたり、まず、テープレコーダの基本的な
構成およびその動作に関して説明する。図1を参照する
と、オートリバース式テープレコーダのドライブユニッ
トが示されており、ドライブユニットはメインシャーシ
2を備えている。このメインシャーシ2上には、そのほ
ぼ中央部にT字形のヘッドパネル4が重ねて配置されて
いる。このヘッドパネル4の基端部、即ち、そのT字形
の頂部はメインシャーシ2の一側縁側に位置し、且つ、
その一側縁に沿って延びている。
【0022】メインシャーシ2上には、4つのサイドガ
イド6が切り起こして突出されており、ヘッドパネル4
はこれらサイドガイド6に嵌合されている。それ故、ヘ
ッドパネル4は、サイドガイド6に案内されながら、メ
インシャーシ2上を図中矢印A方向に前進することがで
きる。ヘッドパネル4とメインシャーシ2との間には、
捻りコイルばねからなる復帰ばね(図示省略)が掛け渡
されており、この復帰ばねはヘッドパネル4を前記矢印
A方向とは逆向きに付勢して、図示の停止位置に位置付
けている。
【0023】ヘッドパネル4の基端部には、再生操作部
8が一体に形成されており、この再生操作部8はメイン
シャーシ2の一側縁から突出している。ヘッドパネル4
の上面側には、磁気ヘッド5がヘッド取付台7を介して
取り付けられている。磁気ヘッド5は、ヘッド取付台7
に対して回転可能に支持され、テープの走行方向に応じ
てその回転位置が切り換えられるようになっている。
【0024】詳しくは、磁気ヘッド5は、ヘッド取付台
7に回転自在に嵌合された円筒状のヘッドホルダHの先
端に装着されている。図2に示すように、ヘッドホルダ
6の後端部にはヘッドギヤ5aが一体的に装着されてい
る。なお、ヘッド取付台7はその両端の脚部を介してヘ
ッドパネル4の基端部に連結され、ヘッド取付台7とヘ
ッドパネル4との間には所定の間隔が確保されている。
【0025】一方、ヘッドパネル4上には、板状のヘッ
ド切換部材9が重ねて配置されており、このヘッド切換
部材9はその基端がヘッドパネル4の先端部のピンに回
動自在に支持されている。そして、ヘッド切換部材9の
先端は、ヘッド取付台7の下方を通過して磁気ヘッド5
のヘッドギヤ5aまで延びている。このヘッド切換部材
9の先端は、上方、即ち、ヘッドギヤ5a側に向けて曲
げ起こされ、その上縁は所定長さを有したラック9aと
して形成されている。このラック9aはヘッドギヤ5a
に噛み合わされている。また、ヘッド切換部材9は、図
4に示すように、ヘッドパネル4の移動とともに前記前
進方向に移動されるようになっている。
【0026】ヘッドパネル4の中央部には、開口部4a
が大きく切り抜いて設けられている。一方、ヘッド切換
部材9の中央部にも開口が形成されており、この開口内
には、ヘッド切換部材9と一体の板ばね部9bが配置さ
れている。この板ばね部9bは、ヘッド切換部材9の開
口を形成する際、その一部を残し、これをヘッドパネル
4側に折り曲げて形成されている。板ばね部9bは前記
開口部4a内に配置されている。また、メインシャーシ
2はヘッドパネル4の下面に対向した部分が大きく開口
されており、板ばね部9bの先端は下方に向けて突出
し、ヘッドパネル4の開口部4aおよびメインシャーシ
2の開口部を貫通して、メインシャーシ2の下面側まで
延びている。
【0027】メインシャーシ2の下面側には、ヘッドパ
ネル4の移動方向に対して垂直に交差する方向、すなわ
ち、メインシャーシ2の横方向に移動可能な移動板10
(走行方向制御部材に対応)が配置されている。そし
て、図4、図5に示すように、板ばね部9bの先端は、
移動板10に形成されたガイドスロット10aに係合さ
れている。
【0028】移動板10は、テープの走行方向に対応し
て左右の第1および第2移動位置を取るようになってい
る。ヘッド切換部材9は、図5に示すように、移動板1
0が移動されたとき、板ばね部9bを介して回動される
ようになっている。したがって、ヘッド切換部材9は、
移動板10の移動位置に対応した回動位置を取ることに
なる。そして、ヘッド切換部材9が回動されると、ラッ
ク9aがヘッドギヤ5aを介して磁気ヘッド5を回転さ
せ、磁気ヘッド5はヘッド切換部材9の回動位置に対応
した回転位置を取ることになる。
【0029】なお、板ばね部9bの作用としては、移動
板10の移動に遅れてヘッド切換部材9が回動されるよ
うなっている。また、ヘッド切換部材9は、その回動位
置にて板ばね部9bのばね力に付勢されて保持されるこ
とになり、磁気ヘッド5は、付勢されているヘッド切換
部材9のラック9aを介してその回転位置に保持される
ようになっている。
【0030】図1に戻り、メインシャーシ2には、磁気
ヘッド5側で且つヘッドパネル4の両側に位置して一対
のキャプスタン11,12および一対のピンチローラ1
3,14がいずれも左右対称に配置されている。ヘッド
パネル4が前記A方向に前進するとき、一対のピンチロ
ーラ13,14は対応するキャプスタンに対して当接す
る。ヘッドパネル4がA方向の逆方向に後退するとき、
両ピンチローラ13,14は共に各キャプスタン11,
12から離れる 各キャプスタン11,12は、メインシャーシ2の上面
から大きく突出する一方、メインシャーシ2を貫通し
て、このメインシャーシ2に回転自在に支持されてい
る。そして、各キャプスタン11,12の下端部は、メ
インシャーシ2の下側に位置し、それらの下端部には図
6に示すように駆動プーリ15,16が取付けられてい
る。これら駆動プーリ15,16にはキャプスタンギヤ
17,18(以下駆動ギヤ17,18とする)が一体に
形成されている。
【0031】図7で見て、メインシャーシ2の下面右側
部分には、駆動モータ19が配置されている。駆動モー
タ19の出力軸はメインシャーシ2の下面側に突出し、
その突出端には、出力プーリ19aが取り付けられてい
る。また、メインシャーシ2の下面側には、出力プーリ
19aと同レベルに位置して中間プーリ20が配置され
ており、この中間プーリ20はメインシャーシ2の一側
縁に位置付けられている。
【0032】前記キャプスタン11,12の駆動プーリ
15、16は出力プーリ19aおよび中間プーリ20と
同一レベルに位置付けられており、これらのプーリには
駆動ベルト21が図示するように掛け回されている。し
たがって、駆動モータ19の駆動により、各キャプスタ
ン11,12が互いに逆向きに回転される。駆動モータ
19は、この実施例の場合、テープの走行モードが再生
および記録モードである場合、定常の速度で一方向に回
転される一方、早送りおよび巻き戻しモードである場合
には、高速度で同一方向に回転されるようになってい
る。
【0033】一方、メインシャーシ2の他側縁部には、
左右に離間した一対のリール軸22,23が配置されて
いる。これらリール軸22,23は、メインシャーシ2
の上方に突出し、メインシャーシ2に回転自在に支持さ
れている。これらリール軸22,23にはリールギヤ2
4,25がそれぞれ取り付けられており、リール軸2
2,23とリールギヤ24,25との間は滑りクラッチ
機構を介して相互に連結されている。
【0034】移動板10は、メインシャーシ2に対し
て、第1移動位置(図6に示す状態)および第2移動位
置(図7に示す状態)の両移動位置の間で左右に移動さ
れるようになっている。図6に示すように、メインシャ
ーシ2の下面側に配置された移動板10には、一対のキ
ャプスタン11,12が貫通するガイド孔10bがそれ
ぞれ形成されており、これらガイド孔10bは移動板1
0の左右方向に所定長さに亘って延びている。キャプス
タン11,12には、対応するガイド孔10bに嵌合し
たローラが取付けられており、これらガイド孔10b
は、移動板10の移動を案内すると共に、その移動範囲
を規定している。
【0035】移動板10の一端部とメインシャーシ2と
は、反転ばね26により相互に連結されている。この反
転ばね26は、その両端部を同一の向きに延ばしたねじ
りコイルばねからなり、その両端は移動板10およびメ
インシャーシ2に回転自在にして係止されている。反転
ばね26は、移動板10を第1および第2移動位置のう
ち一方の移動位置に向けて付勢する機能を有している。
【0036】移動板10は、移動板10に初期移動力が
与えられたとき、移動手段により、その移動方向に移動
されるようになっている。移動手段は、欠歯ギヤ27お
よびカム孔28等から構成されており、以下にその説明
をする。図6で見て、一方のキャプスタン11の近傍に
は、欠歯ギヤ27が配置されており、この欠歯ギヤ27
は、移動板10の下面側に位置してメインシャーシ2に
回転可能に支持されている。そして、欠歯ギヤ27は、
一方の駆動ギヤ17と同一レベルに位置付けられた外周
面を有し、この外周面に駆動ギヤと噛み合い可能な歯面
を有している。欠歯ギヤ27の歯面には、その2カ所に
欠歯部27a、27bが形成されており、これら欠歯部
27a,27bは周方向の180度対称位置に離間され
ている。
【0037】一方、移動板10の欠歯ギヤ27と対向す
る部位には、カム孔28が形成されており、このカム孔
28内には、欠歯ギヤ27の上面側に突設されたカムフ
ォロアピン29が臨んでいる。なお、欠歯ギヤ27のギ
ヤ軸もまたカム孔28を貫通してメインシャーシ2に回
転自在に支持されている。欠歯ギヤ27には、カムフォ
ロアピン29と直径方向の対称位置に、カムフォロアピ
ン29よりも短いロックピン30が上面側に向けて突設
されており、このロックピン30は、欠歯ギヤ27の回
転中、カム孔28とは干渉しないようになっている。
【0038】メインシャーシ2の下面には、リールギヤ
24と欠歯ギヤ27との間に位置して捻りコイルスプリ
ングからなる押さえばね31が配置されている。この押
さえばね31の一方の腕部は欠歯ギヤ27に向けて延
び、その他方の腕部はメインシャーシ2に固定されてい
る。押さえばね31の一方の腕部の先端は、欠歯ギヤ2
7のカムフォロアピン29またはロックピン30のいず
れか一方を押さえ付け、欠歯ギヤ27を常に図6で見て
時計回り方向に付勢している。
【0039】欠歯ギヤ27は、テープの走行方向すなわ
ち、移動板10の移動位置(第1および第2移動位置)
に対応し、第1および第2回転位置の2カ所で停止され
るようになっている。すなわち、移動板10が第1移動
位置にあるとき、欠歯ギヤ27は第1回転位置に停止さ
れ、移動板10が第2移動位置にあるとき、欠歯ギヤ2
7は、第2回転位置に停止される。そして、欠歯ギヤ2
7が第1または第2回転位置に停止しているとき、欠歯
部27a、27bが駆動ギヤ17側に位置して、欠歯ギ
ヤ27の歯面は駆動ギヤ17とは噛み合っていない。
【0040】カム孔28はその内周面がカム面として形
成されており、そのカム面は、一対の当接部28a,2
8bを有している。これら当接部28a,28bには、
欠歯ギヤ27が第1または第2回転位置に停止している
とき、前記押さえばね31により時計回り方向に付勢さ
れた欠歯ギヤ27のカムフォロアピン29が当接される
ようになっている。すなわち、移動板10が図6に示す
第1移動位置にあるとき、欠歯ギヤ27は、そのカムフ
ォロアピン29が一方の当接部に28aに当接した第1
回転位置に停止されている。また、移動板10が図7に
示す第2移動位置にあるとき、欠歯ギヤ27は、そのカ
ムフォロアピン29が他方の当接部28bに当接した第
2回転位置に停止されている。
【0041】移動板10が図6の第1移動位置から第2
移動位置に向けて移動されるとき、押さえばね31によ
ってカム孔28の当接部28aに押し付けられているカ
ムフォロアピン29もまた移動板10と共に移動し、欠
歯ギヤ27は時計回り方向に回転される。これにより、
欠歯ギヤ27が駆動ギヤ17と噛み合うようになる。そ
して、欠歯ギヤ27が駆動ギヤ17に噛み合うと、欠歯
ギヤ27は駆動ギヤ17からの駆動力を受けて回転され
る。これにより、今度は、欠歯ギヤ27の回転に伴い、
欠歯ギヤ27のカムフォロアピン29はカム孔28のカ
ム面を押し、移動板10を更に移動させる。
【0042】移動板10が図7の第2移動位置から第1
移動位置に移動する場合も同様にして、押さえばね31
によってカム孔28の当接部28bに押し付けられてい
るカムフォロアピン29もまた移動板10と共に移動
し、欠歯ギヤ27は時計回り方向に回転される。これに
より、欠歯ギヤ27が駆動ギヤ17と噛み合うようにな
る。そして、欠歯ギヤ27が駆動ギヤ17に噛み合う
と、欠歯ギヤ27は駆動ギヤ17からの駆動力を受けて
回転される。今度は、欠歯ギヤ27の回転に伴い、欠歯
ギヤ27のカムフォロアピン29はカム孔28のカム面
を押し、移動板10を更に移動させる。
【0043】次に、キャプスタン11,12およびリー
ル軸22,23に駆動力を伝達する動力伝達機構につい
て説明する。この動力伝達機構は、移動板10の下面側
に配置された伝達ギヤ32を備えている。この伝達ギヤ
32は、板状のギヤプレート33を介してメインシャー
シ2に支持されている。ギヤプレート33は、メインシ
ャーシ2と移動板10の間に配置されており、その基端
部がメインシャーシ2に回動自在に支持されている。ギ
ヤプレート33の先端部には、伝達ギヤ32が回転自在
に支持されている。そして、伝達ギヤ32の回転軸は、
移動板10に形成されたガイドスロット10c内に延
び、移動板10が左右に移動することで、伝達ギヤ32
はギヤプレート33の回動軸を中心に円弧運動する。
【0044】移動板10が第1移動位置にあるとき、図
8に示すように、ギヤプレート33および伝達ギヤ32
は、図中一点鎖線で示すように左側に円弧運動してお
り、伝達ギヤ32は駆動ギヤ17およびリールギヤ24
の双方に噛み合っている。したがって、駆動モータ19
から駆動ギヤ17に伝えられた駆動力は、伝達ギヤ32
を通じてリールギヤ24に伝えられ、このリール軸22
が図8で見て反時計回り方向に回転される。
【0045】一方、移動板10が第1移動位置から第2
移動位置に移動すると、伝達ギヤ32は、駆動ギヤ17
およびリールギヤ24から離れる方向に円弧運動し、図
8中2点鎖線で示すように、駆動ギヤ18およびリール
ギヤ25に噛み合うことになる。したがって、駆動モー
タ29から駆動ギヤ18に伝えられた駆動力は、伝達ギ
ヤ32を通じてリールギヤ25に伝えられ、このリール
軸23が図8で見て時計回り方向に回転される。
【0046】テープレコーダに組み込まれている回転停
止検出手段は、次のように構成されている。回転停止検
出手段は、図6および図7に示すように、一対の回転検
出部材34,35を備えており、これら回転検出部材3
4,35の基端は各リール軸22,23に摩擦係合して
接続されている。詳しくは、回転検出部材34,35の
基端にはC字形の溝が形成され、そのC字溝が対応する
リール軸にわずかに弾性変形した状態で嵌合され、フリ
クション機構を形成している。一方のリール軸22が図
6で見て反時計方向に回転されるとき、回転検出部材3
4はフリクション機構の働きにより所定の摩擦力で引き
ずられ、リール軸22と同方向に回転される。また、他
方の回転検出部材35は、リール軸23が時計方向に回
転されるとき、同様にしてリール軸23と同方向に回転
される。
【0047】各回転検出部材34,35は、それらの先
端面が互いに対向する側を向いており、各回転検出部材
34、35の先端面の一端からはガイド部34a,35
aがそれぞれ延びている。これらガイド部34a,35
aはメインシャーシ2と平行であり、一旦真っ直ぐに延
びた後、図6でみて伝達ギヤ32側に向けて延びるよう
に折曲されている。
【0048】また、各回転検出部材34,35の先端面
中央には、そのガイド部34a,35bの基端に連なる
凹み34c,35cが形成され、また、それらの先端面
の他端は当接部34b,35bとして形成されている。
また、両ガイド部34a,35aは、図10に示すよう
に、上下に重なり合っており、両者の干渉が防止されて
いる。
【0049】回転検出部材34,35の基端からはメイ
ンシャーシ2の他方の側縁に向けてリミット部34d,
35dがそれぞれ延びている。これらリミット部34
d,35dは、メインシャーシ2の他方の側縁から立ち
上げられた壁部分(図示しない)に当接して、回転検出
部材34,35の回動を一定の範囲に制限する。一方、
移動板10からはリール軸22,23に向けて延出部1
0dが突出されており、この延出部10dには揺動部材
36が回動自在に支持されている。揺動部材36は、移
動板10と伝達ギヤ32との間に配置されている。揺動
部材36一端部はリール軸22,23の間まで延びてお
り、その一端部にはガイドピン37が上方に向けて突設
されている。そして、揺動部材36のガイドピン37
は、どちらか一方の回転検出部材34,35のガイド部
を含む先端部と交互に摺接可能となっている。
【0050】揺動部材36の他端部は、二股に分かれた
二股部になっており、その二股部の内側にはカム面が形
成されている。また、この二股部は伝達ギヤ32の回転
軸を跨いだ位置関係にある。前記カム面は、図9に示す
ように、第1および第2カム面36a、36b、第1お
よび第2カム山36c,36d、溝部36eから構成さ
れている。
【0051】一方、伝達ギヤ32には一個のカムフォロ
ア38が突設されている。このカムフォロア38は揺動
部材36の二股部と同レベルに位置付けられている。そ
して、伝達ギヤ32の回転中、所定の回転奇跡上を回転
する。図9に示すように、伝達ギヤ32の回転中、伝達
ギヤ32のカムフォロア38が揺動部材36のカム面と
摺接して、揺動部材36先端のガイドピン37が所定の
揺動奇跡を揺動する。詳しくは、カムフォロア38の回
転中、カムフォロア38が第1カム面36aを摺接しな
がら第1カム山36cに当節するとき、揺動部材36が
図9で見て時計回り方向に回動され、カムフォロア38
が第2カム山36dに当節するとき、揺動部材36が反
時計回り方向に戻される。カムフォロア38が溝部36
e内にあるときや、カム面側から外れた位置(図9で見
て上方向)にあるときには、揺動部材36の回動は停止
されている。したがって、伝達ギヤ32の回転中、揺動
部材36は、間欠的に揺動されることになり、揺動部材
36先端部、すなわち、ガイドピン37は、所定の揺動
奇跡上を間欠的に移動することになる。
【0052】たとえば、図9において、移動板10が第
1移動位置(左側)に移動していて、伝達ギヤ32が一
方の側の駆動ギヤ17およびリールギヤ24に噛み合っ
ている場合について説明する。駆動ギヤ17の回転に伴
い、伝達ギヤ32は図9中時計回り方向に回転してい
る。伝達ギヤ32の回転に伴い、リールギヤ24が反時
計回り方向に回転され、滑りクラッチ機構を介して、リ
ール軸22もまたリールギヤ24と同方向に回転され
る。これに伴い、回転検出部材34がリール軸22と同
方向に回動し、回転検出部材34のガイド部34aは揺
動部材36のガイドピン37に押し付けられる。
【0053】このような状態で、伝達ギヤ32の回転に
より、揺動部材36の一端部、即ち、そのガイドピン3
7は、前記ガイド部34aに摺接しながら揺動する。ガ
イドピン37が図9で見て左側に回動したとき、ガイド
ピン37は、回転検出部材34の凹み部34c内まで移
動する。そして、ガイドピン37が右側に回動したと
き、ガイドピン37は、回転検出部材34のガイド部3
4aを下方に押し付ける。このとき、回転検出部材34
はリール軸22の回転方向に対して逆方向に一時的に押
し戻されることになる。そして、ガイドピン37が再び
左側に回動するとき、回転検出部材34はそのガイド部
がガイドピン37に摺接しながら、リール軸22の回転
方向に移動する。
【0054】したがって、リール軸22が回転している
間、回動検出部材34は、所定の回動角範囲内で往復回
動することになる。また、このとき、ガイドピン37の
揺動は妨げられない。カセットテープの磁気テープが終
端まで巻き取られると、リール軸22の回転が停止する
ことになる。したがって、回転検出部材34は、リール
軸22の停止により、リール軸22から回転力を受ける
ことがない。しかしながら、リール軸22の回転が停止
されても、滑りクラッチ機構の作用により、リールギヤ
24は伝達ギヤ32からの駆動力を受けて回転されてい
る。
【0055】図11の状態でリール軸22の回転が停止
され、この状態から図12に示す状態まで、揺動部材3
6のガイドピン37が右側に回動すると、このガイドピ
ン37により回転検出部材34は滑りクラッチ機構の力
に抗して時計回り方向に押し戻される。リール軸22の
回転が停止されているので、押し戻された回転検出部材
34はその状態に維持される。
【0056】また、伝達ギヤ32は回転されているの
で、揺動部材36の揺動は継続されており、回転検出部
材34が押し戻された図12の状態にあるとき、揺動部
材36が左側に回動すると、図13に示すように、揺動
部材36のガイドピン37が回転検出部材34の凹み部
34cから外れ、その当接部34bに当接する。ガイド
ピン37が当接部34bに当接すると、揺動部材36の
移動が妨げられ、この結果、図14に示すように、回転
検出部材34からは反力が、揺動部材36を介して移動
板10に伝達され、この移動板10は図中右側に移動さ
れる。このように、リール軸22の回転が停止される
と、移動板10に図6で見て右方向の初期移動力が与え
られることになる。
【0057】なお、図7に示すように、他方のリール軸
23が回転されていて、その回転が停止された場合も同
様にして、リール軸23の停止により第2移動位置に位
置した移動板10に図7で見て左方向の初期移動力が与
えられることになる。また、移動板10の移動量は、駆
動ギヤ17及び伝達ギヤ32のモジュール(M)の大き
さで設定でき、M=0.5ミリの場合は、約1ミリ弱と
なる。
【0058】一方、図6でみて移動板10の左上部に形
成された操作部材10eをマニュアル操作で右方向に移
動させることで、移動板10に右方向の初期移動力を与
えることもできる。また、操作部材10eを電気的また
は機械的な手段で移動操作するようにしても構わない。
そして、図6に示す状態から移動板10に右方向の初期
移動力が与えられると、図15に示すように、欠歯ギヤ
27が前述したように僅かに回転して駆動ギヤ17と噛
み合うことになる。これにより、駆動ギヤ17から欠歯
ギヤ27に駆動力が伝達され、欠歯ギヤ27のカムフォ
ロア29が移動板10のカム孔28のカム面を押し(図
16)、移動板10は、第1移動位置から第2移動位置
に移動される。第2移動位置に移動した移動板10は、
反転ばね26の付勢力により、その移動位置に保持され
る。また、移動板10が第2移動位置に移動したとき、
欠歯ギヤ27は第2回転停止位置となり、欠歯ギヤ27
の第2欠歯部27bが駆動ギヤ17側に位置する(図1
7)。
【0059】移動板10が第2移動位置となると、図7
に示すように、伝達ギヤ32は、駆動ギヤ18およびリ
ールギヤ25と噛み合うことになり、駆動モータ19の
駆動力はリール軸23に伝達されることになる。これに
より、テープ走行方向が逆方向に切り換えられる。な
お、初期の状態において、移動板10が第2移動位置に
位置して、他方のリール軸23が回転している場合に、
リール軸23の回転が停止されると、第2回転検出部材
35がリール軸23の回転停止を検出する。そして、第
2回転検出部材35と揺動部材36の作用により、移動
板10に図6で見て左方向の初期移動力が与えられる。
これにより、移動板10が第2移動位置から第1移動位
置に移動され、テープの走行方向が切り換えられること
になる。
【0060】図17の状態から移動板10に初期移動力
が与えられたとき、押さえばね31の先端がロックピン
30を押さえ付けけているので、移動板10の移動に伴
って、欠歯ギヤ27が僅かに回転され、欠歯ギヤ27が
駆動ギヤ17と噛み合う。これにより、駆動ギヤ17か
ら欠歯ギヤ27に駆動力が伝達され、欠歯ギヤ27のカ
ムフォロア29が移動板10のカム孔28のカム面28
bを押し(図示省略)、移動板10は、第2移動位置か
ら第1移動位置に移動される。
【0061】次に、早送り操作および巻き戻し操作され
た場合に付いて説明する。図1で見て、再生操作部8の
右側には、早送り操作部39が設けられている。早送り
操作部39のさらに右側には、停止操作部46が設けら
れている。また、再生操作部8の左側には、巻き戻し操
作部40が設けられている。これらの早送り操作部39
および巻き戻し操作部40は、再生操作部8と同様に図
中A方向に押し込むことができる。
【0062】早送り操作部39が押し込まれたとき、駆
動モータ29の回転速度が電気的に高速に切換えられ、
回転している側のリール軸が高速に回転し、テープが早
送りされる。一方、巻き戻し操作部40が押し込まれる
と、前述した移動手段が作動して走行方向が切り換えら
れ、この後、駆動モータ29の回転が電気的に高速に切
換えられる。巻き戻し操作部40が解除されると、テー
プの走行方向及び駆動モータ29の回転速度は元に戻さ
れる。
【0063】巻き戻し操作部40の操作に伴って前記移
動手段が作動する機構について説明する。図18に示す
ように、巻き戻し操作部40は、巻き戻し操作プレート
41の上端部に形成されており、巻き戻し操作プレート
41は、移動板10に対して垂直に交差する方向に移動
板10の下面側を移動可能となっている。一方、移動板
10には、巻き戻し操作プレート41の移動経路上に位
置して第2カム孔43が形成されており、この第2カム
孔43内には、巻き戻し操作プレート41上に突設され
たピン42が臨んでいる。また、第2カム孔43のカム
面には、図18で見て左右対称位置に一対の第1カム山
43a,第2カム山43bが形成されている。
【0064】移動板10が図18に示した第1移動位置
にある場合に、巻き戻し操作部40が押され、巻き戻し
操作プレート41が押し込まれると、ピン42が第1カ
ム山43aに当接し、移動板10に右方向(第2移動位
置方向)の初期移動力が与えられる(図19)。この移
動板10の移動により欠歯ギヤ27が回転され、欠歯ギ
ヤ27が駆動ギヤ17に噛み合い、駆動ギヤ17から欠
歯ギヤ27に駆動力が伝達される。そして、欠歯ギヤ2
7の回転により、移動板10が第1移動位置から第2移
動位置に移動される(図20)。
【0065】そして、移動板10が第2移動位置に移動
して、テープの走行方向が逆になった時点で、駆動モー
タ19の回転速度が速くなり、テープが逆方向に高速で
巻き取られる。巻き戻しが終了した時点で、巻き戻し操
作プレート41の押し込みを解除すると、図21に示す
ように、巻き戻し操作プレート41が元の位置まで移動
する過程で、ピン42が第2カム山43bに当接する。
これにより、移動板10に図21で見て左方向の初期移
動力が与えられる。そして、移動板10が第2移動位置
から第1移動位置に戻され(図22)、テープの走行方
向が元の状態に戻る。
【0066】なお、移動板10が最初に第2移動位置に
ある場合には、巻き戻し操作プレート41が押し下げら
れると、第2カム孔43の第2カム山43bの働きによ
り、移動板10が第1移動位置に移動され、テープが逆
方向に高速で巻き戻される。そして、巻き戻し操作プレ
ート41の押し込みが解除されると、第1カム山43a
の働きにより、移動板10が第1移動位置から第2移動
位置へと戻され、テープの走行方向が元の状態に戻され
る。
【0067】次に、早送り操作部および巻き戻し操作部
の押し込み解除機構について説明する。図23を参照す
ると、操作部の押し込み解除機構は、メインシャーシ2
の下面側に係止プレート44を備えている。係止プレー
ト44は、巻き戻し操作プレート41の移動方向に対し
直交しており、巻き戻し操作プレート41および早送り
操作プレート45の下面側かつヘッドパネル4の上面側
に配置されている。
【0068】図23でみて、早送り操作部39の右側に
は、停止操作部46が配置されている。停止操作部46
は、ロック解除プレート47の上端部に形成されてお
り、ロック解除プレート47は、係止プレート44の上
面側に位置し、係止プレート44と直交している。係止
プレート44は、コイルばねからなる引っ張りばね48
を介してメインシャーシ2と接続されており、通常は、
この引っ張りばね48のばね力により図23で見て左側
方向に付勢され、この付勢力に抗し右側方向に向けて移
動可能となっている。
【0069】係止プレート44には、巻き戻し操作プレ
ート41の下面側に位置して、第1係止孔49が形成さ
れており、第1係止孔49はその内周縁の一部に第1傾
斜部49aおよび第1係止部49bをそれぞれ有してい
る。一方、巻き戻し操作プレート41には、第1係止孔
49内に向けて突出された第1係止片50が切り起こし
て形成されている。
【0070】また、係止プレート44には、早送り操作
プレート45の下面側に位置して第2係止孔51が形成
されており、第2係止孔51はその内周縁の一部に第2
傾斜部51aおよび第2係止部51bをそれぞれ有して
いる。一方、早送り操作プレート45には、第2係止孔
51内に向けて突出された第2係止片52が切り起こし
て形成されている。
【0071】さらに、係止プレート44には、ヘッドパ
ネル4の上面側に位置して第3係止孔56が形成されて
おり、第3係止孔56はその内周縁の一部に第3傾斜部
56aおよび第3係止部56bをそれぞれ有している。
一方、ヘッドプレート4には、第3係止孔56内に向け
て突出された第3係止片54が切り起こして形成されて
いる。
【0072】そして、係止プレート44には、ロック解
除プレート47の下面側に位置しての解除孔53が形成
されており、解除孔53はその内周縁の一部に第4傾斜
部53aを有している。一方、ロック解除プレート47
には、解除孔53内に向けて突出された第4係止片54
が切り起こして形成されている。この第4係止片54は
前記第4傾斜部53aに当接している。そして、停止操
作部46が押されて、ロック解除プレート47が図23
でみて下向きに押し下げられると、係止プレート44が
引っ張りばね48の付勢力に抗して図23中右方向に移
動されるようになっている。
【0073】この係止プレート44によれば、巻き戻し
操作部40が押し下げられ、巻き戻し操作プレート41
が図23で見て下方いっぱいまで押し込まれると、図2
4に示すように、巻き戻し操作プレート41上の第1係
止片50が第1係止孔49の第1係止部49bに係止さ
れる。これにより、巻き戻し操作プレート41、すなわ
ち、巻き戻し操作部40が押し下げられた状態に保持さ
れ、テープの巻き戻し操作が開始される。この状態で、
停止操作部46を押し下げれば、ロック解除プレート4
7の押し下げにより、係止プレート44を図23で見て
右方向に移動することで、前記第1係止部49bに係止
された第1係止片50を解除することができる。
【0074】再生部8および早送り操作部39の場合も
同様にして、これらの操作部が押し込まれているときに
は、停止操作部46を押し下げることで、係止プレート
44を移動してそれらの押し下げ状態を解除することが
できる。図23に示すように、係止プレート44の左側
の端部には、欠歯ギヤ27側に延びた当接部57が形成
されている。この当接部57は、係止プレート44が図
23で見て左側に移動しているとき、すなわち、巻き戻
し操作プレート40などが解除状態にあるときには、欠
歯ギヤ27上のカムフォロアピン29の回転軌道の外に
位置している。そして、巻き戻し操作プレート41など
が押し込まれて、係止プレート44がロック状態となる
と、係止プレート44は図23で見て右方向に移動され
図24に示すようになる。この状態において、前記係止
プレート44の当接部57は、欠歯ギヤ27のカムフォ
ロアピン29の回転軌道内に移動する。
【0075】このように係止プレート44がロック状態
にある場合において、巻き戻し時にテープ終端が検出さ
れると、上述した移動手段の働きにより、欠歯ギヤ27
に回転力が与えられる。この欠歯ギヤ27の回転によ
り、カムフォロアピン29が係止プレート44の当接部
57と当接し(図25)、係止プレート44が図26で
見て右方向に移動される。これにより、係止プレート4
4とロック状態にあった巻き戻し操作プレート41が解
除される。したがって、巻き戻し時にテープの終端が検
出されると巻き戻し操作プレート41の押し込みが解除
されて、テープの巻き戻しが終了となる。また、欠歯ギ
ヤ27の回転により移動板10が移動されるので、テー
プの走行方向も逆方向に切り換えられる。したがって、
次回の再生時には、テープの走行方向が再生可能な方向
にセットされていることになる。
【0076】なお、早送り操作時の場合も同様に、テー
プの終端が検出されると、早送り操作プレート45が解
除されることで、早送り操作が終了となる。また、早送
り操作が終了した時点で、テープの走行方向も再生可能
な方向に切り換えられる。以上説明した実施例において
は、早送りおよび巻き戻し操作をした場合、駆動モータ
19を高速で回転させることで、早送りおよび巻き戻し
ができるようになっている。しかしなから、リール軸2
2,23とリールギヤ24,25がフリクション機構を
介して連結されていることやギヤ比が一定であることか
ら、早送りおよび巻き戻し時のテープ巻き取りトルクは
再生時と変わらない。
【0077】再生時には、テープをキャプスタンとピン
チローラとで挟んで走行させるので、テープの巻き取り
に大きなトルクを必要としないのに対し、テープの早送
り時および巻き戻し時には、テープに対するキャプスタ
ンとピンチローラとの挟み込みが解除されるので、テー
プの巻き取りには大きなトルクが必要となる。そこで、
早送り時および巻き戻し時には、リール軸22,23へ
の動力伝達経路を異なるようにして、テープ巻き取りの
トルクを高めるようにしている。
【0078】動力伝達経路を異なるようにするための手
段として、リール軸22,23は、リール軸22,23
と摩擦係合されたリールギヤ24,25に加えて、図2
9に示すように、リールギヤ24,25の下面側に位置
してリール軸22,23と一体に回転する第2リールギ
ヤ58,59を有している。第2リールギヤ58,59
の外形寸法は、リールギヤ24,25よりも小さく設定
されている。
【0079】これらリールギヤ24,25および第2リ
ールギヤ58,59には、その近傍に2段ギヤ60,6
1(中間ギヤに対応)が噛み合い可能に配置されてい
る。そして、この2段ギヤ60,61はメインシャーシ
2に回動自在に支持されたアーム62,63の先端部に
回動自在に支持されている。アーム62,63は、メイ
ンシャーシ2との間に連結された引っ張りばね64によ
り、その2段ギヤ60,61がリールギヤ24,25お
よび第2リールギヤ58,59と噛み合う方向に付勢さ
れている。
【0080】一方、早送り操作プレート45および巻き
戻し操作プレート41の各下端部には、押圧プレート6
5の各腕部65a,65bが当接されている。この押圧
プレート65は、図27で見て下方向に移動可能となっ
ており、図示しない引っ張りばねにより上方向に付勢さ
れている。そして、この押圧プレート65の両腕部65
a,65bは、アーム62,63の先端部に突出して形
成された当接部62a,63aに当接されている。した
がって、押圧プレート65が押し下げられていないと
き、押圧プレート65の両腕部65a,65bは、各ア
ーム62,63を引っ張りばね64の付勢力に抗して回
動させており、2段ギヤ60,61はリールギヤ24,
25および第2リールギヤと噛み合わないようになって
いる。
【0081】早送り操作プレート45または巻き戻し操
作プレート41のうち一方が押し込まれると、押圧プレ
ート65は図28に示すように引っ張りばね64の付勢
力に抗して下方向に移動される。押圧プレート65が移
動されると、アーム62,63が引っ張りばね64の付
勢方向に回動され、各2段ギヤ60,61がリールギヤ
24,25および第2リールギヤ58,59に噛み合
う。すなわち、図30に示すように、2段ギヤ60,6
1の小ギヤ60a,61aがリールギヤ24,25に噛
み合い、大ギヤ60b,61bが第2リールギヤ58,
59に噛み合う。
【0082】各2段ギヤ60,61がリールギヤ24,
25および第2リールギヤ58,59に噛み合った状態
にあるとき、つまり、早送り操作時または巻き戻し操作
時には、駆動ギヤ17,18の回転力が伝達ギヤ32を
介してリールギヤ24,25に伝達され、リールギヤ2
4,25に伝えられた回転力が2段ギヤ60,61の小
ギヤ60a,61aに伝達される。そして、2段ギヤ6
0,61に入力された回転力は、2段ギヤ60,61の
大ギヤ60b,61bから第2リールギヤ58,59に
伝達され、最終的にはリール軸22,23へと伝えられ
る。この場合、リール軸22,23に伝達される回転力
は、フリクション機構を介さず、これらのギヤの組み合
わせにより、そのトルクが増大されるようになってい
る。したがって、早送り操作時または巻き戻し操作時に
おいては、リールギヤは高トルクで回転されることにな
り、カセットテープのリールが多少固くても、テープを
確実に巻き取ることができる。
【0083】早送り操作時および巻き戻し操作時には、
リールギヤ24,25および第2リールギヤ58,59
に2段ギヤ60,61が噛み合わされているため、テー
プが終端まで巻き取られたとき、リール軸22,23の
回転の停止とともに、リールギヤ24,25の回転が停
止する。これにより、リールギヤ24,25に噛み合わ
されている伝達ギヤ23の回転も停止することになる。
したがって、伝達ギヤ23の回転に連動して揺動される
揺動部材36が停止されるので、揺動部材36のガイド
ピン37と回転検出部材34,35との働きによって
は、移動板10は移動されない。
【0084】しかしながら、伝達ギヤ23が停止されて
も、駆動ギヤ17,18には駆動力が伝達されている。
そのため、駆動ギヤ17,18から伝達ギヤ23に伝達
される駆動力は、回転が停止した伝達ギヤ23全体をギ
ヤプレート33の回動軸を中心に円弧運動させるように
押し出す。伝達ギヤ23が円弧運動すると、移動板10
に初期移動力が与えられ、欠歯ギヤ27が駆動ギヤ17
に噛み合って、欠歯ギヤ27が回転される。そして、欠
歯ギヤ27の回転により、欠歯ギヤ27のカムフォロア
ピン29が係止プレート44の当接部57に当接し、係
止プレート44を解除方向に移動させる。これにより、
早送り状態であれば、押し込まれた早送り操作プレート
45の押し込み状態が解除され、巻き戻し状態であれ
ば、押し込まれた巻き戻し操作プレート41の押し込み
状態が解除されるようになる。
【0085】したがって、早送り操作時および巻き戻し
操作時において、リール軸22,23のトルクを高める
滑り回転伝達機構がなくとも、テープの終端を検出し
て、各操作プレートの操作状態を解除することができ
る。なお、前記移動手段の他の実施例として、欠歯ギヤ
27と駆動ギヤ17との間に減速ギヤ(第2のギヤに対
応)を配置してもよい。この場合、減速ギヤは駆動ギヤ
17に常に噛み合った状態にある。そして、欠歯ギヤ2
7は、移動板10に初期移動力が与えられたとき、減速
ギヤに噛み合い減速ギヤを介して駆動ギヤからの回転力
が伝達されるようになる。このような構成であれば、駆
動ギヤ17の回転力を高トルクで欠歯ギヤ27に伝達す
ることができ、移動板10の移動に掛かる負荷、すなわ
ち、欠歯ギヤ27にかかる回転力負荷に十分耐えること
ができる。なお、移動板10にかかる負荷としては、回
転伝達経路切り換えにかかる負荷、ピンチローラの移動
制御負荷、回転ヘッド駆動負荷またはヘッド上下機構の
駆動負荷、ヘッドチャンネル切り換えスイッチの作動負
荷、テープ走向方向表示装置の駆動負荷などがある。
【0086】図31には、移動板10に形成されたカム
孔の変形例が示されている。変形例のカム孔70は十字
形状を有しており、このカム孔70には、対向した一対
の係合溝71a,71bが形成されている。これらの係
合溝71a,71bには、交互に欠歯ギヤ27のカムフ
ォロアピン29が係合可能となっている。カムフォロア
ピン29は、図32に示すように、欠歯ギヤ27の回転
に伴い、カム孔70内をカム面に摺接しながら移動し、
そして、欠歯ギヤ27が駆動ギヤ17(18)に噛み合
っていない各停止位置に位置したとき、いずれかの係合
溝71a,71bと係合するようになっている。
【0087】移動板10が第1移動位置に移動している
とき、図31に示すように、欠歯ギヤ27のカムフォロ
アピン29がカム孔70の係合溝71aに係合するよう
になっている。カムフォロアピン29と係合溝71aと
が係合状態にあるとき、係合溝71aはカムフォロアピ
ン29を介して欠歯ギヤ27の回転を阻止し、欠歯ギヤ
27を駆動ギヤ17に噛み合わない停止位置に固定させ
る。なお、移動板10が第2移動位置に移動していると
きには、図33に示すように、カムフォロアピン29
は、係合溝71bに係合されている。この状態において
も、欠歯ギヤ27の回転は完全に阻止されている。
【0088】したがって、この形状のカム孔70によれ
ば、カムフォロアピン29を各係合溝71a,71bに
係合した状態に固定でき、しかも、欠歯ギヤ27を所定
の回転停止位置に停止させることができる。これによ
り、第1実施例に示した形状のカム孔28(図15参
照)は、カムフォロアピン29を押さえばね31のばね
力でカム孔28のカム面に押し当てなくて済み、押さえ
ばね31を省略することができる。
【0089】一方、欠歯ギヤ27を所定の回転停止位置
に付勢するための押さえばね31を省略したことで、欠
歯ギヤ27と駆動ギヤ17と噛み合い時の遊びがなくな
ることになる。このように、ギヤ同士の噛み合いの遊び
がなくなると、歯欠けの原因となるので、変形例のカム
孔70を採用した場合には、図31に示すような欠歯ギ
ヤ27とする。この欠歯ギヤによれば、欠歯ギヤ27の
欠歯部27aからは、図31で見て反時計方向に円弧孔
27bが延びており、これら円弧孔27bは欠歯部27
aから反時計方向に延びる歯面の一部を弾性変形可能と
している。このように、駆動ギヤ17と噛み合い可能な
欠歯ギヤ27の歯面を弾性変形可能とすれば、欠歯ギヤ
27と駆動ギヤ17との噛み合い不良による歯掛けを防
止することができる。
【0090】図34に示した実施例においては、各リー
ル軸22,23の間に位置して回動選択部材74が配置
されている。回動選択部材74はその回動中心が両リー
ル軸22,23間の中央に位置してメインシャーシ2に
支持されている。また、回動選択部材74の両端には押
圧ピン74a,74bが突設されており、これらの押圧
ピン74a,74bは各回転検出部材34,35の上側
縁部に当接可能となっている。
【0091】この回動選択部材74の機能としては、図
34に示すように、揺動部材36のガイドピン37が一
方の回転検出部材34と係合した関係にあるとき、一方
の回転検出部材34に図34で見て左側の押圧ピン74
aが上方に向けて押し上げられ、回動選択部材74が時
計回り方向に回動されている。これにより、他方の回転
検出部材35は、回動選択部材74の他方の押圧ピン7
4bに反時計回り方向にいっぱいまで押し下げられる。
したがって、ガイドピン37が一方の回転検出部材34
と係合状態にあるとき、他方の回転検出部材34の回動
が阻止されることになる。
【0092】また、揺動部材36のガイドピン37が他
方のリール軸23側に移動して、他方の回転検出部材3
5と係合するようになると、図35に示すように、回動
選択部材74の他方の押圧ピン74bが他方の回転検出
部材35に押し上げられ、回動選択部材74が反時計回
り方向に回動される。これにより、一方の回転検出部材
34は、回動選択部材74の一方の押圧ピン74aに時
計回り方向にいっぱいまで押し下げられる。したがっ
て、ガイドピン37が他方の回転検出部材35と係合状
態にあるときには、一方の回転検出部材34の回動が阻
止されることになる。
【0093】したがって、この回動選択部材74を備え
たことで、ガイドピン37が一方の回転検出部材34と
係合しているとき、ガイドピン37が他方の回転検出部
材35と干渉しないようになっている。また、逆の場合
も同様にして、ガイドピン37が他方の回転検出部材3
5と係合しているときには、ガイドピン37が一方の回
転検出部材34と干渉しないようになっている。したが
って、この回動選択部材74を設けたことで、上述した
回転停止検出手段の検出誤動作を確実に防止することが
できる。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1および請
求項2のオートリバス式テープレコーダによれば、前記
回転検出手段がテープ終端を検出した際、走行方向制御
部材に直接に初期移動力を与えて、移動手段により、走
行方向制御部材を移動させテープの走行方向を切り換え
るようにしたから、従来例のようにトリガを必要とせ
ず、これら回転検出手段および移動手段の機構を簡素化
することができる。これにより、部品点数の削減による
製造コストの低減が可能となり、また、テープレコーダ
の小型化および軽量化も可能となる。
【0095】請求項3のオートリバース式テープレコー
ダによれば、駆動ギヤからの回転力を第2のギヤを介し
て欠歯ギヤに伝達するようにしたので、回転伝達経路切
り換えにかかる負荷、ピンチローラの移動制御負荷、回
転ヘッド駆動負荷またはヘッド上下機構の駆動負荷、ヘ
ッドチャンネル切り換えスイッチの作動負荷、テープ走
向方向表示装置の駆動負荷などの大きな駆動負荷に耐え
て走向方向制御部材は移動することができる。
【0096】請求項4のオートリバース式テープレコー
ダによれば、前記巻き戻し操作時に走向方向制御部材の
移動位置を切り換えてテープの走向方向を切り換えるの
に、操作プレートの操作に連動して前記走向方向制御部
材に直接に初期移動力を与えて欠歯ギヤを起動させるこ
とができるから、従来例のようにトリガを必要とせず、
欠歯ギヤの起動機構の構成を簡素化することができる。
【0097】請求項5のオートリバース式テープレコー
ダによれば、前記回転検出手段の作動に連動して、各操
作プレートの操作状態を解除するようにしたので、テー
プの巻き戻しおよび早送り操作時の解除手段の構成を簡
素化することができる。請求項6のオートリバース式テ
ープレコーダによれば、中間ギヤを備えたことで、早送
りおよび巻き戻し操作時に、第1および第2リール軸を
高トルクで回転させることができるので、リール軸かか
る負荷が大きい場合でも良好に各操作を実行することが
できる。
【0098】また、この場合に、前記回転停止検出手段
によりテープ終端が検出されたとき、伝達ギヤが前記ギ
ヤプレートの回動軸を中心に回動されるのに伴って、前
記走行方向制御部材が移動され、欠歯ギヤの回転により
前記係止プレートの解除手段を作動させて、各操作プレ
ートの押し込み状態を解除するようにしたので、従来例
のように、テープの巻き戻しおよび早送り操作時に、テ
ープ終端検出機構を働かせるための摩擦回転伝達機構が
不要となり、テープの巻き戻しおよび早送り操作時の回
転伝達機構の構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オートリバース式テープレコーダのドライブユ
ニットの平面図である。
【図2】ヘッド切換部材のギヤと噛み合ったヘッドギヤ
を示す図である。
【図3】図2を再生記録ヘッド側から見た図である。
【図4】再生ボタンが押された状態のヘッドパネルを示
す図である。
【図5】移動板の移動と共に回動されるヘッド切換部材
を示す図である。
【図6】移動板が第1移動位置に位置した状態を示す図
である。
【図7】移動板が第2移動位置に位置した状態を示す図
である。
【図8】駆動ギヤからリールギヤへの動力伝達経路を示
す概略図である。
【図9】伝達ギヤの回転に伴って揺動される揺動部材
と、揺動部材の揺動に伴って回動運動される回転検出部
材を示す図である。
【図10】一対の回転検出部材の先端部と揺動部材の先
端部とを側方から見た図である。
【図11】回転検出部材と揺動部材との関係を示す図で
ある。
【図12】図11の状態より揺動部材に押し下げられた
回転検出部材を示す図である。
【図13】図12の状態より揺動部材が回転検出部材の
当接部に当接した状態を示す図である。
【図14】図13の状態より回転検出部材の当接部を支
点にして揺動部材を介して移動される移動板を示す図で
ある。
【図15】移動板が移動して欠歯ギヤが駆動ギヤに噛み
合った状態を示す図である。
【図16】図15の状態よりさらに回転した欠歯ギヤを
示す図である。
【図17】図16の状態よりさらに回転した欠歯ギヤを
示し、欠歯ギヤの欠歯部が駆動ギヤ側に位置した状態を
示す図である。
【図18】巻き戻し操作プレートのピンと移動板のカム
孔との関係を示す図である。
【図19】図18の状態から押し下げられた巻き戻し操
作プレートを示す図である。
【図20】図19の状態から更に押し下げられた巻き戻
し操作プレートを示す図である。
【図21】図20の状態から解除された巻き戻し操作プ
レートを示す図である。
【図22】巻き戻し操作プレートが解除され、移動板が
元の移動位置に復帰している状態を示す図である。
【図23】各操作プレートの解除機構を示す図である。
【図24】係止プレートに係止された巻き戻し操作プレ
ートを示す図である。
【図25】係止プレートの当接部に当接するカムフォロ
アピンを示す図である。
【図26】係止プレートから係止を解除された巻き戻し
操作プレートを示す図である。
【図27】リール軸への動力伝達経路を示す構成図であ
る。
【図28】巻き戻し操作プレートが押し込まれ、2段ギ
ヤがリールギヤおよび第2リールギヤに噛み合った状態
を示す図である。
【図29】リールギヤおよび第2リールギヤから離れた
状態にある2段ギヤを示す部分拡大図である。
【図30】リールギヤおよび第2リールギヤに噛み合っ
た状態にある2段ギヤを示す部分拡大図である。
【図31】カム孔の変形例を示す図である。
【図32】欠歯ギヤが駆動ギヤに噛み合い、欠歯ギヤの
カムフォロアピンがカム孔の係合溝を移動している状態
を示す図である。
【図33】カムフォロアピンが他方の係合溝に係合し、
欠歯ギヤの回転が阻止された状態を示す図である。
【図34】回動選択部材の機能を説明するための図であ
る。
【図35】回動選択部材の機能を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
2 メインシャーシ 10 移動板(走行方向制御部材) 11,12 キャプスタン 17,18 キャプスタンギヤ 19 駆動モータ 22,23 リール軸 24,25 リールギヤ 26 反転ばね 27 欠歯ギヤ 28 カム孔 29 カムフォロアピン 31 押さえばね 32 伝達ギヤ 33 ギヤプレート 34,35 回転検出部材 36 揺動部材 41 巻き戻し操作プレート 44 係止プレート 45 早送り操作プレート 47 ロック解除プレート 60 2段ギヤ(中間ギヤ) 74 回動選択部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対のリール軸(22,23)および一対のキャ
    プスタン(11,12)を備えたシャーシ(2)と、 前記各リール軸に摩擦係合した第1および第2リールギ
    ヤ(24,25)と、 前記各キャプスタンと共に回転する第1および第2駆動
    ギヤ(17,18)と、 前記第1および第2駆動ギヤを回転させる駆動手段と、 テープの走行方向に応じて、第1および第2移動位置に
    択一的に位置付けられる走行方向制御部材(10)と、 前記走行方向制御部材に初期移動力が与えられたとき、
    走行方向制御部材をその移動方向に向けて移動させる移
    動手段と、 前記走行方向制御部材と共に移動し、走行方向制御部材
    が第1移動位置にあるとき、第1駆動ギヤから第1リー
    ルギヤに駆動力を伝達する一方、走行方向制御部材が第
    2移動位置にあるとき、第2駆動ギヤから第2リールギ
    ヤに駆動力を伝達する伝達ギヤ(32)と、 前記リール軸の回転が停止したことを検出し、この検出
    時点で前記走行方向制御部材に初期移動力を与えて、前
    記移動手段を駆動させる回転停止検出手段とを備え、 前記回転停止検出手段は、 前記各リール軸に基端がそれぞれ摩擦係合され、それら
    の先端部が互いに近接する方向に延びた一対の回転検出
    部材(34,35)と、 前記走行方向制御部材に支持され、前記伝達ギヤの回転
    に伴って周期的に揺動され、前記一対のリール軸の間ま
    で延びた一端を有する揺動部材(36)と、 前記揺動部材の一端に設けられ、所定の揺動軌跡上を往
    復移動可能な揺動子(37)と、 前記各回転検出部材に設けられ、前記リール軸の回転に
    より前記回転検出部材とともに前記揺動子に向けて回動
    付勢され、前記揺動子の揺動運動を案内することによ
    り、回転検出部材をリール軸の回転方向とは逆方向に向
    けて所定の戻り位置まで押し戻すガイド面(34a,35a)
    と、 前記回転検出部材に設けられ、前記リール軸の回転が停
    止した状態で、前記揺動子の揺動運動によって回転検出
    部材が前記戻り位置まで戻されたとき、揺動子の揺動軌
    跡上に位置して、揺動子の移動を停止させるストッパ部
    (34b,35b)とを含み、 前記ストッパ部に前記揺動子が当接したとき、前記スト
    ッパ部からの反力が前記揺動部材を通じて前記走行方向
    制御部材に初期移動力を与えることを特徴とするオート
    リバース式テープレコーダ。
  2. 【請求項2】前記移動手段は、前記走行方向制御部材が
    前記第1および第2移動位置にあるときには、前記一方
    の駆動ギヤと非噛み合い状態にあり、走行方向制御部材
    が一方の移動位置から他方の移動位置に移動されると
    き、前記一方の駆動ギヤと噛み合い状態となる欠歯ギヤ
    (27)と、 前記欠歯ギヤに設けられたカムフォロア(29)と、 前記走行方向制御部材に形成され、前記カムフォロアを
    案内するカム面を有したしたカム孔(28)とを備え、 前記カムフォロア及び前記カム孔は、前記欠歯ギヤの回
    転力を前記走行方向制御部材に伝達する一方、走行方向
    制御部材の移動力を欠歯ギヤに伝達することを特徴とす
    る請求項1のオートリバース式テープレコーダ。
  3. 【請求項3】前記駆動ギヤから前記欠歯ギヤへの駆動力
    は、減速して回転伝達される第2のギヤを介して伝達さ
    れることを特徴とする請求項2のオートリバース式テー
    プレコーダ。
  4. 【請求項4】前記走行方向制御部材の移動位置を手動で
    切換える切換手段を更に備え、 この切換手段は、 前記走行方向制御部材と交差し、テープの巻き戻し操作
    に連動して押し込まれる操作プレート(40)と、 前記巻戻し操作プレートに形成された押圧部(42)と、 前記走行方向制御部材に形成され、前記巻戻し操作プレ
    ートの押し込み操作及び戻し操作にともない、押圧部と
    交互に当接可能な一対の当接部(43a,43b)とを備え、 前記巻き戻し操作プレートが押し込まれたとき、前記押
    圧部は一方の当接部に当接して、前記走行方向制御部材
    を現在の移動位置から他方の移動位置に移動させる一
    方、巻き戻し操作プレートの押し込みが解除されたと
    き、押圧部は他方の当接部に当接することにより、前記
    走行方向制御部材を元の移動位置に移動させることを特
    徴とする請求項3のオートリバース式テープレコーダ。
  5. 【請求項5】テープの巻き戻しおよび早送り操作プレー
    トのための各操作プレート(41,45)と、 一方の操作プレートが押し込まれたとき、その押し込み
    状態を保持する保持手段と、 前記回転停止検出手段により、テープの終端が検出され
    たとき、前記操作プレートの押し込みを解除する解除手
    段とを更に備え、 前記保持手段は、各操作プレートの押し込み方向に対し
    て交差する方向に移動可能とし、押し込まれた各操作プ
    レートを押し込み状態に係止する係止プレート(44)を有
    し、 前記解除手段は、前記係止プレートに形成された被作用
    部(57)と、前記欠歯ギヤに形成された作用部(29)とから
    なり、 前記解除手段は、前記回転停止検出手段によりテープの
    終端が検出されると、作用部が前記係止プレートの被作
    用部に作用して、係止プレートが移動され、係止プレー
    トに係止された各操作プレートの押し込みが解除される
    ことを特徴とする請求項3のオートリバース式テープレ
    コーダ。
  6. 【請求項6】前記各リール軸と一体に回転可能な第1お
    よび第2固定リールギヤ(58,59)と、 早送りおよび巻き戻し操作が行われたとき、前記第1お
    よび第2リールギヤならびに第1および第2固定リール
    ギヤのそれぞれに噛み合い可能な中間ギヤ(60a,61a)
    と、 前記シャーシに回動自在に支持され、前記伝達ギヤの回
    転軸を支持すると共に、前記走行方向制御部材の移動に
    ともなって伝達ギヤが移動されるとき、伝達ギヤをその
    回動軸を中心に回動させるギヤプレート(33)とを備えた
    ことを特徴とする請求項5のオートリバース式テープレ
    コーダ。
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