JPH0819115B2 - 無水マレイン酸の製造法 - Google Patents

無水マレイン酸の製造法

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JPH0819115B2
JPH0819115B2 JP61290165A JP29016586A JPH0819115B2 JP H0819115 B2 JPH0819115 B2 JP H0819115B2 JP 61290165 A JP61290165 A JP 61290165A JP 29016586 A JP29016586 A JP 29016586A JP H0819115 B2 JPH0819115 B2 JP H0819115B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は無水マレイン酸の製造法に関する。詳しくは
本発明はバナジウム−リン系触媒の存在下に炭化水素を
気相で接触酸化して無水マレイン酸を製造する方法にお
ける高活性及び高選択性の触媒の使用に関する。
〔従来の技術〕
炭素数4の飽和または不飽和の直鎖状炭化水素を気相
酸化して無水マレイン酸を製造する技術はよく知られて
おり、従来多くの触媒が提案されてきたが、活性の向
上、収率の向上に向けての改良検討は一層重要となつて
きている。
一般にこの反応の触媒としてバナジウム及びリンを含
有する複合酸化物が古くから用いられてきたが、基質が
炭素数4の飽和の直鎖状炭化水素、即ちn−ブタンであ
る場合には、特定のX線回折ピークを示す、結晶性のピ
ロリン酸ジバナジル((VO)2P2O7)が特異的に高活性で
ある。しかしこの場合にもリン成分の揮散等のために、
高活性を維持するのは容易ではなく、活性と選択性を一
層向上させる目的で広汎な修飾成分の添加が検討されて
きた。例えば特公昭53-43,929ではリン及びバナジウム
の他に鉄とニツケル、ホウ素、銀、カドミウム及びバリ
ウム、更にはクロムを添加した触媒系が、また、特公昭
57-45,253ではリン及びバナジウムにコバルト、ニツケ
ル、カドミウムを添加した触媒系が提案されている。更
に、米国特許第4,151,116号ではリン−バナジウム系複
合酸化物にマグネシウム、亜鉛、コバルト、鉄、マンガ
ン、ニツケル、インジウム、銅を始め、広汎な種類の金
属塩溶液を後含浸担持させた触媒系が優れた性能を有す
ることが主張されている。また、特開昭58-150,437では
バナジウムにケイ素、及びインジウム、アンチモン、タ
ンタルからなる修飾成分を接触させ、ついでリンと反応
させることが主張されており、単なる混合物として修飾
成分を添加した場合よりも添加方法を工夫して修飾効果
をより大きく発揮させる方向に研究が志向されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、これらの方法では修飾成分使用時に触媒活性
成分の溶出や形状破壊あるいは化学的不安定化等を起こ
すことから、工業的規模での触媒製造を考えた場合、欠
点が多いことが判明した。
特に本発明者らの検討によると、ピロリン酸バナジル
の結晶構造を明確に有するリン−バナジウム複合酸化物
に、各種金属成分を担持又は添加すると、多くの場合、
燃焼活性のみが強調されるため、活性が向上して比較的
低温で反応させることが可能になつても目的とする無水
マレイン酸の収率は低下する傾向が強い。従つてこのよ
うな場合には修飾成分の質ばかりでなく、添加量、添加
方法に多大の工夫を要するのが通例であつた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らはブタン、ブテン、ブタジエン等の炭素数
4の不飽和又は飽和の炭化水素の気相酸化により無水マ
レイン酸を製造する反応において、顕著に高性能を有す
る触媒を開発し、可及的に低い反応温度で反応を実施す
ることを可能にすることにより、自然発火の危険性を回
避し、かつ、目的生成物の収率を向上するべく鋭意検討
した結果、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は、炭素数4の炭化水素を気相酸化して無
水マレイン酸を製造するに際し、反応系中に活性成分が
主としてバナジウム、リン及び酸素からなり、かつその
少なくとも一部がピロリン酸ジバナジル((VO)2P2O7
の構造を有する複合酸化物であって、更に該複合酸化物
に活性修飾成分としてインジウム並びにニッケル、
コバルト及び銅からなる群から選ばれる一種以上の元素
を添加してなる触媒を存在させることを特徴とする無水
マレイン酸の製造法を要旨とするものである。
以下に本発明につき、詳細に説明する。
本発明においては、炭素数4の炭化水素を気相酸化し
て無水マレイン酸を製造するに際し、反応系中に活性成
分が主としてバナジウム、リン及び酸素からなり、その
少なくとも一部がピロリン酸ジバナジル((VO)2P2O7
の構造を有する複合酸化物であって、更に該複合酸化物
に活性修飾成分としてインジウム並びにニッケル、
コバルト及び銅からなる群から選ばれる一種以上の元素
を添加してなる触媒を存在させる。
本発明で使用する触媒を構成するバナジウム、リン及
び酸素からなる複合酸化物(以下「V−P系複合酸化
物」という)の製造法としては種々の方法が提案されて
いる。
例えば、特公昭53-39,037、特開昭50-35,088、特開昭
53-91,110、特開昭56-91,845、特開昭56-168,837及び米
国特許第4,283,288号等においては有機溶媒中でのバナ
ジウム化合物、リン化合物の反応により、また、特開昭
51-95,990や特開昭58-151,313においては水溶液中での
反応により、結晶性前駆体を製造し、次いでこれを窒素
等の不活性ガスやブタン−空気混合ガスや低酸素濃度に
窒素、炭酸ガス、不活性ガス等で希釈しても良い空気等
の雰囲気下に焼成して製造されている。そして、この結
晶性前駆体は、次のような特徴的なX線回折ピークを与
えることが知られている。
2θ(±0.2°)=15.6°、19.7°、24.3°、27.1°、2
8.8°、30.5°、32.2°、33.7° この結晶性前駆体の化合物は最近X線構造解析がなさ
れ、VO(HPO4)・0.5H2Oまたは(VO)2H4P2O9であること
が判明している。
〔C.C.Torardi,J.C.Calabrese,Inorg.Chem.,23,1310
(′84) Jack W.Johnson,David C.Johnston,Allan J.Jacobson
and John F.Brody,J.Am.Chem.Soc.,106,8123(′8
4)〕 V−P系複合酸化物には種々のものがあり、大別する
と結晶性のものと無定形のものとがある。その選択は必
要とする触媒活性のレベル、具体的には原料炭化水素の
選択に依存し、反応性の低い飽和炭化水素、即ちブタ
ン、を原料とする場合には触媒活性の大きい結晶性のも
のを使用するのが好ましい。
本発明方法のV−P系複合酸化物は、少なくとも一部
がピロリン酸ジバナジル((VO)2P2O7)の構造を有する
ものであり、これはX線回折(Cu−Kα対陰極)で次の
ような特性回折線により特徴づけられる。
2θ(±0.2°)=142°、15.7°、18.5°、23.0°、2
8.4°、30.0°、33.7°、36.8° 本発明方法においては、V−P系複合酸化物として上
記した結晶性複合酸化物の外に更にX線的に無定形の複
合酸化物を主要成分または副成分として含有させても良
い。この無定形複合酸化物は、例えば塩酸バナジウムや
シユウ酸バナジウム及びリン酸を含む水溶液を蒸発乾固
し、更に必要に応じて結晶性ピロリン酸バナジウムと同
様に焼成することによつて製造することが可能である
が、例えば、特開昭58-151,312で示されたように、安定
化されたリン酸バナジウム溶液の蒸発乾固による方法が
有利である場合が多い。
更に本発明方法においては触媒成分を工業的に使用し
得る各種の担体に担持させることもできる。例えばアル
ミナ、シリカ、珪藻土、ジルコニア、ゼオライト、炭化
ケイ素、軽石等各種の担体が使用可能である。しかし、
一般にはシリカ、シリカゾル等の珪酸質担体が好まし
く、特に流動床触媒として使用する場合にはシリカゾル
の使用が好ましい。
また、本発明方法においては、V−P系複合酸化物の
触媒に、インジウム並びにニッケル、コバルト及び
銅からなる群から選ばれる一種以上の元素を活性修飾成
分として添加する。
上記した活性修飾成分の添加の中でもインジウム−ニ
ツケルの組合せが特に好ましい。
活性修飾成分の添加量については前記したバナジウム
及びリンを含め、その原子比が以下の範囲にあることが
好ましい。(XはNi、Co及びCuからなる群から選ばれる
一種以上の元素を表わす。) V:P:In:X =1:1.0〜2.0:0.001〜0.2:0.001〜0.2 活性修飾成分の原料化合物としては工業的に使用し得
る種々の形態の化合物が採用できる。例えば、インジウ
ム、ニツケル、コバルト及び銅の酸化物、水酸化物、ハ
ロゲン化物、モリブテン酸塩、硫化物、硫酸、硝酸、リ
ン酸等の鉱酸塩、ギ塩、酢酸、クエン酸、シユウ酸等の
有機酸の塩等が使用される。イソプロパノールのような
アルコールとの化合物も必要に応じて使用できる。
活性修飾成分の原料化合物は前記した結晶性V−P系
複合酸化物、或いはバナジウム及びリンを含有する水性
溶液、或いはこれらの混合物のいずれに添加しても良
い。
また、本発明の触媒には、更に必要に応じて鉄、ジル
コニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛を始め、各
種の副次的修飾成分を添加してもよい。
上記した手順で得られた触媒組成物は、反応に使用す
るに際して、通常、300〜700℃、好適には350〜620℃の
温度で焼成され活性化される。
焼成の雰囲気としては空気或いは窒素、炭酸ガス、ヘ
リウム等の不活性ガス、更にこれ等で希釈された低酸素
空気等が使用できる。0.05〜2%程度の濃度のブタンや
ブテン類を含有する空気で反応ガス焼成して活性化する
方法を採用することもできる。焼成にはマツフル炉、ト
ンネル炉、ロータリーキルン、流動床焼成炉等の公知の
種々の装置が使用可能であるが昇温により発生する水を
連続的に系外に除去するように上記ガスの気流流通下に
実施するのが好ましい。
本発明方法において用いられる原料は炭素原子数4の
炭化水素であり、好ましくは炭素原子数4の直鎖状炭化
水素である。具体的には例えばn−ブタン、1−ブテ
ン、2−ブテン、ブタジエンあるいはそれ等の混合物が
挙げられる。炭素原子数4で側鎖を有する脂肪族炭化水
素、例えばイソブタン、イソブチレンからもより低収率
ではあるが、無水マレイン酸が生成する。最も経済的に
有利な原料はn−ブタン及びブテン類であり、通常、天
然ガスからの分離或いはナフサクラツキング又はFCC反
応によつて得られるC4留分として、また希望すればこれ
らからブタジエンやイソブチレンを抽出した残りの混合
物として使用される。これらの場合には通常、C3又はC5
の炭化水素類も不純物として混入するが、特に問題はな
い。
本発明方法においてこれらの炭化水素は、前記バナジウ
ム−リン系触媒の存在下に、気相で接触酸化された無水
マレイン酸を生成する。酸化剤としては分子状酸素含有
ガス、通常は空気が使用される。原料炭化水素は、空気
中の濃度として通常0.1〜8%(vol)、より好適には1.
0〜4.5%程度の範囲で、触媒層に空気と同時にまたは個
別に導入されて酸化される。反応温度は通常、300〜550
℃、より好適には350〜500℃の範囲であり、反応圧力は
通常、常圧以上、より好適には0.1〜10kg/cm2Gの範囲で
ある。
ブタン等の反応性の低い基質の酸化を行なうにあたつ
ては、V−P系複合酸化物原料溶液及びシリカゾル等の
担体成分と活性修飾成分とを混合し、均密なスラリーと
して噴霧乾燥して真球に近い流動床反応用触媒とするこ
とにより、活性を高めることができる。V−P系複合酸
化物として、結晶性のものと共に無定形のものを併用す
ることは、得られる流動床触媒の活性安定化と機械的強
度の向上に極めて有効である場合が多い。
ブタンのような反応性の低い基質の気相酸化反応では
反応温度を低くしても充分活性の高い触媒が望まれてお
り、本発明方法においてはこの酸化反応に有効な結晶性
のピロリン酸ジバナジル構造を有する組成物と、特定の
活性修飾成分とを共存させることにより、一層活性を高
め、かつ高選択率を得ることができる。一般に工業用触
媒として、強い発熱を有する気相酸化反応の場合には発
熱の制御のために流動床触媒を使用することが望ましい
が、本発明における活性修飾成分は、結晶性ピロリン酸
ジバナジルを含有する流動床触媒系にも充分高性能を賦
与する効果がある。
〔実施例〕
次に実施例により本発明の実施の態様をより具体的に
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下
の実施例によつて限定されるものではない。
触媒の製造例−1 (A)結晶性酸化物の前駆体の製造: 下記表A:表A X線回折ピーク (対陰極:Cu−Kα)2θ(±0.2°) 15.7° 19.6° 24.2° 27.1° 28.8° 30.4° に示すX線回折ピークを示す結晶性酸化物の前駆体を次
のようにして製造した。
グラスライニングを施した容積100lのジヤケツト付き
耐圧容器に、脱塩水38.0kg、85%リン酸21.83kg、80%
抱水ヒドラジン溶液2.85kgを仕込み、次いで攪拌しなが
ら五酸化バナジウム粉末16.40kgを発泡に注意しながら
少量ずつ添加溶解した。この間、発熱による温度上昇を
抑えて液温を60〜80℃に保つために、熱媒をジヤケツト
内に循環させて除熱した。五酸化バナジウムの添加を約
4時間で終了し、青色のリン酸バナジル溶液を得た。こ
れに種結晶1.0kgを添加し、次いで160℃の熱媒をジヤケ
ツト内に循環させて加熱した。液温度140℃まで2時間
で昇温し、そのまま10時間の水熱処理を行なつた。この
間圧力は約0.24MPa(ゲージ圧)であつた。90℃まで冷
却した後、脱塩水10.3kgを加えてスラリー中の固体濃度
を約35%に調節して抜出した。
このスラリー中の固体のX線回折測定を行なつたとこ
ろ、表Aに示す主要回折ピークを示すことが判明し、純
粋な結晶性酸化物であることが確認された。またコール
ター・カウンター法でスラリー中の固体の粒子径分布を
調べたところ、0.7μmの平均粒子径を示した。この酸
化物スラリーを噴霧乾燥機を用いて乾燥し、酸化物の淡
青色の酸化物粉体29.8kgを得た。酸化物スラリーの仕込
み基準のP/V原子比は1.05であるが、過、洗浄して得
られる結晶性酸化物の前駆体は実質的に(VO)2H4P2O9
組成式で表わされることを確認した。
(B)結晶性酸化物の製造: 上記(A)で得た前駆体を焼成し、下記表B:表B X線回折ピーク (対陰極:Cu−Kα)2θ(±0.2°) 14.2° 15.7° 18.5° 23.0° 28.4° 30.0° 33.7° 36.8° に示すX線回折ピークを示す結晶性酸化物を製造した。
容量500lのマツフル炉内に、10個の2l容量の磁製皿に
上記(A)で得た前駆体10kgを分納して並べ、炉内を充
分窒素ガスで置換した後、昇温し、550℃で2時間加熱
した。次いで炉内に徐々に空気を導入して更に1時間加
熱した後、放冷した。
X線回折測定の結果、焼成後の粉体は前記表Bに示す
回折ピーク以外のピークは一切示さず、高純度の結晶性
酸化物であることを確認した。また酸化還元定法により
全バナジウム原子中の5価のバナジウムの割合を測定し
たところ、23.4%であつた。即ち(VO)2P2O7中のバナジ
ウムの少なくとも一部は結晶構造を保持したまま酸素吸
収をして5価の原子価状態をとり得る。
(C)リン酸バナジル溶液の製造: 無定形バナジウム−リン系複合酸化物の原料としてリ
ン酸バナジル溶液を製造した。
85%リン酸2.956kgを脱塩水3.0kgに溶解し、更にシユ
ウ酸(H2C2O4・2H2O)2.55kgを添加し、加温溶解し
た。液を80℃に加熱し、五酸化バナジウム1.842kgを発
泡に注意しながら少量ずつ添加、溶解した後、煮沸状態
で更に10分間加熱して還元を完了させた。液を放冷し、
脱塩水を加えて全量を10.00kgに調節した。この溶液のP
/V原子比は1.2666、酸化物(V204+P205)濃度は35.0%
である。
(D)触媒の製造: 触媒−1 前記(B)で製造した焼成粉体8.95g、前記(C)で
製造したリン酸バナジル溶液27.97g、及び20%濃度のシ
リカゾル30.19gを混合し、得られたスラリーに活性修飾
成分として塩化インジウム(Incl3・4H2O)0.499g及び
酢酸ニツケル(Ni(CH3COO)2・4H2O)0.424gを添加
し、高速回転型ホモジナイザーで30分混合し、充分均密
なスラリーを得た。これを180℃に加熱したホツトプレ
ート上に滴下して乾燥し、次いでこの固体を300℃で空
気気流下に20分間焼成し、更に570℃、窒素気流下に25
分間焼成した。得られた固体を打錠成型器を用いて6mm
φ×2mm厚にペレツト化し、更に破砕して24〜40メツシ
ユに篩分して使用する触媒とした。この触媒はV1.0P
1.16In0.015Ni0.015の原子比組成を有する。
触媒−2〜4 触媒−1で使用した活性修飾成分において、塩化イン
ジウムの量を表−1に示すように変更し、また酢酸コバ
ルト(CO(CH3COO)2・4H2O)及び酢酸銅(Cu(CH3COO)
2・4H2O)を表−1に示す量で使用した以外は触媒−1
と同様の手順で触媒−2、3、4を製造した。
比較触媒−1 塩化インジウム、酢酸ニツケルの添加をしなかつた以
外は触媒−1と全く同様の手順で比較触媒−1を製造し
た。
実施例1〜4及び比較例1 固定床反応テストにより触媒−1〜4(実施例1〜
4)及び比較触媒−1の活性を測定した。反応には外径
6mmの管型小型反応器を使用した。各触媒4mlを夫々充填
し、2%ブタン/空気混合ガスを用い、GHSV2,000の条
件で反応させた。生成物を分析した結果を表−1に示
す。反応成績は無水マレイン酸収率が最大となる温度で
比較してある。
実施例5及び比較例2 触媒−1及び比較触媒−1を夫々実施例−1で用いた
ものと同じ反応器に充填し、95%のブタン変換率を維持
するように温度を調節しながら600hrのライフテストを
行なつた以外は実施例1と同様の反応条件で反応を行な
つた。
反応結果を表−1に示す。
表−1から明らかなように、実施例1〜5においては
触媒活性が高く、比較例1及び2に比して同一条件で10
〜20℃も低温で反応させることができるため、安全性向
上に極めて効果的であるほか、目的とする無水マレイン
酸の収率が高いことが明らかである。
実施例−6及び比較例−3 触媒−1及び比較触媒−1と同一の組成を有する流動
床触媒を以下のように調製した。
前記触媒の製造例−1の(A)で製造した結晶性前駆
体の噴霧乾燥品粉体をロータリーキルンを使用し、8%
酸素濃度に希釈した空気気流下に焼成し、表−Bに示す
X線回折ピークを示す結晶性酸化物8.95kgを製造した。
また前記触媒の製造例−1の(C)と同様の工程で酸化
物濃度43.9%のリン酸バナジル溶液22.3kgを調製した。
得られた結晶性酸化物及びリン酸バナジル溶液と、20%
のシリカゾル31.2kgとを混合し、更に0.6kgの水に溶解
した塩化インジウム0.5kg及び1.7kgの水に溶解した酢酸
ニツケル0.4kgを添加し、湿式粉砕機で充分混合粉砕し
た。このスラリーを噴霧乾燥機で噴霧し、平均粒子径65
μmの乾燥粉体を得た後、キルンで焼成して流動床触媒
(触媒−5)を調製した。
また、修飾成分を添加しなかつた以外は触媒−5と同
様にして比較触媒−2の流動床触媒を調製した。なお、
上記キルンでの焼成条件は350℃での空気気流下での焼
成及び600℃での窒素気流下での焼成の二段階で実施し
た。
これらの触媒25gを用い、夫々硬質ガラス製の小型流
動床反応器でn−ブタンの酸化反応を行なつた。ブタン
濃度2%、GHSV700での反応結果は次のとおりであつ
た。
〔発明の効果〕 本発明に従い、高活性かつ高選択性の触媒を使用して
炭素数4の炭化水素の気相酸化により無水マレイン酸を
製造することができる。
特に、高い反応熱の制御に適した流動床反応において
性能を一層向上させることができる。
本発明により反応温度の低下が達成され、経済性の向
上と爆発の危険性の減少がもたらされる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数4の炭化水素を気相酸化して無水マ
    レイン酸を製造するに際し、反応系中に活性成分が主と
    してバナジウム、リン及び酸素からなり、かつその少な
    くとも一部がピロリン酸ジバナジル((VO)2P2O7)の構
    造を有する複合酸化物であって、更に該複合酸化物に活
    性修飾成分としてインジウム並びにニッケル、コバ
    ルト及び銅からなる群から選ばれる一種以上の元素を添
    加してなる触媒を存在させることを特徴とする無水マレ
    イン酸の製造法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の無水マレイ
    ン酸の製造法において、活性修飾成分がインジウム及び
    ニッケルから構成されることを特徴とする方法。
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US4151116A (en) * 1977-08-05 1979-04-24 Halcon Research And Development Corporation Preparation of maleic anhydride

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JPS63141977A (ja) 1988-06-14

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