JP2008037693A - バナジウム含有酸化物、バナジウムとリンとを有する酸化物、触媒、及び、無水マレイン酸の製造方法 - Google Patents

バナジウム含有酸化物、バナジウムとリンとを有する酸化物、触媒、及び、無水マレイン酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無水マレイン酸の製造方法において、無水マレイン酸の収率を向上するために好適な触媒の前駆体であるバナジウム含有酸化物を提供するものである。
【解決手段】バナジウム含有酸化物は、X線回折スペクトルにおいて2θ=26.2°(±0.2°)にメインピークを示すバナジウム含有酸化物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、バナジウム含有酸化物、バナジウムとリンとを有する酸化物、触媒、及び、無水マレイン酸の製造方法に関する。より詳しくは、無水マレイン酸の製造において触媒として好適に用いられるバナジウムとリンとを有する酸化物、これからなる触媒、バナジウムとリンとを有する酸化物の原料となるバナジウム含有酸化物、及び、バナジウムとリンとを有する酸化物を触媒として用いた無水マレイン酸の製造方法に関する。
バナジウム含有酸化物は、一般に、ブタン、ブテン、ブタジエン等の炭素原子数が4以上の直鎖炭化水素の接触気相酸化によって、無水マレイン酸を製造するための触媒として有効であることが知られている(例えば、特許文献1〜3参照。)。この接触気相酸化反応は、300℃を超える高温下の反応であり、また無水マレイン酸への選択性が充分に高くないため反応時の発熱量が大きいことから、触媒の熱劣化が大きいという問題を有している。そのため触媒活性を向上させることで反応温度を下げ、かつ無水マレイン酸への選択性を向上させることで反応時における発熱量を低減させ触媒の熱劣化を抑制し、無水マレイン酸の収率を向上させることが求められており、触媒としての種々のバナジウム含有酸化物や触媒を形成するための前駆体が検討されている。
従来の無水マレイン酸の製造に用いられる触媒としてのバナジウム含有酸化物の前駆体としては、例えば、バナジウム−リン系結晶性酸化物であり、バナジウムの一部が鉄、クロム、アルミニウムのいずれか1種により置換されたものが挙げられる(例えば、特許文献1参照。)。また、一般式[(V1−x−y−zFeCrAl)O]]で表され、(VO)と同型の結晶構造を有し、0<x≦0.4、0≦y≦0.4、0≦z≦0.4、0≦x+y+z≦0.4である結晶性酸化物からなる無水マレイン酸製造のための触媒調製用組成物が挙げられる(例えば、特許文献2参照。)。
従来の無水マレイン酸の製造に用いられる触媒としてのバナジウム含有酸化物としては、触媒活性成分が主としてバナジウム、リン及び酸素からなる複合酸化物であって、鉄、コバルト、ニッケル及び銅からなる群より選ばれた少なくも2種の活性促進成分を特定量含有した触媒が挙げられる(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、無水マレイン酸の製造において、従来のバナジウム含有酸化物からなる触媒を用いて、接触気相酸化反応により無水マレイン酸を製造しても、充分な転化率及び選択率を得て、無水マレイン酸の収率を向上するためには未だ改善の余地があった。
特公昭63−15016号公報(第1−2頁) 特公昭63−11055号公報(第1−2頁) 特公平6−37484号公報(第1−2頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、無水マレイン酸の製造方法において、無水マレイン酸の収率を向上するために好適な触媒の前駆体であるバナジウム含有酸化物を提供することを目的とするものである。
本発明者等は、無水マレイン酸の製造において用いられる触媒の前駆体であるバナジウム含有酸化物について種々検討したところ、X線回折スペクトルにおいて2θ=15.4°、20.4°、31.0°、34.3°、47.3°及び51.2°(何れも±0.2°)にピークを示し、かつ、2θ=26.2°(±0.2°)にメインピークを示すバナジウム含有酸化物とすると、このバナジウム含有酸化物とリン酸とを反応させて形成したバナジウムとリンとを有する酸化物を触媒として用いて、無水マレイン酸を製造すると、著しく高い収率が得られることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、バナジウム含有酸化物は、X線回折スペクトルにおいて2θ=26.2°(±0.2°)にメインピークを示すバナジウム含有酸化物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明におけるバナジウム含有酸化物は、X線回折スペクトルにおいて2θ=26.2°(±0.2°)にメインピークを示すものである。
上記バナジウム含有酸化物は、X線回折スペクトルにおいて2θ=15.4°、20.4°、31.0°、34.3°、47.3°及び51.2°(何れも±0.2°)にピークを示すことが好ましい。これらのピークは、26.2°以外の他のピークに比べて強度が大きく、特徴的なものである。上記バナジウム含有酸化物のX線回折スペクトルは、これら以外のピークも有していてもよい。
上記X線回折スペクトルの測定は、測定機器としてスペクトリス(株)製 X’pertPROを用い、以下の条件下で行うことが好ましい。
スタートposoiton(2θ°):5
終了positon(2θ°):75
ステップサイズ(2θ°):0.017
スキャンステップ時間:sec.5.08
ターゲット:Cu−Kα
X線出力設定:45kV、40mV
本発明におけるバナジウム含有酸化物は、その結晶構造中のバナジウム(V)の一部が鉄(Fe)、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)からなる群より選択される少なくとも一種の元素によって置換されたものであることが好ましい。このようなバナジウム含有酸化物とリン酸とを反応させて形成したバナジウムとリンとを有する酸化物を触媒として、接触気相酸化により無水マレイン酸を製造すると、極めて高い収率を得ることが可能となる。
上記バナジウム含有酸化物は、バナジウム化合物とFe、Co及びNiからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含有する化合物とを酸性又はアルカリ性溶液中で溶解した(溶解工程)後、蒸発乾固し、更に蒸発乾固物を焼成(焼成工程)したものであることが好ましい。
上記バナジウム化合物としては、例えば、五酸化バナジウム、及び、ピロバナジン酸、オキシ三塩化バナジウム等が挙げられる。好ましくは、五酸化バナジウムである。
上記Fe、Co及びNiからなる群より選択される少なくとも一種の元素を含有する化合物としては、これらの硝酸塩、ハロゲン化物、オキシ酸、酢酸塩、リン酸塩等が挙げられる。鉄を含有する化合物としては、Fe(III)(NO・9HOが好ましい。
上記溶解工程におけるFe、Co及びNiの少なくとも一種の元素の割合は、バナジウム原子1モルに対して0.0005〜0.1モル(0.05〜10モル%)であることが好ましい。0.05%未満では添加効果が認められず、10%を超えると逆に燃焼活性となりMA(無水マレイン酸)の収率が低下する。より好ましくは0.001〜0.05モル(0.1〜5モル%)である。
上記溶解工程に用いられる溶媒としては、バナジウム化合物を完全に溶解することが可能であり、かつ他の金属カチオンを含まないものであれば特に限定されず、酸性溶媒としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、蓚酸、酒石酸等が、アルカリ性溶媒としては、例えば、アンモニア水等が挙げられる。中でも硝酸、アンモニアは取扱いやすく好ましい。
上記焼成工程は酸素含有ガス流下で行われるが、蒸発乾固物に残存する硝酸根やアンモニウム根、その他の可燃成分を完全に除去できる条件であればよく、その焼成温度や時間、酸素濃度、ガス流量等を特に限定されない。
本発明はまた、上記バナジウム含有酸化物とリン酸とを反応させて形成したバナジウムとリンとを有する酸化物である。
上記バナジウムとリンとを有する酸化物であって、X線回折スペクトルにおいて2θ=23.0°、28.4°、29.9°、33.7°、36.8°及び43.2°(何れも±0.2°)にピークを示すものであることが好ましい。
上記バナジウム含有化合物を用いたバナジウムとリンとを有する酸化物の調製法は、特に限定されず、好ましくは水に上記バナジウム含有化合物とリン酸を加え加熱攪拌し(加熱攪拌工程)、焼成した沈殿物を濾過洗浄(洗浄工程)する。得られた化合物1を還元(還元工程)して得られる化合物2を乾燥後(乾燥工程)、必要に応じて成形、焼成(焼成工程)する。その後活性化処理して(活性化処理工程)X線回折スペクトルにおいて2θ=23.0°、28.4°、29.9°、33.7°、36.8°及び43.2°(何れも±0.2°)にピークを示すバナジウムとリンとを有する酸化物を形成する工程を含むものであるのがよい。このようなバナジウムとリンとを有する酸化物の調製法(製造方法)もまた、本発明の好ましい形態のひとつである。
上記リン酸としては、例えば、オルトリン酸、五酸化リン、ピロリン酸、トリポリリン酸、オキシ三塩化リン等の五価のリン化合物等が挙げられる。好ましくは、オルトリン酸である。
上記加熱還流工程におけるバナジウム含有化合物とリン化合物の使用割合は、バナジウム/リン(原子比)として1/1.0〜1/20が好ましい。より好ましくは1/1.0〜1/10である。バナジウムに対するリンの比が1/1.0未満であると未反応のバナジウム含有化合物が混入する可能性があり、1/20より多いと多量の未反応リン化合物が発生することとなり経済的でない。
また、上記加熱還流工程における還流時間は、12〜48時間が好ましい。12時間より短い場合は未反応バナジウム含有化合物が混入する可能性があり好ましくない。より好ましくは12〜24時間である。
上記洗浄工程では、充分に水洗し未反応リン酸を除去すればよく、操作等は特に限定されない。濾過物の乾燥を早める目的から、アセトン等で洗浄してもよい。濾過洗浄によって得られる化合物1は、(V(Fe))OPO・2HO型の黄色化合物である。
上記還元工程は、化合物1を還元溶媒と混合させ、60〜150℃で6〜48時間かけて行うことが好ましい。より好ましくは80〜130℃で12〜24時間である。
還元溶媒としては、1−ブタノール、イソブタノール、ベンジルアルコール、アニスアルコール等5価のバナジウム化合物を還元しうる還元剤としての機能と反応溶媒としての機能を共有するものであればいずれも使用することができるが、1ブタノール、ベンジルアルコールが好ましい。この還元工程の結果得られる化合物2は(V(Fe))OHPO・0.5HO型の水色化合物である。
上記乾燥工程では、得られた化合物2を濾過した後、通常100〜150℃、好ましくは120〜150℃で3〜48時間、好ましくは6〜24時間、不活性ガス中又は酸素含有ガス中で処理する。
上記焼成工程では、乾燥工程によって得られた乾燥物を粉末状又は成型体とした後、空気等の酸素含有ガス雰囲気、又は、不活性ガスと空気との混合ガス雰囲気下で350〜600℃、好ましくは400〜550℃の温度で1〜24時間、好ましくは2〜12時間処理される。
上記活性化処理工程ではこの種の酸化触媒において用いられている活性化方法をそのまま採用することができる。例えば、C4濃度=2.0体積%、Air balance、SV=3000Hr−1の条件下で、300〜550℃で5〜24時間処理する。より好ましくは400〜530℃で10〜24時間である。この工程で化合物2がX線回折スペクトルにおいて2θ=23.0°、28.4°、29.9°、33.7°、36.8°及び43.2°(何れも±0.2°)にピークを示すバナジウムとリンとを有する酸化物となる。
上記バナジウムとリンとを有する酸化物は、結晶構造中のVの一部が鉄(Fe)、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)からなる群より選択される少なくとも一種の元素によって置換されたものであることが好ましい。これを触媒として分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して無水マレイン酸を製造すると、極めて高い収率を得ることができる。
本発明は更に、上記バナジウムとリンとを有する酸化物を含有する触媒でもある。
本発明の触媒は、上記バナジウムとリンとを有する酸化物を含有するものであるため、無水マレイン酸の製造において、活性を高めつつ、無水マレイン酸の選択率を向上させ、著しく高い収率を得ることが可能となる。本発明の触媒は、上述したバナジウムとリンとを有する酸化物と同様の方法で製造することができるが、この触媒の製造方法もまた、本発明の好ましい形態のひとつである。
本発明はそして、炭素原子数4以上の脂肪族炭化水素を触媒の存在下で分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して無水マレイン酸を製造する方法であって、上記製造方法は、上記触媒を用いる工程を含む無水マレイン酸の製造方法でもある。
上記炭素原子数4以上の脂肪族炭化水素としては、炭素原子数4以上の直鎖状炭化水素や側鎖を有する脂肪族炭化水素等が挙げられる。収率を向上させる観点から、好ましくは、炭素原子数4以上の直鎖状炭化水素である。
上記炭素原子数4以上の直鎖状炭化水素としては、例えば、n−ブタン、1−ブテン、2−ブテン、ブタジエン、これらの混合物等が挙げられる。好ましくは、n−ブタン、ブテン類である。
上記炭素原子数4以上の側鎖を有する脂肪族炭化水素としては、例えば、イソブタン、イソブチレン等が挙げられる。
本発明の製造方法において、炭素原子数4以上の脂肪族炭化水素を上記触媒の存在下で分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化すると、無水マレイン酸が生成する。
上記分子状酸素含有ガスとしては、例えば、空気、又は、窒素、炭酸ガス、ヘリウム等の不活性ガスで希釈された混合気体等が挙げられる。混合気体中の不活性ガスの合計濃度は、通常60〜94.5容量%であることが好ましい。より好ましくは、75〜90容量%である。
上記製造方法における反応様式については固定床方式及び流動床方式のいずれでもよく、例えば固定床方式では、脂肪族炭化水素の濃度は0.5〜10.0容量%であることが好ましく、より好ましくは1.0〜5.0容量%である。
上記製造方法における接触気相酸化工程における反応温度は、300〜550℃であることが好ましい。より好ましくは、350〜500℃である。また、反応圧力は、常圧及び加圧のいずれでもよいが、通常常圧で行うのがよい。
本発明のバナジウム含有酸化物は、上述の構成よりなり、無水マレイン酸の接触気相酸化により酸化して製造する際の触媒の好適な原料を提供することができ、これを用いて形成した触媒により無水マレイン酸を著しく高い収率で製造することが可能となる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
実施例1
水1.8Lに濃硝酸45mlを加えてからV10gとFe(III)(NO・9HO0.45gを溶かした後、蒸発乾固した。この蒸発乾固残渣を酸素気流(20ml/min)中500℃で30時間焼成して、(V(Fe))(バナジウム含有酸化物)を得た。このバナジウム含有酸化物のX線回折スペクトルを図1に示す。図1の上段が本実施例で製造したバナジウム含有化合物のX線回折スペクトルである。バナジウム含有酸化物は、X線回折スペクトルにおいて2θ=26.2°(±0.2°)にメインピークを示すことがわかった。また、2θ=15.4°、20.4°、31.0°、34.3°、47.3°及び51.2°(何れも±0.2°)にもピークを示すこともわかった。なお、図1の中段は、VのX線回折スペクトルであり、図1の下段は、Fe:V:O=0.11:2:5.16である酸化バナジウムのX線回折スペクトルである。これら化合物のX線回折スペクトルにおいては、2θ=26.2°(±0.2°)においてメインピークを有していない。
次に水250mlに85%オルトリン酸56mlを加えて80℃とした溶液に、(V(Fe))を全量加え16時間加熱還流した。沈殿物を濾過後、少量の水とアセトンで洗浄し、(V(Fe))OPO・2HO型の黄色化合物を得た。これを1−ブタノール中80℃で24時間還元して、(V(Fe))OHPO・0.5HO型の化合物を得た。この化合物1gを流通型反応装置に充填し、C4conc=2.0vol%、Air balance、SV(空間速度)=3000hr−1の条件下520℃で20時間活性化処理することで、目的の触媒〔((V0.99Fe0.01)O)〕を得た。得られた触媒を用いて接触気相酸化(炭素原子数4以上の脂肪族炭化水素の酸化反応)により、無水マレイン酸を製造した。このとき、反応温度280℃〜520℃とした以外は、反応温度以外は活性化条件と全て同条件とした。得られた結果を表1に示す。
Figure 2008037693
表1中、転化率、選択率及び収率は、以下のように求められる。表2及び3についても同様とする。
転化率(モル%)=(反応したn−ブタンのモル数/供給したn−ブタンのモル数)×100
選択率(モル%)=(生成した無水マレイン酸のモル数/反応したn−ブタンのモル数)×100
収率(モル%)=(生成した無水マレイン酸のモル数/供給したn−ブタンのモル数)×100
比較例1(Fe無添加触媒)
水250mlに85%オルトリン酸56mlを加え80℃とした溶液に、市販のV10gを加え16時間加熱還流し、VOPO・2HOを得た以外は、全て実施例1に記載の方法に従い(VO)触媒を得た。得られた触媒は実施例1に記載の反応条件で評価した。得られた結果を表2に示す。
Figure 2008037693
比較例2(Fe添加触媒−従来の調製法)
水70mlに85%オルトリン酸11.53gを加え、これに水30mlに塩酸ヒドロキシルアミン2.60gを溶解させた水溶液を添加し、80℃で還流しながら五酸化バナジウム9.00gを少量ずつ添加した。バナジウムの還元に伴う発砲が収まった後、更に30分間加熱還流し還元を完結させた。
放冷後、三塩化鉄0.16gを添加溶解させ、再度80℃にて一時間加熱還流を行った。その後溶液を蒸発乾固させ、130℃で約10時間乾燥させた。得られた粉末に水50mlを加え煮沸しながら攪拌した後に、濾過水洗及び乾燥を行い青色結晶を得た。これを実施例1と同様の条件にて更に反応ガス中520℃で20時間活性化処理する事で目的の ((V0.99Fe0.01)O)型触媒とした。得られた触媒は実施例1に記載の反応条件で評価した。得られた結果を表3に示す。
Figure 2008037693
図1は、実施例1において得られたバナジウム含有酸化物(V(Fe))型〕(上段)、V(中段)、及び、バナジウム含有酸化物(Fe:V:O=0.11:2:5.16)(下段)のX線回折スペクトルを示す図である。

Claims (8)

  1. バナジウム含有酸化物は、X線回折スペクトルにおいて2θ=26.2°(±0.2°)にメインピークを示すことを特徴とするバナジウム含有酸化物。
  2. 前記バナジウム含有酸化物は、X線回折スペクトルにおいて2θ=15.4°、20.4°、31.0°、34.3°、47.3°及び51.2°(何れも±0.2°)にピークを示すことを特徴とする請求項1記載のバナジウム含有酸化物。
  3. 前記バナジウム含有酸化物は、結晶構造中のバナジウムの一部が鉄、コバルト及びニッケルからなる群より選択される少なくとも一種の元素によって置換されたものであることを特徴とする請求項1記載のバナジウム含有酸化物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のバナジウム含有酸化物とリン酸とを反応させて形成したバナジウムとリンとを有する酸化物。
  5. 前記バナジウムとリンとを有する酸化物は、X線回折スペクトルにおいて2θ=23.0°、28.4°、29.9°、33.7°、36.8°及び43.2°(何れも±0.2°)にピークを示すことを特徴とする請求項4記載のバナジウムとリンとを有する酸化物。
  6. 前記バナジウムとリンとを有する酸化物は、結晶構造のバナジウムの一部が鉄、コバルト及びニッケルからなる群より選択される少なくとも一種の元素によって置換されたものであることを特徴とする請求項4又は5記載のバナジウムとリンとを有する酸化物。
  7. 請求項6記載のバナジウムとリンとを有する酸化物を含有することを特徴とする触媒。
  8. 炭素原子数4以上の脂肪族炭化水素を触媒の存在下で分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して無水マレイン酸を製造する方法であって、
    該製造方法は、請求項7記載の触媒を用いる工程を含むことを特徴とする無水マレイン酸の製造方法。
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