JPH08175Y2 - 自動車の摺動屋根装置におけるセンターフレーム付きガイドレールの取り付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は自動車の摺動屋根装置のセンターフレーム付
きガイドレールの取り付け構造に関するものである。

（従来の技術） 自動車用摺動屋根装置のセンターフレーム付きガイド
レールの取り付け構造として、例えば実開昭57-24120号
公報に開示されたものがある。この従来のガイドフレー
ムは、自動車の縦方向に延在した２本の平行部分と該平
行部分の対向する各々の自動車前方部の端部を結ぶ連結
部分とで構成された略『コ』の字型の平面形状を有した
一体成形物であり、前記平行部分の前後方向略中央部分
を結び自動車の横方向に通るセンターフレームを一体的
に有し、該センターフレームの端部を前記ガイドレール
の周辺に設けたフランジ部と自動車固定屋根に固着され
ていた。

センターフレームの機能は、ねじれ、外部から加えら
れる力に対するガイドレールの補強材として働くことを
要求される。

従来技術のセンターフレームは、ねじれに対する前記
ガイドレールの補強材として働いているが、自動車の固
定屋根に固着されているので、固定屋根の上下方向に加
えられる外力に対しては補強材としての働きを認めるこ
とができない。従来こうした構造のガイドレールを備え
た摺動屋根装置において、自動車高速走行時の自動車室
内と屋根の上の圧力差が加える荷重によるパネルの吸い
出し作用や自動車走行時の振動によつて、フランジ部や
センターフレーム両端部の変形が起こり摺動屋根装置の
立て付けが狂うことがあった。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は上記課題に対し、自動車の摺動屋根装置の取
り付け剛性を向上させる取り付け構造とするものであ
る。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案は、センターフレー
ムの両端部の各々を、ガイドレールの溝の下面に固定す
ると共にブラケットを介して車体サイドフレームに固定
するものである。

（作用） このような形状のセンターフレームを採用することに
よつて、センターフレームとガイドレールが固定され、
ガイドレールの取りつけ部材の１つとしてセンターフレ
ームの両端をブラケツトによつて車体サイドフレームに
固定させるので、自動車の摺動屋根装置の取り付け剛性
を向上させることができる。更に自動車摺動屋根装置の
取り付け剛性を向上することで、該自動車固定屋根に加
わる荷重に対して強度が増し、取り付け部の変形を防ぐ
ことができる。

（実施例） 第１図は、アルミニウム材で一体形成され、断面が略
Ｕ字形のサンルーフのガイドレール２を自動車の前方に
向かつて屋根部上方から見た図である。屋根に取りつけ
られた摺動屋根装置のパネルが閉じた時に、パネルは開
口部（図示せず）を閉塞する。また、開く時にはパネル
がガイドレール2aに沿つて自動車後方に摺動して開口状
態になる。ガイドレール２の周辺端に略Ｚ形断面部分を
有した取り付け部３を設ける。取り付け部３の数は、摺
動屋根装置の重量、素材を考慮して適宜決めればよい。
本実施例では６個設けられている。また、ガイドレール
２の周辺端全体に渡つて取り付け部３を設けてもよい。
第２図に見られるように、取り付け部３は、取り付け部
３に設けられた孔４を通したボルト７で、ブラケツト９
に固定される。

第２図に示すように、アルミニウム材のセンターフレ
ーム１はガイドレール2aの長手方向の略中央部分でガイ
ドレール2aを下側から支える構造になつている。センタ
ーフレーム１とガイドレール2aは、溝の略中央でリベツ
ト６により固定されている。センターフレーム１の両端
には略Ｚ形断面の取りつけ部1aが設けられている。第１
図に見られるように、この取りつけ部1aに設けられた孔
4aを通したボルト７で、ブラケツト９に固定される。更
に、ブラケツト９は車体フレーム８にボルトなどで固定
されている。

リベツト６によりセンターフレーム１とガイドレール
2aが固定されることにより、センターフレーム１とガイ
ドレール２は一体物となり、これらは車体フレーム８と
一体的に固定されて、強度、剛性が確保できる。

（考案の効果） 本考案により摺動屋根装置の取り付け強度が向上さ
れ、従来起きていたガイドレール取り付け部での変形を
抑えることができる。

また、センターフレームをガイドレールの溝の下面に
固定したので、ガイドレールに作用する負荷を他の部材
を介することなく直接センターフレームで受けることが
できることから、ガイドレールの強度及び剛性を一層高
めることができる。例えば、スライドパネルに上方向の
負荷が加わると、その負荷はリンク機構を介してガイド
レールに伝わる。このとき、ガイドレールに加わる上方
向の負荷を、他の部材等を介すことなく、直接センター
フレームで受けることができるので、ガイドレールの変
形を防止できる。

また、センターフレームをガイドレールの下方に配し
たので、開口をもつハウジングを用いることなく、ガイ
ドレールの内側部及びセンターフレームの前端部により
成形天井（室内天井）を保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるガイドレールを自動車前方に向か
つて屋根部上方から見た図であり、第２図はガイドレー
ルを取り付けた時の第１図のＡ−Ａ断面図である。 １……センターフレーム、1a……センターフレームの取
り付け部、２……ガイドレール、2a……ガイドレールの
平行部分、2b……ガイドレールの連結部分、６……リベ
ツト、７……ボルト、８……車体フレーム、９……ブラ
ケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車の屋根に取りつけられた摺動屋根装
   置のガイドレールは、自動車の縦方向に延在した２本の
   平行部分と、該平行部分の対向する各々の自動車前方部
   の端部を結ぶ連結部分とで構成された略『コ』の字型の
   平面形状を有した一体成形物であり、 前記ガイドレールの前記平行部分の略中央部分は、自動
   車の横方向に延在するセンターフレームに固定されてい
   る摺動屋根装置のガイドレールにおいて、 前記センターフレームの両端部の各々が、前記ガイドレ
   ールの溝の下面に固定されていると共にブラケットを介
   して車体サイドフレームに固定されていることを特徴と
   した自動車の摺動屋根装置におけるセンターフレーム付
   きガイドレールの取り付け構造。