JPH08150461A - 減圧吸引鋳造方法およびその装置 - Google Patents

減圧吸引鋳造方法およびその装置

Info

Publication number
JPH08150461A
JPH08150461A JP29433694A JP29433694A JPH08150461A JP H08150461 A JPH08150461 A JP H08150461A JP 29433694 A JP29433694 A JP 29433694A JP 29433694 A JP29433694 A JP 29433694A JP H08150461 A JPH08150461 A JP H08150461A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
cavity
vacuum suction
molten metal
suction casting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29433694A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Onuma
寛 大沼
Kimio Kubo
公雄 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP29433694A priority Critical patent/JPH08150461A/ja
Publication of JPH08150461A publication Critical patent/JPH08150461A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に複雑形状や薄肉のステンレス鋳鋼、耐熱
鋳鋼など、鋳造性に劣る鋳物の製造に適した減圧吸引鋳
造方法および装置を得る。 【構成】 鋳型のキャビティ、押湯や吐かせの近傍、特
に溶湯最終充填部近傍に被吸引口を設けることによっ
て、キャビティへの吸引効果を大きくし、キャビティの
溶湯最終充填部までへの注湯が促進し、その結果、湯廻
り不良等の欠陥の発生を抑制する。また、前記被吸引口
と溶湯最終充填部間に、鋳型より通気度の大きい多孔性
部材を介装して、キャビティ、押湯および吐かせの部位
ごとに減圧度を制御して、キャビティ内への溶湯の注入
速度を調節する。本発明の減圧吸引鋳造方法および装置
によれば、著しく肉薄な鋳鋼製の鋳造品を作製するのに
好適であり、特にマニホールド等の排気系機器等を鋳造
するのに適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減圧吸引鋳造方法およ
び装置に関し、特に複雑形状や薄肉のステンレス鋳鋼、
耐熱鋳鋼など、鋳造性に劣る鋳物の製造に適した減圧吸
引鋳造方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、5mm以下というような薄い部
分をを有する薄肉鋳物を鋳造する場合、鋳型との接触に
よって注湯された溶湯の冷却凝固が促進されるため、溶
湯の流動性が悪くなり、湯回り不良等の欠陥が発生し易
くなる。また、複雑な形状をした薄肉鋳物では、鋳造
時、空気や鋳型から発生するガスを溶湯中に巻き込み易
く、凝固後の鋳物にブローホール等のガス欠陥が発生し
て、健全な鋳造製品を得ることが極めて困難である。
【0003】複雑な形状をした薄肉鋳物を製造する方法
の一つとして、ロストワックス鋳造法が知られている。
このロストワックス鋳造法においては、セラミックス鋳
型を用い、鋳造時に鋳型を700℃〜900℃に加熱す
ることにより充填時の溶湯の冷却速度を遅くし、溶湯の
流動性を良くするものである。しかしながら、高価なセ
ラミックス鋳型を使用するため、鋳型の造型に費用がか
かり、複雑形状で薄肉の鋳物を鋳造するには製造コスト
が相当に高くなる。
【0004】また、特開昭60−56439号には、キ
ャビティと湯道等が形成された石膏鋳型において、キャ
ビティにおける溶湯の最終充填部近傍から石膏鋳型の外
表面にかけて、石膏より通気性が良好な耐火製フィルタ
を設けてキャビティの排気能力を高め、溶湯の流動性の
向上とガス欠焔の防止を図る技術が開示されている。こ
の技術は、石膏の水和凝結作用を利用して、スラリーを
硬化、乾燥させて鋳型を製造するものであり、前記のロ
ストワックス鋳造法等と同様に、寸法精度の高い鋳造品
を得る精密鋳造法の一つとして、金型類、一般機械部
品、美術工芸品等に適用されている。
【0005】しかし、石膏鋳型を製作するための石膏混
練、流し込み、凝結硬化、脱型、乾燥等の工程に48時
間以上と長時間を必要とするために生産性が悪く、また
鋳型の通気度が非常に低いため、鋳込み時の加圧、減圧
に際しての鋳造方案が難しいという問題がある。更に、
鋳型の冷却速度が遅いことにより、金属の凝固速度が非
常に遅く、複雑形状で薄肉の鋳物では、収縮欠陥が発生
しやすく、鋳造歩留が悪くなり易い。
【0006】また、このような薄肉鋳物の鋳造方法とし
て、例えば、特公昭60−35227号で開示されるよ
うに、鋳型内キャビティを減圧して溶湯を鋳型空洞部に
吸引鋳造する減圧吸引鋳造方法が最近用いられるように
なった。しかしながら、この方法では、溶湯に浸漬され
ない鋳型部分から空気を巻き込み易く、減圧吸引効果が
不十分である。また、高さが小さく単純形状のものは鋳
造できるが、高さや肉厚部があり、複雑形状である場合
には適用するのが難しい。
【0007】特開平2−303649号には、鋳型と鋳
型周囲につき固めた粒状物とを減圧によりチャンバー内
に保持し、これを溶湯に浸漬して注湯する減圧吸引鋳造
方法の開示がある。しかし、この方法では、鋳型を粒状
物と共に吸引して保持し、そのまま浸漬するために、浸
漬前後に溶湯が乱れ、空気を巻き込み易く、更に、粒状
物と鋳型を減圧容器から突出させて保持するために、底
からの空気の巻き込みが問題となる。
【0008】特公平6−85990号公報には、通気性
鋳型内に鋳型空隙部と連通している充填流路を形成し
て、充填流路の上部を鋳型を取り巻く真空室内圧力より
も低い圧力に維持することにより、鋳型壁の移動、鋳型
面内への金属浸透、及び鋳型の破損の防止を可能にする
吸引鋳造装置及び方法がある。しかし、この特公告平6
−85990公報では、選択的に差圧発生手段を用いる
ことにより、充填流路から、鋳型内空隙部へ溶融金属が
充填する際に、溶融金属の自由表面に重力方向と逆向き
でない余分な力が作用して、その結果、充填中の溶融金
属は乱されて、ピンホール欠陥が発生してしまう。ま
た、この方法では、選択的に差圧発生手段を設けること
によって、減圧手段の構成が複雑になり、薄肉鋳物を鋳
造する為に必要な高い減圧速度が得られない。また、溶
融金属が充填流路を充填してから、鋳型空隙部に充填を
始めるので、溶融金属の温度低下が生じ、鋳型空隙部が
薄肉形状である時は特に、不廻り、吹かれ、湯じわ等の
欠陥が生じて問題となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の鋳造方法では、いずれも鋳型キャビテイ末端部への注
湯が不十分であり、5mm以下、特に3mm以下という
薄肉かつ複雑形状の鋳物を鋳造することは困難であっ
た。従って、本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決し、湯廻り不良やブローホール等の鋳造欠陥の発生を
防止するとともに、生産性の良好な、特に薄肉鋳物の製
造に最適な減圧吸引鋳造装置を提供することである。本
発明のもう1つの目的は、かかる効果を発揮する減圧吸
引鋳造装方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、鋳型収納室内に配置された鋳型
のキャビティ、押湯や吐かせの近傍に被吸引口を設ける
ことによって吸引効果が著しく高められ、またキャビテ
ィと湯道とを2つ以上の溶湯補給路で接続することによ
って押湯効果が著しく高められ、複雑な形状をした高品
質の薄肉鋳物を、低コストで生産性良く製造できること
を発見し、本発明に想到した。
【0011】即ち、本発明の第1の減圧吸引鋳造方法
は、(a)底部に少なくとも1つ以上の開口部を有する
鋳型収納室内に、湯道と、前記湯道に連通するキャビテ
ィとを有する鋳型を、前記湯道が前記減圧容器の開口部
内に開口するように配置し、(b)前記キャビティのう
ち前記湯道から最も遠くて前記溶融金属が最後に充填さ
れる部分の近傍に、鋳型表面に開口する被吸引口を形成
して前記被吸引口における前記キャビティと鋳型表面と
の距離を鋳型の他の部分より小さくし、(c)前記鋳型
収納室に取り付けた減圧装置により鋳型内を減圧するこ
とにより、前記キャビティ内に前記溶融金属を急速に注
湯することを特徴とする。
【0012】また、本発明の第1の減圧吸引鋳造装置
は、(a)底部に少なくとも1つ以上の開口部を有する
鋳型収納室と、(b)前記鋳型収納室内に配設され、前
記鋳型収納室の底部開口部に開口する湯道と、前記湯道
に連通するキャビティとを有する鋳型と、(c)前記鋳
型収納室に連通する減圧装置とを有し、前記キャビティ
のうち前記湯道の開口部から離れ前記溶融金属が最後に
充填される部分の近傍に、鋳型表面に開口する被吸引口
が形成されており、もって前記被吸引口における前記キ
ャビティと鋳型表面との距離が鋳型の他の部分より小さ
くなり、前記キャビティ内への前記溶融金属の急速な湯
回りが可能となることを特徴とする。
【0013】更に、本発明の第2の減圧吸引鋳造方法
は、(a)底部に少なくとも1つ以上の開口部を有する
鋳型収納室内に、ほぼキャビティ側面の一部に沿い設け
る湯道と、複数の補給路を介して前記湯道に連通するキ
ャビティと、前記キャビティのうち前記湯道の開口部か
ら離れて前記溶融金属が最後に充填される部分の近傍に
形成された被吸引口とを有する鋳型を、前記湯道が前記
減圧容器の開口部内に開口するように設け、(b)前記
キャビティのうち前記湯道から離れて前記溶融金属が最
後に充填される部分の近傍に、鋳型表面に開口する被吸
引口を形成し、もって前記被吸引口における前記キャビ
ティと鋳型表面との距離を鋳型の他の部分より小さく
し、(c)前記減圧容器に取り付けた減圧装置により鋳
型内を減圧することにより、前記キャビティ内に前記溶
融金属を急速に注湯することを特徴とする。
【0014】更に、本発明の第2の減圧吸引鋳造装置
は、(a)底部に少なくとも1つ以上の開口部を有する
鋳型収納室と、(b)前記鋳型収納室内に配設され、前
記鋳型収納室の開口部に開口し鋳型内をほぼキャビティ
側面の一部に沿い設ける設ける湯道と、複数の補給路を
介して前記湯道に連通するキャビティと、前記キャビテ
ィのうち前記湯道の開口部から離れて前記溶融金属が最
後に充填される部分の近傍に形成された被吸引口とを有
する鋳型と、(c)前記鋳型収納室に連通する減圧装置
とを有し、前記減圧装置により鋳型収納室内を減圧する
と、前記キャビティ内は前記被吸引口により他の鋳型部
分よりも急速に減圧され、もって前記キャビティ内への
前記溶融金属の急速な湯回りが可能となることを特徴と
する。
【0015】本発明の減圧吸引鋳造装置および方法は、
溶湯温度が高く、薄肉鋳物を製造するのが困難な鋳鋼等
に利用するのが好ましい。このような鋳鋼は、高い耐熱
性および耐酸化性を有するが、その組成の一例は以下の
通りである。C:0.05〜0.45重量%、Si:
0.4 〜2重量%、Mn:0.3 〜1重量%、C
r:16〜25重量%、W:0〜3重量%、Ni:0〜
2重量%、Nbおよび/またはV:0.01〜1重量
%、Feおよび不可避的不純物:残部、上記組成の鋳鋼
は、通常のα相の他にγ相から転移した相(α相+炭化
物)でα’相と呼ばれる相を有する。α’相の(α相+
α’相)に対する面積率は20〜90%であるのが好ま
しい。
【0016】
【実施例】以下、本発明の減圧吸引鋳造方法および装置
を図面を用いて詳細に説明する。実施例1:第1の減圧吸引鋳造方法および 装置 図1は、本発明の第1の実施例による減圧吸引鋳造装置
を示す概略断面図である。本発明の減圧吸引鋳造装置1
は、底部に開口部を有する鋳型収納室2内に、キャビテ
ィと湯道等を有する鋳型を配設し、前記鋳型収納室に上
方から減圧吸引力を作用させて、鋳型下端の湯口から溶
湯を吸引して注湯をおこなう方式のものである。具体的
には、減圧吸引鋳造装置1は、鋳型収納室(例えば、内
径600mm、高さ800mmを有する鉄製の減圧容
器)2を有し、鋳型収納室2の底部には開口部3が設け
られている。また、鋳型収納室2の上部には蓋部材2a
が密封状態で係合しており、蓋部材2aの上端部にはフ
レキシブル管9が取り付けられている。フレキシブル管
9は、減圧制御手段10を介し、真空ポンプ等の減圧装
置11に接続される。
【0017】鋳型収納室2内には、砂鋳型4が収容され
る。本発明では、造型性および通気性の点からけい砂等
を用いた砂鋳型が好適である。例えば、けい砂7号を材
料として、縦方向2分割で造型したコールドボックス型
が好ましい。砂鋳型4には、砂鋳型下面より下方に突出
した溶湯導入部5が設けられており、砂鋳型4は溶湯導
入部5が開口部3より下方に突出するように鋳型収納室
2内に配置される。
【0018】砂鋳型4内には、湯道6(例えば、縦10
mm、横100mmの断面を有する)が溶湯導入部5か
ら垂直方向に延在し、湯道6にはキャビティ7が連通し
ている。キャビティ7としては、例えば、外径60m
m、長さ200mm、肉厚2.5mmのパイプ部7a、
外径80mm、幅3mmのフランジ部7bおよびパイプ
部より突き出た外径10mm、直径20mmのボス部7
cからなる形状の例が挙げられるが、勿論これに限定さ
れるものではない。キャビティ内面には塗型剤を0.0
1〜0.4mm、例えば0.15mmの厚さに塗布する
のが好ましい。キャビティ7の上端には、押湯8a(吐
かせを兼ねる)および堰8bが設けられている。なお、
鋳型収納室2と、蓋部材2aと、鋳型4との間にはそれ
ぞれパッキン23が配置されており、鋳型収納室2の密
封状態の低下を防止するとともに、鋳型4のキャビティ
7の減圧度が低下するのも防止している。
【0019】減圧側に臨む鋳型4の上面には、前記キャ
ビティ7の押湯8a等に向かって凹部状に切り込まれた
被吸引口12が形成されている。被吸引口12は、押湯
8aとの間に介在する鋳砂が鋳造時の機械的、熱的衝撃
によって破砕しない程度に、押湯8aに近接しているの
が好ましい。具体的には、被吸引口12の底部から押湯
8aまでの距離は約15〜30mmとするのが好まし
い。また、被吸引口12の直径は鋳型4の機械的強度が
低下しない程度であれば特に限定されず、キャビティ7
および押湯8a等のサイズに応じて適宜設定することが
できる。具体的例として、300mm程度の被吸引口1
2の直径とすることができる。
【0020】鋳型収納室2の外側面には、減圧吸引鋳造
装置1が溶湯保持炉14内の溶湯15に浸漬されたこと
を検知する湯面センサ−13が取り付けられている。図
1の減圧吸引鋳造装置1により鋳造を行う場合、まず鋳
型4の溶湯導入部5を溶湯保持炉14内の溶湯15に浸
漬する。鋳型収納室2の側面に取り付けた湯面センサー
13により、溶湯導入部5の浸漬を感知すると、鋳型収
納室2の下降を停止し、同時に減圧装置11を作動させ
て減圧を開始する。鋳型収納室2内を減圧すると、被吸
引口12を介してキャビティ7内の空気は吸引されるの
で、湯道6内に入った溶湯はキャビティ7内に急速に充
填される。キャビティ7内の減圧度は被吸引口12と押
湯8aとの距離を適宜調節することにより制御すること
ができる。
【0021】図2は、図1の減圧吸引鋳造装置の変更例
を示す概略断面図であり、基本的な構成は図1の減圧吸
引鋳造装置と同じである。従って、図1と同じ部材には
同じ番号を付してある。図2に示す減圧吸引鋳造装置に
おいては、被吸引口12と、溶湯最終充填部としての押
湯8aとの間に、鋳型4本体よりも大きな通気度を有す
る多孔性部材16が設けられている。多孔性部材16
は、例えば鋳型より粒度の粗い鋳砂を円板状に、平板状
等につき固めて形成したものが好ましい。この多孔性部
材16は、造型時に、鋳型4に一体的に埋設しても良い
が、別体として形成し、鋳造時に鋳型4に嵌め込んで使
用することもできる。
【0022】鋳型4と多孔性部材16との通気度の関係
は、後者が前者よりも大きければ効果はあるが、後者が
前者の約3〜30倍であるのが好ましい。この通気度の
例として、例えば鋳型を珪砂6号として通気度を26
1、多孔性部材16を珪砂5号として通気度を785か
ら、鋳型をジルコンとして通気度を48、多孔性部材1
6を珪砂4号として通気度を1130とるのが好まし
い。ただし、通気度は(JIS)Z2603−1976
「鋳物砂の通気度試験方法」により測定したものであ
る。
【0023】図2に示す減圧吸引鋳造装置では、更に被
吸引口12と吸引経路が連通するように接する吸引口1
8が配設されている。吸引口18は、減圧吸引力を被吸
引口12の限定部分、特に溶湯最終充填部に対向する被
吸引口12の底部に作用させるためのものである。
【0024】この吸引口18、は蓋部材2a摺動可能に
配設され、さらに吸引口18には鋳型4を抑える手段
(図示せず)が設けられている。
【0025】また、本実施例では、鋳型4の下面より下
方に突設された溶湯導入部5の側面および鋳型下面を覆
う保護枠24(例えば鋼製)が設けられている。保護枠
24の下部は減圧容器2の底部開口部3より下方に突出
しているので、減圧吸引時に溶湯導入部5とともに溶湯
保持炉14内の溶湯15に浸漬される。この保護枠24
によって、溶湯導入部5の強度が確保されるとともに、
湯道6に作用する減圧の低下が防止され、更には溶湯導
入部5の側面等を通じての空気の巻き込みが防止され
る。
【0026】更に本実施例では、鋳型収納室2に不活性
ガス供給手段25が接続されている。不活性ガス供給手
段25は、不活性ガスを鋳型収納室2内に圧入し、鋳型
収納室4の空気をパ−ジして不活性ガスにより置換す
る。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が
好ましい。
【0027】図2の減圧吸引鋳造装置の操作は基本的に
図1のものと同じであるが、不活性ガス供給手段25を
有するので、まず鋳型収納室2内の雰囲気を不活性ガス
で置換する工程を行う。そのためには、不活性ガス供給
手段25を作動させて鋳型収納室2内の空気をパージ
し、不活性ガスで充満する。その後、鋳型4を収納した
鋳型収納室2を下降させて、溶湯導入部5を溶湯保持炉
14内の溶湯15に浸漬し、減圧して溶湯の吸引を行
う。
【0028】図3は、図1の減圧吸引鋳造装置の更に別
の変更例を示す概略断面図であり、基本的な構成は図1
および図2で示すものと同様である。従って、同じ部分
については説明を省略する。この実施例においては、キ
ャビティ7内に配置する中子26を中空とする。中子2
6内の中空部26aは、被吸引口12に開口する小径の
被吸引口27を介して減圧室18と連通している。その
ため、減圧吸引力は直接中子26内に及ぶ。また、鋳型
4内には、被吸引口12から、押湯8a以外のキャビテ
ィ末端部8dおよび8dの近傍まで延在する小径の被吸
引口28が設けられている。この構成によって、中子2
6周縁部およびキャビティ末端部8dおよび8dへの溶
湯の急速な湯回りが可能となる。なお、図3の減圧吸引
鋳造装置の操作は、図2のものと全く同じでよい。
【0029】実施例2:第2の減圧吸引鋳造装置および
方法 図4は、本発明の第2実施例による減圧吸引鋳造装置を
示す概略断面図である。本実施例においては、鋳型4
に、溶湯導入部5の底面からキャビティ7側面の一部に
沿い被吸引口12近傍まで延在する湯道60が設けられ
ており、この湯道60は3本の溶湯補給路61a、61
bおよび61cを介してキャビティ7と接続している。
各溶湯補給路61a、61bおよび61cは、その湯道
60との接続位置よりキャビティ7との接続位置が上方
にくるように、湯道60からキャビティ7にかけて上方
に次第に傾斜している。このような構成により、キャビ
ティ7内に入る溶湯の先端面に乱れが少なく、かつ急速
な充填が可能となる。なお、湯道は60に限らず、必要
に応じてキャビティ7の底部に直接連通する別の湯道を
設けてもよい。
【0030】図4に示す第2の実施例の減圧吸引鋳造装
置の操作は、基本的に第1の実施例のものと同じである
が、キャビティ側面の一部に沿い設ける湯道60から溶
湯補給路61a、61bおよび61cを介してキャビテ
ィ7に溶湯が急速に入る点が異なる。なお、このとき、
湯道60とキャビティ7の減圧度は同じであるとは限ら
ず、好ましい一実施例では、例えば、減圧過程の中間点
にある瞬間に湯道6内の減圧度をキャビティ7内より約
50mmHg大きくするのが好ましい。
【0031】図5は、図4の減圧吸引鋳造装置の変更例
を示す概略断面図である。この実施例における基本的な
構成は、図4の実施例と同様であるので、同1符号を付
した部分については、その説明を省略する。この実施例
においては、キャビティ7内に中空の中子62を有する
鋳型4を使用する。中子62内の中空部62aは、被吸
引口12内に開口する小径の吸引口63を介して吸引口
18と連通し、減圧吸引力が直接中子62内に及ぶ。ま
た鋳型4内には、被吸引口12から、押湯8a以外のキ
ャビティ末端部65の近傍まで延在する小径の被吸引口
64が設けられている。この構成によって、キャビティ
内への注湯が促進される。図5の減圧吸引鋳造装置の操
作は図4のものと同じでよい。
【0032】図6は、複数個の鋳造製品を同時に作製す
ることができる所謂複数個取りの鋳型を有するととも
に、前記鋳型が複数の分割鋳型からなる組立鋳型を用い
た減圧吸引鋳造装置を示す概略断面図であり、図7はそ
のA−A断面図である。図6および図7においては、4
個取りの鋳型が示されているが、勿論それ以外の数の鋳
型からなる組立鋳型としてもよい。図6に示す減圧吸引
鋳造装置においては、被吸引口12と、溶湯最終充填部
としての押道60との間に、鋳型4本体よりも大きな通
気度を有する多孔性部材16が設けられている。
【0033】各々のキャビティ7および押湯8aは、図
4に示したものと同一形状を有していてもよい。多各キ
ャビティ7は、垂直な中心線に沿って延在する共通の湯
道60と、3本の溶湯補給路61a〜61cによって連
通している。見切り面90は、湯道60内の垂直中心線
を通って各キャビティを2分割する垂直面と一致してい
れる。図7から分かるように、本実施例の組立鋳型91
では、直交する2つの垂直面と一致する見切り面90に
よって4つの同一形状の鋳型92に分割される。同様の
原理によって、n個取り鋳型を、n個の分割鋳型よりな
る組立鋳型として形成することができる。上記構成によ
り、模型製作、造型等のコストを低減することができ
る。なお、図6の減圧吸引鋳造装置の操作は、図4のも
のと同じでよい。
【0034】図8は、鋳型収納室の一部を鋳枠として一
体に造型してなる鋳型収納室を用いた減圧吸引装置を示
す概略断面図であり図9はそのA−A断面図である。各
々のキャビティ7および押湯8aは、図4に示したもの
と同一形状を有していてもよい。図8および図9には鋳
型収納室2には空隙が存在せず鋳型4内には、被吸引口
12から、押湯8a以外のキャビティ末端部65の近傍
まで延在する小径の被吸引口64が設けられている。こ
の構成によって、キャビティ内への注湯が促進される。
また図8の減圧吸引鋳造装置の操作は、図4のものと同
じでよい。
【0035】図10は、鋳型収納室の一部を鋳枠として
一体に造型してなる鋳型収納室を2段重ねて用いた減圧
吸引装置を示す概略断面図であり図11はそのA−A断
面図である。各々のキャビティ7および押湯8aは、図
4に示したものと同一形状を有していてもよい。図10
および図11には鋳型収納室2には空隙が存在せず鋳型
4内には、被吸引口12から、押湯8a以外のキャビテ
ィ末端部65の近傍まで延在する小径の被吸引口64が
設けられている。図11に示す減圧吸引鋳造装置断面概
略図のにおいて、多各キャビティ7は、垂直な中心線に
沿って延在する共通の湯道60と、3本の溶湯補給路6
1a〜61cによって連通している。また、被吸引口1
2と、溶湯最終充填部としての押湯8aとの間に、鋳型
4本体よりも大きな通気度を有する多孔性部材16が設
けられている。この構成によって、キャビティ内への注
湯が促進される。また図10の減圧吸引鋳造装置の操作
は、図4のものと同じでよい図10および図11には鋳
型収納室2には空隙が存在しない。本発明を以下の実施
例により更に詳細に説明するが、本発明はそれらに限定
されるものではない。
【0036】実施例3 下記の表1に示す組成の鋳鋼の溶湯(1550℃)を用
いて、図1および図2に示す減圧吸引鋳造装置により、
鋳造実験を行ったところ、肉厚2.5mmまで不廻り等
の鋳造欠陥のない鋳造品が得られた。 (表1) (重量%) Si Mn Ni Cr Fe 0.08 1.8 0.6 8.0 18.0 残部
【0037】実施例4 上記表1に示す組成の鋳鋼の溶湯(1580℃)を用い
て、図4に示す減圧吸引鋳造装置により、鋳造実験を行
ったところ、肉厚2.0mmまで不廻りやフローバック
等の鋳造欠陥のない鋳造品が得られた。
【0038】実施例5 上記表1に示す組成の鋳鋼の溶湯(1610℃)を用い
て、図5に示す減圧吸引鋳造装置により、鋳造実験を行
ったところ、肉厚1.5mmまで不廻りやフローバック
等の鋳造欠陥のない鋳造品が得られた。
【0039】実施例6 図4の構成の減圧吸引鋳造装置における湯流れ状態を調
べるために、図8に示すマニホールド鋳造用キャビティ
7と湯道60を接続する6本の溶湯補給路66a〜66
fを有する鋳型を用いて、コンピューター・シミュレー
ションおよび実際の湯流れ測定を行った。結果を図12
に併せて示す。図中の数値は、充填開始からの経過時間
を表し、単位は秒である。図12から分かるように、溶
湯は、まず湯道60から第1の溶湯補給路66aを通り
キャビティ7の下部に充填される。キャビティ7の下部
に充填される溶湯の湯先が第2の溶湯補給路66bの上
端部と同じ高さに達する直前に、溶湯補給路66bから
溶湯のキャビティ7への注入が開始される。その後、順
次キャビティ7に充填された溶湯の湯先が各溶湯補給路
の高さに達する直前にその溶湯補給路から溶湯の注入が
開始される。このような溶湯の湯先の進行状態は図12
に点線で示されている。このように、キャビティ7内に
充填された溶湯の湯先に、温度低下の少ない溶湯が注湯
されていくため、湯廻り不良、リーク発生、空気の巻き
込みやブローホール発生等の鋳造欠陥を防止するのに極
めて有効である。
【0040】図12の溶湯充填方式を達成するための減
圧吸引鋳造装置の各部の減圧度は図13に示す通りであ
る。図13から明らかなように、キャビティ7への溶湯
の充填は、約1秒以内の時間で完了する。この時間内で
は、吸引口18(即ち被吸引口12)の減圧吸引力は、
キャビティ7よりも湯道60に対し強く作用しているこ
とが分かる。つまり、湯道60の減圧度が、キャビティ
7の減圧度よりも大きくなっている。湯道60内にこの
ような大きな減圧吸引力を発生させるため、キャビティ
側面の一部に沿い設ける湯道60の上端が、被吸引口1
2の近傍にまで達するのが好ましい。
【0041】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の減圧吸引鋳
造方法および装置によれば、鋳型のキャビティ、押湯や
吐かせの近傍、特に溶湯最終充填部近傍に被吸引口を設
けることによって、キャビティへの吸引効果が一層大き
くなり、キャビティの溶湯最終充填部までへの注湯が促
進され、その結果湯廻り不良等の欠陥の発生を抑制する
ことができる。また、前記被吸引口と溶湯最終充填部間
に、鋳型より通気度の大きい多孔性部材を介装したこと
により、キャビティ、押湯および吐かせの部位ごとに減
圧度を制御して、キャビティ内への溶湯の注入速度を調
節することができる。 更に、湯道とキャビティとを複
数の溶湯補給路で連通したことによって、キャビティに
注湯された溶湯の湯先に溶湯補給路を経由した溶湯が供
給されるため、キャビティに充填中の湯先の温度低下を
防ぎ、湯廻り不良、湯境欠陥の発生を効果的に防止する
ことができ、また、引け巣欠陥の発生を防止することが
できる。 このような利点を有する本発明の減圧吸引鋳
造方法および装置は、著しく肉薄な鋳鋼製の鋳造品を作
製するのに好適であり、特にマニホールド等の排気系機
器等を鋳造するのに適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の減圧吸引鋳造装置を示す
概略断面図である。
【図2】図1の減圧吸引鋳造装置の変更例を示す概略断
面図である。
【図3】図1の減圧吸引鋳造装置の別の変更例を示す概
略断面図である。
【図4】本発明の第2実施例の減圧吸引鋳造装置を示す
概略断面図である。
【図5】図4の減圧吸引鋳造装置の変更例を示す概略断
面図である。
【図6】複数の鋳型よりなる組立鋳型を有する減圧吸引
鋳造装置を示す概略断面図である。
【図7】図6のA−A断面図である。
【図8】鋳枠よりなる鋳型収納室を有する減圧吸引鋳造
装置を示す概略断面図である。
【図9】図8のA−A断面図である。
【図10】鋳枠を2段積んでなる鋳型収納室を有する減
圧吸引鋳造装置を示す概略断面図である。
【図11】図10のA−A断面図である。
【図12】第2実施例による減圧吸引鋳造装置における
注湯時の湯流れの実測値とコンピューター・シミュレー
ションと結果を示す図である。
【図13】減圧吸引鋳造装置における各部の減圧度を示
すグラフである。
【符号の説明】
1:減圧吸引鋳造装置、 2:鋳型収納室、
3:開口部、4:鋳型、 5:溶湯導
入口、 6:湯道、9:フレキシブル管、
10:減圧制御手段、 11:減圧装置、12:被
吸引口、 13:湯面センサー、 14:
溶湯保持炉、15:溶湯、 16:多孔性
部材、 18:吸引口、21:フランジ、
22:鋳型挟持手段、 23:気密部材、2
4:保護枠、 25:不活性ガス供給手段、
26:中子、26a:中空部、 27、28:
吸引口、 60:湯道、61:溶湯補給路、
63、64:吸引口、 66:溶湯補給路、9
0:見切り面、 91:組立鋳型、
92:鋳型。

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属を減圧吸引により鋳型に注湯す
    る減圧吸引鋳造方法であって、(a) 底部に少なくと
    も1つ以上の開口部を有する鋳型収納室内に、湯道と、
    前記湯道に連通するキャビティとを有する鋳型を、前記
    湯道が前記鋳型収納室の開口部内に開口するように配置
    し、(b) 前記キャビティのうち前記湯道から離れ前
    記溶融金属が最後に充填される部分の近傍に、鋳型表面
    に開口する被吸引口を形成して前記被吸引口における前
    記キャビティと鋳型表面との距離を鋳型の他の部分より
    小さくし、(c) 前記鋳型収納室に取り付けた減圧装
    置により鋳型内を減圧することにより、前記キャビティ
    内に前記溶融金属を急速に注湯することを特徴とする減
    圧吸引鋳造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の減圧吸引鋳造方法にお
    いて、前記被吸引口のうち前記キャビティに近接する部
    分に、鋳型の他の部分より通気性が良い材料からなる多
    孔性部材を設け、もって前記キャビティ内に前記溶融金
    属をより急速に注湯することを特徴とする減圧吸引鋳造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の減圧吸
    引鋳造方法において、前記減圧装置に連通する前記鋳型
    収納室部分に吸引口が形成され、前記吸引口が鋳型部分
    の前記被吸引口に連接させて、もって前記被吸引口から
    の減圧効果を向上させることを特徴とする減圧吸引鋳造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3いずれかに記載の
    減圧吸引鋳造方法において、前記キャビティ内に通気性
    の中空中子を配置し、前記中空中子の開口端を前記被吸
    引口の近傍に位置することにより、前記キャビティ内を
    前記中空中子を介して急速に減圧することを特徴とする
    減圧吸引鋳造方法。
  5. 【請求項5】 請求項8乃至請求項4いずれかに記載の
    減圧吸引鋳造方法において、前記キャビティに複数の押
    湯を設け、前記被吸引口に開口する少なくとも1つの穴
    を前記被吸引口近傍以外の押湯の近傍まで延在させ、も
    って前記被吸引口近傍以外の押湯からも減圧することを
    特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5いずれかに記載の
    減圧吸引鋳造方法において、前記鋳型収納室に不活性ガ
    スを供給し、減圧前に前記鋳型収納室内を不活性ガスで
    置換することを特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6いずれかに記載の
    減圧吸引鋳造方法において、前記湯道の開口部を溶融金
    属保持炉内の溶融金属に浸漬した後で、前記鋳型収納室
    内を減圧することを特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  8. 【請求項8】 溶融金属を減圧吸引により鋳型に注湯す
    る減圧吸引鋳造装置であって、(a) 底部に少なくと
    も1つ以上開口部を有する鋳型収納室と、(b) 前記
    鋳型収納室内に配設され、前記減圧容器の底部開口部に
    開口する湯道と、前記湯道に連通するキャビティとを有
    する鋳型と、(c) 前記鋳型収納室に連通する減圧装
    置とを有し、前記キャビティのうち前記湯道の開口部か
    ら離れ前記溶融金属が最後に充填される部分の近傍に、
    鋳型表面に開口する被吸引口が形成されており、もって
    前記被吸引口における前記キャビティと鋳型表面との距
    離が鋳型の他の部分より小さくなり、前記キャビティ内
    への前記溶融金属の急速な湯回りが可能となることを特
    徴とする減圧吸引鋳造装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の減圧吸引鋳造装置にお
    いて、前記被吸引口のうち前記キャビティに近接する部
    分に、鋳型の他の部分より通気性が良い材料からなる多
    孔性部材を設けたことを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  10. 【請求項10】 請求項8または請求項9に記載の減圧
    吸引鋳造装置において、前記減圧装置に連通する前記鋳
    型収納室部分に吸引口が形成され、前記吸引口が鋳型部
    分の前記被吸引口に連接していることを特徴とする減圧
    吸引鋳造装置。
  11. 【請求項11】 請求項8乃至請求項10いずれかに記
    載の減圧吸引鋳造装置において、前記鋳型の下面に逆円
    錐台状または円筒状に形成された下方突出部は前記鋳型
    収納室の底部開口部から突出しており、前記突出部の底
    部に前記湯道の開口部があるとともに、前記突出部が底
    部を除いて保護枠で覆われていることを特徴とする減圧
    吸引鋳造装置。
  12. 【請求項12】 請求項8乃至請求項11いずれかに記
    載の減圧吸引鋳造装置において、前記キャビティ内に通
    気性の中空中子が配置されており、前記中空中子は前記
    被吸引口に開口する小径の第2の被吸引口に連通してい
    ることを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  13. 【請求項13】 請求項8乃至請求項12いずれかに記
    載の減圧吸引鋳造装置において、前記キャビティは複数
    の押湯を有し、前記被吸引口に開口する少なくとも1つ
    の穴が前記被吸引口近傍以外の押湯の近傍まで延在して
    いることを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  14. 【請求項14】 請求項8乃至請求項13いずれかに記
    載の減圧吸引鋳造装置において、前記減圧容器に不活性
    ガスを供給するガス源が連通し、減圧前に前記減圧容器
    内を不活性ガスで置換することを特徴とする減圧吸引鋳
    造装置。
  15. 【請求項15】 溶融金属を減圧吸引により鋳型に注湯
    する減圧吸引鋳造方法であって、(a)底部に少なくと
    も1つ以上の開口部を有する鋳型収納室内に、ほぼキャ
    ビティ側面の一部に沿い設ける湯道と、複数の補給路を
    介して前記湯道に連通するキャビティと、前記キャビテ
    ィのうち前記湯道の開口部から離れ前記溶融金属が最後
    に充填される部分の近傍に形成された被吸引口とを有す
    る鋳型を、前記湯道が前記鋳型収納室の開口部内に開口
    するように設け、(b)前記キャビティのうち前記湯道
    から最も遠くて前記溶融金属が最後に充填される部分の
    近傍に、鋳型表面に開口する被吸引口を形成し、もって
    前記被吸引口における前記キャビティと鋳型表面との距
    離を鋳型の他の部分より小さくし、(c) 前記鋳型収
    納室に取り付けた減圧装置により鋳型内を減圧すること
    により、前記キャビティ内に前記溶融金属を急速に注湯
    することを特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  16. 【請求項16】 請求項25に記載の減圧吸引鋳造方法
    において、前記被吸引口のうち前記キャビティに近接す
    る部分に、鋳型の他の部分より通気性が良い材料からな
    る多孔性部材を設け、もって前記キャビティ内に前記溶
    融金属をより急速に注湯することを特徴とする減圧吸引
    鋳造方法。
  17. 【請求項17】 請求項15または請求項16に記載の
    減圧吸引鋳造方法において、前記減圧装置に連通する前
    記鋳型収納室部分に吸引口が形成され、前記吸引口が鋳
    型部分の前記被吸引口に連接させて、もって前記被吸引
    口からの減圧効果を向上させることを特徴とする減圧吸
    引鋳造方法。
  18. 【請求項18】 請求項15乃至請求項17いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造方法において、前記キャビティ内に
    通気性の中空中子を配置し、前記中空中子を前記被吸引
    口に開口する小径の第2の被吸引口に連通させることに
    より、前記キャビティ内を前記中空中子を介して急速に
    減圧することを特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  19. 【請求項19】 請求項15乃至請求項18いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造方法において、前記キャビティに複
    数の押湯を設け、前記被吸引口に開口する少なくとも1
    つの穴を前記被吸引口近傍以外の押湯の近傍まで延在さ
    せ、もって前記被吸引口近傍以外の押湯からも減圧する
    ことを特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  20. 【請求項20】 請求項15乃至請求項19いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造方法において、前記鋳型収納室に不
    活性ガスを供給し、減圧前に前記鋳型収納室内を不活性
    ガスで置換することを特徴とする減圧吸引鋳造方法。
  21. 【請求項21】 請求項15乃至請求項20いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造方法において、前記湯道の開口部を
    溶融金属保持炉内の溶融金属に浸漬した後で、前記鋳型
    収納室内を減圧することを特徴とする減圧吸引鋳造方
    法。
  22. 【請求項22】 溶融金属を減圧吸引により鋳型に注湯
    する減圧吸引鋳造装置であって、(a) 底部に少なく
    とも1つ以上の開口部を有する鋳型収納室と、(b)
    前記鋳型収納室内に配設され、前記減圧容器の開口部に
    開口し鋳型内をほぼキャビティ側面の一部に沿い設ける
    湯道と、複数の補給路を介して前記湯道に連通するキャ
    ビティと、前記キャビティのうち前記湯道の開口部から
    離れ前記溶融金属が最後に充填される部分の近傍に形成
    された被吸引口とを有する鋳型と、(c) 前記鋳型収
    納室に連通する減圧装置とを有し、前記減圧装置により
    鋳型収納室内を減圧すると、前記キャビティ内は前記被
    吸引口により他の鋳型部分よりも急速に減圧され、もっ
    て前記キャビティ内への前記溶融金属の急速な湯回りが
    可能となることを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の減圧吸引鋳造装置
    において、前記補給路は前記湯道に沿って複数設けられ
    ているとともに、前記湯道から前記キャビティにかけて
    次第に傾斜しており、先の補給路から前記キャビティ内
    に入ってキャビティ内を上昇する溶融金属の液面と、後
    の補給路から前記キャビティ内に入る溶融金属の液面と
    がほぼ一致するように、各補給路の位置および形状が定
    められていることを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  24. 【請求項24】 請求項22または請求項23に記載の
    減圧吸引鋳造装置において、前記湯道の上端は前記被吸
    引口に近接する位置まで延在し、もって溶融金属がキャ
    ビティ内のみならず湯道内も急速に上昇することを特徴
    とする減圧吸引鋳造装置。
  25. 【請求項25】 請求項22乃至請求項24いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造装置において、前記鋳型は、前記被
    吸引口のうち前記キャビティに近接する部分に、鋳型の
    他の部分より通気性が良い材料からなる多孔性部材を有
    することを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  26. 【請求項26】 請求項22乃至請求項25いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造装置において、前記減圧装置に連通
    する前記鋳型収納室部分に吸引口が形成され、前記吸引
    口が鋳型部分の前記被吸引口に連接していることを特徴
    とする減圧吸引鋳造装置。
  27. 【請求項27】 請求項22乃至請求項26いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造装置において、前記鋳型の下面に逆
    円錐台状または円筒状に形成された下方突出部は前記鋳
    型収納室の底部開口部から突出しており、前記突出部の
    底部に前記湯道の開口部があるとともに、前記突出部が
    底部を除いて保護枠で覆われていることを特徴とする減
    圧吸引鋳造装置。
  28. 【請求項28】 請求項22乃至請求項27いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造装置において、前記キャビティ内に
    通気性の中空中子が配置されており、前記中空中子は前
    記被吸引口に開口する小径の第2の被吸引口に連通して
    いることを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  29. 【請求項29】 請求項22乃至請求項28いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造装置において、前記キャビティは複
    数の押湯を有し、前記被吸引口に開口する少なくとも1
    つの穴が前記被吸引口近傍以外の押湯の近傍まで延在し
    ていることを特徴とする減圧吸引鋳造装置。
  30. 【請求項30】 請求項22乃至請求項29いずれかに
    記載の減圧吸引鋳造装置において、前記鋳型収納室に不
    活性ガスを供給するガス源が連通し、減圧前に前記鋳型
    収納室内を不活性ガスで置換することを特徴とする減圧
    吸引鋳造装置。
JP29433694A 1994-11-29 1994-11-29 減圧吸引鋳造方法およびその装置 Pending JPH08150461A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29433694A JPH08150461A (ja) 1994-11-29 1994-11-29 減圧吸引鋳造方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29433694A JPH08150461A (ja) 1994-11-29 1994-11-29 減圧吸引鋳造方法およびその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08150461A true JPH08150461A (ja) 1996-06-11

Family

ID=17806390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29433694A Pending JPH08150461A (ja) 1994-11-29 1994-11-29 減圧吸引鋳造方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08150461A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016517803A (ja) * 2013-05-08 2016-06-20 ピーアイエム コリア カンパニー リミテッド 二重鋳造方法及び装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016517803A (ja) * 2013-05-08 2016-06-20 ピーアイエム コリア カンパニー リミテッド 二重鋳造方法及び装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4832105A (en) Investment casting method and apparatus, and cast article produced thereby
JP4789241B2 (ja) タイヤ金型の鋳造方法
CN108941513A (zh) 金属液压力输送壳型铸造方法
CA1265311A (en) Countergravity casting mold and core assembly
US5348073A (en) Method and apparatus for producing cast steel article
EP0640420B1 (en) Vacuum suction casting apparatus
CN209110156U (zh) 真空与压力结合的壳型铸造装置
JPH08150461A (ja) 減圧吸引鋳造方法およびその装置
US6845810B2 (en) Lost-foam casting apparatus for improved recycling of sprue-metal
JP3794033B2 (ja) 減圧吸引鋳造方法及びその装置
JP2820882B2 (ja) 減圧吸引鋳造装置および方法
JPS62220241A (ja) 鋳型およびその鋳型を用いた減圧鋳造方法
CN208483212U (zh) 一种真空吸铸内浇道快速凝固的壳型结构
JP2560356B2 (ja) 減圧吸上精密鋳造法
JPH09239517A (ja) 減圧吸引鋳造装置
CN108526439A (zh) 一种真空吸铸内浇道快速凝固的壳型结构
JPH09314309A (ja) 減圧吸引鋳造方法
JPH0335861A (ja) 減圧吸上鋳造法
JP2000015423A (ja) 減圧吸引鋳造装置
JPH0890204A (ja) 減圧吸引加圧鋳造方法および装置
JPH09239516A (ja) 減圧吸引鋳造装置
JPH048136B2 (ja)
JPH07265998A (ja) 減圧鋳造用鋳型
JPH06226423A (ja) 通気性鋳型による薄肉鋳物の製造方法
JP3060758B2 (ja) 差圧鋳造方法