JPH09314309A - 減圧吸引鋳造方法 - Google Patents
減圧吸引鋳造方法Info
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- JPH09314309A JPH09314309A JP13797396A JP13797396A JPH09314309A JP H09314309 A JPH09314309 A JP H09314309A JP 13797396 A JP13797396 A JP 13797396A JP 13797396 A JP13797396 A JP 13797396A JP H09314309 A JPH09314309 A JP H09314309A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 通気性鋳型を用いて、厚肉と薄肉を有し複雑
な鋳物においても、欠肉、引け巣、不廻り、吹かれ等の
鋳造欠陥がなく、堰部や湯道などの分離作業を不要とし
て注入歩留よく製造できる減圧吸引鋳造方法を得る。 【解決手段】 底部に開口部を有する鋳型収納室と、こ
の開口部に突出して設ける溶湯導入部と、溶湯導入部に
湯道を接続して放射状に堰部を複数分岐した製品キャビ
ティを有する通気性鋳型と、鋳型収納室を減圧制御する
減圧装置とからなり、減圧装置の減圧度を制御して溶湯
を製品キャビティ内に導入する減圧吸引鋳造方法であっ
て、製品キャビティ内に溶湯が充填後、鋳型収納室内の
減圧度を徐々に解除していく。必要に応じ、鋳型収納室
の減圧度の解除は、減圧度の解除・保持を少なくとも１
回以上繰り返す。また、溶湯導入部が溶湯に浸漬前に、
鋳型収納室内を大気圧にする。
な鋳物においても、欠肉、引け巣、不廻り、吹かれ等の
鋳造欠陥がなく、堰部や湯道などの分離作業を不要とし
て注入歩留よく製造できる減圧吸引鋳造方法を得る。 【解決手段】 底部に開口部を有する鋳型収納室と、こ
の開口部に突出して設ける溶湯導入部と、溶湯導入部に
湯道を接続して放射状に堰部を複数分岐した製品キャビ
ティを有する通気性鋳型と、鋳型収納室を減圧制御する
減圧装置とからなり、減圧装置の減圧度を制御して溶湯
を製品キャビティ内に導入する減圧吸引鋳造方法であっ
て、製品キャビティ内に溶湯が充填後、鋳型収納室内の
減圧度を徐々に解除していく。必要に応じ、鋳型収納室
の減圧度の解除は、減圧度の解除・保持を少なくとも１
回以上繰り返す。また、溶湯導入部が溶湯に浸漬前に、
鋳型収納室内を大気圧にする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は鋳物を製造するため
の減圧吸引鋳造方法に関し、より詳しくは通気性鋳型を
用いて、厚肉部と薄肉部があり複雑形状を有する鋳物
を、鋳造欠陥なく健全に、しかも注入歩留よく得ること
ができる減圧吸引鋳造方法に関する。
の減圧吸引鋳造方法に関し、より詳しくは通気性鋳型を
用いて、厚肉部と薄肉部があり複雑形状を有する鋳物
を、鋳造欠陥なく健全に、しかも注入歩留よく得ること
ができる減圧吸引鋳造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、この種の減圧吸引鋳造装置として
は、図５に示すように、減圧装置（図示せず）につなが
る鋳型収納室５内に、複数に分岐された堰部１２を介し
てその末端に製品キャビティ１４が形成され、各堰部１
２をその中心に縦方向に位置する湯道１１に連通させた
鋳型１を備えるものがよく用いられる。そして鋳型収納
室５の底部６より湯道１１につなげて溶湯導入口８を突
出させており、この溶湯導入口８を保持炉３内の溶湯に
浸漬しつつ減圧装置を作動させると、溶湯４は溶湯導入
口８、湯道１１、堰１２を経て製品キャビティ１４に充
填される。そして、鋳型１内の溶湯４は外殻部、製品キ
ャビティ１４、堰部１２と凝固が始まる。堰部１２が半
ば凝固した状態で減圧を解除して大気圧に戻すと、湯道
１１の溶湯４は保持炉３内に落下し、湯道１１内はほぼ
空洞となる。そして、鋳型１を鋳型収納室５から取り出
して砂落しを行い堰部１２を取り除けば鋳物製品が得ら
れる。
は、図５に示すように、減圧装置（図示せず）につなが
る鋳型収納室５内に、複数に分岐された堰部１２を介し
てその末端に製品キャビティ１４が形成され、各堰部１
２をその中心に縦方向に位置する湯道１１に連通させた
鋳型１を備えるものがよく用いられる。そして鋳型収納
室５の底部６より湯道１１につなげて溶湯導入口８を突
出させており、この溶湯導入口８を保持炉３内の溶湯に
浸漬しつつ減圧装置を作動させると、溶湯４は溶湯導入
口８、湯道１１、堰１２を経て製品キャビティ１４に充
填される。そして、鋳型１内の溶湯４は外殻部、製品キ
ャビティ１４、堰部１２と凝固が始まる。堰部１２が半
ば凝固した状態で減圧を解除して大気圧に戻すと、湯道
１１の溶湯４は保持炉３内に落下し、湯道１１内はほぼ
空洞となる。そして、鋳型１を鋳型収納室５から取り出
して砂落しを行い堰部１２を取り除けば鋳物製品が得ら
れる。
【０００３】上記の減圧吸引鋳造において欠肉や引け巣
などを防止するには、減圧を解除した時点で製品キャビ
ティの未凝固部の溶湯を流出させず、かつ製品キャビテ
ィには凝固収縮を補う湯道からの溶湯補給が行う必要が
ある。このためには溶湯導入口の保持炉内浸漬時間を長
くしたり、注湯温度を低くすることが考えられる。しか
し、浸漬時間を長くすると鋳造に時間を要して生産性が
低下すると共に、鋳型収納室が溶湯からの輻射熱で損傷
しやすく、また注湯温度を低くすると不廻りや吹れ等の
鋳造欠陥が発生しやすい。
などを防止するには、減圧を解除した時点で製品キャビ
ティの未凝固部の溶湯を流出させず、かつ製品キャビテ
ィには凝固収縮を補う湯道からの溶湯補給が行う必要が
ある。このためには溶湯導入口の保持炉内浸漬時間を長
くしたり、注湯温度を低くすることが考えられる。しか
し、浸漬時間を長くすると鋳造に時間を要して生産性が
低下すると共に、鋳型収納室が溶湯からの輻射熱で損傷
しやすく、また注湯温度を低くすると不廻りや吹れ等の
鋳造欠陥が発生しやすい。
【０００４】これらを解決しようと特開平１−１４３７
５３号公報には、鋳型の製品キャビティ部の上方に押湯
を形成し、押湯の上部と湯道の上部を堰部を介して連通
して減圧吸引することで、製品キャビティおよび押湯に
溶湯を充填させ、その後鋳型収納室内の減圧度を解除す
ることにより、短時間減圧保持で押湯の溶湯補給を行
い、また製品キャビティ内鋳物への引け巣発生を防止す
る開示がある。
５３号公報には、鋳型の製品キャビティ部の上方に押湯
を形成し、押湯の上部と湯道の上部を堰部を介して連通
して減圧吸引することで、製品キャビティおよび押湯に
溶湯を充填させ、その後鋳型収納室内の減圧度を解除す
ることにより、短時間減圧保持で押湯の溶湯補給を行
い、また製品キャビティ内鋳物への引け巣発生を防止す
る開示がある。
【０００５】また、実公平３−７０６６号公報には、図
６に示すような、通気性鋳型１を鋳型収納室５に収納す
る減圧吸引鋳造方法において、通気性鋳型１の複数箇所
の堰部１２に連結路１５を形成し、連結路１５が凝固し
終わり、さらに堰部１２から湯道１１に向かう状態で減
圧を解除して湯道１１内の溶湯４を保持炉３に戻すこと
により、凝固の時間管理および堰折り作業を容易にする
開示がある。
６に示すような、通気性鋳型１を鋳型収納室５に収納す
る減圧吸引鋳造方法において、通気性鋳型１の複数箇所
の堰部１２に連結路１５を形成し、連結路１５が凝固し
終わり、さらに堰部１２から湯道１１に向かう状態で減
圧を解除して湯道１１内の溶湯４を保持炉３に戻すこと
により、凝固の時間管理および堰折り作業を容易にする
開示がある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平１−１４３７５３号公報は、製品キャビティ上部に
押湯を設けているため注入歩留が悪くなり、また鋳型の
寸法も大きくなって鋳型費が増える。
開平１−１４３７５３号公報は、製品キャビティ上部に
押湯を設けているため注入歩留が悪くなり、また鋳型の
寸法も大きくなって鋳型費が増える。
【０００７】また、前記実公平３−７０６６号公報は、
厚肉部をもつ鋳物で引け巣を防止するためには、湯道１
１からの溶湯補給を大きく必要とするため、減圧吸引保
持時間が長くかかる。そして、堰部１２は、湯流れによ
る初期温度勾配と保持炉内溶湯からの熱伝達によって凝
固に時間差が生じ、厚肉部における欠肉や引け巣を防止
することが難しく、また湯道１１や堰部１２の溶湯を保
持炉３に戻すことができないので、注入歩留が悪くな
る。
厚肉部をもつ鋳物で引け巣を防止するためには、湯道１
１からの溶湯補給を大きく必要とするため、減圧吸引保
持時間が長くかかる。そして、堰部１２は、湯流れによ
る初期温度勾配と保持炉内溶湯からの熱伝達によって凝
固に時間差が生じ、厚肉部における欠肉や引け巣を防止
することが難しく、また湯道１１や堰部１２の溶湯を保
持炉３に戻すことができないので、注入歩留が悪くな
る。
【０００８】本発明の課題は、上記従来の課題を解決
し、通気性鋳型を用いて、厚肉と薄肉部を有する複雑な
鋳物においても、欠肉、引け巣、不廻り、吹かれ等の鋳
造欠陥がなく、堰部や湯道などの分離作業を不要として
注入歩留よく製造できる減圧吸引鋳造方法を得ることに
ある。
し、通気性鋳型を用いて、厚肉と薄肉部を有する複雑な
鋳物においても、欠肉、引け巣、不廻り、吹かれ等の鋳
造欠陥がなく、堰部や湯道などの分離作業を不要として
注入歩留よく製造できる減圧吸引鋳造方法を得ることに
ある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の減圧吸引鋳造方法は、底部に開口部を有す
る鋳型収納室と、前記開口部に突出して設ける溶湯導入
口と、前記鋳型収納室に収納され、前記溶湯導入口に湯
道を接続し、この湯道より堰部を複数分岐し、この堰部
から製品キャビティを形成した通気性鋳型と、前記鋳型
収納室を減圧制御する減圧装置とからなり、前記保持炉
内溶湯に溶湯導入口を浸漬し、溶湯前記減圧装置の減圧
度を制御して前記製品キャビティに溶湯を導入する減圧
吸引鋳造方法であって、前記製品キャビティに溶湯を充
填後、前記鋳型収納室内の減圧度を徐々に解除していく
ことを特徴とする。
め、本発明の減圧吸引鋳造方法は、底部に開口部を有す
る鋳型収納室と、前記開口部に突出して設ける溶湯導入
口と、前記鋳型収納室に収納され、前記溶湯導入口に湯
道を接続し、この湯道より堰部を複数分岐し、この堰部
から製品キャビティを形成した通気性鋳型と、前記鋳型
収納室を減圧制御する減圧装置とからなり、前記保持炉
内溶湯に溶湯導入口を浸漬し、溶湯前記減圧装置の減圧
度を制御して前記製品キャビティに溶湯を導入する減圧
吸引鋳造方法であって、前記製品キャビティに溶湯を充
填後、前記鋳型収納室内の減圧度を徐々に解除していく
ことを特徴とする。
【００１０】そして、前記鋳型収納室内の減圧度の解除
は、圧力解除と保持を少なくとも１回以上繰り返すこと
を特徴とする。また、前記溶湯導入口が溶湯に浸漬前
に、前記鋳型収納室内を大気圧にすることを特徴とす
る。
は、圧力解除と保持を少なくとも１回以上繰り返すこと
を特徴とする。また、前記溶湯導入口が溶湯に浸漬前
に、前記鋳型収納室内を大気圧にすることを特徴とす
る。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。 （発明の実施の形態１）図１は本発明の減圧吸引鋳造方
法によって排気マニホルドを鋳造する装置の一例を示す
要部縦断面図である。鋳造装置は、底部６に開口部を有
する鋳型収納室５と、開口部に突出して設ける溶湯導入
口８と、鋳型収納室５に収納されて溶湯導入口８に湯道
１１を接続し、湯道１１から堰部１２を複数分岐し、堰
部１２から排気マニホルドの製品キャビティ１４を形成
した通気性鋳型１と、鋳型収納室５を減圧制御する減圧
装置６とからなる。そして、保持炉３内溶湯４に溶湯導
入口８を浸漬して、減圧装置１６の減圧度を制御するこ
とにより、溶湯４を製品キャビティ１４に注入する。
に説明する。 （発明の実施の形態１）図１は本発明の減圧吸引鋳造方
法によって排気マニホルドを鋳造する装置の一例を示す
要部縦断面図である。鋳造装置は、底部６に開口部を有
する鋳型収納室５と、開口部に突出して設ける溶湯導入
口８と、鋳型収納室５に収納されて溶湯導入口８に湯道
１１を接続し、湯道１１から堰部１２を複数分岐し、堰
部１２から排気マニホルドの製品キャビティ１４を形成
した通気性鋳型１と、鋳型収納室５を減圧制御する減圧
装置６とからなる。そして、保持炉３内溶湯４に溶湯導
入口８を浸漬して、減圧装置１６の減圧度を制御するこ
とにより、溶湯４を製品キャビティ１４に注入する。
【００１２】具体的には、通気性鋳型１はコールドボッ
クス型でけい砂６号を使用し、中子により外径５０ｍ
ｍ、厚さ２．０ｍｍの薄肉ポート部と、その上部および
側方部に厚さ１５ｍｍの５個のフランジ部と、薄肉ポー
ト部側方に外径１５ｍｍ、高さ２５ｍｍの３個のボス部
を持つ複雑形状で薄肉の排気マニホルドの製品キャビテ
ィ１４を形成している。湯道１１は直径７５ｍｍとし、
通気性鋳型１の中央近くに設けている。
クス型でけい砂６号を使用し、中子により外径５０ｍ
ｍ、厚さ２．０ｍｍの薄肉ポート部と、その上部および
側方部に厚さ１５ｍｍの５個のフランジ部と、薄肉ポー
ト部側方に外径１５ｍｍ、高さ２５ｍｍの３個のボス部
を持つ複雑形状で薄肉の排気マニホルドの製品キャビテ
ィ１４を形成している。湯道１１は直径７５ｍｍとし、
通気性鋳型１の中央近くに設けている。
【００１３】減圧装置１６は真空ポンプ１６ａ、圧力制
御装置１６ｃ、制御バルブ１６ｂ、圧力センサ１８から
なり、鋳型収納室５の通気製鋳型１に吸引ヘッド１７を
密着して減圧吸引を行う。
御装置１６ｃ、制御バルブ１６ｂ、圧力センサ１８から
なり、鋳型収納室５の通気製鋳型１に吸引ヘッド１７を
密着して減圧吸引を行う。
【００１４】上記の鋳造装置により、表１に示す耐熱鋳
鋼からなる排気マニホルドを鋳造する。
鋼からなる排気マニホルドを鋳造する。
【００１５】
【表１】
【００１６】注湯ステーション（図示せず）に、通気性
鋳型１を収納した鋳型収納室５を搬送装置により搬入す
る。次に、クランプ１９により鋳型収納室５を気密と
し、通気性鋳型１に減圧装置１６からの吸引ヘッド１７
を密着させる。そして、保持炉３の１５４０〜１５６０
℃の溶湯４に溶湯導入口８を浸漬し、鋳型収納室５を減
圧装置１６により減圧して所定量の溶湯４を製品キャビ
ティ１４に注入する。溶湯充填後、鋳型収納室５内の圧
力値を図２に示す時間変化となるように圧力制御装置１
６ｃにより制御する。到達減圧度は−４００ｍｍＨｇと
し、注入開始３０秒後から２０ｍｍＨｇ／秒で鋳型収納
室５内の圧力値が次第に解除するように圧力制御装置１
６ｃを制御する。そして、湯道１４上部の溶湯を、順次
保持炉３内に徐々に流出させる。注入開始５０秒後に−
１００ｍｍＨｇとなる時点で鋳型収納室５を上昇させて
浸漬を終了し、湯道１１の溶湯は全て保持炉３内に流出
落下する。
鋳型１を収納した鋳型収納室５を搬送装置により搬入す
る。次に、クランプ１９により鋳型収納室５を気密と
し、通気性鋳型１に減圧装置１６からの吸引ヘッド１７
を密着させる。そして、保持炉３の１５４０〜１５６０
℃の溶湯４に溶湯導入口８を浸漬し、鋳型収納室５を減
圧装置１６により減圧して所定量の溶湯４を製品キャビ
ティ１４に注入する。溶湯充填後、鋳型収納室５内の圧
力値を図２に示す時間変化となるように圧力制御装置１
６ｃにより制御する。到達減圧度は−４００ｍｍＨｇと
し、注入開始３０秒後から２０ｍｍＨｇ／秒で鋳型収納
室５内の圧力値が次第に解除するように圧力制御装置１
６ｃを制御する。そして、湯道１４上部の溶湯を、順次
保持炉３内に徐々に流出させる。注入開始５０秒後に−
１００ｍｍＨｇとなる時点で鋳型収納室５を上昇させて
浸漬を終了し、湯道１１の溶湯は全て保持炉３内に流出
落下する。
【００１７】浸漬終了後、吸引ヘッド１７を通気性鋳型
１と分離してクランプ１９を解除する。その後搬送装置
（図示せず）で次の型ばらしステーション（図示せず）
に搬出する。そして、鋳造前の別の通気性鋳型１を収納
した別の鋳型収納室５を注湯ステーションに搬入する。
上述の工程を繰り返し、必要とする数の排気マニホルド
を鋳造する。
１と分離してクランプ１９を解除する。その後搬送装置
（図示せず）で次の型ばらしステーション（図示せず）
に搬出する。そして、鋳造前の別の通気性鋳型１を収納
した別の鋳型収納室５を注湯ステーションに搬入する。
上述の工程を繰り返し、必要とする数の排気マニホルド
を鋳造する。
【００１８】排気マニホルドを８０個鋳造して品質を調
査した。その結果、湯道１１からは製品キャビティ１４
に十分溶湯が補給され、押湯を設けなくとも、欠肉、引
け巣、不廻り、吹かれ等の鋳造欠陥がなく、しかも湯道
１１の溶湯４をほとんど保持炉３戻すことができて、堰
部や湯道などの分離作業を省略できて、注入歩留よく製
造することができた。
査した。その結果、湯道１１からは製品キャビティ１４
に十分溶湯が補給され、押湯を設けなくとも、欠肉、引
け巣、不廻り、吹かれ等の鋳造欠陥がなく、しかも湯道
１１の溶湯４をほとんど保持炉３戻すことができて、堰
部や湯道などの分離作業を省略できて、注入歩留よく製
造することができた。
【００１９】（発明の実施の形態２）図３は本発明の減
圧吸引鋳造方法によってタービンハウジングを鋳造する
装置の別の例を示す要部縦断面図である。鋳造装置は、
底部６に開口部を有する鋳型収納室５と、開口部に突出
して設ける溶湯導入口８と、鋳型収納室５に収納されて
溶湯導入口８に湯道１１を接続し、湯道１１から堰部１
２を複数分岐し、堰部１２から、上下型を合わせて１段
として４段積み重ねてタービンハウジングの製品キャビ
ティ１４を形成した通気性鋳型１と、鋳型収納室５を減
圧制御する減圧装置６とからなる。そして、保持炉３の
溶湯４に溶湯導入口８を浸漬して、減圧装置１６の減圧
度を制御することにより、溶湯４を前記製品キャビティ
１４まで導入する。
圧吸引鋳造方法によってタービンハウジングを鋳造する
装置の別の例を示す要部縦断面図である。鋳造装置は、
底部６に開口部を有する鋳型収納室５と、開口部に突出
して設ける溶湯導入口８と、鋳型収納室５に収納されて
溶湯導入口８に湯道１１を接続し、湯道１１から堰部１
２を複数分岐し、堰部１２から、上下型を合わせて１段
として４段積み重ねてタービンハウジングの製品キャビ
ティ１４を形成した通気性鋳型１と、鋳型収納室５を減
圧制御する減圧装置６とからなる。そして、保持炉３の
溶湯４に溶湯導入口８を浸漬して、減圧装置１６の減圧
度を制御することにより、溶湯４を前記製品キャビティ
１４まで導入する。
【００２０】具体的には、通気性鋳型１はコールドボッ
クス型でけい砂６号を使用し、中子により外径１２０ｍ
ｍ、厚さ３．０ｍｍの薄肉スクロール部と、その上部お
よび側方部に厚さ１５ｍｍの２個のフランジ部と、上方
フランジ外周部に厚さ２０ｍｍ、高さ２５ｍｍの２個の
ボス部を持つ複雑形状で薄肉のタービンハウジングの製
品キャビティ１４を形成している。湯道１１は直径８０
ｍｍとし、通気性鋳型１の中央近くに設け、この湯道１
１に連続した堰部１２と製品キャビティ１４を設けてい
る。そして、湯道１１と連通するように鋳型収納室５底
部に溶湯導入口８を設けている。
クス型でけい砂６号を使用し、中子により外径１２０ｍ
ｍ、厚さ３．０ｍｍの薄肉スクロール部と、その上部お
よび側方部に厚さ１５ｍｍの２個のフランジ部と、上方
フランジ外周部に厚さ２０ｍｍ、高さ２５ｍｍの２個の
ボス部を持つ複雑形状で薄肉のタービンハウジングの製
品キャビティ１４を形成している。湯道１１は直径８０
ｍｍとし、通気性鋳型１の中央近くに設け、この湯道１
１に連続した堰部１２と製品キャビティ１４を設けてい
る。そして、湯道１１と連通するように鋳型収納室５底
部に溶湯導入口８を設けている。
【００２１】減圧装置１６は真空ポンプ１６ａ、圧力制
御装置１６ｃ、制御バルブ１６ｂ、圧力センサ１８から
なり、鋳型収納室５の通気製鋳型１に吸引ヘッド１７を
密着して減圧吸引を行う。
御装置１６ｃ、制御バルブ１６ｂ、圧力センサ１８から
なり、鋳型収納室５の通気製鋳型１に吸引ヘッド１７を
密着して減圧吸引を行う。
【００２２】上記の鋳造装置により、表２に示す組成の
耐熱鋳鋼からなるタービンハウジングを鋳造する。
耐熱鋳鋼からなるタービンハウジングを鋳造する。
【００２３】
【表２】
【００２４】注湯ステーション（図示せず）に、通気性
鋳型１を収納した鋳型収納室５を搬送装置により搬入す
る。次に、クランプ１９により鋳型収納室５を気密と
し、通気性鋳型１に減圧装置１６からの吸引ヘッド１７
を密着させる。そして、保持炉３の１５３０〜１５５０
℃の溶湯４に溶湯導入口８を浸漬し、鋳型収納室５を減
圧装置１６により減圧して所定量の溶湯４を製品キャビ
ティ１４に注入する。溶湯充填後、鋳型収納室５内の圧
力値を図４に示す時間変化となるように圧力制御装置１
６ｃにより制御する。到達減圧度は−４５０ｍｍＨｇと
し、注入開始３０秒後から１００ｍｍＨｇ／秒で１秒間
鋳型収納室５内の圧力値を解除し、その後９秒間その圧
力値で保持する圧力解除・保持のサイクルを４段積み重
ねた通気性鋳型１の高さに応じて３回繰り返すように圧
力制御装置１６ｃを制御する。そして、湯道１４上部の
溶湯を、順次保持炉３内に徐々に流出させる。注入開始
６０秒後に−１５０ｍｍＨｇとなる時点で鋳型収納室５
を上昇させて浸漬を終了し、湯道１１の溶湯を全て保持
炉３内に流出落下させる。
鋳型１を収納した鋳型収納室５を搬送装置により搬入す
る。次に、クランプ１９により鋳型収納室５を気密と
し、通気性鋳型１に減圧装置１６からの吸引ヘッド１７
を密着させる。そして、保持炉３の１５３０〜１５５０
℃の溶湯４に溶湯導入口８を浸漬し、鋳型収納室５を減
圧装置１６により減圧して所定量の溶湯４を製品キャビ
ティ１４に注入する。溶湯充填後、鋳型収納室５内の圧
力値を図４に示す時間変化となるように圧力制御装置１
６ｃにより制御する。到達減圧度は−４５０ｍｍＨｇと
し、注入開始３０秒後から１００ｍｍＨｇ／秒で１秒間
鋳型収納室５内の圧力値を解除し、その後９秒間その圧
力値で保持する圧力解除・保持のサイクルを４段積み重
ねた通気性鋳型１の高さに応じて３回繰り返すように圧
力制御装置１６ｃを制御する。そして、湯道１４上部の
溶湯を、順次保持炉３内に徐々に流出させる。注入開始
６０秒後に−１５０ｍｍＨｇとなる時点で鋳型収納室５
を上昇させて浸漬を終了し、湯道１１の溶湯を全て保持
炉３内に流出落下させる。
【００２５】浸漬終了後吸引ヘッド１７を通気性鋳型１
と分離しクランプ１９を解除する。その後搬送装置で次
の型ばらしステーション（図示せず）に搬出する。そし
て、鋳造前の別の通気性鋳型１を収納した別の鋳型収納
室５を注湯ステーションに搬入する。上述の工程を繰り
返し、必要とする数のタービンハウジングを鋳造する。
と分離しクランプ１９を解除する。その後搬送装置で次
の型ばらしステーション（図示せず）に搬出する。そし
て、鋳造前の別の通気性鋳型１を収納した別の鋳型収納
室５を注湯ステーションに搬入する。上述の工程を繰り
返し、必要とする数のタービンハウジングを鋳造する。
【００２６】タービンハウジングを１２０個鋳造して品
質を調査した。その結果、湯道１１からは製品キャビテ
ィ１４に十分溶湯が補給され、押湯を設けなくとも、欠
肉、引け巣、不廻り、吹かれ等の鋳造欠陥がなく、しか
も湯道１１の溶湯４をほとんど保持炉３戻すことができ
て、堰部や湯道などの分離作業を省略できて、注入歩留
よく製造することができた。
質を調査した。その結果、湯道１１からは製品キャビテ
ィ１４に十分溶湯が補給され、押湯を設けなくとも、欠
肉、引け巣、不廻り、吹かれ等の鋳造欠陥がなく、しか
も湯道１１の溶湯４をほとんど保持炉３戻すことができ
て、堰部や湯道などの分離作業を省略できて、注入歩留
よく製造することができた。
【００２７】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明の減圧吸引鋳造
法は、製品キャビティ内に溶湯が充填後、鋳型収納室内
の減圧度を徐々に解除することにより、厚肉部と薄肉部
を有する複雑形状の鋳物を、欠肉、引け巣、不廻り、吹
かれ等の鋳造欠陥がなく、しかも堰部や湯道などの分離
作業を不要として注入歩留よく鋳造することができる。
法は、製品キャビティ内に溶湯が充填後、鋳型収納室内
の減圧度を徐々に解除することにより、厚肉部と薄肉部
を有する複雑形状の鋳物を、欠肉、引け巣、不廻り、吹
かれ等の鋳造欠陥がなく、しかも堰部や湯道などの分離
作業を不要として注入歩留よく鋳造することができる。
【図１】本発明の実施の形態に用いる鋳造装置の要部縦
断面図である。
断面図である。
【図２】本発明の実施の形態に用いる鋳造装置での圧力
制御線図である。
制御線図である。
【図３】本発明の別の実施の形態に用いる鋳造装置の要
部縦断面図である。
部縦断面図である。
【図４】本発明の別の実施の形態に用いる鋳造装置での
圧力制御線図である。
圧力制御線図である。
【図５】従来の鋳造装置の要部縦断面図である。
【図６】従来の鋳造装置の要部縦断面図である
１：通気性鋳型、 ２： 減圧空間、 ３：
保持炉、４：溶湯、 ５：鋳型収納室、
６：底部、７：フレキシブル管、 ８：溶湯導入
口、 １１：湯道、１２：堰部、 １４：
製品キャビティ、 １６：減圧吸引鋳造装置、１６ａ：
真空ポンプ、 １６ｂ：制御バルブ、 １６ｃ：圧力
制御装置、１７：吸引ヘッド、 １８：圧力センサ、
１９：クランプ。
保持炉、４：溶湯、 ５：鋳型収納室、
６：底部、７：フレキシブル管、 ８：溶湯導入
口、 １１：湯道、１２：堰部、 １４：
製品キャビティ、 １６：減圧吸引鋳造装置、１６ａ：
真空ポンプ、 １６ｂ：制御バルブ、 １６ｃ：圧力
制御装置、１７：吸引ヘッド、 １８：圧力センサ、
１９：クランプ。
Claims (3)
- 【請求項１】 底部に開口部を有する鋳型収納室と、前
記開口部に突出して設ける溶湯導入口と、前記鋳型収納
室に収納され、前記溶湯導入口に湯道を接続し、この湯
道より堰部を複数分岐し、この堰部から製品キャビティ
を形成した通気性鋳型と、前記鋳型収納室を減圧制御す
る減圧装置とからなり、前記保持炉内溶湯に溶湯導入口
を浸漬し、溶湯前記減圧装置の減圧度を制御して前記製
品キャビティに溶湯を導入する減圧吸引鋳造方法であっ
て、前記製品キャビティに溶湯を充填後、前記鋳型収納
室の減圧度を徐々に解除していくことを特徴とする減圧
吸引鋳造方法。 - 【請求項２】 前記鋳型収納室の減圧度の解除は、圧力
解除と保持を少なくとも１回以上繰り返すことを特徴と
する請求項１記載の減圧吸引鋳造方法。 - 【請求項３】 前記溶湯導入口が溶湯に浸漬前に、前記
鋳型収納室を大気圧にすることを特徴とする請求項１ま
たは請求項２記載の減圧吸引鋳造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13797396A JPH09314309A (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 減圧吸引鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13797396A JPH09314309A (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 減圧吸引鋳造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09314309A true JPH09314309A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=15211076
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13797396A Pending JPH09314309A (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | 減圧吸引鋳造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09314309A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6311758B1 (en) | 1998-06-22 | 2001-11-06 | Central Motor Wheel Co., Ltd. | Suction casting method and suction casting apparatus |
| CN102294460A (zh) * | 2011-08-12 | 2011-12-28 | 增城市运豪五金塑料有限公司 | 采用树脂沙微孔筛阻隔熔融液进入真空管道的真空铸造方法 |
| CN104001900A (zh) * | 2013-12-06 | 2014-08-27 | 哈尔滨东安发动机（集团）有限公司 | 多功能反重力铸造物理模拟装置 |
| CN109719277A (zh) * | 2017-10-30 | 2019-05-07 | 科华控股股份有限公司 | 耐热钢涡壳真空吸铸工艺的反重力补缩壳型结构 |
| CN111496225A (zh) * | 2020-05-22 | 2020-08-07 | 山西电机制造有限公司 | 三相异步高压电机铸铝转子的低压铸铝加压工艺 |
-
1996
- 1996-05-31 JP JP13797396A patent/JPH09314309A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6311758B1 (en) | 1998-06-22 | 2001-11-06 | Central Motor Wheel Co., Ltd. | Suction casting method and suction casting apparatus |
| CN102294460A (zh) * | 2011-08-12 | 2011-12-28 | 增城市运豪五金塑料有限公司 | 采用树脂沙微孔筛阻隔熔融液进入真空管道的真空铸造方法 |
| CN104001900A (zh) * | 2013-12-06 | 2014-08-27 | 哈尔滨东安发动机（集团）有限公司 | 多功能反重力铸造物理模拟装置 |
| CN109719277A (zh) * | 2017-10-30 | 2019-05-07 | 科华控股股份有限公司 | 耐热钢涡壳真空吸铸工艺的反重力补缩壳型结构 |
| CN111496225A (zh) * | 2020-05-22 | 2020-08-07 | 山西电机制造有限公司 | 三相异步高压电机铸铝转子的低压铸铝加压工艺 |
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