JPH08149607A - 電気自動車の制動装置 - Google Patents

電気自動車の制動装置

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JPH08149607A
JPH08149607A JP28205094A JP28205094A JPH08149607A JP H08149607 A JPH08149607 A JP H08149607A JP 28205094 A JP28205094 A JP 28205094A JP 28205094 A JP28205094 A JP 28205094A JP H08149607 A JPH08149607 A JP H08149607A
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JP
Japan
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braking force
braking
wheel side
driven wheel
pressure
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JP28205094A
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English (en)
Inventor
Harumi Ohori
治美 大堀
Toshiyuki Sakai
俊行 酒井
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Toyota Motor Corp
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制動初期に駆動輪側及び従動輪側双方の油圧
伝達を阻止することによるブレーキフィーリングの悪化
をなくす。 【構成】 マスタシリンダ(M/C)20から従動輪側
のホイールシリンダ(W/C)26rに至る油路上に、
勾配特性が大きなプロポーショニングバルブ(P/V)
32rを設ける。駆動輪側の差圧バルブ30fの開弁値
と従動輪側の差圧バルブ30rの開弁値はほぼ等しい値
に設定する。制動初期には、駆動輪側の制動力は走行用
モータ14による回生制動力のみとなり、従動輪側の制
動力はP/V32rにより比例減されたM/C圧による
油圧制動力となる。制動初期においてW/C26rに油
圧が投入されるためブレーキペダル18に係るフィーリ
ングが改善される。P/V32rにより油圧を比例減し
ているため従動輪側での制動エネルギ消費の急増が生じ
ない。制動初期において従動輪側に制動力が配分される
ため良好な制動性能が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧等の流体圧により
駆動輪及び従動輪を制動すると共に制動エネルギの回生
により駆動輪を制動する電気自動車の制動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両を制動する手段として広く用いられ
ているのは、非圧縮性流体を用いる流体圧制動装置、例
えば油圧制動装置である。制動対象とする車両が電気自
動車である場合、さらに、走行用モータにより制動エネ
ルギを回収する回生制動装置も使用できる。
【0003】油圧制動と回生制動の相違の一つは、回生
制動により回収された制動エネルギを、走行用モータの
電力源である主バッテリに蓄えることができる点にあ
る。従って、電気自動車においては油圧制動装置及び回
生制動装置を共に搭載しながらも、油圧制動に対し回生
制動を優先的に使用するのが、主バッテリの充電頻度抑
制、走行可能距離延長等の面で好ましい。
【0004】図9に示される例では、回生制動力と油圧
制動力の和が要求制動力と一致するよう、かつ要求制動
力(ここではマスタシリンダ圧)が所定値Pより小さ
い領域では回生制動力のみが作用し、大きい領域では回
生制動力を最大回生制動力に維持しながら油圧制動力を
作用させている。このような制御を行うことにより、制
動エネルギを可能な限り回収しつつ、要求制動力を実現
できる。
【0005】また、回生制動力の制御は、走行用モータ
に電力を供給する際の電力変換動作を要求制動力に応じ
て制御することにより実現できる。油圧制動力の制御
は、マスタシリンダから駆動輪のホイールシリンダ(キ
ャリパ)に至る油路上に、マスタシリンダ圧とホイール
シリンダ圧の差がPに至ると開弁しそれ以上のマスタ
シリンダ圧では差圧Pを保持する差圧バルブ(リリー
フバルブ)を設けることにより、実現できる。
【0006】油圧制動と回生制動の相違の他の一つは、
油圧を伝達する機構を設けておけば駆動輪か従動輪かに
かかわらず油圧制動力を作用させられるのに対し、回生
制動力が駆動輪にしか作用しない点にある。従って、駆
動輪側のみならず従動輪側の油路にも差圧弁を設けるこ
とにより、制動性能を維持改善しながら、制動エネルギ
の回収効率を向上させることができる。
【0007】特開平5−161210号公報に開示され
ている装置では、駆動輪側及び従動輪側の双方に差圧弁
が設けられている。従って、制動初期、すなわち要求制
動力が小さい段階では油圧制動力は駆動輪にも従動輪に
も作用せず、回生制動力のみが駆動輪に作用する。これ
により、制動初期においては制動エネルギが回生制動に
よりすべて回収される。また、図10(a)に示される
ように従動輪側差圧バルブの開弁値Pを駆動輪側差圧
バルブの開弁値Pより小さい値とすることにより、従
動輪側のホイールシリンダ圧上昇を抑制することによる
制動能力の欠損が補われ、制動能力をある程度の水準で
確保できる。さらに、このような油圧制動力制御によ
り、駆動輪と従動輪の間の制動力配分は図10(b)に
示されるような傾向となる。すなわち、マスタシリンダ
圧が従動輪側差圧バルブの開弁値P以上に増大するま
で制動力配分比は駆動輪側:従動輪側=1:0であり、
開弁値Pを越えると従動輪側油圧制動力がリニアに増
大し始める。従って、従動輪側差圧バルブの開弁値P
を適宜設定することにより、法により規定されている早
期ロック禁止領域を回避するよう、配分線を設定するこ
とができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような構
成には、いくつかの問題点がある。まず、マスタシリン
ダ圧が低く従動輪側差圧バルブが開弁していない状態で
は、駆動輪側のホイールシリンダへの油圧伝達も従動輪
側のホイールシリンダへの油圧伝達も阻止されているか
ら、ブレーキペダルがほとんどストロークしなくなりフ
ィーリングが悪化する。次に、従動輪側差圧バルブが開
弁した後ただちにマスタシリンダ圧変化と同じ速度で従
動輪側油圧制動力が増大し始めるため、マスタシリンダ
圧が従動輪側差圧バルブの開弁値を越えている領域では
従動輪側油圧制動による制動エネルギ消費が急激に増加
する。この結果、回生制動による制動エネルギ回収効率
が悪化する。さらに、マスタシリンダ圧が従動輪側差圧
バルブの開弁値に至っていない制動初期では、従動輪側
に制動力が配分されないから、良好な制動性能が得られ
ない。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、従動輪側流体圧制
動力の制御方法を改善することにより、ブレーキペダル
フィーリングを改善し、回生制動による制動エネルギ回
収効率を改善し、更には制動初期における制動力配分を
改善することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、駆動輪及び従動輪に流体圧制動力
を作用させる流体圧制動手段と、駆動輪に回生制動力を
作用させる回生制動手段と、操縦者等からの要求制動力
Pが所定値P以下の領域では駆動輪には実質的に回生
制動力のみを作用させ、当該所定値P以上の領域では
回生制動力を最大値に維持しつつ要求制動力と回生制動
力の差に相当する流体圧制動力を駆動輪に作用させる回
生優先制御手段と、駆動輪と従動輪の間の制動力配分が
所定配分となるよう、上記所定値Pより小さい要求制
動力を始点として従動輪に流体圧制動力を作用させる制
動力配分手段と、を備え、電気自動車に搭載される制動
装置において、制動力配分手段が、要求制動力Pが実質
的に0の点を始点として、かつ0を越え1より小さい勾
配にて、従動輪に作用する流体圧制動力を要求制動力P
に対し変化させる手段を有することを特徴とする。
【0011】本発明は、さらに、制動力配分手段が、要
求制動力Pが上記所定値P以上の領域の少なくとも一
部について、従動輪に作用する流体圧制動力を要求制動
力Pに対しほぼ1の勾配で変化させる手段を有すること
を特徴とする。
【0012】
【作用】本発明においては、要求制動力Pが小さい制動
初期においても、従動輪に流体圧制動力が作用する。す
なわち、要求制動力Pが0の点から従動輪側流体圧制動
力を作用させ始め、その後は0を越え1より小さい勾配
にて従動輪側流体圧制動力を要求制動力Pに対し変化さ
せる。従って、要求制動力が小さい状態でも従動輪側で
非圧縮性制動流体の量が消費されることになるため、要
求制動力を与えるブレーキペダルのストロークが改善さ
れ、ブレーキのペダルフィーリングが改善される。ま
た、要求制動力Pに対する従動輪側流体圧制動力の変化
勾配が0を越え1より小さい値であるため、従動輪側流
体圧制動力の急増により従動輪側での制動エネルギ消費
が急激に増加することはなく、回生制動による制動エネ
ルギ回収効率が良好な値に維持される。さらに、制動初
期においても従動輪側に制動力が配分されるから、良好
な制動性能が得られる。
【0013】本発明においては、さらに、要求制動力P
が上記所定値P以上の領域の少なくとも一部にて、従
動輪側流体圧制動力が要求制動力Pに対しほぼ1の勾配
で変化する。これにより、要求制動力Pが比較的大きい
領域での制動力配分がより良好になる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。なお、図9及び図10に示される従来
例と同様の構成には同一の符号を付し説明を省略する。
【0015】図1には、本発明の一実施例に係る電気自
動車、特にその制動系統のシステム構成が示されてい
る。この図の例は、本発明をフロント駆動車へ適用した
例であるが、本発明はリア駆動車へも適用することがで
きる。
【0016】図1に示されるシステムは、車両を駆動す
る手段として主バッテリ10、インバータ12、走行用
モータ14及びECU(電子制御ユニット)16を備え
ている。主バッテリ10の放電出力は、ECU16によ
って制御されるインバータ12により、三相交流電力に
変換される。走行用モータ14は、インバータ12によ
って得られる三相交流電力の供給を受け回転駆動し、駆
動輪(この場合前輪)を回転駆動させる。これにより、
車両の駆動力が発生する。また、ECU16は、車両操
縦者のアクセルペダル操作等に応じて、走行用モータ1
4から出力させるべきトルクを演算し、演算結果に基づ
きインバータ12を構成する各スイッチング素子のスイ
ッチング動作を制御する。これにより、走行用モータ1
4の出力トルクが、アクセルペダル操作に応じた出力ト
ルクとなる。
【0017】また、この図のシステムは、制動系統とし
て油圧制動系統及び回生制動系統を備えている。回生制
動は、ECU16によるインバータ12の制御として実
現される。すなわち、車両操縦者がブレーキペダル18
を踏み込むと、この踏込みに応じた油圧がマスタシリン
ダ20において発生し、発生したマスタシリンダ圧が駆
動輪に係る油圧配管上に設けられた油圧センサ22によ
って検出される。ECU16は、検出されるマスタシリ
ンダ圧に応じて、走行用モータ14の回生出力トルクを
演算し、この回生出力トルクが実現されるようインバー
タ12を制御する。
【0018】油圧制動系統は、駆動輪側及び従動輪側の
ブレーキホイール24f及び24rに対応して設けら
れ、対応するブレーキホイール24f又は24rに油圧
を作用させるホイールシリンダ(キャリパ)26f、2
6rの他、ソレノイドバルブ28f,28r、差圧バル
ブ30f,30r及びプロポーショニングバルブ32
f,32rから構成されている。ソレノイドバルブ28
f及び28rは、ECU16から供給される制御信号に
応じて開弁する。また、差圧バルブ30f及び30r
は、マスタシリンダ圧が対応するホイールシリンダ26
f又は26rにおける油圧(ホイールシリンダ圧)に比
べ、所定値以上高くなった場合に開弁するリリーフバル
ブである。プロポーショニングバルブ32f及び32r
は、マスタシリンダ圧を比例的に低減してホイールシリ
ンダ26f又は26rに伝達するバルブである。これ
ら、ソレノイドバルブ28f,28r、差圧バルブ30
f,30r及びプロポーショニングバルブ32f,32
rは、互いに並列に設けられている。
【0019】図2には、この実施例におけるECU16
の動作、特に制動制御に係る動作の流れが示されてい
る。この図に示されるように、ECU16は、まず、イ
ンバータ12の挙動等を監視することにより回生制動が
フェイルしたか否か、すなわち十分な回生制動力が得ら
れない状態に至ったか否かを判定する(100)。EC
U16は、さらに、油圧センサ22により検出されるマ
スタシリンダ圧Pが、所定値P未満であるか否かを判
定する(102)。回生制動がフェイルしている場合や
マスタシリンダ圧PがP未満である場合には、ECU
16はソレノイドバルブ28f及び28rを開弁させる
と共に(104)、走行用モータ14による制動エネル
ギの回生を中止する(106)。これにより、マスタシ
リンダ圧がそのまま各ホイールシリンダ26f及び26
rに伝達される状態となる。従って、本実施例によって
は、回生制動力がフェイルしている場合や、マスタシリ
ンダ圧Pが極端に低くP<Pが成立しているような状
況においても、制動力を確保することができる。
【0020】また、ステップ102において、P<P
<Pと判定された場合には、ECU16はソレノイド
バルブ28f及び28rに指令を与え、これらソレノイ
ドバルブ28f及び28rを介した油圧の伝達を阻止さ
せる(108)。ECU16は、その一方で、油圧セン
サ22により検出されるマスタシリンダ圧Pに応じた回
生制動力を、インバータ12の制御によって実現させる
(110)。
【0021】この状態では、ステップ108の動作によ
ってソレノイドバルブ28fが閉ざされておりまたマス
タシリンダ圧Pが開弁圧Pよりも低いため差圧バルブ
30fも閉じている。従って、駆動輪側には、ステップ
110において実現される回生制動力しか作用しない。
なお、プロポーショニンブバルブ32fの勾配特性は、
対応するホイールシリンダ26fの無効油圧、すなわち
油量消費の立上がりに要する油圧をホイールシリンダ2
6fに伝達できるよう、小さな勾配特性(例えば0.
1)に設定されているため、プロポーショニングバルブ
32fを介した油圧伝達による油圧制動力は発生せず、
あるいは無視することができる。
【0022】また、従動輪側においても、ソレノイドバ
ルブ28rや差圧バルブ30rは閉じている。しかし、
従動輪側のプロポーショニングバルブ32rの勾配特性
は、例えば0.37といった大きな勾配特性に設定され
ている。従って、従動輪側には、マスタシリンダ圧Pを
比例減した油圧による油圧制動力が生じている。このた
め、本実施例においては、マスタシリンダ圧Pが十分に
小さい領域においても油量が従動輪側のホイールシリン
ダ26rにて消費されることになり、ブレーキペダル1
8に係るフィーリングが改善される。また、プロポーシ
ョニングバブル32rによってマスタシリンダ圧Pを比
例減した上でホイールシリンダ26r側に伝達している
ため、従動輪側の油圧制動力が急増しその結果制動エネ
ルギ消費が急増することによる制動エネルギ回収効率の
低下は生じない。また、図3(b)に示されるように、
制動初期においても従動輪側に制動力が配分される結
果、法規制による早期ロック禁止領域を回避しつつ、制
動性能を改善することができる。
【0023】ステップ102においてマスタシリンダ圧
Pが差圧バルブ30f及び30rの開弁値Pを越えた
と判定された場合には、ECU16はソレノイドバルブ
28f及び28rを閉じた状態に保つと共に(11
2)、インバータ12の制御によって回生制動力を最大
値に維持する(114)。この状態では、差圧バルブ3
0f及び30rが開弁しているため、各ホイールシリン
ダ26f及び26rにはマスタシリンダ圧Pから差圧バ
ルブ30f及び30rの開弁値Pを減じた値の油圧が
発生し、これに応じた油圧制動力が発生する。従って、
駆動輪側については図9に示されるような回生優先の制
動制御が行われる一方で、従動輪側についてはプロポー
ショニングバルブ32rによる比例減作用を受けること
なく、ホイールシリンダ圧が上昇し始めることになる。
【0024】従って、本実施例においては、油圧特性と
しては図3(a)に示される特性が、制動力配分として
は図3(b)に示される特性が、それぞれ実現されるこ
とになる。このような特性が実現される結果、前述のよ
うに、ブレーキフィーリングの改善、回生制動による制
動エネルギ回収効率の改善及び制動力配分の改善による
制動性能の改善が実現される。
【0025】なお、以上の説明では、従動輪側のプロポ
ーショニングバルブ32rの勾配特性を0.37として
いたが、この程度の特性のプロポーショニングバルブは
従来から広く普及しているガソリンエンジン車のものを
利用できるため、装置構成を安価にすることができる。
また、差圧バルブ30fの開弁値と差圧バルブ30rの
開弁値は等しい値に設定する必要はない。すなわち、駆
動輪側の差圧バルブ30fの開弁値Pに対し、従動輪
側の差圧バルブ30rの開弁値を若干ずらしても構わな
い。
【0026】また、従動輪側の差圧バルブ30rは、対
応するプロポーショニングバルブ32rの勾配特性をや
や高めに設定することにより、制動性能にほとんど影響
を与えることなく、廃止することができる。このように
差圧バルブ30rを廃止した場合、油圧特性及び制動力
配分特性は、図4(a)及び(b)に示されるような特
性となる。
【0027】さらに、駆動輪側のプロポーショニングバ
ルブ32fの勾配特性は、必ずしも、対応するホイール
シリンダ26fの無効油圧をバイパスできる小さな値に
限定する必要はない。すなわち、プロポーショニングバ
ルブ32fの勾配特性を図5(a)に示されるようにプ
ロポーショニングバルブ32rの勾配特性と同程度とし
た場合であっても、図5(b)に示されるように法規制
に係る領域を回避した制動力配分を実現することができ
る。なお、図5(a)及び(b)中、一点鎖線で示され
ているのは、プロポーショニングバルプ32f及び32
rの勾配特性を同程度の値に設定すると共に差圧バルブ
32rを廃止した場合の特性である。
【0028】加えて、駆動輪側のプロポーショニングバ
ルブ32fは、図6に示されるように、チェックバルブ
34に置き換えることができる。チェックバルブ34
は、ホイールシリンダ26fのホイールシリンダ圧がマ
スタシリンダ圧を越えると開弁する。この場合、マスタ
シリンダ圧が所定値Pを越え駆動輪側の差圧バルブ3
0fの開弁値Pに至る以前の領域では、前述の各実施
例のようにマスタシリンダ圧を比例減してホイールシリ
ンダ26fに伝達する作用は発生せず、差圧バルブ30
fによる油圧遮断作用のみが発生する。従って、その際
の制御特性は、図7に示されるように、マスタシリンダ
圧が駆動輪側の差圧バルブ30fの開弁値Pに至る
と、対応するホイールシリンダ26fのホイールシリン
ダ圧が勾配1で上昇し始める特性となる。また、この構
成においてさらに従動輪側の差圧バルブ30rを廃止し
た場合、図8に示されるような特性となる。
【0029】このように、プロポーショニングバルブ3
2fに代えてチェックバルブ34を用いた場合であって
も、ブレーキフィーリングを改善することが可能であ
る。特に、従動輪側(後輪側)をドラムブレーキとし、
駆動輪側(前輪側)をディスクブレーキとした場合を考
える。この場合、リアドラムブレーキよりもフロントデ
ィスクブレーキの方が、油圧を制動力へより良い効率で
変換する。また、一般に、ドラムブレーキの無効油圧
(3kg/cm程度)に比べディスクブレーキの無効
油圧(1kg/cm程度)は小さい。従って、図6の
構成を用い、マスタシリンダ圧が所定値P以上P
下の領域におけるフロントディスクブレーキ(ホイール
シリンダ26f)への油圧伝達を避けた方が、制動エネ
ルギを良好に回収できる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
要求制動力Pが0の点から従動輪側流体圧制動力を作用
させ始め、その後は0を越え1より小さい勾配にて従動
輪側流体圧制動力を要求制動力Pに対し変化させるよう
にしたため、要求制動力が小さい状態でも従動輪側で非
圧縮性制動流体の量を消費でき、ブレーキフィーリング
を改善できる。また、要求制動力Pに対する従動輪側流
体圧制動力の変化勾配が0を越え1より小さい値である
ため、従動輪側流体圧制動力の急増により従動輪側での
制動エネルギ消費が急激に増加することはなく、回生制
動による制動エネルギ回収効率を良好な値に維持でき
る。さらに、制動初期においても従動輪側に制動力が配
分されるから、良好な制動性能が得られる。
【0031】本発明によれば、さらに、要求制動力Pが
上記所定値P以上の領域の少なくとも一部にて、従動
輪側流体圧制動力が要求制動力Pに対しほぼ1の勾配で
変化するため、要求制動力Pが比較的大きい領域での制
動力配分がより良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るシステム構成を示すブ
ロック図である。
【図2】ECUの動作の流れを示すフローチャートであ
る。
【図3】本発明の第1実施例に係る制動特性を示す図で
あり、(a)は油圧特性を、(b)は制動力配分特性
を、それぞれ示す図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る制動特性を示す図で
あり、(a)は油圧特性を、(b)は制動力配分特性
を、それぞれ示す図である。
【図5】本発明の第3実施例に係る制動特性を示す図で
あり、(a)は油圧特性を、(b)は制動力配分特性
を、それぞれ示す図である。
【図6】本発明の他の実施例に係るシステム構成を示す
ブロック図である。
【図7】本発明の第4実施例に係る制動特性を示す図で
あり、(a)は油圧特性を、(b)は制動力配分特性
を、それぞれ示す図である。
【図8】本発明の第5実施例に係る制動特性を示す図で
あり、(a)は油圧特性を、(b)は制動力配分特性
を、それぞれ示す図である。
【図9】回生優先制御の考え方を示す図である。
【図10】従来における制動特性を示す図であり、
(a)は油圧特性を、(b)は制動力配分特性を、それ
ぞれ示す図である。
【符号の説明】
10 主バッテリ 12 インバータ 14 走行用モータ 16 ECU 18 ブレーキペダル 20 マスタシリンダ 22 油圧センサ 24f,24r ブレーキホイール 26f,26r ホイールシリンダ(キャリパ) 28f,28r ソレノイドバルブ 30f,30r 差圧バルブ 32f,32r プロポーショニングバルブ 34 チェックバルブ P 各差圧バルブの開弁値

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動輪及び従動輪に流体圧制動力を作用
    させる流体圧制動手段と、駆動輪に回生制動力を作用さ
    せる回生制動手段と、操縦者等からの要求制動力が所定
    値以下の領域では駆動輪には実質的に回生制動力のみを
    作用させ、当該所定値以上の領域では回生制動力を最大
    値に維持しつつ要求制動力と回生制動力の差に相当する
    流体圧制動力を駆動輪に作用させる回生優先制御手段
    と、駆動輪と従動輪の間の制動力配分が所定配分となる
    よう、上記所定値より小さい要求制動力を始点として従
    動輪に流体圧制動力を作用させる制動力配分手段と、を
    備え、電気自動車に搭載される制動装置において、 制動力配分手段が、要求制動力が実質的に0の点を始点
    として、かつ0を越え1より小さい勾配にて、従動輪に
    作用する流体圧制動力を要求制動力に対し変化させる手
    段を有することを特徴とする制動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制動装置において、 制動力配分手段が、要求制動力が上記所定値以上の領域
    の少なくとも一部について、従動輪に作用する流体圧制
    動力を要求制動力に対しほぼ1の勾配で変化させる手段
    を有することを特徴とする制動装置。
JP28205094A 1994-11-16 1994-11-16 電気自動車の制動装置 Pending JPH08149607A (ja)

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