JP3063368B2 - 電気自動車の制動制御装置 - Google Patents

電気自動車の制動制御装置

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JP3063368B2
JP3063368B2 JP7156892A JP7156892A JP3063368B2 JP 3063368 B2 JP3063368 B2 JP 3063368B2 JP 7156892 A JP7156892 A JP 7156892A JP 7156892 A JP7156892 A JP 7156892A JP 3063368 B2 JP3063368 B2 JP 3063368B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気自動車の制動制御
装置、特に車輪ロック(滑走)を回避する手段の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、駆動源としてモータを搭載す
る電気自動車が各種開発されている。車両の制動手段と
しては、一般に油圧等を車輪に加える機械制動が知られ
ているが、電気自動車ではこれに加え駆動用モータの回
生による回生制動が可能である。さらに、各車輪毎にモ
ータを設けた場合、車輪毎に異なる駆動トルク又は回生
制動トルクを発生させることが可能である。
【0003】また、路面を走行する車両では、制動時、
車輪が滑走している状態(車輪ロック傾向)が生じるこ
とがある。すなわち、路面状態等の要因により車体速度
が車輪速度を上回ることがある。このような状態が継続
することは車両の安全走行にとって好ましくない。そこ
で、従来から、ガソリン車等においていわゆるアンチロ
ックブレーキシステム(ABS)が開発されている。電
気自動車においても、ABSを搭載するのが好ましい。
【0004】ところで、車輪の滑走という問題は、路面
を走行する車両にのみ生じるものではなくレール上を走
行する電気車等においても生じる。図5には、特開平2
−141354号公報に係り、電気車に用いられ滑走に
対処可能なブレーキシステムの構成が示されている。
【0005】この従来例に係る車両は、駆動源たる主電
動機10と電力を送電する架線12とがパンタグラフ1
4及び主回路制御装置16を介して接続されている。パ
ンタグラフ14は車両蓋部に配置されており、架線12
と当接する。主回路制御装置16は、パンタグラフ14
を介して供給される電力により主電動機10を駆動す
る。これにより、主電動機10に連結された車輪18が
回転する。
【0006】また、この従来例は、空気ブレーキ及び電
気ブレーキから構成されるブレーキシステムを有してい
る。まず、ブレーキ受信器22は、運転台20からのブ
レーキ指令に応じ、電気制動力及び空気制動力の配分を
決定する。ブレーキ受信器22は、主回路制御装置16
に対し電気ブレーキ力の配分mを与え、主回路制御装置
16はこれに応じて主電動機10を回生モードで動作さ
せる。主回路制御装置16の出力は電気ブレーキ力検出
装置26により検出され、検出結果mfが信号保持装置
28を介してブレーキ受信器22に入力される。これに
より電気ブレーキ力がフィードバック制御される。ま
た、ブレーキ受信器22は、空気ブレーキ装置30、空
気ブレーキ力の配分mを与え、車輪18を機械的に制動
させる。
【0007】この従来例においては、車輪18の滑走が
滑走検知装置32によって検知される。滑走検知装置3
2は、速度発電機24の出力から車輪18の滑走を検知
すると、信号保持装置28によりmfをより低い値に保
持させる。すると、ブレーキ受信器22による電気ブレ
ーキ力配分mが一時的に小さくなる。すなわち、この従
来例では、滑走時には空気ブレーキ力がほぼ一定に維持
されつつ電気ブレーキ力が減少する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
に電気自動車は機械制動と回生制動とが可能であるか
ら、図5に示されるようなシステムを応用することも考
えられる。すなわち、車輪ロック傾向を検出したとき
に、機械制動力をほぼ一定に維持しつつ回生制動力を操
作して合計制動力を制御することができる。しかし、電
気自動車は電気車のようにレール上を走行するのではな
いため、左右の車輪についてそれぞれ摩擦係数μが異な
る路面(スプリットμ路)を走行することがある。
【0009】ここに、左右の車輪それぞれにモータを設
けた電気自動車を考える。このような電気自動車にAB
Sを搭載し、上述の制御を左右の車輪それぞれについて
個別に実行することとする。このような電気自動車でス
プリットμ路を走行している際に制動操作を行うと、低
μ路側の車輪については車輪ロック防止のため上述のA
BS動作が、高μ路側の車輪については制動のため通常
の制動動作が、それぞれ行われてしまう可能性がある。
このとき低μ路側の車輪に加わる機械制動力はある値に
保持され、高μ路側の車輪に加わる機械制動力はブレー
キペダルの踏込み量に応じ増加するから、顕著なスプリ
ットμ路の場合、車体が偏向する可能性が生じる。
【0010】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、スプリットμ路を
走行している際に制動操作を行った場合の車体の偏向を
抑制し、より安全性を高めることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の請求項1に係る制動制御装置は、制
動時において左右の車輪がロック傾向となったか否かを
検出する手段と、左右の車輪のいずれか一方がロック傾
向であり他方がロック傾向でない場合に少なくとも当該
他方の車輪に作用する機械制動力の増加勾配を所定値以
内に低減させる手段と、左右の車輪それぞれについて回
生制動力を制御することにより、機械制動力と回生制動
力の合計制動力を各車輪のロック回避に必要な制動力と
する手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】また、本発明の請求項2に係る制動制御装
置は、機械制動力と回生制動力の合計制動力が各車輪の
ロック回避に必要な制動力に制御されているとき、駆動
用モータを回生領域及び力行領域で制御することを特徴
とする。
【0013】
【作用】本発明の請求項1においては、制動時に、ま
ず、左右の車輪がロック傾向となったか否かが検出され
る。この検出は、例えば車輪速、車体速等の情報に基づ
いて行う。機械制動力は通常は操縦者の操作に応じて増
加するが、左右の車輪のいずれか一方についてロック傾
向が検出され他方についてはロック傾向が検出されてい
ないときは、少なくとも当該他方の車輪に作用する機械
制動力の増加勾配が所定値以内に制限される。
【0014】左右いずれか一方のみについて車輪ロック
傾向が生じる場合とは、例えば、スプリットμ路を走行
している場合である。この場合、摩擦係数が低い側の車
輪がロック傾向となった後に、制動力の増加により摩擦
係数が高い側の車輪がロック傾向となる。本発明では、
左右のいずれかの車輪がロック傾向となった後他方の車
輪がロック傾向となる過程で、機械制動力の増加勾配制
限により制動力の増加が緩やかとなる。従って、左右の
制動力の差による車体の偏向を操縦者の操舵により容易
に是正できることとなり、車体安定性が向上する。さら
に、ロック傾向となった車輪に係る制動力が回生制動力
の制御により操作され、制動距離が最適化される。
【0015】本発明の請求項2においては、機械制動力
と回生制動力の合計制動力が各車輪のロック回避に必要
な制動力に制御されているとき駆動用モータの制御領域
が力行側に拡張される。これにより、特に低摩擦係数側
の車輪について、十分に合計制動力を低下させることが
でき、好適なロック回避を実行可能となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。図1には、本発明の一実施例に係る制
動制御装置を搭載した電気自動車の構成が示されてい
る。この図に示される電気自動車は、駆動源として、各
車輪34−a〜34−d毎に駆動用モータ36−a〜3
6−dを有している。4個のモータのうち前輪34−
a,34−bに係るモータ36−a及び36−bはモー
タコントローラ38−aによって制御され、他の2個、
すなわち後輪34−c,34−dに係るモータ36−c
及び36−dはモータコントローラ38−bによって制
御される。
【0017】モータコントローラ38−a及び38−b
は、ECU40からの指令により動作し、モータ36−
a及び36−b又はモータ36−c及び36−dの駆動
トルク及び回生制動トルクを制御する。すなわち、EC
U40からトルク指令が発せられると、モータコントロ
ーラ38−a及び38−bは、バッテリ42の状態を監
視しつつ、モータ36−a及び36−b又はモータ36
−c及び36−dに供給する電力を制御する。
【0018】モータ36−a〜36−dを力行させる場
合、ECU40は、図示しないアクセルペダルの踏込み
に応じてトルク指令値を決定し、モータコントローラ3
8−a及び38−bに指令を与える。これにより、アク
セルペダルの踏込み量に応じた駆動トルクが発生する。
【0019】また、モータ36−a〜36−dを回生さ
せる場合、ECU40は、ブレーキペダル44の踏込み
をブレーキスイッチ46により検出し、さらにその踏込
み量を踏力センサ48により検出する。さらに、ECU
40はこの踏力に応じてトルク指令値を決定し、モータ
コントローラ38−a及び38−bに指令を与える。こ
れにより、ブレーキペダル44の踏込み量に応じた回生
制動トルクが発生する。このように、回生制動手段が実
現される。
【0020】この図に示される電気自動車は、制動手段
として、回生制動手段の他、油圧制動手段を備えてい
る。油圧制動手段は、油圧伝達機構及びこれに付随する
各制御手段から構成される。
【0021】まず、ブレーキペダル44にはブースタ5
0が連結されている。ブースタ50はブレーキペダル4
4の踏込みによって生じる圧力を増圧し、ブレーキマス
タシリンダ52に入力する。ブレーキマスタシリンダ5
2の各液圧室からは、前輪34−a,34−b側への配
管54並びに後輪34−c,34−d側への配管56が
引き出されている。
【0022】前輪側の配管54には、ソレノイドバルブ
58−aを介してストロークシミュレータ60−a及び
ソレノイドバルブ62−aが連結されている。同様に、
後輪側の配管56にも、ソレノイドバルブ58−bを介
してストロークシミュレータ60−b及びソレノイドバ
ルブ62−bが連結されている。従って、ソレノイドバ
ルブ58−a及び58−bがオフしている状態では、ブ
レーキマスタシリンダ52の液量はストロークシミュレ
ータ60−a及び60−bにより消費され、車輪34−
a〜34−dそれぞれに設けられたホイールシリンダ6
4−a〜64−dには伝達されない。ただし、ブレーキ
ペダル44のストロークは、ストロークシミュレータ6
0−a及び60−bによりシミュレートされるため、フ
ィーリングは変化しない。
【0023】ソレノイドバルブ58−a及び58−bが
オンしている状態では、ストロークシミュレータ60−
a及び60−bによるシミュレートは行われない。この
とき、ソレノイドバルブ62−a及び62−bがオンし
ていれば、ブレーキマスタシリンダ52の油圧がホイー
ルシリンダ64−a〜64−dに加わり、油圧による制
動が行われる。
【0024】さらに、この実施例では、ソレノイドバル
ブ58−a及び58−bがオフしている状態でホイール
シリンダ64−a〜64−dに油圧を発生させる手段と
して、ポンプユニット66が設けられている。ポンプユ
ニット66は、リザーバ68、ポンプ70、アキュムレ
ータ72、油圧センサ74及び電子回路76から構成さ
れており、ポンプ70の出力はリニア弁78−a及び7
8−bに連結されている。リザーバ68に蓄えられてい
る制動油は、ポンプ70により圧送されアキュムレータ
72に蓄圧されてリニア弁78−a及び78−bに圧送
される。アキュムレータ72の出力側における圧力は油
圧センサ74により検出され、電子回路76がこの検出
結果に応じてポンプ70の動作を制御する。リニア弁7
8−a及び78−bは、ECU40からの指令に応じ、
ソレノイドバルブ62−a及び62−bを介してホイー
ルシリンダ64−a〜64−dに油圧を供給する。リニ
ア弁78−a及び78−bの出力側には油圧センサ80
−a及び80−bが設けられており、ECU40はこれ
ら油圧センサ80−a及び80−bの検出値に応じてリ
ニア弁78−a及び78−bをフィードバック制御す
る。この制御により、ホイールシリンダ64−a〜64
−dにおける油圧を線形制御できる。
【0025】この実施例において特徴とする動作は、車
輪34−a〜34−dがロック傾向となった場合の動作
である。図2には、ECU40の車輪34−a及び34
−b(前輪)の制御動作が示されている。
【0026】この図に示される動作は、操縦者がブレー
キペダル44を踏みブレーキスイッチ46がオンした場
合に実行される。このとき、ブレーキペダル44の踏力
0は、踏力センサ48によって検出される。この実施
例では、通常の制動時においては図3に示されるような
制動力配分で必要な制動力を得るようにしている。すな
わち、踏力F0 が小さい領域では回生制動により制動力
を得、回生制動力が最大値となった後は油圧制動を併せ
て用いるようにしている。
【0027】このため、ECU40は、まず、車輪34
−a及び34−bがABS制御条件を満たしているか否
かを判断する(100,102)。ABS制御条件は、
車輪がロック傾向にあることを示す条件であり、従来公
知の条件でよい。左右いずれもABS制御中でない場
合、ECU40は、踏力F0 に応じ図3に示される配分
で制動力を発生させる。すなわち、上に述べた通常時の
制動動作を実行すべく、回生制動力指令値Tr 及び油圧
制動力指令値Tb を演算し(104)、右前の車輪34
−aに対する回生制動力指令値Tr (FR)及び左前の
車輪34−bに対する回生制動力指令値Tr (FL)を
ステップ104で演算した回生制動力指令値Tr に設定
し(106)、指令値Tr (FR)、Tr (FL)及び
b を出力する(108)。指令値Tr (FR)及びT
r (FL)の出力先はモータコントローラ38−aであ
り、モータコントローラ38−aはこれらに応じて各車
輪34−a及び34−bの回生制動を実行する。また、
指令値Tb の出力先はリニア弁78−aであり、リニア
弁78−aはこれに応じて開度制御されホイールシリン
ダ64−a及び64−bに制動油を供給する。
【0028】また、ステップ100及び102において
車輪34−a及び34−bのうち一方のみがABS制御
条件を満したと認められた場合、ECU40は、踏力F
0 による増圧勾配dp´/dtと設定増圧勾配dp/d
tとを比較する(110,112)。踏力F0 による増
圧勾配dp´/dtとは、例えば図4(b)において破
線で示されるように、ABS制御を実行していない場合
に生じる油圧増加勾配をいう。設定増圧勾配dp/dt
は、ECU40に十分小さな値(例えば50〜100a
tm/sec)で予め設定されている。比較の結果、d
p´/dt>dp/dtが成り立つと認められた場合に
は、操縦者によるブレーキペダル44の踏み込みが比較
的急であるとみなすことができ、成り立たないと認めら
れた場合には、比較的緩やかであるとみなすことができ
る。
【0029】この実施例では、車輪34−a及び34−
bのいずれか一方のみがABS制御の対象となっている
場合、上述した勾配dp´/dt及びdp/dtのいず
れか小さいほうに従い、油圧制動力指令値Tb を決定す
るようにしている(114,116)。さらに、ECU
40は、スリップ率等から車輪34−aの必要制動力T
o (FR)及び車輪34−bの必要制動力To (FL)
を演算し(118)、これと油圧制動力指令値Tb の差
をとって指令値Tr (FR)及びTr (FL)を演算す
る(120)。この後、ステップ108に移る。
【0030】また、ステップ100及び102において
車輪34−a及び34−bがいずれもABS制御条件を
満たしていると認められた場合、ECU40は、従来の
油圧制動力指令値Tb を保持して(122)ステップ1
18以降を実行する。
【0031】図4には、車両がスプリットμ路を走行し
ている場合の本実施例の挙動の一例が示されている。
【0032】まず、操縦者が図4(a)に示されるよう
にブレーキペダル44を踏み込んだとする。この実施例
では、図3に示されるように回生制動を最初に働かせた
後油圧制動に移る。この結果、図4(c)に示されるよ
うに回生制動力が最大値に至った後、油圧制動が機能し
始める。
【0033】ここに、車両が走行している路面の左半分
の摩擦係数が比較的小さく右半分の摩擦係数はこれに対
し十分大きな値であるとする。このようなスプリットμ
路で車輪ロックが生じる場合、まず左側の車輪からロッ
ク傾向となり、その後に右側の車輪にロック傾向が生じ
ると考えられる。すなわち、図2に示される前輪制御の
例では、左前の車輪34−bについてまずABS制御が
必要となり、その後右前の車輪34−aについてABS
制御が必要となる。
【0034】ここでは、左前の車輪34−bについて時
刻t0 においてABS制御条件が満たされたとする。こ
れ以前、すなわち油圧制動が機能し始めてから時刻t0
までは、油圧は図4(a)に示されるブレーキ操作に応
じて増加するが、時刻t0 以後はステップ110及び1
12により選択された勾配で増加する。例えばブレーキ
ペダル44の踏み込みが急でありdp´/dt>dp/
dtが成り立っている場合には、ECU40によるリニ
ア弁62−aの制御により、図4(b)に示されるよう
に油圧増加勾配がdp´/dtからdp/dtに低下す
る。
【0035】すると、油圧制動力の上昇が時刻t0 以前
に比べ緩和されるから、この時点でまだABS制御条件
を満たしていない車輪34−aについて、制動の効き過
ぎが防止される。すなわち、ロック傾向を示している車
輪34−bに対する制動力の差が、操縦者の操舵によっ
て車体の偏向を容易に回避できる程度に徐々に生じる。
この結果、車両の安定性が向上する。この後、時刻t1
において右前の車輪34−aのABS制御条件が満たさ
れると、ステップ122により指令値Tb が保持され、
図4(b)に示されるように油圧増加勾配が0となると
共に、車輪34−aについてもステップ118等に係る
ABS制御が開始される。
【0036】さらに、この実施例では、図2のステップ
118及び120に示されるように、油圧制動力指令値
b をステップ114、116又は122において決定
した値としておき、これと必要制動力To (FR)又は
o (FL)との差をとって回生制動力指令値Tr (F
R)及びTr (FL)を決定している。すなわち、油圧
制動力指令値Tb を基準としてABS制御に必要な制動
力To (FR)又はTo (FL)が得られるよう回生制
動を実行させている。この実施例で第2に特徴とする点
は、ABS制御に移行した後に指令値Tr (FR)及び
r (FL)がとりうる範囲が、回生領域に止まらず、
力行の領域を含む点にある。
【0037】例えば図4の例では、低摩擦係数側の車輪
34−bについて、力行領域の指令値Tr (FL)に基
づくABS制御が実行されている。すなわち、ABS制
御開始(t0 )後、ある時点で回生側から力行側に移行
している。従って、回生領域にとどまっていたのでは得
られない小さな制動力、具体的には油圧制動力以下の制
動力を特に低摩擦係数側の車輪34−bについて得るこ
とができる。
【0038】また、図4(b)及び(c)の比較から明
らかなように、油圧が増加している過程と並行して、モ
ータ36−bのトルクが下げられ、回生側から力行側に
移行している。
【0039】このような挙動は、ステップ118で求め
た必要制動力To (FL)からステップ120で油圧制
動力指令値Tb を減じて指令値Tr (FL)を求めてい
るため生じるものである。このような動作により、図4
(d)に示されるように、低摩擦係数側の車輪34−b
に加わる合計制動力を、油圧が増加し続けているにもか
かわらず、時刻t0 後ただちに車輪34−bをABS下
におくことができる。また、車輪の油圧系統も単一でよ
い。
【0040】なお、以上の説明は前輪についてのもので
あったが、本発明を後輪に適用してもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、左右いずれか一方のみについて車輪ロック傾
向が生じた場合に少なくとも当該他方の車輪に作用する
機械制動力の増加勾配を所定値以内に制限するようにし
たため、例えばスプリットμ路を走行している場合に、
左右のいずれかの車輪がロック傾向となった後他方の車
輪がロック傾向となる過程における制動力の増加が緩や
かとなり、車体の偏向防止、車体安定性の向上という効
果が得られる。
【0042】また、本発明の請求項2によれば、機械制
動力と回生制動力の合計制動力が各車輪のロック回避に
必要な制動力に制御されているとき駆動用モータの制御
領域を力行側に拡張したため、特に低摩擦係数側の車輪
について、ロック回避に十分な程度に合計制動力を低下
させることができ、制動距離を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る制動制御装置を搭載し
た電気自動車の構成を示すブロック図である。
【図2】この実施例におけるECUの動作の流れを示す
フローチャートである。
【図3】この実施例における制動力配分を示す図であ
る。
【図4】この実施例におけるABS制御中の挙動の一例
を示す図である。
【図5】一従来例に係る電気車の制動制御装置の構成を
示すブロック図である。
【符号の説明】
34−a〜34−d 車輪 36−a〜36−d モータ 38−a,38−b モータコントローラ 40 ECU 44 ブレーキペダル 46 ブレーキスイッチ 48 踏力センサ 52 ブレーキマスタシリンダ 54,56 配管 64−a〜64−d ホイールシリンダ FO ペダル踏力 Tr 回生制動力指令値 Tb 油圧制動力指令値 Tr (FR) 右前輪の回生制動力指令値 Tr (FL) 左前輪の回生制動力指令値 dp/dt 踏力による増圧勾配 dp´/dt 設定増圧勾配 To (FR) 右前輪の必要制動力 To (FL) 左前輪の必要制動力
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−32501(JP,A) 特開 昭64−77401(JP,A) 特開 昭49−87009(JP,A) 特開 平2−250603(JP,A) 特開 平1−306359(JP,A) 特開 昭61−218463(JP,A) 特開 昭59−114149(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/34 - 8/58 B60L 7/00 - 7/28 B60L 15/00 - 15/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右の車輪を個別に駆動可能な駆動用モ
    ータと、左右の車輪それぞれに設けられ操縦者の操作に
    応じた機械制動力を発生させる機械制動手段と、駆動用
    モータの回生により左右の車輪をそれぞれ制動する回生
    制動手段と、を搭載する電気自動車において、 制動時において左右の車輪がロック傾向となったか否か
    を検出する手段と、 左右の車輪のいずれか一方がロック傾向であり他方がロ
    ック傾向でない場合に少なくとも当該他方の車輪に作用
    する機械制動力の増加勾配を所定値以内に低減させる手
    段と、 左右の車輪それぞれについて回生制動力を制御すること
    により、機械制動力と回生制動力の合計制動力を各車輪
    のロック回避に必要な制動力とする手段と、 を備えることを特徴とする制動制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制動制御装置において、機械制動力と回生制動力の合計制動力が各車輪のロック
    回避に必要な制動力に制御されているとき 、駆動用モー
    タを回生領域から力行領域で制御することを特徴とする
    制動制御装置。
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