JPH08146411A - カラーフィルターおよび液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

カラーフィルターおよび液晶表示装置の製造方法

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JPH08146411A
JPH08146411A JP30830494A JP30830494A JPH08146411A JP H08146411 A JPH08146411 A JP H08146411A JP 30830494 A JP30830494 A JP 30830494A JP 30830494 A JP30830494 A JP 30830494A JP H08146411 A JPH08146411 A JP H08146411A
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metal thin
thin film
electrodeposition
black
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Application number
JP30830494A
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English (en)
Inventor
Akira Kubo
晟 久保
Koshi Tsujimoto
耕嗣 辻本
Fumiko Miyata
史子 宮田
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Shinto Paint Co Ltd
Original Assignee
Shinto Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着色層と、その周囲に十分な遮光性を有する
ブラックマトリックスとが精度よく形成され、光リーク
が充分に防止されており、各着色が鮮明で、光学特性お
よび平坦性がよく、化学、機械および工学的特性が優れ
るカラーフィルターを工業的に有利に製造し、高画質の
液晶表示装置を製造する。 【構成】 着色層およびブラックマトリックスを有して
なるカラーフィルターを、アルミニウム系金属薄膜の陽
極酸化によって得られる陽極酸化皮膜を黒色着色および
封孔処理することによってブラックマトリックスを形成
し、電着塗料を用いて電着法によって着色層を形成する
ことによって製造し、そのようにして製造したカラーフ
ィルターを用いて液晶表示装置を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラーフィルターおよび
液晶表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、液晶を利用した液晶表示装置(LCD)は、いわゆ
るポケットテレビ等に使われてきたが、近年大型化、大
画面化が急速に進められている。画質もTN液晶からS
TN液晶やTFTに代表されるアクティブ駆動素子の開
発でCRTに迫るものが商品化されている。これらのL
CDの画質向上と生産性の改善については、様々な検討
が行われているが、その中でも、光リーク防止および画
質向上のためのブラックマトリックスと呼ばれる遮光膜
の形成方法や、遮光率の向上は重要な解決されるべき課
題である。
【0003】特に、将来が有望視されているTFT方式
のLCDにおいては、スイッチング素子への光リークを
防ぐために、ブラックマトリックスの遮光率の向上が要
求されるとともに、画質向上のために、ブラックマトリ
ックスのパターンが格子状であることが望ましいとされ
ている。
【0004】従来、カラーフィルターの製造方法とし
て、シルクスクリーン法、オフセット法などの印刷技術
による方法が知られている。また、複数の平行なストラ
イプ状の導電性回路上に着色層を電着法により形成し、
次いでブラックマトリックスを与えるネガ型フォトレジ
スト組成物を全面に塗布して、前記着色層をマスク代わ
りにして基板背面から露光して、ストライプ状の着色膜
およびその間隙にブラックマトリックスを有するカラー
フィルターを製造する方法が知られている(特開昭59
−114572号公報)。
【0005】さらには、ポジ型フォトレジスト組成物を
用いるフォトリソグラフィー法で格子状にフォトレジス
ト塗膜を形成し、そのフォトレジスト塗膜によって囲ま
れた部分に電着法によって着色塗膜を形成した後、フォ
トレジスト塗膜を剥離し、次いで、上記の方法と同様に
ネガ型フォトレジスト組成物を用い、基板の背面から露
光する方法によって、格子状のブラックマトリックスお
よびそのようなブラックマトリックスに囲まれて独立細
片状に形成された着色層を有するカラーフィルターを製
造する方法も知られている(特開平6−130379号
公報)。
【0006】従来の印刷による方法では、格子間が約1
00μm程度の粗いパターンのものしかできず、格子状
に精度よくブラックマトリックスを形成することは困難
である。また、電着法により形成したストライプ状の着
色層をマスク代わりにして基板背面から露光する方法
(特開平6−130379号公報)では、ブラックマト
リックスをストライプ状の着色層間に精度よく形成する
ことはできるが、ストライプ状の着色層を横切る方向に
ブラックマトリックスを形成して細片状の着色層を形成
することは困難である。
【0007】細片状の着色層を形成する方法として知ら
れている、ポジ型およびネガ型フォトレジスト組成物を
巧みに使用する方法(特開平6−130379号公報)
は、格子状のブラックマトリックスを着色層間に高精度
に形成することができるが、ブラックマトリックスおよ
び着色層がいずれも有機物組成であり、且つ、フォトレ
ジスト組成物も有機物であるために、互いに融着相溶す
ることがあり、所望の形状をより精度よく形成するため
に更に改善が要求される。
【0008】本発明者らは、このような問題を解決する
ために鋭意検討を行った結果、着色層を極めて精度よく
導電層上の通電部のみに選択的に塗着することができる
電着法、およびアルミニウムの陽極酸化による陽極酸化
皮膜を着色する方法を利用することによって、着色層を
所望の微細な形状に高精度で形成するとともに、より高
い遮光率を有するブラックマトリックスを形成すること
ができることを見出して本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
系金属薄膜の陽極酸化によって得られる陽極酸化皮膜を
黒色着色および封孔処理することによってブラックマト
リックスを形成する工程、および電着塗料を用いて電着
法によって着色層を形成する工程を含むことを特徴とす
る着色層およびブラックマトリックスを有してなるカラ
ーフィルターの製造方法、およびその方法によって製造
されるカラーフィルターを用いることを特徴とする液晶
表示装置の製造方法を提供する。
【0010】本発明は、好ましい態様の一つとして、
(a)互いに絶縁された複数の回路にパターニングされ
ていてもよい透明導電層を表面に有する透明基板上にア
ルミニウム系金属薄膜層を形成し、(b)該金属薄膜層
上にフォトレジスト組成物を塗布してフォトレジスト層
を形成し、(c)該フォトレジスト層を所定のパターン
を有するフォトマスクを介して露光し現像することによ
って、所定のブラックマトリックス形状が得られるよう
に該フォトレジスト層を除去して該金属薄膜層の表面を
露出し、(d)露出した該金属薄膜層を陽極酸化し、得
られた陽極酸化皮膜を黒色着色および封孔処理すること
によって、所定の形状のブラックマトリックスを有する
基板を形成し、(e)(d)の工程で形成された基板上
に残存するフォトレジスト層を所定のパターンを有する
フォトマスクを介して露光し現像することによって、所
定の着色層形状が得られるように所定部位のフォトレジ
スト層を除去して該金属薄膜層の表面を露出し、(f)
露出した該金属薄膜層をエッチング除去することによっ
て透明導電層の表面を露出し、(g)露出した透明導電
層上に電着塗料を用いて電着法によって着色層を形成す
ることによって、ストライプ状、独立細片状等の所望の
形状の着色層とその間隙に高遮光性のブラックマトリッ
クスとを有してなるカラーフィルターを製造する方法を
含むものである。
【0011】以下、上記の好ましい態様を各工程毎に説
明することによって本発明を詳細に説明する。本発明に
おける工程(a)は、互いに絶縁された複数の回路にパ
ターニングされていてもよい透明導電層を表面に有する
透明基板上にアルミニウム系金属薄膜層を形成する工程
である。この工程における透明基板としては、ガラス板
あるいはプラスチック板など従来公知の基板を例示する
ことができる。これらの透明基板は、その表面にITO
膜(錫をドープした酸化インジウム膜)あるいはネサ膜
(アンチモンドーブした酸化錫膜)等の透明導電層を有
するものである。透明導電層は透明基板の全面または該
基板の周囲等を除く所定の範囲の全面に、常法にしたが
って形成されたものであってもよく、また、そのように
形成された透明導電層が、エッチングなどの方法により
互いに絶縁された複数の回路にパターニングされたもの
であってもよい。
【0012】この工程におけるアルミニウム系金属薄膜
層は、例えばJIS−1080に該当する純アルミニウ
ムまたはJIS−6063に該当するアルミニウム合金
を用いて形成することができる。該金属薄膜層を形成す
る方法は任意でよいが、一般的には、真空蒸着法または
スパッタリング法が有用である。特にスパッタリング法
が比較的低温で処理できるために望ましい。
【0013】本発明の工程(b)は、工程(a)で形成
された金属薄膜層上にフォトレジスト組成物を塗布して
フォトレジスト層を形成する工程である。この工程で使
用されるフォトレジスト組成物は感光性であればよく、
露光部が現像により溶出するポジ型でも、未露光部が現
像により溶出するネガ型でもよいが、工業的にはポジ型
が望ましい。ポジ型フォトレジスト組成物としては、例
えば、ノボラック型フェノール樹脂およびキノンジアジ
ド系感光剤などからなる組成物が好適である。また、O
FPR−800(東京応化工業社製)、PR−7400
(住友化学工業社製)などの市販品から適宜選択して使
用することもできる。ネガ型フォトレジスト組成物とし
ては、光重合性の炭素二重結合を有する、例えば、アク
リレート系樹脂、および光重合開始剤などからなる組成
物が多く使用され、市販品として、OMR−83(東京
応化工業社製)、CFU−251(日本化薬社製)など
が挙げられる。
【0014】これらのフォトレジスト組成物は、所望に
より粘度調整剤、有機溶剤、接着向上剤、その他公知の
補助剤などを含有することができる。フォトレジスト層
を形成する方法としてはスクリーン印刷法、オフセット
印刷法、ロールコート法、バーコート法、スピンコート
法等が使用できる。これらの中で、スピンコート法は、
金属薄膜層に忠実に精度良くフォトレジスト層を形成す
ることができるために特に有用である。このようにして
形成されたフォトレジスト層は必要に応じて60〜10
0℃、5〜60分間の条件で熱処理される。熱処理する
ことにより、そのフォトレジスト組成物中の樹脂が予備
硬化され、フォトレジスト層と金属薄膜層との密着性を
向上することができる。
【0015】本発明における工程(c)は、工程(b)
で形成されたフォトレジスト層を所定のパターンを有す
るフォトマスクを介して露光し現像することによって、
所定のブラックマトリックス形状が得られるように該フ
ォトレジスト層を除去して該金属薄膜層の表面を露出す
る工程である。この工程での露光には、用いるフォトレ
ジスト組成物の種類により種々の範囲の波長光を使用で
きるが、一般にUV領域の波長光が好ましく、光源とし
て超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を使用した装
置を用いることができる。
【0016】露光条件は、使用する光源およびフォトレ
ジスト組成物の種類により異なるが、通常の露光量は1
0〜4000mJ/cm2 である。露光後の現像は、適
当な溶解力を有する薬剤(現像液)にフォトレジスト層
を接触させることにより行われる。このような薬剤は、
フォトレジスト組成物の種類により、ポジ型用およびネ
ガ型用として知られている薬剤から適宜選択される。例
えば、ポジ型フォトレジストの場合、苛性ソーダ、炭酸
ソーダ、4級アンモニウム塩および有機アミン等を水に
溶かしたアルカリ水溶液、あるいは、エステル、ケト
ン、アルコール、エーテル、塩素化炭化水素等の有機溶
剤などから適宜選択される。
【0017】除去は、浸漬あるいはシャワーなどにより
5秒ないし20分程度で行なうことができる。必要によ
り、ブラシ、織布などによるラビングが使用される。そ
の後、有機溶剤、水などを使用してよく洗浄することが
望ましい。
【0018】この工程で露光時に使用するフォトマスク
のパターン(形状)は、所望する着色層のパターンによ
り適宜決定することができる。例えばSTN型カラーフ
ィルターに多用するストライプ状であってもよく、また
TFT型カラーフィルターに多用されるモザイク状、ト
ライアングル状、平行状等の独立細片状であってもよ
い。また、フォトレジスト組成物がポジ型か、ネガ型か
によって、露光部および未露光部とする形状を決定しな
ければならない。例えば、露光部が現像により溶解除去
されるポジ型フォトレジスト組成物を使用して、ストラ
イプ状の着色層を形成する場合は、例えば20μm幅に
露光部が、80μm幅に未露光部がなるようなストライ
プパターンを有するフォトマスクとする。
【0019】この際、基板上の導電層が複数の回路状に
パターニングされている場合には、80μm幅の未露光
部が導電層回路上に位置するように、露光の際にフォト
マスクの位置合わせを行う。ストライプ状の20μm幅
の露光部には、ポジ型フォトレジスト層が溶解除去され
た後、後工程で金属薄膜層が陽極酸化され、黒色に着色
されてブラックマトリックスが形成される。一方、スト
ライプ状の80μm幅の未露光部には、後工程で着色層
が形成される。この工程ではこのようにして該金属薄膜
層の表面を所定の形状に露出することができる。
【0020】工程(d)は、工程(c)で露出した金属
薄膜層を陽極酸化し、得られた陽極酸化皮膜(アルマイ
ト層)を黒色着色および封孔処理することによって、所
定の形状のブラックマトリックスを有する基板を形成す
る工程である。この工程で、露出した金属薄膜層の陽極
酸化は、例えば、JIS−H9500に記載されている
標準条件下に行うことができる。本発明では、陽極酸化
皮膜の膜厚は0.5〜1.5μmで十分であるため、脱
脂、エッチング、研磨等の工程は適宜、簡略化してよ
い。更に陽極酸化の処理条件は、例えば電解液の組成、
温度などから適宜選択し、必要により適正化することが
できる。
【0021】次いで、得られた陽極酸化皮膜を黒色に着
色する。着色は、例えば、JIS−H9500に記載の
二次電解着色法や、染料類を用いて染色する方法などに
より行うことができる。着色法は、ブラックマトリック
スとして、OD値(opticl density)が
2〜3、好ましくは、約3になるように上記の方法から
適宜選択することができるが、カラーフィルターとして
の耐久性などの観点から、特に、硫酸ニッケル浴を使用
する二次電解着色法が有用である。また、陽極酸化を、
例えば、シュウ酸等の有機酸を使用して行う場合、形成
される硬質陽極酸化皮膜は使用するアルミニウムまたは
アルミニウム合金の種類(例えばA−6063など)に
よって自然発色する。本発明においては、このような方
法で陽極酸化するとともに黒色着色を行うことができ
る。
【0022】また、この工程では、陽極酸化皮膜に存在
する、例えば、硫酸法による陽極酸化皮膜では、約10
0〜約200Åの微細孔が存在するが、これらの微細孔
を封鎖するために、封孔処理を行う。封孔処理は、公知
の方法、例えば、JIS−H9500に記載されている
加圧水蒸気封孔、沸騰水封孔、酢酸ニッケル添加沸騰水
封孔などの方法から、適宜、選択して行うことができ
る。また、70〜90℃の脱イオン水に数分浸漬するこ
とにより仮封孔(不完全封孔)し、次いで、例えば、黒
色に着色された電着塗料を用い、後述する電着法により
黒色塗膜を形成することによって、黒色着色するととも
に封孔処理を行うこともできる。このようにして黒色着
色、封孔処理した陽極酸化皮膜は、耐薬品性などの耐久
性が優れ、電気絶縁性も優れるものである。この工程
で、所定の形状の電気絶縁性が優れるブラックマトリッ
クスを有する基板を形成することができる。
【0023】工程(e)は、工程(d)で形成された基
板上に残存するフォトレジスト層を所定のパターンを有
するフォトマスクを介して露光し現像することによっ
て、所定の着色層形状が得られるように所定部位のフォ
トレジスト層を除去して該金属薄膜層の表面を露出する
工程である。この工程におけるフォトレジスト層の露
光、現像および除去は工程(c)と同様の条件および方
法で行うことができる。より除去を容易にするために
は、薬剤の濃度、温度、時間などの条件をより強くし、
更にブラッシングなどの方法を採用することが望まし
い。
【0024】この工程は、工程(d)で形成されたブラ
ックマトリックスに囲まれて残存しているフォトレジス
ト層を、所望する着色層のパターンに応じて除去する工
程であり、露光時に使用するフォトマスクのパターン
は、所望する着色層のパターンにより適宜決定すること
ができる。
【0025】工程(f)は、工程(e)で露出した該金
属薄膜層をエッチング除去することによって透明導電層
の表面を露出する工程である。エッチングに使用する薬
剤は、酸性薬剤であっても、アルカリ性薬剤であっても
よい。例えば、基板上の透明導電層がITO膜であると
きは、ITO膜が、酸性に弱く、アルカリ性ではエッチ
ングされ難いことを利用して、アルカリ性薬剤を用いて
行うことが望ましい。そのような薬剤としては、前記J
IS−H9500に例示されている30〜200g/リ
ットル濃度の水酸化ナトリウム水溶液などが挙げられ
る。エッチング時間、温度等の条件は、使用する薬剤の
種類、濃度により適宜決定することができる。このよう
にして露出した透明導電層の表面は、十分に、清澄にな
るまで洗浄することが望ましい。
【0026】工程(g)は、工程(f)で露出した透明
導電層上に電着塗料を用いて電着法によって着色層を形
成する工程である。この工程で行う電着法には、アニオ
ン系とカチオン系の電着法が知られている。本発明にお
いてはいずれの方法でもよいが、回路への影響が少ない
ことなどからアニオン系電着法が好ましい。電着に用い
る樹脂材料(バインダー)としては、マレイン化油系、
アクリル系、ポリエステル系、ポリブタジエン系、ポリ
オレフィン系などの紫外線硬化型であってもよい樹脂が
あげられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは混合
して使用できる。電着塗料は、一般に、バインダー、染
料、顔料などの所望の色相を有する色素等の成分を水ま
たは有機溶剤に分散、溶解して調製し、電着を行うに当
たって、それを希釈し電着液として用いる。
【0027】電着液の入った浴中に上記の各工程を経て
得られた基板を入れ、アニオン電着法の場合は、基板上
の透明導電層を正極とし、非腐蝕性の導電材料(ステン
レスなど)を対極として入れて直流電圧を印加すると、
その透明導電層の露出した部位に選択的に電着塗膜が塗
着され所望の着色層が形成される。
【0028】電着塗膜の膜厚は、電着条件により制御す
ることができる。電着条件は、通常10〜300Vで1
秒から3分程度である。電着塗膜は、塗膜形成後よく洗
浄して不要物質を除去することが望ましい。塗膜強度を
高め,化学的、機械的および、工学的性能を向上するた
めに、必要により、100〜280℃、10〜120分
間の条件で熱処理することができ、また、常法により、
表層を研磨することができる。また、電着塗料として、
紫外線硬化型塗料を用いる場合は、30°〜150℃、
1分〜60分の予備乾燥の後、正面または背面から紫外
線照射し、その後、必要により上記と同様にして熱処理
することができる。
【0029】本発明においては、工程(g)において所
望の色相を有する色素を含有する電着塗料を用い、工程
(e)、(f)および(g)を繰り返し行うことによっ
て、赤、緑および青色等の所望の多色着色層を形成する
することができる。
【0030】電着塗料として紫外線硬化型塗料を用いて
多色着色層を形成する場合、第二色以降の着色層を形成
するに当たり、工程(e)において、所望部位のフォト
レジスト層を除去するとともに、既に形成されている着
色層を露光するようにパターニングされたフォトマスク
を用いて露光することによって、所望部位のフォトレジ
スト層の除去と電着塗膜形成後の紫外線照射を同時に行
うことができる。また、電着塗料として紫外線硬化型の
塗料を用いる場合、本発明の方法で形成されるブラック
マトリックスが電気絶縁性に優れるために、その可能性
は極めて少ないがブラックマトリックス上に電着塗膜が
形成された場合には、電着塗膜形成後の紫外線照射を基
板の背面から行うことによって、ブラックマトリックス
上の電着塗膜を除去して良好な平坦性を維持することが
できる。
【0031】このようにして所望の形状の着色層を有
し、その間隙に遮光性が優れるブラックマトリックスを
有する基板を作製することができる。この作製された基
板を用い常法に従ってカラーフィルターを製造すること
ができる。例えば、上記のとおり形成された着色層およ
びブラックマトリックスの上に必要によりオーバーコー
ト膜(保護膜)を形成し、必要によりその上に液晶駆動
用の透明導電膜を形成し、必要に応じて回路パターンを
形成してカラーフィルターを製造することができる。本
発明の方法によって製造されるカラーフィルターを用
い、公知の方法にしたがって液晶表示装置を製造するこ
とができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例をもってより詳細に説
明する。本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。
【0033】厚さ1.1mmのガラス基板などの透明基
板1の上に、常法によってITO(In2 3 +SnO
2 )による2000Å透明導電層2を形成する。〔図1
(1)〕
【0034】上記のとおり形成した透明導電層2の上
に、アルゴン流入下、アルミニウムを直流電圧2KVで
スパッタリングし、厚み1.2μmのアルミニウム層3
を形成する。〔工程(a)、図1(2)〕
【0035】工程(a)で形成したアルミニウム層3の
上に、FH−2030(富士ハントエレクトロニクステ
クノロジー社製ポジ型フォトレジスト)をスピンコート
法で厚さ約1.5μmに塗布し、100℃×10分の乾
燥を行い、フォトレジスト層4を形成する。〔工程
(b)、図1(3)〕
【0036】パターンがストライプ状であり、遮光部幅
が80μm、露光部幅が20μmであるフォトマスクを
介して、工程(b)で形成したフォトレジスト層4を露
光し、更に該マスクを90°回転させ、該ストライプが
直交するように再度マスクを介して、露光した(露光条
件:80mJ/cm2 )後、0.5重量%NaOH水溶
液を用いて露光部を現像除去する。除去はブラッシング
により実施し、更に清澄になるまで脱イオン水で洗浄す
る。〔工程(c)、図1(4)〕
【0037】硫酸170g/リットル、およびAl+3
0g/リットルを含有する電解液中、液温18℃、直流
電圧15Vの条件下に該基板を陽極、アルミニウム板を
陰極として、アルマイト処理する。処理後、常法により
水洗浄する。(アルマイトの膜厚:1.5μm)更に硫
酸ニッケル60g/リットルを主成分とする二次電解着
色液中、液温25℃〜26℃、交流電圧12V、7分の
条件下に基板を通電処理する。その後、常法により水洗
浄し、次いで、95℃〜98℃の熱水中で10分間封孔
処理を行う。このようにして、黒色に着色されたアルマ
イト層5によって、十分な遮光性を有する格子状のブラ
ックマトリックスを形成する。〔工程(d),図1
(4)〕
【0038】工程(d)で形成したブラックマトリック
スに囲まれて残存しているフォトレジスト層を、所定の
パターン(モザイク状)を有するフォトマスクを介し
て、工程(c)と同様の条件で露光、現像することによ
って、所定部位のフォトレジスト層を除去する。この
際、フォトマスクはブラックマトリックスの格子模様に
位置合わせを行う。〔工程(e)、図1(5)および図
2(1)〕
【0039】上記の各工程を経た基板を3重量%カセイ
ソーダ水溶液に浸漬し、工程(e)でフォトレジスト層
が除去された部位に露出したアルミニウム層3を,下層
の透明導電層2が完全に露出し、表面にアルミニウム層
が残存しなくなるまでエッチング除去し、次いで、常法
により、脱イオン水により清澄になるまで洗浄する。
〔工程(f)、図1(6)〕
【0040】次いで、工程(f)で表面が露出した透明
導電層(ITO層)2の上に、紫外線硬化型赤色電着塗
料(下表1、b−3)を用いて調製した電着液中、液温
25℃で、透明導電層を有する基板を陽極とし、直流電
圧100Vで膜厚1.2μmを得るように通電して赤色
着色層を形成する。赤色着色層の形成後は、常法によ
り、脱イオン水で清澄になるまで洗浄し、90℃、15
分間でプリベークし、次いで、日本電池社製高圧水銀ラ
ンプにより、800mJ/cm2 で露光して、着色層の
硬化を完了する。〔工程(g)、図1(7)〕
【0041】次いで、紫外線硬化型緑色および青色電着
塗料(下表1、b−2およびb−1)を用いて、それぞ
れ前記工程(e),(f)および(g)を繰り返し行
い、それぞれ緑色および青色着色層を形成する。〔図1
(8)および図2(2)〕
【0042】〔紫外線硬化型電着塗料の組成〕
【0043】
【表1】
【0044】〔電着液の調製〕表1の各々の電着塗料に
ガラスビーズを投入し、1800rpmで2時間分散
し、光開始剤イルガキュア907(チバガイギー社製)
5重量部を各々に添加し、更に15分間ビーズ分散して
後、各々を脱イオン水にて希釈して、固形分8重量%の
光硬化型の赤、緑、青色各々の電着液を得る。尚、表1
中の紫外線硬化型樹脂は、ポリブタジエン樹脂(1−2
結合83%、沃素価=390、数平均分子量=100
0)、アマニ油(沃素価=185)および無水マレイン
酸から全酸価が280mgKOH/gのマレイン化混合
油を得、これに2−ヒドロキシエチルアクリレートを付
加して得られる固形分、79.5重量%、酸価、78m
gKOH/g、二重結合量、1.9mol/kgの粘性
のある樹脂である。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法によって、所望の形状の着
色層と、その周囲に十分な遮光性を有するブラックマト
リックスとを精度よく形成することができ、光リークが
充分に防止されており、各着色が鮮明で、光学特性およ
び平坦性がよく、化学、機械および工学的特性が優れる
カラーフィルターを工業的に有利に製造することができ
る。また、このフィルターを用いて高画質の液晶表示装
置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によって形成される形状の断面の
模式図である。
【図2】本発明の方法によって形成される形状の平面の
模式図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 透明導電層 3 アルミニウム系金属薄膜層 4 フォトレジスト層 5 黒色着色された陽極酸化皮膜(ブラックマトリック
ス) 6 着色層 R 赤色着色層 G 緑色着色層 B 青色着色層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム系金属薄膜の陽極酸化によ
    って得られる陽極酸化皮膜を黒色着色および封孔処理す
    ることによってブラックマトリックスを形成する工程、
    および電着塗料を用いて電着法によって着色層を形成す
    る工程を含むことを特徴とする着色層およびブラックマ
    トリックスを有してなるカラーフィルターの製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム系金属薄膜層がアルミニウ
    ムまたはその合金からなる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 陽極酸化皮膜の黒色着色処理を二次電解
    着色または染料類を用いる染色によって行う請求項1ま
    たは2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 電着塗料が紫外線硬化型である請求項1
    〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 (a)互いに絶縁された複数の回路にパ
    ターニングされていてもよい透明導電層を表面に有する
    透明基板上にアルミニウム系金属薄膜層を形成し、 (b)該金属薄膜層上にフォトレジスト組成物を塗布し
    てフォトレジスト層を形成し、 (c)該フォトレジスト層を所定のパターンを有するフ
    ォトマスクを介して露光し現像することによって、所定
    のブラックマトリックス形状が得られるように該フォト
    レジスト層を除去して該金属薄膜層の表面を露出し、 (d)露出した該金属薄膜層を陽極酸化し、得られた陽
    極酸化皮膜を黒色着色および封孔処理することによっ
    て、所定の形状のブラックマトリックスを有する基板を
    形成し、 (e)(d)の工程で形成された基板上に残存するフォ
    トレジスト層を所定のパターンを有するフォトマスクを
    介して露光し現像することによって、所定の着色層形状
    が得られるように所定部位のフォトレジスト層を除去し
    て該金属薄膜層の表面を露出し、 (f)露出した該金属薄膜層をエッチング除去すること
    によって透明導電層の表面を露出し、 (g)露出した透明導電層上に電着塗料を用いて電着法
    によって着色層を形成する請求項1〜4のいずれかに記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 (e)、(f)および(g)の工程を繰
    り返し行うことによって多色の着色層を形成する請求項
    5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 黒色電着塗料を用いる電着法によって陽
    極酸化皮膜の黒色着色および封孔処理を行う請求項5ま
    たは6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 黒色電着塗料が紫外線硬化型である請求
    項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の方法に
    よって製造されたカラーフィルターを用いることを特徴
    する液晶表示装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017160534A (ja) * 2016-03-07 2017-09-14 東京インキ株式会社 アルミニウム材印刷物の製造方法

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