JPH086010A - カラーフィルターおよび液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

カラーフィルターおよび液晶表示装置の製造方法

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JPH086010A
JPH086010A JP15802394A JP15802394A JPH086010A JP H086010 A JPH086010 A JP H086010A JP 15802394 A JP15802394 A JP 15802394A JP 15802394 A JP15802394 A JP 15802394A JP H086010 A JPH086010 A JP H086010A
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JP
Japan
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substrate
transparent conductive
layer
coating film
conductive layer
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JP15802394A
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English (en)
Inventor
Tameyuki Suzuki
為之 鈴木
Akira Kubo
晟 久保
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Shinto Paint Co Ltd
Original Assignee
Shinto Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 光リークがよく防止されており、着色が鮮明
で光学特性が優れるカラーフィルターおよび液晶表示装
置を製造する。 【構成】 下層に形成された回路状の透明導電層2とそ
の上層にフォトレジスト層を有する積層を設けた基板を
形成し、(e)(c)の工程で透明導電層表面を細片状
に露出させ、シール部8のフォトレジスト層は残存さ
せ、(f)露出した透明導電層上に電着により着色塗膜
9を形成し、(g)(e)の工程で細片状の着色塗膜を
有しその間隙が露出した基板1表面と透明導電層である
基板を形成し、(h)シール部を除く該基板の全面にネ
ガ型レジスト層10を形成し、(i)基板の裏面より露
光後、現像し、残存するネガ型レジスト層を硬化し、必
要により次いで(j)シール部のフォトレジスト層を除
去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーフィルターおよ
び液晶表示装置の製造方法に関する。更に詳しくは、本
発明は、透明基板上に細片状の着色塗膜とその間隙に遮
光性塗膜とを有し、且つ、それらの塗膜が形成されてい
ないシール部を有してなるカラーフィルターの新規な製
造方法およびそのカラーフィルターを用いて液晶表示装
置を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、液
晶を利用した表示装置(LCD)は、いわゆるポケット
テレビ等に使われてきたが、近年大型化、大画面化が急
速に進められている。画質もTN液晶からSTN液晶や
TFTに代表されるアクティブ駆動素子の開発でCRT
に迫るものが商品化されている。TFTによるカラー表
示装置の画質向上と生産性の改善については、様々な検
討が行われているが、その重要な問題として、TFTの
光リーク防止および画質向上(見かけのコントラスト)
のためのブラックマトリックスと呼ばれる遮光膜の形成
が挙げられる。LCDのカラー化に使用されるカラーフ
ィルターの着色塗膜の間隙を埋める、遮光性などを有す
る機能性塗膜の形成方法として、従来、シルクスクリー
ン法、オフセット法などの印刷技術による方法が知られ
ている。
【0003】また、複数の平行なストライプ状の導電性
回路上に着色塗膜を電着法により形成し、次いで機能性
塗膜を与えるネガ型フォトレジストを全面に塗布して、
前記着色塗膜をマスク代わりにして基板背面から露光し
て、ストライプ状の着色塗膜の間隙にブラックマトリッ
クスとしての機能性塗膜を形成する方法が知られている
(特開昭62−247331号公報)。しかしながら、
特に、将来が有望視されているTFT方式のLCDにお
いては、スイッチング素子の光リークを防ぐために、ブ
ラックマトリックス(遮光膜)の遮光率向上が要求され
るとともに、画質向上のために、そのパターンは、格子
状であることが望ましいとされている。従来の印刷によ
る方法では、格子間が約100μm程度の粗いパターン
のものしかできず、格子状に精度よく機能性塗膜を形成
することは困難である。また、従来の電着法により形成
したストライプ状の着色塗膜をマスク代わりにして基板
背面から露光する方法では、機能性塗膜をストライプ状
の着色塗膜間に精度よく形成することはできるが、スト
ライプ状の着色塗膜を横切る方向に機能性塗膜を形成
し、着色塗膜を細片状に形成することが困難である。
【0004】また、LCDは、通常、ガラスなどの透明
材料を基板とするカラーフィルター、偏光板および透明
電極などからなる成型体と、偏光板および対向透明電極
などからなる成型体を用い、これらの2枚の成型体を所
定の間隙を隔てて対峙せしめ、その周辺をシール剤を用
いてシールし、その間隙に液晶を封入することによって
製造されている。このようなLCDに使用されるカラー
フィルターを電着法によって製造する方法は、例えば、
特開昭59−90818号公報、同59−114572
号公報などに記載されてよく知られている。また、ガラ
スなどの透明基板上に配置されている複数の透明導電回
路上に、給電材料を用い電着によって選択的に逐次着色
塗膜を形成していく複数色カラーフィルターの製造方法
は、例えば、特開昭63−240503号公報に記載さ
れている。
【0005】しかしながら、このようなカラーフィルタ
ーを用いてLCDを製造する場合、シール剤によってシ
ールする部分に着色塗膜等が存在すると、シール不良に
よる液晶の漏洩などの重大な原因になる。このような問
題を回避するために、通常、電着を行う前に予めシール
部相当部分に絶縁性の有機塗膜などを貼着してシール部
への着色塗膜等の形成を防止するなどの手段が講じられ
ている。このようなシール部への着色塗膜等の形成防止
手段は極めて煩雑であり、コスト高を招くのみならず作
業性、生産性を低下せしめるものであり、その改善が強
く望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、着色塗膜
を極めて精度よく導電回路上にのみ選択的に塗着するこ
とができる電着塗装方法に着目し、ポジ型およびネガ型
フォトレジストを巧みに用いることによって上記した種
々の課題を一挙に解決し得ることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、透明基板上に細片状
の着色塗膜とその間隙に遮光性塗膜とを有し、且つ、そ
れらの塗膜が形成されていないシール部を有してなるカ
ラーフィルターの製造方法において、(a)透明材料か
らなる基板上に透明導電層を形成し、(b)該透明導電
層上にポジ型フォトレジスト組成物を塗布してフォトレ
ジスト層を形成し、(c)該フォトレジスト層を所定の
パターンを有し、且つ、光透過率が大、中および小の三
段階に異なるフォトマスクを介して露光後、光透過率が
大の部分のフォトレジスト層を現像除去して透明導電層
表面を露出させ、(d)露出した透明導電層をエッチン
グ除去することによって透明導電層を回路状に形成し、
下層に回路状に形成された透明導電層をその上層にフォ
トレジスト層を有する積層を設けてなる基板を形成し、
(e)(c)の工程で現像後に残存する光透過率が中の
部分のフォトレジスト層を現像除去することによって透
明導電層表面を細片状に露出させ、シール部のフォトレ
ジスト層は残存させ、(f)露出した透明導電層上に電
着により着色塗膜を形成し、(g)(e)の工程で現像
後に残存する光透過率が小の部分のフォトレジスト層お
よび必要によりシール部のフォトレジスト層を現像除去
して細片状の着色塗膜を有しその間隙が露出した基板表
面と透明導電層である基板を形成し、(h)シール部を
除く該基板の全面に遮光性のネガ型フォトレジスト組成
物を塗布してネガ型レジスト層を形成し、(i)該基板
の裏面より露光後、現像し、現像後に残存するネガ型レ
ジスト層を硬化し、必要により次いで(j)シール部の
フォトレジスト層を除去することを特徴とする方法、お
よびその方法で製造されるカラーフィルターを用いるこ
とを特徴とする液晶表示装置の製造方法を提供する。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて使用される透明材料からなる基板としては、ガラ
ス板あるいはプラスチック板など従来公知の基板を例示
することができる。本発明における工程(a)は、上記
の基板上に透明導電層を形成する工程である。この工程
では、公知の方法に従ってITO膜(錫をドープした酸
化インジウム膜)あるいはネサ膜(アンチモンドープし
た酸化錫膜)等の透明導電層を基板上の全面に形成す
る。本発明における工程(b)は工程(a)において形
成された透明導電層上にポジ型フォトレジスト組成物を
塗布してフォトレジスト層を形成する工程である。この
工程で使用されるポジ型フォトレジスト組成物は露光部
分が現像により溶出除去できるものであればよく、例え
ばノボラック型フェノール樹脂およびキノンジアジド系
感光剤などからなる組成物が好適である。また、OFP
R−800(東京応化工業社製)、PF−7400(住
友化学工業社製)、FH−2030(富士ハントエレク
トロニクステクノロジー社製)、などの市販品から適宜
選択して使用することもできる。
【0009】ポジ型フォトレジスト組成物は、所望によ
り粘度調整剤、有機溶剤、接着向上剤、その他公知の補
助剤などを含有することができる。フォトレジスト層を
形成する方法としてはスクリーン印刷法、オフセット印
刷法、ロールコート法、バーコート法、スピンコート法
等が使用できる。これらの中で、スピンコート法により
塗膜を形成する場合には、ポジ型フォトレジスト組成物
に希釈剤(例えばエチルセロソルブアセテートなどの非
反応性希釈剤)を加え低粘度化するのが好ましく、組成
物100重量部に対して5〜40重量部の希釈剤を加え
るのが、特に好ましい。また、スピンコート法における
回転数は、二段階とし、初めに100〜400rpmで
基板上に広げ、次に800〜5000rpmで膜厚を均
一にすることが推奨される。スピンコート法は、透明導
電層に忠実に精度良く塗膜を形成することができるため
有用である。このようにして形成されたフォトレジスト
層は必要に応じて60〜100℃、5〜60分間の条件
で熱処理される。熱処理をすることにより、そのフォト
レジスト組成物中の樹脂が予備硬化され、その塗膜と導
電層との密着性が向上する。
【0010】本発明における工程(c)は、工程(b)
で形成されたフォトレジスト層上に所定のパターンを有
し、且つ、光透過率が大、中および小の三段階に異なる
フォトマスクを重ね、露光後、光透過率が大の部分のフ
ォトレジスト層を現像除去して透明導電層表面を露出さ
せる工程である。この工程で用いるフォトマスクのパタ
ーンは、例えば赤色、緑色および青色などの各着色塗膜
の細片が、平行状、トライアングル状またはモザイク状
等の形状に配列されるように作製する。また、このフォ
トマスクは光透過率が大、中および小の三段階に異なる
ように作製する。すなわち、着色塗膜を形成しようとす
る細片状の部分の光透過率を中とし、光透過率が大と小
の部分で細片状の部分の間隙を構成するように作製す
る。例えば、着色塗膜の細片が平行状に配置され、その
間隙が格子状である形状を作製するためには、光透過率
が交互に大中の二段階に異なるストライプを有し、光透
過率の中のストライプにはそのストライプを横切る方向
に光透過率が小の帯を有し、その光透過率が小の部分と
光透過率が大の部分とで光透過率の中の細片状の部分の
格子を形成するようにフォトマスクのパターンを形成す
る。また、このようなフォトマスクは、好ましくは、シ
ール部を光透過率が小とするようにパターンを形成す
る。ここで光透過率とは、露光に使用する光線がフォト
マスクを透過する前後における強度の比率をいう。各光
透過率の差は露光条件や後述する現像条件によって適宜
選択することができる。その差は大きくする方が形状の
精度や操作上好ましいが、少なくとも5%以上とするこ
とが好ましい。このようなことから、光透過率が小の部
分は、光透過率が事実上0であることが好ましい。露光
には、用いるポジ型フォトレジスト組成物の種類により
種々の範囲の波長光を使用できるが、一般にUV領域の
波長光が好ましく、光源として超高圧水銀灯、メタルハ
ライドランプ等を使用した装置を用いることができる。
露光条件は、使用する光源およびポジ型フォトレジスト
組成物の種類により異なるが、通常の露光量は10〜4
000mJ/cm2 である。フォトレジスト層を除去す
る現像方法としては、例えば、プリント配線形成技術の
分野で知られている方法(サーキットテクノロジ、VO
l.4、No.4(1989)p.197;「プリント
配線板」先端技術集成、経営システム研究所発行(昭和
62年2月10日)p.308)などがあげられる。除
去は適当な溶解力を有する薬剤(現像液)に接触させる
ことにより行われる。このような薬剤は、ポジ型フォト
レジスト組成物の種類により適宜選択されるが、通常、
苛性ソーダ、炭酸ソーダ、4級アンモニウム塩および有
機アミン等を水に溶かしたアルカリ水溶液、あるいは、
エステル、ケトン、アルコール、エーテル、塩素化炭化
水素等の有機溶剤などから適宜選択される。除去は、浸
漬あるいはシャワーなどにより5秒ないし20分程度で
行なうことができる。必要により、ブラシ、織布などに
よるラビングが使用される。その後、有機溶剤、水など
を使用してよく洗浄することが望ましい。現像の条件は
光透過率によって異なり、光透過率が小さいほど強い条
件が採用される。この工程(c)では、比較的穏やかな
条件で現像して光透過率が大の部分を除去して透明導電
層の表面を露出させる。
【0011】工程(d)は、工程(c)で露出した透明
導電層をエッチング除去することによって、透明導電層
を互いに絶縁された複数の回路状に形成するとともに、
下層に回路状に形成された透明導電層、上層にフォトレ
ジスト層を有してなる積層を設けてなる基板を形成する
工程である。透明導電層のエッチング除去は常法に従っ
て容易に行うことができる。エッチングに用いる薬剤は
透明導電層の種類によって適宜選択されるが、例えば、
鉱酸、有機酸またはその塩などから選択することができ
る。
【0012】工程(e)は、工程(c)の現像後に残存
する光透過率が中の部分のフォトレジスト層を除去する
ことによって透明導電層表面を細片状に露出し、シール
部のフォトレジスト層は残存させる工程である。この工
程で光透過率の中の部分のフォトレジスト層を除去する
ために行う現像は、工程(c)におけると同様の方法で
行うことができる。現像条件は光透過率によって異なる
が、工程(c)における現像条件に比べて、薬剤濃度を
より高くする、あるいは現像時間をより長くするなど、
より強い条件が採用される。この工程でシール部におけ
るフォトレジスト層が工程(c)で中の光透過率で露光
されている場合には、例えば、該フォトレジスト層上に
現像に不活性な膜を設けることなどによりシール部のフ
ォトレジスト層を残存させることができる。このように
して、回路状の透明導電層を有し、その透明導電層の表
面がその上に形成されたフォトレジスト層によって分断
されて細片状に露出している透明基板を作製することが
できる。
【0013】工程(f)は工程(e)で露出した透明導
電層上に電着により着色塗膜を形成する工程である。こ
の工程で行う透明導電層上への着色塗膜の形成は、電着
塗装法により行う。電着塗装法は一般に公知である。電
着塗装法には、アニオン系とカチオン系の塗装法があ
り、本発明においてはいずれの方法も使用可能である
が、回路への影響が少ないことなどからアニオン系塗装
法が好ましい。電着塗装に用いる電着液の樹脂材料(バ
インダー)としては、マレイン化油系、アクリル系、ポ
リエステル系、ポリブタジエン系、ポリオレフィン系な
どの樹脂があげられる。これらは、それぞれ単独で、あ
るいは混合して使用できる。これらのバインダーに染
料、顔料などの所望の色相を有する色素を配合する。電
着液は、一般に、バインダー、色素等の成分を水に分
散、溶解、希釈して調製することができる。電着液とし
ては、水以外に有機溶剤を使用する電着液も使用するこ
とができる。電着液の入った浴中に上記の工程を経て得
られた基板を入れ、アニオン電着塗装法の場合は、その
導電性回路を正極とし、非腐蝕性の導電材料(ステンレ
スなど)を対極として入れて直流電圧を印加すると、そ
の導電性回路の上に位置する細片状の導電層上に選択的
に電着塗膜が塗着される。電着塗膜の膜厚は、電着条件
により制御することができる。電着条件は、通常10〜
300Vで1秒から3分程度である。電着塗膜は、塗膜
形成後よく洗浄して不要物質を除去することが望まし
い。塗膜強度を高めるために、必要により、100〜2
80℃、10〜120分間の条件で熱処理することがで
きる。
【0014】本発明の電着は光硬化性材料を用いて行う
こともできる。光硬化性材料としては、光硬化性であ
り、且つ、電着においてバインダーとして機能するポリ
マー、およびバインダーとして機能するポリマーに光硬
化性を有する化合物を配合してなる組成物などが挙げら
れる。光硬化性であり、且つ、バインダーとして機能す
るポリマーは既によく知られており、例えば、アマニ
油、ポリブタジエン等に、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の(メ
タ)アクリロイル基を有する水酸基含有モノマーを半エ
ステル付加させて得られるポリマー、エポキシ基含有ポ
リマーに(メタ)アクリル酸等を付加させ、次いで2塩
基酸、3塩基等の多塩基酸をエステル付加させて得られ
るポリマー(ここで、多塩基酸としては、無水コハク
酸、無水トリメリット酸などの無水多塩基酸が工業的有
利に使用される。)、高酸価ポリマーに、グリシジル
(メタ)アクリレート等を作用させて得られるポリマ
ー、および水溶性ポリエステル樹脂にジイソシアネート
の存在下、ヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含
有モノマーを付加させて得られるポリマーなどが例示さ
れる。
【0015】また、バインダーとして機能するポリマー
としては、カルボキシル基含有のマレイン化油系、アク
リル系、ポリエステル系、ポリブタジエン系、ポリオレ
フィン系、エポキシ系などのポリマーが例示され、共用
される光硬化性を有する化合物としては、例えば、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリ
メチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレートなどの
多官能(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリ
レート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどのオリ
ゴマーが挙げられる。これらの光硬化性材料は、好まし
くは15〜150mgKOH/gの酸価および好ましく
は0.1〜5モル/kgの二重結合量(不飽和度)を有
することが望ましい。電着液の調製に当たっては、好ま
しくはベンゾイン系、アントラキノン系などの公知の光
開始剤が、光硬化性材料に対して好ましくは0.1〜1
0重量%用いられる。光開始剤としては非水溶性のもの
が望ましい。
【0016】また、水希釈性、電気泳動性、流展性など
の向上を目的としてアルコール系、セロソルブ系、エス
テル系、炭化水素系などの有機溶剤を用いることもでき
る。その他、消泡剤、塗膜流展剤など公知の助剤を適宜
使用することができる。電着液は、光硬化性材料、染
料、顔料などの着色用色素、必要に応じ上記の各種材料
を混合し、電着をアニオン系塗装法によって行う場合に
は有機アミン類によって中和後、脱イオン水で希釈して
調製される。有機アミンとしてはトリエチルアミンなど
のアルキルアミン類、ジエタノールアミンなどのアルカ
ノールアミン類が好ましく、その使用量は光硬化性材料
中のカルボキシル基に対して好ましくは0.3〜2モ
ル、更に好ましくは0.5〜1.2モルである。
【0017】このような光硬化性材料を用い、上記した
方法および条件で電着を行うことによっても所望の着色
塗膜を形成することができる。着色塗膜はよく洗浄後、
例えば、30〜150℃、1〜30分の条件で水分を除
去した後、必要により、前述した熱処理を施すことによ
って塗膜強度を高めることができる。
【0018】工程(g)は工程(e)で現像後に残存す
る光透過率が小の部分のフォトレジスト層および必要に
よりシール部のフォトレジスト層を現像除去する工程で
ある。この工程で行うフォトレジスト層の現像除去は工
程(c)および(e)におけると同様の方法で行うこと
ができるが、光透過率が小の部分の現像は工程(e)よ
りも更に強い現像条件が採用される。また、工程(c)
と同様に露光し、同様に現像することによってもフォト
レジスト層を除去することができる。この工程で細片状
の着色塗膜を有しその間隙が露出した基板表面と透明導
電層である基板を形成することができる。
【0019】工程(h)は、工程(g)で形成された基
板上のシール部を除いて、基板の全面に遮光性のネガ型
フォトレジスト組成物を塗布してネガ型レジスト層を形
成する工程である。この工程で使用されるネガ型フォト
レジスト組成物は未露光部分が現像により溶出除去でき
るものであればよく、例えば、アクリル系、ウレタン
系、エポキシ系、合成ゴム系、ポリビニルアルコール系
等の各種の樹脂あるいは、ゴムまたはゼラチン、および
ベンゾフェノン系またはアントラキノン系の光重合開始
剤などからなる組成物が挙げられる。また、OMR−8
3(東京応化工業社製)などの市販品、または光硬化型
塗料またはインキとして市販されているものから適宜選
択して使用することもできる。このようなネガ型フォト
レジスト組成物に遮光性を付与する方法は、特に制限さ
れるものではなく、常法にしたがって、例えば、金属酸
化物系黒色顔料、カーボンブラック、硫化ビスマス、黒
色染料などの色素を用いて黒色に染色するとによって行
うことができる。使用されるLCDの種類により絶縁性
の色素が好ましい場合がある。遮光性のネガ型フォトレ
ジスト組成物は、所望により反応性希釈剤、反応開始
剤、光増感剤、接着向上剤、絶縁性材料、粘度調整のた
めの有機溶剤や水などを含有することができる。塗布
は、スピンコート法、ロールコート法、スクリーン印刷
法、オフセット印刷法、浸漬コート法などの方法によっ
て行うことができ、このようにして均質なネガ型レジス
ト層を形成することができる。
【0020】工程(i)は、工程(h)でシール部以外
の全面にネガ型レジスト層が形成された透明基板の裏面
から露光後、現像し、次いで現像後に残存するネガ型レ
ジスト層を硬化する工程である。この工程で露光は、ネ
ガ型フォトレジスト組成物の種類により種々の範囲の波
長の光が使用できるが、一般には、UV領域の波長光が
好ましく、光源として超高圧水銀灯、メタルハライドラ
ンプ等を使用した装置を用いて行うことができる。露光
条件は、使用する光源およびネガ型フォトレジスト組成
物の種類により異なるが、通常の露光量は100〜40
00mJ/cm2 である。露光された部分は、架橋反応
が進行し不溶性となり硬化する。この工程で現像は、ネ
ガ型レジスト層の未露光部分を溶出、除去するために行
う。また、工程(g)でシール部のフォトレジスト層を
現像、除去しない場合にはこの工程で同時に現像、除去
してもよい。未露光部分、および所望によりシール部の
フォトレジスト層の除去は、適当な溶解力を有する薬剤
(現像液)に接触させ、溶出することにより行われる。
このような薬剤は、ネガ型フォトレジスト組成物、場合
によりポジ型フォトレジスト組成物も考慮してその種類
により選択されるが、通常はカ性ソーダ、炭酸ソーダ、
4級アンモニウム塩又は有機アミン等を水に溶かしたア
ルカリ水溶液、あるいはエステル、ケトン、アルコー
ル、塩素化炭化水素等の有機溶剤などから適宜選択され
る。溶出は浸漬あるいはシャワーなどにより30秒ない
し5分程度行えばよい。その後に、水、有機溶剤などを
使用してよく洗浄することが望ましい。硬化は常法によ
って容易に行うことができ、例えば、温度100〜28
0℃で10〜120分間加熱処理することによって行う
ことができる。
【0021】工程(j)は、工程(g)および工程
(i)でシール部のフォトレジスト層を除去しない場合
には、それを除去する工程である。この工程でフォトレ
ジスト層の除去は、いかなる方法によってもよいが、例
えば、工程(c)、(e)などにおけると同様に現像を
行うことによってもよい。
【0022】このようにして細片状の着色塗膜とその間
隙に遮光性塗膜とを有し、且つ、着色塗膜等が塗着して
いないシール部を有する基板を作製することができる。
細片状の着色塗膜の配列は使用されるLCDの種類によ
り異なるが、例えば、赤色、緑色および青色の各着色塗
膜の細片が平行状、トライアングル状、モザイク状など
に配列されたものが例示される。本発明によれば、工程
(c)および工程(e)で用いるフォトマスクのパター
ンを適宜選択することにより所望の配列を得ることがで
きる。このようにして作製された基板を用いてカラーフ
ィルターを製造する。カラーフィルターは常法に従って
製造することができる。例えば上記のとおり形成された
着色塗膜および遮光性塗膜の上に必要によりオーバーコ
ート膜(保護膜)を形成し、必要によりその上に液晶駆
動用の透明導電膜を形成し、必要に応じて回路パターン
を形成してカラーフィルターを製造することができる。
本発明の方法によって製造されたカラーフィルターを用
い、公知の方法にしたがって液晶表示装置を製造するこ
とができる。
【0023】以下に本発明の方法に従って、細片状の着
色塗膜が平行状に配列され、その格子状の間隙に遮光性
塗膜を有する基板を形成する実施の態様を図面によって
説明する。図1(1)〜(7)は本発明の方法によって
形成される基板の断面の模式図であり、図2(1)、
(2)および(3)はその平面の模式図である。
【0024】工程(a)で、厚さ1.1mmのガラス基
板などの透明材料からなる基板1の上にITO(In2
3 +SnO2 )などの透明導電層2を形成する。〔図
1(1)〕 工程(b)で、例えば、FH−2030(富士ハントエ
レクトロニクステクノロジー社製のポジ型フォトレジス
ト)などのポジ型フォトレジスト組成物を透明導電層2
の上に塗布してフォトレジスト層3を形成する。〔図1
(2)〕
【0025】工程(c)で、フォトレジスト層3の上
に、光透過率が中の部分(例えば、巾が80μm)およ
び光透過率が大の部分(例えば、巾が20μm)を交互
にストライプ状に有し、光透過率の中のストライプに
は、その垂直方向に一定間隔(例えば、80μm)毎に
光透過率が小(事実上0)の部分(例えば、巾20μ
m)を有し、且つ、シール部に光透過率が小(事実上
0)の部分を有するフォトマスク4〔その断面は図1
(3)〕を重ね、常法に従って、露光、現像して光透過
率の大のパターン部分(巾20μm)を除去する。この
ようにしてフォトレジスト層3をストライプ状(巾80
μm)に形成するとともにそのストライプの間隙(巾2
0μm)に透明導電層2の表面をストライプ状に露出さ
せる。〔図1(4)〕
【0026】工程(d)では、工程(c)で表面が露出
した透明導電層2の部分を常法に従ってエッチング除去
する。この工程で、基板1の上に透明導電層2を回路状
に形成し、回路状に形成された透明導電層2を下層と
し、フォトレジスト層3を上層とするストライプ状の積
層を形成する。〔図1(5)〕
【0027】工程(e)では、工程(d)で形成された
ストライプ状の積層の上層を形成するフォトレジスト層
3の光透過率が中の部分を現像除去して透明導電層2の
表面を細片状に露出させる。この工程における現像には
工程(c)よりも比較的強い現像条件が採用される。こ
のようにしてシール部8にフォトレジスト層3を有し、
透明導電層2が細片状に露出し、その間隙が格子状であ
って、縦方向の間隙には基板1の表面が露出し、横方向
の間隙はフォトレジスト層3である基板が形成される。
〔図2(1)〕
【0028】次いで、工程(f)で、基板1上の透明導
電層2を一方の電極として従来公知の電着塗装法に従い
電着を行って細片状に露出している透明導電層2の上に
着色塗膜9を形成する。
【0029】工程(g)では横方向の間隙を形成してい
るフォトレジスト層3を現像除去する。所望によりシー
ル部のフォトレジスト層3も同時に現像除去する。この
工程における現像は工程(e)に比しより強い現像条件
を採用して行うか、所望により工程(c)におけると同
様に露光、現像を行う。このようにして着色塗膜9が細
片状であり、その縦方向の間隙に基板1の表面が露出
し、横方向の間隙に透明導電層2の表面が露出している
基板を形成する。
【0030】工程(h)で、シール部8を除く基板の全
面に、例えば、ブラックマスク用塗料(神東塗料社製の
遮光性材料含有ネガ型フォトレジスト組成物)を塗布
し、必要に応じて100℃で10分間熱処理を行い予備
硬化させて、ネガ型レジスト層10を形成する。〔図1
(6)および図2(2)〕
【0031】工程(i)で、基板1の裏面から常法に従
って露光、現像して未露光部分のネガ型レジスト層10
および所望により同時にシール部8のフォトレジスト層
3を除去した後、例えば230℃で30分間熱処理を施
して現像後に残存するネガ型レジスト層10を硬化させ
る。
【0032】工程(j)で、シール部8のフォトレジス
ト層3が残存している場合にはこれを常法にしたがって
除去する。
【0033】このようにして細片状の着色塗膜9を有
し、その格子状の間隙が遮光性塗膜(ネガ型レジスト層
10)で精度よく埋められ、且つ、それらの塗膜が塗着
していないシール部8を有する基板を工業的有利に形成
することができる。〔形成された基板の断面は図1
(7)、平面は図2(3)に示す。図中、R、Gおよび
Bはそれぞれ赤色、緑色および青色の着色塗膜を意味す
る。尚、図2中、シール部の位置は代表的に上部にのみ
描いたものである。〕
【0034】
【発明の効果】本発明の方法によって、細片状の着色塗
膜とその間隙を埋める遮光性塗膜が精度よく形成され、
それらの塗膜が形成されていないシール部を有する透明
基板が工業的有利に製造でき、この透明基板を用いて光
リークがよく防止されており、着色が鮮明で光学特性が
優れるカラーフィルターを製造することができ、また、
それを用いて高画質の液晶表示装置を製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各工程で形成される形状を有する基板
の断面の模式図である。
【図2】本発明の各工程で形成される形状を有する基板
の平面の模式図である。
【符号の説明】
1 透明材料からなる基板 2 透明導電層 3 フォトレジスト層 4 フォトマスク 5 照射光 6 透過光(光透過率大) 7 透過光(光透過率中) 8 シール部 9 着色塗膜 10 ネガ型レジスト層 R 赤色着色塗膜 G 緑色着色塗膜 B 青色着色塗膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に細片状の着色塗膜とその間
    隙に遮光性塗膜とを有し、且つ、それらの塗膜が形成さ
    れていないシール部を有してなるカラーフィルターの製
    造方法において、(a)透明材料からなる基板上に透明
    導電層を形成し、 (b)該透明導電層上にポジ型フォトレジスト組成物を
    塗布してフォトレジスト層を形成し、 (c)該フォトレジスト層を所定のパターンを有し、且
    つ、光透過率が大、中および小の三段階に異なるフォト
    マスクを介して露光後、光透過率が大の部分のフォトレ
    ジスト層を現像除去して透明導電層表面を露出させ、 (d)露出した透明導電層をエッチング除去することに
    よって透明導電層を回路状に形成し、下層に回路状に形
    成された透明導電層をその上層にフォトレジスト層を有
    する積層を設けてなる基板を形成し、 (e)(c)の工程で現像後に残存する光透過率が中の
    部分のフォトレジスト層を現像除去することによって透
    明導電層表面を細片状に露出させ、シール部のフォトレ
    ジスト層は残存させ、 (f)露出した透明導電層上に電着により着色塗膜を形
    成し、 (g)(e)の工程で現像後に残存する光透過率が小の
    部分のフォトレジスト層および必要によりシール部のフ
    ォトレジスト層を現像除去して細片状の着色塗膜を有し
    その間隙が露出した基板表面と透明導電層である基板を
    形成し、 (h)シール部を除く該基板の全面に遮光性のネガ型フ
    ォトレジスト組成物を塗布してネガ型レジスト層を形成
    し、 (i)該基板の裏面より露光後、現像し、現像後に残存
    するネガ型レジスト層を硬化し、必要により次いで (j)シール部のフォトレジスト層を除去することを特
    徴とする方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法によって製造されるカラ
    ーフィルターを用いることを特徴とする液晶表示装置の
    製造方法。
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