JPH08142263A - 金属・環状オレフィン系樹脂積層体およびその製造方法 - Google Patents

金属・環状オレフィン系樹脂積層体およびその製造方法

Info

Publication number
JPH08142263A
JPH08142263A JP6279603A JP27960394A JPH08142263A JP H08142263 A JPH08142263 A JP H08142263A JP 6279603 A JP6279603 A JP 6279603A JP 27960394 A JP27960394 A JP 27960394A JP H08142263 A JPH08142263 A JP H08142263A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
cyclic olefin
group
resin
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6279603A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigetoshi Nishijima
島 茂 俊 西
Yozo Yamamoto
本 陽 造 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP6279603A priority Critical patent/JPH08142263A/ja
Publication of JPH08142263A publication Critical patent/JPH08142263A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】下記[A]、[B]および[C]よりなる群か
ら選ばれる環状オレフィン系樹脂層と、金属または金属
酸化物層とからなる金属・環状オレフィン系樹脂積層
体;[A](a)エチレンと、b)特定の式[I]また
は[II]で表される環状オレフィンとの共重合体であ
り、かつ軟化温度が70℃以上である環状オレフィン系
ランダム共重合体;[B](b)特定の式[I]または
[II]で表される環状オレフィンの開環(共)重合体で
あり、かつ軟化温度(TMA)が70℃以上である環状
オレフィン開環(共)重合体;[C]該開環(共)重合
体の水添物であり、かつ軟化温度(TMA)が70℃以
上である環状オレフィン開環重合体水添物。 【効果】金属に近い外観と、金属に近い電気磁気特性と
を有し、防湿性、ガスバリヤー性、光線遮断性、透明
性、ひねり性、引裂性等の特性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、金属・環状オレフィン系
樹脂積層体およびその製造方法に関し、さらに詳しく
は、金属に近い電気磁気特性ならび外観を有し、防湿
性、ガスバリヤー性、光線遮断性、透明性、ひねり性
(デッドホールド性)、引裂性等の特性に優れているよ
うな金属・環状オレフィン系樹脂積層体およびその製造
方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、ポリエチレン樹脂等の
表面にAl箔を貼着した積層フィルムなどが食品、医薬
品あるいは各種素材などの包装用として用いられてい
る。
【0003】このような積層フィルムに用いられる薄い
Al箔には、通常ピンホールが存在しており、安定した
ガスバリヤー性が確保できないという問題点があった。
ところで、環状オレフィン系樹脂は、防湿性に優れてい
るが、酸素ガスあるいは炭酸ガスに対するガスバリヤー
性は、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレト樹脂
よりも低い。また、この環状オレフィン系樹脂は、透明
性に優れているが、この環状オレフィン系樹脂フィルム
をキャンデー等の各種内容物の被覆材として用いようと
すると、中に光が入射して、内容物が変質してしまう恐
れがある。また、この環状オレフィン系樹脂は、表面固
有抵抗が高く、電気絶縁性に優れているが、帯電性を有
しており、静電気を帯び易い。
【0004】このため、このような環状オレフィン系樹
脂の防湿性、透明性、電気絶縁性等の特性を活かしつ
つ、ガスバリヤー性、光線遮断性等の特性にも優れた環
状オレフィン系樹脂フィルムあるいはシートなどの積層
体の出現が望まれていた。
【0005】本発明者らは、このような問題点を解決す
べく鋭意検討したところ、環状オレフィン系樹脂のうち
でも特にエチレンと環状オレフィンとのランダム共重合
体、環状オレフィンの開環(共)重合体、あるいは該開
環(共)重合体の水添物が、優れた防湿性、絶縁性など
の特性を有することを見出すとともに、このような環状
オレフィン系樹脂と金属あるいは金属酸化物とを積層し
てなる金属・環状オレフィン系樹脂積層体は、環状オレ
フィン系樹脂が有する優れた防湿性、透明性、電気絶縁
性等の特性を保持しつつ、ガスバリヤー性、光線遮断
性、ひねり性、引裂性等の特性にも優れていることなど
を見出して、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術上の問
題点を解決しょうとするものであって、金属光沢を有す
るなど金属に近い外観と、電気抵抗が小さいなど金属に
近い電気磁気特性とを有し、防湿性、ガスバリヤー性、
光線遮断性、透明性、ひねり性、引裂性等の特性に優れ
ているような金属・環状オレフィン系樹脂積層体および
その製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る第1の金属・環状オレフィ
ン系樹脂積層体は、下記[A]、[B]および[C]よ
りなる群から選ばれる環状オレフィン系樹脂層と、金属
または金属酸化物層とからなっている。 [A](a)エチレンと、(b)下記式[I]または[I
I]で表される環状オレフィンとの共重合体であり、か
つ軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフィ
ン系ランダム共重合体; [B](b)下記式[I]または[II]で表される環状
オレフィンの開環(共)重合体であり、かつ軟化温度
(TMA)が70℃以上である環状オレフィン開環
(共)重合体; [C]該開環(共)重合体の水添物であり、かつ軟化温
度(TMA)が70℃以上である環状オレフィン開環重
合体水添物;
【0008】
【化3】
【0009】[上記式[I]中、nは0または1であ
り、mは0または正の整数であり、qは0または1であ
り、R1 〜R18ならびにRa およびRb は、それぞれ独
立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であ
り、R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形
成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を
有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17
18とでアルキリデン基を形成していてもよい]、
【0010】
【化4】
【0011】[上記式[II]中、pおよびqは0または
1以上の整数であり、mおよびnは0、1または2であ
り、R1〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲ
ン原子、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族
炭化水素基またはアルコキシ基であり、R9またはR10
が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素原
子またはR11が結合している炭素原子とは、直接あるい
は炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合してい
てもよく、さらに、n=m=0のとき、R15とR12また
はR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳香
族環を形成していてもよい]。
【0012】また、本発明に係る第2の金属・環状オレ
フィン系樹脂積層体は、上記[A]、[B]および
[C]よりなる群から選ばれる環状オレフィン系樹脂と
ポリオレフィン系樹脂とからなる層と、金属または金属
酸化物層とからなっている。
【0013】本発明に係る第1の金属・環状オレフィン
系樹脂積層体の製造方法では、上記[A]、[B]およ
び[C]よりなる群から選ばれる環状オレフィン系樹脂
を溶融してフィルムあるいはシート状に成形した後、該
フィルムあるいはシートの表面に、金属または金属酸化
物を蒸着することにより、上記第1の金属・環状オレフ
ィン系樹脂積層体を製造している。
【0014】本発明に係る第2の金属・環状オレフィン
系樹脂積層体の製造方法では、上記[A]、[B]およ
び[C]よりなる群から選ばれる環状オレフィン系樹脂
とポリオレフィン系樹脂とを溶融混練してフィルムある
いはシート状に成形した後、該フィルムあるいはシート
の表面に、金属または金属酸化物を蒸着することによ
り、上記第2の金属・環状オレフィン系樹脂積層体を製
造している。
【0015】本発明に係る金属・環状オレフィン系樹脂
積層体は、金属光沢を有するなど金属に近い外観と、電
気抵抗が小さいなど金属に近い電気磁気特性とを有し、
防湿性、ガスバリヤー性、光線遮断性、透明性、ひねり
性、引裂性等の特性に優れている。
【0016】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る金属・環状オ
レフィン系樹脂積層体およびその製造方法について具体
的に説明する。
【0017】[金属・環状オレフィン系樹脂積層体] 本発明に係る第1の金属・環状オレフィン系樹脂積層体
(第1の積層体)は、下記[A]、[B]および[C]
よりなる群から選ばれる環状オレフィン系樹脂層と、金
属または金属酸化物層とからなっている。 [A](a)エチレンと、(b)前記した式[I]また
は[II]で表される環状オレフィンとの共重合体であ
り、かつ軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オ
レフィン系ランダム共重合体; [B](b)前記した式[I]または[II]で表される
環状オレフィンの開環(共)重合体であり、かつ軟化温
度(TMA)が70℃以上である環状オレフィン開環
(共)重合体; [C]該開環(共)重合体の水添物であり、かつ軟化温
度(TMA)が70℃以上である環状オレフィン開環重
合体水添物。
【0018】また、本発明に係る第2の金属・環状オレ
フィン系樹脂積層体(第2の積層体)は、上記[A]、
[B]および[C]よりなる群から選ばれる環状オレフ
ィン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とからなる樹脂層
と、金属または金属酸化物からなる金属層とからなって
いる。このような第2の積層体は、上記第1の積層体に
比べて特に衝撃強度、引張破断伸度などに優れている。
このような樹脂層には、ポリオレフィン系樹脂と前記環
状オレフィン系樹脂との合計100重量%中に、ポリオ
レフィン系樹脂は、通常1〜50重量%、好ましくは5
〜40重量%の量で含まれていることが望ましい。
【0019】このような第1および第2の金属・環状オ
レフィン系樹脂積層体はシート状であってもよくフィル
ム状であってもよく、また各層の厚さは特に限定されな
いが、環状オレフィン系樹脂層あるいは該環状オレフィ
ン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とからなる樹脂層の厚
さは、通常1μm〜10mm程度であり、金属または金
属酸化物からなる金属層の厚さは、通常50nm〜5μ
m程度である。
【0020】環状オレフィン系樹脂 本発明で使用される環状オレフィン系樹脂は、 [A](a)エチレンと、(b)下記式[I]または[I
I]で表される環状オレフィンとの共重合体であり、か
つ軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフィ
ン系ランダム共重合体; [B](b)下記式[I]または[II]で表される環状
オレフィンの開環(共)重合体であり、かつ軟化温度
(TMA)が70℃以上である環状オレフィン開環
(共)重合体;および [C]該開環(共)重合体の水添物であり、かつ軟化温
度(TMA)が70℃以上である環状オレフィン開環重
合体水添物のいずれかである。
【0021】
【化5】
【0022】上記式[I]において、nは0または1で
あり、mは0または正の整数であり、qは0または1で
ある。なおqが1の場合には、qを用いて表される環は
6員環となり、qが0の場合にはこの環は5員環とな
る。
【0023】また、R1〜R18ならびにRaおよびR
bは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または
炭化水素基である。ここで、ハロゲン原子は、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。ま
た、炭化水素基としては、通常、炭素原子数1〜20の
アルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル
基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または芳香
族炭化水素基を挙げることができる。より具体的には、
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基を挙げ
ることができる。これらアルキル基はハロゲン原子で置
換されていてもよい。また、シクロアルキル基として
は、シクロヘキシル基を挙げることができ、芳香族炭化
水素基としてはフェニル基およびナフチル基を挙げるこ
とができる。
【0024】さらに、上記式[I]において、R15とR
16とが、R17とR18とが、R15とR 17とが、R16とR18
とが、R15とR18とが、あるいはR16とR17とがそれぞ
れ結合して(互いに共同して)、単環または多環の基を
形成していてもよい。さらに、このようにして形成され
た単環または多環が二重結合を有していてもよい。ここ
で形成される単環または多環としては、具体的に以下の
ようなものを挙げることができる。
【0025】
【化6】
【0026】なお上記例示において、1または2の番号
を賦した炭素原子は、式[I]においてそれぞれR
15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子
を表す。また、R15とR16とで、またはR17とR18とで
アルキリデン基を形成していてもよい。このようなアル
キリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデ
ン基であり、このようなアルキリデン基の例としては、
エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン
基を挙げることができる。
【0027】
【化7】
【0028】上記式[II]において、pおよびqは0ま
たは正の整数であり、mおよびnは0、1または2であ
る。また、R1〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、
ハロゲン原子、炭化水素基またはアルコキシ基である。
【0029】ここでハロゲン原子は、上記式[I]の説
明中に掲げたハロゲン原子と同じ意味である。また炭化
水素基としては、通常は炭素原子数1〜20のアルキル
基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または芳香
族炭化水素基を挙げることができる。より具体的には、
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基を挙げ
ることができる。これらアルキル基はハロゲン原子で置
換されていてもよい。シクロアルキル基としては、シク
ロヘキシル基を挙げることができ、芳香族炭化水素基と
しては、アリール基およびアラルキル基を挙げることが
でき、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル
基、ベンジル基およびフェニルエチル基を挙げることが
できる。
【0030】また、アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基およびプロポキシ基を挙げることができ
る。さらに、式[II]において、R9およびR10が結合
している炭素原子と、R13が結合している炭素原子また
はR11が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素
原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよ
い。すなわち、上記二個の炭素原子がアルキレン基を介
して結合している場合には、R9とR13とが、または、
10とR11とが互いに共同して、メチレン基(-CH2-)、
エチレン基(-CH2CH2-)またはプロピレン基(-CH2CH2CH
2-) の内のいずれかのアルキレン基を形成している。
【0031】さらに、n=m=0のとき、R15とR12
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。具体的には、n=m=0
のとき、R15とR12とにより形成される以下のような芳
香族環を挙げることができる。
【0032】
【化8】
【0033】ここで、qは式[II]におけるqと同じ意
味である。上記のような式[I]または[II]で示され
る環状オレフィンを、より具体的に下記に例示する。
【0034】
【化9】
【0035】で示されるビシクロ[2.2.1]-2-ヘプテン
(=ノルボルネン)(上記一般式中において、1〜7の
数字は、炭素の位置番号を示す。)および該化合物に炭
化水素基が置換した誘導体が挙げられる。
【0036】この炭化水素基として、5-メチル、5,6-ジ
メチル、1-メチル、5-エチル、5-n-ブチル、5-イソブ
チル、7-メチル、5-フェニル、5-メチル-5-フェニル、5
-ベンジル、5-トリル、5-(エチルフェニル)、5-(イソ
プロピルフェニル)、5-(ビフェニル)、5-(β-ナフチ
ル)、5-(α-ナフチル)、5-(アントラセニル)、5,6-ジ
フェニルを例示することができる。
【0037】さらに他の誘導体として、シクロペンタジ
エン-アセナフチレン付加物、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-
テトラヒドロフルオレン、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a
-ヘキサヒドロアントラセンなどのビシクロ[2.2.1 ]-
2-ヘプテン誘導体を例示することができる。
【0038】この他、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デ
セン、2-メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン、5
-メチルトリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセンなどのトリ
シクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体、トリシクロ
[4.4.0.12,5]-3-ウンデセン、10-メチルトリシクロ
[4.4.0.12,5]-3-ウンデセンなどのトリシクロ[4.4.
0.12,5]-3-ウンデセン誘導体、
【0039】
【化10】
【0040】で示されるテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,10]-3-ドデセンおよびこれに炭化水素基が置換した
誘導体が挙げられる。該炭化水素基として、8-メチル、
8-エチル、8-プロピル、8-ブチル、8-イソブチル、8-ヘ
キシル、8-シクロヘキシル、8-ステアリル、5,10-ジメ
チル、2,10-ジメチル、8,9-ジメチル、8-エチル-9-メチ
ル、11,12-ジメチル、2,7,9-トリメチル、2,7-ジメチル
-9-エチル、9-イソブチル-2,7-ジメチル、9,11,12-トリ
メチル、9-エチル-11,12-ジメチル、9-イソブチル-11,1
2-ジメチル、5,8,9,10-テトラメチル、8-エチリデン、8
-エチリデン-9-メチル、8-エチリデン-9-エチル、8-エ
チリデン-9-イソプロピル、8-エチリデン-9-ブチル、8-
n-プロピリデン、8-n-プロピリデン-9-メチル、8-n-プ
ロピリデン-9-エチル、8-n-プロピリデン-9-イソプロピ
ル、8-n-プロピリデン-9-ブチル、8-イソプロピリデ
ン、8-イソプロピリデン-9-メチル、8-イソプロピリデ
ン-9-エチル、8-イソプロピリデン-9-イソプロピル、8-
イソプロピリデン-9-ブチル、8-クロロ、8-ブロモ、8-
フルオロ、8,9-ジクロロ、8-フェニル、8-メチル-8-フ
ェニル、8-ベンジル、8-トリル、8-(エチルフェニ
ル)、8-(イソプロピルフェニル)、8,9-ジフェニル、
8-(ビフェニル)、8-(β-ナフチル)、8-(α-ナフチ
ル)、8-(アントラセニル)、5,6-ジフェニル等を例示す
ることができる。
【0041】さらには、(シクロペンタジエン-アセナ
フチレン付加物)とシクロペンタジエンとの付加物など
のテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン誘導
体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペンタ
デセンおよびその誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.1
9,12.08,13]-3-ペンタデセンおよびその誘導体、ペン
タシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ヘキサデセン
およびその誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.0
9,14]-4-ヘキサデセンおよびその誘導体、ヘキサシク
ロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセン
およびその誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.12,9.14,7.1
11,17.03,8.012,16]-5- エイコセンおよびその誘導
体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.0
11,16]-4-エイコセンおよびその誘導体、ヘプタシクロ
[8.8.0.12,9.14,7.111,18.03,8.012,17]-5-ヘンエイ
コセンおよびその誘導体、オクタシクロ[8.8.0.12,9.1
4,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ドコセンおよびそ
の誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.0
2,10.03,8.012,21.014,19]-5-ペンタコセンおよびその
誘導体などが挙げられる。
【0042】なお、本発明で使用することのできる前記
した式[I]または式[II]で示される環状オレフィン
の具体例は上記した通りであるが、これら化合物のより
具体的な構造については、本願出願人の出願に係る特願
平5-196475号出願当初明細書の段落番号[00
32]〜[0054]に示されており、本願発明におい
てもここに例示されるものを本願発明の環状オレフィン
として使用することができる。
【0043】上記のような一般式[I]または[II]で
表される環状オレフィンは、シクロペンタジエンと対応
する構造を有するオレフィン類とを、ディールス・アル
ダー反応させることによって製造することができる。
【0044】これらの環状オレフィンは、単独であるい
は2種以上組み合わせて用いることができる。上記のよ
うな環状オレフィンと共に環状オレフィン系ランダム共
重合体[A]を形成するのはエチレンである。
【0045】ただし、環状オレフィン系ランダム共重合
体は、本発明の目的を損なわない範囲で上記のエチレン
(a)および環状オレフィン(b)以外の他の共重合可
能なモノマーから誘導される構成単位を20モル%以
下、好ましくは10モル%以下の量で含有していてもよ
い。
【0046】このような他のモノマーとして具体的に
は、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、
3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1
-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセ
ン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテ
ン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オ
クテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘ
キサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコセンのよう
な炭素数3〜20のα-オレフィン類、シクロブテン、
シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4-ジメチルシクロ
ペンテン、3-メチルシクロヘキセン、2-(2- メチルブチ
ル)-1-シクロヘキセン、シクロオクテンおよび3a,5,6,7
a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンのようなシク
ロオレフィン類、2-ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボ
ルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-イソプロピル-2-
ノルボルネン、5-n-ブチル-2-ノルボルネン、5-イソブ
チル-2-ノルボルネン、5,6-ジメチル-2-ノルボルネン、
5-クロロ-2-ノルボルネンおよび5-フルオロ-2-ノルボル
ネンのようなノルボルネン類、1,4-ヘキサジエン、4-メ
チル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、
1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデ
ン-2-ノルボルネンおよび5-ビニル-2-ノルボルネンのよ
うな非共役ジエン類を挙げることができる。
【0047】これらの他のモノマーは、単独であるいは
2種以上組み合わせて用いることができる。環状オレフ
ィン系ランダム共重合体[A]において、前記式[I]
または[II]で表される環状オレフィンは、下記式[II
I]または[IV]で表される構造の繰り返し単位を形成
していると考えられる。
【0048】
【化11】
【0049】上記式[III]中、m、n、qおよびR1
18ならびにRa、Rbは前記式[I]におけるのと同じ
意味である。
【0050】
【化12】
【0051】上記式[IV]中、n、m、p、qおよびR
1〜R19は前記式[II]におけるのと同じ意味である。
環状オレフィン系ランダム共重合体[A]には、エチレ
ン(a)から誘導される繰り返し単位を、通常は40〜
90モル%、好ましくは50〜85モル%の範囲内の量
で含有されており、また環状オレフィン(b)から誘導
される繰り返し単位は、通常は10〜60モル%、好ま
しくは15〜50モル%の範囲内の量で含有されてい
る。そして、エチレン(a)から誘導される繰り返し単
位と環状オレフィン(b)から誘導される繰り返し単位
とは、ランダムに配列されており、しかもこれらの繰り
返し単位は実質上線状に配列されている。
【0052】環状オレフィン系ランダム共重合体[A]
は、たとえば、エチレン(a)と上記環状オレフィン
(b)とを、炭化水素媒体または上述の環状オレフィン
のうち反応温度で液体である環状オレフィン中で、炭化
水素可溶性バナジウム化合物とハロゲン含有有機アルミ
ニウム化合物とから形成される触媒(イ)またはシクロ
ペンタジエニル骨格を有する配位子を含むIV族またはラ
ンタニドの遷移金属化合物と有機アルミニウムオキシ化
合物と必要に応じて有機アルミニウム化合物とからなる
触媒(ロ)の存在下で重合させることにより製造するこ
とができる。
【0053】このような重合方法自体は既に公知であ
り、特開昭60-168708号、同61-120816号、同61-115912
号、同61-115916号、同61-271308号、同61-272216号、
同62-252406号および同62-252407号などの公報、ならび
に、特願昭61-95905号および同61-95906号などの明細書
において本出願人が提案した方法に従い適宜条件を選定
して製造することができる。
【0054】具体的には、連続重合装置を用いてシクロ
ヘキサン媒体中において、環状オレフィンとしてテトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン(以下 「TC
D−3」と略記することもある)を用い、触媒としてV
O(OCH2CH3)Cl2/Al(CH2CH31.5Cl
1.5を用い、反応温度10℃、反応時間(重合反応滞留
時間)を30分に設定して共重合させることにより、T
CD−3・エチレンランダム共重合体を製造することが
できる。
【0055】環状オレフィン開環(共)重合体[B]
は、上記式[I]または[II]で表される環状オレフィ
ンを開環させて重合または共重合させることにより得ら
れる樹脂である。
【0056】このような環状オレフィンの開環重合体ま
たは開環共重合体[B]において、上記式[I]または
[II]で表される環状オレフィンは、少なくとも一部
が、下記式[V]または[VI]で表される繰り返し単位
を形成していると考えられる。
【0057】
【化13】
【0058】ただし上記式[V]において、n、m、q
およびR1 〜R18ならびにRaおよびRb は、式[I]
におけるのと同じ意味である。
【0059】
【化14】
【0060】ただし上記式[VI]において、n、m、
p、qおよびR1 〜R19は、式[II]におけるのと同じ
意味である。このような開環重合体または開環共重合体
[B]は、前記公報に開示された製造方法により製造す
ることができる。即ち、上記式[I]または[II]で表
される環状オレフィンを開環重合触媒の存在下に、重合
または共重合させることにより製造することができる。
【0061】ここで使用される開環重合触媒としては、
ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イン
ジウムまたは白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩ま
たはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触
媒、または、チタン、パラジウム、ジルコニウムまたは
モリブテンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルア
セトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触
媒を挙げることができる。
【0062】開環(共)重合体の水添物[C]は、上述
の開環(共)重合体[B]を、公知の水素添加触媒の存
在下に水素化することにより得られる。この開環(共)
重合体の水添物[C]において、式[I]または[II]
で表される環状オレフィンは、少なくとも一部が下記式
[VII]または[VIII]で表される繰り返し単位を構成
していると考えられる。
【0063】
【化15】
【0064】ただし上記式[VII]において、n、m、
qおよびR1 〜R18ならびにRaおよびRbは式[I]に
おけるのと同じ意味である。
【0065】
【化16】
【0066】ただし上記式[VIII]において、n、m、
p、qおよびR1 〜R19は式[II]におけるのと同じ意
味である。このような開環重合体、開環共重合体、これ
らの水素添加物の例として、テトラシクロドデセンとノ
ルボルネンおよびそれらの誘導体との開環共重合体、お
よびその水素添加物を挙げることができる。
【0067】なお、上述の環状オレフィン系ランダム共
重合体[A]、開環(共)重合体[B]および開環
(共)重合体の水添物[C](即ち、環状オレフィン系
樹脂)は、その一部が無水マレイン酸等の不飽和カルボ
ン酸等で変性されていてもよい。このような変性物は、
上記のような環状オレフィン系樹脂と、不飽和カルボン
酸、これらの無水物、または、不飽和カルボン酸のアル
キルエステル等の誘導体とを反応させることにより製造
することができる。
【0068】なお、この場合の変性環状オレフィン系樹
脂の変性率は、通常は50モル%以下、好ましくは10
モル%以下である。変性環状オレフィン系樹脂は、上記
環状オレフィン系樹脂に変性剤をグラフト重合させるこ
とにより製造することができる。例えば、環状オレフィ
ン系樹脂を溶融させ変性剤を添加してグラフト重合させ
る方法あるいは環状オレフィン系樹脂および変性剤を溶
媒に溶解させてグラフト重合させる方法がある。このグ
ラフト重合の際にはラジカル開始剤を使用することが好
ましい。このグラフト重合温度は、通常60〜350℃
である。
【0069】また、このような変性環状オレフィン系樹
脂は、環状オレフィン系樹脂に、所望の変性率になるよ
うな量の変性剤を配合してグラフト重合させて製造する
こともできるし、予め高変性率の変性物を調製し、次い
でこの変性物と未変性の環状オレフィン系樹脂とを混合
することによっても製造することができる。
【0070】上記のような環状オレフィン系樹脂につい
てデカリン中(135℃)で測定した極限粘度[η]
は、通常は0.01〜5dl/g、好ましくは0.1〜3dl
/g、さらに好ましくは0.2〜2.5dl/gである。ま
たこの樹脂の軟化温度(TMA)は70℃以上であるこ
とが必要であり、さらに70〜250℃であることが好
ましく、80〜200℃であることがより好ましく、9
0〜180℃であることが特に好ましい。
【0071】また、環状オレフィン系樹脂のガラス転移
温度(Tg)は、通常は60〜230℃、好ましくは7
0〜190℃の範囲にある。この環状オレフィン系樹脂
についてX線回折法によって測定した結晶化度は、通常
は0〜10%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは0
〜5%の範囲である。
【0072】なお、軟化温度(TMA)は、デュポン社
製 Thermo Mechanical Analyser を用いて厚さ1mmの
シートの熱変形挙動により測定した。即ち、シート上に
石英製針をのせ、この石英製針に荷重49gをかけ、5
℃/分の速度で昇温して、針がシートに0.635mm
侵入したときの温度をTMAとした。
【0073】本発明では、上記のような環状オレフィン
系ランダム共重合体[A]、開環(共)重合体[B]お
よび開環(共)重合体の水添物[C]、さらに、これら
の変性物を、単独で、あるいは組み合わせて使用するこ
とができる。
【0074】なお、本発明では、上記のような環状オレ
フィン系樹脂に、軟化温度(TMA)が70℃未満であ
る他の環状オレフィン系樹脂を配合して用いてもよい。
ただし、こうして混合された環状オレフィン系樹脂(組
成物)の軟化温度(TMA)は70℃以上であることが
必要である。
【0075】ポリオレフィン系樹脂 ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリ-4-メチル-1-ペンテ
ンなどの他に、エチレンと少量の他のα-オレフィン、
例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オ
クテン、4-メチル-1-ペンテンなどとの共重合体であ
ってもよい。
【0076】金属または金属酸化物 金属としては、Al、Ag、Au、Cu、Rh,Mo、
Pd、Ti、Se−Te、Cr、Zn、W、Co、N
i、Feなどが挙げれるが、好ましくはAlが用いられ
る。
【0077】金属酸化物としては、In23、Sn
2、SiXYなどが挙げられる。金属酸化物が前記環
状オレフィン系樹脂上に積層された金属・環状オレフィ
ン系樹脂積層体は、例えば透明電極あるいは、透明高ガ
スバリヤー材として好適に用いられる。
【0078】[金属・環状オレフィン系樹脂積層体の製
造]次に、本発明に係る金属・環状オレフィン系樹脂積
層体の製造方法について説明する。
【0079】本発明に係る金属・環状オレフィン系樹脂
積層体の第1の製造方法では、上記[A]、[B]およ
び[C]よりなる群から選ばれる環状オレフィン系樹脂
を溶融してフィルムあるいはシート状に成形した後、該
フィルムあるいはシートの表面に、金属または金属酸化
物を蒸着している。
【0080】また、本発明に係る金属・環状オレフィン
系樹脂積層体の第2の製造方法では、上記[A]、
[B]および[C]よりなる群から選ばれる環状オレフ
ィン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを溶融混練してフ
ィルムあるいはシート状に成形した後、上記第1の方法
と同様に該フィルムあるいはシートの表面に、金属また
は金属酸化物を蒸着している。
【0081】該フィルムあるいはシートの表面に、金属
または金属酸化物を蒸着するには、真空蒸着法、スパッ
タ法、イオンプレーティング法などが挙げられるが、真
空蒸着法が安価であり、好ましい。また、この真空蒸着
法を実施する上で、本発明で用いられる環状オレフィン
系樹脂は、吸湿性が低く、揮発分が少ないので、真空蒸
着装置内の真空度を向上させやすく、効率よく金属・環
状オレフィン系樹脂積層体を生産できる。なお、本発明
においては、このような樹脂フィルムあるいは樹脂シー
トの表面に、アンカーコート、ラミネート、コロナ処理
等を施してもよく、このような処理を施すことにより、
上記樹脂と蒸着金属あるいは金属酸化物との密着性を一
層向上させることができる。
【0082】このようにして得られるフィルム状、シー
ト状等の金属・環状オレフィン系樹脂積層体は、熱、光
などにより塩素を遊離することもなければ、吸湿してア
ルカリや酸を遊離することもなく、金属あるいは金属酸
化物からなる金属層(蒸着膜)への悪影響も少なく、耐
久性に優れている。
【0083】蒸着される金属としては、前述したAl、
Ag、Au、Cu、Rh、Mo、Pd、Ti、Se−T
e、Cr、Zn、W、Co、Ni、Feなどが挙げら
れ、Alが好ましく用いられる。蒸着される金属酸化物
としては、前述したIn23、SnO2、SiXYなど
が挙げられる。
【0084】基材となる樹脂フィルムあるいはシートの
成形に際しては、多層Tダイ法、単層Tダイ法、インフ
レーション法などの一般的なフィルムあるいはシートの
成形法を採用すればよく、またフィルムあるいはシート
の厚さは特に限定されない。
【0085】得られた金属蒸着フィルムあるいはシート
は、次いで、必要により他のフィルムとウェットラミ、
ドライラミ、押出しラミなどの一般的な多層化の手法を
用いてさらに多層化してもよい。
【0086】なお、上記のように環状オレフィン系樹脂
を溶融し、あるいは、該環状オレフィン系樹脂とポリオ
レフィン系樹脂とを溶融混練する際には、さらに、従来
から公知のガスバリヤー性を有する上記以外の樹脂の
他、必要に応じ、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止
剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑
剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、有機・無
機充填剤等を配合することもでき、その配合量は適宜選
択し得る。このようなガスバリヤー性樹脂としては、P
ET、o−PET、PA、EVOH、PVDC、LCD
等が挙げられる。
【0087】このようにして得られたフィルム状あるい
はシート状などの金属・環状オレフィン系樹脂積層体
は、電気抵抗が低いなど金属に近い電気磁気特性を有
し、また金属光沢を有するなど金属に近い外観を有し、
防湿性、光線の遮断性、透明性、O2、CO2等のガスに
対するガスバリヤー性に優れ、ガラス、金属などに比べ
て柔軟性に優れ、低比重であり、また金属とポリカーボ
ネート樹脂やアクリル樹脂との積層体に比べて低吸水性
を有し寸法変化が少ない。フィルム状の金属・環状オレ
フィン系樹脂積層体では、さらに、縦横両方向でのひね
り性に優れ、引裂性にも優れている。
【0088】[用途]このような本発明に係る金属・環
状オレフィン系樹脂積層体は、防湿性、ガスバリヤー
性、ひねり性(デッドホールド性)、遮光性、引裂性に
優れ、金属光沢を有しているため、薬品、食品、タバコ
などの日用・雑貨品等の包装用材料として好適に用いる
ことができる。特に錠剤、カプセル剤などの薬剤、米
菓、スナック、クッキー、ポテトチップなどの食品、タ
バコ、ティーバッグなど吸湿しやすく光により変質しや
すい被包装物の包装材料として好適に使用することがで
きる。包装形態としては、上記のバッグの他、パック、
PTP(press through pack)、ブリスターパック、手
ひねり、ラッピング、イージーピールなどのフィルム・
シートが挙げられる。
【0089】また、この金属・環状オレフィン系樹脂積
層体は、装飾関係の分野では、ラベル、ネーミング、ス
タンピング箔、粘着テープ等として、電気関係の分野で
は、振動板、キャパシタ、情報記録媒体等として、光学
関係の分野では、反射ミラー、道路標識等として、建築
関係の分野では、断熱材、遮光材等として用いることが
できる。より具体的には、フィルム状の金属・環状オレ
フィン系樹脂積層体を、ビルディングのガラス面に貼付
すれば、このフィルムは、殆ど吸湿性を有していないた
め、貼付後の寸法変化が少なく、たるみや皺が生じにく
い。このため、特に薄い金属層(例:Al蒸着膜)を有
する金属・環状オレフィン系樹脂積層体は、IR(紫外
線)のみを透過するソーラーコントロールフィルムとし
て好適である。また、このフィルム状の金属・環状オレ
フィン系樹脂積層体は、ハウス等の園芸施設の断熱被覆
材として、あるいは、断熱材用グラスウールの背面材な
ど省エネルギー材料としても好適に用いることができ
る。また、フィルム状の環状オレフィン系樹脂の表面に
Co、Ni、Feなどを主成分とする合金を蒸着してな
るフィルム状の金属・環状オレフィン系樹脂積層体は、
磁気テープとして使用することができる。
【0090】また、フィルム状の環状オレフィン系樹脂
の表面に例えば、In23を蒸着してなる金属・環状オ
レフィン系樹脂積層体は、透明で、防湿性があり、か
つ、低比重、低複屈折率という環状オレフィン系樹脂の
優れた特質を保有しており、従来の透明導電性ガラスに
代えて用いることができる他、電子写真的手法を利用し
た記録材料のベース材料として、あるいは、EL(エレ
クトロルミネセンス)、パネルなど、電気光学素子の透
明電極として、さらには静電記録マスターファイル、電
磁波あるいは静電気の遮蔽体、半導体素子の包装材料、
素子の製造ラインの帯電防止材料などとして使用しても
よい。
【0091】
【発明の効果】本発明に係る金属・環状オレフィン系樹
脂積層体は、金属光沢を有するなど金属に近い外観と、
電気抵抗が小さいなど金属に近い電気磁気特性とを有
し、ガスバリヤー性、光線遮断性に優れ、防湿性、ひね
り性(デッドホールド性)、引裂性など環状オレフィン
系樹脂が本来有する優れた特性を保持している。また、
この金属・環状オレフィン系樹脂積層体は、ポリカーボ
ネート樹脂、アクリル樹脂などの透明樹脂と比較して低
吸水性や複屈折に優れており、また、ガラス、金属など
と比較して柔軟性に優れている。
【0092】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は、これらの実施例により何等限定
されるものではない。
【0093】なお、測定方法は、以下のとおりである。 (1)透湿係数(g・m/m224hr):ASTM F 1249 に
準じて測定した。 (2)光線透過率(%):ASTM D 1003 に準じて
測定した。 (3)ひねり性:フィルム[寸法:縦200mm×幅20
0mm×厚さ50μm]を1回ひねった後、戻りが1/
6回転以下のものを(○)、戻りが1/6回転以上のも
のを(×)と評価する。 (4)引裂性:引裂時に、縦、横いずれの方向にも真直ぐ
に引き裂けるものを(○)、真直ぐに引き裂けないもの
を(×)と評価する。 (5)表面固有抵抗(Ω):JIS K 6915に準じて
測定した。
【0094】
【実施例1】エチレンとテトラシクロドデセンとの共重
合体である環状オレフィンランダム共重合体ペット(T
MA:90℃、極限粘度[η]:0.66dl/g)を
用い、シリンダー径30mmφの押出機を用い、Tダイ
を通して厚さ80μmのフィルムを得た。
【0095】このフィルムにAl蒸着を行った。得られ
たフィルムについて、透湿係数、光線透過率、ひねり
性、引裂性、表面固有抵抗を測定した。結果を表1に示
す。
【0096】
【実施例2】実施例1に示した環状オレフィンランダム
共重合体ペレットに、密度0.97g/cm3、MFR
5.2g/10分(ASTM D 1238 の方法で測定)のHD
PEを20重量%(環状オレフィンランダム共重合体+
HDPE=100重量%)ブレンドし、上記シリンダー
径30mmφの押出機と上記Tダイとを用い、実施例1
と同様にして厚さ80μmのフィルムを得、Al蒸着を
行った。得られたフィルムについて透湿係数、光線透過
率、ひねり性、引裂性、表面固有抵抗を測定した。
【0097】結果を表1に示す。
【0098】
【比較例1】実施例1において、Al蒸着しなかった以
外は、実施例1と同様にしてフィルムを得た。得られた
フィルムについて、透湿係数、光線透過率、ひねり性、
引裂性、表面固有抵抗を測定した。
【0099】結果を表1に示す。
【0100】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/08 LCL 65/00 LNY C23C 14/08 N 8939−4K 14/20 A 8939−4K

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記[A]、[B]および[C]よりなる
    群から選ばれる環状オレフィン系樹脂層と、金属または
    金属酸化物層とからなる金属・環状オレフィン系樹脂積
    層体; [A](a)エチレンと、(b)下記式[I]または[I
    I]で表される環状オレフィンとの共重合体であり、か
    つ軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフィ
    ン系ランダム共重合体; [B](b)下記式[I]または[II]で表される環状
    オレフィンの開環(共)重合体であり、かつ軟化温度
    (TMA)が70℃以上である環状オレフィン開環
    (共)重合体; [C]該開環(共)重合体の水添物であり、かつ軟化温
    度(TMA)が70℃以上である環状オレフィン開環重
    合体水添物; 【化1】 [上記式[I]中、nは0または1であり、mは0また
    は正の整数であり、qは0または1であり、R1 〜R18
    ならびにRa およびRb は、それぞれ独立に、水素原
    子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、R15〜R18
    は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよ
    く、かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよ
    く、またR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキ
    リデン基を形成していてもよい]、 【化2】 [上記式[II]中、pおよびqは0または1以上の整数
    であり、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R
    19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪
    族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基ま
    たはアルコキシ基であり、R9またはR10が結合してい
    る炭素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11
    が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数
    1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、さ
    らに、n=m=0のとき、R15とR12またはR15とR19
    とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成し
    ていてもよい]。
  2. 【請求項2】上記[A]、[B]および[C]よりなる
    群から選ばれる環状オレフィン系樹脂とポリオレフィン
    系樹脂とからなる層と、金属または金属酸化物層とから
    なる金属・環状オレフィン系樹脂積層体。
  3. 【請求項3】上記[A]、[B]および[C]よりなる
    群から選ばれる環状オレフィン系樹脂を溶融してフィル
    ムあるいはシート状に成形した後、該フィルムあるいは
    シートの表面に、金属または金属酸化物を蒸着すること
    を特徴とする金属・環状オレフィン系樹脂積層体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】上記[A]、[B]および[C]よりなる
    群から選ばれる環状オレフィン系樹脂とポリオレフィン
    系樹脂とを溶融混練してフィルムあるいはシートに成形
    した後、該フィルムあるいはシートの表面に、金属また
    は金属酸化物を蒸着することを特徴とする金属・環状オ
    レフィン系樹脂積層体の製造方法。
JP6279603A 1994-11-14 1994-11-14 金属・環状オレフィン系樹脂積層体およびその製造方法 Pending JPH08142263A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6279603A JPH08142263A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 金属・環状オレフィン系樹脂積層体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6279603A JPH08142263A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 金属・環状オレフィン系樹脂積層体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08142263A true JPH08142263A (ja) 1996-06-04

Family

ID=17613293

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6279603A Pending JPH08142263A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 金属・環状オレフィン系樹脂積層体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08142263A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08291225A (ja) * 1995-04-21 1996-11-05 Toyo Seikan Kaisha Ltd ガス遮断性に優れた包装材
JP2001250678A (ja) * 2000-03-08 2001-09-14 Kureha Chem Ind Co Ltd 有機el素子用透明電極板および有機el素子
JP2010055944A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Jsr Corp 導電性積層フィルムおよびそれを用いたタッチパネル

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61281404A (ja) * 1985-06-07 1986-12-11 三井化学株式会社 透明導電性フイルム
JPS62206704A (ja) * 1986-03-05 1987-09-11 三井化学株式会社 導電性複合材料
JPH0499165A (ja) * 1990-08-07 1992-03-31 Oike Ind Co Ltd ハイバリヤー性透明フイルム
JPH04370121A (ja) * 1991-06-17 1992-12-22 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 透明導電性複合材料
JPH0680792A (ja) * 1992-05-14 1994-03-22 Mitsui Petrochem Ind Ltd Ptpまたはブリスターパック包装用シートまたはフィルム、包装体、およびその形成方法
JPH06226935A (ja) * 1993-01-29 1994-08-16 Mitsui Petrochem Ind Ltd ポリオレフィン系多層シートまたはフィルム、および用途
JPH06226934A (ja) * 1993-01-29 1994-08-16 Mitsui Petrochem Ind Ltd ポリオレフィン系多層シートまたはフィルム、および用途
JPH06238805A (ja) * 1993-02-18 1994-08-30 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 透明プラスチック成形品
JPH06306256A (ja) * 1993-02-26 1994-11-01 Mitsui Petrochem Ind Ltd オレフィン系樹脂組成物およびその製造方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61281404A (ja) * 1985-06-07 1986-12-11 三井化学株式会社 透明導電性フイルム
JPS62206704A (ja) * 1986-03-05 1987-09-11 三井化学株式会社 導電性複合材料
JPH0499165A (ja) * 1990-08-07 1992-03-31 Oike Ind Co Ltd ハイバリヤー性透明フイルム
JPH04370121A (ja) * 1991-06-17 1992-12-22 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 透明導電性複合材料
JPH0680792A (ja) * 1992-05-14 1994-03-22 Mitsui Petrochem Ind Ltd Ptpまたはブリスターパック包装用シートまたはフィルム、包装体、およびその形成方法
JPH06226935A (ja) * 1993-01-29 1994-08-16 Mitsui Petrochem Ind Ltd ポリオレフィン系多層シートまたはフィルム、および用途
JPH06226934A (ja) * 1993-01-29 1994-08-16 Mitsui Petrochem Ind Ltd ポリオレフィン系多層シートまたはフィルム、および用途
JPH06238805A (ja) * 1993-02-18 1994-08-30 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 透明プラスチック成形品
JPH06306256A (ja) * 1993-02-26 1994-11-01 Mitsui Petrochem Ind Ltd オレフィン系樹脂組成物およびその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08291225A (ja) * 1995-04-21 1996-11-05 Toyo Seikan Kaisha Ltd ガス遮断性に優れた包装材
JP2001250678A (ja) * 2000-03-08 2001-09-14 Kureha Chem Ind Co Ltd 有機el素子用透明電極板および有機el素子
JP4531913B2 (ja) * 2000-03-08 2010-08-25 株式会社クレハ 有機el素子用透明電極板および有機el素子
JP2010055944A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Jsr Corp 導電性積層フィルムおよびそれを用いたタッチパネル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100302552B1 (ko) 폴리올레핀계다층적층체및용도
US6165573A (en) Multi-layer laminates and uses thereof
JPH0872210A (ja) ポリオレフィン系多層積層体および用途
US6709761B2 (en) Molded object of thermoplastic resin and composition
JP4658646B2 (ja) 太陽電池モジュール用保護シートおよび太陽電池モジュール。
JP3055353B2 (ja) Ptpまたはブリスターパック包装用シートまたはフィルム、包装体、およびその形成方法
JP3608986B2 (ja) シュリンクフィルム用ポリオレフィン樹脂組成物およびそのシュリンクフィルム
JPH08332701A (ja) 保香性包装材および容器
JP3787478B2 (ja) 積層体
JPH1034845A (ja) 積層フィルムおよび包装材
JP4878668B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物およびその成形体
JP3250292B2 (ja) ポリオレフィン系多層シートまたはフィルム、および用途
JPH08142263A (ja) 金属・環状オレフィン系樹脂積層体およびその製造方法
JP2000246838A (ja) 耐熱性の容器または包装材
JP3942737B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂積層体
JP2987792B2 (ja) ポリオレフィン系多層シートまたはフィルム、および用途
JP3456490B2 (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物よりなるシート状体
JPH08134800A (ja) 環状オレフィン系樹脂積層紙
JP2001064321A (ja) 硬化性樹脂用保存容器
JP2000017088A (ja) 易打ち抜き開封性包装材料
JPH08165357A (ja) 熱収縮性シートまたはフィルム
JP2001026693A (ja) 環状オレフィン系樹脂組成物および成形体
JP4582860B2 (ja) 熱収縮フィルム
JP4359114B2 (ja) 熱収縮性フィルム
JPH08142289A (ja) 環状オレフィン系樹脂層を有する多層圧延シート

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040331