JP4878668B2 - 環状オレフィン系樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

環状オレフィン系樹脂組成物およびその成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、容器、包装材に適した環状オレフィン系樹脂積層体に関し、さらに詳しくは、高温で処理されるレトルトや高温滅菌の必要な用途に適した積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
環状オレフィン系樹脂は、透明性、防湿性に優れているが、耐油性、ヒートシールの困難さなどが問題となる場合がある。これらの問題を解決するためには、耐油性、ヒートシール性に優れたポリオレフィン系樹脂層を環状オレフィン系樹脂層に積層する方法が本出願人により開示されている。(特開平8−72210号)。しかし、このような積層体は、初期の層間接着性は優れているものの、煮沸滅菌、レトルト、スチーム滅菌などで成形体が高温に曝された後では、層間が剥離しやすくなることがあり改良が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高温での滅菌処理、保温などで層間剥離強度が低下しにくく、防湿性、透明性、柔軟性、手切れ性、ヒートシール性およびデッドホールド性などに優れた環状オレフィン系樹脂積層体、特に耐熱性の容器または包装材の用途に適した積層体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に関わる環状オレフィン系樹脂組成物は、
【0005】
(a−1)下記式(1)または(2)で表される環状オレフィンと炭素原子数が2〜20のα-オレフィンとの共重合体からなるα-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体、
(a−2)下記式(1)または(2)で表される環状オレフィンの開環(共)重合体もしくはその水素添加物、および
(a−3)前記α-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体(a−1)または環状オレフィンの開環(共)重合体もしくはその水素添加物(a−2)のグラフト変性物
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン系樹脂(A1)、
または
該環状オレフィン系樹脂(A1)と(b)ポリオレフィンとからなる樹脂組成物(A2)と、
(B):エチレン含有量が40〜95モル%のオレフィン系エラストマーであるガラス転移温度が0℃以下の低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)およびエチレンの単独重合体またはエチレン含有量が60モル%以上のエチレンと他のα-オレフィンとの共重合体である結晶性ポリオレフィン樹脂(b’)から選ばれる少なくとも一種の樹脂99〜50重量%と、結晶化度40%以下でガラス転移温度が50℃以上の前記環状オレフィン系樹脂(A1)である低結晶性乃至非晶性重合体(d)1〜50重量%の組成物から形成された第2の層との少なくとも2層が積層されてなる積層体である。
【0006】
【化3】
Figure 0004878668
(式 (1)において、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基を表し、R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつこの単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。ここでqが0の場合には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。)
【0007】
【化4】
Figure 0004878668
(式(2)において、mは0または正の整数であり、hは0または正の整数であり、jおよびkは0、1または2であり、R7〜R15およびR17〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基を表し、R19〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる原子または基を表す。)
【0008】
また、本発明においては、積層体の(B)層を構成する、結晶化度40%以下でガラス転移温度が50℃以上の低結晶性乃至非晶性樹脂(d)が環状オレフィン系樹脂(A1)である
【0009】
また、本発明によれば、50℃以上の温度で処理される用途に用いられうる環状オレフィン系樹脂積層体が提供される。
さらにまた、本発明では、容器または包装材として使用されうる積層体、およびその容器または包装材を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係わる環状オレフィン系樹脂積層体およびその用途について具体的に説明する。
本発明に係わる環状オレフィン系樹脂積層体は、(A)環状オレフィン系樹脂またはそれよりなる組成物層と(B):低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)および結晶性ポリオレフィン樹脂(b’)から選ばれる少なくとも一種の樹脂99〜50重量%と、結晶化度40%以下でガラス転移温度が50℃以上の低結晶性乃至非晶性重合体(d)1〜50重量%の組成物から形成された第2の層との少なくとも2層が積層されいる。
【0011】
(A)環状オレフィン系樹脂(A1)、および環状オレフィン系樹脂(A1)とポリオレフィンよりなる樹脂組成物(A2)
最初に、環状オレフィン系樹脂(A1)、およびこの環状オレフィン系樹脂とポリオレフィンとからなる樹脂組成物(A2)について説明する。
【0012】
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂(A1)としては、
(a−1)炭素原子数が2〜20のα-オレフィンと前記式(1)または(2)で表される環状オレフィンとのランダム共重合体、
(a−2)式(1)または(2)で表される環状オレフィンの開環(共)重合体またはその水素化物、あるいは
(a−3)上記(a−1)または(a−2)のグラフト変性物
から選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。
【0013】
本発明で好ましく用いられる環状オレフィン系樹脂(A1)は、サーマル・メカニカル・アナライザーで測定した軟化温度(TMA)が、通常は60℃以上であり、好ましくは70〜210℃、さらに好ましくは80〜180℃である。なお軟化温度(TMA)は、シート上に直径1.0mmの石英製針を載せ、荷重49gをかけ、5℃/分の速度で昇温させたときに、針がシートに0.635mm侵入した温度である。
【0014】
本発明の環状オレフィン系樹脂(A1)の135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、通常は0.01〜10dl/gであり、好ましくは0.05〜2.0dl/g、さらに好ましくは0.4〜1.2dl/gである。
また環状オレフィン系樹脂(A1)の、ガラス転移温度(Tg)は、通常50℃以上、好ましくは60〜200℃であり、X線回折法によって測定した結晶化度は、通常0〜20%、好ましくは0〜2%である。
【0015】
ここで、前記炭素原子数が2〜20のα-オレフィンについて説明する。α-オレフィンとしては、直鎖状でも分岐状でもよく、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの炭素原子数が2〜20の直鎖状α-オレフィン;3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセンなどの炭素原子数が4〜20の分岐状α-オレフィンなどが挙げられる。これらのなかでは、炭素原子数が2〜8の直鎖状α-オレフィンが好ましく、炭素原子数が2〜4の直鎖状α-オレフィンがより好ましい。なかでもエチレンが特に好ましい。
【0016】
次に、上記した環状オレフィンについて説明する。
本発明の環状オレフィンは、前記式(1)または(2)で表される化合物である。
【0017】
前記式(1)において、nは0または1であり、mは0または正の整数である。
また、R1〜R18ならびにRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基を表す。
ここで、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。
【0018】
炭化水素基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基および炭素数6〜20の芳香族炭化水素基などを挙げることができる。
【0019】
より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基などを挙げることができ、ハロゲン化アルキル基としては、上記のようなアルキル基を形成している水素原子の少なくとも一部がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換された基を挙げることができ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基などを挙げることができ、芳香族炭化水素基としては、フェニル基およびナフチル基などを挙げることができる。
【0020】
さらに前記式(1)において、R15とR16とが、R17とR18とが、R15とR17とが、R16とR18とが、R15とR18とが、あるいはR16とR17とがそれぞれ結合して(互いに共同して)、単環または多環を形成していてもよく、しかもこのようにして形成された単環または多環が二重結合を有していてもよい。ここで形成される単環または多環としては、具体的に以下のようなものを挙げることができる。
【0021】
【化5】
Figure 0004878668
【0022】
上記例示において、1または2の番号を付した炭素原子は、式(1)においてそれぞれR15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子を表す。また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例としては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン基などを挙げることができる。
【0023】
前記式(1)の中で好ましい環状オレフィンとして、下記式(1−1)で表される環状オレフィンを挙げることができる。
【化6】
Figure 0004878668
上記式(1−1)において、n、m、R1〜R18は式(1)と同じ意味を表す。
【0024】
前記式(2)において、mは0または正の整数であり、hは0または正の整数であり、jおよびkは0、1または2である。また、R7〜R15およびR17〜R18は式(1)と同じものを表す。さらに、R19〜R27はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる原子または基を表す。
【0025】
ここでハロゲン原子は、前記式(1)におけるハロゲン原子と同じである。
また式(2)のR19〜R27の炭化水素基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基および炭素原子数6〜20の芳香族炭化水素基などを挙げることができる。
【0026】
より具体的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基などを挙げることができ、ハロゲン化アルキル基としては、上記のようなアルキル基を形成している水素原子の少なくとも一部がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換された基を挙げることができる。
【0027】
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基などを挙げることができ、
芳香族炭化水素基としては、アリール基およびアラルキル基などを挙げることができ、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基およびフェニルエチル基などを挙げることができる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基などを挙げることができる。
【0028】
ここで、R17およびR18が結合している炭素原子と、R21が結合している炭素原子またはR19が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわち、上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、R17およびR21で表される基が、または、R18およびR19で表される基が互いに共同して、メチレン基(−CH2−)、エチレン基(−CH2CH2−)またはトリメチレン基(−CH2CH2CH2−)の内のいずれかのアルキレン基を形成している。
【0029】
さらに、j=k=0のとき、R23とR20またはR23とR27とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多環の芳香族環の例としては、j=k=0のときR23とR20がさらに芳香族環を形成している以下に記載する基などを挙げることができる。
【化7】
Figure 0004878668
上記式において、hは式(2)におけるhと同じ意味を表す。
【0030】
上記のような式(1)または(2)で表される環状オレフィンとしては、具体的には、
ビシクロ[2.2.1)ヘプト-2-エン誘導体、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン誘導体、
ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセン誘導体、
オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ドコセン誘導体、
ペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサデセン誘導体、
ヘプタシクロ-5-エイコセン誘導体、
ヘプタシクロ-5-ヘンエイコセン誘導体、
トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体、
トリシクロ[4.4.0.12,5]-3-ウンデセン誘導体、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセン誘導体、
ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、
ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ペンタデセン誘導体、
ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]-4-エイコセン誘導体、
ノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.03,8.02,10.012,21.014,19]-5-ペンタコセン誘導体、
ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ヘキサデセン誘導体、
ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセン誘導体、
ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]-5-ヘキサコセン誘導体、
1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン誘導体、
1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアントラセン誘導体、および
シクロペンタジエン-アセナフチレン付加物などを挙げることができる。
【0031】
以下に前記のような式(1)または(2)で表される環状オレフィンのより具体的な例を示す。
【0032】
【化8】
Figure 0004878668
などのビシクロ[2.2.1]ヘプトー2―エン誘導体;
【0033】
【化9】
Figure 0004878668
【0034】
【化10】
Figure 0004878668
【0035】
【化11】
Figure 0004878668
【0036】
【化12】
Figure 0004878668
【0037】
【化13】
Figure 0004878668
などのテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン誘導体;
【0038】
【化14】
Figure 0004878668
などのヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]−4−ヘプタデセン誘導体;
【0039】
【化15】
Figure 0004878668
などのオクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ドコセン誘導体;
【0040】
【化16】
Figure 0004878668
などのペンタシクロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン誘導体;
【0041】
【化17】
Figure 0004878668
などのヘプタシクロ−5−エイコセン誘導体またはヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体;
【0042】
【化18】
Figure 0004878668
などのトリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン誘導体;
【0043】
【化19】
Figure 0004878668
などのトリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン誘導体;
【0044】
【化20】
Figure 0004878668
などのペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン誘導体;
【0045】
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデカジエン
【化21】
Figure 0004878668
などのジエン誘導体;
【0046】
【化22】
Figure 0004878668
などのペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセン誘導体;
【0047】
【化23】
Figure 0004878668
などのヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン誘導体;
【0048】
【化24】
Figure 0004878668
などのノナシクロ[10.9.1.14,7.113,20.115,18.03,8.02,10.012,21.014,19]−5−ペンタコセン誘導体;
【0049】
【化25】
Figure 0004878668
などのペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン誘導体;
【0050】
【化26】
Figure 0004878668
などのヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン誘導体;
【0051】
ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]―6―ヘキサコセン
【化27】
Figure 0004878668
などのノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]―6―ヘキサコセン誘導体;
【0052】
そしてさらには、
【化28】
Figure 0004878668
【0053】
【化29】
Figure 0004878668
【0054】
【化30】
Figure 0004878668
【0055】
【化31】
Figure 0004878668
【0056】
【化32】
Figure 0004878668
【0057】
上記のような式 (1)または (2)で表される環状オレフィンは、シクロペンタジエン類と対応する構造を有するオレフィン類とのディールス・アルダー反応により製造することができる。
これらの環状オレフィンは、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0058】
本発明で用いられる(a−1)〜(a−3)の環状オレフィン系樹脂は、上記のような式 (1)または (2)で表される環状オレフィンを用いて、例えば特開昭60−168708号公報、特開昭61−120816号公報、特開昭61−115912号公報、特開昭61−115916号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭61−272216号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報、特開昭64−106号公報、特開平1−156308号公報および特開平1−197511号公報などに記載された方法に従い、適宜条件を選択することにより製造することができる。
【0059】
(a−1)α - オレフィンエチレン・環状オレフィンランダム共重合体
本発明の(a−1)α-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体は、通常、α-オレフィンから誘導される構成単位を30〜90モル%、好ましくは40〜80モル%の量で、環状オレフィンから誘導される構成単位を10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%の量で含有している。
なお、α-オレフィン組成および環状オレフィン組成は13C−NMRによって測定される。
【0060】
本発明における(a−1)α-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体として特に好ましく使用されるのは、エチレンから誘導される構成単位と、前記した環状オレフィンから誘導される構成単位とからなるエチレン・環状オレフィンランダム共重合体である。
【0061】
(a−1)α-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体においては、上記のような炭素原子数が2〜20のα-オレフィンから誘導される構成単位と環状オレフィンから誘導される構成単位とが、ランダムに配列して結合し、実質的に線状構造を有していることが好ましい。この共重合体が実質的に線状であって、実質的にゲル状架橋構造を有していないことは、この共重合体が有機溶媒に溶解し、不溶分を含まないことにより確認することができる。たとえば後述するようにして極限粘度[η]を測定する際に、この共重合体が135℃、デカリンに完全に溶解することにより確認することができる。
【0062】
本発明で用いられる(a−1)α-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体において、前記式 (1)または (2)で表される環状オレフィンから誘導される構成単位の少なくとも一部は、それぞれ下記構造式 (1−a)または (2−a)で示される構造を有していると考えられる。また、式 (1−1)で表される環状オレフィンの少なくとも一部は下記構造式 (1−1−a)で表される構造を有していると考えられる。
【0063】
【化33】
Figure 0004878668
上記式 (1−a)、 (1−1−a)において、n、m、q、R1〜R18ならびにRa、Rbは式 (1)と同じものを表す。式 (2−a)において、m、h、j、k、R7〜R15およびR17〜R27は式 (2)と同じ意味を表す。
【0064】
また本発明で用いられる(a−1)α-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて他の共重合可能なモノマーから誘導される構成単位を含有していてもよい。
このような他のモノマーとしては、上記のような炭素原子数が2〜20のα-オレフィンまたは環状オレフィン以外のオレフィンや、ノルボルネン類、非共役ジエン類などを挙げることができる。
【0065】
具体的には、
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4-ジメチルシクロペンテン、3-メチルシクロヘキセン、2-(2-メチルブチル)-1-シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンなどのシクロオレフィン;
2-ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-イソプロピル-2-ノルボルネン、5-n-ブチル-2-ノルボルネン、5-イソブチル-2-ノルボルネン、5,6-ジメチル-2-ノルボルネン、5-クロロ-2-ノルボルネン、5-フルオロ-2-ノルボルネンなどのノルボルネン類;
1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネンなどの非共役ジエン類;
等を挙げることができる。
【0066】
これらの他のモノマーは、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
(a−1)炭素原子数が2〜20のα-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体において、上記のような他のモノマーから誘導される構成単位は、通常20モル%以下、好ましくは10モル%以下の量で含有されていてもよい。
【0067】
本発明で用いられる(a−1)α-オレフィンエチレン・環状オレフィンランダム共重合体は、炭素原子数が2〜20のα-オレフィンと式 (1)または (2)で表される環状オレフィンとを用いて、前記公報に開示された製造方法により製造することができる。これらのうちでも、この共重合を炭化水素溶媒中で行い、触媒としてこの炭化水素溶媒に可溶性のバナジウム化合物および有機アルミニウム化合物から形成されるバナジウム系触媒、チタン化合物および有機アルミニウム化合物から形成されるチタン系触媒、または少なくとも2個の共役シクロアルカジエニル基が低級アルキレン基を介して結合した多座配位性化合物を配位子とするジルコニウム錯体およびアルミノオキサンから形成されるジルコニウム系触媒を用いて(a−1)α-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体を製造することが好ましい。
【0068】
(a−2)環状オレフィンの開環(共)重合体もしくはその水素添加物
本発明で用いられる(a−2)における環状オレフィンの開環(共)重合体は、前記式 (1)または (2)で表される環状オレフィンから誘導される構成単位からなり、この構成単位の少なくとも一部は、下記式 (1−b)または (2−b)で表される構造を有していると考えられる。また、式 (1−1)で表される環状オレフィンの少なくとも一部は次式 (1−1−b)で表される構造を有していると考えられる。
【0069】
【化34】
Figure 0004878668
上記式 (1−b)、 (1−1−b)において、n、m、q、R1〜R18ならびにRa、Rbは式 (1)と同じものを表す。式 (2−b)において、m、h、j、k、R7〜R15およびR17〜R27は式 (2)と同じものを表す。
【0070】
上記環状オレフィン系開環(共)重合体は、前記環状オレフィンを必須成分とするものであるが、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよい。任意に共重合されていてもよい不飽和単量体としては、例えば下記式 (3)で表される環状オレフィンなどを挙げることができる。
【0071】
【化35】
Figure 0004878668
上記式 (3)中、R28およびR29は、水素原子、炭化水素基またはハロゲン原子であって、それぞれ同一でも異なっていてもよい。また、tは2以上の整数であって、R28およびR29が複数回繰り返される場合には、これらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0072】
前記式 (3)で示されるモノマー成分としては、例えばシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、メチルシクロペンテン、メチルシクロヘキセン、メチルシクロヘプテン、メチルシクロオクテン、メチルシクロノネン、メチルシクロデセン、エチルシクロペンテン、エチルシクロブテン、エチルシクロオクテン、ジメチルシクロペンテン、ジメチルシクロヘキセン、ジメチルシクロヘプテン、ジメチルシクロオクテン、トリメチルシクロデセン、2-(2-メチルブチル)-1-シクロヘキセンなどを挙げることができる。
【0073】
前記式 (3)以外に任意に共重合されてもよい不飽和単量体としては、具体的には2,3,3a,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン等の環状オレフィンを挙げることができる。
このような任意に共重合されてもよい不飽和単量体は単独で、または組合せて使用することができ、通常、環状オレフィン系開環(共)重合体(a−2)100モル%に対して50モル%未満の量で用いられる。
【0074】
このような開環(共)重合体は、前記公報に開示された製造方法により製造することができる。具体的には、前記式 (1)または (2)で表される環状オレフィンを開環重合触媒の存在下に、重合または共重合させることにより製造することができる。このような開環重合触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムまたは白金などから選ばれる金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、パラジウム、ジルコニウムまたはモリブテンなどから選ばれる金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
【0075】
本発明で用いられる(a−2)における開環(共)重合体の水素化物は、上記のようにして得られる(a−2)開環(共)重合体を、従来公知の水素添加触媒の存在下に水素化して得られる。
この開環(共)重合体の水素化物において、式 (1)または (2)で表される環状オレフィンから誘導される構成単位のうち、少なくとも一部は下記式 (1−c)または (2−c)で表される構造を有していると考えられる。また、式 (1−1)で表される環状オレフィンの少なくとも一部は、次式 (1−1−c)で表される構造を有していると考えられる。
【0076】
【化36】
Figure 0004878668
上記式 (1−c)、 (1−1−c)において、n、m、q、R1〜R18ならびにRa、Rbは式 (1)と同じものを表す。式 (2−c)において、m、h、j、k、R7〜R15およびR17〜R27は式 (2)と同じものを表す。
【0077】
(a−3)上記(a−1)または(a−2)のグラフト変性物
本発明で用いられる(a−3)のグラフト変性物は、上記のような(a−1)α-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体、または(a−2)環状オレフィンの開環(共)重合体もしくはその水素化物の一部を、変性剤でグラフト変性して得られる。
【0078】
変性剤としては、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、これらの酸無水物または不飽和カルボン酸のアルキルエステル等の誘導体などを挙げることができる。
本発明で用いられる(a−3)グラフト変性物において、変性剤から誘導される構成単位の含有率は、通常10モル%以下である。
【0079】
このような(a−3)グラフト変性物は、所望の変性率になるように、(a−1)α-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体または(a−2)環状オレフィンの開環(共)重合体もしくはその水素化物に、変性剤を配合してグラフト重合させ製造することもできるし、予め高変性率の変性物を調製し、次いでこの変性物と未変性の環状オレフィン系樹脂とを混合することによっても製造できる。
【0080】
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂(A1)は、上記のような(a−1)、(a−2)および(a−3)からなる群から選ばれ、これらを2種以上組み合わせたものであってもよい。
本発明では、環状オレフィン系樹脂(A1)として、これらのうちでも(a−1)α-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体が好ましく用いられる。
【0081】
次に、本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂(A1)とポリオレフィン(b)とからなる環状オレフィン系樹脂組成物(A2)について説明する。
環状オレフィン系樹脂組成物(A2)を構成する環状オレフィン系樹脂(A1)については、前述したとおりである。
【0082】
(b)ポリオレフィン
本発明で用いられる(b)ポリオレフィンとしては、通常は炭素数2〜20のα-オレフィンの(共)重合体が使用される。
具体的にはこの炭素数2〜20のα-オレフィンの例としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイコセンなどを挙げることができる。
【0083】
本発明で使用される(b)ポリオレフィンは、上記のようなα-オレフィンの単独重合体であってもよいし、また2種以上のα-オレフィンの共重合体であってもよい。
さらに、この(b)ポリオレフィンには、このポリオレフィンの特性を損なわない範囲内で、この上記のようなα-オレフィンに、ノルボルネン類、非共役ジエン類などの他の単量体が共重合していてもよい。
【0084】
こうした他の単量体の例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4-ジメチルシクロペンテン、3-メチルシクロヘキセン、2-(2-メチルブチル)-1-シクロヘキセン、シクロオクテンおよび3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンなどのシクロオレフィン;
2-ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-イソプロピル-2-ノルボルネン、5-n-ブチル-2-ノルボルネン、5-イソブチル-2-ノルボルネン、5,6-ジメチル-2-ノルボルネン、5-クロロ-2-ノルボルネンおよび5-フルオロ-2-ノルボルネンなどのノルボルネン類;
1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネンおよび5-ビニル-2-ノルボルネンなどの非共役ジエン類;
等を挙げることができる。
これらの他のモノマーは、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0085】
特に本発明では、この(b)ポリオレフィンが、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンであることが好ましい。
(b)ポリオレフィンがポリエチレンである場合に、このポリエチレンはエチレンの単独重合体であってもよいし、エチレンと他のα-オレフィンとの共重合体であってもよい。
【0086】
上記ポリオレフィンは、結晶化度に関しては、高度の結晶性を有するものから、低結晶性のもの、さらには非晶質のものまで幅広く得ることができので、使用目的に応じて必要な結晶性のものを選択することができる。
【0087】
(b)ポリオレフィンが、例えば、ポリエチレンである場合、エチレンの単独重合体、またはエチレン含有量が60モル%以上、好ましくは70モル%以上のエチレンと他のα-オレフィンとの共重合体であって、密度が0.830g/cm3以上、好ましくは0.87〜0.94g/cm3、190℃のメルトフローレートが0.01〜100g/10分、好ましくは0.03〜50g/10分、ビカット軟化点が50〜140℃、好ましくは80〜130℃の範囲にあるものを使用するのが望ましい。
【0088】
エチレンと共重合する他のα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセンなどの炭素数3〜14、好ましくは3〜10のものを挙げることができる。
【0089】
また、(b)ポリオレフィンが、例えば、ポリプロピレンである場合に、このポリプロピレンはプロピレンの単独重合体であってもよいし、プロピレンと他のα-オレフィンとの共重合体であってもよい。
(b)ポリオレフィンがポリプロピレンである場合、プロピレンの単独重合体、またはプロピレン含有量が70モル%以上、好ましくは80モル%以上のポリプロピレンと他のα-オレフィンとの共重合体であって、密度が0.85g/cm3以上、好ましくは0.89〜0.91g/cm3、230℃のメルトフローレートが0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分、ビカット軟化点が100〜170℃、好ましくは110〜160℃の範囲にあるものを使用するのが望ましい。
【0090】
プロピレンと共重合する他のα-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセンなどの炭素数2〜14(プロピレンを除く)、好ましくは2〜10(プロピレンを除く)のものを挙げることができる。
【0091】
また、(b)ポリオレフィンはグラフト変性物であってもよい。ここで使用される変性剤としては、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、これらの酸無水物または不飽和カルボン酸のアルキルエステル等の誘導体などを挙げることができる。
(b)ポリオレフィンがグラフト変性物である場合に、このポリオレフィン(b)中における変性剤から誘導される構成単位の含有率は、通常10モル%以下である。
【0092】
このようなグラフト変性物は、所望の変性率になるようにポリオレフィンに変性剤を配合してグラフト重合させ製造することもできるし、予め高変性率の変性物を調製し、次いでこの変性物と未変性のポリオレフィンとを混合することにより製造することもできる。
【0093】
樹脂組成物(A2)中に占める環状オレフィン系樹脂(A1)の割合は、通常50重量%以上、好ましくは60〜99重量%、ポリオレフィン(b)の割合は、通常50重量%未満、好ましくは1〜40重量%とするのが望ましい。
【0094】
本発明で用いられる(A)環状オレフィン系樹脂または環状オレフィン系樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、前記(a−1)〜(a−3)および(b)以外の他の成分として、衝撃強度を向上させるためのゴム成分を配合したり、他の樹脂成分、耐熱安定剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、核剤、滑剤、特定波長の光だけを吸収する染料、顔料、天然油、合成油、ワックスまたは可透光性の充填剤などを配合することができる。
これらの他の成分の配合量は、環状オレフィン系樹脂(A1)および他の成分の合計量、または環状オレフィン系樹脂(A1)、ポリオレフィン(b)および他の成分の合計量に占める割合で、通常50重量%未満とするのが望ましい。
【0095】
例えば任意成分として配合される安定剤として具体的には、テトラキス[メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2'-オキサミドビス[エチル-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のフェノール系酸化防止剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12ーヒドロキシステアリン酸カルシウム等の脂肪酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;多価アルコールの脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
【0096】
これらは単独で配合してもよく、例えばテトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンとステアリン酸亜鉛およびグリセリンモノステアレートとの組合せのように組み合わせて使用することもできる。
【0097】
本発明では特に、フェノール系酸化防止剤と多価アルコールの脂肪酸エステルとを組合せて用いることが好ましく、このような多価アルコールの脂肪酸エステルとしては3価以上の多価アルコールのアルコール性水酸基の一部がエステル化された多価アルコール脂肪酸エステルを挙げることができる。
【0098】
このような多価アルコールの脂肪酸エステルとしては、具体的にはグリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジステアレート、グリセリンジラウレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ペンタエリスリトールモノステアレート(pentaerythritol mono stearate)、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等のペンタエリスリトールの脂肪酸エステルなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、相互間で組合せて用いてもよい。
【0099】
フェノール系酸化防止剤は、必須成分の合計100重量%に対して10重量%未満、好ましくは5重%部未満、さらに好ましくは2重量%未満の割合で用いるのが望ましい。また多価アルコールの脂肪酸エステルは、必須成分の合計100重量%に対して10重量%未満、好ましくは5重量%未満の割合で用いるのが望ましい。
【0100】
環状オレフィン系樹脂(A1)とポリオレフィン(b)とから樹脂組成物(A2)を製造するには公知の混合方法が採用でき、例えば、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合する方法、混合後さらに一軸押出機、二軸押出機、ニーダー等により溶融混練した後、造粒あるいは粉砕する方法などを挙げることができる。
【0101】
(B)ガラス転移温度が0℃以下の低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)および結晶性ポリオレフィン(b′)から選ばれる少なくとも一種の樹脂と、ガラス転移温度50℃以上の低結晶性乃至非晶性重合体(d)よりなる組成物
次に本発明の積層体の第2の層の形成材料であるガラス転移温度が0℃以下の低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)および結晶性ポリオレフィン(b′)から選ばれる少なくとも一種の樹脂と、ガラス転移温度50℃以上の低結晶性乃至非晶性重合体(d)よりなる組成物について説明する。
【0102】
ガラス転移温度が0℃以下の低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)および結晶性ポリオレフィン(b′)から選ばれる少なくとも一種の樹脂とは、低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)およびポリオレフィン(b′)がそれぞれ単独で用いられてもよいが、低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)およびポリオレフィン(b′)の両方が用いられてもよいことを意味し、低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)および/またはポリオレフィン(b′)が用いられることである。
したがって、低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)とポリオレフィン(b′)が用いられる割合は、低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)0〜100重量部とポリオレフィン(b‘)が100〜0重量部である。
【0103】
(c)ガラス転移温度が0℃以下の低結晶性乃至非晶性軟質重合体
本発明で使用されるガラス転移温度が0℃以下の低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)としては、JIS A硬度が100以下の軟質熱可塑性樹脂が好ましい。具体的な例としては、例えばオレフィン系エラストマー、スチレン系共重合体、その他の軟質重合体を上げることができる。 本発明の低結晶性乃至非晶性軟質重合体の結晶化度は、40%以下であることが好ましい。
【0104】
オレフィン系エラストマーとしては、エチレン・プロピレンゴム(EPR)、エチレン・ブテンゴム(EBR)等のエチレン・α−オレフィン共重合体、あるいはプロピレン・ブテンゴム(PBR)等のプロピレン・α―オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン(EPDM)、エチレン・ブテン・ジエン(EBDM)等のエチレン・α−オレフィン・ジエン三元共重合体、エチレンとプロピレンとトリエンなどのポリエンとの三元共重合体などを挙げることができる。スチレン系共重合体としては(スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEBS),スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)などを上げることができる。
【0105】
その他の軟質重合体としては、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、スチレン・ブタジエンゴムなどが挙げられる。
これらの中でもオレフィン系エラストマーのEPR、EBR、EPDMなどが特に好ましく用いられる。
【0106】
そのほか、前記ポリオレフィン(b)で記載した重合体で、ガラス転移温度が0℃以下の低結晶性乃至非晶性軟質重合体であるものも、上記成分(c)として使用することができる。
【0107】
オレフィン系エラストマーのASTM D1238Lにより測定したメルトフローレート(MFR)は、通常0.01〜100g/10分、好ましくは0.05〜50g/10分の範囲にある。密度が通常は0.850〜0.910g/cm3、好ましくは0.855〜0.900g/cm3の範囲内にあり、エチレン含有量が30〜95モル%、好ましくは40〜92モル%の範囲内にあり、かつX線回折法で測定した結晶化度が通常は40%以下、好ましくは30%以下である。
【0108】
このエチレン・α-オレフィン共重合体を構成するα-オレフィンとしては、通常は、炭素数が3〜20のα-オレフィンが使用される。このようなα-オレフィンの例としては、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-テトラデセンおよび1-オクタデセンを挙げることができる。このα-オレフィンは単独であるいは組み合わせて共重合させることができる。
【0109】
このエチレン・α-オレフィン共重合体は、前述のように低結晶性乃至非晶性のポリオレフィンであり、この共重合体についてASTM D 3418により測定した融点は通常は100℃以下である。
本発明では上記のような低結晶性乃至非晶性軟質重合体に粘着賦与剤を配合して組成物とすることもできる。
【0110】
上記のような粘着付与剤としては、脂肪族系炭化水素樹脂および/または芳香族系炭化水素樹脂を水素添加した脂環族系炭化水素樹脂を挙げることができる。
この中でも水素添加率が80%以上、好ましくは85%以上の脂環族系炭化水素樹脂を使用することが望ましい。また、両者の配合割合は、エチレン・α-オレフィン共重合体が60〜98重量%、好ましくは、70〜95重量%、脂肪族系炭化水素樹脂および/または脂環族炭化水素樹脂が2〜40重量%、好ましくは、5〜30重量%である。このような粘着賦与剤を用いることにより層間剥離強度を高めることができる。
【0111】
さらに、この低結晶性乃至非晶性軟質重合体は、全部または一部が不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されていてもよいし、この低結晶性乃至非晶性軟質重合体に変性ポリオレフィンを配合することもできる。
この変性ポリオレフィンの変性前のポリオレフィンとしては、前述の(b)ポリオレフィンが挙げられる。
変性ポリオレフィンは、不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト量が0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、密度が0.905〜0.980g/cm3、好ましくは0.920〜0.970g/cm3の範囲内にあり、X線回折法により測定した結晶化度が45%以上、好ましくは50〜80%の範囲内にある変性ポリオレフィンである。
【0112】
この中では、変性ポリエチレンが好ましい。変性ポリエチレンを製造するには、メルトフローレート(MFR:ASTM D 1238,E)が0.001〜100g/10分、密度が0.905〜0.980g/cm3の範囲内にあり、X線回折法により測定した結晶化度が45%以上のエチレンの単独重合体を使用することもできるし、α-オレフィンと組み合わせて共重合体として使用することも可能である。ここでエチレンと共に共重合させることができるα-オレフィンの例としては、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンおよび1-デセンを挙げることができる。
【0113】
上記のポリオレフィンにグラフトする不飽和カルボン酸またはその誘導体としてはアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸TM(エンドシス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸)などの不飽和カルボン酸またはその誘導体、例えば酸ハライド、アミド、イミド、酸無水物、エステル等を挙げることができ、具体的には塩酸マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートなどを挙げることができる。これらの中でも不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、ナジック酸TMまたはこれらの酸無水物が好ましい。上記のようなグラフト剤を用いたポリオレフィンの変性は、従来から採用されている方法に準じて行うことができる。
【0114】
結晶性ポリオレフィン(b’)
ポリオレフィンとしては、前記ポリオレフィン(b)で例示された重合体をあげることができるが、その中で、結晶化度が40%を超える重合体がポリオレフィン(b’)として使用される。
【0115】
(d)ガラス転移温度50℃以上の低結晶性乃至非晶性重合体
本発明で使用される第2の層(B)を構成するガラス転移温度50℃以上の低結晶性乃至非晶性重合体(d)は、上記の環状オレフィン系樹脂(A1)である。これらの樹脂は、線状高分子の状態であっても良いし架橋されていてもかまわない。
【0116】
この低結晶性乃至非晶性重合体(d)のX線回折法により測定した結晶化度は、通常40%以下、好ましくは30%以下であり、ガラス転移温度は50℃以上、好ましくは60℃以上である。
【0117】
第2の層(B)を形成する低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)および/またはポリオレフィン(b′)と低結晶性乃至非晶性重合体(d)とは、あらかじめ押出機、バンバリーミキサー、ロールなどで混練した後、成形に供することもできるし、全成分をドライブレンドした後、そのまま成形することもできる。
【0118】
第2の層(B)を形成する軟質重合体(c)および/またはポリオレフィン(b′)と低結晶性乃至非晶性重合体(d)の組成物は、軟質重合体(c)0〜100重量部とポリオレフィン(b′)100〜0重量部の合計99〜50重量%、好ましくは、90〜60重量%と低結晶性乃至非晶性重合体(d)が1〜50重量%好ましくは、10〜40重量%より形成される。
【0119】
環状オレフィン系樹脂(組成物)(A)層と軟質重合体(c)および/またはポリオレフィン(b′)と低結晶性乃至非晶性重合体(d)よりなる(B)層の積層の形態としては、(A)/(B)、(B)/(A)/(B)、(A)/(B)/(A)など任意の組み合わせを採ることができる。また、上記の積層体にさらに、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン6.6などのポリアミド、PET,PBTなどのポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロファンなどの樹脂、シリカ蒸着フィルム、アルミなどの金属蒸着フィルム、アルミ箔等の金属箔を直接あるいは接着層を介して積層してもよい。
【0120】
このような本発明の積層体において、(A)環状オレフィン系樹脂(組成物)層と、(B)軟質重合体(c)および/またはポリオレフィン(b′)と低結晶性乃至非晶性重合体(d)よりなる組成物層との厚さは、本発明の積層体の用途を考慮して適宜設定することができるが、通常の場合、(A)層の厚さは1μm〜10mmの範囲内にあり、(B)層の厚さは1μm〜10mmの範囲内にある。そして、本発明の環状オレフィン系樹脂積層体全体の厚さは、この積層体の用途、積層される層の数等によって異なるが、通常は、2μm〜20mmの範囲内にある。
【0121】
上記のような環状オレフィン系樹脂(組成物)(A)層と軟質重合体(c)および/またはポリオレフィン(b′)と低結晶性乃至非晶性重合体(d)よりなる組成物(B)層とは、例えば、多層Tダイ法、多層インフレーション法、押出ラミネーション法等の共押出成形法、多層(射出)ブロー法、2色成形法、サンドイッチ成形法、スタンピング成形法、プレス法など、一般的な多層積層体の成形法を採用して積層することができる。また、テンター法、チューブラー法等の方法による、一軸または二軸延伸も可能である。
【0122】
本発明の積層体は、初期の接着力に優れているので食品や医薬品等の各種容器包装用途に用いることができる。特に、50℃以上の温度で一時的処理されるか、50℃以上の温度で保温または加熱される用途にあっては、層間の剥離強度の低下が少ないため好適に用いられる。具体的な用途としては、湯滅菌、レトルト、ホットフィル、スチーム滅菌等に使用される食品や医薬品の容器、包装等が挙げられる。
また、本発明の積層体は、防湿性に優れており、食品や薬品の成分を吸着しにくく、保香性に優れ、積層体からの溶出物が少ない。
また、シート、フィルム状とした積層体は、手切れ性、ヒートシール性およびデッドホールド性に優れ、さらに真空または圧空成形性にも優れている。
【0123】
具体的な用途としては、薬剤、食品などの容器、包装を挙げることができる。例えば、輸液バッグ、試薬管などの医療容器包装、加熱滅菌の必要なレトルトパック、ゼリー、プリン容器およびこの容器に用いられる蓋、ホットフィル用容器などの食品容器包装等、高温での処理の必要な用途に適している。
【0124】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、特定の環状オレフィン系樹脂あるいは環状オレフィン系樹脂組成物からなる第1の層と、軟質重合体および/またはポリオレフィンと低結晶性乃至非晶性重合体よりなる組成物からなる第2の層とを良好に接着して積層することができ、50℃以上の温度で処理しても層間の接着強度が良好であるので、加熱滅菌やホットフィルの必要な医療、食品容器、包装等に好適に用いることができる。
【0125】
【実施例】
次に本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0126】
各物性の測定方法
TMA(軟化温度):シート上に直径1.0mmの石英製針を載せ、荷重49gをかけ、5℃/分の速度で昇温させたときに、針がシートに0.635mm侵入した温度
Tg(ガラス転移温度):DSCを用い、10℃/分の昇温速度で測定した。
MFR(メルトフローレート):ASTM D1238に基づき測定した。
結晶化度:X線回折法により測定した。
【0127】
実施例1〜4、比較例1〜4
以下に記載の使用原料を用いて、3種3層のTダイキャスト成形機で下記条件でフィルムを作製した。各層の構成は、表1の通りである。
一つの層に複数の樹脂を用いている例では、あらかじめ所定の樹脂をドライブレンドしておき、成形の際、成形機で混練を行いながら成形した。
・A層:30mmΦ単軸押出機 設定温度250℃、スクリュー回転30rpm
・B層:30mmΦ二軸押出機 設定温度250℃、スクリュー回転100rpm
・C層:30mmΦ単軸押出機 設定温度250℃、スクリュー回転30rpm
・ダイ温度:250℃
・冷却ロール温度:40℃
【0128】
(層厚み)
A層/B層/C層=30μm/30μm/30μm
(測定法)
上記の方法で作成したフィルムの初期の接着強度およびフィルムを110℃で4時間、熱風循環式オーブンで加熱した後の接着強度を測定した。
測定は、フィルムの押出方向(MD)に15mm幅で切り出し、引張試験機を用いてA層とB層の間をTピール法にて、剥離速度300mm/分の条件で剥離することにより行った。なお、測定時の温度は、23℃、相対湿度は50%であった。測定結果を表1に示した。
【0129】
(使用原料)
<A層に用いた原料>
環状オレフィン系樹脂(a)
ETCD:エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセンのランダム共重合体(エチレン含量65モル%、TMA=135℃、Tg=125℃、結晶化度=0%、[η]=0.60dl/g、MFR=15g/10分(260℃、2.16Kg)
ポリオレフィン(b)
EB:エチレン・ブテン−1共重合体(エチレン含量90モル%、密度0.890g/cm3、MFR=18g/10分(190℃、2.16Kg)、Tg=−40℃、結晶化度20%、JIS A硬度86)
【0130】
<B層に用いた原料>
結晶性ポリオレフィン樹脂(b‘)
PE:線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、密度0.920g/cm3、MFR=2.1g/10分(190℃、2.16Kg)、結晶化度50%
ガラス転移温度0℃以下の低結晶性乃至非結晶性軟質重合体(c)
EP:エチレン・プロピレン共重合体(エチレン含量80モル%、密度0.870g/cm3、MFR=2.9g/10分(190℃、2.16Kg)、Tg=−40℃、結晶化度9%、JIS A硬度60)
ガラス転移温度50℃以上の低結晶性乃至非結晶性軟質重合体(d)
上記環状オレフィン系樹脂(ETCD)を用いた
その他
PR:水添石油樹脂、アルコンP−125(軟化点温度125℃、臭素価2、荒川化学製)
<C層に用いた樹脂>
B層に用いたPEと同じものを使用した。
【表1】
Figure 0004878668

Claims (5)

  1. (A)
    (a−1)下記式(1)または(2)で表される環状オレフィンと炭素原子数が2〜20のα-オレフィンとの共重合体からなるα-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体、
    (a−2)下記式(1)または(2)で表される環状オレフィンの開環(共)重合体もしくはその水素添加物、および
    (a−3)前記α-オレフィン・環状オレフィンランダム共重合体(a−1)または環状オレフィンの開環(共)重合体もしくはその水素添加物(a−2)のグラフト変性物
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン系樹脂(A1)、
    または、該環状オレフィン系樹脂(A1)と(b)ポリオレフィンとからなる樹脂組成物(A2)から形成される層と、
    (B):エチレン含有量が40〜95モル%のオレフィン系エラストマーであるガラス転移温度が0℃以下の低結晶性乃至非晶性軟質重合体(c)およびエチレンの単独重合体またはエチレン含有量が60モル%以上のエチレンと他のα-オレフィンとの共重合体である結晶性ポリオレフィン樹脂(b’)から選ばれる少なくとも一種の樹脂99〜50重量%と、結晶化度40%以下でガラス転移温度が50℃以上の前記環状オレフィン系樹脂(A1)である低結晶性乃至非晶性重合体(d)1〜50重量%の組成物から形成された第2の層と
    の少なくとも2層が積層されてなる積層体。
    Figure 0004878668
    (式 (1)において、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基を表し、R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつこの単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。ここでqが0の場合には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。)
    Figure 0004878668
    (式 (2)において、mは0または正の整数であり、hは0または正の整数であり、jおよびkは0、1または2であり、R7〜R15およびR17〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基を表し、R19〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる原子または基を表す。)
  2. 前記(a−1)における炭素原子数が2〜20のα-オレフィンがエチレンである請求項1に記載の積層体。
  3. 50℃以上の温度で処理される用途に用いられうる請求項1または2に記載の積層体。
  4. その用途が、容器または包装材として使用しうる請求項3に記載の積層体。
  5. 前記請求項1〜4のいずれかに記載された積層体よりなる容器または包装材。
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