JPH08135721A - 防振装置 - Google Patents

防振装置

Info

Publication number
JPH08135721A
JPH08135721A JP27514594A JP27514594A JPH08135721A JP H08135721 A JPH08135721 A JP H08135721A JP 27514594 A JP27514594 A JP 27514594A JP 27514594 A JP27514594 A JP 27514594A JP H08135721 A JPH08135721 A JP H08135721A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic body
vibration
liquid chamber
outer cylinder
elastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27514594A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kojima
宏 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP27514594A priority Critical patent/JPH08135721A/ja
Publication of JPH08135721A publication Critical patent/JPH08135721A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外筒と取付ブラケットとを樹脂の一体成形品
とした防振装置において、長いオリフィスを形成できる
と共に、振動を吸収する弾性体の弾性材料と副液室の弾
性膜を形成する弾性材料とを夫々最適に選択できる構造
とする。 【構成】 弾性体16の幅狭溝26に、ダイヤフラム3
6L,36Rを加硫接着した第1の樹脂流れ込み防止カ
バー32を嵌装し、その外側に第2の樹脂流れ込み防止
カバー38及び制限通路形成カバー56を被せる。これ
をモールド内に装填し、合成樹脂を射出することによっ
て外側に外筒12が成形される。弾性体16とダイヤフ
ラム36L,36Rとが別体であるため、各々に最適な
弾性材料を用いることができ、ダイヤフラム36L,3
6Rにブチルゴム等を用いれば耐オゾン性、耐ヘタリ性
を確保して防振装置10の長寿命化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車、一般産
業用機械等に適用され振動発生部からの振動を吸収する
防振装置に関し、特に外筒部分を樹脂成形品とした防振
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両には、振動発生部となるエ
ンジンと振動受部となる車体との間にエンジンマウント
としての防振装置が配設されていて、エンジンが発生す
る振動をこの防振装置が吸収し、車体側に伝達されるの
を阻止するような構造となっている。
【0003】この種の防振装置として、液体封入式のブ
ッシュ形の防振装置が用いられている。ブッシュ形の防
振装置では、内筒の外周に筒状のゴム状弾性体(及び中
間筒)を加硫接着し、これを外筒内に挿入し、抜け止め
及びシールを行うために、外筒の端部を絞り加工するよ
うになっている。内筒を取り付け後の外筒は、取付ブラ
ケットに圧入して自動車の車体に取り付けている。
【0004】近年では、部品点数の削減、組立工数の低
減、軽量化等の要望が寄せられており、部品の樹脂成形
化が検討されている。
【0005】そこで、外筒と取付ブラケットとを一体化
して、組立工数の低減を図った防振装置が本願出願人に
よって提案されている(特願平5−306843号)。
【0006】この防振装置では、内筒金具を設けた弾性
体をモールド内に配置して、その外周側に樹脂を射出成
形して内筒、弾性体及び取付ブラケット一体形の外筒を
一体化している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、弾性体の外周
を樹脂で覆う構成のため、外筒の樹脂化以前の構造の防
振装置のように弾性体の外周に溝を設け、この溝を外筒
で覆うことによってオリフィスを形成することが出来
ず、外筒に開口部を形成し、この開口部から弾性体の凹
部に向けてオリフィスを形成するための隔壁部材を挿入
していた。このため、開口部の開口面積を大きくするに
も限度があり、隔壁部材を大きくして長いオリフィスを
形成することが困難であった。
【0008】本発明は上記事実を考慮し、長いオリフィ
スを形成することができると共に、振動を吸収する弾性
体及び弾性膜を形成する弾性材料を夫々最適に選択する
ことのできる防振装置を提供することが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、振動発生部及び振動受け部の一方に連結され且つ樹
脂で一体的に成形される外筒と、振動発生部及び振動受
け部の他方に連結され且つ前記外筒の内側に配置される
内筒と、前記外筒と前記内筒との間を繋ぐように前記外
筒と前記内筒との間に配設される弾性体と、内壁の少な
くとも一部が前記弾性体により形成される受圧液室と、
前記受圧液室とは周方向に隔てた位置に設けられ一部が
弾性膜で形成される副液室と、前記受圧液室と前記副液
室とを連結する制限通路と、を備えた防振装置であっ
て、前記制限通路は、前記弾性体及び、前記外筒と前記
弾性体との間に介在されて前記弾性体の外周に沿って湾
曲した板状部材の少なくとも一方に形成された凹陥部
が、対向する相手側によって閉塞されて構成されてお
り、前記弾性膜は、前記弾性体とは別個に前記板状部材
に設けられていることを特徴としている。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、振動発生
部及び振動受け部の一方に連結され且つ樹脂で一体的に
成形される外筒と、振動発生部及び振動受け部の他方に
連結され且つ前記外筒の内側に配置される内筒と、前記
外筒と前記内筒との間を繋ぐように前記外筒と前記内筒
との間に配設される弾性体と、内壁の少なくとも一部が
前記弾性体により形成される受圧液室と、前記受圧液室
とは周方向に隔てた位置に設けられ一部が弾性膜で形成
される副液室と、前記受圧液室と前記副液室とを連結す
る制限通路と、を備えた防振装置であって、前記制限通
路は、前記外筒と前記弾性体との間に介在されて前記弾
性体の外周に沿って湾曲した第1の板状部材及び第2の
板状部材の少なくとも一方に形成された凹陥部が、対向
する他方によって閉塞されて構成されており、前記弾性
膜は、前記弾性体とは別個に前記第1の板状部材及び前
記第2の板状部材の少なくとも一方に設けられているこ
とを特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1に記載の防振装置では、制限通路が弾
性体及び、外筒と弾性体との間に介在されて弾性体の外
周に沿って湾曲した板状部材の少なくとも一方に形成さ
れた凹陥部が対向する相手側によって閉塞されて構成さ
れている。即ち、弾性体の外周面に溝状の凹陥部が形成
されこの凹陥部が板状部材によって塞がれて制限通路を
形成する場合、板状部材の弾性体側に溝状の凹陥部が形
成されこの凹陥部が弾性体の外周面によって塞がれて制
限通路を形成する場合、また、弾性体の外周面及び板状
部材の弾性体側の両方に溝状の凹陥部が形成され両凹陥
部が対向して制限通路を形成する場合がある。この防振
装置の外筒は、まず、弾性体と板状部材をモールド内の
所定位置に配置し、モールド内に樹脂を射出することに
よって成形することができる。ここで、この板状部材
は、弾性体の外周に沿って湾曲しており、弾性体の外周
に密着させることができるので、外筒の成形時に凹陥部
で形成された制限通路(空間)に対する樹脂の進入を防
止することができる。このため、外筒の樹脂成形後に制
限通路を形成する隔壁部材等を組付ける工程を必要とし
ない。さらに、隔壁部材の大きさによって制限通路の長
さの制限を受けることが原理的に無く、弾性体と外筒と
の間のスペースを自由に使用できるため、制限通路を長
く取るとができ、減衰力を高くすることが可能となる。
【0012】また、弾性膜と弾性体とを別個に設ける構
成としたので、弾性膜と弾性体とを別種の弾性体で形成
することができ、使用環境に最適な弾性体を選択するこ
とができる。例えば、弾性膜に耐オゾン性に優れたゴム
材を使用し、弾性体に耐ヘタリ性に優れたゴム材を使用
することができる。これによって、性能とコストとの両
立を図ることもできる。
【0013】また、請求項2に記載の防振装置では、制
限通路が弾性体及び、外筒と弾性体との間に介在されて
弾性体の外周に沿って湾曲した第1の板状部材及び第2
の板状部材の少なくとも一方に形成された凹陥部が、対
向する他方によって閉塞されて構成されている。この防
振装置の外筒は、まず、弾性体と第1の板状部材及び第
2の板状部材をモールド内の所定位置に配置し、モール
ド内に樹脂を射出することによって成形することができ
る。ここで、この第1の板状部材及び第2の板状部材
は、弾性体の外周に沿って湾曲しており、弾性体の外周
に密着させることができるので、外筒の成形時に凹陥部
で形成された制限通路(空間)に対する樹脂の進入を防
止することができる。このため、外筒の樹脂成形後に制
限通路を形成する隔壁部材等を組付ける工程を必要とし
ない。さらに、隔壁部材の大きさによって制限通路の長
さの制限を受けることが原理的に無く、弾性体と外筒と
の間のスペースを自由に使用できるため、制限通路を長
く取るとができ、減衰力を高くすることが可能となる。
【0014】また、弾性膜と弾性体とを別個に設ける構
成としたので、弾性膜と弾性体とを別種の弾性体で形成
することができ、使用環境に最適な弾性体を選択するこ
とができる。例えば、弾性膜に耐オゾン性に優れたゴム
材を使用し、弾性体に耐ヘタリ性に優れたゴム材を使用
することができる。これによって、性能とコストとの両
立を図ることもできる。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例に係る防振装置を図1乃至
図6に示し、これらの図に基づき本実施例を説明する。
【0016】図1に示すように、本実施例の防振装置1
0は、合成樹脂により一体的に成形されたブラケット一
体型の外筒12を備えており、振動受け部としての自動
車の車体(図示せず)側へ、外筒12の一方に突出した
腕12Aに固定された埋込みナット18を用いてこの外
筒12がねじ止めらている。従って、外筒12が車体に
連結されることになる。
【0017】図1及び図2に示すように、この外筒12
の内側には、円管状に形成された内筒金具14が外筒1
2の軸線と平行となるように配置されており、内筒金具
14に図示しないボルトがねじ込まれることにより、内
筒金具14と振動発生部となるエンジン(図示せず)と
が連結されることとなる。
【0018】これら内筒金具14と外筒12との間に
は、弾性体16が配設されている。この弾性体16の弾
性材料としては、天然ゴム又は、天然ゴムとSBR(ス
チレンブタジエンゴム)とをブレンドしたもの等を用い
ることができるが、その他の弾性材料であっても良い。
【0019】図3に示すように、弾性体16は内筒金具
14の外周面に加硫接着された円柱状とされており、図
1及び図2に示すように、軸方向中間部の外周側には内
筒金具14の図下側に凹部20が形成されている。
【0020】図1及び図3に示すように、弾性体16に
は、内筒金具14を挟んで凹部20の反対側に、軸方向
に貫通する断面ヘ字状の貫通孔22が形成されており、
この防振装置10の主振動方向である上下方向に内筒金
具14が変位し易くなっている。
【0021】弾性体16の外周には、外周方向に沿って
1周する幅広溝24が軸方向中間部に形成されており、
幅広溝24の軸方向中間部には、周方向に延びる幅狭溝
26が形成されている。
【0022】幅狭溝26には、貫通孔22へ貫通する開
口28L及び開口28Rが形成されている。
【0023】この幅狭溝26には、図4に示すような2
個の半円弧状の金属板からなる第1の樹脂流れ込み防止
カバー32が嵌装されて密着している。第1の樹脂流れ
込み防止カバー32には、開口28L及び開口28Rに
対向する位置に孔34L、34Rが形成されている。こ
れらの孔34L、34Rの縁部分は所定寸法内側に屈曲
されており、この縁部分に内側へ凸状とされたダイヤフ
ラム36L,36Rの周縁部分が加硫接着されている。
【0024】これらダイヤフラム36L,36Rの弾性
材料としては、耐オゾン性、耐ヘタリ性を重視する場合
にはブチルゴム等を用い、伸びを重視する場合には天然
ゴムとEPT(エチレン,プロピレン,ターポリマー)
とをブレンドした材料を用いることができるが、その他
の弾性材料であっても良い。
【0025】図2に示すように、幅広溝24には、金属
板からなる第2の樹脂流れ込み防止カバー38(図5参
照)が嵌装されており、第2の樹脂流れ込み防止カバー
38は内側の両端部付近が幅広溝24に密着し、軸方向
中央部が第1の樹脂流れ込み防止カバー32の外周に密
着している。
【0026】図5に示すように、第2の樹脂流れ込み防
止カバー38は、2分割可能となっている。
【0027】また、弾性体16には、図2に示すよう
に、両端部近傍に第2の樹脂流れ込み防止カバー38の
一部が密着するように金属製の弾性体変形防止リング4
0が埋設されている。
【0028】図1及び図2に示すように、弾性体16の
凹部20は第2の樹脂流れ込み防止カバー38に閉塞さ
れて受圧液室としての主液室42を構成している。
【0029】図1に示すように、ダイヤフラム36Lと
第2の樹脂流れ込み防止カバー38との間は第1副液室
44とされ、ダイヤフラム36Rと第2の樹脂流れ込み
防止カバー38との間は第2副液室46とされている。
【0030】図1、図5及び図6に示すように、第2の
樹脂流れ込み防止カバー38には、主液室42の矢印L
方向側の隅部分に開口48及び小開口50が形成されて
おり、ダイヤフラム36Rに対応した位置に開口52が
形成され、ダイヤフラム36Lに対応して小開口54が
形成されている。
【0031】図1及び図2に示すように、第2の樹脂流
れ込み防止カバー38の外側には金属板からなる板状部
材としての制限通路形成カバー56が配置されている。
図7に示すように、制限通路形成カバー56には、プレ
ス成形等により内側に凹陥部としての幅広溝58及び幅
狭溝60が形成されている。幅広溝58及び幅狭溝60
は共に周方向に沿って延びており、図6に示すように幅
広溝58は第2の樹脂流れ込み防止カバー38に閉塞さ
れてアイドルオリフィス62を構成し、図1に示すよう
に幅狭溝60は第2の樹脂流れ込み防止カバー38に閉
塞されてシェイクオリフィス64を構成している。
【0032】図6に示すように、アイドルオリフィス6
2は、一端が開口48を介して主液室42と連通し、他
端が開口52を介して第2副液室46と連通している。
一方、図1に示すように、シェイクオリフィス64は、
一端が小開口50を介して主液室42と連通し、他端が
小開口54を介して第1副液室44と連通している。
【0033】図1及び図2に示すように、制限通路形成
カバー56、第2の樹脂流れ込み防止カバー38及び幅
広溝24の両外側の弾性体16の外周面は、外筒12の
内周面に接着している。
【0034】なお、これら主液室42、第1副液室4
4、第2副液室46、アイドルオリフィス62及びシェ
イクオリフィス64には、例えば水、オイル等の液体6
6が封入されている。この液体66は、外筒12、制限
通路形成カバー56及び第2の樹脂流れ込み防止カバー
38を貫通する注入口68から注入されるようになって
おり、注入後にブラインドリベット70で封止されてい
る。
【0035】また、ダイヤフラム36Lはダイヤフラム
36Rよりも、液圧に対する剛性が高くなっている。
【0036】次に本実施例に係る防振装置10の組立を
説明する。この防振装置10の組立に際しては、弾性体
16を内筒金具14の周りに加硫接着して、図3に示す
ような状態にする。
【0037】次に、弾性体16の幅狭溝26に、ダイヤ
フラム36L,36Rを予め加硫接着した第1の樹脂流
れ込み防止カバー32(図4参照)を嵌装する。
【0038】次に、第1の樹脂流れ込み防止カバー32
の外側に第2の樹脂流れ込み防止カバー38(図5参
照)及び制限通路形成カバー56(図7参照)を被せ
る。
【0039】次に、第1の樹脂流れ込み防止カバー3
2、第2の樹脂流れ込み防止カバー38及び制限通路形
成カバー56を取り付けた弾性体16及び埋込みナット
18を、外筒成形用の図示しないモールド内の所定位置
に装填し、溶融した合成樹脂をモールド内に射出する。
これにより、弾性体16、制限通路形成カバー56、第
2の樹脂流れ込み防止カバー38等の外周部に合成樹脂
が接着され、これらの各部品と一体化した外筒12が成
形される。
【0040】このようにして外筒12が樹脂材料で成形
されるが、弾性体16の外周部に形成されている凹部2
0は第2の樹脂流れ込み防止カバー38及び制限通路形
成カバー56で覆われているので、樹脂材料が射出され
た際に凹部20が樹脂材料で埋まることがなく主液室4
2を得ることができる。また、貫通孔22には、モール
ドの突出部分を挿入することによって樹脂材料の浸入を
防止することができる。
【0041】また、弾性体変形防止リング40によって
樹脂成形時の圧力による弾性体16の変形を抑えること
ができ、第2の樹脂流れ込み防止カバー38と弾性体1
6との間から、凹部20等へ樹脂が進入するとを確実に
防止することができる。
【0042】その後、外筒12をモールドから取り出
し、注入口68より内部に所定の液体を注入し、ブライ
ンドリベット70にて封止して防振装置10の組立が完
了する。
【0043】このようにして完成された防振装置10の
外筒12を自動車の車体側にねじ止めして連結し、ま
た、内筒金具14をボルトを介してエンジンに連結す
る。この防振装置10の車体への組み込みに際して、エ
ンジンの荷重による力が内筒金具14に加わる為、内筒
金具14は、外筒12とほぼ同軸となる。
【0044】次に本実施例の作用を説明する。エンジン
の振動が内筒金具14に伝達されると、弾性体16が変
形して主液室42が拡縮し、液体40がアイドルオリフ
ィス62又はシェイクオリフィス64を流れて振動が減
衰する。例えば、エンジンシェイク等の低周波振動時に
は液体40がシェイクオリフィス64を流れる際の抵抗
で振動が減衰し、アイドリング時等ではアイドルオリフ
ィス62で液体40が液柱共振して振動が減衰する。
【0045】本実施例の防振装置10では、弾性体16
とダイヤフラム36L,36Rとが別体であるため、各
々の目的に最適な弾性材料を用いることができ、ダイヤ
フラム36L,36Rにブチルゴム等を用いれば耐オゾ
ン性、耐ヘタリ性を確保して防振装置10の長寿命化を
図ることができる。
【0046】なお、この実施例では、制限通路形成カバ
ー56に幅広溝58及び幅狭溝60を形成してオリフィ
スを形成するようにしたが、第2の樹脂流れ込み防止カ
バー38に幅広溝及び幅狭溝を形成してオリフィスを形
成することができる。この場合、第1の樹脂流れ込み防
止カバー32には幅広溝及び幅狭溝に対応した凹部を形
成し、オリフィスに対応する弾性体16の外周部分には
溝を形成する。 [第2実施例]本発明の第2実施例を図8乃至図12に
したがって説明する。この実施例は第1実施例の変形例
であり、同様な構成には同一符号を付しその説明は省略
する。
【0047】図8乃至図12に示すように、この第2実
施例の防振装置10は、第1実施例の防振装置10とほ
ぼ同一の構成となっているが、オリフィスの形状等が異
なっている。
【0048】図8に示すように、本実施例の制限通路形
成カバー56は、2分割可能な円筒状とされている。こ
の制限通路形成カバー56に形成される幅狭溝60は、
第1副液室44側で屈曲している。このように幅狭溝6
0を屈曲させることによってシェイクオリフィス64の
全長を長くすることが可能となり、低周波振動に対する
減衰力を大きくとることができる。
【0049】また、本実施例においても、第2の樹脂流
れ込み防止カバー38に幅広溝及び幅狭溝を形成してオ
リフィスを形成することができる。
【0050】なお、その他の作用効果は、第1実施例と
同様である。 [第3実施例]本発明の第3実施例を図13乃至図15
にしたがって説明する。この実施例は第1実施例の変形
例であり、同様な構成には同一符号を付しその説明は省
略する。
【0051】図13に示すように、弾性体16の外周に
は、幅広溝100が軸方向中間部に形成されており、幅
広溝100には貫通孔22と対応する部分に凹部102
が形成されている。
【0052】また、幅広溝100の軸方向中間部には、
凹部102と凹部20(図13では図示されない)とを
連通する幅狭溝104が形成されている。
【0053】図14及び図15に示すように、この幅広
溝100には、凹部102に対応する部分に第1の樹脂
流れ込み防止カバー106が嵌め込まれている。この第
1の樹脂流れ込み防止カバー106は、第1実施例の図
4に示す第1の樹脂流れ込み防止カバー106と同様の
形状であるが、ダイヤフラム36Lの剛性とダイヤフラ
ム36Rの剛性とが同一となっている。
【0054】幅広溝100には、主液室42側に板状部
材としての第2の樹脂流れ込み防止カバー108が嵌め
込まれている。第1の樹脂流れ込み防止カバー106と
第2の樹脂流れ込み防止カバー108とは、外周方向の
端部同士が互いに当接している。
【0055】第2の樹脂流れ込み防止カバー108に
は、軸方向中間部に細溝110が形成されている。細溝
110は、長手方向一方が外周方向の端部に開口してお
り、長手方向他方が反対側の外周方向の端部手前で終端
している この細溝110は、前記第1の樹脂流れ込み防止カバー
106及び第2の樹脂流れ込み防止カバー108の外側
に配置される円筒状の第3の樹脂流れ込み防止カバー1
12によって囲まれてオリフィス114を形成してい
る。
【0056】図14及び図15に示すように、弾性体1
6の凹部20は第2の樹脂流れ込み防止カバー108に
閉塞されて主液室42を構成しており、凹部102は第
1の樹脂流れ込み防止カバー106に囲まれて副液室1
16を形成している。
【0057】なお、オリフィス114は、一方が細溝1
10の長手方向他方に形成される開口118を介して主
液室42と連通しており、他方が副液室116に連通し
ている。
【0058】図14及び図15に示すように、第3の樹
脂流れ込み防止カバー112、及び幅広溝100の両外
側の弾性体16の外周面は、前記実施例と同様に外筒1
2の内周面に接着している。
【0059】本実施例の防振装置10も、前述した実施
例と同様の工程によって組み立てられるようになってお
り、第1の樹脂流れ込み防止カバー106、第2の樹脂
流れ込み防止カバー108及び第3の樹脂流れ込み防止
カバー112を弾性体16の所定位置に嵌装してモール
ド内に装填し、溶融した合成樹脂をモールド内に射出し
て外筒12を成形する。
【0060】次に本実施例の作用を説明する。エンジン
の振動が内筒金具14に伝達されると、弾性体16が変
形して主液室42が拡縮し、液体40がオリフィス11
4を流れて振動が減衰する。
【0061】本実施例の防振装置10も、弾性体16と
ダイヤフラム36L,36Rとが別体であるため、各々
の目的に最適な弾性材料を用いることができ、ダイヤフ
ラム36L,36Rにブチルゴム等を用いれば耐オゾン
性、耐ヘタリ性を確保して防振装置10の長寿命化を図
ることができる。
【0062】本実施例では、主液室42の内圧が増加す
ると、液体66が副液室116へ流れ込んでダイヤフラ
ム36L,36Rが大気側(半径方向外側)へ変形する
が、これらダイヤフラム36L,36Rは予め主液室4
2側へ凹状に形成してあるので、副液室116へ液体6
6が流れ込んでもダイヤフラム36L,36には大きな
張力が作用しない。このため、前記第1,2実施例より
もダイヤフラム36L,36の耐久性を向上することが
可能である。
【0063】なお、本実施例では、弾性体16の外周に
形成される幅狭溝104に第2の樹脂流れ込み防止カバ
ー108の細溝110部分を嵌め込んでいるが、幅狭溝
104に対応する部分には細溝110は形成されていな
くてもオリフィス114は幅狭溝104と第3の樹脂流
れ込み防止カバー112とで構成することができる。
【0064】なお、上記第1〜3実施例において、振動
受け部となる車体側に外筒12を連結し、振動発生部と
なるエンジン側に内筒金具14を連結するような構成と
したが、この逆の構成としても良い。
【0065】また、上記第1〜3実施例において、内筒
を金属製の金具としたが樹脂製としてもよく、さらに、
上記実施例で用いられる樹脂材料の種類としては、AB
S、ポリアセタール等が考えられるがこれらに制限され
るものではない。
【0066】また、上記第1〜3実施例において、自動
車に搭載されるエンジンの防振を目的としたが、本発明
の防振装置は例えば自動車のボディマウント等、あるい
は自動車以外の他の用途にも用いられることはいうまで
もなく、また、弾性体、ストッパ等の形状及び寸法など
も実施例のものに限定されるものではない。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防振装置
は上記構成としたので、長いオリフィスを形成すること
ができると共に振動を吸収する弾性体及び弾性膜を形成
する弾性材料を夫々最適に選択することができるという
優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る防振装置を示す軸線
に直角な断面図(図2の1−1線断面図)である。
【図2】図1に示す防振装置の2−2線断面図である。
【図3】外筒組み込み前の弾性体の斜視図である。
【図4】第1の樹脂流れ込み防止カバーの斜視図であ
る。
【図5】第2の樹脂流れ込み防止カバーの側面図であ
る。
【図6】図2に示す防振装置の6−6線断面図である。
【図7】制限通路形成カバーの斜視図である。
【図8】第2実施例の制限通路形成カバーの斜視図であ
る。
【図9】本発明の第2実施例に係る防振装置を示す軸線
に直角な断面図(図11の9−9線断面図)である。
【図10】本発明の第2実施例に係る防振装置を示す軸
線に直角な断面図(図11の10−10線断面図)であ
る。
【図11】図9に示す防振装置の11−11線断面図で
ある。
【図12】第2の樹脂流れ込み防止カバーの斜線図であ
る。
【図13】第3実施例に係る防振装置の弾性体の斜線図
である。
【図14】第3実施例に係る防振装置の軸線に直角な断
面図(図15の14−14線断面図)である。
【図15】第3実施例に係る防振装置の軸線に沿った断
面図(図14の15−15線断面図)である。
【符号の説明】
10 防振装置 12 外筒 14 内筒金具(内筒) 16 弾性体 36L ダイヤフラム(弾性膜) 36R ダイヤフラム(弾性膜) 42 主液室(受圧液室) 44 第1副液室 46 第2副液室 56 制限通路形成カバー(板状部材) 58 幅広溝(凹陥部) 60 幅狭溝(凹陥部) 62 アイドルオリフィス(制限通路) 64 シェイクオリフィス(制限通路) 108 第2の樹脂流れ込み防止カバー(板状部材) 114 オリフィス(制限通路) 116 副液室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動発生部及び振動受け部の一方に連結
    され且つ樹脂で一体的に成形される外筒と、 振動発生部及び振動受け部の他方に連結され且つ前記外
    筒の内側に配置される内筒と、 前記外筒と前記内筒との間を繋ぐように前記外筒と前記
    内筒との間に配設される弾性体と、 内壁の少なくとも一部が前記弾性体により形成される受
    圧液室と、 前記受圧液室とは周方向に隔てた位置に設けられ一部が
    弾性膜で形成される副液室と、 前記受圧液室と前記副液室とを連結する制限通路と、 を備えた防振装置であって、 前記制限通路は、前記弾性体及び、前記外筒と前記弾性
    体との間に介在されて前記弾性体の外周に沿って湾曲し
    た板状部材の少なくとも一方に形成された凹陥部が、対
    向する相手側によって閉塞されて構成されており、 前記弾性膜は、前記弾性体とは別個に前記板状部材に設
    けられていることを特徴とする防振装置。
  2. 【請求項2】 振動発生部及び振動受け部の一方に連結
    され且つ樹脂で一体的に成形される外筒と、 振動発生部及び振動受け部の他方に連結され且つ前記外
    筒の内側に配置される内筒と、 前記外筒と前記内筒との間を繋ぐように前記外筒と前記
    内筒との間に配設される弾性体と、 内壁の少なくとも一部が前記弾性体により形成される受
    圧液室と、 前記受圧液室とは周方向に隔てた位置に設けられ一部が
    弾性膜で形成される副液室と、 前記受圧液室と前記副液室とを連結する制限通路と、 を備えた防振装置であって、 前記制限通路は、前記外筒と前記弾性体との間に介在さ
    れて前記弾性体の外周に沿って湾曲した第1の板状部材
    及び第2の板状部材の少なくとも一方に形成された凹陥
    部が、対向する他方によって閉塞されて構成されてお
    り、 前記弾性膜は、前記弾性体とは別個に前記第1の板状部
    材及び前記第2の板状部材の少なくとも一方に設けられ
    ていることを特徴とする防振装置。
JP27514594A 1994-11-09 1994-11-09 防振装置 Pending JPH08135721A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27514594A JPH08135721A (ja) 1994-11-09 1994-11-09 防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27514594A JPH08135721A (ja) 1994-11-09 1994-11-09 防振装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08135721A true JPH08135721A (ja) 1996-05-31

Family

ID=17551314

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27514594A Pending JPH08135721A (ja) 1994-11-09 1994-11-09 防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08135721A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5775666A (en) Elastic mount having mounting bracket functioning as stop mechanism and method of producing the same
JP2001050333A (ja) 防振装置
JP4199379B2 (ja) 防振装置
JP3533267B2 (ja) 防振装置
JPH08135721A (ja) 防振装置
JP3736155B2 (ja) 流体封入式筒型防振装置およびその製造方法
JPH08135718A (ja) 防振装置
JPH07293627A (ja) 筒型防振装置
JP3563456B2 (ja) 防振装置
JP3846328B2 (ja) 流体封入式防振装置
JPH08247208A (ja) 防振装置
JP3743368B2 (ja) 流体封入式筒型マウント
JPH01126453A (ja) 流体封入式円筒型マウント装置
JPH0643555Y2 (ja) 流体封入式円筒型マウント装置
JPH09177866A (ja) 防振装置の製造方法及び防振装置
JPH08285004A (ja) 防振装置
JP3508794B2 (ja) 液体封入式ブッシュ
JPH08247207A (ja) 防振装置
JPH08135722A (ja) 防振装置
JP4377019B2 (ja) 防振装置
JPH08177950A (ja) 防振装置
JPH08159206A (ja) 防振装置
JPH08166038A (ja) 防振装置
JPH08177948A (ja) 防振装置
JPH08135720A (ja) 防振装置