JPH08134482A - 冷凍機用潤滑油 - Google Patents

冷凍機用潤滑油

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JPH08134482A
JPH08134482A JP30305994A JP30305994A JPH08134482A JP H08134482 A JPH08134482 A JP H08134482A JP 30305994 A JP30305994 A JP 30305994A JP 30305994 A JP30305994 A JP 30305994A JP H08134482 A JPH08134482 A JP H08134482A
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JP
Japan
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oil
alkyl
ester
acid
group
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Application number
JP30305994A
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English (en)
Inventor
Keizo Nakajima
啓造 中島
Tetsuji Kawakami
哲司 川上
Narihiro Sato
成広 佐藤
Katsuya Wakita
克也 脇田
Yusuke Ozaki
祐介 尾崎
Nobuo Sonoda
信雄 園田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 1,1,1,2−テトラフルオロエタン等の
代替フロン系冷媒を使用する冷凍機に適応し、対フロン
安定性、相溶性、電気絶縁性、潤滑性、加水分解安定性
等の性能が優れた冷凍機用潤滑油を提供する。 【構成】 化1(式中、R1,R2は炭素原子数1〜9の
アルキル基、R3は水素原子あるいは炭素原子数1〜8
のアルキル基を表す。R1,R2,R3は同一でも異なっ
ていてもよく、それらR1,R2,R3の炭素原子数の合
計は3以上12以下である。R4は炭素原子数2〜15
のn価のアルコール残基で、nは2〜6の整数であ
る。)で示されるエステル基油からなる冷凍機用潤滑
油。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フロンを冷媒として使
用する冷凍機用潤滑油に関し、詳しくは、1,1,1,
2−テトラフルオロエタン(R134a)等の代替フロ
ン系冷媒を圧縮する際に用いるのに好適な潤滑油に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍機、冷蔵庫、空調機などに
は、冷媒としてフッ素と塩素を含むフロン、例えばクロ
ロフルオロカーボン(CFC)であるR11(トリクロ
ロモノフルオロメタン)やR12(ジクロロジフルオロ
メタン)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCF
C)であるR22(モノクロロジフルオロメタン)など
が使用されている。また、それらとともに用いられる冷
凍機用潤滑油としてはパラフィン系、ナフテン系などの
鉱油、アルキルベンゼン系、エステル系などの合成油が
知られている。R11、R12などの分子中に含まれる
塩素は、冷凍機システム内では摺動面の金属と反応して
摩耗を防止するという好ましい効果を持っているが、こ
の種のフロン化合物は、大気中に放出された場合に、そ
のほとんどが分解されず、成層圏のオゾン層を破壊し、
生体系に悪影響を及ぼすとして国際的に使用が規制され
つつある。そのため、これら塩素を含まない代替フロン
物質の検討が広くなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】R11、R12に代わ
るものとして、R134a(1,1,1,2−テトラフ
ルオロエタン)などの水素含有フッ化炭化水素が提案さ
れている。R134aは、R12とほぼ同じ物性を示
し、オゾン破壊係数もゼロであることから注目されてい
るが、相溶性、熱安定性、電気絶縁性、潤滑性、加水分
解安定性等の性能が十分な潤滑油はいまだにない。従っ
て、この冷媒を用いた冷凍機において使用可能な潤滑油
の開発が重要な課題となってきている。
【0004】例えば、R12用の一般的な冷凍機油であ
るナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油は潤滑性の面では
良好であったが、R134aとの組み合わせにおいては
二層分離温度が高く、両層が分離しやすい。従って、R
134a用の冷凍機油として、ナフテン系鉱油、パラフ
ィン系鉱油は使用することができない。また、従来から
冷凍機油として用いられているアルキルベンゼンに対し
ても、R134aは相溶性に問題があり、また充分な潤
滑性も得られない。さらに近年、R134a用の冷凍機
用の潤滑油として両末端が水酸基であるポリオキシアル
キレングリコール(PAG)が提案されている。PAG
はR134aとの相溶性に問題はないが、吸水性が高
く、長期にわたる電気絶縁性を保持することが困難であ
ることが明らかとなってきた。
【0005】また、134aとの相溶性も良好な化合物
群として、多価アルコールの脂肪酸エステルが知られて
いる。この化合物は、PAGに比べ、電気絶縁性が優
れ、吸湿性もほとんど無い。しかしながら、このエステ
ル油と水素含有フッ化炭化水素からなる系は、従来の鉱
油とR12からなる系に比べ、極性が高くなり、水を含
みやすい。当然ながら冷凍機には水を除去するためのド
ライヤが取り付けられているが、わずかに残った水によ
りエステルの加水分解が進み、金属腐食性の酸成分を析
出する。従って、エステル油を冷凍機油として用いるた
めには、加水分解安定性に優れたものを開発する必要が
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の問題点に
鑑みて、本発明者らは、フロンR134a等の水素含有
フッ化炭化水素冷媒との相溶性に優れるとともに、対フ
ロン安定性、相溶性、電気絶縁性、潤滑性、加水分解安
定性等の性能が優れた冷凍機用潤滑油を開発すべく鋭意
研究を重ねた。その結果、ある種のエステル化合物が、
前記目的を達することを見い出し、本発明を完成するに
至った。
【0007】すなわち、本発明は、水素含有フッ化炭化
水素を冷媒とする冷凍機用潤滑油であって、下記の一般
式(化3)で示されるエステル基油を含むものである。
【0008】
【化3】
【0009】(式中、R1,R2は炭素原子数1〜9のア
ルキル基、R3は水素原子あるいは炭素原子数1〜8の
アルキル基を表す。R1,R2,R3は同一でも異なって
いてもよく、それらR1,R2,R3の炭素原子数の合計
は3以上12以下である。R4は炭素原子数2〜15の
n価のアルコール残基で、nは2〜6の整数である。ま
た、n個の(化4)で表される基は、同一であっても異
なっていてもよい。)
【0010】
【化4】
【0011】本発明に用いられるエステルは、炭素原子
数2〜15の2〜6価のアルコールと、一般式(化5)
で示されるカルボン酸またはその誘導体から合成され
る。
【0012】
【化5】
【0013】一般式(化5)においては、R1,R2は炭
素原子数1〜9のアルキル基、R3は水素原子あるいは
炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。R1,R2,R3
は同一でも異なっていてもよく、それらR1,R2,R3
の炭素原子数の合計は3以上12以下である。
【0014】本発明におけるエステルの製造に用いられ
る好ましい2〜6価のアルコールは、炭素原子数が2〜
15である。炭素原子数が15より多いと、得られるエ
ステルの粘度が高くなり、水素含有フッ化炭化水素冷媒
との相溶性が悪くなる。また価数は2〜6、さらに好ま
しくは、2〜4である。価数が6よりも多くなると粘度
が高くなる。耐熱性の面からは、飽和脂肪族のアルコー
ルがより好ましく、具体的には、2−アルキル−2−ア
ルキル−1,3−プロパンジオール(ここで、それぞれ
のアルキル基は例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基およびブチル基から選ばれる基)、
2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパン
ジオール、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3
−プロパンジオール、ペンタエリスリトールおよびジペ
ンタエリスリトール等のヒンダードアルコール、あるい
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、プロパン
ジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサ
ンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビトール
等の多価アルコールが挙げられる。上記に示したアルコ
ールでは、耐熱性の点からヒンダードアルコールがより
好ましい。
【0015】本発明におけるエステルの製造に用いられ
るカルボン酸またはその誘導体は、一般式(化5)で示
される。R1,R2は炭素原子数1〜9のアルキル基であ
り、R3は水素原子あるいは炭素原子数1〜8のアルキ
ル基である。これらのR1,R2,R3は同一のアルキル
基でも、異なったアルキル基でもよく、それらR1
2,R3の炭素原子数の合計は3以上12以下である。
炭素原子の合計が12を超えると、そのカルボン酸を用
いて合成したエステル油は、冷媒との相溶性が悪くなる
傾向がある。
【0016】これらのアルキル基は直鎖状、分岐状のど
ちらであってもよい。具体的には、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、メチルプ
ロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基等が挙げられる。またさらに、以上のよ
うなR1,R2,R3のアルキル基を持つカルボン酸の具
体的な例としては、3,3−ジメチルブタン酸、3−メ
チルペンタン酸、3,3−ジメチルペンタン酸、3−エ
チル−3−メチルペンタン酸、3,3−ジエチルペンタ
ン酸、3,4−ジメチルペンタン酸、3−エチル−4−
メチルペンタン酸、3−イソプロピル−4−メチルペン
タン酸、3−メチルヘキサン酸、3,3−ジメチルヘキ
サン酸、3−エチル−3−メチルヘキサン酸、3,3−
ジエチルヘキサン酸、3−イソプロピルヘキサン酸、3
−イソプロピル−3−メチルヘキサン酸、3,4−ジメ
チルヘキサン酸、3−メチル−4−エチルヘキサン酸、
3−エチル−4−メチルヘキサン酸、3,4−ジエチル
ヘキサン酸、3,4,5−トリメチルヘキサン酸、3,
5,5−トリメチルヘキサン酸、3−エチル−5,5−
メチルヘキサン酸、3,5−ジメチル−5−エチルヘキ
サン酸、3,5−ジエチル−5−メチルヘキサン酸、3
−メチルヘプタン酸、3−エチルヘプタン酸、3−イソ
プロピルヘプタン酸、3,3−ジメチルヘプタン酸、
3,3−ジエチルヘプタン酸、3−エチル−3−メチル
ヘプタン酸、3,4−ジメチルヘプタン酸、3,4−ジ
エチルヘプタン酸、3−メチル−4−エチルヘプタン
酸、3−エチル−4−メチルヘプタン酸、3,4,5−
トリメチルヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘプタ
ン酸、3−エチル5,5−メチルヘプタン酸などが挙げ
られる。また、本発明におけるカルボン酸誘導体として
は、以上に記述したカルボン酸の低級アルキルエステ
ル、酸無水物、酸ハロゲン化物などが挙げられる。
【0017】本発明に用いられるエステルは、単独のエ
ステルであっても、本発明のエステルを少なくとも1種
含む2種以上の混合からなるエステルでもよい。これら
のエステル化合物は、通常のエステル化反応やエステル
交換反応によって得ることができる。その具体的な方法
については、公知の方法を用いることができ、例えば第
4版実験化学講座22、有機合成(IV,V)(199
1、丸善)などに記載されている。
【0018】本発明に用いるカルボン酸のカルボニル基
は、そのβ位の炭素に少なくとも2カ所以上でアルキル
基と結合を有するもので、このような構造によりカルボ
ニル酸素がアルキル基により立体的に保護されること
で、加水分解反応性が小さくなる。類似構造として、α
位にアルキル基を持つカルボン酸エステルについて加水
分解反応の優位性も提案されているが、α位は立体構造
的に見てカルボニル酸素とトランス位置にあり、カルボ
ニル酸素を外部からの求電子反応から保護するような立
体構造にはならない。そのため、加水分解安定性を目的
とした構造としては、本発明におけるエステルがより好
ましいと考えられる。また、本発明に用いられるn個の
(化6)で表される基は、同一であっても異なってもよ
い。
【0019】
【化6】
【0020】また、本発明に用いられるエステル基油
(A)に対して、アルキルベンゼン油あるいは鉱油より
なる群から選ばれる少なくとも1種の油(B)が混合さ
れた冷凍機用潤滑油を用いることができる。
【0021】(A)成分であるエステル油は冷媒である
水素含有フッ化炭化水素と溶解性を示し、(B)成分で
あるアルキルベンゼン油あるいは鉱油より選ばれる少な
くとも1種の油は、潤滑性、熱安定性に優れ、また吸湿
性も低い。これらアルキルベンゼン油と鉱油は2種以上
混合してもよい。つまり、これら(A)成分と(B)成
分の特徴を利用した混合法により、さらに良好な潤滑油
の提供が可能である。本発明においては、(A)成分と
(B)成分との混合割合は、重量比で(A):(B)=
1:9〜9:1である。エステル油が全体の10%以下
であると水素含有フッ化炭化水素との相溶性が低下す
る。全体量の90%を超えても、一般の使用には充分耐
えうるが、高潤滑性、高熱安定性を維持するためにはエ
ステル油の量はそれ以下であることが好ましい。
【0022】また、さらに本発明においては、先に記述
した立体構造的な観点から、特に推奨されるエステル油
として、2−アルキル−2−アルキル−1,3−プロパ
ンジオール(それぞれのアルキルは、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチルから選ばれる1つの
基)、2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プ
ロパンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
スリトールから選ばれる少なくとも1種のヒンダードア
ルコールと3−アルキル−5−アルキル−5−アルキル
ヘキサン酸(それぞれのアルキルは、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチルから選ばれる1つの
基)から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸とからなるエ
ステル油であることを特徴とする冷凍機用潤滑油を提供
する。これらの特に限定されたエステル油は、上記に述
べた他の油(アルキルベンゼン油あるいは鉱油)との混
合油として用いることも可能であることは言うまでもな
い。
【0023】本発明の冷凍機用潤滑油は、そのままでも
潤滑油として使用されるが、必要に応じて、添加剤、例
えば酸化防止剤、極圧添加剤、消泡剤、金属不活性化
剤、熱安定性向上剤などを混合して使用することができ
る。
【0024】上記酸化防止剤としては、2,6−ジター
シャリーブチル−p−クレゾールやα−ナフチルアミン
などがある。極圧添加剤としては、ジアルキルサルファ
イド、ジベンゾチオフェン、2,2’−ジチオビス(ベ
ンゾチアゾール)等の硫黄化合物やトリアルキルフォス
ファイト、トリアルキルフォスフェート等の燐化合物、
塩素化パラフィン等の塩素化合物等が挙げられる。消泡
剤としては、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン油
やジエチルシリケート等のオルガノシリケート類等であ
る。金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾールなど
がある。熱安定性向上剤としては、ホスファイト系化合
物、ホスフィンサルファイド系化合物その他グリシジル
エーテル類などがある。
【0025】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。但し、本発明は実施例に限定されるものではな
い。 [実施例1]1リットルの4つ口フラスコに窒素流入
管、脱水管のついた冷却管、温度計および攪拌機を取り
付け、この中に、トリメチロールプロパン134g
(1.0mol)、3,3−ジメチルペンタン酸455
g(3.5mol)を入れ、窒素流入下、250℃で2
時間反応を行った。その後、100Torrの減圧下で
30時間反応を行った。未反応のカルボン酸を減圧蒸留
により取り除き、本発明に用いられるエステル油を得
た。
【0026】このエステルの加水分解安定性を、次に示
した手順によりシールドチューブを作成し、その全酸価
の値を評価することで行った。上記操作によって得られ
たエステル油の初期水分濃度が約1000ppm、全酸
価が0.01mgKOH/g以下になるように調製した
ものを2gと、R134aを2g、金属触媒として鉄、
銅、アルミニウムのワイヤを所定のガラスチューブに封
管した。200℃の恒温槽で5日間加熱試験した後、ガ
ラスチューブを開封し、R134aを除去した後、酸価
を調べたところ、0.03mgKOH/gと非常に良好
な結果を示した。
【0027】[実施例2]実施例1と同様の反応装置
に、ペンタエリスリトール136g(1.0mol)と
3,5,5−トリメチルヘキサン酸711g(4.5m
ol)を入れ、同様の加熱処理操作により、エステル油
を得た。このエステル油についても実施例2と同様にシ
ールドチューブを作成したところ、200℃−5日間の
加熱処理後の全酸価は0.02mgKOH/gと極めて
良好な結果を示した。
【0028】[比較例1]実施例1と同様の反応装置に
ペンタエリスリトール136g(1.0mol)と2−
メチルヘキサン酸585g(4.5mol)を入れ、窒
素流入下、240℃で2時間反応させた後、200To
rrの減圧下で、5時間反応を行った。未反応のカルボ
ン酸を減圧蒸留により取り除き、エステル油を得た。実
施例1と同様のシールドチューブ評価を行ったところ、
熱処理前は、0.01mgKOH/gであった全酸価の
値は、処理後1.5mgKOH/gまで上昇していた。
【0029】実施例1,2と比較例1との比較より、カ
ルボン酸のα位にアルキル置換基を有する場合よりも、
β位に有する場合のほうがより加水分解安定性がよいこ
とが明らかである。
【0030】[実施例3]実施例1で得られたエステル
と、分子量600〜800のアルキルベンゼン油を1:
1の割合で混合し、図1に示した冷媒圧縮機に封入し、
冷媒としてHFC134a(三井・デュポンフロロケミ
カル社製)を使用して、25℃における1000時間の
運転を行った。運転終了後、モーターコイルの電線被覆
材および絶縁紙、さらには冷凍機油そのものについて調
べたところ、すべてについて異常はなく、非常に良好で
あることが判明した。摺動部材については、特に顕著な
摩耗は認められず、油中に析出されるスラッジもほとん
ど認められなかった。
【0031】図1は、上記の試験で用いた圧縮機を示し
ている。この圧縮機1の構造を以下に説明する。2は密
閉シェル、3は密閉シェル2に焼ばめされたステータ、
4はステータ3と一対でモータ部5を構成するロータ、
6はロータ4に焼ばめされたシャフトである。また、7
はシャフト6の偏心部に組み込まれたローラ、8はロー
ラ7を収納するシリンダ、9はシャフト6の主軸受け、
10はシャフト6の副軸受け、11は副軸受け10に圧
入され、密閉シェル2に溶接された吸入管である。12
はシャフト6、ローラ7、シリンダ8、主軸受け9、副
軸受け10、および図示しないベーンで構成された機械
部である。なお、密閉シェル2の内壁表面に防錆処理と
してリン酸マンガン皮膜13が形成されている。
【0032】[実施例4]実施例2で得られたエステル
と分子量400〜500の鉱油を2:1の割合で混合
し、実施例3と同様の運転テストを行った。運転終了
後、モーターコイルの電線被覆材および絶縁紙、さらに
は冷凍機油そのものについて調べたところ、すべてにつ
いて異常はなく、非常に良好であることが判明した。摺
動部材については、特に顕著な摩耗は認められず、油中
に析出されるスラッジもほとんど認められなかった。
【0033】[実施例5]実施例2で得られたエステル
と分子量600〜800のアルキルベンゼン、分子量4
00〜500の鉱油を2:1:1の割合で混合し、実施
例3と同様の運転テストを行った。
【0034】運転終了後、モーターコイルの電線被覆材
および絶縁紙、さらには冷凍機油そのものについて調べ
たところ、すべてについて異常はなく、非常に良好であ
ることが判明した。摺動部材については、特に顕著な摩
耗は認められず、油中に析出されるスラッジもほとんど
認められなかった。
【0035】
【発明の効果】以上のように本実施例によれば、冷媒と
して水素含有フッ化炭化水素を、潤滑油として特定の構
造を有するエステル油を用いることによって相溶性、加
水分解安定性の良好な冷凍機用潤滑油を得ることができ
る。さらに、本発明におけるエステルを、アルキルベン
ゼン油あるいは鉱油などの油と適量混合することによっ
て、相溶性、加水分解安定性に加え、潤滑性、熱安定性
に優れた冷凍機用潤滑油を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた圧縮機の縦断面図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 脇田 克也 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 尾崎 祐介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 園田 信雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素含有フッ化炭化水素を冷媒とする冷
    凍機用潤滑油であって、一般式(化1)で示されるエス
    テル基油を含む冷凍機用潤滑油。 【化1】 (式中、R1,R2は炭素原子数1〜9のアルキル基、R
    3は水素原子あるいは炭素原子数1〜8のアルキル基を
    表す。R1,R2,R3は同一でも異なっていてもよく、
    それらR1,R2,R3の炭素原子数の合計は3以上12
    以下である。R4は炭素原子数2〜15のn価のアルコ
    ール残基で、nは2〜6の整数である。また、n個の化
    2で表される基は、同一であっても異なっていてもよ
    い。) 【化2】
  2. 【請求項2】 さらに、アルキルベンゼン油および鉱油
    よりなる群から選ばれる少なくとも1種の油を含む請求
    項1記載の冷凍機用潤滑油。
  3. 【請求項3】 前記アルキルベンゼン油および鉱油より
    なる群から選ばれる少なくとも1種の油(B)と前記エ
    ステル基油(A)との混合割合が重量比で(A):
    (B)=1:9〜9:1である請求項2記載の冷凍機用
    潤滑油。
  4. 【請求項4】 前記エステル基油が、2−アルキル−2
    −アルキル−1,3−プロパンジオール(ここで、それ
    ぞれのアルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプ
    ロピルおよびブチルから選ばれる1つの基を表す)、2
    −ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジ
    オール、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリ
    トールから選ばれる少なくとも1種のヒンダードアルコ
    ールと3−アルキル−5−アルキル−5−アルキルヘキ
    サン酸(ここで、それぞれのアルキルは、メチル、エチ
    ル、プロピル、イソプロピルおよびブチルから選ばれる
    1つの基を表す)から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸
    とからなるエステル油である請求項1、2または3記載
    の冷凍機用潤滑油。
JP30305994A 1994-11-10 1994-11-10 冷凍機用潤滑油 Pending JPH08134482A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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