JPH08129258A - 光重合性組成物 - Google Patents

光重合性組成物

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JPH08129258A
JPH08129258A JP20606195A JP20606195A JPH08129258A JP H08129258 A JPH08129258 A JP H08129258A JP 20606195 A JP20606195 A JP 20606195A JP 20606195 A JP20606195 A JP 20606195A JP H08129258 A JPH08129258 A JP H08129258A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可視光線に対して極めて高感度であり、且つ
経時保存性に優れた光重合性組成物を提供する。 【構成】 付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を
少なくとも1個有する化合物および光重合開始系を含有
する光重合性組成物であって、該光重合開始系がチタノ
セン化合物、特定の骨格を有するクマリン化合物および
特定の骨格を有するジアルキルアミノ安息香酸アルキル
エステルを含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光重合性組成物に関
するものである。特に可視領域の光線に対し高感度を示
すと共に保存安定性に優れた光重合性組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、光重合系を利用した画像形成法は
多数知られている。例えば、付加重合可能なエチレン性
二重結合を含む化合物と光重合開始剤、さらに所望によ
り用いられる有機高分子結合剤等からなる光重合性組成
物を調製し、この光重合性組成物を支持体上に塗布して
光重合性組成物の層を設けた感光材料を作成し、所望画
像を像露光して露光部分を重合硬化させ、未露光部分を
溶解除去することにより硬化レリーフ画像を形成する方
法、上述感光材料の少なくとも一方が透明である2枚の
支持体間に光重合性組成物の層を設けたものであり、透
明支持体側より像露光し光による接着強度の変化を惹起
させた後、支持体を剥離することにより画像を形成する
方法、その他光重合性組成物層の光によるトナー付着性
の変化を利用した画像作成方法等がある。これらの方法
に応用される光重合性組成物の光重合開始剤としては従
来、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジ
ルケタール、ベンゾフェノン、アントラキノン、ベンジ
ル、あるいはミヒラーズケトンなどが用いられてきた。
【0003】しかしながら、これらの光重合開始剤は4
00nm以下の紫外線領域の光線に対する光重合開始能
力に比較し、400nm以上の可視光線領域の光線に対
するそれは顕著に低く、従ってそれらを含む光重合性組
成物の応用範囲を限定してきた。近年、画像形成技術の
発展に伴ない可視領域の光線に対し高度な感応性を有す
るフォトポリマーが強く要請される様になってきた。そ
れは、例えば、非接触型の投影露光製版や可視光レーザ
ーによるレーザー製版等に適合した感光材料である。こ
れら技術の中で、特にアルゴンイオンレーザーの488
nmの発振ビームを用いた製版方式は最も将来有望視さ
れた技法の一つと考えられている。
【0004】可視光領域の光線に感応し得る光重合開始
系を含有する光重合組成物に関しては、従来、いくつか
の提案がなされてきた。例えば、ヘキサアリールビイミ
ダゾールと(p−ジアルキルアミノベンジリデン)ケト
ンの系(特開昭47−2528号、特開昭54−155
292号、特開昭56−166154号各公報)、ケト
クマリンと活性剤の系(特開昭52−112681号、
特開昭58−15503号、特開昭60−88005号
各公報)、置換トリアジンと増感剤の系(特開昭54−
151024号、特開昭58−29803号、特開昭5
8−40302号各公報)、ビイミダゾール、スチレン
誘導体、チオールの系(特開昭59−56403号公
報)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−1402
03号、特開昭59−189340号各公報)その他、
チタノセン化合物と増感剤の系(特開昭63−2211
10号、特開平4−26154号、特開平4−2197
56号各公報)等が挙げられる。これらは確かにある程
度有効ではあるが、なお実用的見地から感度的に充分で
は無く改良技術が望まれていた。
【0005】チタノセン化合物を用いた可視増感系とし
てはこの他、例えば、複素環を有する特定構造のクマリ
ン化合物との組合せ系が提案されており一定水準の効果
が期待されている(特開平3−239703号、特開平
5−289335号各公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この系
の場合も、例えばレーザー製版に応用する場合にはいく
つかの難点への対応、即ちより高感度でかつ良好な保存
安定性をも具備した系が求められていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決すべく鋭意検討の結果、チタノセン化合物と特
定の骨格を有するクマリン化合物を組合せた高感度光重
合開始系に、特定の骨格を有するジアルキルアミノ安息
香酸エステル類を添加することにより、可視光線、特に
488nmの光線に対して高感度であり、かつ、セーフ
ライト性および経時保存安定性に優れ、レーザー製版に
適した光重合性組成物となることを見出し、本発明に到
達した。
【0008】即ち、本発明の第1の目的は充分なる感度
を有する光重合性組成物を提供するものであり、第2の
目的は保存安定性に優れた光重合性組成物を提供するも
のであって、更に他の目的は特に488nmにおける感
度に優れ、レーザー製版に適した光重合性組成物を供す
る事にある。かかる本発明の目的は、付加重合可能なエ
チレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物
および光重合開始系を含有する光重合性組成物におい
て、該光重合開始系が、(a)チタノセン化合物、
(b)下記一般式〔I〕で表わされるクマリン化合物の
少なくとも一種
【0009】
【化3】
【0010】〔式中、R1 、R2 およびR5 はそれぞれ
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ
基を表わし、R3 およびR4 はそれぞれアルキル基を表
わすが、但し、R3 とR2 及びR4 とR5 との少なくと
も一組又はR3 とR4 が相互に連結して置換または非置
換のアルキレン基を形成していても良く、R6 は水素原
子、アルキル基、アシル基、シアノ基、カルボキシル基
もしくはそれのエステル誘導体またはアミド誘導体の基
を表わし;R7 は炭素原子の総数が3〜17個の複素環
残基を表わす。〕、ならびに(c)下記一般式〔II〕、
〔III 〕または〔IV〕で表わされる化合物の少なくとも
1種
【0011】
【化4】
【0012】〔式中、R8 〜R18はそれぞれアルキル基
を表わす。〕を含有することを特徴とする光重合性組成
物によって容易に達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の光重合性組成物において第一の必須成分
として含まれる付加重合可能なエチレン性不飽和二重結
合を少なくとも1個有する化合物(以下、「エチレン性
化合物」と略す)とは、光重合性組成物が活性光線の照
射を受けた場合、第二の必須成分である光重合開始系の
作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性不飽
和二重結合を有する化合物であって、例えば前記の二重
結合を有する単量体、または、側鎖もしくは主鎖にエチ
レン性不飽和二重結合を有する重合体である。なお、本
発明における単量体の意味するところは、所謂高分子物
質に相対する概念であって、従って、狭義の単量体以外
に二量体、三量体、オリゴマーをも包含するものであ
る。
【0014】エチレン性不飽和結合を有する単量体とし
ては例えば不飽和カルボン酸、脂肪族ポリヒドロキシ化
合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒド
ロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;不飽和
カルボン酸と多価カルボン酸および前述の脂肪族ポリヒ
ドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価
ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエ
ステル等が挙げられる。
【0015】前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和
カルボン酸とのエステルは限定はされないが、具体例と
しては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチ
レングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリ
レート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グ
リセロールアクリレート等のポリヒドロキシ化合物のア
クリル酸エステル、これら例示化合物のアクリレートを
メタクリレートに代えたメタクリル酸エステル、同様に
イタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロトネー
トに代えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代
えたマレイン酸エステル等がある。
【0016】芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリ
レート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシン
ジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガ
ロールトリアクリレート等が挙げられる。不飽和カルボ
ン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエ
ステル化反応により得られるエステルとしては必ずしも
単一物では無いが代表的な具体例を挙げれば、アクリル
酸、フタル酸およびエチレングリコールの縮合物、アク
リル酸、マレイン酸およびジエチレングリコールの縮合
物、メタクリル酸、テレフタル酸およびペンタエリスリ
トールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオ
ールおよびグリセリンの縮合物等がある。
【0017】以上のエステル系(メタ)アクリレート以
外に、いわゆるウレタン系(メタ)アクリレートとエポ
キシ系(メタ)アクリレート等がある。前者は多価イソ
シアネートとヒドロキシアクリルエステル類との付加反
応により、後者は多価エポキシ化合物とヒドロキシアク
リルエステル類との付加反応により調製することができ
る。
【0018】その他本発明に用いられるエチレン性化合
物の例としてはエチレンビスアクリルアミド等のアクリ
ルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;
ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物などが有用
である。前記した主鎖にエチレン性不飽和結合を有する
重合体は、例えば、不飽和二価カルボン酸とジヒドロキ
シ化合物との重縮合反応により得られるポリエステル、
不飽和二価カルボン酸とジアミンとの重縮合反応により
得られるポリアミド等がある。側鎖にエチレン性不飽和
結合を有する重合体は側鎖に不飽和結合をもつ二価カル
ボン酸例えばイタコン酸、プロピリデンコハク酸、エチ
リデンマロン酸等とジヒドロキシまたはジアミン化合物
との縮合重合体がある。また側鎖にヒドロキシ基やハロ
ゲン化メチル基の如き反応活性を有する官能基をもつ重
合体、例えばポリビニルアルコール、ポリ(2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート)、ポリエピクロルヒドリン
等とアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和
カルボン酸との高分子反応により得られるポリマーも好
適に使用し得る。
【0019】以上記載したエチレン性化合物の内、アク
リル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単量体が
特に好適に使用でき、中でも脂肪族ポリヒドロキシ化合
物のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルが好
ましい。次に、本発明の光重合組成物の第二の必須成分
である光重合開始系について説明する。本発明の光重合
開始系は、3種成分の組合せから構成されており、その
第1成分は、本願発明において(a)として表わされる
チタノセン化合物である。該チタノセン化合物は、特に
限定はされないが例えば特開昭59−152396号、
特開昭61−151197号各公報等に記載されている
各種チタノセン化合物から適宜選んで用いることができ
る。さらに具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−T
i−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti
−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−
ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1
−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,
3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シ
クロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフ
ルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−
Ti−ビス−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、
ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−
フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジ
エニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフル
オロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニ
ル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェ
ニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti
−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シ
クロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロ
−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イル(以下、
A−1と略記)等のジシクロペンタジエニル基を有する
チタン錯体を挙げることができる。
【0020】次に本発明の光重合開始系の第2成分
(b)として表わされるクマリン化合物について説明す
る。この化合物は前記一般式〔I〕で表わされる3位に
複素環残基を有するクマリン化合物である。これらの化
合物は常法に準じて、例えば、複素環残基を有する酢酸
エステルとp−置換アミノサリチルアルデヒドとの縮合
反応により調製し得る。
【0021】前記一般式〔I〕において、R1 、R2
よびR5 はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基またはアルコキシ基を表わし;R3 およびR4 はそれ
ぞれアルキル基を表わすが、但しR3 とR2 及びR4
5 との少なくとも一組又はR3 とR4 が相互に連結し
て置換または非置換のアルキレン基を形成していても良
く、R6 は水素原子、アルキル基、アシル基、シアノ
基、カルボキシル基もしくはそのエステル誘導体または
アミド誘導体の基を示し、R7 は炭素原子の総数が3〜
17個の複素環残基を表わすが、中でも含窒素芳香族複
素環残基が好ましく、炭素原子の総数が3〜11の縮合
環系の含窒素芳香族複素環残基が好ましい。具体的に
は、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイ
ミダゾリル基等が挙げられる。
【0022】R1 、R2 およびR5 がハロゲン原子を表
わす場合、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である
ことが一般的で、R1 、R2、R5 及びR6 がアルキル
基またはアルコキシ基を表わす場合、合成上の理由か
ら、低級アルキル基または低級アルコキシ基であること
が好ましく、特に炭素数1〜4のアルキル基またはアル
コキシ基であることが好ましい。R1 、R2、R5 及び
6 はそれぞれ水素原子又は低級アルキル基が好まし
い。R3 およびR4 がアルキル基を表わす場合、合成上
の理由からメチル基またはエチル基を表わすことが一般
的である。R3 とR 2 および/もしくはR4 とR5 又は
3 とR4 が相互に連結して置換または非置換のアルキ
レン基を形成する場合、炭素数1〜5であることが一般
的で、置換基としては例えばアルキル基、アルコキシ
基、ハロゲン原子、アリール基、アシル基、カルボキシ
ル基などがあげられる。
【0023】これらの内、7位アミノ基の置換基R3
4 としては、R3 はR2 と、R4はR5 との組合せに
おいて少なくとも一方の一組が置換、非置換のプロピレ
ン基、より好ましくは3,3−ジメチル−1,3−プロ
ピレン基となってベンゼン環と連結した構造が好まし
い。特に、3,3−ジメチル−1,3−プロピレン基の
1位の炭素原子が窒素原子と結合するのが好ましい。ま
たR7 の複素環残基としてはチアゾール環もしくはオキ
サゾール環を含むものが好ましい。以下に一般式〔I〕
で表わされる化合物についてその代表例をあげるが、こ
れらはあく迄、例示と理解されるべきである。
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】次に本発明の光重合開始系の第3成分
(c)の化合物について述べる。これは前記した様に一
般式(II)、(III )または(IV)で示される化合物の
中から一種または二種以上が用いられる。一般式(II)
〜(IV)において、R9 〜R18は、好ましくは低級アル
キル基、特に好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基を
示し、R8 はより具体的には炭素数1〜20のアルキル
基、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは1〜4
のアルキル基を示すが、これらはいずれも直鎖状であっ
ても、分岐構造を有していてもよい。R8 のアルキル基
は更に置換基、例えばハロゲン原子、アリール基、アシ
ル基、カルボキシル基、アルコキシ基等で置換されてい
ても良い。
【0029】一般式(II)〜(IV)で表わされる化合物
を、具体的に例示するに、例えば、p−ジメチルアミノ
安息香酸エチルエステル(以下、C−1と略記)、p−
ジエチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチル
アミノ安息香酸イソプロピルエステル、p−ジメチルア
ミノ安息香酸−n−ブチルエステル、p−ジメチルアミ
ノ安息香酸−n−オクチルエステルまたはp−ジ−n−
ブチルアミノ安息香酸エチルエステル等のジアルキルア
ミノ安息香酸アルキルエステル;4,4′−ビス(ジメ
チルアミノ)ベンゾフェノン(以下、C−2と略記)、
4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンまた
は4,4′−ビス(ジイソプロピルアミノ)ベンゾフェ
ノン等のビスアミノベンゾフェノン;4,4′−ビス
(ジメチルアミノ)ベンジル(以下、C−3と略記)ま
たは4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンジル等のビ
スアミノベンジルが挙げられる。これらの内、特にジア
ルキルアミノ安息香酸アルキルエステルが好ましい。
【0030】以上述べた化合物(C)に関し、特に、ジ
アルキルアミノ安息香酸アルキルエステルに関しては、
従来よりしばしば光重合開始剤の共成分または添加剤と
して提案されてきた。しかしながら、我々は種々検討を
重ねた結果、実際には必ずしも有効な添加効果を示さ
ず、特に高感度な光重合開始系に対しては共開始系の成
分の組合せに依存して、全く無効であったり、初期感度
は改善されても保存時に感度低下を招く系が多い事が分
かった。これに対し、本発明の系における成分(a)と
(b)とを組合せた、高感度光重合開始系に対する成分
(c)の添加効果は感度の改善のみならず良好な保存安
定性をももたらす事を見い出した。
【0031】以上述べた本発明の光重合開始系の
(a)、(b)および(c)の各成分の使用量はエチレ
ン性化合物に対し成分(a)が0.2〜40重量%、成
分(b)が0.1〜20重量%および成分(c)が0.
1〜40重量%の範囲が好ましい。特に好ましい使用量
はエチレン性化合物に対し成分(a)が1〜30重量
%、(b)が0.5〜15重量%および成分(c)が1
〜30重量%の範囲である。
【0032】本発明の光重合性組成物は、前記の各構成
成分の他に本組成物の改質、光硬化後の物性改善の為に
結合剤として有機高分子物質を更に添加することができ
る。結合剤は相溶性、皮膜形成性、現像性、接着性等改
善目的に応じて適宜選択すればよい。具体的には例えば
水系現像性改善にはアクリル酸共重合体、メタクリル酸
共重合体、イタコン酸共重合体、部分エステル化マレイ
ン酸共重合体、側鎖にカルボキシル基を有する酸性セル
ロース変性物、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロ
リドン等がある。皮膜強度、接着性の改善にはエピクロ
ロヒドリンとビスフェノールAとのポリエーテル;可溶
性ナイロン;ポリメチルメタクリレート等のポリメタク
リル酸アルキルやポリアクリル酸アルキル;メタクリル
酸アルキルとアクリロニトリル、アクリル酸、メタクリ
ル酸、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン等との共
重合体;アクリロニトリルと塩化ビニル、塩化ビニリデ
ンとの共重合体;塩化ビニリデン、塩素化ポリオレフィ
ン、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体;ポリ酢酸ビ
ニル;アクリロニトリルとスチレンとの共重合体;アク
リロニトリルとブタジエン、スチレンとの共重合体;ポ
リビニルアルキルエーテル;ポリビニルアルキルケト
ン;ポリスチレン;ポリアミド;ポリウレタン;ポリエ
チレンテレフタレートイソフタレート;アセチルセルロ
ースおよびポリビニルブチラール等を挙げることができ
る。これらの結合剤は前記エチレン性化合物に対し重量
比率で一般的には500%以下、好ましくは200%以
下の範囲で添加混合することができる。
【0033】本発明の光重合性組成物は必要に応じ更に
熱重合防止剤、着色剤、可塑剤、表面保護剤、平滑剤、
塗布助剤その他の添加剤を添加することができる。熱重
合防止剤としては例えばハイドロキノン、p−メトキシ
フェノール、ピロガロール、カテコール、2,6−ジ−
t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトールなどがあ
り、着色剤としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ
系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エ
チルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染
料、アントラキノン系染料、シアニン系染料がある。こ
れら熱重合防止剤や着色剤の添加量は前記結合剤を使用
した場合、エチレン性化合物と結合剤との合計重量に対
し熱重合防止剤が0.01〜5%、着色剤が0.1〜4
0%が好ましい。
【0034】また、前記可塑剤としては例えばジオクチ
ルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレング
リコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレー
ト、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペー
ト、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等が
あり、結合剤を使用した場合、エチレン性化合物と結合
剤との合計重量に対し30%以下添加することが一般的
である。
【0035】本発明の光重合性組成物を使用する際は、
無溶剤にて感光材料を形成するかまたは適当な溶剤に溶
解して溶液となし、これを支持体上に塗布、乾燥して感
光材料を調製することができる。溶剤としては例えばメ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、酢
酸アミル、乳酸メチル、トルエン、キシレン、モノクロ
ロベンゼン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、トリク
ロロエタン、ジメチルホルムアミド、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、ベントキ
ソン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
等があり、一種または二種以上を併用して用いることが
できる。
【0036】本発明の光重合性組成物を用いて感光材料
を調製する際に適用される支持体は通常用いられるもの
はいずれでも良い。例えばアルミニウム、マグネシウ
ム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、鉄等の金属またはそ
れらを主成分とした合金のシート;上質紙、アート紙、
剥離紙等の紙類;ガラス、セラミックス等の無機シー
ト;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ
メチルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニル−塩化
ビニリデン共重合体、ポリスチレン、6−ナイロン、セ
ルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレ
ート等のポリマーシートなどがある。
【0037】また本発明の光重合性組成物はさらに酸素
による感度低下や保存安定性の劣化等の悪影響を防止す
る為の公知技術、例えば、感光層上に剥離可能な透明カ
バーシートを設けたり酸素透過性の小さいロウ状物質、
水溶性ポリマー等による被覆層を設けることもできる。
本発明の組成物に適用し得る露光光源としては特に限定
されないが、カーボンアーク、高圧水銀燈、キセノンラ
ンプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステ
ンランプ、ヘリウムカドミニウムレーザー、アルゴンイ
オンレーザー、YAGレーザー等400nm以上の可視
光線を含む汎用の光源がより好適に使用し得る。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により更
に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない
限りこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1〜20、比較例1〜10 メタクリル酸メチル/メタクリル酸共重合体(重量平均
分子量45,000、重合比85/15)2gとトリメ
チロールプロパントリアクリレート2gとをメチルエチ
ルケトン36g中に溶解した。これに光開始系成分、即
ち成分(a)であるチタノセン化合物A−1を80mg
を添加し、更に表−1に記載されている成分(b)のク
マリン化合物80mg及び成分(c)の化合物を添加す
る場合200mgの各々を添加溶解して試料感光液を得
た。これを砂目立てかつ陽極酸化を施したアルミニウム
シート上に、ホワラーを用い、乾燥膜厚2μmになるよ
うに塗布し、更に、その表面にポリビニルアルコール水
溶液を、乾燥膜厚が3μmになるように塗布して感光材
試料を作成した。
【0039】次に、この感光材試料に、ウシオ電気社製
キセノンランプ;UI−501Cを用い、ナルミ社製分
光感度測定装置により横軸が波長、縦軸が対数的に光強
度が弱くなる様に10秒間照射した。露光試料は、ブチ
ルセロソルブ6重量%、ケイ酸ナトリウム1重量%を含
む水溶液により現像を行ない、得られた各波長に対応し
た硬化画像の高さより、光硬化画像形成に必要な最も少
ない露光量を算出し、その感光組成の各波長の感度とし
た。その結果を表−1に示すが、以下記載した感度は全
て488nmの光線に対応したエネルギー値で示した。
【0040】
【表1】
【0041】以下述べる実施例18〜20は成分C−1
の添加による感度改善の効果が安定して保持されている
ことを示している。一方、比較例9、10に用いたチタ
ノセン含有の別の高感度光開始系の場合はC−1添加に
よる感度上昇が認められなかったり、効果が一時的過ぎ
なかった例である。 実施例18 実施例−4と同一の試料を室温下4ケ月放置した後感度
測定した結果、53μJ/cm2 を示し感度特性が維持
されていた。また、外観変化も認められなかった。
【0042】実施例19 実施例−10と同一の試料を室温下4ケ月放置した後感
度測定した結果、38μJ/cm2 を示し感度特性が維
持されており、外観変化も認められなかった。 実施例20 実施例−13と同一の試料を室温下4ケ月放置した後感
度測定した結果、44μJ/cm2 を示し感度特性が維
持されており、外観変化も認められなかった。
【0043】比較例9 実施例4において、B−2およびC−1を除き、増感剤
2,4,6−tris−(p−ジメチルアミノスチリ
ル)−1,3,5−トリアジンをB−2と同一量を添加
した場合240μJ/cm2 を示した。これに更に、C
−1を同様添加したところ、感度上昇は認められなかっ
た。
【0044】比較例10 実施例4においてB−2およびC−1を除き、先ず増感
剤2−〔4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3
−ブタジエニルナフト〔1,2−d〕チアゾールをB−
2と同一量添加した。この場合、350μJ/cm2
示し、室温4ケ月後も同感度を維持した。一方、これに
更にC−1を同様添加した場合、感度は260μJ/c
2 と上昇したが、これを室温下4ケ月後に感度測定し
た結果、感度340μJ/cm2 と低下していた。外観
的には異状が認められなかったことから感度低下はC−
1の添加効果が消失したことを示している。
【0045】
【発明の効果】本発明の光重合性組成物は、可視光線に
対して極めて高感度であり、且つ経時保存性に優れる。
従って、該組成物は広範囲な応用分野に有用であって例
えば平版、凹版、凸版等印刷版の作成、プリント配線や
ICの作成の為のフォトレジスト、ドライフィルム、レ
リーフ像や画像複製などの画像形成、光硬化性のイン
ク、塗料、接着剤等に利用できるので工業的に極めて有
用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 付加重合可能なエチレン性不飽和二重結
    合を少なくとも1個有する化合物および光重合開始系を
    含有する光重合性組成物において、該光重合開始系が、
    (a)チタノセン化合物、(b)下記一般式〔I〕で表
    わされるクマリン化合物の少なくとも一種 【化1】 〔式中、R1 、R2 およびR5 はそれぞれ水素原子、ハ
    ロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基を表わし、
    3 およびR4 はそれぞれアルキル基を表わすが、但
    し、R3 とR2 及びR4 とR5 の少なくとも一組又はR
    3 とR4 が相互に連結して置換または非置換のアルキレ
    ン基を形成していても良く、R6 は水素原子、アルキル
    基、アシル基、シアノ基、カルボキシル基もしくはそれ
    のエステル誘導体またはアミド誘導体の基を表わし;R
    7 は炭素原子の総数が3〜17個の複素環残基を表わ
    す。〕、ならびに(c)下記一般式〔II〕、〔III 〕ま
    たは〔IV〕で表わされる化合物の少なくとも1種 【化2】 〔式中、R8 〜R18はそれぞれアルキル基を表わす。〕
    を含有することを特徴とする光重合性組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007032215A1 (ja) * 2005-09-12 2007-03-22 Fujifilm Corporation 感光性組成物、パターン形成材料、感光性積層体、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法

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WO2007032215A1 (ja) * 2005-09-12 2007-03-22 Fujifilm Corporation 感光性組成物、パターン形成材料、感光性積層体、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法

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