JP3552437B2 - 光重合性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光重合性組成物に関するものである。特に可視から近赤外領域の光線に対して極めて高感度な光重合性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光重合系を利用した画像形成法は多数知られている。例えば、付加重合可能なエチレン性二重結合を含む化合物と光重合開始剤、さらに所望により用いられる有機高分子結合剤等からなる光重合性組成物を調製し、この光重合性組成物を支持体上に塗布して光重合性組成物の層を設けた感光材料を作成し、所望画像を像露光して露光部分を重合硬化させ、未露光部分を溶解除去することにより硬化レリーフ画像を形成する方法、上述の感光材料が少なくとも一方が透明である2枚の支持体間に光重合性組成物の層を設けたものであり、透明支持体側より像露光し光による接着強度の変化を惹起させた後、支持体を剥離することにより画像を形成する方法、その他光重合性組成物層の光によるトナー付着性の変化を利用した画像作成方法等がある。これらの方法に応用される光重合性組成物の光重合開始剤としては従来、ベンゾイル、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルケタール、ベンゾフェノン、アントラキノン、ベンジルあるいはミヒラーズケトンなどが用いられてきた。しかしながら、これらの光重合開始剤は400nm以下の紫外線領域の光線に対する光重合開始能力に比較し、400nm以上の可視光線領域の光線に対するそれは著しく低いので、それらを含む光重合性組成物の応用範囲は限定されてきた。
【0003】
近年、画像形成技術の発展に伴い可視領域の光線に対し高度な適応性を有するフォトポリマーが強く要請される様になってきた。それらは、例えば、非接触型の投影露光製版や可視光レーザーによるレーザー製版等に適合した感光材料である。
可視光領域の光線に感応し得る光重合開始系を含有する光重合性組成物に関しては、従来、いくつかの提案がなされてきた。例えば、ヘキサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤および染料の系(特公昭45−37377号公報)、ヘキサアリールビイミダゾールと(p−ジアルキルアミノベンジリデン)ケトンの系(特開昭47−2528号、特開昭54−155292号各公報)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料の系(特開昭48−84183号公報)、置換トリアジンとメロシアニン色素の系(特開昭54−151024号公報)、ケトクマリンと活性剤の系(特開昭52−112681号、特開昭58−15503号、特開昭60−88005号各公報)、置換トリアジンと増感剤の系(特開昭58−29803号、特開昭58−40302号各公報)、ビイミダゾール、スチレン誘導体、チオールの系(特開昭59−56403号公報)、有機過酸化物と色素の系(特開昭59−140203号、特開昭59−189340号各公報)、チタノセンを光重合開始系(特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−10602号、特開昭63−41484号、特開平2−291号、特開平3−12403号、特開平3−20293号、特開平3−27393号、特開平3−52050号各公報)、また、チタノセンとキサンテン色素さらにアミノ基或いはウレタン基を有する付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物を組合わせた系(特開平4−221958号、特開平4−219756号各公報)等を挙げることができる。
【0004】
ホウ素塩色素を含有する系としては、特開昭62−143044号公報、特開平5−5988号公報、特開平5−197069号公報、特開昭62−150242号公報等に記載されている。これらホウ素塩色素を用いる系は、可視から近赤外領域に高い感応感度を有するが、特に親水化処理を施し、表面に水酸基等の極性基を有する平版印刷版用基板上に、ホウ素塩色素を含有する感光性層を塗設した場合、ホウ素塩色素もまた極性であるために、該平板印刷版用基板上に該色素が吸着しやすく、長期間経過した後に印刷版を露光、製版した際に画像形成された印刷版上の非画線部にホウ素塩色素が残留し、印刷時にこの残留色素にインクが付着することによって汚れ(地汚れ)が発生しやすくなるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、可視から近赤外領域に対し、より高感度な光重合性組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、感光性平版印刷版に適用した場合、非画線部の色素残留がなく、地汚れの発生しにくい光重合性組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(a)エチレン性二重結合を少なくとも1個有する付加重合可能な化合物、(b)後述の一般式(I)で表されるホウ素塩色素、及び(c)水に可溶な4級アンモニウム塩、を少なくとも含有することを特徴とする光重合性組成物)に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光重合性組成物において第一の必須成分として含まれるエチレン性二重結合を少なくとも1個有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と略す)とは、光重合性組成物が活性光線の照射を受けた場合、第二の必須成分である光重合開始系の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物であって、例えばエチレン性二重結合を有する単量体、または側鎖もしくは主鎖にエチレン性二重結合を有する重合体である。なお、本発明における単量体の意味するところは、所謂高分子物質に相対する概念であって、従って、狭量の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーをも包含するものである。
【0008】
エチレン性二重結合を有する単量体としては、例えば不飽和カルボン酸及びそのアルキルエステル、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;不飽和カルボン酸と多価カルボン酸および前述の脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステル等が挙げられる。
【0009】
不飽和カルボン酸及びそのアルキルエステルとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸及びこれらカルボン酸の炭素数1〜5のアルキルエステル等であり、アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチルエステル、同様にアクリル酸をメタクリル酸に代えたエステル等が挙げられる。
【0010】
前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルは限定はされないが、具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等のアクリル酸エステル、これら例示化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたメタクリル酸エステル、同様にイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロトネートに代えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマレイン酸エステル等がある。
【0011】
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエステルとしては必ずしも単一物ではないが代表的な具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸およびエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸およびジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸およびペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオールおよびグリセリンの縮合物等がある。
【0012】
その他本発明に用いられるエチレン性化合物の例としてはエチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物などが有用である。
主鎖にエチレン性二重結合を有する重合体としては、例えば不飽和二価カルボン酸とヒドロキシ化合物との重縮合反応により得られるポリエステル、不飽和二価カルボン酸とジアミンとの重縮合反応により得られるポリアミド等がある。側鎖にエチレン性二重結合を有する重合体は側鎖に二重結合をもつ二価カルボン酸、例えばイタコン酸、プロピリデンコハク酸、エチリデンマロン酸等とジヒドロキシまたはジアミン化合物との縮合重合体がある。また側鎖にヒドロキシ基やハロゲン化メチル基の如き反応活性を有する官能基をもつ重合体、例えばポリビニルアルコール、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリエピクロルヒドリン等とアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸との高分子反応により得られるポリマーも好適に使用し得る。
【0013】
以上記載したエチレン性化合物の内、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単量体が特に好適に使用できる。
次に、本発明の光重合性組成物の第二の必須成分であるホウ素塩色素について説明する。
本発明に用いられるホウ素塩色素は、特開昭62−143044号公報、特開昭62−150242号公報等に記載されている、下記一般式(I)で表される色素カチオンと、例えばアルキルトリアリールホウ素アニオン(アルキルトリアリールボレート)のような、ホウ素アニオンとの塩である。
【0014】
【化3】
Figure 0003552437
【0015】
(一般式(I)中、Dは色素カチオンを示し、R〜Rは各々独立してアルキル基、アラルキル基、アルキル基で置換されていても良いアリール基、アルケニル基、アルキニル基、脂肪族複素環基を示す。)
このようなホウ素塩色素は、画像露光時に受ける光線を色素カチオンが吸収し光励起状態になり、この励起状態が隣接して存在するホウ素アニオンを分子内増感分解させ、光重合を誘起する活性ラジカルを発生させる機能を有する。
【0016】
該色素カチオンとしては、例えばメチン、ポリメチン、トリアリールメタン、インドリン、アジン、チアジン、オキサジン、キサンテン、アクリジン、シアニン、カルボシアニン、ヘミシアニン、ローダミン、及びアザメチン等の色素カチオンを挙げることができる。これらの内好ましいものとしては、下記一般式(II)で表されるシアニン系色素カチオンとホウ素アニオンの塩が挙げられる。
【0017】
【化4】
Figure 0003552437
【0018】
(一般式(II)中、R〜Rは各々独立してアルキル基、アラルキル基、アルキル基で置換されていても良いアリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基を示す。R及びRは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、又は置換されていても良いアルキル基を示し、該置換基としてはアルコキシ基、水酸基、及びフェニル基から選ばれる。また、R及びRは互いに結合し、環状構造を形成していても良い。R及びRは各々独立して置換されていても良いアルキル基を示し、該置換基としてはアルコキシ基、水酸基、及びフェニル基から選ばれる。また、Xは酸素原子、硫黄原子、ジアルキルメチン基、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、mは0〜6の整数を示し、A及びAは各々独立して0〜3核の芳香族炭化水素基を示す。)
【0019】
一般式(II)中、A及びAは各々独立して0〜3核の芳香族炭化水素基を示すが、具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、又はフェナントレン環を示すか、あるいは何も縮環していないことを表す。
また、一般式(II)において、Xがジアルキルメチン基であるものは、特に600nm以上の光に対して高い感度を示すため更に好ましい。
一方、一般式(I)及び(II)中のホウ素アニオンに関しては、R〜Rのうち少なくとも1個がアルキル基であるものが好ましく、また、少なくとも1個がアルキル基であり且つ別の少なくとも1個がアリール基であるものが更に好ましい。
次に、本発明に用いられるホウ素塩色素について更に具体的に例示するが、これらの具体例に限定されるものではない。
【0020】
【表1】
Figure 0003552437
【0021】
【表2】
Figure 0003552437
【0022】
【表3】
Figure 0003552437
【0023】
【表4】
Figure 0003552437
【0024】
【表5】
Figure 0003552437
【0025】
【表6】
Figure 0003552437
【0026】
該ホウ素塩色素の含有率としては感光性層の全固形分に対して、0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは、0.2〜3重量%である。
配合率が著しく低いと、感度の低下を起こし、配合率が著しく高いと、地汚れ、吸収ピーク波長での感度低下を起こし易い。
【0027】
本発明の光重合性組成物に用いられる水に可溶性の4級アンモニウム塩は、親水化処理され、表面に水酸基等の極性基を有する基板上にホウ素塩色素が過度に吸着することを防ぎ、室温、或いは55℃の高温加速経時後の印刷版を画像露光−アルカリ現像した場合に、感光性層の光硬化画像部分の基板に対する接着性を保持したまま、未露光部の感光性層の接着性を低下させ、未露光部分の溶解除去を容易にする機能を有する。これにより印刷時、印刷物の非画像部分の汚れの発生を防ぐ機能を有する。
【0028】
本発明に用いられる水に可溶な4級アンモニウム塩は、下記一般式(III)で表されるものである。
【0029】
【化5】
Figure 0003552437
【0030】
(一般式(III)中、R11〜R14は各々独立して、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良いアラルキル基、置換基を有していても良いアルカリール基、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアルキニル基、又は置換基を有していても良い複素環基を示し、Qは対アニオンを示す。)
【0031】
これらの内、R11〜R14が各々独立して、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、又は置換基を有していても良いナフチル基を示し、該置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、フェニル基、ナフチル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基から選ばれるものであり、また、Qがベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、Cl、Br、I、ClO、PF 、又はBF を示すものが好ましい。
【0032】
また、R11〜R14がアルキル基である場合は、炭素数が1〜15であるものが好ましく、炭素数1〜10であるものが更に好ましい。
本発明に用いられる水に可溶な4級アンモニウム塩を、下記第2表に具体的に例示するが、これらの具体例に限定されるものではない。
【0033】
【表7】
Figure 0003552437
【0034】
また、上述した4級アンモニウム塩のうち、水100gに対する溶解性が0.1g以上であるものが特に好ましい。
該4級アンモニウム塩の含有率は、感光性層の全固形分中、通常0.05〜5重量%であり、好ましくは0.1〜3重量%である。
4級アンモニウム塩含有率が著しく少ないと非画線部に地汚れが生じやすい傾向となり、また、著しく高いと、画線部の溶解を起こしやすい傾向となる。
【0035】
本発明の光重合性組成物においては、ホウ素塩色素以外のラジカルを発生しうる活性剤も併用することができ、例えば特開昭59−56403号公報に記載のs−トリアジン化合物、特開昭58−29803号公報に記載のチオール化合物、または、アミン化合物等があげられ、特に好ましい添加剤としては、ジアルキルアミン誘導体化合物が挙げられ、具体的にはN−フェニルグリシン、ミヒラーズケトン、ジアルキルアミノフェニル基を有する化合物等が挙げられる。
ジアルキルアミノフェニル基を含有する化合物としては、例えば下記一般式(IV)〜(VI)の化合物が挙げられる。
【0036】
【化6】
Figure 0003552437
【0037】
一般式(IV)〜(VI)において、R21〜R31はそれぞれアルキル基を表すが、R21、R22、R24〜R31は、好ましくは低級アルキル基、特に好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基を示し、R23はより具体的には炭素数1〜20のアルキル基を示すが、これらはいずれも直鎖状であっても、分岐構造を有していてもよい。R23のアルキル基は更に置換基、例えばハロゲン原子、アリール基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシ基等で置換されていても良い。
【0038】
一般式(IV)〜(VI)で表される化合物を、具体的に例示するに、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソプロピルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸−n−ブチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸−n−オクチルエステルまたはp−ジ−n−ブチルアミノ安息香酸エチルエステル等のジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル;4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンまたは4,4′−ビス(ジイソプロピルアミノ)ベンゾフェノン等のビスアミノベンゾフェノン;4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンジルまたは4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンジル等のビスアミノベンジルが挙げられる。これらの内、一般式(IV)または(V)で表される化合物、特にジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステルが好ましい。
【0039】
該活性剤の含有率は感光性層の全固形分中、通常、0.1〜20重量%であり、好ましくは、0.5〜10重量%である。
本発明の光重合性組成物は前記の各構成成分の他に本組成物の改質、光硬化後の物性改善の為に結合剤として有機高分子物質を更に添加することが好ましい。結合剤は相溶性、皮膜形成性、現像性、接着性等の改善目的に応じて適宜選択すればよい。具体的には例えば、水系現像性改善にはアクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース変性物、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン等がある。
【0040】
皮膜強度、接着性の改善にはエピクロロヒドリンとビスフェノールAとのポリエーテル;可溶性ナイロン;ポリメチルメタクリレート等のポリメタクリル酸アルキルやポリアクリル酸アルキル;メタクリル酸アルキルとアクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン等との共重合体;アクリロニトリルと塩化ビニル、塩化ビニリデンとの共重合体;塩化ビニリデン、塩素化ポリオレフィン、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体;ポリ酢酸ビニル;アクリロニトリルとスチレンとの共重合体;アクリロニトリルとブタジエン、スチレンとの共重合体;ポリビニルアルキルエーテル;ポリビニルアルキルケトン;ポリスチレン;ポリアミド;ポリウレタン;ポリエチレンテレフタレートイソフタレート;アセトンセルロースおよびポリビニルブチラール等を挙げることができる。
これらの有機高分子物質の含有率は、感光性層の全固形分中、通常、10〜80重量%であり、好ましくは30〜80重量%である。
【0041】
本発明の光重合性組成物は、必要に応じ更に熱重合防止剤、着色剤、可塑剤、保存安定剤、表面保護剤、平滑剤、塗布助剤その他の添加剤を添加することができる。
熱重合防止剤としては例えばハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ピロガロール、カテコール、2,6−t−ブチル−p−クレゾール、β−ナフトールなどがあり、着色剤としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料がある。これら熱重合防止剤や着色剤の含有率は感光性層の全固形分中、熱重合防止剤が0.01〜3重量%、着色剤が0.1〜20重量%が好ましい。
【0042】
また、前記可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、感光性層の全固形分中10重量%以下の範囲で添加することができる。
【0043】
本発明の光重合性組成物を使用する際は、無溶媒にて感光材料を形成するか、または適当な溶剤に溶解して溶液とし、これを支持体上に塗布、乾燥して感光材料を調製することができる。溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピオン酸エチル、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、トリクロロエタン、ジメチルホルムアミド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、ベントキソン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等があり、一種または二種以上を併用して用いることができる。
【0044】
本発明の光重合性組成物を用いて感光材料を調製する際に適用される支持体は通常用いられるものはいずれでも良い。例えばアルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、鉄等の金属またはそれらを主成分とした合金のシート;上質紙、アート紙、剥離紙等の紙類;ガラス、セラミックス等の無機シート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、6−ナイロン、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート等のポリマーシート等が挙げられる。
【0045】
また、本発明の光重合性組成物はさらに酸素による感度低下や保存安定性の劣化等の悪影響を防止する為の公知技術、例えば、感光層上に剥離可能な透明カバーシートを設けたり酸素透過性の小さいロウ状物質、水溶性ポリマー等による被覆層を設けることもできる。
本発明の組成物に適用し得る露光光源としては特に限定されないが、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ヘリウムカドミニウムレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー等400nm以上の可視光線を含む汎用の光源がより好適に使用し得る。
【0046】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
【0047】
実施例1〜9及び比較例1〜7
砂目立て及び陽極酸化を施したアルミニウムシート上に、ホワラーを用い、下記組成の感光性組成物塗布液を乾燥膜厚2μmになるように塗布し、更に、その表面にポリビニルアルコール水溶液を、乾燥膜厚が3μmになるように塗布して感光材料を作成した。
【0048】
【表8】
[感光性組成物塗布液]
メタクリル酸メチル/メタクリル酸/アクリル酸メチル共重合体 50重量部
(重量平均分子量45000,共重合比80/10/10)
トリメチロールプロパントリアクリレート 50重量部
光重合開始系 第3表に記載の化合物 第3表に記載の配合量
水溶性4級アンモニウム塩 第3表に記載の化合物 第3表に記載の配合量
添加剤 第3表に記載の化合物 第3表に記載の配合量
シクロヘキサノン 300重量部
N−メチルピロリドン 600重量部
【0049】
(感度)
感光材試料に、ウシオ電気社製キセノンランプ;UI−501Cを用い、ナルミ社製分光感度測定装置により横軸が波長、縦軸が対数的に光強度が弱くなる様に10秒間照射した。露光試料は、炭酸ナトリウム1重量%及びアニオン性界面活性剤(花王社製ペレックスNBL)0.5重量%を含む水溶液により現像を行い、530又は670nmにおいて得られた硬化画像の高さより光硬化画像形成に必要な最も少ない露光量を算出し、その感光組成物の感度とした。結果を第3表に示す。第3表中、感度の欄の略号「F」は画像が形成されなかったことを示す。
【0050】
[地汚れ]
感光性試料を55℃湿度5%の加速劣化保存状態に3日間置いた後、感度評価と同様の方法により画像露光、現像処理を施し、画像形成された試料に富士写真フイルム社の現像インキ(PI−2)を用いてインキ盛り処理を行い、未露光部分の地汚れを評価した。結果を第3表に示す。
A:未露光部分にまったくインキ及びホウ素塩色素の残留がない。
B:未露光部分に、インキの残留はないが、ホウ素塩色素の残留が見られた。
C:未露光部分に、インキとホウ素塩色素の残留が見られた。
D:未露光部分に、著しいインキとホウ素塩色素、さらにエチレン性化合物と有機高分子物質の残留が見られた。
【0051】
【表9】
Figure 0003552437
【0052】
第3表中、光重合開始系の欄の略号(L−1〜L−6)は、それぞれ以下の化合物を表わす。
【0053】
【化7】
Figure 0003552437
【0054】
【化8】
Figure 0003552437
【0055】
【化9】
Figure 0003552437
【0056】
第3表中、4級アンモニウム塩の欄の略号(A−1〜A−5)は、それぞれ以下の化合物を表わす。
A−1:テトラメチルアンモニウムクロライド
A−2:ラウリルトリエチルアンモニウムブロマイド
A−3:テトラメチルアンモニウムイオダイド
A−4:テトラメチルアンモニウムパークロレイト
A−5:テトラメチルアンモニウムテトラフルオロボーレイト
【0057】
第3表中、添加剤の欄の略号(B−1〜B−4)は、それぞれ以下の化合物を表わす。
【0058】
【化10】
Figure 0003552437
【0059】
実施例10
実施例1において、光重合開始系を下記のもの(L−7)に変更し、露光光源をビーム径30μmに焦光した830nm、50mWの半導体レーザー(日立製作所社製HL8325G)を用い走査露光した以外他は同様にして画像形成させ、同様の評価を行った所、感度は10(mJ/cm)、地汚れはAであった。また、ポリビニルアルコール層を塗設しない試料を作成し、同様の評価を行った所、感度は500(mJ/cm)、地汚れはAであった。
【0060】
【化11】
Figure 0003552437
【0061】
実施例11
実施例10において、光重合系を下記のもの(L−8)に変更した以外他は同様にして評価を行った所、ポリビニルアルコールを塗設した試料の感度は50(mJ/cm)、地汚れはA、また、ポリビニルアルコール層を塗布していない試料の感度は2000(mJ/cm)、地汚れはAであった。
【0062】
【化12】
Figure 0003552437
【0063】
【発明の効果】
本発明の光重合性組成物により、可視から近赤外領域の光線に対して極めて高感度であり、さらに経時安定性にも優れた印刷校正用プルーフ、平版、凹版、凸版等の印刷版、カラーフィルター、プリント配線やICの作成用のフォトレジストを提供できる。

Claims (5)

  1. (a)エチレン性二重結合を少なくとも1個有する付加重合可能な化合物、(b)下記一般式(I)で表されるホウ素塩色素、及び(c)水に可溶な4級アンモニウム塩、を含有することを特徴とする光重合性組成物。
    Figure 0003552437
    (一般式(I)中、D + は色素カチオンを示し、R 1 〜R 4 は各々独立してアルキル基、アラルキル基、アルキル基で置換されていても良いアリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基を示す。)
  2. 前記水に可溶な4級アンモニウム塩(c)が水100gに対し0.1g以上の溶解性を有することを特徴とする請求項1に記載の光重合性組成物。
  3. 前記水に可溶な4級アンモニウム塩 (c)を、全固形成分中0.05重量%以上5重量%以下含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光重合性組成物。
  4. 前記ホウ素塩色素(b)が、下記一般式(II)で表されるものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の光重合性組成物。
    Figure 0003552437
    (一般式(II)中、R1 〜R4 は各々独立してアルキル基、アラルキル基、アルキル基で置換されていても良いアリール基、アルケニル基、アルキニル基、複素環基を示す。R5 及びR6 は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、又は置換されていても良いアルキル基を示し、該置換基としてはアルコキシ基、水酸基、及びフェニル基から選ばれる。また、R5 及びR6 は互いに結合し、環状構造を形成していても良い。R7 及びR8 は各々独立して置換されていても良いアルキル基を示し、該置換基としてはアルコキシ基、水酸基、及びフェニル基から選ばれる。また、Xは酸素原子、硫黄原子、ジアルキルメチン基、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、mは0〜6の整数を示し、A1 及びA2 は各々独立して0〜3核の芳香族炭化水素環を示す。)
  5. 前記ホウ素塩色素(b)が、前記一般式II)において、Xがジアルキルメチン基である請求項に記載の光重合性組成物。
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