JPH08116867A - エチレンガスによる野菜、果実等の低温保存方法 - Google Patents

エチレンガスによる野菜、果実等の低温保存方法

Info

Publication number
JPH08116867A
JPH08116867A JP28735394A JP28735394A JPH08116867A JP H08116867 A JPH08116867 A JP H08116867A JP 28735394 A JP28735394 A JP 28735394A JP 28735394 A JP28735394 A JP 28735394A JP H08116867 A JPH08116867 A JP H08116867A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fresh
vegetables
fruits
plant
low temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28735394A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiyoshi Yamane
昭美 山根
Akihiko Yamane
昭彦 山根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HIYOUON KK
HYOON KK
Original Assignee
HIYOUON KK
HYOON KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HIYOUON KK, HYOON KK filed Critical HIYOUON KK
Priority to JP28735394A priority Critical patent/JPH08116867A/ja
Publication of JPH08116867A publication Critical patent/JPH08116867A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Storage Of Harvested Produce (AREA)
  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エチレンガスによる野菜、果実等の低温保存
方法を提供する。 【構成】 野菜、果実等の生鮮植物を、所定の濃度のエ
チレンガスの存在下に、0℃以下で該生鮮植物が凍結し
ない低温度帯に所定の期間低温保存して該生鮮植物の鮮
度を高鮮度に保持しながら熟成することを特徴とする野
菜、果実等の生鮮植物の低温保存方法。 【効果】 野菜、果実等の生鮮植物を、その鮮度を保持
して、長期に亘って保存することができる。また、低温
保存を行い鮮度の低下を抑制しながら熟成を促すため、
野菜、果実等の生鮮植物の鮮度を高鮮度に保持しなが
ら、該生鮮植物の香り、味、風味を増強することができ
る。更に、収穫時期が早く未熟な生鮮植物を、その鮮度
を保持しながら熟成させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレンガスによる処
理と低温熟成保存法(氷温貯蔵技術)とを組み合わせる
ことにより野菜、果実等の生鮮植物を高鮮度に保持する
ことを可能とする生鮮植物の低温保存する方法に関する
ものであり、更に詳しくは、本発明は、従来、鮮度を保
持することが困難であった野菜、果実等の生鮮植物を、
エチレンガスの存在下に、0℃以下で且つ該生鮮植物が
凍結しない特定の低温度帯に所定の期間低温保存して該
生鮮植物の鮮度を高鮮度に保持しながら熟成することを
特徴とする野菜、果実類等の生鮮植物の新規低温保存方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、野菜、果実等の生鮮植物を長期に
亘って貯蔵する方法として種々の技術が研究され、開発
されているが、その代表的なものとして、例えば、CA
貯蔵方法、MA包装貯蔵方法、冷蔵貯蔵方法、低温貯蔵
方法(氷温貯蔵方法)等が広く知られている。このう
ち、前者のCA貯蔵方法、MA包装貯蔵方法は、酸素と
炭酸ガス濃度を野菜、果実等の品目に応じた適切な濃度
に制御して呼吸作用を調整してその鮮度保持を図るもの
であり、一方、後者の冷蔵貯蔵方法、低温貯蔵方法は、
冷蔵庫等の低温設備を利用して野菜、果実等を所定の低
温度条件下に保持してその鮮度保持を図るものであり、
現在、高い鮮度保持効果が期待できるものとして、個別
の野菜、果実等について広く研究されている。
【0003】ところで、一般に、通常の空気には、窒素
78%、酸素21%、アルゴン1%、炭酸ガス0.03
%が含まれているが、これよりも低い酸素濃度や高い炭
酸ガス濃度は、収穫した野菜、果実等の生鮮植物の生理
活性に変化を引き起こすことが知られており、例えば、
野菜の呼吸作用は、低酸素条件において顕著に抑制され
る。該呼吸作用は、野菜に含まれる糖質や有機酸等の成
分を消費してエネルギーに変える反応であることから、
該呼吸作用が活発であれば消耗が大きく、逆に、該呼吸
作用が低下すれば消耗は小さくなることから、一般に、
呼吸作用を抑制することは、生鮮植物の生理活性の面か
らみて、収穫後における野菜、果実等の鮮度と品質を高
レベルに保持するための方法として期待できるものであ
る。
【0004】また、一般に、野菜、果実等の生鮮植物を
低い酸素濃度や高い炭酸ガス濃度の条件下に保存する
と、成熟や老化が抑制されて、植物体の軟化が防止さ
れ、また、ビタミンC、葉緑素等の栄養成分の分解防
止、植物体の褐変や腐敗の防止に有効であることが知ら
れている。更に、低い酸素濃度は、野菜、果実等の成
熟、老化を引き起こすホルモンとして知られているエチ
レンの生成を抑制し、エチレンに対する野菜の感受性を
低下させる作用を有すること、また、高い炭酸ガス濃度
は、エチレンの生成に影響を及ぼすこと等が報告されて
いる。
【0005】このように、低酸素条件と高炭酸ガス条件
と野菜、果実等の生鮮植物との関係に着目して、従来、
低い酸素濃度、及び高い炭酸ガス濃度のガス雰囲気を利
用して、野菜、果実等の生鮮植物を貯蔵する試みが種々
実施されており、これまでに、各種の野菜、果実につい
て、個別的に、その好適な貯蔵条件を研究した結果が種
々報告されており、例えば、野菜については、アスパラ
ガス、オクラ、カリフラワー、キャベツ、キュウリ、サ
ヤエンドウ、スイートコーン、セルリー、タマネギ、ト
マト、ナガイモ、ニンニク、ハクサイ、バレイショ、パ
セリ、ブロッコリー、ホウレンソウ、マッシュルーム、
メキャベツ、リーフレタス、レタス等の好適な貯蔵条件
が、また、果実については、ウメ、ギンナン、イチゴ、
カキ、カボス、メロン、ナシ、ビワ等の好適な貯蔵条件
が、それぞれ、提示されている(食品流通技術,Vo
l.22,No.11,第4〜13頁(1993
年))。
【0006】しかして、既存のCA貯蔵方法は、大別す
ると、普通方式と呼ばれる初期のCA貯蔵庫を利用した
方法と、再循環方式と呼ばれる燃焼装置を利用して庫内
空気を制御する方法とがあげられるが、このうち、前者
の普通方式は、野菜、果実等の生鮮植物を密閉倉庫に入
れて、呼吸作用による酸素濃度の低下と炭酸ガスの蓄積
により、低い酸素濃度と高い炭酸ガス濃度の雰囲気を作
り出すものであり、酸素不足になると換気を行って空気
を補給し、余剰の炭酸ガスはアルカリ等の炭酸ガス吸収
剤を用いたスクラバーにより除去することを特徴とする
ものである。一方、後者の再循環方式は、庫内空気をコ
ンバータと呼ばれる燃焼装置に導いて、バーナーで燃料
ガスを燃焼させて酸素濃度を低下させるものであり、余
剰の炭酸ガスは、活性炭を用いたアドソーバーで吸着し
て除去することを特徴とするものである。
【0007】一般に、野菜、果実等の生鮮植物の貯蔵に
CA貯蔵を利用するには、その前提条件として、まず、
設備投資や運転経費の面で低コスト化が可能であるこ
と、各種の生鮮植物の特性に応じて、簡便且つ確実にガ
ス雰囲気を制御し得る急速CA(rapid CA)方
式のものであること、各種の野菜、果実等の生鮮植物に
適用し得るような汎用性の高いものであること、等の要
件を全てクリアーすることが望ましいが、前記普通方式
は、酸素濃度の低減に長時間かかる緩慢CA(slow
CA)であるために、その適用が一部のものに制約さ
れていること、また、再循環方式は、CA貯蔵装置とし
ての完成度が高く、例えば、リンゴの長期貯蔵と周年供
給に実用化されている実用価値の高いものであるもの
の、装置が大型で複雑になり、貯蔵経費が高くなるた
め、野菜への適用は難点があり、また、果実についても
一部のものに限られるという問題点がある。
【0008】また、上記CA貯蔵と同様に、鮮度保持に
適するガス組成を利用した方法として、MA包装貯蔵方
法が知られている。該MA包装貯蔵方法には、大別し
て、2種類あり、一つは、包装時に鮮度保持に適するガ
ス組成を積極的に注入して密封し、包装内を最初から好
適なガス組成に維持して、該包装内で野菜、果実等を貯
蔵する方法である。他は、包装した野菜、果実等の呼吸
作用により減少する酸素と排出される二酸化炭素の蓄積
を待って徐々に袋内を好適なガス組成に維持するように
することを特徴とする方法である。
【0009】上記MA包装貯蔵方法についても、該MA
包装貯蔵技術を利用した各種の生鮮植物の貯蔵方法が種
々開発されており、例えば、該MA包装貯蔵方法によ
り、ブロッコリー、アスパラガス、イチゴ、青ウメ、カ
キ等の貯蔵条件が詳細に報告されている(愛知農総試研
報,第21号(1989年)、I.J.Food Sc
ience and Technology,Vol.
27,(1992年)、J.Food Scienc
e,57(5)(1992年)、食品流通技術,Vo
l.22,No.11,14−18(1993年))。
しかしながら、野菜、果実に対するMA包装貯蔵方法
は、包装内のガス組成が安定しないので、ガス障害の発
生が懸念されるという問題があり、実際に適用すること
が可能な生鮮植物の種類がきわめて限られたものになっ
てしまうという問題点がある。
【0010】一方、野菜、果実等を低温状態に保持し
て、その鮮度保持を図ることは、特に、冷蔵方法とし
て、古くから行われており、上記CA貯蔵法、MA包装
貯蔵方法においても、温度条件を0℃〜12℃程度に維
持する方法が採用されているように、野菜、果実等の生
鮮植物の貯蔵法として、一般に、0℃以上の低温条件
は、不可欠のものとされてきた。
【0011】このような状況下にあって、本発明者ら
は、生鮮植物の新しい鮮度保持技術として、生鮮植物
を、0℃以下の特定の低温領域に保持してその鮮度保持
を図る低温貯蔵方法(氷温貯蔵方法)を開発し、これま
でに数多くの成果を報告してきた。即ち、本発明者ら
は、これまでの常識を大きく変えるものとして、これま
での通常の冷蔵技術とは全く異なった、0℃以下の低温
度帯における野菜、果実等の生鮮植物の保存、熟成技術
の基本技術(氷温技術(氷温:登録商標))を確立し、
該保存、熟成技術を利用して、各種野菜、果実等の生鮮
植物を貯蔵する低温貯蔵方法(氷温貯蔵方法)を開発
し、報告してきた。ここでその代表的なものをいくつか
あげると、以下のようなものが例示される。 可食状態にした果実、蔬菜類を、酸素液に浸漬処理
した後、氷点降下剤溶液に浸漬して−3℃〜−10℃の
温度範囲で貯蔵することを特徴とする氷温貯蔵食品の製
造法(特公昭53−46897号公報)。
【0012】 食品の熟成方法において、食品を、氷
点降下剤の存在下で、0℃以下の低温帯で未凍結状態を
保持させて貯蔵することを特徴とする食品の熟成方法
(特開昭61−280229号公報)
【0013】 果実・蔬菜類の冷温貯蔵において、果
実・蔬菜類に氷温降下剤液を吸収させた後、これに氷の
被膜を被覆させ、次いでこれを−1℃〜−8℃の温度下
で貯蔵することを特徴とする氷温貯蔵食品の製造法(特
公昭61−32938号公報)。
【0014】 食品類を氷結点降下剤で処理して−6
℃以下に氷結点を降下させた氷結点調整食品類を、−3
℃から当該氷結点に至るまでの低温領域に長時間保持す
ることを特徴とする食品類中に存在する有害微生物の減
少化方法(特公平1−19873号公報)。
【0015】 野菜・果実類、魚介類、鳥獣肉類等の
天然農畜水産物を摩砕、圧搾、必要により濾過して得た
搾汁液の濃縮液、又は上記搾汁液をプロテアーゼ処理
し、濾過し、濃縮した濃縮液に、食塩、エチルアルコー
ル、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酢酸、砂糖、ソ
ルビトールその他の各種有機酸又はその塩類、糖類、ア
ルコール類などから選ばれた1種又は2種以上と、更
に、必要に応じて、水溶性ゼラチン酵素分解物とが、適
宜混和されて成ることを特徴とする食品類用の新規氷結
点降下剤(特公平3−38829号公報)。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、本発明
者らは、野菜、果実等の生鮮植物を、0℃以下の特定の
低温度帯に保持して保存、熟成を図る方法を種々開発す
ると共に、該保存、熟成方法を応用した更なる新しい技
術の研究、開発を進める中で、前記の如きCA貯蔵、M
A包装貯蔵等の従来技術ではその貯蔵が困難とされてい
た各種の生鮮植物について好適に適用し得る新しい方法
を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結
果、意外にも、従来、野菜、果実等の熟成、老化を促進
するガス成分として知られていたエチレンガスと上記0
℃以下の低温度帯を利用した貯蔵技術を組み合わせるこ
とにより、各種の生鮮植物を好適に保存し得ることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0017】すなわち、本発明は、野菜、果実等の生鮮
植物を長期間保存することが可能な新しい保存方法を提
供することを目的とするものである。
【0018】また、本発明は、野菜、果実等の生鮮植物
を高鮮度に保持し得る保存方法を提供することを目的と
するものである。
【0019】更に、本発明は、早期に収穫した未完熟の
野菜、果実等の生鮮植物を高鮮度に保持しながら熟成す
ることを可能とする生鮮植物の保存方法を提供すること
を目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
の本発明の第1の態様は、野菜、果実等の生鮮植物を、
所定の濃度のエチレンガスの存在下に、0℃以下で該生
鮮植物が凍結しない低温度帯に所定の期間低温保存して
該生鮮植物の鮮度を高鮮度に保持しながら熟成すること
を特徴とする野菜、果実等の生鮮植物の低温保存方法、
である。
【0021】また、本発明の第2の態様は、エチレンガ
ス濃度が、0.01〜1000ppmである上記の野
菜、果実等の生鮮植物の低温保存方法、である。
【0022】また、本発明の第3の態様は、野菜、果実
等の生鮮植物を、エチレンガスを封入した包装フィルム
中に収納して低温保存することを特徴とする上記の野
菜、果実等の生鮮植物の低温保存方法、である。
【0023】更に、本発明の第4の態様は、0℃以下で
該生鮮植物が凍結しない低温度帯が、0℃から該生鮮植
物の破壊点に至るまでの低温領域である上記の野菜、果
実等の生鮮植物の低温保存方法、である。
【0024】続いて、本発明について詳細に説明する。
本発明は、野菜、果実等の生鮮植物を、所定濃度のエチ
レンガスの存在下に、0℃以下で該生鮮植物が凍結しな
い低温度帯に所定の期間低温保存して該生鮮植物の鮮度
を高鮮度に保持しながら熟成することを特徴とするもの
であるが、ここで、本発明で云うところの野菜、果実等
の生鮮植物は、いわゆる野菜、果実に限らず、生花、観
葉植物、薬草、草花、穀類、ナッツ類等を含む一般的な
生鮮植物を全て含むものである。
【0025】本発明においては、エチレンガスで処理す
ることが必要とされるが、該エチレンガスの濃度は、生
鮮植物の種類に応じて種々異なるものであり、通常、
0.01〜1000ppm、望ましくは0.1〜100
ppm、が好適な濃度として例示される。該エチレンガ
スの濃度は、対象とする野菜、果実等の生鮮植物の種類
によって、好適な濃度に適宜調整したものを使用れば良
く、従って、対象とされる生鮮植物の種類に応じて、該
エチレンガスの濃度を適宜変更し、好適な濃度に設定す
ることは特に制約されるものではない。本発明は、例え
ば、適宜の形態の貯蔵庫に所定の濃度のエチレンガスを
注入し、該貯蔵庫中に生鮮野菜、果実等を収納すること
により実施されるが、簡易手段として、該貯蔵庫の代わ
りに、適宜の包装フィルム、包装材料中に収納して実施
することも適宜可能である。
【0026】本発明においては、野菜、果実等の生鮮植
物を、上記エチレンガスの存在下に、0℃以下で該生鮮
植物が凍結しない低温度帯に所定の期間低温保存して該
生鮮植物の鮮度を高鮮度に保持しながら熟成することが
必要とされる。この場合、0℃以下で該生鮮植物が凍結
しない低温度帯とは、0℃以下で該生鮮植物の破壊点に
至るまでの低温領域であって、対象とされる生鮮植物の
種類によって大きく異なるが、通常0℃〜−10℃の低
温度帯が代表的なものとして例示される。
【0027】一般に、野菜、果実等の生鮮植物は、0℃
〜−3℃で凍結が始まるが、必要に応じて、予め該生鮮
植物を凍結防止剤、氷結点降下剤、不凍液等で処理する
ことにより、該生鮮植物の氷結点を降下させることが可
能であり、本発明においては、該氷結点降下剤等を適宜
併用することができる。これによって、0℃〜−10℃
のより広い範囲の低温度帯で生鮮植物を保存することが
可能であり、該生鮮植物を長期間に亘って高鮮度に保存
することが可能となる。本発明において使用される氷結
点降下剤等は、如何なるものであっても良く、その種類
は特に限定されるものではないが、例えば、食塩、糖
類、有機酸、有機酸塩、エチルアルコール、ソルビトー
ル、プロピレングリコール、高級アルコール等から選択
される1種又はそれ以上を被処理生鮮植物との関連にお
いて適宜組み合わせたものあるいはこれらと同効のもの
が好適なものとしてあげられる。
【0028】本発明において、必要に応じて、上記氷結
点降下剤等を使用するのは、被処理植物の氷結点をでき
るだけ降下させて、より広い範囲の低温度帯で未凍結状
態を維持して、腐敗の進行を防止しながら熟成を促進さ
せるためである。本発明は、該氷結点降下剤等の存在下
に生鮮植物を所定の低温度帯に保存することが好ましい
が、該氷結点降下剤等は、適宜の方法、手段で利用すれ
ば良く、その利用の形態は、特に限定されるものではな
い。
【0029】本発明において、野菜、果実等の生鮮植物
を上記低温度帯で保存するには、該生鮮植物を所定の低
温度条件に制御された低温保存庫に所定の期間保持すれ
ば良く、該低温保存庫の種類、形態、制御方法は、適宜
のものが使用可能である。この場合、保存期間は、対象
とされる生鮮植物の種類によって大きく異なるが、一般
に、低温度帯に10〜300日間程度保持することによ
って所定の効果を得ることができる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載して、本発明
の特徴について具体的に説明するが、本発明は、該実施
例に限定されるものではない。 実施例1 キャベツ、レタス、ホウレンソウを対象品目として使用
し、エチレンガス未封入区とエチレンガス封入区(10
ppm)の二種類の処理区を設け、該処理区において、
−0.5℃の低温度帯にて14日間保存を行った。その
結果を表1に示す。表1の結果から明らかなように、両
処理区ともに外観は非常に良好ないし良好であり、外観
的な傷みは見られず、また、鮮度も非常に良好ないし良
好であり、新鮮な状態であった。また、食した時の食
感、味、香りについて専門のパネラーにより官能テスト
を実施したところ、エチレンガス封入区の方が、未封入
区と比較して、顕著に甘味が増加しており、食感、香り
が非常に良好であり、両処理区に顕著な差異があること
が判明した。
【0031】以上のことから、従来、鮮度保持に有効で
あるとして、鮮度保持を優先とする保存手段として使用
されていた0℃以下の低温度領域は、エチレンガスを存
在させることにより、鮮度を保持しながら、風味、味、
香り等の食味の点で顕著な改善効果が得られること、即
ち、追熟を促しながら保存が可能となったことが分か
り、該方法が、野菜、果実等の生鮮植物の保存と熟成に
有用なものであることが判明した。
【0032】
【表1】
【0033】実施例2 上記実施例1と同様にして、各種の野菜、果実を対象品
目として使用して、低温度帯にて10〜300日間保存
を行った。その結果を表2、表3に示す。表2、表3か
ら明らかなように、実施例2についても、実施例1の場
合とほぼ同様の結果が得られた。尚、表中、鮮度の評価
は、実施例1の表1と同様である。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、野菜、
果実等の生鮮植物を、所定濃度のエチレンガスの存在下
に、0℃以下で該生鮮植物が凍結しない低温度帯に所定
の期間低温保存して該生鮮植物の鮮度を高鮮度に保持し
ながら熟成することを特徴とする野菜、果実等の生鮮植
物の低温保存方法に係るものであり、本発明によれば、
次のような効果が奏される。 (1)野菜、果実等の生鮮植物を、その鮮度を保持し
て、長期に亘って保存することができる。 (2)低温保存を行い鮮度の低下を抑制しながら熟成を
促すため、野菜、果実等の生鮮植物の鮮度を高鮮度に保
持しながら、該生鮮植物の香り、味、風味を増強し、改
善することができる。 (3)収穫時期が早く未熟な生鮮植物を、その鮮度を保
持しながら熟成させることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 野菜、果実等の生鮮植物を、所定の濃度
    のエチレンガスの存在下に、0℃以下で該生鮮植物が凍
    結しない低温度帯に所定の期間低温保存して該生鮮植物
    の鮮度を高鮮度に保持しながら熟成することを特徴とす
    る野菜、果実等の生鮮植物の低温保存方法。
  2. 【請求項2】 エチレンガス濃度が、0.01〜100
    0ppmである請求項1記載の野菜、果実等の生鮮植物
    の低温保存方法。
  3. 【請求項3】 野菜、果実等の生鮮植物を、エチレンガ
    スを封入した包装フィルム中に収納して低温保存するこ
    とを特徴とする請求項1記載の野菜、果実等の生鮮植物
    の低温保存方法。
  4. 【請求項4】 0℃以下で該生鮮植物が凍結しない低温
    度帯が、0℃から該生鮮植物の破壊点に至るまでの低温
    領域である請求項1記載の野菜、果実等の生鮮植物の低
    温保存方法。
JP28735394A 1994-10-27 1994-10-27 エチレンガスによる野菜、果実等の低温保存方法 Pending JPH08116867A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28735394A JPH08116867A (ja) 1994-10-27 1994-10-27 エチレンガスによる野菜、果実等の低温保存方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28735394A JPH08116867A (ja) 1994-10-27 1994-10-27 エチレンガスによる野菜、果実等の低温保存方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08116867A true JPH08116867A (ja) 1996-05-14

Family

ID=17716275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28735394A Pending JPH08116867A (ja) 1994-10-27 1994-10-27 エチレンガスによる野菜、果実等の低温保存方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08116867A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004089093A3 (en) * 2003-04-05 2005-03-17 Greenvale Ap Ltd Apparatus and method for controlling sprout growth in a crop
JP2006061013A (ja) * 2004-08-24 2006-03-09 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ニンニクの発芽発根抑制方法
JP2014233285A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 日本製粉株式会社 ケーキ類の製造方法
JP2014233283A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 日本製粉株式会社 製パン方法
CN113218134A (zh) * 2021-05-18 2021-08-06 绍兴市大舜农业发展有限公司 气调冷藏方法、气调冷藏控制***及气调冷藏库
JP2023054451A (ja) * 2021-10-04 2023-04-14 株式会社ゆめみらい 食材の保存方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004089093A3 (en) * 2003-04-05 2005-03-17 Greenvale Ap Ltd Apparatus and method for controlling sprout growth in a crop
JP2006061013A (ja) * 2004-08-24 2006-03-09 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ニンニクの発芽発根抑制方法
JP2014233285A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 日本製粉株式会社 ケーキ類の製造方法
JP2014233283A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 日本製粉株式会社 製パン方法
CN113218134A (zh) * 2021-05-18 2021-08-06 绍兴市大舜农业发展有限公司 气调冷藏方法、气调冷藏控制***及气调冷藏库
JP2023054451A (ja) * 2021-10-04 2023-04-14 株式会社ゆめみらい 食材の保存方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wu An overview of postharvest biology and technology of fruits and vegetables
CN101258869A (zh) 一种白色金针菇的贮藏保鲜方法
CN101473869B (zh) 一种控制桃子冷害、保持食用品质的方法
CN107811030A (zh) 一种蓝莓绿色精准防腐保鲜方法及其应用
Mohapatra et al. Banana post harvest practices: Current status and future prospects-A review
Salunkhe et al. Developments in technology of storage and handling of fresh fruits and vegetables
CN111011473A (zh) 一种速冻毛豆的加工工艺
CN103300141A (zh) 水蜜桃低温贮藏保鲜方法及γ-氨基丁酸在水蜜桃保鲜中的应用
JP5087152B2 (ja) 生鮮食品の鮮度保持処理方法
Muthukumarappan et al. Refrigeration and freezing preservation of vegetables
JPH08116867A (ja) エチレンガスによる野菜、果実等の低温保存方法
CN109793043B (zh) 一种枇杷脱氧包装的保鲜方法
WO2003005830A2 (en) Method for the preservation of whole fruits and fresh-cut salads and flowers
CN102273505B (zh) 一种杨梅贮藏保鲜方法
CN107897342A (zh) 一种葡萄二氧化硫气调保鲜方法
JP2003116460A (ja) 食品保存方法とその装置
US2178675A (en) Process for treating vegetables
CN110583763A (zh) 一种荔枝果实的采后保鲜方法
Kamal et al. Effect of respiratory gases (O2; CO2) on shelf-life of fresh oyster mushrooms packaged with different sealable polymeric materials
JPH03201940A (ja) 生食用生野菜の保存方法
JPS62198372A (ja) 生鮮物の生鮮度保持剤及び保持方法
CN112586558A (zh) 一种利用气调库保鲜贮藏食用菌的方法
Ekman et al. Innovation in cold storage technologies
Sood et al. Chapter-4 Post-harvest Technology for Fruits
Meyvaci et al. Research on prolonging the marketing period of dried and ready-to-eat type figs (Ficus carica)