JPH08104785A - 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物 - Google Patents

耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物

Info

Publication number
JPH08104785A
JPH08104785A JP6240972A JP24097294A JPH08104785A JP H08104785 A JPH08104785 A JP H08104785A JP 6240972 A JP6240972 A JP 6240972A JP 24097294 A JP24097294 A JP 24097294A JP H08104785 A JPH08104785 A JP H08104785A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
component
styrene
resin composition
poly
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6240972A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Okada
明彦 岡田
Tomoaki Takebe
智明 武部
Nobuyuki Sato
信行 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP6240972A priority Critical patent/JPH08104785A/ja
Priority to PCT/JP1995/002029 priority patent/WO1996011233A1/ja
Priority to US08/648,017 priority patent/US5777028A/en
Priority to EP95933611A priority patent/EP0733675B1/en
Priority to DE69525610T priority patent/DE69525610T2/de
Publication of JPH08104785A publication Critical patent/JPH08104785A/ja
Priority to US09/072,694 priority patent/US6048932A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L23/02Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L23/16Elastomeric ethene-propene or ethene-propene-diene copolymers, e.g. EPR and EPDM rubbers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L21/00Compositions of unspecified rubbers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L23/02Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L25/00Compositions of, homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L25/02Homopolymers or copolymers of hydrocarbons
    • C08L25/04Homopolymers or copolymers of styrene
    • C08L25/06Polystyrene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L53/00Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L53/02Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers of vinyl-aromatic monomers and conjugated dienes

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性及び弾性率を損なうことなく耐衝撃性
及び伸び性を大きく向上させた耐衝撃性ポリスチレン系
樹脂組成物を提供すること。 【構成】 (a)シンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合体5〜97重量%,(b)オレフィン成分を
含有するゴム状弾性体又はポリオレフィン2〜95重量
%及び(c)ジオクチルフタレートで60重量%溶液に
希釈したときのミクロ相分離温度が180℃以下である
スチレン−オレフィンブロック共重合体又はグラフト共
重合体0.5〜10重量%からなる耐衝撃性ポリスチレン
系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐衝撃性ポリスチレン系
樹脂組成物に関し、詳しくは、耐熱性,弾性率に優れ、
かつ耐衝撃性及び伸び性に優れたシンジオタクチックポ
リスチレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体(以
下、SPSと略す場合がある。)は優れた耐熱性,耐薬
品性を示すが、耐衝撃性が低いため材料として用いる適
用範囲が限られていた。そのため、SPSにゴム状弾性
体,他の熱可塑性樹脂をブレンドすることによりSPS
の耐衝撃性の改良が行われてきた(特開昭62−257
950号公報,特開平1−146944号公報,同1−
182344号公報,同1−279944号公報,同2
−64140号公報)。例えば、SPSにゴム状弾性体
としてスチレン系化合物を一成分として含有するもの
(特開平1−146944号公報参照)、SPS−ゴム
系に対し相溶化剤としてアタクチックポリスチレン鎖を
含むブロックまたはグラフト共重合体を添加するもの
(特開平1−279944号公報参照)、SPS−ゴム
系に対しポリフェニレンエーテルを添加するもの(特開
平1−279944号公報参照)などがある。しかし、
上記改良技術は、非相溶なSPSとゴム成分との相溶性
を改良し、ゴム成分の分散性,界面強度の向上を目的と
するため、ゴム成分あるいは相溶化剤としてアタクチッ
クポリスチレン鎖を含むブロックまたはグラフト共重合
体を用いているため相溶化剤の効果が不充分であり衝撃
強度の向上度が低かった。また、ポリフェニレンエーテ
ルを多量に添加することにより耐衝撃性の改良を行う場
合、得られる組成物の色相低下,長期耐熱性の低下,S
PSの結晶化の低下等の問題を避けることができなかっ
た。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、ゴム成分で
あるオレフィン成分を含有するゴム状弾性体又はポリオ
レフィンと共に、ジオクチルフタレートで60重量%溶
液に希釈したときのミクロ相分離温度が180℃以下で
あるスチレン−オレフィンブロック共重合体又はグラフ
ト共重合体をブレンドすることにより、耐熱性及び弾性
率を損なうことなく耐衝撃性及び伸び性を大きく向上さ
せたシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物が得
られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づい
て完成したものである。
【0004】すなわち、本発明は、(a)シンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体5〜97重量%,
(b)オレフィン成分を含有するゴム状弾性体又はポリ
オレフィン2〜95重量%及び(c)ジオクチルフタレ
ートで60重量%溶液に希釈したときのミクロ相分離温
度が180℃以下であるスチレン−オレフィンブロック
共重合体又はグラフト共重合体0.5〜10重量%からな
る耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物を提供するもので
ある。また、本発明は、(a)シンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体5〜97重量%,(b)オレ
フィン成分を含有するゴム状弾性体又はポリオレフィン
2〜95重量%,(c)ジオクチルフタレートで60重
量%溶液に希釈したときのミクロ相分離温度が180℃
以下であるスチレン−オレフィンブロック共重合体又は
グラフト共重合体0.5〜10重量%及び(d)ポリフェ
ニレンエーテル0.5〜5重量%からなる耐衝撃性ポリ
スチレン系樹脂組成物を提供するものである。
【0005】本発明の(a)成分であるシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体は、本発明の耐衝撃
性ポリスチレン系樹脂組成物の基材成分として用いられ
る。ここでシンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体におけるシンジオタクチック構造とは、立体構造
がシンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形
成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェ
ニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するも
のであり、そのタクティシティーは同位体炭素による核
磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量される。13
−NMR法により測定されるタクティシティーは、連続
する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合は
ダイアッド,3個の場合はトリアッド,5個の場合はペ
ンタッドによって示すことができるが、本発明に言うシ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体とは、
通常はラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85
%以上、若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ま
しくは50%以上のシンジオタクティシティーを有する
ポリスチレン,ポリ(アルキルスチレン),ポリ(ハロゲ
ン化スチレン),ポリ(ハロゲン化アルキルスチレ
ン),ポリ(アルコキシスチレン),ポリ(ビニル安息
香酸エステル),これらの水素化重合体及びこれらの混
合物、あるいはこれらを主成分とする共重合体を指称す
る。なお、ここでポリ(アルキルスチレン)としては、
ポリ(メチルスチレン),ポリ(エチルスチレン),ポ
リ(イソプロピルスチレン),ポリ(ターシャリ−ブチ
ルスチレン),ポリ(フェニルスチレン),ポリ(ビニ
ルナフタレン),ポリ(ビニルスチレン)等があり、ポ
リ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチ
レン),ポリ(ブロモスチレン),ポリ(フルオロスチ
レン) 等がある。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチ
レン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン) 等、ま
た、ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メト
キシスチレン),ポリ(エトキシスチレン)等がある。
これらのうち特に好ましいスチレン系重合体としては、
ポリスチレン,ポリ(p−メチルスチレン),ポリ(m
−メチルスチレン),ポリ(p−ターシャリーブチルス
チレン),ポリ(p−クロロスチレン),ポリ(m−ク
ロロスチレン),ポリ(p−フルオロスチレン) ,水素
化ポリスチレン及びこれらの構造単位を含む共重合体が
挙げられる。なお、上記スチレン系重合体は、一種のみ
を単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0006】このスチレン系重合体は、分子量について
特に制限はないが、重量平均分子量が好ましくは100
00以上、更に好ましくは50000以上である。更
に、分子量分布についてもその広狭は制約がなく、 様々
なものを充当することが可能である。ここで、重量平均
分子量が10000未満のものでは、得られる組成物あ
るいは成形品の熱的性質,力学的物性が低下する場合が
あり好ましくない。このようなシンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素溶
媒中、又は溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とト
リアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、ス
チレン系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量
体)を重合することにより製造することができる(特開
昭62−187708号公報)。また、ポリ(ハロゲン
化アルキルスチレン)については特開平1−46912
号公報、上記水素化重合体は特開平1−178505号
公報記載の方法等により得ることができる。
【0007】本発明の(b)成分であるオレフィン成分
を含有するゴム状弾性体又はポリオレフィンは、本発明
の樹脂組成物の耐衝撃性を改良するために用いられる。
このようなゴム状弾性体又はポリオレフィンとは、構造
中にモノマー単位としてエチレン,プロピレン,ブチレ
ン,オクテン,ブタジエン,イソプレン,ノルボルネ
ン,ノルボルナジエン,シクロペンタジエン等のオレフ
ィン成分を含有するものである。ゴム状弾性体の具体例
としては、例えば、天然ゴム,ポリブタジエン,ポリイ
ソプレン,ポリイソブチレン,ネオプレン,スチレン−
ブタジエンブロック共重合体ゴム(SBR),スチレン
−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS),
水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体(SEBS),スチレン−イソプレンブロック−ス
チレンブロック共重合体(SIS),水素添加スチレン
−イソプレンブロック−スチレンブロック共重合体(S
EPS),エチレンプロピレンゴム(EPM),エチレ
ンプロピレンジエンゴム(EPDM)又はこれらを変性
剤により変性したゴム等が挙げられる。これらのうち特
に、SEBS,SBR,SBS,EPM,EPDMが好
ましい。また、ポリオレフィンの具体例としては、アイ
ソタクチックポリプロピレン,シンジオタクチックポリ
プロピレン,アタクチックポリプロピレン,ブロックポ
リプロピレン,ランダムポリプロピレン,高密度ポリエ
チレン,高圧法ポリエチレン,直鎖状低密度ポリエチレ
ン,環状ポリオレフィン,ポリブテン,1,2−ポリブ
タジエン及びこれらの共重合体などが挙げられる。な
お、上記オレフィン成分を含有するゴム状弾性体又はポ
リオレフィンは、一種のみを単独で、又は二種以上を組
み合わせて用いることができる。(b)成分として用い
るゴム状弾性体又はポリオレフィンの配合割合は、樹脂
組成物100重量%中2〜95重量%、好ましくは5〜
80重量%、さらに好ましくは10〜50重量%の範囲
とする。2重量%未満では耐衝撃性の改善効果が少な
く、95重量%を超えると組成物の弾性率及び耐熱性の
低下が著しく好ましくない。
【0008】本発明の樹脂組成物は、さらに(c)成分
としてジオクチルフタレートで60重量%溶液に希釈し
たときのミクロ相分離温度が180℃以下であるスチレ
ン−オレフィンブロック共重合体又はグラフト共重合体
を含有する。このような共重合体は、(a)成分のSP
Sと(b)成分のゴム状弾性体の相溶化剤としての役割
を果たすものと考えられ、ミクロ相分離温度の低いスチ
レン−オレフィンブロック共重合体又はグラフト共重合
体ほど、溶融混練時に(a)成分と(b)成分の界面に
配置し易く、相溶化剤としての効果が高いと考えられ
る。ジオクチルフタレートで60重量%溶液に希釈した
ときのミクロ相分離温度とは、下記の及びの条件を
同時に満足する温度と規定され、この温度より高温では
ミクロ相分離構造を形成せず、またこの温度より低温で
はミクロ相分離構造を形成すると考えられる。 小角X線散乱の一次ピーク強度Im を温度Tの関数と
して測定し、1/Imの1/Tに対するプロットが直線
からはずれ始める温度 小角X線散乱の一次ピーク位置qm が温度とともに小
角側へシフトし始める温度
【0009】(c)成分の具体例としては、例えば、ス
チレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム(SBR),
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(S
BS),水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体(SEBS),スチレン−イソプレンブロ
ック−スチレンブロック共重合体(SIS),水素添加
スチレン−イソプレンブロック−スチレンブロック共重
合体(SEPS)等のスチレン−オレフィン−スチレン
ブロック又はグラフト共重合体、又はこれらを極性基を
有する変性剤により変性したもののうち、上記及び
の条件を満たすミクロ相分離温度が180℃以下のもの
が挙げられる。これらのうち特に、無水マレイン酸変性
SEBS,エポキシ変性SEBS,SBR,SBSなど
が好適である。なお、上記のようなスチレン−オレフィ
ンブロック又はグラフト共重合体は、一種のみを単独
で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(c)成分の添加量は、樹脂組成物100重量%中に0.
5〜10重量%であるのが好ましく、1〜5重量%の範
囲であるのがさらに好ましい。この添加量が0.5重量%
未満では耐衝撃性の改善効果が少なく、10重量%を超
えると樹脂組成物の弾性率及び耐熱性の低下が著しく好
ましくない。本発明の樹脂組成物は、上記(b)成分と
上記(c)成分を併用することによって弾性率及び耐熱
性を低下することなくSPSの耐衝撃性を改善したもの
であるが、(c)成分の添加量の(b)成分に対する割
合に特に制限はない。しかし(b)成分100重量部に
対して(c)成分を1〜50重量部とするのが好まし
く、(c)成分が1重量部未満であると耐衝撃性及び伸
び性の改善効果が小さく、50重量部を超えるとコスト
的に好ましくない。また、(c)成分のオレフィン部と
しては、(b)成分のオレフィン系ゴム状弾性体又はポ
リオレフィンと同一骨格あるいは相溶性のよいものを用
いるのが好ましい。
【0010】本発明の樹脂組成物は、さらに(d)成分
としてポリフェニレンエーテルを含有することができ
る。ポリフェニレンエ−テルは、公知の化合物であり、
米国特許第3,306,874号,同3,306,875号,同
3,257,357号及び同3,257,358号の各明細書を
参照することができる。ポリフェニレンエーテルは、通
常、銅アミン錯体、および二箇所もしくは三箇所を置換
した一種以上のフェノール化合物の存在下で、ホモポリ
マー又はコポリマーを生成する酸化カップリング反応に
よって調製される。ここで、銅アミン錯体としては、第
一,第二及び第三アミンから誘導される銅アミン錯体を
使用できる。適切なポリフェニレンエーテルの例として
は、ポリ(2,3−ジメチル−6−エチル−1,4−フ
ェニレンエーテル);ポリ(2−メチル−6−クロロメ
チル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−メチ
ル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレンエーテ
ル);ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フ
ェニレンエーテル);ポリ(2−エチル−6−イソプロ
ピル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−エチ
ル−6−n−プロピル−1,4−フェニレンエーテ
ル);ポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニ
レンエーテル);ポリ〔2−(4’−メチルフェニル)
−1,4−フェニレンエーテル〕;ポリ(2−ブロモ−
6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ
(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエー
テル);ポリ(2−フェニル−1,4−フェニレンエー
テル);ポリ(2−クロロ−1,4−フェニレンエーテ
ル);ポリ(2−メチル−1,4−フェニレンエーテ
ル);ポリ(2−クロロ−6−エチル−1,4−フェニ
レンエーテル);ポリ(2−クロロ−6−ブロモ−1,
4−フェニレンエーテル);ポリ(2,6−ジ−n−プ
ロピル−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2−メ
チル−6−イソプロピル−1,4−フェニレンエーテ
ル);ポリ(2−クロロ−6−メチル−1,4−フェニ
レンエーテル);ポリ(2−メチル−6−エチル−1,
4−フェニレンエーテル);ポリ(2,6−ジブロモ−
1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2,6−ジクロ
ロ−1,4−フェニレンエーテル);ポリ(2,6−ジ
エチル−1,4−フェニレンエーテル)及びポリ(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げ
られる。また、例えば、前記ホモポリマーの調製に使用
されるようなフェノール化合物の二種又はそれ以上から
誘導される共重合体などの共重合体も適切である。さら
に、例えば、ポリスチレン等のビニル芳香族化合物と前
述のポリフェニレンエーテルとのグラフト共重合体及び
ブロック共重合体が挙げられる。これらのうちでは、特
にポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテ
ル)が好ましい。なお、上記ポリフェニレンエ−テル
は、一種のみを単独で、又は二種以上を組み合わせて用
いることができる。(d)成分の分子量に特に制限はな
いが、クロロホルム中25℃で測定した固有粘度が0.4
dl/g以上であるのが好ましく、0.5dl/g以上で
あるのがさらに好ましい。0.4dl/g未満では耐衝撃
性の改善効果が小さく好ましくない。また、(d)成分
の添加量は、0.5〜5.0重量%、好ましくは1.0〜5.0
重量%の範囲である。この添加量が0.5重量%未満では
耐衝撃性の改善効果が小さく、5.0重量%を超えると成
形性を低下させるため好ましくない。
【0011】本発明の樹脂組成物には、さらに(e)成
分として無機充填材を必要に応じて配合することができ
る。無機充填材としては、繊維状,粒状,粉状等、様々
なものが挙げられる。繊維状充填材としては、ガラス繊
維,炭素繊維,ウィスカー,ケブラー繊維,セラミック
繊維,金属繊維等が挙げられる。具体的に、ウィスカー
としてはホウ素,アルミナ,シリカ,炭化ケイ素等、セ
ラミック繊維としてはセッコウ,チタン酸カリウム,硫
酸マグネシウム,酸化マグネシウム等、金属繊維として
は銅,アルミニウム,鋼等がある。ここで、充填材の形
状としてはクロス状,マット状,集束切断状,短繊維,
フィラメント状のもの,ウィスカーがある。また、集束
切断状の場合、長さが0.05〜50mm,繊維径が5〜
20μmφのものが好ましい。また、クロス状,マット
状の場合、長さが好ましくは1mm以上、特に5mm以
上が好ましい。一方、粒状,粉状充填材としては、例え
ばタルク,カーボンブラック,グラファイト,二酸化チ
タン,シリカ,マイカ,炭酸カルシウム,硫酸カルシウ
ム,炭酸バリウム,炭酸マグネシウム,硫酸マグネシウ
ム,硫酸バリウム,オキシサルフェート,酸化スズ,ア
ルミナ,カオリン,炭化ケイ素,金属粉末,ガラスパウ
ダー,ガラスフレーク,ガラスビーズ等が挙げられる。
これら充填材のうち特にガラス充填材、例えばガラスフ
ィラメント,ガラスファイバー,ガラスロビング,ガラ
スマット,ガラスパウダー,ガラスフレーク,ガラスビ
ーズが好ましい。
【0012】また、上記無機充填材は表面処理したもの
が好ましい。この表面処理に用いられるカップリング剤
は、充填材と樹脂成分との接着性を良好にするために用
いられるが、所謂シラン系カップリング剤,チタン系カ
ップリング剤として公知のもののなかから適宜選定して
用いることができる。このシラン系カップリング剤の具
体例としては、トリエトキシシラン,ビニルトリス(β
−メトキシエトキシ)シラン,γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン,β−(1,1−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン,N−β−(アミノエ
チル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−
β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン,γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン,N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン,γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン,γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン,γ−アミノプロピル−トリス
(2−メトキシ−エトキシ)シラン,N−メチル−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン,N−ビニルベンジ
ル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,トリアミ
ノプロピルトリメトキシシラン,3−ウレイドプロピル
トリメトキシシラン,3−(4,5−ジヒドロイミダゾ
ール)プロピルトリエトキシシラン,ヘキサメチルジシ
ラザン,N,O−(ビストリメチルシリル)アミド,
N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア等が挙げられ
る。これらの中で好ましいのは、γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン,N−β−(アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン,γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン,β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のアミノシ
ラン,エポキシシランである。
【0013】また、チタン系カップリング剤の具体例と
しては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネー
ト,イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタ
ネート,イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフ
ェート)チタネート,テトライソプロピルビス(ジオク
チルホスファイト)チタネート,テトラオクチルビス
(ジトリデシルホスファイト)チタネート,テトラ
(1,1−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス
(ジトリデシル)ホスファイトチタネート,ビス(ジオ
クチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネー
ト,ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチ
タネート,イソプロピルトリオクタノイルチタネート,
イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネー
ト,イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネー
ト,イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタ
ネート,イソプロピルトリクミルフェニルチタネート,
イソプロピルトリ(N−アミドエチル,アミノエチル)
チタネート,ジクミルフェニルオキシアセテートチタネ
ート,ジイソステアロイルエチレンチタネートなどが挙
げられる。これらの中で好ましいのは、イソプロピルト
リ(N−アミドエチル,アミノエチル)チタネートであ
る。
【0014】このようなカップリング剤を用いて前記充
填材の表面処理を行うには、通常の公知方法で行うこと
ができ、特に制限はない。例えば、上記カップリング剤
の有機溶媒溶液あるいは懸濁液をいわゆるサイジング剤
として充填材に塗布するサイジング処理,あるいはヘン
シェルミキサー,スーパーミキサー,レーディゲミキサ
ー,V型ブレンダ−などを用いての乾燥混合、スプレー
法,インテグラルブレンド法,ドライコンセントレート
法など、充填材の形状により適宜な方法にて行うことが
できるが、サイジング処理,乾式混合,スプレー法によ
り行うことが望ましい。また、上記のカップリング剤と
ともにガラス用フィルム形成性物質を併用することがで
きる。このフィルム形成性物質には、特に制限はなく、
例えばポリエステル系,ポリエーテル系,ウレタン系,
エポキシ系,アクリル系,酢酸ビニル系等の重合体が挙
げられる。無機充填材を配合する場合、その配合割合は
前記の(a)成分,(b)成分及び(c)成分及び場合
により(d)成分からなる樹脂組成物100重量部に対
して0.5〜350重量部、好ましくは5〜200重量部
とする。無機充填材の配合量が0.5重量部未満である
と、充填材としての充分な配合効果が認められず、一方
350重量部を超えると、分散性が悪く、成形が困難に
なるという不都合が生じる。
【0015】さらに、本発明の樹脂組成物に必要に応じ
て、(f)成分として前記(a)成分との相溶性又は親
和性を有し、かつ極性基を有する重合体を配合すること
ができる。このような重合体は、無機充填材と樹脂との
接着性を向上させる作用を有するものである。(a)成
分との相溶性又は親和性を有し、かつ極性基を有する重
合体とは、(a)成分との相溶性あるいは親和性を示す
連鎖をポリマー鎖中に含有するものであり、例えば、シ
ンジオタクチックポリスチレン,アタクチックポリスチ
レン,アイソタクチックポリスチレン,スチレン系重合
体,ポリフェニレンエーテル,ポリビニルメチルエーテ
ル等を主鎖,ブロック鎖又はグラフト鎖として有する重
合体が挙げられる。また、ここでいう極性基とは、前記
無機充填材との接着性を向上させるものであればよく、
具体的には、例えば酸無水物基,カルボン酸基,カルボ
ン酸エステル基,カルボン酸ハライド基,カルボン酸ア
ミド,カルボン酸塩基,スルホン酸基,スルホン酸エス
テル基,スルホン酸塩化物基,スルホン酸アミド基,ス
ルホン酸塩基,エポキシ基,アミノ基,イミド基,オキ
サゾリン基などが挙げられる。
【0016】(f)成分の具体例としては、例えば、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体(SMA),スチレン
−グリシジルメタクリレート共重合体,末端カルボン酸
変性ポリスチレン,末端エポキシ変性ポリスチレン,末
端オキサゾリン変性ポリスチレン,末端アミン変性ポリ
スチレン,スルホン化ポリスチレン,スチレン系アイオ
ノマー,スチレン−メチルメタクリレート−グラフトポ
リマー,(スチレン−グリシジルメタクリレート)−メ
チルメタクリレート−グラフト共重合体,酸変性アクリ
ル−スチレン−グラフトポリマー,(スチレン−グリシ
ジルメタクリレート)−スチレン−グラフトポリマー,
ポリブチレンテレフタレート−ポリスチレン−グラフト
ポリマー,無水マレイン酸変性SPS,フマル酸変性S
PS,グリシジルメタクリレート変性SPS,アミン変
性SPS等の変性スチレン系ポリマー、(スチレン−無
水マレイン酸)−ポリフェニレンエーテル−グラフトポ
リマー,無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル,
フマル酸変性ポリフェニレンエーテル,グリシジルメタ
クリレート変性ポリフェニレンエーテル,アミン変性ポ
リフェニレンエーテル等の変性ポリフェニレンエーテル
系ポリマーなどが挙げられる。これらのうち特に、変性
SPS,変性ポリフェニレンエーテルなどが好適であ
る。なお、上記重合体は、一種のみを単独で、又は二種
以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】なお、上記のような変性スチレン系ポリマ
ーや変性ポリフェニレンエーテルは例えば各種のスチレ
ン系ポリマー又はポリフェニレンエーテルを変性剤を用
いて変性することにより得ることができるが、本発明の
目的に使用可能であれば、これらの方法に限定されるも
のではない。例えば、変性SPSを製造する場合、原料
SPSとしては、特に制限はなく、(a)成分として示
した重合体を用いることができるが、(a)成分のSP
Sとの相溶性の観点から、スチレンと置換スチレンとの
共重合体が好ましく用いられる。共重合体の組成比とし
ては、特に制限はないが、置換スチレン量が1〜50モ
ル%であるのが好ましい。置換スチレン量が1モル%未
満では変性が困難であり、50モル%を超えるとSPS
との相溶性が低下するため好ましくない。特に好ましい
コモノマーの具体例としては、メチルスチレン,エチル
スチレン,イソプロピルスチレン,ターシャリーブチル
スチレン,ビニルスチレン等のアルキルスチレン、クロ
ロスチレン,ブロモスチレン,フルオロスチレン等のハ
ロゲン化スチレン、クロルメチルスチレン等のハロゲン
化アルキルスチレン、メトキシスチレン,エトキシスチ
レン等のアルコキシスチレンなどが挙げられる。また、
(a)成分の5重量%以下の使用量であれば、アタクチ
ック構造を持つ上記重合体も使用可能である。5重量%
を超えて使用すると組成物の耐熱性を低下させるため好
ましくない。変性剤としては、エチレン性二重結合と極
性基を同一分子内に含む化合物が使用でき、例えば、無
水マレイン酸,マレイン酸,マレイン酸エステル,マレ
イミド及びそのN置換体,マレイン酸塩をはじめとする
マレイン酸誘導体,フマル酸,フマル酸エステル,フマ
ル酸塩をはじめとするフマル酸誘導体,無水イタコン
酸,イタコン酸,イタコン酸エステル,イタコン酸塩を
はじめとするイタコン酸誘導体,アクリル酸,アクリル
酸エステル,アクリル酸アミド,アクリル酸塩をはじめ
とするアクリル酸誘導体,メタクリル酸,メタクリル酸
エステル,メタクリル酸アミド,メタクリル酸塩,グリ
シジルメタクリレートをはじめとするメタクリル酸誘導
体などが挙げられる。これらのうち、特に無水マレイン
酸,フマル酸,グリシジルメタクリレートが好ましい。
【0018】変性SPSは、溶媒、他樹脂の存在下、上
記原料SPSと上記の変性剤を反応させることにより得
られる。変性には公知の方法が用いられるが、ロールミ
ル,バンバリーミキサー,押出機などを用いて150〜
350℃の温度で溶融混練し、反応させる方法、また、
ベンゼン,トルエン,キシレン等の溶媒中で加熱反応さ
せる方法などが挙げられる。さらに、これらの反応を容
易に進めるため、反応系にベンゾイルパーオキサイド,
ジ−t−ブチルパーオキサイド,ジクミルパーオキサイ
ド,t−ブチルパーオキシベンゾエート,アゾビスイソ
ブチロニトリル,アゾビスイソバレロニトリル,2,3
−ジフェニル−2,3−ジメチルブタン等のラジカル発
生剤を存在させることは有効である。また、好ましい変
性方法としては、ラジカル発生剤の存在下に溶融混練す
る方法がある。また、変性の際に他樹脂を添加してもよ
い。これら、変性SPSのうち、無水マレイン酸変性S
PS及びフマル酸変性SPSが特に好ましく用いられ
る。変性ポリフェニレンエーテルも、変性SPSと同様
の方法で得ることができ、原料ポリフェニレンエーテル
としては、(d)成分として記載したものを使用するこ
とができる。例えば、(d)成分として記載したポリフ
ェニレンエーテルを前記の変性剤を用いて、変性SPS
の場合と全く同様の方法で変性することができる。変性
ポリフェニレンエーテルのうち、特に無水マレイン酸変
性ポリフェニレンエーテル及びフマル酸変性ポリフェニ
レンエーテルが好ましく用いられる。
【0019】また、(f)成分である(a)成分との相
溶性又は親和性を有し、かつ極性基を有する重合体の極
性基含有率は、該重合体中0.01〜20重量%であるの
が好ましく、0.05〜10重量%の範囲であるのがさら
に好ましい。この含有率が0.01重量%未満では無機充
填材との接着効果を発揮させるのに、該重合体を多量に
添加する必要があり、組成物の力学物性,耐熱性及び成
形性を低下させるため好ましくない。また、20重量%
を超えると、(a)成分との相溶性が低下するため好ま
しくない。(f)成分の配合量は、前記の(a)成分,
(b)成分及び(c)成分及び場合により(d)成分か
らなる樹脂組成物100重量部に対して0.1〜10重量
部の範囲であるのが好ましく、0.5〜8重量部の範囲で
あるのがより好ましい。この配合量が0.1重量部未満で
は無機充填材との接着効果が少なく、樹脂と無機充填材
の接着性の不足を生じ、10重量部を超えると(a)成
分の結晶性を低下させ、組成物の耐熱性及び成形性が著
しく低下するため好ましくない。
【0020】その他、本発明の樹脂組成物には、本発明
の目的を阻害しない限り、核剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、外部潤滑剤、可塑剤、帯電防止剤、着色剤、難燃
剤、難燃助剤等の添加剤あるいはその他の熱可塑性樹脂
を必要に応じて配合することができる。核剤としては、
アルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエート)をはじ
めとするカルボン酸の金属塩,メチレンビス(2,4−
ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホスフェートナト
リウムをはじめとするリン酸の金属塩,タルク,フタロ
シアニン誘導体など、公知のものから任意に選択して用
いることができる。なお核剤は、一種のみを単独で、又
は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、
可塑剤としては、ポリエチレングリコール,ポリアミド
オリゴマー,エチレンビスステアロアマイド,フタル酸
エステル,ポリスチレンオリゴマー,ポリエチレンワッ
クス,ミネラルオイル,シリコーンオイルなど、公知の
ものから任意に選択して、一種のみを単独で、又は二種
以上を組み合わせて用いることができる。また、難燃剤
としては、臭素化ポリスチレン,臭素化シンジオタクチ
ックポリスチレン,臭素化ポリフェニレンエーテルなど
公知のものから、難燃助剤としては、三酸化アンチモン
をはじめとするアンチモン化合物、その他のものから、
それぞれ任意に選択して用いることができ、一種のみを
単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができ
る。酸化防止剤としては、(2,6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファ
イト(アデカ・アーガス社製,PEP−36)、テトラ
キス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル))プロピオネート(アデカ
・アーガス社製,MARK A060)等を用いること
ができる。なお酸化防止剤は、一種のみを単独で、又は
二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】本発明のスチレン系樹脂組成物は、前記の
各必須成分及び所望により用いられる添加成分を所定の
割合で配合し、ブレンドすることによって調製する。こ
のブレンド方法としては、従来から知られている溶融混
練法、溶液ブレンド法等を適宜採用することができる。
またカップリング剤で処理された無機充填材の配合方法
としては、その他に、(a)成分又はその組成物からな
るシートとガラスマットを積層して溶融する方法,
(a)成分又はその組成物、及び長繊維状無機充填材を
液体中でスラリー状に混合させ、沈積後加熱する方法等
を採用することができる。一般的にはバンバリーミキサ
ー,ヘンシェルミキサーや混練ロールによる通常の溶融
混練によることが好ましい。
【0022】
【実施例】次に、本発明を製造例,実施例及び比較例に
より更に詳しく説明する。 製造例1 内容積2リットルの反応容器に、精製スチレン1.0リッ
トル,トリエチルアルミニウム1ミリモルを加え、80
℃に加熱した後、予備混合触媒(ペンタメチルシクロペ
ンタジエニルチタントリメトキシド90マイクロモル,
ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート90マイクロモル,トルエン29.1ミリモ
ル,トリイソブチルアルミニウム1.8ミリモル)16.5
ミリリットルを添加し、80℃で5時間重合反応を行っ
た。反応終了後、生成物をメタノールで繰返し洗浄し、
乾燥して重合体380gを得た。この重合体の重量平均
分子量を、1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒とし
て、130℃でゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーにて測定したところ、320000であり、また重量
平均分子量/数平均分子量は2.60であった。また、融
点及び13C−NMR測定により、この重合体はシンジオ
タクチック構造のポリスチレン(SPS)であることを
確認した。
【0023】製造例2 内容積2リットルの反応容器に、精製スチレン0.9リッ
トル,p−メチルスチレン0.1リットル,トリエチルア
ルミニウム1ミリモルを加え、80℃に加熱した後、予
備混合触媒(ペンタメチルシクロペンタジエニルチタン
トリメトキシド90マイクロモル,ジメチルアニリニウ
ムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート90マイ
クロモル,トルエン29.1ミリモル,トリイソブチルア
ルミニウム1.8ミリモル)16.5ミリリットルを添加
し、80℃で5時間重合反応を行った。反応終了後、生
成物をメタノールで繰返し洗浄し、乾燥して重合体39
0gを得た。この重合体の重量平均分子量を、1,2,
4−トリクロロベンゼンを溶媒として、130℃でゲル
パーミエーションクロマトグラフィーにて測定したとこ
ろ、328000であり、また重量平均分子量/数平均
分子量は2.60であった。また、融点及び13C−NMR
測定により、この重合体はSPSであり、p−メチルス
チレンを12モル%含有することを確認した。
【0024】製造例3 製造例2で得たスチレン−p−メチルスチレン共重合体
(p−メチルスチレン含有量12モル%)1kg,無水
マレイン酸30g,ラジカル発生剤として2,3−ジメ
チル−2,3−ジフェニルブタン(日本油脂製,商品名
ノフマーBC)10gをドライブレンドし、30mm二
軸押出機を用いてスクリュー回転数200rpm,設定
温度300℃で溶融混練を行った。このとき樹脂温度は
約330℃であった。ストランドを冷却後、ペレット化
し、無水マレイン酸変性SPSを得た。得られた変性S
PS1gをエチルベンゼンに溶解した後、メタノールで
再沈し、回収したポリマーをメタノールでソックスレー
抽出し、乾燥後、IRスペクトルのカルボニル吸収の強
度及び滴定により変性率を求めたところ変性率は1.05
重量%であった。
【0025】製造例4 ポリフェニレンエーテル(固有粘度0.45dl/g,ク
ロロホルム中,25℃)1kg,無水マレイン酸60
g,ラジカル発生剤として2,3−ジメチル−2,3−
ジフェニルブタン(日本油脂製,商品名ノフマーBC)
10gをドライブレンドし、30mm二軸押出機を用い
てスクリュー回転数200rpm,設定温度300℃で
溶融混練を行った。このとき樹脂温度は約330℃であ
った。ストランドを冷却後、ペレット化し、無水マレイ
ン酸変性ポリフェニレンエーテルを得た。得られた変性
ポリフェニレンエーテル1gをエチルベンゼンに溶解し
た後、メタノールで再沈し、回収したポリマーをメタノ
ールでソックスレー抽出し、乾燥後、IRスペクトルの
カルボニル吸収の強度及び滴定により変性率を求めたと
ころ、変性率は2.0重量%であった。
【0026】参考例1 (c)成分とそのミクロ相分離温度の測定 (1)サンプル調整 0.84gのサンプルを0.56gのジオクチルフタレート
と15mlのトルエン混合溶媒に溶解し、ガラス板上にキ
ャスト後、1週間放置してトルエンをとばし、さらに室
温にて2時間減圧乾燥してフィルム状サンプルを作成し
た。 (2)小角X線散乱の測定 出力50kV,200mAのX線を試料に照射し、散乱
強度を位置敏感型比例計数管で検出した。散乱光は試料
の吸収、空気散乱、非干渉性散乱について補正を行っ
た。試料を240℃で5分間加熱し、ミクロ相分離構造
を溶解した後、10℃おきに段階的に100℃まで温度
を下げて、各温度において小角X線散乱を測定した。 (3)ミクロ相分離温度の決定 各温度における小角X線散乱の1次ピークの位置
(qm )と強度(Im )を求める。得られたqm とIm
の逆数を絶対温度(T)の逆数に対してプロットし、次
の条件及びを満足する温度をミクロ相分離温度とし
た。 qm が温度によらず一定値をとる領域から温度ととも
に減少する領域へ移る温度 Im の逆数とTの逆数のプロットが直線からはずれは
じめる温度
【0027】使用したサンプル種と小角X線散乱より得
られたミクロ相分離温度の結果は、下記のとおりであ
る。 c1;旭化成(株)製タフテックM−1911、無水マ
レイン酸変性SEBS(MA−g−SEBBS)、ミク
ロ相分離温度170℃ c2;旭化成(株)製タフテックM−1913、無水マ
レイン酸変性SEBS(MA−g−SEBS)、ミクロ
相分離温度130℃ c3;Shell Chem. Co. 製 Kraton D−1102、SB
S、ミクロ相分離温度50℃ c4;旭化成(株)製タフテックH−1041、SEB
S、ミクロ相分離温度190℃ c5;Shell Chem. Co. 製 Kraton G−1652、SE
BS、ミクロ相分離温度190℃
【0028】実施例1 (a)成分として製造例1で製造したシンジオタクチッ
クポリスチレン(重量平均分子量320000,重量平
均分子量/数平均分子量2.60)80重量%,(b)成
分としてSEBS(Shell Chem. Co. 製 Kraton G−1
651)16重量%,(c)成分として(c1)4重量
%を含有する組成物100重量部に対して、酸化防止剤
として(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト(アデカ・ア
ーガス社製PEP−36)0.1重量部及びテトラキス
(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(アデカ・アー
ガス社製 MARK AO60)0.1重量部を加え、ヘンシェル
ミキサーでドライブレンドを行った後、二軸押出機で溶
融混練を行いペレット化した。得られたペレットを用
い、射出成形を行って引張試験片,曲げ試験片及びアイ
ゾット試験片を得た。得られた試験片を用いて、アイゾ
ット衝撃強度,伸び,弾性率,熱変形温度を測定した。
結果を第1表に示す。
【0029】実施例2〜6 (b)及び(c)成分として第1表に示したものを用い
た他は、実施例1と同様に操作し、得られた結果を第1
表に示す。
【0030】実施例7 (a)成分として製造例1で製造したシンジオタクチッ
クポリスチレン(重量平均分子量320000,重量平
均分子量/数平均分子量2.60)76重量%,(b)成
分としてSEBS(Shell Chem. Co. 製 Kraton G−1
651)16重量%,(c)成分として(c1)4重量
%及び(d)成分としてポリ(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレンエーテル)(〔η〕−0.55dl/g,
クロロホルム中、25℃)4重量%を含有する組成物1
00重量部に対して、酸化防止剤として(2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイト(アデカ・アーガス社製PEP−3
6)0.1重量部及びテトラキス(メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート(アデカ・アーガス社製 MARK AO
60)0.1重量部を加え、ヘンシェルミキサーでドライ
ブレンドを行った後、二軸押出機で溶融混練を行いペレ
ット化した。得られたペレットを用い、射出成形を行っ
て引張試験片,曲げ試験片及びアイゾット試験片を得
た。得られた試験片を用いて、アイゾット衝撃強度,伸
び,弾性率,熱変形温度を測定した。結果を第1表に示
す。
【0031】実施例8〜13 (b),(c)及び(d)成分として第1表に示したも
のを用いた以外は、実施例7と同様に操作し、得られた
結果を第1表に示す。第1表から明らかなとおり、ゴム
状弾性体として(b)成分と(c)成分を併用すること
により、(b)成分単独の場合と比較して衝撃強度,伸
びを著しく向上させることができる。また、(d)成分
を併用することによりさらに衝撃強度,伸びを向上させ
ることが可能であった。
【0032】なお、物性の測定は、下記の方法で測定し
た。 アイゾット衝撃強度;JIS−K−7110に準拠して
測定した。 引張伸び ;JIS−K−7113に準拠して
測定した。 曲げ弾性率 ;JIS−K−7208に準拠して
測定した。 熱変形温度 ;JIS−K−7207に準拠して
測定した。
【0033】なお、(b)成分として使用したゴム状弾
性体又はポリオレフィンは、下記のものである。 SEBS;Shell Chem. Co. 製G1661 EPM ;日本合成ゴム(株)製EP07P EPDM;日本合成ゴム(株)製EP57P PP ;出光石油化学(株)製E100G
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】比較例1〜12 (b)及び(c)成分として第2表に示したものを用い
た他は、実施例1と同様に操作し、得られた結果を第2
表に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】実施例14 (a)成分として製造例1で製造したシンジオタクチッ
クポリスチレン(重量平均分子量320000,重量平
均分子量/数平均分子量2.60)80重量%,(b)成
分としてSEBS(Shell Chem. Co. 製 Kraton G−1
651)16重量%,(c)成分として(c1)4重量
%を含有する組成物100重量部に対して、酸化防止剤
として(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト(アデカ・ア
ーガス社製PEP−36)0.1重量部及びテトラキス
(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(アデカ・アー
ガス社製 MARK AO60)0.1重量部を加え、ヘンシェル
ミキサーでドライブレンドを行った後、二軸押出機にて
(e)成分としてガラスファイバー(旭ファイバーグラ
ス社製FT−712、10μm/3mm)43重量部を
サイドフィードしながら溶融混練を行いペレット化し
た。得られたペレットを用い、射出成形を行って引張試
験片,曲げ試験片及びアイゾット試験片を得た。得られ
た試験片を用いて、アイゾット衝撃強度,伸び,弾性
率,熱変形温度を測定した。結果を第3表に示す。
【0040】実施例15〜19及び比較例13〜24 (b)成分及び(c)成分として第3表に示すものを用
いた以外は実施例14と同様に操作し、得られた結果を
第3表に示す。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】実施例20 (a)成分として製造例1で製造したシンジオタクチッ
クポリスチレン(重量平均分子量320000,重量平
均分子量/数平均分子量2.60)76重量%,(b)成
分としてSEBS(Shell Chem. Co. 製 Kraton G−1
651)16重量%,(c)成分として(c1)4重量
%及び(d)成分としてポリ(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレンエーテル)(〔η〕−0.55dl/g,
クロロホルム中、25℃)4重量%を含有する組成物1
00重量部に対して、酸化防止剤として(2,6−ジ−
t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイト(アデカ・アーガス社製PEP−3
6)0.1重量部及びテトラキス(メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート(アデカ・アーガス社製 MARK AO
60)0.1重量部を加え、ヘンシェルミキサーでドライ
ブレンドを行った後、二軸押出機にて(e)成分として
ガラスファイバー(旭ファイバーグラス社製FT−71
2、10μm/3mm)43重量部をサイドフィードし
ながら溶融混練を行いペレット化した。得られたペレッ
トを用い、射出成形を行って引張試験片,曲げ試験片及
びアイゾット試験片を得た。得られた試験片を用いて、
アイゾット衝撃強度,伸び,弾性率,熱変形温度を測定
した。結果を第4表に示す。
【0044】実施例21〜26 (b),(c)及び(d)成分として第4表に示すもの
を用いた以外は、実施例20と同様に操作し、得られた
結果を第4表に示す。
【0045】実施例27 (a)成分として製造例1で製造したシンジオタクチッ
クポリスチレン(重量平均分子量320000,重量平
均分子量/数平均分子量2.60)80重量%,(b)成
分としてSEBS(Shell Chem. Co. 製 Kraton G−1
651)16重量%,(c)成分として(c1)4重量
%を含有する組成物100重量部に対して、(f)成分
として製造例3で製造した無水マレイン酸変性SPS3
重量部,酸化防止剤として(2,6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファ
イト(アデカ・アーガス社製PEP−36)0.1重量部
及びテトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t
−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(アデカ・アーガス社製 MARK AO60)0.1重量部を加
え、ヘンシェルミキサーでドライブレンドを行った後、
二軸押出機にて(e)成分としてガラスファイバー(旭
ファイバーグラス社製FT−712、10μm/3m
m)43重量部をサイドフィードしながら溶融混練を行
いペレット化した。得られたペレットを用い、射出成形
を行って引張試験片,曲げ試験片及びアイゾット試験片
を得た。得られた試験片を用いて、アイゾット衝撃強
度,伸び,弾性率,熱変形温度を測定した。結果を第4
表に示す。
【0046】実施例28〜34 (b)及び(c)成分として第4表に示すものを用いた
以外は、実施例27と同様に操作し、得られた結果を第
4表に示す。
【0047】実施例35 (a)成分として製造例1で製造したシンジオタクチッ
クポリスチレン(重量平均分子量320000,重量平
均分子量/数平均分子量2.60)76重量%,(b)成
分としてSEBS(Shell Chem. Co. 製 Kraton G−1
651)16重量%,(c)成分として(c1)4重量
%及び(d)成分としてポリ(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレンエーテル)(〔η〕−0.55dl/g,
クロロホルム中、25℃)4重量%を含有する組成物1
00重量部に対して、(f)成分として製造例3で製造
した無水マレイン酸変性SPS3重量部,酸化防止剤と
して(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)
ペンタエリスリトールジホスファイト(アデカ・アーガ
ス社製PEP−36)0.1重量部及びテトラキス(メチ
レン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート(アデカ・アーガス社
製 MARK AO60)0.1重量部を加え、ヘンシェルミキサ
ーでドライブレンドを行った後、二軸押出機にて(e)
成分としてガラスファイバー(旭ファイバーグラス社製
FT−712、10μm/3mm)43重量部をサイド
フィードしながら溶融混練を行いペレット化した。得ら
れたペレットを用い、射出成形を行って引張試験片,曲
げ試験片及びアイゾット試験片を得た。得られた試験片
を用いて、アイゾット衝撃強度,伸び,弾性率,熱変形
温度を測定した。結果を第4表に示す。
【0048】実施例36〜42 (b),(c)及び(d)成分として第4表に示すもの
を用いた以外は、実施例35と同様に操作し、得られた
結果を第4表に示す。
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】第3表及び第4表から明らかなとおり、ゴ
ム状弾性体として(b)成分と(c)成分を併用するこ
とにより、(b)成分単独の場合と比較して衝撃強度及
び伸びを著しく向上させることができ、また、(d)成
分を併用することによりさらに衝撃強度及び伸びを向上
させることができる。
【0052】
【発明の効果】以上の如く、本発明の耐衝撃性ポリスチ
レン系樹脂組成物は、高い耐熱性,弾性率及び成形性を
有するとともに、耐衝撃性及び伸び性に優れており、成
形法に捕らわれることなく優れた物性を有する成形品を
提供することができる。したがって、本発明の耐衝撃性
ポリスチレン系樹脂組成物は、例えば、射出成形による
各種成形品、押出成形によるシート,フィルムなど、押
出成形及び熱成形による容器,トレイなど、押出成形及
び延伸による一軸,二軸延伸フィルム,シートなど、紡
糸による繊維状成形品などの製造に有効な利用が期待さ
れる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71:12)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)シンジオタクチック構造を有する
    スチレン系重合体5〜97重量%,(b)オレフィン成
    分を含有するゴム状弾性体又はポリオレフィン2〜95
    重量%及び(c)ジオクチルフタレートで60重量%溶
    液に希釈したときのミクロ相分離温度が180℃以下で
    あるスチレン−オレフィンブロック共重合体又はグラフ
    ト共重合体0.5〜10重量%からなる耐衝撃性ポリスチ
    レン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)シンジオタクチック構造を有する
    スチレン系重合体5〜97重量%,(b)オレフィン成
    分を含有するゴム状弾性体又はポリオレフィン2〜95
    重量%,(c)ジオクチルフタレートで60重量%溶液
    に希釈したときのミクロ相分離温度が180℃以下であ
    るスチレン−オレフィンブロック共重合体又はグラフト
    共重合体0.5〜10重量%及び(d)ポリフェニレンエ
    ーテル0.5〜5重量%からなる耐衝撃性ポリスチレン
    系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の樹脂組成物100
    重量部に対し、(e)無機充填材0.5〜350重量部を
    含有する耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の樹脂組成物100
    重量部に対し、(e)無機充填材0.5〜350重量部及
    び(f)(a)成分との相溶性又は親和性を有し、かつ
    極性基を有する重合体0.1〜10重量部を含有する耐衝
    撃性ポリスチレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (f)成分が、無水マレイン酸変性ポリ
    フェニレンエーテル,フマル酸変性ポリフェニレンエー
    テル,無水マレイン酸で変性されたシンジオタクチック
    構造を有するスチレン系重合体あるいはフマル酸で変性
    されたシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
    体である請求項4記載の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組
    成物。
JP6240972A 1994-10-05 1994-10-05 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物 Pending JPH08104785A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6240972A JPH08104785A (ja) 1994-10-05 1994-10-05 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物
PCT/JP1995/002029 WO1996011233A1 (fr) 1994-10-05 1995-10-04 Composition de resine de polystyrene extremement resistante aux chocs
US08/648,017 US5777028A (en) 1994-10-05 1995-10-04 Impact modified syndiotactic polystyrene blend
EP95933611A EP0733675B1 (en) 1994-10-05 1995-10-04 High-impact polystyrene resin composition
DE69525610T DE69525610T2 (de) 1994-10-05 1995-10-04 Schlagfeste polystyrolharzzusammensetzung
US09/072,694 US6048932A (en) 1994-10-05 1998-05-06 Impact modified syndiotactic polystyrene blend

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6240972A JPH08104785A (ja) 1994-10-05 1994-10-05 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08104785A true JPH08104785A (ja) 1996-04-23

Family

ID=17067403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6240972A Pending JPH08104785A (ja) 1994-10-05 1994-10-05 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物

Country Status (5)

Country Link
US (2) US5777028A (ja)
EP (1) EP0733675B1 (ja)
JP (1) JPH08104785A (ja)
DE (1) DE69525610T2 (ja)
WO (1) WO1996011233A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000014156A1 (fr) * 1998-09-09 2000-03-16 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Materiau pour recipients hermetiques de stockage de fluides
JP2004269899A (ja) * 1995-09-08 2004-09-30 Idemitsu Petrochem Co Ltd シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物
JP2005222845A (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 Sumitomo Chemical Co Ltd アルコール型燃料電池用燃料容器またはカートリッジ
JP4540851B2 (ja) * 1998-10-29 2010-09-08 出光興産株式会社 スチレン系樹脂材料

Families Citing this family (39)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6005050A (en) * 1994-11-28 1999-12-21 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Impact resistant polystyrene composition
DE69602150T2 (de) 1995-09-08 1999-09-02 Idemitsu Petrochemical Co Harzzusammensetzung auf Styrolbasis
DE69703434T2 (de) * 1996-03-05 2001-06-13 Dow Chemical Co Form zusammensetzung enthaltend syndiotaktisches vinylaromat-polymer
US5900452A (en) 1996-08-12 1999-05-04 Tactyl Technologies, Inc. S-EB-S block copolymer/oil aqueous dispersion and its use in forming articles
US6191197B1 (en) * 1996-09-23 2001-02-20 Bridgestone Corporation Extended polymer compostion derived from blends of elastomers and syndiotactic polystyrene
EP1413601B1 (en) 1997-07-28 2005-03-16 Nippon Zeon Co., Ltd. Resin composition and molded or formed product comprising vinyl cyclic hydrocarbon polymer
JP3805105B2 (ja) 1998-01-29 2006-08-02 出光興産株式会社 スチレン系樹脂組成物及びその製造方法、スチレン系樹脂成形品の製造方法
EP1060479A1 (en) * 1998-03-02 2000-12-20 The Dow Chemical Company Syndiotactic monovinylidene aromatic polymer film
CZ302375B6 (cs) * 1998-06-22 2011-04-20 General Electric Company Termoplastická vulkanizacní kompozice a zpusob její prípravy
JP4776074B2 (ja) 1998-09-14 2011-09-21 旭化成ケミカルズ株式会社 水素添加ブロック共重合体
KR100369625B1 (ko) * 1999-03-08 2003-01-30 삼성전자 주식회사 스티렌계 그라프트 공중합체 및 그 제조방법
KR100375437B1 (ko) * 2000-06-02 2003-03-10 삼성종합화학주식회사 극성을 갖는 변성된 신디오탁틱 폴리스티렌의 제조방법
KR100366424B1 (ko) * 2000-08-14 2003-01-09 삼성종합화학주식회사 내충격특성이 우수한 신디오탁틱 폴리스티렌의 리액터얼로이
US6875804B2 (en) * 2000-12-18 2005-04-05 Samsung Atofina Co., Inc. Syndiotactic polystyrene compositions having improved impact strength
US6815491B2 (en) 2000-12-28 2004-11-09 General Electric Reinforced thermoplastic composition and articles derived therefrom
US6545080B2 (en) * 2000-12-28 2003-04-08 General Electric Company Glass-filled poly(arylene ether)-polyolefin composition and articles derived therefrom
US6861472B2 (en) 2000-12-28 2005-03-01 General Electric Company Poly(arylene ether)-polyolefin compositions and articles derived therefrom
US6495630B2 (en) 2000-12-28 2002-12-17 General Electric Company Poly(arylene ether)-polyolefin compositions and articles derived therefrom
US6660794B2 (en) 2000-12-28 2003-12-09 General Electric Company Glass-filled poly(arylene ether)-polyolefin composition and articles derived therefrom
US6855767B2 (en) 2000-12-28 2005-02-15 General Electric Poly(arylene ether)-polyolefin composition and articles derived therefrom
US6627701B2 (en) 2000-12-28 2003-09-30 General Electric Company Method for the preparation of a poly(arylene ether)-polyolefin composition, and composition prepared thereby
EP1408068A4 (en) * 2001-05-30 2005-01-05 Idemitsu Petrochemical Co CHEMICAL-RESISTANT POLYSTYRENE RESIN COMPOSITION AND FORM BODY
US6872777B2 (en) * 2001-06-25 2005-03-29 General Electric Poly(arylene ether)-polyolefin composition, method for the preparation thereof, and articles derived therefrom
JP2003185064A (ja) 2001-12-19 2003-07-03 Ge Plastics Japan Ltd 配管部材
US7196137B2 (en) 2002-02-08 2007-03-27 Teknor Apex Company Polymer compositions
US6810333B2 (en) * 2002-02-12 2004-10-26 General Electric Company Method, system, storage medium, and data signal for supplying a multi-component composition
US20050154127A1 (en) * 2002-03-29 2005-07-14 Kaneka Corporation Impact-resistant thermoplastic resin composition
JP2003334902A (ja) * 2002-05-17 2003-11-25 Toyobo Co Ltd 易接着シンジオタクチックポリスチレン系延伸フィルム
US6894102B2 (en) * 2002-05-20 2005-05-17 General Electric Syndiotactic polystyrene blends
WO2004026962A2 (en) * 2002-09-20 2004-04-01 General Electric Company Underhood components
JP2004161929A (ja) * 2002-11-14 2004-06-10 Ge Plastics Japan Ltd ワイヤ・ケーブル被覆材用樹脂組成物
US7052642B2 (en) * 2003-06-11 2006-05-30 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Composition for forming an elastomeric article
US7247675B2 (en) 2003-12-30 2007-07-24 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Elastomer compositions and method of making them
US7022765B2 (en) * 2004-01-09 2006-04-04 General Electric Method for the preparation of a poly(arylene ether)-polyolefin composition, and composition prepared thereby
KR100537104B1 (ko) * 2004-06-03 2005-12-16 주식회사 대흥알앤티 디옥틸프탈레이트를 함유하는 내한특성 방진고무 조성물
US7651653B2 (en) 2004-12-22 2010-01-26 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Machine and cross-machine direction elastic materials and methods of making same
US20070066742A1 (en) * 2005-09-22 2007-03-22 Vijay Mhetar Reinforced styrenic resin composition, method, and article
US20070276067A1 (en) * 2006-05-24 2007-11-29 Kim Balfour Poly(arylene ether) composition, method, and article
CA2739232A1 (en) * 2008-08-14 2010-02-18 Firestone Diversified Products, Llc Rubber articles subjected to repeated deformation and compositions for making the same

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4386187A (en) * 1980-06-11 1983-05-31 Sweetheart Plastics, Inc. Thermoformable polymer blend composition comprising styrene polymer, olefin polymer and block copolymer
NL8300956A (nl) * 1983-03-17 1984-10-16 Gen Electric Harsmengsel en daaruit gevormde voorwerpen.
IT1169959B (it) * 1983-11-15 1987-06-03 Montedison Spa Composizioni termoplastiche comprendenti polifenilenetere aventi migliorate caratteristiche di resistenza all'urto e di lavorabilita'
JP2681642B2 (ja) * 1988-01-14 1997-11-26 出光興産株式会社 スチレン系重合体樹脂組成物
AU610950B2 (en) * 1987-12-04 1991-05-30 Idemitsu Kosan Company Limited Styrene-based resin composition
US5166238A (en) * 1986-09-22 1992-11-24 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Styrene-based resin composition
MY104125A (en) * 1988-01-13 1994-02-28 Idemitsu Kosan Co Styrene-based resin composition.
US5200454A (en) * 1988-01-14 1993-04-06 Idemitsu Kosan Company Limited Flame-retardant resin composition
US5109068A (en) * 1988-08-31 1992-04-28 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Styrene-based polymer composition, stretched molding thereof and process for producing the same
US5089353A (en) * 1988-10-14 1992-02-18 Kuraray Co., Ltd. Multi-layer material having gas barrier properties
US5270353A (en) * 1989-02-10 1993-12-14 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Resin composition
US5127158A (en) * 1989-09-06 1992-07-07 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Process for producing a printed circuit board with a syndiotactic polystyrene support
US5219940A (en) * 1989-10-13 1993-06-15 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Styrene polymer composition
JP2851715B2 (ja) * 1991-04-09 1999-01-27 出光興産株式会社 熱可塑性樹脂組成物
EP0546497A3 (en) * 1991-12-10 1993-11-18 Idemitsu Kosan Co Thermoplastic resin composition
JP3166788B2 (ja) * 1992-03-04 2001-05-14 出光興産株式会社 スチレン系樹脂組成物
US5391603A (en) * 1992-03-09 1995-02-21 The Dow Chemical Company Impact modified syndiotactic vinyl aromatic polymers
JP3037501B2 (ja) * 1992-03-31 2000-04-24 出光興産株式会社 スチレン系樹脂組成物および照明器具の反射鏡
JPH0693151A (ja) * 1992-09-10 1994-04-05 Idemitsu Kosan Co Ltd ポリスチレン系樹脂組成物
JP3255243B2 (ja) * 1992-09-10 2002-02-12 出光興産株式会社 ポリスチレン系樹脂組成物
JPH06116454A (ja) * 1992-10-07 1994-04-26 Idemitsu Kosan Co Ltd 熱可塑性樹脂組成物
JP3292320B2 (ja) * 1993-03-03 2002-06-17 出光興産株式会社 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004269899A (ja) * 1995-09-08 2004-09-30 Idemitsu Petrochem Co Ltd シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物
WO2000014156A1 (fr) * 1998-09-09 2000-03-16 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Materiau pour recipients hermetiques de stockage de fluides
US6667363B2 (en) 1998-09-09 2003-12-23 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Materials for liquid keeping containers
JP4540851B2 (ja) * 1998-10-29 2010-09-08 出光興産株式会社 スチレン系樹脂材料
JP2005222845A (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 Sumitomo Chemical Co Ltd アルコール型燃料電池用燃料容器またはカートリッジ

Also Published As

Publication number Publication date
EP0733675B1 (en) 2002-02-27
US6048932A (en) 2000-04-11
DE69525610T2 (de) 2002-08-14
US5777028A (en) 1998-07-07
EP0733675A1 (en) 1996-09-25
EP0733675A4 (en) 1998-02-04
DE69525610D1 (de) 2002-04-04
WO1996011233A1 (fr) 1996-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH08104785A (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物
EP0767211B1 (en) Styrene-based resin composition
US6005050A (en) Impact resistant polystyrene composition
JP3901752B2 (ja) 難燃性ポリスチレン系樹脂組成物及びポリスチレン系樹脂成形体
JP3805105B2 (ja) スチレン系樹脂組成物及びその製造方法、スチレン系樹脂成形品の製造方法
JPH06256607A (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物
JPH0762175A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3591559B2 (ja) シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物
JPH07138433A (ja) ポリスチレン系樹脂組成物
JPH07196868A (ja) ポリスチレン系樹脂組成物
JP7249777B2 (ja) ポリスチレン系樹脂組成物
JP3264468B2 (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物
JPH08151492A (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物
JPH09100377A (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物
JPH11302480A (ja) スチレン系樹脂組成物
JP2000073992A (ja) ファン
JPH11279349A (ja) スチレン系樹脂組成物
JP2004269899A (ja) シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物
JPH11279348A (ja) スチレン系樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040706

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041116