JPH079935A - エアバッグ展開用ガス発生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 衝突安全装置用のエアバッグを燃焼ガスによ
り展開するのに使用されるエアバッグ展開用ガス発生装
置に関し、高温環境下において容器の破裂等を引き起こ
す虞れを従来より大幅に低減することができるとともに
ガス発生剤パックの着火薬側と点火器との間隔を確実に
維持することを目的とする。 【構成】 一側端板部３７を筒状部材の開口端部により
筒状パック５３側に向けてカシメ固定するとともに、筒
状パックの他側端面３９に、着火薬が収容される突出部
を形成し、この突出部に、付勢部材により他側端板部に
押圧される熱伝達部材９１を、付勢部材の付勢力より小
さな嵌合荷重で嵌合して構成する。また、突出部を、他
側端板部に形成される凹部に、付勢部材の付勢力より小
さな嵌合荷重で嵌合して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、衝突安全装置用の空気
袋，救命袋，ゴムボート，脱出シュート等のエアバッグ
を燃焼ガスにより展開するのに使用されるエアバッグ展
開用ガス発生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、乗用車において、その衝突時のシ
ョックから運転者を保護するための衝突安全装置は、エ
アバッグと、このエアバッグをガスにより展開するため
のエアバッグ展開用ガス発生装置とから構成されてお
り、乗用車の衝突時に、エアバッグ展開用ガス発生装置
内に充填した火薬類、あるいはその類似組成物からなる
ガス発生剤を点火燃焼させ、その発生ガスによりエアバ
ッグを瞬時に展開して、運転者を衝突から保護し、運転
者の重大な負傷を防止するようになっている。

【０００３】図８は、本出願人が、先に、特願平３−２
９９１１６号として特許出願したエアバッグ展開用ガス
発生装置を示すもので、このエアバッグ展開用ガス発生
装置は、外周に複数のガス流出口１１が形成される長尺
状の外側筒状部材１３と、この外側筒状部材１３に挿入
され外周にガス流通孔１５の形成される内側筒状部材１
７と、外側筒状部材１３と内側筒状部材１７との間に配
置される最終フィルタ１９と、内側筒状部材１７の軸長
方向に積層状態で収容され中央に貫通孔２１の形成され
る複数のガス発生剤２３と、内側筒状部材１７の一側に
配置される点火器２５および着火薬２７とを備えて構成
され、ガス発生剤２３および着火薬２７が、ガス発生剤
パック２９内に収容されている。

【０００４】このエアバッグ展開用ガス発生装置によれ
ば、ガス発生剤２３の燃焼ガス容量を従来より大幅に増
大することができるとともに、大容量の燃焼ガスを確実
に浄化することができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなエアバッグ展開用ガス発生装置では、装置が火災等
の高温環境下におかれた場合には、例えば、約３９０℃
で、装置内のガス発生剤２３が発火点を迎え、それ自身
が発火することになるが、この時の反応速度は非常に速
く、また、高温下では、ガス発生剤２３を収容する容器
の強度も低下しているために、容器の破裂等を引き起こ
す虞れがあった。

【０００６】また、このようなエアバッグ展開用ガス発
生装置では、内側筒状部材１７内に、単に、ガス発生剤
パック２３を収容しているため、ガス発生剤パック２３
の着火薬２７側と点火器２５との間隔を確実に維持でき
ない虞れがあり、特に、点火器２５と着火薬２７との間
隔が広がった場合には、点火性能が低下する虞れがあっ
た。

【０００７】本発明は、上記のような問題を解決したも
ので、高温環境下において容器の破裂等を引き起こす虞
れを従来より大幅に低減することができるとともに、ガ
ス発生剤パックの着火薬側と点火器との間隔を確実に維
持することができるエアバッグ展開用ガス発生装置を提
供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１のエアバッグ展
開用ガス発生装置は、一側端板部および他側端板部によ
り両端を密閉され、外周に複数のガス流出口が形成され
る長尺状の筒状部材と、この筒状部材内に収容されると
ともに、一側端面および他側端面により両端を密閉され
る長尺状の筒状パックの軸長方向に、複数のガス発生剤
が積層状態で収容され、さらに、前記一側端面の近傍に
着火薬を配置してなるガス発生剤パックと、前記筒状部
材の一側端板部に配置される点火器と、前記筒状部材の
他側端板部と前記筒状パックの他側端面との間に配置さ
れ、筒状パックを前記点火器側に向けて付勢する付勢部
材とを備え、前記一側端板部を前記筒状部材の開口端部
により前記筒状パック側に向けてカシメ固定するととも
に、前記筒状パックの他側端面に、着火薬が収容される
突出部を、前記他側端板部に対して所定の間隙を設けて
形成し、この突出部に、前記付勢部材により前記他側端
板部に押圧される熱伝達部材を、前記付勢部材の付勢力
より小さな嵌合荷重で嵌合してなるものである。

【０００９】請求項２のエアバッグ展開用ガス発生装置
は、一側端板部および他側端板部により両端を密閉さ
れ、外周に複数のガス流出口が形成される長尺状の筒状
部材と、この筒状部材内に収容されるとともに、一側端
面および他側端面により両端を密閉される長尺状の筒状
パックの軸長方向に、複数のガス発生剤が積層状態で収
容され、さらに、前記一側端面の近傍に着火薬を配置し
てなるガス発生剤パックと、前記筒状部材の一側端板部
に配置される点火器と、前記筒状部材の他側端板部と前
記筒状パックの他側端面との間に配置され、筒状パック
を前記点火器側に向けて付勢する付勢部材とを備え、前
記一側端板部を前記筒状部材の開口端部により前記筒状
パック側に向けてカシメ固定するとともに、前記筒状パ
ックの他側端面に、着火薬が収容される突出部を形成
し、この突出部を、前記他側端板部に形成される凹部
に、凹部の底面に対して所定の間隙を設けた状態で、前
記付勢部材の付勢力より小さな嵌合荷重で嵌挿してなる
ものである。

【００１０】

【作用】請求項１のエアバッグ展開用ガス発生装置で
は、装置が火災等の高温環境下におかれ他側端板部の温
度が上昇すると、他側端板部の熱が、筒状パックの突出
部に嵌合する熱伝達部材を介して、突出部内に収容され
る着火薬に伝達され、着火薬がガス発生剤の発火温度よ
り充分に低い温度で着火し、これによりガス発生剤が燃
焼される。

【００１１】そして、このエアバッグ展開用ガス発生装
置では、一側端板部を筒状部材の開口端部により筒状パ
ック側に向けてカシメ加工する時に、筒状パックが他側
端板部に向けて移動されるが、突出部が、他側端板部に
対して所定の間隙を設けて形成され、熱伝達部材に、付
勢部材の付勢力より小さな嵌合荷重で嵌挿されているた
め、突出部が比較的容易に先方に向けて移動し、突出部
に多大な荷重が作用することが防止される。

【００１２】一方、カシメ加工の終了後には、突出部
が、熱伝達部材に、付勢部材の付勢力より小さな嵌合荷
重で嵌挿されているため、付勢部材の付勢力により筒状
パックが一側端板部側に向けて移動され、筒状パックの
一側端面を一側端板部に確実に当接することができる。

【００１３】請求項２のエアバッグ展開用ガス発生装置
では、装置が火災等の高温環境下におかれ他側端板部の
温度が上昇すると、他側端板部の熱が、凹部に嵌挿され
る筒状パックの突出部内に収容される着火薬に伝達さ
れ、着火薬がガス発生剤の発火温度より充分に低い温度
で着火し、これによりガス発生剤が燃焼される。

【００１４】そして、このエアバッグ展開用ガス発生装
置では、一側端板部を筒状部材の開口端部により筒状パ
ック側に向けてカシメ加工する時に、筒状パックが他側
端板部に向けて移動されるが、突出部が、他側端板部に
形成される凹部に、凹部の底面に対して所定の間隙を設
けた状態で、付勢部材の付勢力より小さな嵌合荷重で嵌
挿されているため、突出部が比較的容易に先方に向けて
移動し、突出部に多大な荷重が作用することが防止され
る。

【００１５】一方、カシメ加工の終了後には、突出部
が、他側端板部に形成される凹部に、付勢部材の付勢力
より小さな嵌合荷重で嵌挿されているため、付勢部材の
付勢力により筒状パックが一側端板部側に向けて移動さ
れ、筒状パックの一側端面を一側端板部に確実に当接す
ることができる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の詳細を図面に示す実施例につ
いて説明する。図１および図２は、本発明のエアバッグ
展開用ガス発生装置の一実施例を示しており、図におい
て符号３５は、一側端板部３７および他側端板部３９に
より密閉される長尺状の外側筒状部材を示している。

【００１７】この外側筒状部材３５の外周には、多数の
ガス流出口４１が形成されている。そして、他側端板部
３９には、車両側への取り付け部４３が一体形成されて
いる。

【００１８】外側筒状部材３５の内側には、筒状の最終
フィルタ４５が配置されている。この最終フィルタ４５
は、例えば、細目金網，畳み織り金網等を重ね巻きして
構成され、燃焼ガスをエアバッグが焼損しない程度にま
で冷却し、また、燃焼ガスに含まれる燃焼残渣を除去
し、エアバッグに無害の窒素ガスのみを供給する機能を
有している。

【００１９】この最終フィルタ４５の内側には、内側筒
状部材４７が挿入されている。内側筒状部材４７の外周
には、全周にわたって、多数のガス流通孔４９が形成さ
れている。

【００２０】内側筒状部材４７内には、ガス発生剤パッ
ク５１が収容されている。このガス発生剤パック５１
は、図３に示すように、アルミニウムからなる有底長尺
状の筒状パック５３を有している。

【００２１】この筒状パック５３内には、中央に貫通孔
５５の形成される多数のガス発生剤５７が、軸長方向に
積層状態で収容されている。筒状パック５３の一側は、
一側端面５９により密閉され、他側は、例えば、アルミ
ニウムのキャップ６１からなる他側端面６２により密閉
されている。

【００２２】筒状パック５３の一側には、円筒状のスペ
ーサー６３が配置されている。このスペーサー６３は、
例えば、アルミニュウムからなり、スペーサー６３の中
央には、例えば、１８０℃の低温で発火するオートイグ
ニッション用火薬が含まれている着火薬６４が配置され
ている。

【００２３】この着火薬６４は、着火薬パック６５内に
収容されている。一方、筒状パック５３の他側に配置さ
れるキャップ６１は、筒状パック５３に外周を巻き締め
成形され、筒状の巻き締め部６７が形成されている。

【００２４】そして、キャップ６１の中央には、着火薬
６６を収容するための突出部６８が形成されている。着
火薬６６には、例えば、１８０℃の低温で発火するオー
トイグニッション用火薬が含まれており、この着火薬６
６は、着火薬パック６９内に収容されている。

【００２５】また、筒状パック５３内のキャップ６１側
には、空間部７１が形成され、この空間部７１には、ガ
ス発生剤５７に当接するホルダー７３およびキャップ６
１に当接するホルダー７５が配置され、これ等のホルダ
ー７３，７５の間に、コイルスプリング７７の両端が支
持されている。

【００２６】図１に示したように、外側筒状部材３５の
一端を密閉する一側端板部３７は、エンドキャップから
なり、外側筒状部材３７の開口端部７９により筒状パッ
ク５３側に向けてカシメ固定されている。

【００２７】このカシメ固定は、一側端板部３７の嵌合
部８１を内側筒状部材４７の開口端に嵌合した状態で、
外側筒状部材３７の開口端部７９を、プレス機械等を使
用して一側端板部３７に向けて所定の圧力で折曲し、塑
性変形することにより行われる。

【００２８】一側端板部３７の中央には、貫通孔８３が
形成され、この貫通孔８３内に、点火器８５が嵌挿さ
れ、一側端板部３７にカシメにより固定されている。な
お、最終フィルタ４５の両端と一側端板部３７および他
側端板部３９との間には、例えば、難燃性シリコンゴム
からなるパッキン８７が配置されている。

【００２９】しかして、この実施例では、ガス発生剤パ
ック５１の他側端面６２を形成するキャップ６１と、外
側筒状部材３５の他側端板部３９との間には、図４に示
すように、例えば、コイルスプリングからなる付勢部材
８９が配置されている。

【００３０】そして、突出部６８の先端は、他側端板部
３９に対して所定の間隙Ｌを設けて配置されている。こ
の突出部６８には、付勢部材８９により他側端板部３９
に押圧される熱伝達部材９１が、付勢部材８９の付勢力
より小さな嵌合荷重で嵌合されている。

【００３１】図５および図６は、熱伝達部材９１の詳細
を示すもので、この熱伝達部材９１は、アルミニュウム
あるいは銅等の熱伝導の良好な金属からなり、鍔部９３
の内周には、突出部６８に嵌合される複数の嵌合片９５
が立設して一体形成されている。

【００３２】この実施例では、熱伝達部材９１の突出部
６８への嵌合荷重は、例えば、０．２〜１．２kgとさ
れ、一方付勢部材８９の付勢力は、３．８kgとされてい
る。また、熱伝達部材９１の鍔部９３の内側には、付勢
部材８９の他端が当接され、鍔部９３が他側端板部３９
に所定の押圧力で押圧されている。

【００３３】上述したエアバッグ展開用ガス発生装置で
は、点火器８５に電気が通電されると、着火薬６４が燃
焼し、この燃焼により、ガス発生剤５７が燃焼し、ガス
発生剤パック５１の筒状パック５３が、内側筒状部材４
７のガス流通孔４９の位置において破断し、燃焼ガス
は、内側筒状部材４７のガス流通孔４９を通り、最終フ
ィルタ４５に流入し、最終フィルタ４５により浄化さ
れ、外側筒状部材３５のガス流出口４１からエアバッグ
内に流入される。

【００３４】そして、この実施例では、外側筒状部材３
５の一側に配置される点火器８５に電気を通電すると、
先ず、一側の着火薬６４が燃焼し、点火器８５側のガス
発生剤５７が燃焼を開始するとともに他側の着火薬６６
が燃焼し、他側の着火薬６６側のガス発生剤５７が燃焼
する。

【００３５】しかして、以上のように構成されたエアバ
ッグ展開用ガス発生装置では、装置が火災等の高温環境
下におかれ他側端板部３９の温度が上昇すると、他側端
板部３９の熱が、筒状パック５３の突出部６８に嵌合す
る熱伝達部材９１を介して突出部６８内に収容される着
火薬６６に伝達され、着火薬６６がガス発生剤５７の発
火温度、例えば、３９０℃より充分に低い温度、例え
ば、１８０℃で着火し、これによりガス発生剤５７が燃
焼されるため、高温環境下において容器の破裂等を引き
起こす虞れを従来より大幅に低減することができる。

【００３６】また、付勢部材８９により筒状パック５３
の一側端面５９が、点火器８５が収容される一側端板部
３７に向けて押圧されるため、筒状パック５３の一側に
配置される着火薬６４と点火器８５との間隔を確実に維
持することができ、点火器８５による着火薬６４への点
火の信頼性を向上することができる。

【００３７】さらに、上述したエアバッグ展開用ガス発
生装置では、熱伝達部材９１を突出部６８に付勢部材８
９の付勢力より小さな嵌合荷重で嵌合したので、一側端
板部３７を外側筒状部材３５の開口端部７９により筒状
パック５３側に向けてカシメ加工する時に、筒状パック
５３が他側端板部３９側に移動しても、カシメ加工の終
了後には、付勢部材８９により、筒状パック５３の一側
端面５９が、点火器８５が収容される一側端板部３７に
向けて移動押圧されるため、カシメ加工を確実に行うこ
とができる。

【００３８】また、上述したエアバッグ展開用ガス発生
装置では、一側端板部３７を外側筒状部材３５の開口端
部７９により筒状パック５３側に向けてカシメ加工する
時に、筒状パック５３が他側端板部３９に向けて移動さ
れるが、突出部６８が、他側端板部３９に対して所定の
間隙を設けて形成され、熱伝達部材９１に、付勢部材８
９の付勢力より小さな嵌合荷重で嵌挿されているため、
突出部６８が比較的容易に先方に向けて移動し、突出部
６８に多大な荷重が作用することが防止される。

【００３９】そして、この実施例では、突出部６８に多
大な荷重が作用することが確実に防止されるため、筒状
パック５３へのキャップ６１の巻き締め部６７が開くこ
とを確実に防止することができる。

【００４０】さらに、この実施例では、熱伝導性の良好
なアルミニュウムからなるスペーサー６３内に、例え
ば、１８０℃の低温で発火するオートイグニッション用
火薬が含まれる着火薬６４を配置したので、車両火災時
には、点火器８５側の一側端板部３７からの熱が、スペ
ーサー６３に効率的に伝達され、オートイグニッション
用火薬が発火するため、車両火災時にエアバッグ展開用
ガス発生装置が破壊する虞れを確実に解消することがで
きる。

【００４１】図７は、本発明のエアバッグ展開用ガス発
生装置の他の実施例の要部の詳細を示すもので、この実
施例では、突出部６８Ａが、他側端板部３９に形成され
る凹部９７に、凹部９７の底面に対して所定の間隙Ｌを
設けた状態で嵌挿されている。

【００４２】そして、凹部９７への突出部６８の嵌合荷
重が、付勢部材８９の付勢力より小さな嵌合荷重とされ
ている。この実施例のエアバッグ展開用ガス発生装置で
は、装置が火災等の高温環境下におかれ他側端板部３９
の温度が上昇すると、他側端板部３９の熱が、凹部９７
から直接、突出部６８Ａ内に収容される着火薬６６に伝
達され、着火薬６６がガス発生剤５７の発火温度より充
分に低い温度で着火し、これによりガス発生剤５７が燃
焼されるため、高温環境下において容器の破裂等を引き
起こす虞れを従来より大幅に低減することができる。

【００４３】また、付勢部材８９により筒状パック５３
の一側端面５９が、点火器８５が収容される一側端板部
３７に向けて押圧されるため、筒状パック５３の一側に
配置される着火薬６４と点火器８５との間隔を確実に維
持することができる。

【００４４】さらに、突出部６８Ａを他側端板部３９に
形成される凹部９７に付勢部材８９の付勢力より小さな
嵌合荷重で嵌合したので、一側端板部３７を外側筒状部
材３５の開口端部７９により筒状パック５３側に向けて
カシメ加工する時に、筒状パック５３が他側端板部３９
側に移動しても、カシメ加工の終了後には、付勢部材８
９により、筒状パック５３の一側端面５９が、点火器８
５が収容される一側端板部３７に向けて移動押圧される
ためカシメ加工を確実に行うことができる。

【００４５】なお、以上述べた実施例では、付勢部材８
９をコイルスプリングにより形成した例について説明し
たが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
く、例えば、樹脂等からなるクッション材により形成し
ても良いことは勿論である。

【００４６】

【発明の効果】以上述べたように、本発明のエアバッグ
展開用ガス発生装置では、装置が火災等の高温環境下に
おかれ他側端板部の温度が上昇すると、他側端板部の熱
が、筒状パックの突出部に嵌合する熱伝達部材を介し
て、あるいは、凹部から直接、突出部内に収容される着
火薬に伝達され、着火薬がガス発生剤の発火温度より充
分に低い温度で着火し、これによりガス発生剤が燃焼さ
れるため、高温環境下において容器の破裂等を引き起こ
す虞れを従来より大幅に低減することができる。

【００４７】また、付勢部材により筒状パックの一側端
面が、点火器が収容される一側端板部に向けて押圧され
るため、筒状パックの一側に配置される着火薬と点火器
との間隔を確実に維持することができる。

【００４８】さらに、本発明のエアバッグ展開用ガス発
生装置では、熱伝達部材を突出部に付勢部材の付勢力よ
り小さな嵌合荷重で嵌合し、あるいは、突出部を他側端
板部に形成される凹部に付勢部材の付勢力より小さな嵌
合荷重で嵌合したので、一側端板部を筒状部材の開口端
部により筒状パック側に向けてカシメ加工する時に、筒
状パックが他側端板部側に移動しても、カシメ加工の終
了後には、付勢部材により、筒状パックの一側端面が、
点火器が収容される一側端板部に向けて移動押圧される
ため、カシメ加工を確実に行うことができるという利点
がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のエアバッグ展開用ガス発生装置の一実
施例を示す縦断面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う横断面図である。

【図３】図１のガス発生剤パックを示す断面図である。

【図４】図１の他側端板部およびこの近傍の詳細を示す
拡大図である。

【図５】図１の熱伝達部材を示す断面図である。

【図６】図５の上面図である。

【図７】本発明のエアバッグ展開用ガス発生装置の他の
実施例を示す断面図である。

【図８】本出願人が先に出願したエアバッグ展開用ガス
発生装置を示す縦断面図である。

【符号の説明】

３５ 外側筒状部材 ３７ 一側端板部 ３９ 他側端板部 ４１ ガス流出口 ４９ ガス流通孔 ５１ ガス発生剤パック ５３ 筒状パック ５７ ガス発生剤 ５９ 一側端面 ６１ キャップ ６２ 他側端面 ６４，６６ 着火薬 ７９ 開口端部 ８５ 点火器 ８９ 付勢部材 ９１ 熱伝達部材 ９７ 凹部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一側端板部および他側端板部により両端
   を密閉され、外周に複数のガス流出口が形成される長尺
   状の筒状部材と、 この筒状部材内に収容されるとともに、一側端面および
   他側端面により両端を密閉される長尺状の筒状パックの
   軸長方向に、複数のガス発生剤が積層状態で収容され、
   さらに、前記一側端面の近傍に着火薬を配置してなるガ
   ス発生剤パックと、 前記筒状部材の一側端板部に配置される点火器と、 前記筒状部材の他側端板部と前記筒状パックの他側端面
   との間に配置され、筒状パックを前記点火器側に向けて
   付勢する付勢部材とを備え、 前記一側端板部を前記筒状部材の開口端部により前記筒
   状パック側に向けてカシメ固定するとともに、前記筒状
   パックの他側端面に、着火薬が収容される突出部を、前
   記他側端板部に対して所定の間隙を設けて形成し、この
   突出部に、前記付勢部材により前記他側端板部に押圧さ
   れる熱伝達部材を、前記付勢部材の付勢力より小さな嵌
   合荷重で嵌合してなることを特徴とするエアバッグ展開
   用ガス発生装置。
2. 【請求項２】 一側端板部および他側端板部により両端
   を密閉され、外周に複数のガス流出口が形成される長尺
   状の筒状部材と、 この筒状部材内に収容されるとともに、一側端面および
   他側端面により両端を密閉される長尺状の筒状パックの
   軸長方向に、複数のガス発生剤が積層状態で収容され、
   さらに、前記一側端面の近傍に着火薬を配置してなるガ
   ス発生剤パックと、 前記筒状部材の一側端板部に配置される点火器と、 前記筒状部材の他側端板部と前記筒状パックの他側端面
   との間に配置され、筒状パックを前記点火器側に向けて
   付勢する付勢部材とを備え、 前記一側端板部を前記筒状部材の開口端部により前記筒
   状パック側に向けてカシメ固定するとともに、前記筒状
   パックの他側端面に、着火薬が収容される突出部を形成
   し、この突出部を、前記他側端板部に形成される凹部
   に、凹部の底面に対して所定の間隙を設けた状態で、前
   記付勢部材の付勢力より小さな嵌合荷重で嵌挿してなる
   ことを特徴とするエアバッグ展開用ガス発生装置。