JPH079934Y2 - 間仕切りパネルの連結構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は間仕切りパネルを上下に
配置する場合の、上下パネル間の連結構造に関するもの
である。

【０００２】

【従来技術】図４は従来のパネル連結構造を示したもの
で、床面と天井との間にはパネル(イ) 、(イ) が上・下２
段を成して配置され、上・下パネルの間には中間目地材
(ロ)が介在していて、両パネルを連結している。ここで
は床面側に配置される巾木構造及び天井に設ける天井レ
ール構造に関しては対象としないことから、その説明は
省略するが、上記中間目地材(ロ) はパネル(イ) 、(イ) の
裏面を支えてパネル間距離を保つための受け(ハ) を有
し、該受け(ハ) より外側にはカギ型の係止片を持ってい
る。一方、パネル(イ) の表面材を屈曲して係止片を形成
し、これら係止片が中間目地材の係止片と互いに係合し
て、上・下パネル(イ) 、(イ) を連結する構造となってい
る。

【０００３】ところで、従来型式の連結構造は上・下パ
ネル(イ) 、(イ) 間に目地空間(ニ) を形成し、そのため間
仕切りの外観を損なっている。又上記中間目地材(ロ) は
板材を曲げ加工してカギ型の係止片を形成し、この係止
片にパネル表面材の上・下端を曲げ加工した係止片が係
合するため、連結強度が低くて安定性を欠き、パネルが
ふらついたりする。そのため、パネルは表側へ膨らんだ
り、上・下パネル間には多少の段差を生じ、これが上記
目地空間(ニ) とあいまって、間仕切りの外観を一層損う
結果となっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】このように従来のパネ
ル連結構造には上記のごとき問題がある。本考案が解決
しようとする課題はこれら問題点であって、上・下方向
に配置されるパネルの膨らみを防止し、段差を生じるこ
となく安定して連結し、又パネル間に隙間（目地空間）
を残さない連結構造を提供する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案に係るパネル連結
構造は上記問題点を解決するために、次の特徴をもって
構成されている。すなわち、本考案の連結構造は、連結
部材として、連結具と内枠を使用し、これら両部材を介
してパネルを上・下方向に段差や膨らみを生じることな
く、又隙間を残すことなく連結するよう構成する。上記
連結具は下パネルの上端に係止し、所定の間隔をおいて
平行に起立するパネルの裏面に当接するとともに、両側
に形成したカギ型の係止片は表面材を屈曲して形成した
パネル係止片の嵌入孔に係合する。よって下パネルは連
結具によって正しく位置決めされ、両パネル間隔も規制
される。

【０００６】一方、内枠は上記連結具上に載せられ、上
パネル間距離を規制するため、内枠の両側片は上パネル
の裏面に当接しており、そして上パネルの表面材を屈曲
して裏面側にて下方へ係止片を伸ばし、該係止片は上記
内枠の側片と連結具の側片間に残す隙間に嵌入する。よ
って上パネルの位置も正しく規制される。更に本考案の
連結構造では、上・下パネル間に隙間を残さないように
構成していて、下パネルの表面材を屈曲して形成した係
止片には連結具の係止片が納まるために、凹状の窪みを
形成し、この窪みの底に上記嵌入孔を穿設し、嵌入孔に
は係止片のカギを嵌入する。以下、本考案に係る実施例
を図面に基づき詳細に説明する。

【０００７】

【実施例】図１は本考案のパネル連結構造を示す実施例
であって、上・下パネル１ａ、１ｂは連結具２及び内枠
３により互いに連結されている。ここで上パネル１ａは
その表面材４ａをパネル下端にて屈曲し、裏内材５の裏
面６側にて再び屈曲して下方へ伸び、係止片７を形成し
ている。

【０００８】下パネル１ｂはその表面材４ｂを裏打材５
の上端から更に上方へ伸ばし、裏打材５の上端との間に
空間を残して裏側へ屈曲した係止片８を形成している。
図２は下パネル１ｂの詳細を示したもので、上記係止片
８には窪み９を形成し、該窪み９の底１０には嵌入孔１
１を穿設している。そして、１枚のパネル両サイドに上
記窪み９、９が設けられ、２箇所にてパネルを連結す
る。

【０００９】図３は下パネル１ａ、１ｂを支えるための
連結具２を単独で表しており、上記連結具２は板材を曲
げ成形した部材であって、基板１２の両サイドには側片
13ａ、13ｂが起立し、又基板１２の前・後端には垂下片
14ａ、14ｂが形成されている。垂下片１４の幅寸法Ｌは
両側片13ａ、13ｂ間寸法より小さくなっており、床面に
対して互いに平行に起立する両パネル１ａ、１ｂの裏打
材５、５間距離と同じである。そして側片13ａ、13ｂの
上端中央には係止片15ａ、15ｂがそれぞれ外方向へ向い
て水平に伸び、係止片15ａ、15ｂの先端にはカギ16ａ、
16ｂが下方へ伸びている。

【００１０】この係止片１５は前記図１に示すように、
下パネル１ｂの係止片８に形成した窪み９に納まり、カ
ギ１６は窪み９の嵌入孔１１に嵌入することが出来る。
カギ１６が嵌入孔１１に嵌入した状態では垂下片１４の
両端は裏打材５の裏面６に当接し、そのため両下パネル
１ｂ、１ｂは垂下片１４とカギ１６に規制され、所定の
間隔をもって互いに平行に起立することになる。又連結
具２の係止片１５は窪み９内に納まり、係止片１５の上
面は係止片８の上面から上方へ突出することがないよう
に、上記窪み９の大きさ及び深さが決定されている。

【００１１】一方、内枠３は図１にその断面を示すよう
に、概略逆Ｕ型断面の部材であり、両側片17ａ、17ｂは
互いに平行を成し、両側片17ａ、17ｂ間距離は前記連結
具２の垂下片幅Ｌと等しくなっており、側片17ａ、17ｂ
には上パネル１ａ、１ａの裏打材５、５の裏面６、６が
当接している。内枠３は連結具２の基板１２上に載せて
配置され、該内枠３の側片１７と連結具２の側片１３と
の間に形成する僅かの隙間に上パネル１ａの係止片７が
嵌入する。よって上パネル１ａは内枠３と係止片７の嵌
入によってその位置は定まり、又上パネル１ａ下端は下
パネル１ｂの係止片８に当接し、上・下パネル１ａ、１
ｂ間には僅かな隙間も残さない。

【００１２】ところで、上記内枠３の形状は概略逆Ｕ型
断面の部材に限定せず、連結具２に載せられて上パネル
１ａ、１ｂを位置決めすることの出来る形態であれば何
ら制約されない。以上述べたように、本考案のパネル連
結構造は連結具と内枠からなる連結部材を介して上・下
に配置されるパネルを連結したもので、次のような効果
を得ることが出来る。

【００１３】

【考案の効果】本考案のパネル連結構造では連結具によ
って両下パネル間距離は定まり、連結具のカギが下パネ
ル係止片の嵌入孔に嵌入することで、巾木上に起立する
下パネルは極めて安定する。そして、この安定した下パ
ネルに取着した連結具上に内枠を載せて上パネル間距離
を規制し、しかも内枠側片と連結具側片間に設ける隙間
に上パネル係止片を嵌入するため、この上パネルも同じ
く安定し、パネルに膨らみを生じることなく、上・下パ
ネル間の安定した連結が得られる。

【００１４】更に本考案では連結具の係止片を下パネル
係止片の窪みに納めるために、上・下パネル間に隙間を
残さず、従来のごとき目地空間の無い間仕切りパネルの
連結となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のパネル連結構造を示す断面図。

【図２】本考案のパネル連結構造を構成する下パネル。

【図３】本考案のパネル連結構造を構成する連結具。

【図４】従来のパネル連結構造。

【符合の説明】

１ パネル ２ 連結具 ３ 内枠 ４ 表面材 ５ 裏打材 ６ 裏面 ７ 係止片 ８ 係止片 ９ 窪み 10 底 11 嵌入孔 12 基板 13 側片 14 垂下片 15 係止片 16 カギ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに平行を成して垂直に起立する下パ
   ネルに上パネルを載せ、連結部材を介して上・下パネル
   を連結する連結構造において、上パネルには表面材を屈
   曲させて裏面側にて下方へ伸びた係止片を設け、下パネ
   ルには裏打材上端との間に空間を設けて表面材をＬ型に
   屈曲して係止片を形成し、該係止片には窪みを加工して
   その底に嵌入孔を穿設し、一方、両下パネルの裏面に当
   接して上記嵌入孔に嵌入するカギを持った連結具を下パ
   ネル上端に取着し、該連結具の両側片上端から水平に伸
   びた係止片は下パネルの係止片上面から突出しないよう
   に窪み内に納められ、上記連結具には内枠を載せてその
   両側片を上パネルの裏面に当接し、上パネルの係止片を
   内枠側片と連結具側片の間に形成した隙間に嵌入したこ
   とを特徴とする間仕切りパネルの連結構造。
2. 【請求項２】 下パネルの係止片両サイド部に窪みを形
   成し、連結具を２箇所に分離して取着した請求項１記載
   の間仕切りパネルの連結構造。