JPH0796695A - ツイストファイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業工程を簡素化し、耐久性と綴じ作業の能
率化と、係合している綴じ状態が確実なツイスト式のフ
ァイルを提供する。 【構成】 ポリプロピレン等の可撓性ある合成樹脂シー
トを本体とし、シート本体に書類綴じ部を形成するファ
イルであって、ファイル本体を構成する一枚の樹脂シー
トの裏表紙側の一部を切り欠き立ち上げて書類に挿入す
るツイスト半回転可能な細長ファスナー部を形成すると
ともに、表表紙側の一部を切り欠き立ち上げて細長ファ
スナー部をツイストさせて嵌入離脱し、復元状態で係合
させる切欠係合部を設けた構成からなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は書類を綴じる機構の装備
された書類保管用のファイル関し、特にファイル本体を
構成する一枚のＰＰ（ポリプロピレン）樹脂の一部を切
り欠き立ち上げて、半回転する細長ファスナー部と切欠
係合部とから成る綴じ具を形成し、細長ファスナー部を
ツイスト嵌入させ、復元状態で係止する構造のファイル
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】会社や事務所等々で使用する書類綴じ用
のファイルは様々な形式の製品が数多く市場に出回って
いる。高価なファイルには複雑な構造の書類綴じ具が装
備されている。しかしなから、一方では、安価で丈夫で
長持ちのするファイルが望まれている。紙の表紙に金属
製の綴じ具を装備した簡易な構造のファイルが一般的で
あるが、耐久性の問題から表紙に塩化ビニール等々の合
成樹脂シートを利用したも製品も開発されている。しか
しながら、合成樹脂のシートや厚紙からなる製品の場合
は、ファイル本体に書類綴じ具を装着する必要があり、
かつ、部品としての書類綴じ具自体は別途に製造する必
要があった。

【０００３】ポリプロピレンは材質的に、何回折り曲
げても折れない特性があり、また、弾力性に富み曲げ
たり捩じったりしても復元力が強く、容易に元の状態に
戻ることができ、かつ、簡易に加工できるという特徴
がある。そこで、耐久性が抜群で、安価に製造できるフ
ァイルの素材としてポリプロピレン樹脂のシートが利用
されているが、書類綴じ機構を装備する必要があるの
で、必然的にコスト高になっていた。また、作業工程を
省略して安価な製品を供給することを目的として、一枚
のＰＰ（ポリプロピレン）樹脂を一工程で打ち抜いた製
品も開発されているが、ファスナー部分の形状や係合状
態に問題があり、またファスナー部の耐久性も充分でな
かった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術の欠点を除去し、作業工程を省略して簡素化すると
ともに、耐久性と綴じ作業の能率化と、係合している綴
じ状態が確実なツイスト式のファイルを提供することに
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明に係るツイストファイルは、可撓性の合
成樹脂であるポリプロピレン等のシートに書類綴じ部を
形成するファイルであって、ファイル本体を構成する一
枚の樹脂シートの裏表紙側の一部を切り欠き立ち上げて
書類に挿入するツイスト半回転可能な細長ファスナー部
を形成するとともに、表表紙側の一部を切り欠き立ち上
げて細長ファスナー部をツイストさせて嵌入離脱し、復
元状態で係合させる切欠係合部を設けた構造である。

【０００６】

【作用】本発明にかかるツイストファイルは、一枚の樹
脂シートの見開き頁の一方側である裏表紙側の一部に細
長ファスナー部を削設し、見開き頁の他方側である表表
紙側の一部を切り欠きいて切欠係合部を設けた構造であ
って、使用にあたってはまず、背表紙を中心に両側の見
開き頁を起こすとともに、細長ファスナー部と切欠係合
部をファイル内側に向かって立ち上げる。綴じる書類の
嵌合孔に前記細長ファスナー部を先端から挿入し、次に
細長ファスナー部の先端頭部を長方形の切欠係合部に縦
に捻じった状態で長方形の孔の縦長幅に入れる。嵌入状
態で細長ファスナー部から手を放すと復元力により縦に
ツイストさせた捩れが元に戻って先端の頭部が孔に挿通
した状態で横向きとなって細長ファスナー部は切欠係合
部に係止され、書類を綴じることができる。書類をツイ
ストファイルから取り外す際は、切欠係合部に係止して
いる細長ファスナー部の先端部を縦方向に捩じって長方
形の切欠部の縦長方向に沿って抜き出し、書類を嵌入孔
から離脱させる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明に係るツイストファイルを図面
に示す一実施例に基づいて詳細に説明する。図１はこの
発明にかかる書類綴じ用のツイストファイルの全体を示
す平面図であり、図２はツイストファイルを組み立てた
状態を示す斜視図である。ツイストファイル１は、一枚
のＰＰ（ポリプロピレン）樹脂シート１０を打ち抜いて
組み立てる構成であり、ファイル本体を構成する表裏表
紙部２０と、書類綴じ部を構成する細長片３０と、切欠
係合部４０とから成る。

【０００８】図に示す実施例では可撓性のある合成樹脂
シート１０としてポリプロピレン樹脂シートを用いてい
るが、塩化ビニール等の安価な素材やその他の耐久性に
すぐれた合成樹脂シートであれば足りる。また、その切
欠片である細長ファスナー部も可撓性を有するものであ
る。ここで使用する合成樹脂シートは、可撓性があり書
類を収納するのに適当な堅さがあるとともに、弾力性が
あり、力を加えて捩じっても、容易に元の状態に復元す
る復元力を有することが必要である。この発明に係る書
類綴じ用のツイストファイルは一枚の比較的堅い合成樹
脂シートからなり、一枚の合成樹脂シートに部分的に切
り溝を削設するとともに、折筋を打設することにより、
溝部を立ち上げ組み立て、折筋を折り込んで書類綴じ部
を形成している。

【０００９】表紙部２０は一枚の合成樹脂シートからな
り、見開きの一方側の表紙部を表表紙２１とするととも
に、見開きの他方側を裏表紙２２とし、中央の背表紙部
２３を設けている。見開きのどちら側を表表紙とするか
は自由であり、また背表紙の幅も綴じる書類の厚さと種
類によって予め設定することが出来るもので、自由に選
択できる構成である。

【００１０】細長ファスナー部３０は、この実施例では
裏表紙２２に溝条に削設さた細紐帯であり、細長紐部３
１と先端頭部３２とから成る。胴部分となる細長紐部３
１はツイスト可能なようにを細く形成されている。細長
紐部は細長の紐条であり、その元部は裏表紙部２２と一
体に形成されている。また、先端頭部３２は切欠係合部
に係止可能なように細長紐部３１より幅広く形成されて
いる。先端頭部３２の幅は、後述する長方形の切欠係合
部４０（図３参照）の嵌合孔４１の縦幅４１ａの長さよ
り狭く、かつ横幅４１ｂより広く形成されている。細長
紐部３１の長さは、先端頭部を捻じって縦方向に９０度
回転したツイスト状態にすることが可能な程度に充分な
長さが必要である。細長紐部の長さを長くすれば綴じる
書類も多くすることが出来る。これにより、細長ファス
ナー部の全体を捻じることにより、先端頭部を捻じって
紐部に対して縦方向にして嵌入させることが可能とな
る。

【００１１】切欠係合部４０は、立ち上げ部４２と嵌合
孔４１とから成る。嵌合孔４１は、立ち上げ部４２の中
央に穿設された長方形の孔で、細長ファスナー部の先端
頭部１挿入する孔である。嵌合孔４１の形状及び幅は、
細長ファスナー部の先端が挿入できる大きさの空間であ
り、かつ、挿入された細長ファスナー部の先端が嵌合孔
の縁に係合して脱落しない幅である。図に示す実施例で
は、長方形を採用しているが、形状はこれに限定される
ものではなく、嵌入後にファスナーの先端が方向を変更
する事により、孔の縁に止まって脱落しない構造であれ
ばよい。従って、縦と横の寸法の異なる構成となる、菱
形や楕円形であってもよく、また、正方形であってもよ
い。すなわち、正方形であっても、対角線の距離が長い
ので、４５度に捻じった状態で嵌入させ、復元した状態
ではそれより短い各辺の縁に係合して書類を係止する構
成であってもよい。

【００１２】図で示す実施例では、長方形の嵌合孔４１
が示されている。図３で示す実施例では、長方形の開口
である嵌合孔４１の形状は、長方形の長寸幅４１ａが、
挿入される細長ファスナー部の先端頭部３２の横幅３２
ａより大きく構成されている。また、長方形の短寸幅４
１ｂは、細長ファスナー部の先端頭部の幅より狭く構成
されている。実施例では、長方形の短寸幅４１ｂは、先
端頭部の寸法とは無関係に、細長紐部３１の幅と略同一
に形成されている。縦長な長方形に形成されているの
で、細長ファスナー部さえ縦に捻じって一端挿入されれ
ば、短寸幅は極端に狭いので、脱落する虞れは全くな
い。

【００１３】書類の収納と離脱の手順は、従来のファス
ナ機構を装着したファイルと全く同様である。すなわ
ち、書類の収納・取り外しに際しては、まず、綴じる書
類に孔を穿設し、その孔に、まず、細長ファスナー部の
先端を嵌入し、書類の束をファイル内に収納する。次
に、図３ａで示すように、細長ファスナー部３０の先端
頭部３２を嵌合孔４１に縦の状態に捻じって挿入する。
細長ファスナー部の先端頭部は、縦長方向（縦）にする
ことにより嵌入孔の縦長方向に挿入出来るが、その後、
捻じりを加えていた力を取ると（手を放すと）復元して
横方向となり、嵌合孔４１の短寸幅４１ｂが狭いのでそ
のままの係合状態で嵌合孔の狭い幅の部分に細長ファス
ナー部の先端頭部が係合して係止された状態になって保
持される。

【００１４】立ち上げ部４２は、嵌合孔４１と細長ファ
スナー部３０とを正面に対向させる位置を保つ為の立ち
上げである。すなわち、ファイルは綴じた状態と開いた
状態で１８０度の差を生ずるが、一枚の合成樹脂シート
を背表紙２３を中心に折り畳んで表表紙と裏表紙に一体
的に係合部を設けている為に、係合部が１８０度離れる
可能性がある。そこで、嵌合孔と細長ファスナー部との
係合関係を堅固に保持する為に、嵌合孔をより細長ファ
スナー部に近付ける構成を取っている。この為に立ち上
げ部４２が不可欠となっている。図に示す実施例では、
表表示部に設けられる嵌合孔４１は立ち上げ部４２の中
を更に切り溝を作った係合片４３の中に嵌合孔４１を穿
設している。すなわち、嵌合孔４１は立ち上げ部４２の
中に直接に孔を穿設したものでも足りるが、図に示す実
施例では、より係合を確実に保持する為に、立ち上げ部
を２段階に構成して、立ち上げ部４２の中に更に係合片
４３を立ち上げている。

【００１５】立ち上げ部４２は、嵌合孔と係合する細長
ファスナー部の負担を軽減して耐久性とファイルの使い
易さを増進させる構造である。この実施例のツイストフ
ァイルでは、立ち上げ部がないと、表紙部を開閉する
と、嵌合孔と細長ファスナー部が一体的に設けられてい
る為に、表紙の動きと連動して同時に書類全体も移動す
ることになる。書類綴じ具に綴じられた書類は、ツイス
トファイルの表表紙の開閉に関わらず移動いない構成と
する為に立ち上げ部４２が必要となる構成である。更
に、細長ファスナー部を嵌合孔に挿入して力を開放して
係合させた後は、綴じられた書類の重さによって嵌合孔
の周縁に力が加わることになる。従って、綴じられたツ
イストファイルの全体の動きと綴じ具の負担を軽減する
為の緩衝として、２段目の立ち上げ部である係合片４３
が設けられているので、係止状態が良好に維持される。

【００１６】

【発明の効果】この発明に係るツイストファイルは、上
記詳述したような構成であるので、以下のような効果を
有する。 簡素な構成であるので、Ａ４判、Ｂ５判、Ａ５判、
Ｂ６判の他にも、小さな書類の綴じ込みに利用すること
ができる。 一枚の合成樹脂シートを打ち抜き加工して製造する
ので、他の部材を利用する必要がないので、極めて安価
に製造できる。 構造と原理が極めて簡単である為に、壊れにくく、
着脱が容易である。 書類綴じ具がファイル本体と一体化している為に、
安価であり、かつ丈夫で軽い為、書類の保管・保存・形
態に広く利用することができる利点がある。 ポリプロピレンを利用しているので、何回折り曲げ
ても折れない充分な耐久性が保証されている。 弾力性があり復元力が強いので、堅固な係合状態を
維持することができる。 簡易に加工でき、ビク抜きの機械で抜きと同時に、
折り曲げ用の筋も加工できるので作業工程が簡素化でき
るので、安価に製品を供給できる。 製品の加工に際して熱を加える必要がないので安全
有利である。 利用者が各自で組み立てて使用する形式の製品であ
る為に、一枚のシート状態で保管、運搬が可能であり、
店舗や倉庫の省スペースになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るツイストファイルの全体を示す平
面図

【図２】組み立てた状態を示す部分拡大斜視図

【図３】挿入時と係止状態を示す斜視図

【符号の説明】

１：ツイストファイル本体 １０：ＰＰ樹脂 ２０：表裏表紙部 ２１：表表紙 ２２：裏表紙 ３０：細長ファスナー部 ３１：紐部 ３２：先端頭部 ４０：切欠係合部 ４１：嵌合孔 ４２：立ち上げ部 ４３：係合片

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 可撓性ある合成樹脂のシートに書類綴じ
   機構を装備した構造の書類綴じ用のファイルにおいて、
   ファイル本体と書類綴じ部が一枚の樹脂シートで形成さ
   れており、かつ、ファイル本体を構成する一枚の可撓性
   樹脂シートの裏表紙側の一部を切り欠き立ち上げて書類
   に挿入するツイスト半回転可能な細長ファスナー部を形
   成するとともに、表表紙側の一部を切り欠き立ち上げて
   該細長ファスナー部をツイスト状態で嵌入離脱し、復元
   状態で係止させる切欠係合部を設けた事を特徴とするツ
   イストファイル。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の細長ファスナー部が、
   ツイスト可能なように細長紐部を細く形成するととも
   に、切欠係合部に係止可能なように先端頭部を細長紐部
   より幅広に構成したことを特徴とするツイストファイ
   ル。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の切欠係合部が、立ち上
   げ部と該立ち上げ部に穿設された嵌合孔とからなること
   を特徴とするツイストファイル。
4. 【請求項４】 請求項１に記載の切欠係合部が、立ち上
   げ部の中に更に切り溝を穿設し、その中に嵌合孔を穿設
   したこと特徴とするツイストファイル。
5. 【請求項５】 請求項１に記載の切欠係合部が、長方形
   の開口からなる嵌合孔を有し、長方形の長寸幅が挿入さ
   れる細長ファスナー部の先端頭部の横幅より広く形成さ
   れるとともに、短寸幅が挿入される細長片の先端部の横
   幅より狭く構成されていることを特徴とするツイストフ
   ァイル。