JPH0790046A - 制振材用樹脂組成物及びそれを用いた制振材 - Google Patents

制振材用樹脂組成物及びそれを用いた制振材

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JPH0790046A
JPH0790046A JP5259177A JP25917793A JPH0790046A JP H0790046 A JPH0790046 A JP H0790046A JP 5259177 A JP5259177 A JP 5259177A JP 25917793 A JP25917793 A JP 25917793A JP H0790046 A JPH0790046 A JP H0790046A
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JP
Japan
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group
active hydrogen
resin composition
damping material
polyisocyanate
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Application number
JP5259177A
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English (en)
Inventor
Yukihiro Morikawa
幸弘 森川
Shinjiro Hama
伸二郎 濱
Shin Konishi
伸 小西
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種金属板への強靱な接着性を発現し、架橋
構造による優れた耐熱性と耐久性を発現し、半永久的な
貯蔵安定性と可使時間を有し、操作時に遊離のポリイソ
シアネートモノマーの発生や飛散のない、幅広い温度域
で振動減衰能を有す制振材用樹脂組成物、及びそれを用
いた制振材を提供する。 【構成】 分子内に少なくともウレトジオン基含有ポリ
イソシアネート化合物及び所望により分子内に2個以上
のイソシアネート基含有ポリイソシアネートを含むポリ
イソシアネート成分と、分子量18〜20,000であ
って分子内に2以上の活性水素基を含有する活性水素化
合物成分とを、所定条件で反応させて得られるポリウレ
タン前駆体を主成分とする制振材用樹脂組成物、及びそ
れを用いた制振材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動減衰能に優れた自
動車、建材、家電、事務機、音響などの各部品に適用可
能な制振材用樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、少
なくともウレトジオン基と活性水素基とを所定の比率で
含有するポリウレタン前駆体を必須成分とし、加熱する
だけで鎖延長・架橋して硬化する制振材用樹脂組成物で
あって、フリーのポリイソシアネートモノマーを発生せ
ず、貯蔵安定性、操作性、安全性等に優れた樹脂、及び
それを使用した制振材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、建築物、事務機、家電製
品等は、静粛性向上による高級化を図っている。この静
粛性向上は、騒音、振動問題が続いていく社会の中で、
今後もよりいっそう求められていく技術のひとつであ
る。このような状況の中、静粛性向上の手段として、自
動車、建築物、事務機、家電製品等の各部品に盛んに振
動減衰能を有する部材を中間層に配した制振材が適用さ
れるようになってきた。制振材は、二枚の薄い金属板間
に挟んだ粘弾性物が、加えられた振動エネルギーをせん
断変形により急速に熱エネルギーに変換することによ
り、振動を効果的に減衰する機能を有するものである。
従来の制振材用樹脂組成物としては、ポリエステル樹脂
を多官能のイソシアネート系硬化剤で架橋させる2液型
や炭素数が3〜10の側鎖アルキル基を有するジオール
から誘導されるポリウレタンをベースポリマーとした樹
脂等があげられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、従来の二液型である制振材用樹脂組成物は、遊離イ
ソシアネートモノマーを含有している。更に本来有する
物性を出現させるためには、主剤と硬化剤との正確な配
合やその後の均一混合作業を必要とするため作業性、生
産性の点で改善余地を残している。また、混合後は経時
による粘度上昇のため、一定時間以内に使いきらなけれ
ばならないという可使時間の制約を伴っていた。また、
従来の一成分型の制振材用樹脂組成物は、未架橋タイプ
では主用途での必要特性である耐熱性や耐溶剤性が悪
い。また湿気硬化するタイプは、使用するときの季節あ
るいは地域等により、反応性や発現する物性の違いが顕
著にあらわれるという問題を有している。これらの点か
ら、使用直前の混合等の操作が不要で配合ミスの危険が
ない貯蔵安定性の高い一成分型であり、さらに遊離イソ
シアネートモノマーを系内に全く含まない作業環境性に
優れた制振材用樹脂組成物が強く要望されていた。本発
明は、使用直前の混合操作が不要であり、半永久的な貯
蔵安定性を有する遊離イソシアネートモノマーを全く含
まない、生産性、作業性、安全性等に優れた制振材用樹
脂組成物及びそれを使用した制振材を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
従来の問題点を解決するために鋭意検討した結果、少な
くともウレトジオン基と活性水素基を所定の比率で含有
するポリウレタン前駆体が半永久的な貯蔵安定性を有し
遊離のイソシアネートモノマーを含まない制振材用樹脂
組成物の必須成分となりうることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0005】すなわち本発明により、下記ポリイソシア
ネート化合物(a1)の一種又は二種以上及び所望によ
り下記ポリイソシアネート(a2)の一種又は二種以上
を含むポリイソシアネート成分(a)と、分子量18〜
20,000であって分子内に2個以上の活性水素基を
含有する活性水素化合物成分(b)とを、前記ポリイソ
シアネート成分(a)のイソシアネート基に対して前記
活性水素化合物成分(b)の活性水素基の当量比率が
1.0を越える条件で反応させて得られる、少なくとも
ウレトジオン基と活性水素基とをウレトジオン基/活性
水素基=0.25〜1.0の当量比率で含有するポリウ
レタン前駆体を必須成分として含有することを特徴とす
る制振材用樹脂組成物が提供される。 (a1)分子内に少なくともウレトジオン基を含有する
ポリイソシアネート化合物。 (a2)分子内に2個以上のイソシアネート基を有する
ポリイソシアネート。
【0006】また、本発明により、前記ポリイソシアネ
ート化合物(a1)が、分子内にウレトジオン基及びイ
ソシアヌレート基、及び所望によりイソシアネート基か
ら誘導されたこれら以外の基を含有するポリイソシアネ
ート化合物である、特許請求の範囲第1項記載の制振材
用樹脂組成物が提供される。
【0007】また本発明により、請求項1又は2に記載
の制振材用樹脂組成物に更に添加する活性水素化合物
を、前記ポリウレタン前駆体の活性水素基と前記活性水
素化合物の活性水素基との合計の比率がウレトジオン基
/合計活性水素基=0.25〜1.0となるような当量
比で含有することを特徴とする制振材用樹脂組成物が提
供される。
【0008】また本発明により、前記活性水素化合物
(b)が、下記活性水素化合物(b1)、(b2)をそ
れぞれ少なくとも1種以上を含むことを特徴とする請求
項1、2または3に記載の樹脂組成物が提供される。 (b1)ガラス転移点が−70〜−5℃である活性水素
化合物。 (b2)ガラス転移点が10〜100℃である活性水素
化合物。
【0009】また本発明により、請求項1、2、3又は
4に記載の制振材用樹脂組成物に更にウレトジオン基解
離触媒を0.05〜5.00重量%含有することを特徴
とする制振材用樹脂組成物が提供される
【0010】また本発明により、請求項1、2、3、4
又は5に記載の制振材用樹脂組成物をウレトジオン基が
開環する温度以下で金属板に塗布した後、他の金属板を
重ね合わせて、ウレトジオン基が開環する温度以上とな
るように熱エネルギーを与えるか、または請求項1、
2、3、4、または5に記載の制振材用樹脂組成物にウ
レトジオン基が開環する温度以上となるような熱エネル
ギーを金属板に塗布する際あるいは塗布した後に与えた
後、他の金属板と重ね合わせてことにより製造される制
振材が提供される。
【0011】また本発明により、片面もしくは両面に離
型剤層を有する基材および請求項1、2、3、4、5に
記載の制振材用樹脂組成物からなる制振性樹脂フィルム
が提供される。
【0012】また本発明により、請求項7に記載の制振
性樹脂フィルムの樹脂組成物側を金属板に貼着させたあ
と基材を剥し、他の金属板を重ね合わせた後、ウレトジ
オン基が開環する温度以上となるように熱エネルギーを
与えて反応、硬化させることにより製造される制振材が
提供される。
【0013】前記ポリイソシアネート成分(a)のうち
ポリイソシアネート化合物(a1)は、分子内に少なく
ともウレトジオン基を含有し、その他に所望によりイソ
シアヌレート基及びさらにイソシアネート基から誘導さ
れたこれら2つの基以外の基を含有するポリイソシアネ
ート化合物である。このイソシアネート基から誘導され
たウレトジオン基及びイソシアヌレート基以外の基は、
ウレタン基、カルボジイミド基、ウレトンイミン基、オ
キサゾリドン基、そしてヒダントイン基等である。ポリ
イソシアネート化合物(a1)は一種又は二種以上使用
することができる。すなわち例えば、ウレトジオン基含
有ポリイソシアネート化合物とウレトジオン基及びイソ
シアヌレート基含有ポリイソシアネート化合物との混合
物であってもよい。ポリイソシアネート成分(a)のう
ちポリイソシアネート(a2)は、分子内に2個以上の
イソシアネート基を有するポリイソシアネートである。
ポリイソシアネート(a2)は一種又は二種以上使用す
ることができる。前記ポリイソシアネート化合物(a
1)を形成するためのポリイソシアネートあるいはポリ
イソシアネート(a2)としては、フリーのポリイソシ
アネートのモノマーの他にそのポリメリック体を含む。
このポリイソシアネートモノマーとしては、具体的には
例えば、公知の2,4−トリレンジイソシアネート(以
下、TDIと略す)、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−
1,3−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(以下、MDIと略す)、4,4′
−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジ
フェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジ
フェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,
3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシ
アネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネ
ート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレ
ンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシア
ネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,
3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネ
ート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以
下、HDIと略す)、リジンジイソシアネート等の脂肪
族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水
添化トリレンジイソシアネート、水添化キシレンジイソ
シアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族
ジイソシアネート等のジイソシアネート、および前記ジ
イソシアネートの重合体や2官能以上のポリオール等と
前記のジイソシアネートあるいはそのポリメリック体と
の反応で得られるポリイソシアネートが適当である。す
なわち、ポリイソシアネートのポリメリック体やポリイ
ソシアネートのポリオールアダクトは、いずれも本発明
において好適に使用できる。ポリイソシアネート化合物
(a1)、例えば、本発明において必須成分であるウレ
トジオン基含有ポリイソシアネート化合物及びウレトジ
オン基及びイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート
化合物は、一般に、ポリイソシアネートモノマーの二量
化反応(ウレトジオン化反応)、三量化反応(イソシア
ヌレート化反応)等によって形成され、具体的には例え
ば次のようにして製造することができる。すなわち、こ
のような混合物は、相当するポリイソシアネートモノマ
ーから、公知のウレトジオン化触媒、例えばトリエチル
ホスフィン、ジブチルエチルホスフィン、トリ−n−プ
ロピルホスフィン、トリアミルホスフィン、トリベンジ
ルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類あるいはピ
リジン等の存在下、通常0〜90℃の反応温度で、溶剤
不存在下、またはポリウレタン工業に常用の不活性溶
剤、例えば、トルエン、キシレンその他の芳香族系溶
剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系
溶剤、プロピレングリコールメチルエーテルアセテー
ト、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコー
ルエーテルエステル系溶剤の存在下、及び場合によって
は、前記反応温度において液状のポリオールまたはDO
P等の可塑剤中で製造することができる。反応液には、
そのイソシアネート基含量で20〜50モル%のイソシ
アネート基が反応した時点で、例えばリン酸、パラトル
エンスルホン酸メチル、硫黄等の溶液を加えてウレトジ
オン化触媒を不活性化し、反応を停止させる。使用する
ポリイソシアネートの種類によっては、この反応過程で
結晶となり析出するものもある。特に、芳香族ポリイソ
シアネートは概ね結晶化し、反応系から分離する。この
ような方法によって、ウレトジオン基含有ポリイソシア
ネート化合物(すなわち二量体及びポリ−ウレトジオン
体)、及びウレトジオン基及びイソシアヌレート基含有
ポリイソシアネート化合物、及び原料であるポリイソシ
アネートモノマーの混合物が生成する。この混合物から
原料のポリイソシアネートモノマーを薄膜蒸留等により
取り除くことにより、目的のウレトジオン基含有ポリイ
ソシアネート化合物、ウレトジオン基及びイソシアヌレ
ート基含有ポリイソシアネート化合物等の混合物が得ら
れる。その製造時において高温反応であればあるほど、
反応停止時にポリイソシアネートモノマーの含量が低い
ほど、イソシアヌレート基の生成比率が高くなる。ま
た、トリエチルホスフィン等の触媒量が多いほど、ウレ
トジオン基の生成比率が高くなる。これらの反応条件を
コントロールすることにより、特定比率のウレトジオン
基とイソシアヌレート基とを含有するポリイソシアネー
ト化合物を得ることも出来る。このようなポリイソシア
ネート化合物分子中にウレトジオン基の他に一定比率の
イソシアヌレート基及び/又はその他の重合体を含む場
合には、このイソシアヌレート基によりポリウレタン前
駆体にゲル化には達しない程度の分岐点を導入できる。
そのため、加熱による硬化工程において、本発明の制振
材用樹脂組成物は、ウレトジオン基の開環する温度での
開環反応とそれに続く活性水素基との反応により、従来
公知のウレトジオン基含有ポリウレタン化合物から得ら
れるものに比較して、短時間かつ低反応率で耐熱性、耐
溶剤性などの耐久性も含めた優れた物性を発現すること
が見いだされた。なおポリイソシアネート化合物(a
1)、ポリイソシアネート(a2)は、場合によって
は、未反応のポリイソシアネートモノマーを含むものを
そのまま、本発明における主成分であるポリイソシアネ
ート成分(a)として用いることもできる。未反応のポ
リイソシアネートモノマーを除いたウレトジオン基及び
イソシアヌレート基含有ポリイソシアネート化合物等と
ポリイソシアネートモノマーとを混合し、官能基数を低
下させた形にして活性水素化合物成分(b)と反応させ
ることは、ポリウレタン前駆体製造時にゲル化等の問題
が起こらず好ましい場合がある。未反応のポリイソシア
ネートモノマーを除いたウレトジオン基及びイソシアヌ
レート基含有ポリイソシアネート化合物等とポリイソシ
アネートモノマーの種類や比率等の選択により、ポリウ
レタン前駆体製造時の反応性やその樹脂の発現物性を制
御することも可能となる。
【0014】本発明における活性水素化合物成分(b)
は、分子量18〜20,000であって分子内に2個以
上の活性水素基を含有するものである。具体的には、水
の他に、ポリオール、アミノ基等含有ポリアミン、尿素
樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール等の中から選
択した一種または二種以上を含むものが好ましい。この
ポリオールとしてはポリウレタン工業において公知のポ
リオール類を用いることができ、ポリイソシアネート成
分(a)においてイソシアネート基が2官能以上である
ことから、ポリウレタン前駆体製造時のゲル化を防ぐた
め、2官能等の低官能基数を持ったポリオール類が適し
ている。ポリオールの例としては、ポリエステルポリオ
ール、ポリエステルアミドポリオール、ポリエーテルポ
リオール、ポリエーテル・エステルポリオール、ポリカ
ーボネートポリオール等が挙げられる。具体的には例え
ば、公知のコハク酸、アジピン酸(以下、AAと略
す)、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸(以
下、TPと略す)、イソフタル酸(以下IPと略称す
る)、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフ
タル酸等のジカルボン酸、それらの酸エステル、酸無水
物等と、エチレングリコール、1,3−プロピレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール(以下、1,2
−PGと略す)、1,4−ブチレングリコール(以下、
1,4−BGと略す)、1,5−ペンタングリコール、
1,6−ヘキサングリコール(以下、1,6−HGと略
す)、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、1,8−オクタングリコール、
1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シク
ロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,
4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、トリメチロー
ルプロパン(以下、TMPと略す)、グリセリン、ヘキ
サントリオール、N,N,N’,N’−テトラキス(2
−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、あるいはビ
スフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレン
オキサイド付加物等のグリコール、あるいはヘキサメチ
レンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミ
ン、モノエタノールアミン、イソプロパノールトリアミ
ン等のジアミン、トリアミンまたはアミノアルコール等
単独、又は、これらの混合物との脱水縮合反応で得られ
るポリエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオ
ールが挙げられる。更に、ε−カプロラクトン、アルキ
ル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アル
キル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(すなわ
ちラクトン)モノマーの開環重合により得られるラクト
ン系ポリエステルポリオール等のポリエステルポリオー
ルがある。ポリエーテルポリオールとしては例えば、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレンエーテルポリオ
ール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール等が挙げ
られる。ポリエーテル・エステルポリオールとしては、
前記のポリエーテルポリオールと前記したジカルボン酸
又は酸無水物等とから製造されるポリエステルポリオー
ルが挙げられる。ポリカーボネートポリオールは例え
ば、ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペンタ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等と
ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネートとの反
応から得られ、例えば、日本ポリウレタン工業製ニッポ
ラン980、ニッポラン981等が挙げられる。また、
前記ポリエステルポリオールの原料としてあげた単分子
ジオール、トリオール類すなわちエチレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,2−PG、1,4
−BG、1,5−ペンタングリコール、1,6−HG、
3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、1,8−オクタングリコール、1,9−
ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサ
ン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメ
タノール、ダイマー酸ジオール、TMP、グリセリン、
ヘキサントリオール、クオドロールあるいはビスフェノ
ールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイ
ド付加物等も前記ポリオールとして本発明において用い
ることができる。アミノ基等含有ポリアミンとしては、
単分子ジアミン、トリアミン、芳香族ジアミン、及びポ
リエーテルの末端がアミノ基となったポリエーテルポリ
アミン等が挙げられる。また、尿素樹脂、メラミン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
ポリビニルアルコール等は、一般にポリウレタン工業に
おいて公知のもので、活性水素基を2個以上含有するも
のであれば活性水素化合物成分(b)の全部または一部
として使用することができる。これらの活性水素化合物
成分(b)の分子量は18〜20,000であり、特
に、水と400〜10,000のものが好ましい。分子
量が大きすぎると、ウレトジオン基、イソシアヌレート
基、ウレタン基等の導入量が減少して、ポリウレタン樹
脂の強靱性や強い凝集力が減少し好ましくない。分子量
が小さすぎると、ポリウレタン樹脂が脆くなる傾向があ
り好ましくない。この分子量は用途により適当に選択す
る必要があり、樹脂の耐熱性や凝集エネルギーを高める
には低分子量のものを用いることが好ましい。なお、金
属との接着性とその熱安定性を保ちながら、振動減衰能
力を広い温度域で発現させるためには、比較的低温のガ
ラス転移点を有するものと室温以上好ましくは40℃以
上のガラス転移点を有するものの混合物及び/又は共重
合体をを用いるのが望ましい。これらのうち炭素数が3
以上の側鎖アルキル基を有するものはさらに好適であ
る。
【0015】次に、本発明の制振材用樹脂組成物の必須
成分であるポリウレタン前駆体の製造について詳しく述
べる。ポリウレタン前駆体は、上記のポリイソシアネー
ト成分(a)と活性水素化合物成分(b)とを、ポリイ
ソシアネート成分(a)中のイソシアネート基に対して
活性水素化合物成分(b)中の活性水素基の当量比率が
1.0を越える活性水素基過剰条件で反応させて得られ
る、少なくともウレトジオン基と活性水素基とをウレト
ジオン基/活性水素基=0.25〜1.0の当量比率で
含有するものである。この活性水素基過剰条件は、製造
されたポリウレタン前駆体にイソシアネート基が残存せ
ずに活性水素基含有となるに必要な条件であり、実際は
イソシアヌレート基含量等に起因するポリイソシアネー
ト成分(a)の平均官能基数とトリオール導入等に起因
する活性水素化合物成分(b)の平均官能基数によっ
て、ポリウレタン前駆体製造時にゲル化しない条件を決
定し、この条件を満たすように配合し、かつウレトジオ
ン基が開環する温度条件以下に保持し反応させることが
重要である。その配合比率はJ.P.Flory、Kh
un等が理論的に計算しているゲル化理論に従うが、実
際は、前記成分(a)、(b)各分子に含まれる反応基
の反応性比を考慮にいれた配合比で反応させることによ
って、ポリウレタン前駆体はゲル化することなく製造で
き、遊離のイソシアネートモノマーを含有しない。ポリ
ウレタン前駆体は、溶融状態、バルク状態、又は必要に
応じて、ポリウレタン工業において常用の不活性溶剤、
例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、エチ
レングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレン
グリコールメチルエーテルアセテート、エチル−3−エ
トキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル
系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトン、N
−メチルピロリドン、フルフラール等の極性溶剤の1種
または2種以上を使用して、ウレトジオン基が開環しな
い温度条件、好ましくは100℃以下で、上記の配合条
件範囲で各成分を均一に混合し反応させて製造すること
ができる。反応装置としては、上記の均一反応が達成で
きればいかなる装置でも良く、例えば、撹拌装置の付い
た反応釜やニーダー、一軸又は多軸押し出し反応機等の
混合混練装置が挙げられる。反応を早く進めるため、触
媒として、ポリウレタンの製造において常用されるジブ
チル錫ジラウレート等の金属触媒やトリエチルアミン等
の三級アミン触媒を用いる事もできる。このようにして
製造されるポリウレタン前駆体は、使用するポリイソシ
アネート化合物(a1)によりウレトジオン基及び活性
水素基以外にイソシアヌレート基、ウレタン基、カルボ
ジイミド基、ウレトンイミン基、オキサゾリドン基、ヒ
ダントイン基等のイソシアネート基から誘導される基を
含有することができるが、イソシアネート基を実質的に
含有せず、ウレトジオン基と活性水素基とをウレトジオ
ン基/活性水素基=0.25〜1.0、好ましくは0.
35〜0.75の比率で含有する必要がある。これはウ
レトジオン基が加熱等で開環するときの当量比の規制で
あり、ウレトジオン基と活性水素基との比率をウレトジ
オン基濃度が過剰となる比率にした場合には、本発明の
樹脂は、環境中の水分との反応による架橋・鎖延長やウ
レタン結合、ウレア結合との反応によるアロファネート
やビューレットになる反応、及びイソシアネート基単独
での重合反応、例えば、カルボジイミド化、イソシアヌ
レート化等により鎖延長及び/又は架橋させることもで
きるし、あるいは活性水素基を過剰にした場合には、熱
可塑的高分子樹脂とすることができる。
【0016】次に、本発明の制振材用樹脂組成物の配合
およびそれを使用した制振材について述べる。前記ポリ
ウレタン前駆体を主成分とする制振材用樹脂組成物に、
このポリウレタン前駆体のウレトジオン基とこの前駆体
の活性水素基及び樹脂配合時に追加的に添加される活性
水素化合物の活性水素基の合計の活性水素基との当量比
率がウレトジオン基/合計活性水素基=0.25〜1.
0、例えば0.5〜0.75となるように、活性水素化
合物、例えば、前記のポリオール、アミノ基等含有ポリ
アミン、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール等
の中から選択した一種又は二種以上を含んでなる活性水
素化合物を配合しても良い。本発明の前記活性水素化合
物を配合した制振材用樹脂組成物におけるウレトジオン
基と合計活性水素基との当量比率をウレトジオン基/合
計活性水素基=0.5〜1.0の範囲でウレトジオン基
濃度を過剰にした場合、環境中の水分との反応による架
橋・鎖延長やウレタン結合、ウレア結合との反応による
アロファネートやビューレットになる反応、及びイソシ
アネート単独での重合反応例えば、カルボジイミド化、
イソシアヌレート化等により鎖延長及び/又は架橋させ
ることもできるし、あるいは逆にウレトジオン基/合計
活性水素基=0.25〜0.5の範囲で活性水素基過剰
条件にした場合には、熱可塑的高分子樹脂とすることが
できる。最終的に、本発明の制振材用樹脂組成物は、含
有するウレトジオン基が熱等で開環し活性水素基との鎖
延長及び/又は架橋硬化反応によってポリウレタン系樹
脂を形成し優れた接着特性を与えるとともに、優れた塗
布性、加工性も発揮する。本発明の樹脂は、ウレトジオ
ン基が残存していても定常的に優れた接着特性を与える
場合には、ウレトジオン基を完全に開環させなくても良
い。これまで述べたポリウレタン前駆体は常態で液体、
固体又は粉状等であってもよく、必須成分のポリウレタ
ン前駆体に、必要に応じて、ウレトジオン基の開環温度
を下げる解離触媒、貯蔵時のゲル化防止の為にエステル
・ウレタン交換反応防止剤等のゲル化防止剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、着色剤、難燃剤、
粘度調整剤、流れ性改良剤、可塑剤、揺変剤、及び充填
剤、導電粉等を加え制振材用樹脂組成物としての機能を
向上させることが可能である。これらポリウレタン前駆
体に添加される物質は、それぞれ制振材用樹脂組成物と
して機能を発揮するために重要な働きをする場合がある
が、なかでも特に重要なものは、ウレトジオン基解離触
媒と導電粉である。ウレトジオン基解離触媒は、ポリウ
レタン前駆体のウレトジオン基の開環温度を低下させる
ことが可能であるため、触媒無添加時にくらべて樹脂の
硬化が低温で素早く完了するため、ユーティリティーコ
ストの削減、生産効率の向上等のメリットをもたらす。
ここで述べるウレトジオン基解離触媒は、エステル交換
触媒、ウレタン化触媒、ブロックイソシアネート解離触
媒、イソシアヌレート化触媒等として一般的に知られて
いるものに含まれ、具体的にはジブチルチンジラウレー
ト、スタナスオクトエート等の錫系触媒、トリエチレン
ジアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テ
トラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−
テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミ
ン、N−メチルモルホリン、1,2−ジメチルイミダゾ
ール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウレデ
セン−7(以下、DBUと略す)、これらアミン系触媒
のボラン塩、DBUフェノール塩、DBUオクチル酸塩
等の各種アミン系触媒、ナフテン酸マグネシウム、ナフ
テン酸鉛、CH3 C00- + などのカルボキシレート
類、トリエチルホスフィン、トリベンジルホスフィン等
のトリアルキルホスフィン類、CH3 ONaなどのアル
コキシド類、亜鉛系有機金属触媒等が挙げられる。これ
らのうち触媒効果と貯蔵安定性の点を考慮すると、DB
Uの各種酸塩が好適に使用できる。つぎに導電粉につい
て述べる。導電粉としては例えば、ニッケル、鉄、カー
ボン等が挙げられる。これら導電粉が添加された該樹脂
組成物は、導電性となるため、それを使用して製造した
制振材は、スポット溶接が可能となり溶接性が向上す
る。この際導電粉の直径は金属板にはさまれている制振
材樹脂の厚さより若干大きい方が溶接性が良好となるた
め好ましい。このように調製された本発明の樹脂は常態
で液体、固体状または粉体状等どれであってもよい。塗
布(あるいは散布)法および加熱方法も接着する基材の
接着条件等によって選択すればよい。塗布は、ブレード
コーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコ
ーティング法などを用いて行うことができる。また、加
熱方法は、熱プレス法、マイクロウエーブ法、磁性粉等
を該樹脂組成物が含有する場合は誘電加熱法なども用い
ることが可能である。例えば、樹脂を塗布後加熱するか
或は樹脂を加熱後塗布するか、何れの方法がよいかを判
定し容易な方法を採用すればよいが、加熱温度および時
間はウレトジオン基の開環が発現する条件範囲を必要と
し、これにより最終的に鎖延長及び/又は架橋が行われ
ポリウレタン系の樹脂となり接着力が発現される。この
ようにして2枚の金属板をもちいて本発明の該樹脂組成
物をサンドイッチ構造として加熱、圧着することにより
制振材が製造される。これら制振材の製品形状は切板、
コイル等のかたちをとる。このとき用いられる金属板と
しては、冷延鋼板、亜鉛メッキ鋼板、錫メッキ鋼板、ス
テンレス鋼板、アルミ板などが挙げられ、これら金属板
の厚さは0.1〜1.8mm程度のものが多く用いられ
る。2枚の金属間の樹脂の厚さは、0.03〜0.2m
m程度が制振性、加工性を考慮した場合適している。
【0017】
〔少なくともウレトジオン基を含有するポリイソシアネート化合物の合成〕
参考合成例1 撹拌機、温度計および冷却器のついた反応器に、HDI
(日本ポリウレタン工業製、イソシアネート基含量=4
9.9%、固形分=100%)3000部と触媒として
トリオクチルホスフィン6.0部を仕込み、撹拌しなが
ら65〜70℃に加熱し同温度で6時間反応させ、次い
でリン酸3.5部を加えて反応を停止させた。イソシア
ネート基含量=30.3%の淡黄色の反応生成液を得
た。この反応生成液から、未反応HDIを120℃、
0.01Torrで薄膜蒸留により除去した。生成物の
イソシアネート基含量=18.7%であり、FT−IR
およびC13−NMRから、この生成物にはイソシアネー
ト基、ウレトジオン基およびイソシアヌレート基が存在
することが確認された。高沸点溶剤であるプロピレング
リコールメチルエーテルアセテート(以下、PGM−A
cと略す)の沸点でジブチルアミン(以下、DBAと略
す)と反応させ塩酸水溶液で逆滴定して求めたイソシア
ネート基含量=30.8%であり、よってウレトジオン
基の解離で生成するイソシアネート基含量は12.1%
であった。また、イソシアヌレート基含量=19.2%
であった。このウレトジオン基及びイソシアヌレート基
含有ポリイソシアネート化合物をポリイソシアネートA
とする。 参考合成例2 撹拌機、温度計および冷却器のついた反応器に、TDI
(日本ポリウレタン工業式製、コロネートT−80、イ
ソシアネート基含量=48.1%、固形分=100%)
700部とトルエン2300部を仕込み混合したのち、
触媒としてトリ−n−ブチルホスフィン10.0部を2
5℃にて加えた。直ちに反応が始まり、約5分後には二
量体が反応器の底部に分離しはじめた。撹拌しながら温
度を50〜65℃に保持し、同温度で1.5時間反応さ
せ、次いでリン酸2.5部を加えて反応を停止させた。
イソシアネート基含量=15.0%の淡黄色の反応生成
液を得た。この反応生成液から、トルエン及び未反応T
DIを簡易蒸留処理後120℃、0.01Torrで薄
膜蒸留により除去した。生成物のイソシアネート基含量
=14.8%であり、FT−IRおよび13C−NMRか
ら、この生成物にはイソシアネート基、ウレトジオン基
およびイソシアヌレート基が存在することが確認され
た。PGM−Acの沸点でDBAと反応させ塩酸水溶液
で逆滴定して求めたイソシアネート基含量=36.1%
であり、よってウレトジオン基の解離で生成するイソシ
アネート基含量は21.3%であった。また、イソシア
ヌレート基含量=11.9%であった。このウレトジオ
ン基及びイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート化
合物をポリイソシアネートBとする。 参考合成例3 撹拌機、温度計および冷却器のついた反応器に、HDI
(日本ポリウレタン工業製、イソシアネート基含量=4
9.9%、固形分=100%)3000部と1,2−P
G45部を加え、撹拌しつつ60℃で2時間反応させ
た。イソシアネート基含量=47.6%となった。次い
で、触媒としてトリオクチルホスフィン6.5部を仕込
み、撹拌しながら50〜55℃で8時間反応させ、次い
でリン酸1.9部を加えて反応を停止させた。イソシア
ネート基含量=40.2%の淡黄色の反応生成液を得
た。この反応生成液から、未反応HDIを120℃、
0.01Torrで薄膜蒸留により除去した。生成物の
イソシアネート基含量=21.6%であり、FT−IR
および13C−NMRから、この生成物にはイソシアネー
ト基、ウレトジオン基、イソシアヌレート基およびウレ
タン基が存在することが確認された。PGM−Acの沸
点でDBAと反応させ塩酸水溶液で逆滴定して求めたイ
ソシアネート基含量=38.5%であり、よってウレト
ジオン基の解離で生成するイソシアネート基含量は1
6.9%であった。また、イソシアヌレート基含量=
8.4%、ウレタン基含量=1.6%であった。このウ
レトジオン基、イソシアヌレート基及びウレタン基含有
ポリイソシアネート化合物をポリイソシアネートCとす
る。
【0018】〔制振材用樹脂組成物の合成〕 実施例1 撹拌機、温度計および冷却器のついた反応器に、参考合
成例1で合成したポリイソシアネートA(イソシアネー
ト基含量=18.7%、ウレトジオン基含量=12.1
%、イソシアヌレート基含量=19.2%)100部と
分子量1000のEG/1,6−HG/IP/TP/A
A系ポリエステルジオール279部と2−ブチル−2−
エチル1,3−プロパンジオール(以下、DMHと略
す)139部とMEK620部、トルエン155部を加
え、70℃で反応させた。5時間後、FT−IRにより
イソシアヌレート基およびウレトジオン基の吸収ピーク
は反応開始時と変化なく、イソシアネート基のみの吸収
ピークが消えたことを確認し、ウレタン化を終了した。 実施例2 撹拌機、温度計および冷却器のついた反応器に、参考合
成例2で合成したポリイソシアネートB(イソシアネー
ト基含量=14.8%、ウレトジオン基含量=21.3
%、イソシアヌレート基含量=11.9%)100部と
分子量2000のDMH/EG/テレフタル酸系ポリエ
ステルポリオール670部と分子量1000のDMHア
ジペートジオール1000部とMEK891部とトルエ
ン891部を加え、70℃で反応させた。5時間後、F
T−IRでイソシアヌレート基およびウレトジオン基の
吸収は反応開始時と変化なく、イソシアネート基のみの
吸収が消えウレタン化が終了した。 実施例3 撹拌機、温度計および冷却器のついた反応器に、参考合
成例3で合成したポリイソシアネートC(イソシアネー
ト基含量=21.6%、ウレトジオン基含量=16.9
%、イソシアヌレート基含量=8.4%、ウレタン基含
量=1.6%)100部とMDI(日本ポリウレタン工
業製、ミリオネートMT)22.3部を仕込み、次いで
分子量1000のDMH/EG/TP系ポリエステルポ
リオール417.0部と分子量1000の1,6−ヘキ
サンアジペートジオール105.0部とMEK668
部、トルエン165部を加え、75℃で反応させた。5
時間後、FT−IRでイソシアヌレート基およびウレト
ジオン基の吸収は反応開始時と変化なく、イソシアネー
ト基のみの吸収が消えウレタン化が終了した。次いでT
MP1.0部を添加して撹拌し均一液とした。 比較例1 TDI(日本ポリウレタン工業製、コロネートT−8
0、イソシアネート基含量=48.1%、固形分=10
0%)100部と分子量2000のDMHアジペートジ
オール)476部とを70℃で3時間反応させ、ウレト
ジオン基を含有しないイソシアネート末端プレポリマー
(イソシアネート基含量=4.9%)を合成した。これ
に接着剤として使用する直前に、TMPを28.0部添
加して用いた。 比較例2 TDI(日本ポリウレタン工業製、コロネートT−8
0、イソシアネート基含量=48.1%、固形分=10
0%)100部にDMHアジペートジオール104.2
部と1,4−シクロヘキシルジメタノール12.2部と
溶剤としてMEK519.4部、トルエン129.8部
加え、70℃で7時間反応させ、高分子化したポリウレ
タン樹脂溶液を合成した。接着剤として使用する直前
に、これにポリイソシアネート硬化剤であるコロネート
L(日本ポリウレタン工業製、固形分=75%、イソシ
アネート基含量=13%)を固形分換算で10部加え
て、二成分型接着剤としてもちいた。
【0019】〔制振材用樹脂組成物性能評価〕実施例お
よび比較例に示した制振材用樹脂組成物を厚さ0.5m
mの鋼板に固形分換算で50g/m2 の量を塗布した。
次いで100℃で接着剤の溶剤を除去した後、これに厚
さ0.5mmの他方の鋼板を張り合わせて熱プレスにて
180℃,10Kg/cm2 の条件下で30分保持し
た。その後25℃,55%RHの条件下で3日間放置し
たサンプル片をもとに損失係数の測定および剥離強度の
測定を行った。また、せん断強度の測定は、1.6mm
厚の鋼板を用いて前述の塗布量および加工条件にてサン
プル片を作成して測定した。これらの結果を表1に示
す。 (1)制振材用樹脂組成物の安定性 25℃,50℃での制振材用樹脂組成物の粘度の経時上
昇率から、次の判定基準により判定した。 〈判定基準〉 1日以内にゲル化 : × 1〜3日以内にゲル化 : △ 1カ月以上安定 : ○ (2)作業環境の測定 180℃での加熱圧着工程の雰囲気をサンプリングし
て、ガスクロマトグラフィーにより雰囲気中に含まれる
遊離のポリイソシアネートモノマーの定量を行った。 (3)損失係数の測定 0〜120℃の温度範囲において、機械インピーダンス
法により周波数500Hzにて測定した。 (4)剥離強度の測定 T型剥離試験法(JIS K6854)により、引張速
度200mm/minで剥離したときの剥離強度を測定
した。なお耐熱性は、100℃,120時間加熱処理し
た後の剥離強度の常態物性に対する保持率にて評価し
た。 (5)せん断強度の測定 JIS K6850によりせん断強度の測定を行った。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の制振材用樹
脂組成物は、幅広い温度域で振動減衰能を有しているの
はもちろんのこと、従来の種々の二成分型接着剤でみら
れる強靱な接着性能と二成分型ではみられなかった半永
久的な貯蔵安定性と可使時間を兼ね備えたものである。
また本発明の該樹脂組成物は、ウレトジオン基の開環す
る温度まで加熱することで活性水素基と反応して硬化
し、優れた耐熱性と耐久性を持ち、かつその骨格構造及
び使用する活性水素化合物を適当に選択することによ
り、金属板への強靱な接着性を発現させることが可能で
あり、金属板どうしの密着性のよい制振材を製造するこ
とが可能となる。更に、本発明の該樹脂組成物は、常温
において環境上問題のある遊離のポリイソシアネートモ
ノマーを含有せず、また高温での塗布時においても遊離
のポリイソシアネートモノマーを発生しないため、作業
環境を悪化せず安全に扱うことができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記ポリイソシアネート化合物(a1)
    の一種又は二種以上及び所望により下記ポリイソシアネ
    ート(a2)の一種又は二種以上を含むポリイソシアネ
    ート成分(a)と、分子量18〜20,000であって
    分子内に2個以上の活性水素基を含有する活性水素化合
    物成分(b)とを、前記ポリイソシアネート成分(a)
    のイソシアネート基に対して前記活性水素化合物成分
    (b)の活性水素基の当量比率が1.0を越える条件で
    反応させて得られる、少なくともウレトジオン基と活性
    水素基とをウレトジオン基/活性水素基=0.25〜
    1.0の当量比率で含有するポリウレタン前駆体を必須
    成分として含有することを特徴とする制振材用樹脂組成
    物。 (a1)分子内に少なくともウレトジオン基を含有する
    ポリイソシアネート化合物。 (a2)分子内に2個以上のイソシアネートを含有する
    ポリイソシアネート。
  2. 【請求項2】 前記ポリイソシアネート化合物(a1)
    が、分子内にウレトジオン基及びイソシアヌレート基、
    及び所望によりイソシアネート基から誘導されたこれら
    以外の基を含有するポリイソシアネート化合物である、
    特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の制振材用樹脂組
    成物に更に添加する活性水素化合物を、前記ポリウレタ
    ン前駆体の活性水素基と前記活性水素化合物の活性水素
    基との合計の比率がウレトジオン基/合計活性水素基=
    0.25〜1.0となるような当量比で含有することを
    特徴とする制振材用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記活性水素化合物(b)が、下記活性
    水素化合物(b1)、(b2)をそれぞれ少なくとも1
    種以上を含むことを特徴とする請求項1、2または3に
    記載の樹脂組成物。 (b1)ガラス転移点が−70〜−5℃である活性水素
    化合物。 (b2)ガラス転移点が10〜100℃である活性水素
    化合物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4に記載の制振材
    用樹脂組成物に更にウレトジオン基解離触媒を0.05
    〜5.00重量%含有することを特徴とする制振材用樹
    脂組成物
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5に記載の制
    振材用樹脂組成物をウレトジオン基が開環する温度以下
    で金属板に塗布した後、他の金属板を重ね合わせて、ウ
    レトジオン基が開環する温度以上となるように熱エネル
    ギーを与えるか、又は請求項1、2、3、4、または5
    に記載の制振材用樹脂組成物にウレトジオン基が開環す
    る温度以上となるような熱エネルギーを金属板に塗布す
    る際あるいは塗布した後に与えた後、他の金属板と重ね
    合わせてことにより製造される制振材。
  7. 【請求項7】片面もしくは両面に離型剤層を有する基材
    および請求項1、2、3、4、5に記載の制振材用樹脂
    組成物からなる制振性樹脂フィルム。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の制振性樹脂フィルムの樹
    脂組成物側を金属板に貼着させたあと基材を剥し、他の
    金属板を重ね合わせた後、ウレトジオン基が開環する温
    度以上となるように熱エネルギーを与えて反応、硬化さ
    せることにより製造される制振材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1104483C (zh) * 1996-09-24 2003-04-02 日本聚氨酯工业株式会社 聚氨酯类树脂粘合剂
CN1104481C (zh) * 1996-09-24 2003-04-02 日本聚氨酯工业株式会社 反应性热熔粘合剂
JP2008133460A (ja) * 2006-10-27 2008-06-12 Asahi Glass Co Ltd 制振材用ウレタン樹脂の製造方法および制振材用ウレタンプレポリマー

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