JPH07802Y2 - 加熱調理器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、調理物を焼いたり、加熱調理することので
きる加熱調理器に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、調理物を熱処理するための調理器として、
（ａ）例えば特公昭60-24555号公報に示されているよう
な電子レンジといわれている高周波加熱調理器や、
（ｂ）オーブンレンジといわれている複合加熱調理器が
ある。（ａ）の高周波加熱調理器はマイクロ波発振器を
熱源とし、主に調理物を暖めるための加熱調理器であ
り、（ｂ）の複合加熱調理器はヒータによる加熱源とマ
イクロ波による加熱源とを併用したもので、第４図およ
び第５図にこの複合加熱調理器の一例を示す。図におい
て、（１）は調理器の筐体、（２）は筐体（１）内の庫
室で、この庫室（２）内の調理物は図示しない加熱ヒー
タによる加熱源およびマイクロ波発振器からのマイクロ
波により加熱することができる。（３）は庫室（２）を
開閉する下開き式ドア、（４）はこのドア（３）の開放
と同時に庫内（２）から引出されるトレイ、（５）はト
レイ（４）上の調理物としてのパンを示し、（６）は各
種の操作ボタンを備えたパネルである。

上記のように構成した複合加熱調理器は、ヒータの加熱
源によりオーブン調理器として機能するとともに、マイ
クロ波の加熱源によりレンジ調理器としても機能するも
のである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記の複合加熱調理器はヒータを加熱源
とするオーブンと、マイクロ波を加熱源とするレンジと
を１つの筐体で兼用させているため、例えば冷凍グラタ
ンの調理には、まずレンジ機能により低温処理で解凍
し、その後オーブン機能により高温加熱し焼き上げる調
理が必要であり、このため、庫内が冷却と加熱をくり返
すので熱効率が悪いという問題があった。

また、オーブン機能とレンジ機能とを１つの筐体で兼用
することから、比較的大きな鍋や皿が収容できるような
広い庫内を有しているため、トースト等のパンを焼くに
は庫内が広すぎ、このためパンが焼けにくいという問題
もあった。さらに、オーブン機能とレンジ機能との兼用
は庫内壁の熱対策やマイクロ波の電波漏れ等のない構造
が必要となり、構造が複雑化するという問題点があっ
た。

この考案は、上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、オーブン機能とレンジ機能とを独立して使
い分けるようにし、これにより熱効率がよく、コンパク
トでかつ、取扱いやすい加熱調理器を得ることを目的と
する。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る加熱調理器は、筐体内に上、下２つの庫
室を形成し、上部庫室は加熱ヒータを加熱源とするオー
ブン室とし、下部庫室はマイクロ波を加熱源とするレン
ジ室とし、上記両庫室にそれぞれ独立した開閉ドアを備
え、上記オーブン室のドアは開閉時の把手を上部に設け
た下開き式ドアとし、上記レンジ室のドアは左、右いず
れかの側開き式ドアとし、上記オーブン室に上記下開き
式ドアの開閉動作に連動して出し入れ可能にトレイを設
けた加熱調理器において、上記把手は、上記オーブン室
のドアの上部の左側の隅に設けたものである。

〔作用〕

この考案においては、上部庫室のオーブン室で調理物を
焼き上げることができ、下部庫室では冷凍物の解凍や調
理物を保温あるいは加熱することができ、オーブンとレ
ンジとを同時に使うこともできる。また、オーブンの開
けられた下開き式ドア上に一旦調理物を載置でき、高い
位置にあるオーブンへの調理物の出し入れが容易とな
る。さらには、オーブンの下開き式ドアが開けられてい
ても、該ドアに触れることなくレンジの側開き式ドアの
開閉ができ、オーブンの熱いドアによる火傷が防止でき
る。また、オーブンの下開き式ドアの開閉に連動してト
レイが出し入れでき、調理物の出し入れが一層容易とな
る。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図について説明する。第１
図は加熱調理器（例えは「オーブントースターレンジ」
という名称の加熱調理器）の外観図、第２図はドアを開
放した状態の外観図、第３図は第１図のIII-III線にお
ける断面図をそれぞれ示すもので、図において、（１）
は加熱調理器の筐体であり、（７）は筐体（１）内を上
下２つの庫室に仕切った区画壁で、上部庫室は加熱ヒー
タを加熱源とするオーブン室（８）とし、耐熱構造に構
成してあり、下部庫室はマイクロ波発振器からのマイク
ロ波を加熱源とするレンジ室（９）とし、マイクロ波が
外部へ漏れない構成にしてある。（10）はオーブン室
（８）の開閉ドアで、ドア（10）の上部の左側の隅に設
けた把手（11）を引くことにより下開きに開放する（図
中矢印Ａ参照）。（12）はこのドア（10）の開放と同時
に引出されるトレイで、（５）はトレイ（12）上の調理
物としてのパンを示す。（13）はレンジ室（９）の開閉
ドアであって、ドア（13）の側部に設けた把手（14）を
引くことでドア（13）を側開きに開放することができ
る。（図中矢印Ｂ参照）。（15）はレンジ室（９）の底
部に設けた受皿、（16）はオーブンおよびレンジの操作
ボタン（16a），（16b）をそれぞれ備えたパネルであ
る。

上記のように構成したこの考案の加熱調理器は、例えば
トースト等のパンやもち等を焼くときにはオーブン室
（８）を使用し、一方、冷凍食品の解凍や調理物の保温
あるいは加熱調理の場合にはレンジ室（９）を使用する
ようにして、調理物の調理の目的に応じて使い分けがで
きるものであり、しかも、オーブンとレンジとを同時に
運転させることもできる。なお、オーブン室（８）のド
ア（10）を下開き式にし、レンジ室（９）のドア（13）
を側開き式にしたことにより、たとえオーブン室（８）
のドア（10）が開放されている状態においてレンジ室
（９）のドア（13）を開くことがあっても、ドア（13）
の把手（14）がオーブン室（８）のドア（10）から離れ
た位置にあるので、誤って加熱されているドア（10）に
触れることもなく火傷が防止できる。

ところで、上記実施例は、オーブン室（８）とレンジ室
（９）を区画壁（７）で仕切った場合を示したが、区画
壁（７）を設けずに、オーブン室（８）とレンジ室
（９）とをそれぞれ独立して配置させることであっても
よい。

〔考案の効果〕

以上のようにこの考案によれば、オーブン室のドアの把
手がそのドアの上部の左側の隅に設けられているから、
オーブン室への調理物の出し入れに際し右手で調理物を
持ち左手でドアの把手をつかむ時に左手の移動距離が最
短ですみ使い勝手が良いという実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による加熱調理器の外観
図、第２図はドアを開放した状態の外観図、第３図は第
１図中のIII-III線断面図、第４図は従来のオーブンレ
ンジの外観図、第５図は同じくドアを開放した状態の外
観図である。 （１）……筐体、（７）……区画壁、（８）……オーブ
ン室、（９）……レンジ室、（10），（13）……開閉ド
ア。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−170494（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−17891（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−185390（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−208445（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】筐体内に上、下２つの庫室を形成し、上部
   庫室は加熱ヒータを加熱源とするオーブン室とし、下部
   庫室はマイクロ波を加熱源とするレンジ室とし、上記両
   庫室にそれぞれ独立した開閉ドアを備え、上記オーブン
   室のドアは開閉時の把手を上部に設けた下開き式ドアと
   し、上記レンジ室のドアは左、右いずれかの側開き式ド
   アとし、上記オーブン室に上記下開き式ドアの開閉動作
   に連動して出し入れ可能にトレイを設けた加熱調理器に
   おいて、上記把手は、上記オーブン室のドアの上部の左
   側の隅に設けたことを特徴とする加熱調理器。