JPH0775522A - 乳化型ドレッシングの製造方法 - Google Patents

乳化型ドレッシングの製造方法

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JPH0775522A
JPH0775522A JP6183876A JP18387694A JPH0775522A JP H0775522 A JPH0775522 A JP H0775522A JP 6183876 A JP6183876 A JP 6183876A JP 18387694 A JP18387694 A JP 18387694A JP H0775522 A JPH0775522 A JP H0775522A
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oil
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water
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JP6183876A
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Manabu Sato
学 佐藤
Goro Ujita
吾朗 宇治田
Teruyuki Kimura
輝行 木村
Toshihide Oda
敏秀 織田
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 卵黄を除くことによる食感、風味及びコク
(旨味)の低下を抑え、良好な食感等が得られる、低カ
ロリーで、かつ低コレステロールの乳化型ドレッシング
を製造する方法を提供する。 【構成】 蛋白質、水、リン脂質及び食用油脂を含む予
備乳化物を400〜1000kg/cm2 Gで高圧乳化
処理することにより、水中油型の一次乳化物を調製する
工程、得られた乳化物と食用油脂、水及び食酢を含む調
味料、あるいは得られた乳化物と水及び食酢を含む調味
料とを混合乳化する工程を含むことを特徴とする、99
〜40重量%の水相と1〜60重量%の油相とからな
り、低カロリーで、かつ低コレステロールの乳化型ドレ
ッシングの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低カロリーで、かつ低
コレステロールであって、食感、風味、コク(旨味)が
改良された乳化型ドレッシングの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ドレッシングは、食用油脂(植
物性油脂)と食酢(醸造酢または柑橘類)の果汁を主成
分(必須原材料)として、食塩、糖類、及び香辛料など
を加えて水中油型(O/W型)に乳化した状態の組成
物、あるいは水相と油相とが分離した状態の組成物をい
う。また乳化した状態の組成物(乳化型ドレッシング)
は、その粘度により、半固体状ドレッシング(粘度30
0ポイズ以上)、及び液状ドレッシング(粘度300ポ
イズ未満)に分類される。
【0003】乳化型ドレッシングは、一般に油脂成分以
外の原材料を予め混合し、水性液とした後、これに油脂
成分を徐々に添加し、乳化させることによって調製され
る。乳化型ドレッシングのうちで半固体状ドレッシング
の代表的なものとしては、マヨネーズが挙げられるが、
マヨネーズは上記の必須原材料以外に、卵黄または全卵
が使用されており、その他、砂糖、食塩、および香辛料
等の調味料を含む乳化物である。このようにマヨネーズ
は、多量(65重量%以上)の食用油脂と卵黄を含むた
めに、通常使用するコロイドミルなどで乳化することに
より、適度な粘度(300ポイズ以上)を有し、従っ
て、保型性も良く、また口どけや風味も良好である。し
かしながら、配合中の油脂の含有量が多いことや、卵黄
中に多量のコレステロールを含むために、昨今では健康
指向により、低カロリーであって、かつ低コレステロー
ル、あるいはコレステロールを含まないマヨネーズが要
望されている。
【0004】低カロリーで、かつ低コレステロール、あ
るいはコレステロールを含まないマヨネーズ(半固体状
ドレッシング)を得るためには、マヨネーズの原料中の
油脂分を低減(60重量%以下)し、かつ卵黄を使用し
ないことが簡易な対処方法であるが、油脂量の低減は、
得られる乳化物の粘度を低下させ、容器から押し出した
際の良好な保形性を保つことができない。そこで、特開
平3−91460号公報に記載されているように、通常
澱粉、グアガム、あるいはキサンタンガム等の増粘剤を
添加することが行われる。しかし増粘剤の添加は、増粘
剤特有の粘つき、べたつきが生じ、食感上好ましくない
ため、その使用量は少ないことが望ましい。このような
問題を解決するために、より食感を改良した澱粉、ある
いは油脂代替物の添加(特開昭52−110870号、
特開昭59−125866号、特開平3−39065
号、同3−280857号、同4−36393号、同4
−210578号、及び同4−228051号の各公
報)、また増粘多糖類の組みあわせ、新規物質の添加
(特開昭60−41464号、同60−49763号、
同63−173555号、特開平2−227045号、
及び同2−227947号の各公報)などの方法が提案
されている。しかしながら、これらの方法で得られたマ
ヨネーズ(乳化型ドレッシング)は、従来の増粘剤を用
いて調製したものに比べて若干の食感の向上は得られる
が未だ満足できうるものではない。又上記のような増粘
剤を用いずに食感を改良し、粘度や保形性を維持させる
方法として、加熱凝固微細化した蛋白質原料を用いて製
造する方法(特開昭58−23764号、同63−18
1972号、及び同64−86861号の各公報)が提
案されている。しかしこれらの方法では製品を得る上で
加熱処理が必要であり、蛋白質原料の風味を損なった
り、又蛋白質のみを原料とするため、高価となり好まし
くない。
【0005】また原料中の卵黄を除去すると、マヨネー
ズ様の良好な食感が得られなくなったり、卵黄が持つ特
有の風味、コク(旨味)が消失するなどの弊害を伴う。
このため、卵黄の代わりに酵素処理した大豆由来蛋白質
や部分加水分解した大豆蛋白質、あるいは豆乳等を使用
する方法(特開昭55−39725号、同55−991
73号、同57−16674号、及び同59−1465
55号の各公報)、また卵黄の代わりに乳蛋白質を使用
する方法(特開昭61−54230号、同57−942
72号、及び同56−151479号公報)が提案され
ている。しかし上記のような使用方法での大豆蛋白質は
長期間の保存中に大豆特有の臭いが戻ってくることがあ
り、また乳蛋白質やカゼインは酸性領域での溶解性に問
題があり、更に長期間の保存中に乳臭さが現れ、風味、
食感上充分満足できうるものではない。
【0006】一方、乳化型ドレッシングのうちでその粘
度が300ポイズ未満の液状ドレッシングの代表的なも
のとしてサラダドレッシングを挙げることができる。こ
のタイプのドレッシングにおいても上記必須原材料、調
味料の他に卵黄が含まれるものがあり、このようなタイ
プのものにおいても低カロリー、かつ低コレステロー
ル、あるいはコレステロールを含まないものであること
が望ましい。一般に上記のような液状ドレッシングは、
多量の油脂を含むマヨネーズに比べ食用油脂の含有量が
少なく、従って低カロリーなものとなるが、油脂量の低
減と共に卵黄を除くと卵黄の持つ特有の風味、コク(旨
味)が消失するとの上記の半固体状のドレッシングと同
様な問題が生じる。
【0007】なお、特開昭57−31874号公報に
は、大豆蛋白質、食用油脂、レシチン及び乳化剤等を使
用して二段階の比較的低い圧力条件に設定された均質化
機を通すことによって食用リポ蛋白質エマルジョンを調
製する方法が開示されている。しかし、本発明者の検討
では、この方法を用いても良好な食感、コクのある乳化
物は得られないばかりか、配合中の油脂の割合が比較的
多い場合であっても保型性も不十分である。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低
油脂含量であり、且つ卵黄を使用しない、低カロリーで
あって、かつ低コレステロールの乳化型ドレッシングを
製造する方法を提供することである。特に本発明では、
卵黄を除くことによる食感、風味及びコク(旨味)の低
下を抑え、良好な食感等が得られる乳化型ドレッシング
を製造する方法を提供することである。また本発明で
は、油相の割合を比較的低くした場合でも充分な保型性
を有する乳化型ドレッシングを製造する方法をも提供す
ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者の検討では、ド
レッシングを作る際の原材料のうち蛋白質、水、リン脂
質及び食用油脂を含む予備乳化物を特定の高圧乳化条件
下で処理し、得られた一次乳化物(乳化処理により生成
するリポ蛋白質の微細な油滴粒子を含む乳化物)を卵黄
代替物として次の工程で使用することにより、目的とす
る食感等の改良された乳化型ドレッシングが得られるこ
とを見出し、本発明を完成したものである。
【0010】本発明は、蛋白質、水、リン脂質及び食用
油脂を含む予備乳化物を400〜1000kg/cm2
Gで高圧乳化処理することにより、水中油型の一次乳化
物を調製する工程、得られた乳化物と水、及び食酢を含
む調味料とを混合乳化する工程を含むことを特徴とす
る、99〜40重量%の水相と1〜60重量%の油相と
からなり、低カロリーで、かつ低コレステロールの乳化
型ドレッシングの製造方法にある。
【0011】また本発明は、蛋白質、水、リン脂質及び
食用油脂を含む予備乳化物を400〜1000kg/c
2 Gで高圧乳化処理することにより、水中油型の一次
乳化物を調製する工程、得られた乳化物と水、及び食酢
を含む調味料とを混合乳化する工程を含むことを特徴と
する、99〜40重量%の水相と1〜60重量%の油相
とからなり、低カロリーで、かつ低コレステロールの乳
化型ドレッシングの製造方法にある。
【0012】本発明の好ましい態様は、以下の通りであ
る。 (1)予備乳化物を500〜900kg/cm2 Gで高
圧乳化処理する。 (2)一次乳化物(予備乳化物)が、食用油脂20〜5
0重量%、蛋白質(固形分換算)2.0〜20重量%、
リン脂質(リン脂質純分量)0.1〜5重量%及び水2
5〜77.9重量%の配合からなる。 (3)一次乳化物の油滴の体積平均粒子径が、0.5〜
1.5μmである。
【0013】以下に、本発明の乳化型ドレッシングの製
造方法について説明する。まず本発明で使用される原料
について説明する。本発明の乳化型ドレッシングの調製
では、実質的に卵黄を使用しないこと以外は、従来のド
レッシングの調製に使用される各種の原料が使用でき
る。すなわち、食用油脂、水、蛋白質、リン脂質、そし
て食酢を含む調味料、更に必要により安定化剤が使用さ
れる。なお、本発明において、実質的に卵黄を使用しな
いとは、卵黄を使用したとしても5重量%以下であると
いう意味である。
【0014】本発明で使用される蛋白質は、水溶性卵白
であることが好ましい。すなわち、蛋白質としては、植
物性蛋白質、動物性蛋白質があるが、乳化力、風味、コ
レステロールを含まない点で卵白が好ましい。卵白は、
全卵より分離した卵白液並びにこれを乾燥した粉末状の
ものが使用される。又卵白より分離される単一蛋白質、
例えばオボアルブミンも使用できる。
【0015】本発明で使用される食用油脂としては、食
用に適するものであれば特に種類は問わない。例えば、
大豆油、ナタネ油、コーン油、綿実油などの液状油脂が
一般的であるが、パーム油、ヤシ油なども使用できる。
更にこれらの油脂に硬化、分別、エステル交換などの処
理を施した油脂でも良い。
【0016】本発明で使用されるリン脂質は、大豆、卵
黄、牛脂、なたね、ひまわり、サフラワー、綿実、とう
もろこし、アマニ、ゴム、オリーブ、米、きり、グレー
プ、アボガド、ヤシ、パーム等から得られるリン脂質を
いい、特定のリン脂質に限られるものではない。但し、
価格、風味、コレステロールを含有しない点から植物性
リン脂質、特に大豆リン脂質(大豆レシチン)が好まし
い。更に好ましくは、長期保存中に大豆レシチン特有の
臭みが発生する為、精製度の高い粉末タイプが好まし
い。
【0017】本発明で使用される調味料としは、食酢以
外に、例えば、食塩、糖類、醤油、グルタミン酸ソーダ
及び野菜や肉エキス等のうま味剤、そしてマスタード類
が挙げられる。また安定化剤としては、例えば、ガム
剤、澱粉、糊化澱粉、澱粉分解物等のポリオールが挙げ
られる。なお、実質的に卵黄を使用しない為、製品色調
を整えるべく油脂中にβ−カロチン等の着色剤を添加し
てもよい。
【0018】本発明の乳化型ドレッシングは、上記の原
料を使用して以下の方法で調製することを特徴とする。
すなわち、(I)まず、蛋白質および水を含む水性液
に、リン脂質及び食用油脂を含む油性液を添加して予備
乳化する工程、(II)得られた予備乳化物を400〜1
000kg/cm2 Gで高圧乳化処理を行い、水中油型
の一次乳化物を調製する工程、そして、(III)得られた
一次乳化物を卵黄代替物とし、これと残りの原料である
食用油脂、水、及び食酢を含む調味料、あるいは一次乳
化物の調製で食用油脂の全量を使用した場合には水と食
酢を含む調味料、そして必要により安定化剤を混合乳化
する工程を含む。
【0019】上記予備乳化する工程(I)で使用される
原料は、乳化型ドレッシングで使用される原料のうち、
蛋白質、水、リン脂質及び食用油脂である。なお、後に
加える他の調味料を乳化の妨げにならない範囲でこの段
階で適宜加えても良い。予備乳化する工程(I)では、
蛋白質は水に、リン脂質は予め食用油脂に溶解させて使
用する。工程(I)における食用油脂の使用量は、食用
油脂の全配合量に対して、20%〜100%である。す
なわち、例えば、食用油脂の全配合量中の割合が30〜
40重量%の範囲にあるような系においては、工程
(I)における食用油脂の使用量は、食用油脂の全配合
量の20%〜50%が有利であり、一方、食用油脂の全
配合量中の割合が15重量%以下であるような極端に低
含油量の系においては、工程(I)における食用油脂の
使用量は、配合量の全量(100%)が有利である。そ
して得られる乳化型ドレッシングの風味は、一次乳化物
中の油脂含量の割合が高いほど増強されるため、予備乳
化する際の配合中の食用油脂含量は多いことが好まし
い。しかし、水中油型の一次乳化物中の油脂含量の割合
が50重量%を越えると相転するため50重量%以下で
あることが好ましい。蛋白質及びリン脂質は、それぞれ
全配合量を工程(I)で使用しても良いし、あるいはこ
の工程(I)と最後の工程(III)に分けて使用しても良
い。
【0020】以上のことから、工程(I)の予備乳化す
る際の好ましい配合は、食用油脂20〜50重量%、蛋
白質(固形分換算)2.0〜20重量%、リン脂質(リ
ン脂質純分量)0.1〜5重量%、及び水25〜77.
9重量%である。予備乳化は、通常使用する攪拌機(例
えば、ホモミキサ、真空ミキサ)を使用して行うことが
できる。上記の配合においては、乳化を5000〜10
000rpmで、5〜15分間行うことが適当である。
【0021】次の工程(II)では、上記で得られた予備
乳化物を400〜1000kg/cm2 Gで高圧乳化処
理(均質化処理)を行う。高圧乳化処理は、予備乳化物
を更に均一な微粒子の油滴に揃えるための処理で超高圧
乳化機を使用して行うことができる。超高圧乳化機は市
販されているマントンゴーリン、マイクロフルイダイザ
ー、ナノマイザー等の装置が使用できる。本発明におい
て、高圧乳化処理は、500〜900kg/cm2 Gで
連続処理することが好ましい。上記処理によって、水中
油型の一次乳化物が調製できる。このようにして得られ
る一次乳化物中の油滴(リポ蛋白質の油滴を形成してい
る)の体積平均粒子径は0.1〜2.0μm(更に好ま
しくは0.5〜1.5μm)であることが好ましい。ま
た得られた一次乳化物の粘度は、20℃において、90
〜5000ポイズ(さらに好ましくは、100〜300
0ポイズ)であることが好ましい。
【0022】工程(III)では、上記得られた一次乳化物
を卵黄代替物とし、これと残りの原料である、食用油
脂、水、食酢を含む調味料、あるいは一次乳化物の調製
において食用油脂を配合量の全量使用した場合には水と
食酢を含む調味料、そして必要により上記の安定化剤な
どを混合乳化する。すなわち、本発明においては、上記
のように卵黄は実質的に使用しないが、上記工程(II)
で調製した一次乳化物を卵黄の代替物として、これに残
りの原料である、食用油脂、水、食酢を含む調味料、あ
るいは水と食酢を含む調味料、そして後述する任意成分
を加えて通常の乳化処理を行うことにより、本発明の乳
化型ドレッシングが調製できる。なお、調製時の原料の
添加順序は、油脂成分以外の成分と上記工程(II)で調
製した一次乳化物とを予め混合し、得られた混合物に油
脂成分を加え、乳化するという、従来から行われている
方法に従えば良い。最後に行う乳化は、通常の上述した
ホモミキサ等の攪拌機を使用して行うこともできるが、
より乳化油滴粒子の均質化が可能で、高粘度なものが得
られ易い、上記の工程(II)で使用した超高圧乳化機を
使用して行うことが好ましい。またこの際の高圧乳化処
理条件においても、上記工程(II)と同様に設定するこ
とができる。
【0023】上記本発明の方法により得られる乳化型ド
レッシングは、99〜40重量%の水相と1〜60重量
%の油相とからなるものであり、マヨネーズに比べ低油
脂量であるが、充分な粘度(20℃における粘度が30
0〜3000ポイズ(更に好ましくは、1000〜20
00ポイズ)を有しており、従って、保型性も維持され
ている。しかし、油脂含有量が極端に低減した場合に
は、上記のような粘度は得られなくなる。すなわち20
℃における粘度が300未満の液状ドレッシングとして
調製される。
【0024】本発明の300ポイズ以上の粘度を有する
乳化型(半固体状)ドレッシングは、95〜40重量%
の水相と5〜60重量%の油相(好ましくは、95〜6
0重量%の水相と5〜40重量%の油相)とからなる配
合であることが好ましい。更に具体的には、以下の配合
であることが好ましい。食用油脂5〜40重量%、蛋白
質(固形分換算)1〜10重量%、リン脂質(リン脂質
純分量)0.1〜1重量%、調味料として食酢5〜20
重量%、食塩1〜3重量%、マスタード類0.2〜2重
量%、及び水(残量)。
【0025】また本発明の300ポイズ未満の粘度を有
する乳化型(液状)ドレッシングは、以下の配合である
ことも好ましい。食用油脂1〜10重量%、蛋白質(固
形分換算)0.5〜5重量%、リン脂質(リン脂質純分
量)0.1〜1重量%、調味料として食酢5〜40重量
%、食塩0.5〜3重量%、糖類1〜15重量%、うま
味剤0.3〜3及び水(残量)。
【0026】以上のようにして得られた乳化型ドレッシ
ングは、通常一定条件下(約20〜30℃)で熟成(保
存)が行われる。本発明の方法で得られた乳化型ドレッ
シングは、卵黄の実質的不使用に拘らず、従来の方法で
得られた乳化型ドレッシングに比べて食感、風味および
コク(旨味)が良好となる。
【0027】なお、最終乳化物である乳化型ドレッシン
グ中には、工程(II)で調製された水中油型の一次乳化
物の油滴(リポ蛋白質を形成している)が残存している
のが確認された。添付した図1は、水相/油相(65重
量%/35重量%)の乳化型ドレッシングの乳化状態の
一例を電子顕微鏡にて高倍率(10000倍)で撮影し
た写真を図示したもので、図のように、一次乳化物の微
細な油滴粒子が水相中に分散している状態が確認でき
る。本発明の方法で調製される乳化型ドレッシングに、
上記のような食感、風味、コク(旨味)が付与される理
由は明らかではないが、一次乳化物の高圧乳化処理工程
を設けたことによる増粘効果によって、粘つきのないシ
ャープな口どけが達成できたことと、最終乳化物中に残
存する一次乳化物の油滴が卵黄に変わるコク(旨味)を
引き出しているためと考えられる。
【0028】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて本発明
を更に具体的に説明する。尚、下記乳化物の粘度の測定
は、B型粘度計(B−8H型、東京計器(株)製)を用
いてNo.6ローター、2.5rpmで行った。また水
相中に分散する油滴平均粒子径は、レーザー回折式粒度
分布測定装置(SALD−1100型、島津製作所
(株)製)を用い、得られた測定値をコンピューターで
処理し、体積基準の粒度分布として表した。また、以下
の「部」は、「重量部」を、「%」は、「重量%」をそ
れぞれ表す。
【0029】[実施例1] (乳化型ドレッシング(1−A)の調製) (I)卵白粉(固形分90%、ハイホイップタイプ、太
陽化学(株)製)1.8重量部を清水15重量部に分散
溶解し、ミキサを用いて均一に混合して水性液を調製し
た。リン脂質(SLP−W−SP、ツルーレシチン工業
(株)製)0.4重量部にナタネサラダ油10.8重量
部に溶解した油性液を調製した。得られた上記水性液と
油性液とを混合し、ホモミキサを用い8000rpm
で、5分間予備乳化した。
【0030】(II)得られた予備乳化物を超高圧乳化機
(ナノマイザーLA−11型、ナノマイザー(株)製)
を用いて800kg/cm2 Gで連続的に高圧乳化処理
を行った。このようにして水中油型の一次乳化物を調製
した。
【0031】(III) 次に、上記で得られた一次乳化
物、食酢(酸度4.5)17重量部、食塩2重量部、グ
ルタミン酸ナトリウム0.4重量部、マスタード粉末
0.3重量部、チーズフレーバー0.15重量部、安定
化剤として澱粉分解物[(BLD、参松工業(株)製)
5重量部および(N−OIL、エヌオイルカンパニー
製)4重量部]と清水9重量部とを混合加熱し糊化した
もの、そして清水(残量)をアジホモミキサ(特殊機化
(株)製)を用いて、真空下で混合(8000rpm、
5分間)した。
【0032】得られた混合液に、ナタネサラダオイル2
3.8重量部を緩やかに滴下し、ホモミサを用い800
0rpmで、5分間予備乳化した。次いで、得られた予
備乳化物を超高圧乳化機(ナノマイザーLA−11型、
ナノマイザー(株)製)を用いて600kg/cm2
で連続的に高圧乳化処理を行った。そしてこれを30
℃、1週間熟成した。
【0033】上記各調製工程での配合(重量部)は、以
下の通りである。 水中油型の一次乳化物の調製工程(工程(I)および(II)) リン脂質 0.4 ( 1.4%) ナタネサラダ油 10.8 (38.6%) 卵白粉(固形分:90%) 1.8 ( 6.4%) 清水 15.0 (53.6%) ───────────────────────────── 計 28.0 (100.0%) 調製工程(III) 上記で得た一次乳化物 28.0 食酢 17.0 食塩 2.0 グルタミン酸ナトリウム 0.4 マスタード粉末 0.3 チーズフレーバー 0.15 安定化剤(澱粉分解物) BLD 5.O N−OIL 4.0 清水 9.0 清水(残量) 10.35 ナタネサラダ油 23.8 ───────────────────────────── 計 100.0重量部
【0034】以上のようにして、本発明に従う乳化型ド
レッシング(1−A)を得た。得られたドレッシング
(1−A)の粘度は、1300ポイズであった。得られ
たドレッシングの食感(口どけ)、コク(旨味)を含め
た風味評価を以下の基準で行った。 A:非常に良好である。 B:良好である。 C:良好とは言えないが、実用上問題ない。 D:良くない。 以上の結果、上記で得られた乳化型ドレッシング(1−
A)は保型性、食感(口どけ)、コクのいずれについて
も良好であった。なお、一次乳化物の粘度は、580ポ
イズであった。
【0035】[比較例1] (乳化型ドレッシング(1−a)の調製)上記実施例1
と同じ原料を用いて同じ配合で調製した。但し、調製方
法は、以下の方法に従った。まず、卵白粉、食酢、食
塩、グルタミン酸ナトリウム、マスタード粉末、チーズ
フレーバー、安定化剤としてBLDおよびN−OILと
清水とを混合加熱し糊化したもの、そして清水をアジホ
ミキサ(特殊機化(株)製)を用いて、真空下で混合
(5000rpm、5分間)した。得られた水性液に、
リン脂質をナタネサラダ油に溶解した油性液を緩やかに
滴下し、ホモミサを用い8000rpmで、5分間予備
乳化した。次いで、得られた予備乳化物を超高圧乳化機
(ナノマイザーLA−11型、ナノマイザー(株)製)
を用いて600kg/cm2 Gで連続的に高圧乳化処理
を行った。これを30℃、1週間熟成した。このように
して比較用の乳化型ドレッシング(1−a)を得た。そ
して上記実施例1と同様な方法で評価した。得られたド
レッシング(1−a)の粘度は、1200ポイズであっ
た。その結果、比較用の乳化型ドレッシング(1−a)
の外観、食感については本発明の製造方法に従って得た
乳化型ドレッシング(1−A)と大差はなかった。しか
し本発明に従う方法で得られた乳化型ドレッシング(1
−A)の方が、レシチン臭が弱く、かつコク(旨味)の
増強が認められた。
【0036】(乳化型ドレッシング(1−b)の調製)
上記比較例1において、卵白の添加量を4.0重量部、
そして澱粉分解物の加熱糊化物の調製時のN−OIL及
び清水の使用量をそれぞれ7重量部及び15重量部に変
え、かつ水性液を調製する際の清水の量を変更した以外
は、比較例1と同様にして、乳化型ドレッシング(1−
b)を調製した。但し、予備乳化後の乳化処理を超高圧
乳化機(ナノマイザーLA−11型、ナノマイザー
(株)製)の代わりに、コロイドミル(特殊機化(株)
製)を用い、3000rpmで、砥石120#クリアラ
ンス2.5/100mmの条件で行った。上記のように
して得られた乳化型ドレッシング(1−b)を実施例1
と同様な方法で評価した。得られたドレッシング(1−
b)の粘度は、1300ポイズであった。その結果、乳
化型ドレッシング(1−b)は、実施例1で得られた乳
化型ドレッシング(1−A)に比べ、食感(口どけ)も
悪く、良好なコク(旨味)も感じられなかった。
【0037】[実施例2]及び[比較例2] (乳化型ドレッシング(2−A)、(2−B)及び(2
−a)の調製)実施例1の一次乳化物の調製において、
ナタネサラダオイル、卵白粉末、リン脂質及び清水の配
合を下記の表1に示すように変え、かつ一次乳化物の配
合の変更に伴って、工程(III)で使用する油脂量及び清
水の量を変更した以外は、実施例1と同様にして、乳化
型ドレッシング(2−A)、(2−B)及び(2−a)
をそれぞれ調製した。得られたドレッシング(2−A)
の粘度は、1200ポイズであり、またドレッシング
(2−B)の粘度は、1400ポイズであった。その結
果、本発明の方法で得られた乳化型ドレッシング(2−
A)は、食感(口どけ)も良く、コクもあり良好であっ
た。また本発明の方法で得られた乳化型ドレッシング
(2−B)も、乳化型ドレッシング(2−A)に比べそ
の程度が劣ってはいるが食感(口どけ)がよく、コクも
あり良好であった。またいずれのドレッシングも良好な
保型性を有していた。上記の一次乳化物の配合におい
て、リン脂質の含有割合が多くなるとコク(旨味)が増
強する傾向にあるが、更に添加量を増やすと、所謂レシ
チン臭がで易くなり、風味が悪くなる傾向にある。な
お、一次乳化物の粘度は、(2−A):590ポイズ、
(2−B):580ポイズであった。一方、リン脂質を
添加しないで調製した比較用の乳化型ドレッシング(2
−a)は、一次乳化物の油滴が過度に強固になって、工
程(III)での乳化が困難となり、凝集が発生し易くな
り、また得られた乳化型ドレッシング(2−a)はザラ
ツキが発生し、食感も悪かった。得られたドレッシング
(2−a)の粘度は、1500ポイズであった。
【0038】[実施例3]および[比較例3] (乳化型ドレッシング(3−A)、(3−B)及び(3
−C)、並びに(3−a)及び(3−b)の調製)上記
実施例1の工程(II)において、高圧乳化処理の圧力お
よび/又は処理手段を下記の表1のように変化させた以
外は、実施例1と同様にして、乳化型ドレッシング(3
−A)、(3−B)及び(3−C)、並びに(3−a)
及び(3−b)をそれぞれ調製した。そして上記実施例
1と同様な方法で評価した。得られたドレッシング(3
−A、3−B及び3−C)の粘度は、それぞれ1200
ポイズ、1150ポイズおよび1100ポイズであっ
た。またドレッシング(3−a及び3−b)の粘度は、
それぞれ1100ポイズおよび1000ポイズであっ
た。その結果、本発明の方法で得られた乳化型ドレッシ
ング(3−A、3−B及び3−C)は、食感(口どけ)
が良好であり、コクも良好であった。また、乳化手段を
変更しても得られた乳化物の物性、食感等はほとんど変
化なかった。一方、一次乳化物の調製において、高圧乳
化処理の圧力を200kg/cm2Gで行って調製した
乳化型ドレッシング(3−a)や、高圧乳化処理を行わ
ないで調製した乳化型ドレッシング(3−b)は、食感
は良好であったが、コク(旨味)については良好とは言
えなかった。なお、一次乳化物の粘度は、以下の通りで
あった。 (3−A):550ポイズ、(3−B):530ポイ
ズ、(3−C):300ポイズ、(3−a):60ポイ
ズ、(3−b):10ポイズ。
【0039】[実施例4]および[比較例4] (乳化型ドレッシング(4−A)及び(4−B)、並び
に(4−a)の調製)実施例1の一次乳化物の調製にお
いて、ナタネサラダオイル、卵白粉末、リン脂質及び清
水の配合を下記の表1に示すように変え、かつ一次乳化
物の配合の変更に伴って、工程(III)で使用する油脂量
及び清水の量を変更した以外は、実施例1と同様にし
て、乳化型ドレッシング(4−A)及び(4−B)、並
びに(4−a)をそれぞれ調製した。そして上記実施例
1と同様な方法で評価した。得られたドレッシング(4
−A及び4−B)の粘度は、それぞれ1200ポイズお
よび1400ポイズであった。またドレッシング(4−
a)の粘度は、1100ポイズであった。その結果、本
発明の方法で得られた乳化型ドレッシング(4−Aおよ
び4−B)は、保型性、食感(口どけ)、コクのいずれ
についても良好であった。一方、一次乳化物の調製にお
いて、ナタネサラダ油を添加しないで調製した乳化型ド
レッシング(4−a)は、食感は良好であったが、コク
は良好とは言えなかった。なお、一次乳化物の粘度は、
以下の通りであった。 (4−A):420ポイズ、(4−B):650ポイ
ズ、(4−a):80ポイズ。
【0040】[実施例5] (乳化型ドレッシング(5−A)の調製)実施例1の調
製において、油相/水相の比(重量%)を22/78に
変え、かつ一次乳化物の配合(ナタネサラダオイル、卵
白粉末、リン脂質及び清水)を下記の表1に示すように
変え、更に一次乳化物の配合の変更に伴って、工程(II
I)で使用する油脂量及び清水の量を変更した以外は、実
施例1と同様にして、乳化型ドレッシング(5−A)を
調製した。そして上記実施例1と同様な方法で評価し
た。得られたドレッシング(5−A)の粘度は、140
0ポイズであった。なお、一次乳化物の粘度は、720
ポイズであった。
【0041】[比較例5] (乳化型ドレッシング(5−a)の調製)比較例1の調
製において、油相/水相の比(重量%)を22/78に
変えた以外は、比較例1と同様にして、乳化型ドレッシ
ング(5−a)を調製した。そして上記実施例1と同様
な方法で評価した。得られたドレッシング(5−a)の
粘度は、1200ポイズであった。その結果、本発明の
方法で得られた乳化型ドレッシング(5−A)は、食感
(口どけ)が良好であり、コクも良好であった。一方、
比較例1の調製方法で得られた乳化型ドレッシング(5
−a)は、食感(口どけ)は良好であったが、コクは良
好とは言えなかった。
【0042】[実施例6] (乳化型ドレッシング(6−A)の調製)実施例1の調
製において、油相/水相の比(重量%)を10/90に
変え、かつ一次乳化物の配合(ナタネサラダオイル、卵
白粉末、リン脂質及び清水)を下記の表1に示すように
変え、更に一次乳化物の配合の変更に伴って、工程(II
I)で使用する清水の量を変更した以外は、実施例1と同
様にして、乳化型ドレッシング(6−A)を調製した。
そして上記実施例1と同様な方法で評価した。得られた
ドレッシング(6−A)の粘度は、1200ポイズであ
った。なお、一次乳化物の粘度は、960ポイズであっ
た。
【0043】[比較例6] (乳化型ドレッシング(6−a)の調製)比較例1の調
製において、油相/水相の比(重量%)を10/90に
変えた以外は、比較例1と同様にして、乳化型ドレッシ
ング(6−a)を調製した。そして上記実施例1と同様
な方法で評価した。得られたドレッシング(6−a)の
粘度は、1100ポイズであった。その結果、本発明の
方法で得られた乳化型ドレッシング(6−A)は、食感
(口どけ)が良好であり、コクも良好であった。一方、
比較例1の調製方法で得られた乳化型ドレッシング(6
−a)は、食感(口どけ)は良好であったが、コクは良
好とは言えなかった。
【0044】以上の結果、特徴をまとめて下記の表1に
示す。尚、表1において、「油相/水相」は「重量比」
を表す。そして「油相」には食用油脂とリン脂質が含ま
れる。また「粒径」は、一次乳化物の体積平均粒子径で
ある。「追加油脂量」は、一次乳化物調製後に添加され
た油脂量を意味する。更に一次乳化物中の各成分の
「%」は、全配合量に対する割合を意味する。
【0045】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 一次乳化物(配合・調製条件) 追加油 評価 乳化 油脂 リン脂質 蛋白質 清水 乳化処理 粒径 脂量 コ 食 総合 物 (%)(%) (%) (%)(kg/cm2G) ( μm)(g)ク 感 評価 ──────────────────────────────────── 実施例1(油相/水相:35/65) 1−A 10.8 0.4 1.8 15.4 800 0.55 23.8 A A A 比較例1(油相/水相:35/65) 1−a C A C 1−b D C D ──────────────────────────────────── 実施例2(油相/水相:35/65) 2−A 10.6 0.6 2.2 15.0 800 0.56 23.8 A A A 2−B 11.0 0.2 1.4 15.8 800 0.53 23.8 C B B 比較例2(油相/水相:35/65) 2−a 11.2 0.0 0.6 16.6 800 23.8 D D D ──────────────────────────────────── 実施例3(油相/水相:35/65) 3−A 10.8 0.4 1.8 15.4 600 0.72 23.8 A A A 3−B 10.8 0.4 1.8 15.4 400 0.81 23.8 B A B 3−C 10.8 0.4 1.8 15.4 400 1.15 23.8 B A B 比較例3(油相/水相:35/65) 3−a 10.8 0.4 1.8 15.4 200 2.5 23.8 B A C 3−b 10.8 0.4 1.8 15.4 −− 24.9 23.8 C A C ──────────────────────────────────── 実施例4(油相/水相:35/65) 4−A 8.0 0.4 1.8 18.2 800 0.37 26.5 B A B 4−B 14.2 0.4 1.8 12.0 800 1.37 20.4 A A A 比較例4(油相/水相:35/65) 4−a 0.0 0.4 1.8 26.2 800 0.18 34.6 C A C ──────────────────────────────────── 実施例5(油相/水相:22/78) 5−A 10.8 0.4 3.0 15.4 800 0.42 10.8 B A B 比較例5(油相/水相:22/78) 5−a C A C ──────────────────────────────────── 実施例6(油相/水相:10/90) 6−A 9.6 0.4 6.0 15.4 800 0.33 0.0 C A B 比較例6(油相/水相:10/90) 6−a D B D ────────────────────────────────────
【0046】[実施例7] (乳化型(液状)ドレッシングの調製) (I)卵白粉(固形分90%、ハイホイップタイプ、太
陽化学(株)製)1.5重量部を清水5.6重量部に分
散溶解し、ミキサを用いて均一に混合して水性液を調製
した。リン脂質(SLP−W−SP、ツルーレシチン工
業(株)製)0.4重量部(リン脂質純分0.28重量
部)をナタネサラダ油5.0重量部に溶解した油性液を
調製した。得られた上記水性液と油性液とを混合し、ホ
モミキサを用い8000rpmで、5分間予備乳化し
た。
【0047】(II)得られた予備乳化物を超高圧乳化機
(ナノマイザーLA−11型、ナノマイザー(株)製)
を用いて600kg/cm2 Gで連続的に高圧乳化処理
を行った。このようにして水中油型の一次乳化物を調製
した。一次乳化物の粘度は、450ポイズであった。
【0048】(III) 次に、上記で得られた一次乳化
物、食酢(酸度4.5)35重量部、果糖ぶどう糖液糖
9.0重量部、醤油18.0重量部、うま味調味料0.
5重量部、発酵調味料3.0重量部、ガーリックエキス
0.1重量部、ビーフエキス0.8重量部、食塩1.0
重量部、及び清水20.1重量部をアジホモミキサー
(特殊機化(株)製)を用いて、真空下で混合(800
0rpm、5分間)した。
【0049】次いで、得られた予備乳化物を超高圧乳化
機(ナノマイザーLA−11型、ナノマイザー(株)
製)を用いて600kg/cm2 Gで連続的に高圧乳化
処理を行った。そしてこれを30℃、1週間熟成した。
【0050】上記各調製工程での配合(重量部)は、以
下の通りである。 水中油型の一次乳化物の調製工程(工程(I)および(II)) リン脂質 0.4 ( 3.2%) ナタネサラダ油 5.0 ( 40.0%) 卵白粉(固形分:90%) 1.5 ( 12.0%) 清水 5.6 ( 44.8%) ───────────────────────────── 計 12.5 (100.0%) 調製工程(III) 上記で得た一次乳化物 12.5 食酢 35.0 果糖ぶどう糖液糖 9.0 醤油 18.0 うま味調味料 0.5 発酵調味料 3.0 ガーリックエキス 0.1 ビーフエキス 0.8 食塩 1.0 清水 20.1 ───────────────────────────── 計 100.0重量部
【0051】以上のようにして、本発明に従う乳化型
(液状)ドレッシングを得た。得られたドレッシングの
粘度は、180ポイズであった。
【0052】[比較例7]上記実施例7において、一次
乳化物の調製の際に超高圧乳化機の代わりに、通常のミ
キサを使用した以外は、上記実施例7と同様にして比較
用の乳化型(液状)ドレッシングを調製した。なお、一
次乳化物の粘度は、20ポイズであり、また得られた乳
化型(液状)ドレッシングの粘度は、150ポイズであ
った。
【0053】[実施例8]上記実施例7の一次乳化物の
調製において、リン脂質の使用量を0.6重量部に、そ
してナタネサラダ油の使用量を4.8重量部にそれぞれ
変更した以外は、上記実施例7と同様にして、乳化型
(液状)ドレッシングを調製した。なお、一次乳化物の
粘度は、400ポイズであり、また得られた乳化型(液
状)ドレッシングの粘度は、170ポイズであった。
【0054】[比較例8]上記実施例7の一次乳化物の
調製において、リン脂質を使用せず、かつナタネサラダ
油の使用量を4.8重量部に、清水の使用量を6.2重
量部にそれぞれ変更した以外は、上記実施例7と同様に
して乳化型(液状)ドレッシングを調製した。なお、上
記で得た一次乳化物の油滴は、過度に強固になって工程
(III)での乳化が困難となり、凝集が発生し易くなり、
また得られた乳化型(液状)ドレッシングは、ザラツキ
が発生した。最終的に得られたドレッシングの粘度は、
200ポイズであった。
【0055】[実施例9]上記実施例7の一次乳化物の
調製において、清水の使用量を3.1重量部に変更し
(この場合、一次乳化物中のナタネサラダ油の含有量は
50重量%)、かつ一次乳化物の配合の変更に伴って、
工程(III)で使用する清水の量を変更した以外は、上記
実施例7と同様にして、乳化型(液状)ドレッシングを
調製した。なお、一次乳化物の粘度は、620ポイズで
あり、また得られた乳化型(液状)ドレッシングの粘度
は、200ポイズであった。
【0056】[比較例9]上記実施例7の一次乳化物の
調製において、ナタネサラダ油を使用せず、かつ清水の
使用量を8.1重量部に変更し、また一次乳化物の配合
の変更に伴って、工程(III)でナタネサラダ油を5.0
重量部使用した以外は、上記実施例7と同様にして、乳
化型(液状)ドレッシングを調製した。なお、一次乳化
物の粘度は、65ポイズであり、また得られた乳化型
(液状)ドレッシングの粘度は、170ポイズであっ
た。
【0057】上記で得られた各乳化型(液状)ドレッシ
ングの食感、及びコク(旨味)についての官能評価を行
った。評価は上記実施例1の評価と同様な基準で行っ
た。以上の結果をまとめて表2に示す。尚、表2におい
て、「粒径」は、一次乳化物の体積平均粒子径である。
また一次乳化物中の各成分の「%」は、全配合量に対す
る割合を意味する。
【0058】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 一 次 乳 化 物( 配合 ・ 調製条件 ) 評価 油脂 リン脂質 蛋白質 清水 乳化処理 粒径 コ 食 乳化物 (%)(%) (%) (%)(kg/cm2G) ( μm) ク 感 ──────────────────────────────────── 実施例7 5.0 0.4 1.5 5.6 600 0.30 A A 比較例7 5.0 0.4 1.5 5.6 ミキサ 7.05 C D ──────────────────────────────────── 実施例8 4.8 0.6 1.5 5.6 600 0.42 A A 比較例8 4.8 0.0 1.5 6.2 600 0.25 C D ──────────────────────────────────── 実施例9 5.0 0.4 1.5 3.1 600 0.52 A A 比較例9 0.0 0.4 1.5 8.1 600 0.16 C C ────────────────────────────────────
【0059】上記表2の結果から、高圧乳化処理による
一次乳化物を用いる本発明に従う製造方法により調製し
た乳化型(液状)ドレッシング(実施例7〜9)は、卵
黄を含まず、かつ油脂含有量が極端に少ない配合である
にも拘らず、良好な食感を有し、かつ良好なコクを有し
ている。一方、通常のミキサで調製した一次乳化物を用
いて乳化液状ドレッシングを製造した場合(比較例7)
や一次乳化物の調製に必要な成分の一成分でも欠いて乳
化型(液状)ドレッシングを製造した場合(比較例8、
9)には、上記実施例で得られたドレッシングに比べ、
食感やコク共に劣っていることがわかる。
【0060】
【発明の効果】本発明の製造方法により、低油脂量であ
り、且つ卵黄を実質的に使用しない系であるにも拘ら
ず、良好な食感、風味、コク(旨味)を有する低カロリ
ーで、低コレステロールの乳化型ドレッシングを製造す
ることができる。また油脂の配合量がマヨネーズに比べ
比較的少ない系の場合であっても増粘剤を多量に使用す
ることなくマヨネーズのような保形性を有するドレッシ
ング(半固体状のドレッシング)を製造することもでき
る。更に本発明の特徴とする一次乳化物の添加によりコ
クが増強されるため少ない原料でもコクのある風味を出
すことができ、結果として原料費の削減が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で製造された乳化型ドレッシング
の乳化状態の電子顕微鏡写真を模式的に示す図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛋白質、水、リン脂質及び食用油脂を含
    む予備乳化物を400〜1000kg/cm2 Gで高圧
    乳化処理することにより、水中油型の一次乳化物を調製
    する工程、得られた乳化物と食用油脂、水、及び食酢を
    含む調味料とを混合乳化する工程を含むことを特徴とす
    る、99〜40重量%の水相と1〜60重量%の油相と
    からなり、低カロリーで、かつ低コレステロールの乳化
    型ドレッシングの製造方法。
  2. 【請求項2】 蛋白質、水、リン脂質及び食用油脂を含
    む予備乳化物を400〜1000kg/cm2 Gで高圧
    乳化処理することにより、水中油型の一次乳化物を調製
    する工程、得られた乳化物と水、及び食酢を含む調味料
    とを混合乳化する工程を含むことを特徴とする、99〜
    40重量%の水相と1〜60重量%の油相とからなり、
    低カロリーで、かつ低コレステロールの乳化型ドレッシ
    ングの製造方法。
  3. 【請求項3】 95〜40重量%の水相と5〜60重量
    %の油相とからなる乳化型ドレッシングを製造する請求
    項1又は2に記載の乳化型ドレッシングの製造方法。
  4. 【請求項4】 20℃における粘度が、300ポイズ以
    上となるように乳化型ドレッシングを製造する請求項1
    乃至3のいずれかの項に記載の乳化型ドレッシングの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 20℃における粘度が、300ポイズ未
    満となるように乳化型ドレッシングを製造する請求項1
    乃至3のいずれかの項に記載の乳化型ドレッシングの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 上記一次乳化物の油滴の体積平均粒子径
    が、0.1〜2μmである請求項1乃至5のいずれかの
    項に記載の乳化型ドレッシングの製造方法。
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