JPH077208Y2 - 車両用ウインドモールディング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は車両用ウインドモールディングに関するもの
である。

［従来の技術］ 車両の雨天走行時において、その車両のウインドガラス
に付着した雨水はサイドガラスに横流れして視界を悪く
する。

このため、従来、ウインドモールディングは、アッパモ
ールと左右の両サイドモールと、これらを接合するコー
ナモールとの計５部品によって構成される。そして、サ
イドモールには水切り用のせきをなす案内溝が形成さ
れ、ウインドガラスの側縁に向けて流れる雨水を前記案
内溝によってウインドガラスの上方又は下方へ向けて案
内するようになっているのが一般的であった。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、上記した従来の車両用ウインドモールディン
グにおいては、部品点数や組付け工数が多くなるばかり
でなく、アッパモールと左右の両サイドモールとは断面
形状が異なるため、それぞれ別個の押出し成形型にて成
形しなければならない。さらに、コーナモールにおいて
は通常、プレス成形によって成形しなければならない。
このため、ウインドモールディングの製作や組付けコス
トが高くなる等の問題点があった。

この考案の目的は、上記した従来の問題点に鑑み、構成
部品の点数を減少して製作・組付けのコスト低減を図る
ことができる車両用ウインドモールディングを提供する
ことである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、この考案は、車体パネルの
窓開口部周縁と、前記窓開口部に組付けられるウインド
ガラスの周縁との間の隙間に嵌装されてその隙間を覆う
車両用ウインドモールディングであって、前記隙間に嵌
込まれる支持脚と、前記支持脚からウインドガラス面に
向けて張出されたリップ片とをそれぞれ有する同一断面
のアッパモール部及び両サイドモール部を連続して一体
に備えたモール本体を形成し、前記サイドモール部のリ
ップ片の背面側には前記モール本体とは別体の水切部材
がそれぞれ配設され、前記水切部材は、前記リップ片を
ウインドガラス面から所定高さ突出させて水切り用の案
内溝を構成するせき部と、該せき部から延出されかつ前
記支持脚が嵌込まれる係止溝を有する連結部とを一体に
備え、さらに、前記窓開口部の側壁面には前記水切部材
の連結部が嵌込まれる嵌着溝を有する固定部材が取付け
られている構成にしたものである。

［作用］ 上記したように構成される車両用ウインドモールディン
グにおいて、モール本体の両サイドモール部の支持脚を
水切部材の連結部の係止溝に嵌込むことで、リップ片背
面側に水切部材が容易に組付けられる。そして、前記連
結部を窓開口部の側壁面に取付けられる固定部材の嵌着
溝に嵌込んでウインドモールディングを装着した状態に
おいて、前記水切部材のせき部によってリップ片がウイ
ンドガラス面から所定高さ突出され、水切用の案内溝が
構成される。そして、ウインドガラスの左右両側部に向
けて流れる雨水は、前記案内溝に案内されてウインドガ
ラスの上方又は下方へ案内されて流れる。このため、前
記雨水がサイドガラスに横流れすることが防止され、車
両サイド部の視界が確保される。

特に、アッパモール部と両サイドモール部とを連続して
有するモール本体と、その両サイドモール部のリップ片
の背面側にそれぞれ配設される水切部材とを主体として
ウインドモールディングが構成されているため、部品点
数や組付け工数が軽減される。

さらに、窓開口部の側壁面に取付けられる固定部材の嵌
着溝に対し、前記水切部材の連結部が嵌込まれて固定さ
れるため、窓開口部に対し水切部材及びサイドモール部
が位置ずれしたり、浮上がって組付けられる不具合も防
止できる。

［実施例１］ 以下、この考案の一実施例を図面にしたがって説明す
る。

第１図と第２図において、車体パネル１の窓開口部２周
縁の窓枠３にはダムラバー４に支持された状態でウイン
ドガラス５がコーキング材のような接着剤６によって固
定されている。

前記窓枠３の周縁とウインドガラス５の周縁部との間の
隙間Ｓにはウインドモールディング10が装着されてい
る。

ウインドモールディング10は、モール本体11と水切部材
21とを主体として構成されている。

モール本体11は、軟質樹脂、ゴム等の押出し成形によっ
て一体成形されるもので前記隙間Ｓに嵌込まれる支持脚
12と、その支持脚12からウインドガラス５のガラス面に
向けて張出された第１リップ片13と、車体パネル１の外
面に向けて張り出された第２リップ片14とをそれぞれ有
する同一断面のアッパモール部11a及び左右の両サイド
モール部11bを連続して一体に備えている。そして、ア
ッパモール部11は、第３図に示すように、その支持脚12
が、ファスナ体16を介して窓枠３の上側壁3aとウインド
ガラス５上縁との間の隙間Saに押込まれて固定さてい
る。

ファスナ体16は、前記支持脚12が嵌込まれる係止溝17a
を有する基体部17と、該基体部17から窓枠３の上側壁3a
に向けて延出され、その上側壁3aに弾性的に圧接する弾
性リップ片18と、前記基体部17から薄肉状の弾性ヒンジ
部19をもってウインドガラス５の周縁に向けて延出さ
れ、その延出端にウインドガラス５周縁の車室側端部と
係合する抜止部20aを有する係止片20とを一体に備えて
いる。そして、アッパモール部11aは、その支持脚12が
ファスナ体16によって保持された状態で、その第１リッ
プ片13がウインドガラス５のガラス面に密接し、第２リ
ップ片14が窓枠３上縁の車体パネル１の外面に密接して
いる。

前記左右のサイドモール部11bにおいて、その各第１リ
ップ片13の背面側には、モール本体11とは別体の水切部
材21が配設されている。

前記水切部材21は、第１図と第３図に示すように、サイ
ドモール部11bの下端から上端部付近にわたる長さを有
するせき部22と連結部24とを一体に備えている。水切部
材21のせき部22は、第４図と第５図に示すように、シー
ル片22aと支持片22bとを備えて断面逆Ｌ字状に形成され
ている。そして、せき部22は、そのシール片22aに固着
された弾性材23先端がウインドガラス５のガラス面に接
し、支持片22bが第１リップ片13の背面に接した状態に
おいて、第１リップ片13をウインドガラス５のガラス面
外方へ所定高さ突出させて水切り用の案内溝28を構成し
ている。

また、第１図と第３図に示すように、せき部22のシール
片22aの上部付近からその上縁に向かって、ガラス面か
らの高さが逐次に低くされた傾斜状をなしており、これ
によってサイドモール部11b第１リップ片13とアッパモ
ール部部11aの第１リップ片13とのコーナ部分の段差が
解消されている。

前記水切部材21のせき部22の支持片22b端面の上端から
下端にわたって連結部24が一体に形成されている。この
連結部24はサイドモール部11bの支持脚12が嵌込まれる
係止溝25を有する断面略Ｖ字状に形成されている。さら
に、連結部24の先端には、支持脚12の側壁面基部に凹設
された結合凹部15に掛止される掛止片26が形成されてい
る。そして、水切部材21の連結部24の係止溝25に、支持
脚12が嵌込まれ、同連結部24の掛止片26が、支持脚12の
結合凹部15に掛止された状態で、サイドモール部11bの
支持脚12に水切部材21が一体状に結合される。また、水
切部材21の連結部24のＶ字底部には、ウインドガラス５
の端面に向けて湾曲する係合部27が形成されている。

窓枠３の左右両側壁3bには、所定数の固定部材30が上下
方向に所定間隔で配設されている。前記固定部材30は、
第５図に示すように、水切部材21の連結部24が嵌込まれ
る嵌着溝31を隔てて対向する第1,第２の両保持壁32,34
を備えて断面略Ｕ字状に形成されている。そして固定部
材30は、その第１保持壁32の外面が両面接着テープ29に
よって窓枠３の側壁3bに固定されている。さらに、第１
保持壁32の先端には、サイドモール部11bの支持脚12の
結合凹部15に対し、前記水切部材21の掛止片26とともに
嵌込まれる突片32aが形成されている。また、固定部材3
0の第２保持壁34内面には、水切部材21の連結部24の係
合部27と係合して抜止めをなす段差面33をもつ凹凸面に
形成されている。

この実施例は上述したように構成される。従って、窓枠
３の周壁とウインドガラス５の周縁部との間の隙間Ｓに
ウインドモールディング10を装着する場合、まず、モー
ル本体11のアッパモール部11aの支持脚12に、ファスナ
体16を組付け、同モール本体11の左右両サイドモール部
11bの支持脚12に水切部材21を組付ける。

次に、モール本体11のアッパモール部11aは、その支持
脚12とともにファスナ体16が、窓枠３の上側壁3aとウイ
ンドガラス５上縁との間の隙間Saに押込まれることで、
そのファスナ体16の弾性リップ片18が窓枠３の上側壁に
圧接し、同ファスナ体16の係止片20の抜止部20aがウイ
ンドガラス５上縁の車室側端部と係合して固定される。

また、モール本体11のサイドモール部11bにおいては、
その支持脚12とともに、水切部材21の連結部24が窓枠３
の両側壁3bとウインドガラス５の側縁との間の隙間Sbに
押込まれるとともに、固定部材30の嵌着溝31に嵌込まれ
て固定される。このため、サイドモール部11bや水切部
材21が位置ずれしたり浮上がって組付けられることが防
止される。

上記したようにウインドモールディング10が装着された
状態において、モール本体11の左右の両サイドモール部
11bの第１リップ片13がその背面側に組付けられる水切
部材21のせき部22によってウインドガラス５面から所定
高さだけ突出されて案内溝28が構成される。したがっ
て、ウインドガラス５の左右両側部に向けて流れる雨水
は、前記案内溝28に案内されてウインドガラス５の上方
又は下方へ流れる。このため、前記雨水がサイドガラス
に横流れすることが防止され、車両サイド部の視界が確
保される。

［考案の効果］ 以上述べたように、この考案によれば、アッパモール部
と両サイドモール部とを連続して有するモール本体と、
その両サイドモール部にそれぞれ組付けられる水切部材
とを主体としてウインドモールディングが構成されてい
るため、部品点数や組付け工数を低減することができ、
製作・組付けコストの低減を図ることができる。

また、アッパモール部と両サイドモール部とは、同一断
面で一連に連続するとともに、これら各モール部におけ
るリップ片の幅も同幅であるから、継ぎ目のない外観意
匠美に優れたものとなり、見栄えの向上を図ることがで
きる。

さらに、上記サイドモール部に水切部材を組付けるとき
には、その水切部材の連結部の係止溝にサイドモール部
の支持脚を嵌込むことで容易に行うことができる。

しかも、窓開口部の側壁に取付けられる固定部材の嵌着
溝に前記水切部材の連結部を嵌込んで固定することで、
窓開口部に対する水切り部材及びサイドモール部が位置
ずれしたり、浮上がって組付けられる不具合を防止する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図は車体パ
ネルの窓枠とウインドモールディングとを分離して示す
斜視図、第２図は車体パネルの窓枠にウインドモールデ
ィングを嵌装した状態を簡略化して示す斜視図、第３図
は第２図のIII−III線断面図、第４図は第３図のIV−IV
線断面図、第５図は第３図のＶ−Ｖ線断面図である。 １……車体パネル ２……窓開口部 ３……窓枠 ５……ウインドガラス 10……ウインドモールディング 11……モール本体 11a……アッパモール部 11b……サイドモール部 13……第１リップ片 21……水切部材 22……せき部 22a……シール片 22b……支持片 24……連結部 28……案内溝 30……固定部材 31……嵌着溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体パネルの窓開口部周縁と、前記窓開口
   部に組付けられるウインドガラスの周縁との間の隙間に
   嵌装されてその隙間を覆う車両用ウインドモールディン
   グであって、 前記隙間に嵌込まれる支持脚と、前記支持脚からウイン
   ドガラス面に向けて張出されたリップ片とをそれぞれ有
   する同一断面のアッパモール部及び両サイドモール部を
   連続して一体に備えたモール本体を形成し、前記サイド
   モール部のリップ片の背面側には前記モール本体とは別
   体の水切部材がそれぞれ配設され、 前記水切部材は、前記リップ片をウインドガラス面から
   所定高さ突出させて水切り用の案内溝を構成するせき部
   と、該せき部から延出されかつ前記支持脚が嵌込まれる
   係止溝を有する連結部とを一体に備え、 さらに、前記窓開口部の側壁面には前記水切部材の連結
   部が嵌込まれる嵌着溝を有する固定部材が取付けられて
   いることを特徴とする車両用ウインドモールディング。