JPH0768278B2 - トランスフォーミング成長因子β1に対するモノクローナル抗体 - Google Patents

トランスフォーミング成長因子β1に対するモノクローナル抗体

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JPH0768278B2
JPH0768278B2 JP3150450A JP15045091A JPH0768278B2 JP H0768278 B2 JPH0768278 B2 JP H0768278B2 JP 3150450 A JP3150450 A JP 3150450A JP 15045091 A JP15045091 A JP 15045091A JP H0768278 B2 JPH0768278 B2 JP H0768278B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトトランスフォーミ
ング成長因子β1(以下ヒトTGF−β1)の完全アミ
ノ酸配列中に含まれる1部分のアミノ酸配列からなるペ
プチド化合物に対して特異的に反応することを特徴とす
るTGF−β1に対するモノクローナル抗体及びそれを
産生するハイブリドーマ細胞に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TGF−β1はTGF−βファミリーと
よばれるタンパク質群〔J.Massage,Cel
l,49,437−438(1987)〕の中で最初に
発見されたタンパク質であり、分子量約25,000、
112個のアミノ酸残基で構成されるポリペプチド(分
子量約12,500)のホモ2量体である。TGF−β
1は、血小板と骨組織中に多く含まれ、動物体を構成す
る細胞の増殖・分化の調節に関与する重要なタンパク質
として注目されている〔M.B.Sporn eta
l.,Science,233,532−534(19
86)〕。TGF−βは、動物種間でアミノ酸配列が極
めて高く保存されており、例えば、TGF−β1におい
ては、わかっているだけでヒト、サル、ウシ、ブタ、ニ
ワトリでは完全に一致、マウスにおいてもわずか1カ所
アミノ酸が違っているにすぎない〔M.B.Sporn
et.al.,Transforming Grow
thFactor−βs,K.A.Piez,M.B.
Sporn Eds.(The New York A
cademy of Sciences),1−6,
(1990);R.Deryck.et.al.,J.
Biol.Chem.,261,4377−4379
(1986)〕。
【0003】TGF−β1は繊維芽細胞のコラーゲン形
成を刺激する作用を有しており〔R.Montesco
n et al.,Proc. Natl. Aca
d.Sci.,USA,85,4894−4897(1
988)〕、創傷治療薬としての応用が現在検討されて
いる。また、TGF−β1は、炎症、癌形成、骨形成、
動脈硬化、免疫抑制等との関与についても注目されてお
り、医学、薬学における研究開発ターゲットとしての重
要性が増している〔石井健久ら、現代化学増刊18号
「サイトカイン」、199−212(1990)〕。
【0004】更に、癌患者の尿中にTGF−βタイプの
活性成分が多量に***されるとの報告もなされており
〔R.Nishimura et al.,Jpn.C
ancer Res.(GANN),77,560−5
67(1986)〕、癌診断のためのTGF−β1の定
量、あるいはTGF−β1の機能解析等に用いることの
できるTGF−β1に対する抗体の研究も活発に行なわ
れている。例えば、特開平2−152988号公報に
は、TGF−β1の完全アミノ酸配列中に含まれる1部
分のアミノ酸配列からなるペプチド化合物を抗原として
用いて得られる抗血清(ポリクローナル抗体)が報告さ
れている。TGF−β1に対する抗血清についての他の
報告としては、L.R.Ellingworth et
al.,J.Biol. Chem.,261,12
362−12367(1986);L.E.Gentr
y et al.,Mol.Cell Biol.,
,3418−3427(1987);S.Cheif
etz et al.,Cell,48,409−41
5(1987);K.C.Flanders et a
l.,Biochemistry,27,739−74
6(1988)などがある。
【0005】これらに報告された抗体は、いずれもポリ
クローナル抗体であり、抗原に用いたペプチド化合物の
アミノ酸配列のいずれかの部分を認識する多種類の抗体
の混合物である。従って、この抗体を用いて抗原部位を
厳密に分析するのは極めて困難である。更には、ポリク
ローナル抗体はウサギ等の動物を免疫して得られる血清
から取得されるものであり、これを多量に得るには多数
の動物を使用することが必要であり、また同じ性質を有
する抗体が常に得られるとは限らない。従ってポリクロ
ーナル抗体の開発には多くの困難が伴なう。
【0006】一方、TGF−β1に対するモノクローナ
ル抗体の研究に関する報告もなされており、例えば特開
平2−126157号公報にはヒトTGF−β1に対す
るモノクローナル抗体が記載されている。また、J.
R.Dasch et al.,J.Immuno
l.,142,1536−1541(1989)及び
C.Lucas et al.,J.Immuno
l.,145,1415−1422(1990)にも同
様のモノクローナル抗体が報告されている。これらのモ
ノクローナル抗体は、すべてTGF−βそのもののタン
パクを抗原として用いて得られたモノクローナル抗体で
あり、TGF−βタンパクのどの抗原部位を特異的に認
識するかについては不明であり、TGF−βに対する反
応特異性の面では十分に満足し得るものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ヒトT
GF−β1の完全アミノ酸配列中に含まれる1部分のア
ミノ酸配列からなるペプチド化合物を数種類作製し、そ
れらを抗原として用いてモノクローナル抗体を作製し、
それらの反応性について種々検討した結果、ヒトTGF
−β1の完全アミノ酸配列中に含まれる特定のアミノ酸
配列部分に対して特に高い反応性を有するモノクローナ
ル抗体を得ることに成功し本発明を完成させた。従っ
て、本発明の目的は、TGF−β1に対して特異性の高
い反応性を有するモノクローナル抗体及びそれを産生す
るハイブリドーマ細胞を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヒトトランス
フォーミング成長因子β1の完全アミノ酸配列中に含ま
れる下記式(I)に示すアミノ酸配列からなるペプチド
化合物に対して特異的に反応することを特徴とするトラ
ンスフォーミング成長因子β1に対するモノクローナル
抗体に関する。
【化3】 (NH2 側)Cys-Val-Pro-Gln-Ala-Leu-Glu-Pro-Leu-Pro-Ile- Val-Tyr-Tyr-Val-Gly-Arg-Lys-Pro-Lys-Val-Glu- Gln-Leu-Ser-Asn-Met-Ile-Val-Arg-Ser-Cys (COOH側) (I) 更に本発明は、上記のモノクローナル抗体を産生するハ
イブリドーマ細胞に関する。
【0009】ヒトTGF−β1の完全アミノ酸配列は既
に公知であり〔R.Deryneket al.,Na
ture,316,701−705(1985)〕、上
記式(I)に示すアミノ酸配列は、ヒトTGF−β1単
量体の112個のアミノ酸残基からなる完全アミノ酸配
列のうちN末端側から数えて78番目から109番目ま
でのアミノ酸配列部分に相当する。本発明のモノクロー
ナル抗体は、この78番目から109番目までのアミノ
酸配列部分からなるペプチド化合物に対して特異的に反
応する性質を有する。他方、78番目から109番目ま
でのうちの88番目から107番目までのアミノ酸配
列、即ち下記式(III)に示されるアミノ酸配列から
なるペプチド化合物に対しては実質的に反応しない性質
を有する。
【化4】
【0010】従って、本発明のモノクローナル抗体は、
ヒトTGF−β1の完全アミノ酸配列中の特に78番目
から87番目のアミノ酸配列部分、即ち下記式(II)
に示すアミノ酸配列を特異的に認識する性質を有すると
考えられる。
【化5】 (NH2 側)Cys-Val-Pro-Gln-Ala-Leu-Glu-Pro-Leu-Pro-(COOH側) (II) ヒトTGF−β1の、この78番目から87番目のアミ
ノ酸配列部分は、わかっているだけで、サル、ブタ、ウ
シ、ニワトリ、マウスにおいて一致しているので、これ
ら、ヒト以外のTGF−β1にも特異的に認識する性質
を有すると考えられる。一方、本発明のモノクローナル
抗体は、TGF−β2に対しては実質的に反応性を示さ
ない。TGF−β2はTGF−β1と同様に血小板と骨
組織中に見出され、112個のアミノ酸残基で構成され
るポリペプチドのホモ2量体である。TGF−β2はT
GF−βファミリーに属するタンパク質であり、TGF
−β1とのアミノ酸配列の相同性が71%である〔R.
de Martin et al.,EMBO J.,
,3673(1987)〕。本発明で得られるモノク
ローナル抗体は、H鎖はIgG1、L鎖はχであるサブ
クラスに属するものである。
【0011】以上に示したように、本発明のモノクロー
ナル抗体は、特異性の高い反応性を示し、癌診断でのT
GF−β1の定量、TGF−β1の機能解析、医薬製造
におけるTGF−β1のアフィニティークロマトグラフ
ィーへの応用等に利用できる。以下に本発明のモノクロ
ーナル抗体の製造について説明する。本発明のモノクロ
ーナル抗体を製造するために用いる抗原である上記式
(I)に示されるアミノ酸配列からなるペプチド化合物
は、通常の固相法による化学合成により作製することが
できる。例えば、アプライドバイオシステムズ社製43
0Aペプチド合成機により、ペプチド鎖を合成し脱保護
次いで固相からのペプチド鎖の開裂を行ない、高速液体
クロマトグラフィーにより精製することにより上記式
(I)に示すアミノ酸配列からなる精製ペプチド化合物
を得ることができる。
【0012】ペプチド化合物で動物を免疫後、動物から
脾臓細胞を取得する。動物としては、マウス、ラット、
などが使用され、これらの動物への抗原の投与は常法に
従って行なわれる。例えば、完全フロイントアジュバン
ト、不完全フロイントアジュバントなどのアジュバント
とペプチド化合物との懸濁液もしくは乳化液を調製し、
これを動物の静脈、皮下、皮内、腹腔内等に数回投与す
ることによって動物を免疫化する。免疫化された動物か
ら抗体産生細胞である脾臓細胞を取得し、これとミエロ
ーマ細胞とをそれ自体公知の方法〔G.Kohler
et al.,Nature,256,495(197
5)〕により融合することにより、本発明のハイブリド
ーマ細胞を作製することができる。
【0013】使用するミエローマ細胞株としては、マウ
スではP3U1株〔CurrentTopics in
Microbiology and Immunol
ogy,81,1−7(1978)〕,P3x63Ag
8〔Nature,256,495(1975)〕など
が挙げられる。細胞融合を行なうに際しては、ポリエチ
レングリコール、センダイウイルスなどの融合促進剤、
細胞融合後のハイブリドーマ細胞の選抜にはヒポキサン
チン・アミノプテリン・チミジン(HAT)培地が常法
により使用できる。
【0014】目的とするハイブリドーマ細胞の選別は、
上記式(I)に示すアミノ酸配列からなるペプチド化合
物を吸着させたマイクロプレートを用いた酵素免疫測定
法(ELISA)、ラジオイムノアッセイ法(RIA)
により実施することができる。このようにして得られる
ハイブリドーマ細胞からモノクローナル抗体を製造する
方法としては、通常の細胞培養法や腹水形成法によりハ
イブリドーマ細胞を培養し、培養上清液あるいは腹水を
通常の精製工程に付すことによって目的とするモノクロ
ーナル抗体を得ることができる。
【0015】
【発明の効果】以上に詳述した通り、本発明では特異性
の高いTGF−β1に対するモノクローナル抗体及びそ
れを産生するハイブリドーマ細胞が提供される。このモ
ノクローナル抗体は癌診断におけるTGF−β1の定
量、医薬製造の際のTGF−β1のアフィニテイークロ
マトグラフィー、TGF−β1の機能解析等に利用する
ことができる。このモノクローナル抗体は、それを産生
するハイブリドーマ細胞を培養することによって大量に
製造することが可能である。
【0016】
【実施例】
1.抗原として用いるペプチド化合物の合成 ヒトTGF−β1の完全アミノ酸配列(112個のアミ
ノ酸残基)のうち、N末端側からかぞえて78番目から
109番目までの配列の前記式(I)に示すペプチド化
合物(以下、A78/109ペプチド)を、アプライド
バイオシステム製430Aペプチド合成機により化学合
成した。固相に形成されたペプチドを脱保護、固相から
の切断を行なった後、逆相高速液体クロマトグラフィー
(資生堂製、CAPCELL PAC C18)にて精製
して、高純度A78/109ペプチドを得た。
【0017】2.A78/109ペプチド抗原によるマ
ウスの免疫 精製A78/109ペプチドを抗原として、Balb/
c系マウス(6週令、メス)に対し、計4回免疫を行な
った。初回は、精製A78/109ペプチド50μgを
30μlのPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)に溶解
し、次に、50%(W/V)のポリビニルピロリドン
(メルク製、平均分子量25,000)溶液を60μl
加え、室温で2時間攪拌後、110μlの完全フロイン
トアジュバント(Complete Freund’s
Adjuvant、ディフコ製)を混合、乳化し、そ
の溶液をマウスの皮下に投与した。2回目、3回目は、
初回免疫から2週間間隔で行ない、初回免疫と同じ処理
をしたペプチド液に不完全フロイントアジュバント(I
ncomplete Freund’s Adjuva
nt、ディフコ製)を混合、乳化し、その溶液をマウス
の腹腔内に投与した。最終免疫は、200μgの精製A
78/109ペプチドを100μlのPBSに溶解し、
そのままマウス尾静脈に投与し、その3日後に、免疫し
たマウスの脾臓細胞を細胞融合に用いた。
【0018】3.細胞融合による抗体産生ハイブリドー
マの作製 免疫した脾臓細胞と、同系マウスの骨髄腫細胞(ミエロ
ーマ細胞)であるP3U1株を約5:1〜10:1の割
合で混合し、50%(W/V)ポリエチレングリコール
溶液(ベーリンガーマンハイム製、細胞融合用、平均分
子量1,500)を融合促進剤として使用し、常法に従
い細胞融合を行なった。細胞融合後、感作脾臓細胞換算
で5×106 cells/mlの濃度になるように10
%FCS含有RPMI1640培地(日水製薬製)にヒ
ポキサンチン、アミノプテリン、チミジンを加えた培地
(HAT培地)に懸濁し、96ウエルマイクロプレート
(住友ベークライト製、MS−8096F)に1ウエル
あたり100μlずつ分注した。融合細胞をCO2 イン
キュベーター(37℃、5%CO2 、95%Air)で
培養し、HAT培地で増殖可能なハイブリドーマ細胞の
みを選択培養した。融合細胞を分注した480ウエル
中、404ウエルにコロニー形成が認められた。そこ
で、ハイブリドーマ細胞培養上清中の抗体の有無を確認
するために、ELISA法による分析を行なった。
【0019】96ウエルELISA用プレート(住友ベ
ークライト製、MS−3596F/H)に400ng/
ウエルになるように精製A78/109ペプチド液を分
注し、1晩、風乾する。ブロッキング液(雪印製、ブロ
ックエース、4倍希釈液)を150μl/ウエルで分注
し、37℃、20分インキュベーションして、0.05
%Tween20(シグマ製)含有PBS(以下PBS
−T)で洗浄後、各ハイブリドーマ細胞培養上清を50
μl/ウエルで分注し、37℃、1時間インキュベーシ
ョンする。PBS−Tで洗浄後、第2抗体として、ビオ
チン標識ウマ由来抗マウスIgG抗体(ベクターラボラ
トリーズ製、200倍希釈液)を加え、37℃、20分
インキュベーションする。PBS−Tで洗浄後、アビジ
ン標識アルカリフォスファターゼ(ベクターラボラトリ
ーズ製、500倍希釈液)を加え、37℃、20分イン
キュベーションする。最後に、PBS−Tで洗浄して、
0.06%p−ニトロフェニルリン酸(和光純薬製)で
37℃、30分発色させて、405nmの吸光度をマイ
クロプレートリーダー(東ソー製、MPR−A4)で測
定し、抗体の有無を判定した。404ウエル中、最終的
に抗体陽性となったウエルの細胞を限外希釈法によるク
ローニングを2回繰返して行ない、クローン化ハイブリ
ドーマ細胞を得た。ハイブリドーマ細胞の産生するモノ
クローナル抗体は、10%FCS含有E−RDF培地
(極東製薬製)で培養し、その培養上清をモノクローナ
ル抗体含有液として用いた。
【0020】4.ハイブリドーマ細胞が産生するモノク
ローナル抗体のサブクラスの決定 クローンが産生するモノクローナル抗体のサブクラスを
決定した。方法としては、バイオラッド製マウスタイパ
ーキットを使用し、その取扱説明書に従って決定した。
モノクローナル抗体のサブクラスはH鎖はIgG1、L
鎖はχであった。このモノクローナル抗体を以後、3H
10と呼称する。モノクローナル抗体3H10を産生す
るハイブリドーマ細胞を1991年6月12日に微工研
に寄託し受託番号微工研菌寄第12302(FERM
P−12302)が付与された。
【0021】5.得られたハイブリドーマ細胞が産生す
るモノクローナル抗体のA78/109ペプチドとA8
8/107ペプチドとの反応性 得られたモノクローナル抗体3H10について、抗原に
用いたA78/109ペプチドと、この中に含まれるヒ
トTGF−β1の88番目から107番目までの配列の
前記式(III)に示すペプチド化合物(A88/10
7ペプチド)との反応性を確認した。A88/107ペ
プチドは、実施例1で示した方法と同じ方法で化学合成
し、逆相高速液体クロマトグラフィーにて精製し、高純
度A88/107ペプチドを得た。その反応性は、実施
例3で示したELISA法で評価した。その結果、3H
10モノクローナル抗体は、A78/109ペプチドに
は強く反応したが、A88/107ペプチドには、反応
しなかつた。その結果を表1に示した。
【表1】
【0022】6.得られたモノクローナル抗体のヒトT
GF−β1及びヒトTGF−β2との反応性(ELIS
A法) モノクローナル抗体3H10を用いて、A78/109
ペプチド、ヒトTGF−β1、及びヒトTGF−β2に
対する反応性を確認した。A78/109ペプチド、精
製ヒトTGF−β1(宝酒造製、ヒト血小板由来)なら
びに、精製ヒトTGF−β2(ナカライテスク製、ヒト
ガン細胞由来)をELISA用マイクロプレートに適当
な濃度(0〜100ng/ウエル)で固相化したものと
モノクローナル抗体液とを反応させ、実施例3で示した
ELISA法で評価した。その結果、3H10モノクロ
ーナル抗体は、A78/109ペプチド、ヒトTGF−
β1には反応するが、ヒトTGF−β2にはほとんど反
応しなかった。結果を図1に示した。
【0023】7.得られたモノクローナル抗体のヒトT
GF−β1との反応性(ウエスタンブロッティング法) 得られたモノクローナル抗体について、ヒトTGF−β
1に対する反応性について、ウエスタンブロッティング
法で確認した。精製ヒトTGF−β1をSDS(ドデシ
ル硫酸ナトリウム、ナカライテスク製)で処理し、同時
に、2−メルカプトエタノールで処理したもの(還元処
理)と、しなかったもの(非還元処理)の2つについ
て、SDS−ポリアクリルアミドゲル(16%、テフコ
製)電気泳動で分離した〔U.K.Laemmli,N
ature,227,680,(1970)〕。泳動
後、Towbinらの方法〔H.Towbin,et.
al.,Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,76,4350,(1979)〕に準じてウエスタ
ンブロッティング法を行なった。用いたモノクローナル
抗体液は実施例3で作製したハイブリドーマ細胞培養上
清を原液のまま用い、検出は、ベクスタインABC−A
Pキット(ベクターラボラトリーズ製)でおこなった。
その結果、非還元処理ヒトTGF−β1(分子量約2
5,000)、および還元処理ヒトTGF−β1(分子
量約12,500)のいずれに対しても、3H10は強
く反応した。結果を図2に示した。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】モノクローナル抗体のA78/109ペプチ
ド、ヒトTGF−β1及びヒトTGF−β2に対する反
応性を示すグラフである。
【図2】電気泳動を示す写真であって、具体的にはモノ
クローナル抗体のヒトTGF−β1に対する反応性につ
いてのウエスタンブロット分析結果を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 9161−4B G01N 33/53 D 33/577 B (C12P 21/08 C12R 1:91)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトトランスフォーミング成長因子β1
    の完全アミノ酸配列中に含まれる下記式(I)に示すア
    ミノ酸配列からなるペプチド化合物に対して特異的に反
    応し、ヒトトランスフォーミング成長因子β2に対して
    は実質的に反応しないことを特徴とするトランスフォー
    ミング成長因子β1に対するモノクローナル抗体。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の式(I)に示すアミノ酸
    配列中に含まれる下記式(II)に示すアミノ酸配列部
    分に対して特異的に反応する請求項1のモノクローナル
    抗体。 【化2】
  3. 【請求項3】 H鎖はIgG1、L鎖はχのサブクラス
    に属する請求項1または2のモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】 ヒトトランスフォーミング成長因子β1
    の完全アミノ酸配列中に含まれる下記式(I)に示すア
    ミノ酸配列からなるペプチド化合物で予め免疫されたマ
    ウスの脾臓細胞とマウスの骨髄腫細胞との融合により形
    成されたハイブリドーマ細胞であって、ヒトトランスフ
    ォーミング成長因子β1の完全アミノ酸配列中に含まれ
    る下記式(I)に示すアミノ酸配列からなるペプチド化
    合物に対して特異的に反応しヒトトランスフォーミング
    成長因子β2に対しては実質的に反応しない、トランス
    フォーミング成長因子β1に対するモノクローナル抗体
    を産生するハイブリドーマ細胞。 【化3】
  5. 【請求項5】 工業技術院微生物工業技術研究所に微工
    研菌寄第12302号(FERM P−12302)と
    して寄託されたハイブリドーマ細胞であって、ヒトトラ
    ンスフォーミング成長因子β1の完全アミノ酸配列中に
    含まれる下記式(I)に示すアミノ酸配列からなるペプ
    チド化合物に対して特異的に反応し、ヒトトランスフォ
    ーミング成長因子β1の完全アミノ酸配列中に含まれる
    下記式(III)に示すアミノ酸配列からなるペプチド
    化合物に対しては実質的に反応せず、且つヒトトランス
    フォーミング成長因子β2に対しても実質的に反応しな
    い、トランスフォーミング成長因子β1に対するモノク
    ローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞である請求
    項4のハイブリドーマ細胞。 【化4】 【化5】
JP3150450A 1991-06-21 1991-06-21 トランスフォーミング成長因子β1に対するモノクローナル抗体 Expired - Fee Related JPH0768278B2 (ja)

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