JPH0754238A - エアバッグ用ノンコート基布 - Google Patents

エアバッグ用ノンコート基布

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JPH0754238A
JPH0754238A JP5199800A JP19980093A JPH0754238A JP H0754238 A JPH0754238 A JP H0754238A JP 5199800 A JP5199800 A JP 5199800A JP 19980093 A JP19980093 A JP 19980093A JP H0754238 A JPH0754238 A JP H0754238A
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JP
Japan
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fiber
fabric
denier
section
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JP5199800A
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English (en)
Inventor
Kozo Takagi
鑛三 高木
Takeo Nibu
武夫 丹生
Isoo Saito
磯雄 斎藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量性、柔軟性および収納性にすぐれ、かつ
低通気性のエアバッグ用基布を、低価格に提供する 【構成】 中空率が5〜50%の中空断面を有するポリ
アミド繊維またはポリエステル繊維を素材とする織物か
らなるエアバッグ用ノンコート基布であって、該基布の
通気量が0.5cc/cm2 /sec以下の低通気量で
あることを特徴とするエアバッグ用ノンコート基布。織
物素材としての中空断面を有するポリアミド繊維は、ナ
イロン6、ナイロン66およびナイロン46から選ばれ
たいずれかであって、繊度が500デニール以下でかつ
単糸繊度が4デニール以下のものを用いる。また、織物
素材としての中空断面を有するポリエステル繊維は、ポ
リエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレ
ートのいずれかであって、繊度が500デニール以下で
かつ単糸繊度が4デニール以下のものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエアバッグ用ノンコート
基布に関するものであり、さらに詳しくは、軽量性、柔
軟性および収納性にすぐれ、低通気性の特徴を有するエ
アバッグ用ノンコート基布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の乗員保護安全装置として
エアバッグの装着が急速に進みつつある。
【0003】エアバッグは、通常ステアリングホイール
やインストルメントパネルなどの狭い場所に収納される
ため、その収納容積を小さくすることが求められてい
る。
【0004】したがって、エアバッグ用基布に対する要
求性能としては、まず機械的特性を満足する範囲で可能
な限り折り畳み性が良く、収納性にすぐれることが挙げ
られ、この性能を満たすために、エアバッグの収納容積
を最小にする努力が従来からなされてきた。
【0005】例えば、ゴムコート基布においては、ポリ
クロロプレンからシリコーン系ゴムへの移行が進みつつ
あるが、これはシリコーン系ゴムを用いた方が、ゴムコ
ートの塗布量を少なくでき、かつ柔軟なゴムコート基布
ができるからである。
【0006】また、エアバッグ用基布に対するもうひと
つの要求性能としては、基布自体のコストが低いことが
挙げられる。すなわち、自動車の乗員の安全を確保する
ため、エアバッグの装着率を高めることが望まれている
が、そのドライビングフォースの一つとして、エアバッ
グシステム全体を低価格化することが望まれているので
ある。
【0007】そこで、エアバッグ用基布を更に低価格化
することが課題として取り上げられ、低コスト化の可能
性の高いエアバッグ用ノンコート基布の開発が従来から
進められつつある。
【0008】また、エアバッグ用ノンコート基布は、柔
軟化、収納性および軽量性の点からも有利であり、次世
代エアバッグ用基布としての早期技術確立がしきりに求
められている。
【0009】かかる観点から、ノンコートエアバッグ用
基布に関する多くの提案が従来よりなされており、代表
的な従来技術としては、例えば特開平3−137245
号公報、特開昭64−70247号公報および特開平3
−134245号公報などに記載の技術が挙げられる。
【0010】すなわち、特開平1−122752号公報
に記載の技術は、ノンコートエアバッグ用基布として重
要な特性であるガスの通気性を制御するために、基布自
体を高密度織物とし、更に収縮加工、熱固定カレンダー
加工などを適用して製造したノンコートエアバッグ用基
布を開示するものである。
【0011】また、特開昭64−70247号公報に記
載の技術は、目付250g/m2 以下の基布に対しカレ
ンダー加工を施すことによって、通気性を5cc/cm
2 /sec以下としたノンコートエアバッグ用基布を開
示するものである。
【0012】さらに、特開平3−134245号公報記
載の技術は、カレンダー加工を施した対称組織の織物か
らなり、300〜400dtexの繊度で、高収縮糸か
らなるノンコート基布について開示するものである。
【0013】そして、上記各公報に記載のエアバッグ用
ノンコート基布は、クロロプレンゴムやシリコーンゴム
などでコートされた従来のエアバッグ用コート基布に比
較して、軽量性、柔軟性、および収納性にすぐれてお
り、また機械的特性および非通気性なども実用的に十分
満足するものであることが示されている。
【0014】しかしながら、上記各公報に記載される従
来の低通気性エアバッグ用ノンコート基布は、低通気性
を達成するために、高密度の織物を製織するか、あるい
は比較的高密度の織物を製織した後、さらに収縮加工ま
たはカレンダー加工などをして製造されていたことか
ら、低価格化の要求性能については十分に満足するもの
ではなかった。
【0015】すなわち、高密度織物の製織においては、
特に軽量性、柔軟性および収納性にすぐれたノンコート
基布を得ようとして、細繊度糸、例えば420デニール
以下の繊維を用いる場合には、製織効率が著しく低下す
るため、エアバッグ用ノンコート基布に期待される低価
格化のメリットを得ることが困難であり、この点がノン
コート基布展開のネックになっていた。
【0016】一方、収縮加工やカレンダー加工の適用に
よって低通気性基布を得る場合においては、基布製造プ
ロセスに新たな工程を追加することになるため、その設
備化および作業量の増加が低価格化の障害となってい
た。
【0017】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した
従来技術が有する問題点を解決するためになされたもの
である。
【0018】したがって、本発明の目的は、軽量性、柔
軟性および収納性にすぐれ、かつ低通気性のエアバッグ
用基布を、低価格に提供することにある。
【0019】本発明者らは、上記の目的を達成するため
に鋭意検討した結果、細繊度糸を用いた高密度織物から
なるエアバッグ用ノンコート基布にあっても、その素材
繊維として特定の中空断面を有する繊維を選択すること
によって、製織効率を低下することなく、上記の性能を
有するノンコート基布が低価格に得られることを見出
し、本発明に到達した。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のエア
バッグ用ノンコート基布は、中空率が5〜50%の中空
断面を有するポリアミド繊維またはポリエステル繊維を
素材とする織物からなるエアバッグ用ノンコート基布で
あって、該基布の通気量が0.5cc/cm2/sec
以下の低通気量であることを特徴とする。
【0021】また、本発明のエアバッグ用ノンコート基
布において、織物素材としての中空断面を有するポリア
ミド繊維は、ナイロン6、ナイロン66およびナイロン
46から選ばれたいずれかであって、繊度が500デニ
ール以下でかつ単糸繊度が4デニール以下であることを
特徴とする。
【0022】さらに、本発明のエアバッグ用ノンコート
基布において、織物素材としての中空断面を有するポリ
エステル繊維は、ポリエチレンテレフタレートまたはポ
リエチレンナフタレートのいずれかであって、繊度が5
00デニール以下でかつ単糸繊度が4デニール以下であ
ることを特徴とする。
【0023】本発明のエアバッグ用ノンコート基布は、
軽量性、柔軟性および収納性にすぐれ、かつ低通気性で
あるというすぐれた性能を有しており、基布を構成する
織物の素材繊維が、中空率5〜50%、好ましくは15
〜40%の中空断面を有するポリアミド繊維またはポリ
エステル繊維からなっていることが特徴である。
【0024】なお、本発明でいう中空率とは、繊維断面
の外周により囲まれている面積に対する中空面積の割合
を百分率で表した値である。
【0025】本発明のエアバッグ用ノンコート基布にお
いては、織物素材として中空断面繊維を用いることによ
って、すぐれた軽量性、柔軟性および収納性が実質的に
保持され、格別に織物密度を高めることなく、従来の高
密度織物と同等の低通気量、例えば0.5cc/cm2
/sec以下の低通気量を達成することかが可能であ
る。
【0026】一般に、織物密度を示す尺度としては、カ
バーファクター(K)が用いられるが、このカバーファ
クター(K)は織物構成密度と繊維糸条の繊度の平方根
の積から下記式によって求められる。 K=Nw ×Dw 1/2 +NF ×DF 1/2 ただし、Nw :経糸密度(本/インチ) Dw :経糸デニール NF :緯糸密度(本/インチ) DF :緯糸デニール 上記カバーファクター(K)は、織物中に占める繊維の
体積占有率を意味するものであるが、実際には繊維の密
度によって変化するものである。すなわち、同一の繊度
でも繊維の密度が低ければ体積占有率は高くなるので、
エアバッグ用ノンコート基布として用いた時には低い通
気性が得やすいことになる。繊維の密度は素材によって
異なるが、また同一素材を用いても本発明が特徴とする
中空断面繊維を採用することによっても大きく変化させ
ることができる。
【0027】本発明において、織物の素材繊維として用
いる中空断面繊維の中空率は、5〜50%、好ましくは
15〜40%である。
【0028】中空断面繊維の中空率が5%未満では繊維
のみかけの密度が高くならないため、目的とする効果を
十分に得ることができない。一方、中空率が50%を越
えると、目的とする改良効果は十分であるが、エアバッ
グ基布としての機械的特性がやや劣るため、実用上問題
が生ずる懸念がある。
【0029】本発明のエアバッグ用ノンコート基布に用
いる中空断面繊維の中空率の設計は、例えば次の通りで
ある。
【0030】420デニールのポリアミド繊維を用い
て、経糸と緯糸の密度を55×55本/インチとして得
ていた従来の高密度織物に対し、中空率20%の中空断
面ポリアミド繊維を用い、経糸と緯糸の密度を46×4
6本/インチの織物とすることによって、両者はほぼ同
等の低通気性が得られることになる。
【0031】あるいは、中空率33%を有する315デ
ニールの中空断面ポリアミド繊維を用い、経糸と緯糸を
55×55本/インチの織物密度とすることによっても
上記と同等の低通気性織物が得られる。
【0032】したがって、かかる織物をエアバッグ用ノ
ンコート基布とした時、低通気性は勿論、軽量性、柔軟
性および収納性にすぐれ、機械的特性も従来のゴムコー
ト基布と同等以上であり、実用上十分な性能を達成する
ことができる。
【0033】また、本発明に用いる中空断面繊維の断面
は、一般に外周形状、中空部の形状ともに円または円に
近い形状とするが、本発明のエアバッグ用ノンコート基
布の機械的物性および中空率を満足する範囲において
は、種々の形状を選択することができる。例えば、日本
繊維学会編、繊維工学[II]、繊維の製造・構造および
物性、第6ページに記載されている断面形状から選択す
ることができる。
【0034】本発明のエアバッグ用ノンコート基布に用
られる中空断面ポリアミド繊維は、ナイロン66、ナイ
ロン6およびナイロン46から選ばれたいずれかであ
る。
【0035】上記中空断面ポリアミド繊維は、通常はそ
れぞれ単一のポリマから構成される繊維を用いることが
好ましいが、10重量%以下の共重合成分を含んでいて
もよい。特にナイロン46繊維の場合は、高融点、高結
晶性の特性からホモポリマのままでは製糸しにくいの
で、5重量%程度の共重合成分、例えばε−カプロラク
タムを含む共重合ポリアミド繊維の方が、むしろ好まし
い。
【0036】また、本発明のエアバッグ用ノンコート基
布に用いられる中空断面ポリエステル繊維は、ポリエチ
レンテレフタレートまたはポリブリレンテレフタレート
のいずれかであり、これらはホモポリマまたは10重量
%以下の共重合成分を含むコポリマのいずれであっても
よい。
【0037】本発明に係る中空断面繊維は、基布の機械
的特性、すなわちガスの瞬間的な膨張に耐えられる基布
の強度、特に衝撃強度、破裂強度、引裂き強度など、お
よび膨張したエアバッグが乗員に当った時の衝撃を吸収
するエネルギーなどを満足させるため、高重合度のポリ
マを用いることが必要である。具体的には、ポリアミド
繊維の場合は硫酸相対粘度(ηr)で3.0以上、ポリ
エステル繊維の場合は固有粘度(〔η〕)で0.8以上
が必要である。
【0038】また、本発明に係る中空断面繊維は、繊維
製造工程中および基布製造工程中に受ける熱履歴、およ
び製品として保管、使用される間の劣化、例えばポリア
ミド繊維の場合は熱酸化劣化、光酸化劣化などの酸化劣
化を防ぐ目的で酸化防止剤を含有させ、ポリエステル繊
維の場合は加水分解を防ぐ目的でカルボキシル末端基濃
度を減少させておくことが好ましい。
【0039】ポリアミド用酸化防止剤としては沃化銅、
臭化銅、塩化銅、酢酸銅、ピロリン酸銅、ステアリン酸
銅などの無機および有機酸銅塩などを、銅として10〜
300ppm、好ましくは20〜150ppm添加し、
沃化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、沃化ナト
リウム、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、沃化リチウ
ム、臭化リチウム、塩化リチウムなどのハロゲン化アル
カリ金属、またはハロゲン化土類金属、或いは第4級ハ
ロゲン化アンモニウム塩などを、0.05〜0.5重量
%併用含有せしめるのが望ましい。さらに必要に応じて
有機、無機の燐化合物を燐として10〜500ppm含
有せしめることもある。
【0040】また、ポリエステル繊維、特にポリエチレ
ンテレフタレート繊維の場合は、加水分解を防ぐ目的
で、カルボキシル末端基濃度を30eq/106 以下、
好ましくは20eq/106 以下とすることが好まし
い。カルボキシル末端基の少ないポリエチレンテレフタ
レート繊維は、低温重合法の採用や、エポキシ化合物、
カルボジイミド化合物およびオキサゾリン化合物などを
末端封鎖剤として紡糸工程で添加する方法などによって
得ることができる。
【0041】本発明に係る中空断面を有するポリアミド
またはポリエステル繊維は、いずれもその繊度を500
デニール以下、単糸繊度を4デニール以下とする。
【0042】繊度は軽量性、柔軟性および収納性の点か
ら細い程好ましく、エアバッグ用ノンコート基布の機械
的物性を満足する範囲で選択される。好ましい繊度の範
囲は420〜210デニールである。
【0043】ここで、繊度が210デニール未満では得
られる基布の機械的物性が劣り、一方、繊度が500デ
ニールを越えると、本発明が目的とする効果が十分に得
られなくなること、および本発明のエアバッグ用ノンコ
ート基布の製織に適した高速のWJLで効率よく製織で
きなくなることがあり、好ましくないからである。
【0044】また、単糸繊度は、細いほど基布の柔軟性
および収納性の点で効果的であるため、細ければ細いほ
ど好ましく、4デニール以下、通常は0.5〜4デニー
ルの範囲とする。
【0045】ここで、単糸繊度が4デニールを越える
と、従来の基布に比較しても、目的とする改良効果の差
が小さい傾向となることから好ましくない。
【0046】上記で特徴づけられる本発明の中空断面繊
維および該中空断面繊維を用いて得られるエアバッグ用
ノンコート基布は、次に示すごときすぐれた物性を有す
る。
【0047】「原糸物性」 (1)強 度(T) T≧8.0g/d (測定法:JIS L1017) (2)伸 度(E) E≧18% (測定法:JIS L1017) (3)乾熱収縮率(ΔSD ) ΔSD ≦12% (測定法:JIS L1017) (4)沸騰水収縮率(ΔSW ) ΔSW ≦10% (測定法:JIS L1017) 「基布物性」 (1)引張り強力(S) S≧160kg/3cm (測定法:JIS K6328 5.3.5、ストリッ
プ法) (2)破断伸度(E) 15≧E≧35% (測定法:JIS K6328 5.3.5、ストリッ
プ法) (3)引裂強力(TS) TS≧15kg (測定法:JIS K6328 5.3.6、ミューレ
ン法) (4)通気量(P) P≦0.5cc/cm2 /sec (測定法:JIS L1096 6.27A法) (5)剛軟性(SF) SF≦50mm (測定法:JIS L1096 450カンチレバー
法)。
【0048】本発明のエアバッグ用ノンコート基布が有
する上記(1)〜(5)項の特性は、従来の改善された
エアバッグ用ノンコート基布として開示されている特性
とほぼ同などである。
【0049】上記特性の中で、通気量(P)は、エアバ
ッグ用ノンコート基布において、実質的に非通気性基布
として採用する場合に十分なレベルである。
【0050】また、本発明の中空断面繊維を用いたエア
バッグ用ノンコート基布の場合、繊維の繊度、中空率お
よび織物密度などの織物設計によって通気量の制御が可
能であり、場合によってはさらに製織した後に収縮加工
やカレンダー加工を組み合わせることも可能である。
【0051】そして、本発明のエアバッグ用ノンコート
基布は、上記基布特性を有しながら、従来の基布に比べ
て軽量であることが特徴である。すなわち、繊維素材お
よび織物密度が同一の場合は、中空断面繊維の中空率に
対応した軽量化が達せられているのである。
【0052】次に、本発明のエアバッグ用ノンコート基
布の製造方法について概述する。
【0053】本発明のノンコートエアバッグ用基布を製
造するに際して用いる素材原糸は、ナイロン6、ナイロ
ン66およびナイロン46から選ばれたポリアミド、ま
たはポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナ
フタレートから選ばれたポリエステルを溶融紡糸延伸す
ることにより製造される。
【0054】上記溶融紡糸工程において、上記ポリマは
中空断面繊維用口金を通して、溶融紡糸されるが、通常
は外周および中空部とも円形または円形に近い断面形状
が得られるよう設計された口金を用いる。
【0055】次に、紡出糸条は冷却固化された後、油剤
が付与される。通常、繊維への油剤付着量は0.3〜
1.5重量%、通常は0.5〜1.0重量%である。
【0056】上記油剤を付与された糸条は、好ましくは
連続して延伸工程に送られ、延伸熱処理される。延伸は
通常2段以上の多段熱延伸法が採用される。
【0057】延伸された糸条は熱セットされ捲上げられ
るが、捲上げ直前に糸条にインターレースをかけ、フィ
ラメント相互を集束させる。インターレースは高圧の流
体、例えば高圧空気またはスチームを糸条の外周からノ
ズルを通して噴きつけることによって行なわれる。
【0058】以上の方法で製造された原糸の一部は整経
工程に送られて、経糸用として整経ビームに捲返され、
また一部は緯糸として準備され、WJLで製織される。
【0059】本発明のエアバッグ用ノンコート基布は、
通気量が0.5CC/cm2 /sec未満の低通気性織
物とするが、格別な高密度織物とする必要はない。すな
わち、従来低通気量織物を得るために必要とした高織物
密度に対し、本発明のエアバッグ用ノンコート基布は中
空率分だけ密度を下げることができるからである。
【0060】WJLによる製織は、約1000m/分以
上、好ましくは1200m/分以上の緯糸打込速度で効
率良く行うことができる。
【0061】上記のごとく製織された生機は、通常精練
工程を経ることなくそのままヒートセット工程に送ら
れ、ヒートセットされる。
【0062】また、さらにノンコートエアバッグ用基布
としての通気性を制御するため、あるいは風合や柔軟性
を制御するために、生機の片面または両面にカレンダー
加工してもよい。
【0063】以上の方法で製造された本発明のエアバッ
グ用基布は、前記の基布特性を有するものであり、特に
従来のエアバッグ用ノンコート基布に比べ、軽量性およ
び製織コストの点で有利である。
【0064】上記の特徴を有する本発明のエアバッグ用
ノンコート基布は、運転席および乗員席のいづれにも採
用することができる。
【0065】次に、本発明の一実施態様を、以下の実施
例によって具体的に説明する。
【0066】
【実施例】
[実施例1〜5]硫酸相対粘度(試料濃度1重量%、2
5℃)が3.5で、酸化防止剤として燐を100pp
m、銅を80ppmおよび沃化カリウムを0.1重量%
含有するナイロン66チップを、エクストルーダー型紡
糸機で溶融した。溶融ポリマは紡糸パック中で濾過した
後、口金細孔より紡出した。口金は外周および中空部と
も円形の中空断面繊維が得られる細孔を144ホール有
する口金を用いた。
【0067】紡出糸は口金直下の徐冷ゾーンを通過した
後、冷風で冷却固化された。
【0068】次いで、上記の糸条に炭素数C13の高級炭
化水素で20重量%に希釈した油剤を付与した後、引取
りロールで900m/分の速度で引取り、さらに引取り
ロールと給糸ロールとの間で、糸条に対し5%のストレ
ッチをかけながら油剤原液を付与した。
【0069】油剤は原糸に対し約1重量%となるよう付
与したが、引取りロール前で約0.2重量%、残りを引
取りロールと給糸ロール間で付与した。
【0070】次に、糸条を延伸工程に送り、連続して2
段熱延伸したのち、弛緩熱処理を行なった。この場合
に、引取りロールは非加熱、給糸ロールは60℃、第1
延伸ロール温度は120℃、第2延伸ロール温度は24
0℃、延伸後の弛緩ロール温度は120℃とした。
【0071】延伸倍率は1段目を3.56倍、2段目を
1.25とし、弛緩熱処理の弛緩率は8%とした。
【0072】そして、延伸、熱処理後の糸条に対し、捲
取り直前にインターレースを、交絡数で1m当り約40
ケとなるようにかけて捲取った。
【0073】上記方法で得られた原糸は、420D−1
44filで、強度が9.2g/d 、伸度が21%、沸騰
水収縮率が6.0%であった。
【0074】この原糸の一部は整経ビームとした。一部
は緯糸として津田駒(株)製WJLを用いて緯糸打込み
速度1000m/分で製織した。経糸および緯糸密度を
表1に示したように種々変更して織物密度の異なる生機
を得た。
【0075】生機は精練工程を経ることなく、そのまま
180℃でヒートセットし、エアバッグ用ノンコート基
布を得た。(実施例1) また、原糸の繊度および単糸繊度、素材ポリマの種類
(ポリエチレンテレフタレート[PET]…実施例
5)、製糸条件、製織条件などを表1に示したごとく変
更して、4種のエアバッグ用ノンコート基布を得た。
(実施例2〜5) 得られた各エアバッグ用ノンコート基布について、エア
バッグ用基布としての性能を評価し、結果を表1に併せ
て示した。
【0076】
【表1】 [比較例1]実施例1と同じ製糸方法で、口金のみ72
ホールを使用して製糸および製織し、エアバッグ用ノン
コート基布を得た。得られたエアバッグ用ノンコート基
布について、エアバッグ用基布としての性能評価を表2
に示した。
【0077】[比較例2〜5]実施例1〜5で用いた中
空口金を、通常の円形断面口金(中実口金)に変更した
以外は、上記実施例と同様の方法で製糸および製織し、
表2に示したように織物密度の異なる4種類のエアバッ
グ用ノンコート基布を得た。
【0078】得られたエアバッグ用ノンコート基布につ
いて、エアバッグ基布としての性能を評価し、結果を表
2に併せて示した。
【0079】
【表2】 表1および表2の倍率から明らかなように、本発明の実
施例1〜5で得られた中空断面繊維からなるエアバッグ
用ノンコート基布は、織物密度が比較的低くても低通気
性が達せられ、機械的物性も実用的レベルを有し、かつ
軽量、柔軟のため収納性にもすぐれていることがわか
る。
【0080】一方、従来の非中空の円形断面繊維(中実
繊維)の場合(比較例2〜5)には、低通気性にするた
めには高密度に製織するか、カレンダー加工を適用しな
ければならず、本発明に比較してコストアップになるこ
とがわかる。
【0081】
【発明の効果】本発明の中空断面繊維を用いたエアバッ
グ用ノンコート基布は、軽量性、柔軟性および収納性な
どにすぐれており、特に従来のエアバッグ用ノンコート
基布に比較して著しく軽量である。
【0082】また、本発明のエアバッグ用ノンコート基
布は、従来のエアバッグ用ノンコート基布のように格別
に織物密度を高めたり、あるいは収縮加工、カレンダー
加工を併用しなくても十分な低通気性が達せられるた
め、低い基布製造コストで得られるというメリットを有
する。
【0083】本発明のエアバッグ用ノンコート基布は、
上記性能および製造コストの両面において有利なため、
自動車の乗員保護のため望まれているエアバッグ装着率
の向上にも大きく寄与することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空率が5〜50%の中空断面を有する
    ポリアミド繊維またはポリエステル繊維を素材とする織
    物からなるエアバッグ用ノンコート基布であって、該基
    布の通気量が0.5cc/cm2 /sec以下の低通気
    量であることを特徴とするエアバッグ用ノンコート基
    布。
  2. 【請求項2】 中空断面を有するポリアミド繊維が、ナ
    イロン6、ナイロン66およびナイロン46から選ばれ
    たいずれかであって、繊度が500デニール以下でかつ
    単糸繊度が4デニール以下であることを特徴とする請求
    項1記載のエアバッグ用ノンコート基布。
  3. 【請求項3】 中空断面を有するポリエステル繊維が、
    ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタ
    レートのいずれかであって、繊度が500デニール以下
    でかつ単糸繊度が4デニール以下であることを特徴とす
    る請求項1記載のエアバッグ用ノンコート基布。
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