JPH0753798B2 - ポリアミド及びその組成物 - Google Patents

ポリアミド及びその組成物

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JPH0753798B2
JPH0753798B2 JP19293786A JP19293786A JPH0753798B2 JP H0753798 B2 JPH0753798 B2 JP H0753798B2 JP 19293786 A JP19293786 A JP 19293786A JP 19293786 A JP19293786 A JP 19293786A JP H0753798 B2 JPH0753798 B2 JP H0753798B2
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健 阪下
智明 下田
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三井石油化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、透明性、耐熱特性、機械的特性、化学的物理
的特性、寸法安定性、摺動特性および成形性のいずれに
も優れた性能を兼ね備えた成形用材料、とくに低吸水
性、耐衝撃性、耐熱特性に優れた新規重合体であるポリ
アミドに関するものである。
〔従来の技術〕
従来透明なポリアミドとしては連鎖の立体配置を非対称
にするために、互いにメタ位の置換基を有する芳香族ジ
カルボン酸とジアミンや側鎖脂肪族ジアミンとジカルボ
ン酸、脂環族ジアミンとジカルボン酸との組合せなどが
提案されている。
特公昭49−36959号公報では、イソフタル酸、テレフタ
ル酸とヘキサメチレンジアミンを原料とし透明な熱可塑
性ポリアミドを得ているが、ガラス転移温度は120℃程
度であり、吸水率も満足できるものではない。
また、耐熱性を向上させるため、シクロヘキシル環など
を有する環状ジアミンをジアミン成分に用いる方法が検
討されている。例えば、環状ジアミンであるビス(4−
アミノシクロヘキシル)メタンとイソフタル酸またはテ
レフタル酸から得られる透明ポリアミドのガラス転移温
度は200℃以上に達する。しかし、このような芳香族ジ
カルボン酸と脂環族ジアミンからなるポリアミドはその
溶融粘度が非常に高く、通常の成形加工が困難となると
いう欠点を有し、もろく、耐衝撃性が低下する。
一方、特開昭46−1395号公報では、α,α′−ビス(ア
ミノフエニル)ジイソプロピルベンゼンなどの芳香族ジ
アミンを用いて耐熱性、耐水性、耐薬品性にすぐれたポ
リアミドを得ている。しかし、芳香族ジアミンの反応性
は低いため、工業的に有利な溶融重合法によつて満足な
分子量をもつポリアミドは得られにくいという欠点があ
つた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、成形用材料、摺動用材料などの用途に利
用される透明なポリアミドがこのような状況にあること
に鑑み、耐熱特性、耐衝撃特性および耐水特性、特に耐
水特性、耐衝撃性に優れた新規な透明性ポリアミドを鋭
意検討した。その結果、ジアシロイルジアミン成分単位
(a)およびジアシロイルジアミン成分単位(b)から
なるポリアミドが前記目的を達成する新規ポリアミドで
あり、該新規ポリアミドが耐水特性、耐衝撃性、耐熱特
性、機械的特性、透明性、寸法安定性、化学的物理的特
性および成形特性のいずれにも優れた成形用材料となる
ことを見出し、本発明に到達した。
〔問題点を解決するための手段〕および〔作用〕 本発明によれば一般式[I] で表されるジアシロイルジアミン成分単位(a)〔以下
明細書中、下記の基 と記す。〕および一般式〔II〕 で表わされるジアシロイルジアミン成分単位(b)、 〔式中、Xは、 を示し、Ar1およびAr2は炭素原子数が6ないし25の二価
の炭化水素基を示し、R0は炭素原子数が4ないし25の二
価の炭化水素基を示し、X,Ar1,Ar2,R0はそれぞれ1種類
のみであつても、また数種類の混合成分であつてもよ
い。〕がランダムに配列したポリアミドであつて、 (i) 各成分の組成は(a)成分が5ないし100モル
%および(b)成分が0ないし95モル%の範囲にあるこ
と、 (ii) 300℃で荷重2kgで測定したメルトフローレート
(MFR)が0.01ないし100g/10minの範囲にあること、 (iii) X線回折法で測定した結晶化度が7%以下の
範囲にあること、 (iv) ガラス転移温度(Tg)が110ないし250℃の範囲
にあること、 によつて特徴づけられるポリアミドが物質発明として提
供され、該新規ポリアミド〔A〕および充填剤〔B〕か
らなる成形材料用ポリアミド組成物が用途発明として提
供される。
本発明のポリアミドを構成するジアシロイルジアミン成
分単位(a)は、一般式〔I〕 〔式中、Xは、 を示し、Ar1は、炭素原子数が6ないし25の二価の炭化
水素基を示し、X,Ar1はそれぞれ1種類のみであつて
も、また数種類の混合成分であつてもよい。〕で表わさ
れるジアシロイルジアミン成分単位であり、その含有率
は、5ないし100モル%、好ましくは15ないし80モル
%、特に好ましくは、20ないし65モル%の範囲である。
該ジアシロイジアミン成分単位(a)の含有率が5モル
%より少なくなると耐水性、耐衝撃性などが低下するよ
うになる。
また、本発明のポリアミドを構成するジアシロイルジア
ミン成分単位(b)は、一般式〔II〕 〔式中、R0は炭素原子数が4ないし25の二価の炭化水素
基を示し、Ar2は炭素原子数が6ないし25の二価の炭化
水素基を示し、R0,Ar2は、それぞれ1種類のみであつて
も、また数種類の混合成分であつてもよい。〕で表わさ
れるジアシロイルジアミン成分単位であり、その含有率
は、0ないし95モル%、好ましくは、20ないし85モル
%、特に好ましくは、35ないし80モル%の範囲である。
また、本発明のポリアミドの前記一般式〔I〕で表わさ
れる構成成分中に必須に含まれるジアミン成分、 として、具体的には、α,α′−ビス(4−アミノシク
ロヘキシル)−p−ジイソプロピルベンゼン、α,α′
−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−m−ジイソプロ
ピルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)−1,4−ジイソプロピルシクロヘキサン、α,
α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−1,3−ジイ
ソプロピルシクロヘキサンなどを例示することができ
る。
また、本発明のポリアミドの前記一般式〔II〕で表わさ
れる構成成分中のジアミン成分を構成する二価の炭化水
素基R0は炭素数が4ないし25の二価の炭化水素基であつ
て、アルキレン基、シクロアルキレン基などの脂肪族ま
たは脂環式の基を例示することができる。該ジアミン成
分として具体的には、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジア
ミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミヘ
プタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナ
ン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカ
ン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカ
ン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペン
タデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミ
ノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−
ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、1,3
−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキ
サン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4
−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジ
アミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ビス
(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミ
ノシクロヘキシル)プロパン、4,4′−ジアミノ−3,3′
−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4′−アミノ−
3,3′−ジメチルジシクロヘキシル、4,4′−ジアミノ−
3,3′−ジメチル−5,5′−ジメチルジシクロヘキシルメ
タン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチル−5,5′−ジ
メチルジシクロヘキシルプロパンなどを例示することが
できる。これらのジアミン成分としては、1種のみを単
独で含有していてもよいし、2種以上の混合物として含
有していても差しつかえない。これらのジアミン成分の
うちでは、炭素原子数が6ないし16の範囲にあることが
好ましく、とくに1,6−ジアミノヘキサン成分であるこ
とが好ましい。
本発明のポリアミドを構成する前記一般式〔I〕および
〔II〕で表わされるジアシロイルジアミン成分単位を構
成するジカルボン酸成分に相当するArは炭素原子数6な
いし20の二価の炭化水素基であり、アルキレン基、フエ
ニレン基、ナフチレン基などを例示することができる。
該ジカルボン酸成分として具体的には、アジピン酸、ピ
メリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ド
デカンジカルボン酸などの脂肪族飽和ジカルボン酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルホン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−
ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸を例示することができる。
該ポリアミドを構成するジカルボン酸成分のうちでは、
芳香族系ジカルボン酸成分であることが好ましく、芳香
族ジカルボン酸成分のうちでは、イソフタル酸、テレフ
タル酸またはナフタレンジカルボン酸成分であることが
好ましく、特に、イソフタル酸、テレフタル酸成分の組
み合せで用いることが好ましい。
本発明のポリアミドは、前記(a)成分および前記
(b)成分がランダムに配列して結合し、鎖状構造を形
成したものである。ここで、鎖状構造とは直鎖状構造の
みならず、分枝鎖状構造または相違する分子間で架橋構
造を形成している場合もある。分枝鎖状構造または架橋
構造の形成は前記(a)、(b)両成分単位のアミン成
分を介して形成される。これらのうちでは直鎖状ないし
分枝鎖状構造すなわち実質上線状構造のポリアミドが好
適である。また、本発明のポリアミドの分子末端は
(a)成分または(b)成分を構成するアルキレンジア
ミン成分、脂環族ジアミン成分、芳香族カルボン酸成分
のいずれであつてもよい。分子末端が該アルキレンジア
ミン成分または脂環族ジアミン成分である場合には、末
端アミノ基が低級カルボン酸でアシル化されていてもよ
いし、塩を形成していても差つかえない。また、分子末
端が芳香族ジカルボン酸成分である場合には末端カルボ
キシル基が低級アルコールでエステル化されていてもよ
いし、アミンでアミド化されていてもよいし、塩を形成
していてもよい。
本発明のポリアミドの300℃で荷重2kgで測定したメルト
フローレート(MFR)は0.01ないし100g/10min、好まし
くは0.1ないし50g/10minの範囲にあり、また、該ポリア
ミドが30℃の濃硫酸中に可溶性の場合には30℃の濃硫酸
中で測定した極限粘度〔η〕は通常0.42ないし2.0dl/
g、好ましくは0.5ないし1.3dl/gの範囲である。
本発明のポリアミドは非晶性ないしは低結晶性であつて
透明性のポリアミドである。該ポリアミドを構成する一
般式〔I〕で表わされるイソフタロイルジアミン成分単
位(a)の含有率が高くなるにつれて結晶化度が低下す
る。本発明のポリアミドのX線回折法で測定した結晶化
度は7%以下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは
1%以下の範囲である。
本発明のポリアミドのガラス転移温度(Tg)は110ない
し250℃、好ましくは、120ないし240℃、特に好ましく
は150ないし220℃の範囲にある。
本発明のポリアミドのうちでは、直鎖状ないしは分枝鎖
状構造すなわち実質上線状構造のポリアミド、すなわち
30℃の濃硫酸に溶解するポリアミドが好適である。
本発明のポリアミドは、その構成成分単位であるジアシ
ロイルジアミン成分単位(a)およびジアシロイルジア
ミン成分単位(b)の各々に相当するジカルボン酸又は
ジカルボン酸ジハライドと前記各成分単位に相当するジ
アミンとを次の方法で反応させることにより製造するこ
とができる。
(1) 溶液重縮合法 両者の原料を溶解することのできるベンゼン、トルエ
ン、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン等の溶媒中で、トリエチルア
ミンなどのハロゲン化水素補足剤の存在下に通常−5な
いし80℃の範囲の温度で通常0.5ないし5hr反応を行うこ
とによつて重縮合反応を行う方法。
(2) 界面重縮合法 相当するジアミンと水酸化ナトリウムなどのハロゲン化
水素補足剤を水に溶解させ、ラウリル硫酸ソーダなどの
界面活性剤を0.1ないし5重量%/水用い、この水溶液
とトルエン、ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルムな
どの有機溶媒に溶解したジカルボン酸ジハライドを通常
−10ないし50℃の温度範囲で0.5hrないし2hr混合するこ
とによつて製造する方法。
(3) 溶融重縮合法 ポリアミドの構成成分単位に相当するジカルボン酸また
はそれらのエステルとジアミンより生成するナイロン塩
またはオリゴマーなどの低次縮合物を加圧下または常圧
下で徐々に加熱し、250ないし360℃の範囲で0.5hrない
し10hr反応させる方法。
前記方法のうち、低次縮合物をロール、押出機、ニーダ
ーなどの重合器を用いて280ないし360℃の範囲で1分な
いし10分溶融状態で剪断条件下に混練加熱することによ
つて生成水を系外に除去することによつて製造する方法
が好適に用いられ、その場合の混練手段としてはベント
付きの1軸、多軸の押出機を用いる方法が好ましい。さ
らに低次縮合物合成時あるいは低次縮合物合成後にリン
酸、次亜リン酸ソーダ、リン酸オクチル、トリストリデ
シルホスフアイト等の触媒、安定剤を添加して重縮合を
を行うこともできる。
本発明のポリアミドは前述の優れた性能を有しており、
種々の成形材料の用途に使用され、とくに透明性の成形
材料としての性能に優れている他に、コーテイング剤、
接着剤、プリント配線基板、その他種々の用途に利用さ
れる。該ポリアミドには必要に応じて従来から公知のポ
リマー安定剤、可塑剤、離型剤、滑剤、充填剤などを使
用することができる。ポリマーとしてはナイロン6,6、
ナイロン6などのポリアミドを例示することができる。
充填剤としては粉末状、板状、繊維状あるいはクロス状
物などの種々の形態を有する有機系または無機系の化合
物であり、具体的には、シリカ、アルミナ、シリカアル
ミナ、タルク、ケイソウ土、クレー、カオリン、石英、
ガラス、マイカ、グラフアイト、二硫化モリブデン、セ
ツコウ、ベンガラ、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミニ
ウム、銅、ステンレスなどの粉状、板状の無機系化合
物、ガラス繊維、カーボン繊維、ホウ素繊維、セラミツ
クス繊維、石綿繊維、ステンレススチール繊維などの繊
維状の無機系化合物またはこれらのクロス状物などの2
次加工品、ポリパラフエニレンテレフタルアミド、ポリ
メタフエニレンテレフタルアミド、ポリパラフエニレン
イソフタルアミド、ポリメタフエニレンイソフタルアミ
ド、ジアミノジフエニルエーテルとテレフタル酸(イソ
フタル酸)との縮合物、p(m)−アミノ安息香酸の縮
合物などの全芳香族系ポリアミド、ジアミノジフエニル
エーテルと無水トリメリツト酸または無水ピロメリツト
酸との縮合物などの全芳香族系ポリアミドイミド、全芳
香族系ポリイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリイミ
ダゾフエナンスロリンなどの複素環含有化合物、ポリテ
トラフロロエチレンなどの粉状、板状、繊維状あるいは
クロス状物などのこれら2次加工品などを例示すること
ができ、これらを2種以上の混合して使用することもで
きる。これらの充填剤はシランカツプラーやチタンカツ
プラーなどで処理したものも同様に使用することができ
る。
前記充填剤のうち、粉末状の充填剤としてはシリカ、シ
リカアルミナ、アルミナ、二酸化チタン、グラフアイ
ト、二硫化モリブデン、ポリテトラフロロエチレンを使
用することが好ましく、とくにグラフアイト、二硫化モ
リブデンまたはポリテトラフロロエチレンを使用すると
該組成物から得られる成形体の動摩擦係数、テーパー摩
耗、限界PV値などの耐摩耗性が向上するようになるので
好ましい。かかる充填剤の平均粒径は通常0.1mμないし
200μの範囲、とくに1mμないし100μの範囲にあると前
述の耐摩耗性が著しく向上するので好ましい。かかる充
填剤の配合割合は該ポリアミド100重量部に対して0.1な
いし200重量部の範囲にあることが通常であり、好まし
くは0.5ないし100重量部の範囲、とくに好ましくは1.0
ないし50重量部の範囲である。
また、前記充填剤のうち、有機系の繊維状充填剤として
はポリパラフエニレンテレフタルアミド繊維、ポリメタ
フエニレンテレフタルアミド繊維、ポリパラフエニレン
イソフタルアミド繊維、ポリメタフエニレンイソフタル
アミド繊維、ジアミノジフエニルエーテルとテレフタル
酸またはイソフタル酸との縮合物から得られる繊維など
の全芳香族系ポリアミド繊維を使用すると該組成物から
得られる成形体の引張り強度、アイゾツト衝撃強度など
の機械的特性、熱変形温度などの耐熱特性などが向上す
るようになるので好ましい。さらに、前記充填剤のうち
で無機系の繊維状充填剤としてはガラス繊維、カーボン
繊維またはホウ素繊維を使用すると、該組成物から得ら
れる成形体の引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率などの機
械的特性、熱変形温度などの耐熱特性、耐水性などの化
学的物質的特性などを向上するようになるので好まし
い。前記有機系または無機系の繊維状充填剤の平均長は
通常0.1ないし20mmの範囲、とくに1ないし10mmの範囲
にあると、該組成物の成形性が向上しかつ該組成物から
得られる成形体の熱変形温度などの耐熱特性、引張強
度、曲げ強度などの機械的特性などが向上するようにな
るので好ましい。前記有機系または無機系の繊維状充填
剤の配合割合は該ポリアミド100重量部に対して3ない
し200重量部の範囲にあることが通常であり、好ましく
は5ないし180重量部の範囲、とくに好ましくは5ない
し150重量部の範囲である。
本発明のポリアミドは通常の溶融成形、たとえば圧縮成
形、射出成形または押し出し成形等によつて成形するこ
とができる。
本発明のポリアミドの構成成分の組成、融点、極限粘度
〔η〕、MFR、結晶化度は次の方法で求めた。
(1) ポリアミド構成成分の組成 ポリアミドまたはポリアミドの原料となるポリアミド低
次縮合物のヘキサフルオロイソプロパノール溶媒中の13
C NMRおよび元素分析値を併用することにより算出し
た。
(2) ガラス転移温度 パーキンエルマー社製MODEL DSC−2示差走査熱量計を
用いて毎分10℃の昇温速度で樹脂の示差熱分析を行つて
求めた。
(3) 極限粘度〔η〕 樹脂濃度0.500g/dl、0.770g/dl、1.00g/dlの96重量%濃
硫酸溶液の30℃における相対粘度をウベローデ型粘度計
によつて測定し、比粘度を求め、これらの点から作図に
よつて〔η〕を求めた。なお、前記溶液の作成を30℃で
行つた。
(4) MFR JIS K−7210の方法に準拠し、300℃、荷重2kgで測定し
た。
(5) 結晶化度 理学電気製ロータフレツクス2075を用いてプレスシート
の広角(2θ:70゜〜3゜)のX線解析を行つて求め
た。
〔実施例〕
次に、本発明のポリアミドを実施例によつて具体的に説
明する。試験片の調製法ならびに各性能の評価方法を次
に示した。
また以下の表1において使用した次の略号はそれぞれ次
の化合物を示す。
TA:テレフタル酸 IA:イソフタル酸 DMT:ジメチルテレフタル酸 DMI:ジメチルイソフタル酸 C6DA:ヘキサメチレンジアミン BIS−P:α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)
−p−ジイソプロピルベンゼン BIS−M:α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)
−m−ジイソプロピルベンゼン ACM:ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン (試験片の作製および各物性の評価法) ポリアミドをクラツシヤーによつて粉砕(32メツシユパ
ス)し、100℃、1mmHgの条件下で12hr乾燥した後、該ポ
リアミドをプレス成形機により窒素雰囲気中100kg/cm2
の圧力下、Tgより65ないし120℃高い温度でホツトプレ
スした後、20℃の温度でコールドプレスし、2mmないし4
mm厚の圧縮成形板を作製した。これらの成形板を表1に
記載の各試験片の寸法に切削加工した後窒素雰囲気中、
100℃、40mmHgの条件で12hr乾燥した後試験に供した。
また、充填材配合品は粉砕、乾燥した所定量のポリアミ
ドイミドと所定量の充填材を一軸押出機(L/D=28、20m
mφ)に供給して混合し、約6mmのストランド状として得
た。試験片の作製は充填材を配合しない場合と同様にし
て行つた。
〔I〕 ポリアミド 実施例 1 ジメチルテレフタル酸46.6g(0.24M)、ジメチルイソフ
タル酸108.8g(0.56M)、α,α′−ビス(4−アミノ
シクロヘキシル)−P−ジイソプロピルベンゼン146.7g
(0.412M)およびヘキサメチレンジアミン47.9g(0.412
M)を260gのイオン交換水とともに500mlセパラブルフラ
スコに仕込んだ。この時、触媒として0.16gのリン酸を
添加した。N2雰囲気下で、常圧で攪拌下、95℃、2hr、1
30℃、3hr、140℃、4hr加熱し、白色のナイロン塩を得
た。このナイロン塩を重合フラスコに移し、N2雰囲気
中、常圧で攪拌下130℃、140℃、150℃で各1hr加熱し水
を除去する。次いで水、メタノールを除去しながら2時
間かけて200℃まで昇温し、次いで4時間かけて300℃ま
で昇温し、300℃で15min加熱し、反応を終了する。得ら
れたポリマーは無色透明でガラス転移温度は180℃であ
つた。結果を表2に示した。
実施例 2〜4 実施例1において、ジアミン成分の種類と仕込比率、触
媒などを表2に示したようにかえた以外は、実施例1に
記載の方法でポリアミドを合成した。結果を表2に示し
た。
比較例 1,2 実施例1において、ジアミン成分の種類、仕込比率触媒
などを表2に示したようにかえた以外は、実施例1に記
載の方法でポリアミドを合成した。結果を表2に示し
た。
比較例 3 2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンとテレフタ
ル酸とからなるポリアミド(トロガミド−T 、ダイナ
ミツトノーベル社製)の物性を表2に示した。
〔II〕 ポリアミド組成物 実施例 5 実施例1に記載したポリアミド100重量部、平均長が6mm
のガラス繊維(日東紡績K.K.製、チツプストランドCS 6
PE−231)50重量部よりなるガラス繊維強化ポリアミド
組成物を表3に記載の押出し条件で作製した。この組成
物を用いて作製した試験片の性能を表3に示した。
実施例 6 実施例1に記載したポリアミド100重量部および表3に
記載した量のカーボン繊維(東レK.K.製T008A、平均長6
mm)からなるカーボン繊維強化ポリアミド組成物を表3
に記載した押出し条件で作製した。これらの組成物を用
いて作製した試験片の性能を表3に示した。
実施例 7 実施例1において記載したポリアミド100重量部おび表
3に記載した量のポリパラフエニレンテレフタルアミド
繊維(デユポン社製、ケブラ− 49、平均長3mm)を用
いたポリパラフエニレンテレフタルアミド繊維強化ポリ
アミド組成物を表3に示した押出し条件で作製した。こ
れらの組成物を用いて作製した試験片の性能を表3に示
した。
比較例 4〜5 ナイロン6,6(デユポン社製Zytel101 )およびポリア
セタール(ポリプラスチツクス社製デユラコンM−9
0 )を用いて作製した試験片の性能を表3に示した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] で表されるジアシロイルジアミン成分単位(a)および
    一般式[II] で表されるジアシロイルジアミン成分単位(b)、[式
    中Xは、 を示し、Ar1およびAr2は炭素原子数が6ないし25の二価
    の炭化水素基を示し、R0は炭素原子数が4ないし25の二
    価の炭化水素基を示し、X,Ar1,Ar2,R0はそれぞれ1種類
    のみであっても、また数種類の混合成分であってもよ
    い。]がランダムに配列したポリアミドであって、 (i)各成分の組成は(a)成分が5ないし100モル%
    および(b)成分が0ないし95モル%の範囲にあるこ
    と、 (ii)300℃で荷重2kgで測定したメルトフローレート
    (MFR)が0.01ないし100g/10minの範囲にあること、 (iii)X線回折法で測定した結晶化度が7%以下の範
    囲にあること、 (iv)ガラス転移温度(Tg)が110ないし250℃の範囲に
    あること、 によって特徴づけられるポリアミド。
  2. 【請求項2】[A]一般式[I] で表されるジアシロイルジアミン成分単位(a)および
    一般式[II] で表されるジアシロイルジアミン成分単位(b)、[式
    中Xは を示し、Ar1およびAr2は炭素原子数が6ないし25の二価
    の炭化水素基を示し、R0は炭素原子数が4ないし25の二
    価の炭化水素基を示し、X,Ar1,Ar2,R0はそれぞれ1種類
    のみであっても、また数種類の混合成分であってもよ
    い。]がランダムに配列したポリアミドであって、 (i)各成分の組成は(a)成分が5ないし100モル%
    および(b)成分が0ないし95モル%の範囲にあるこ
    と、 (ii)300℃で荷重2kgで測定したメルトフローレート
    (MFR)が0.01ないし100g/10minの範囲にあること、 (iii)X線回折法で測定した結晶化度が7%以下の範
    囲にあること、 (iv)ガラス転移温度(Tg)が110ないし250℃の範囲に
    あること、 によって特徴づけられるポリアミド、および [B]充填剤 からなる成形材料用ポリアミド組成物。
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